JP2005320572A - 有機化合物蒸着装置および有機化合物蒸着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 有機化合物の蒸着において、突沸や蒸発速度の変化を防止し、長時間安定的に一定蒸発速度で蒸発を行う蒸着方法および蒸着装置を提供する。
【解決手段】 有機化合物を充填した深底の加熱容器と該加熱容器を側面から加熱して有機化合物を気化または昇華させるためのヒータからなる有機化合物の蒸着装置において加熱容器内に、有機化合物の蒸発面に対して垂直に並ぶ熱伝導性の良好な素材から成る柱を配している。
【選択図】 図1
【解決手段】 有機化合物を充填した深底の加熱容器と該加熱容器を側面から加熱して有機化合物を気化または昇華させるためのヒータからなる有機化合物の蒸着装置において加熱容器内に、有機化合物の蒸発面に対して垂直に並ぶ熱伝導性の良好な素材から成る柱を配している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光ディスプレイ、面発光光源などに用いられる有機発光素子に関するものである。
有機EL素子に代表される有機化合物薄膜を有する素子の作成方法として、一般に真空中での加熱蒸着方法が採用されている。具体的にはたとえば、外側にフィラメントがまかれたセラミックス製の坩堝を加熱することにより、内部の有機化合物を昇華させて被蒸着物に蒸着する方法である(特許文献1、2)。
特開平01−225769号公報
特開2001−323367号公報
しかしこのような蒸着方法では、熱伝導率の低い有機化合物を坩堝の外部から加熱するため、熱が有機化合物の内部にまで行き渡らず、坩堝内の有機化合物への熱伝導が不均一となり、蒸着が進行するに連れて,昇華される部分と昇華されない部分が生じ、昇華効率が悪く蒸着速度の低下を招いていた。特に、坩堝の内壁部に接触している部分は、局所的に過度に過熱され、熱分解されてしまう場合があった。熱分解されると、分解物が成膜中に混入し素子の性能を低下させる原因となる。さらに、量産装置を視野に入れた場合,坩堝の容量は必然的に大きくなり、それに伴い、坩堝の開口径に比べ深さが大きくなるため、有機化合物が経時的に減少するに連れ、いわゆる煙突効果により有機化合物分子が指向性を持つ事になり、基体に均一に成膜できなくなる。そのため従来は、坩堝の開口部に複数の穴を有する蓋を配設して、煙突効果による有機化合物分子の指向性を排除していた。
これに対して、熱伝導性の良好な粒状の素材を有機化合物の中に混入して有機化合物の加熱の均一性を向上しようとする試みがなされてきた。しかしながらこの方法によると、有機化合物の蒸発と共に、蒸発面を形成していた粒状素材が有機化合物の支えを失うために動いて突沸を引き起こしたり、有機化合物と粒状素材の混合比が変わってくるため蒸発速度が蒸発の進行と共に変化してしまうという問題があった。
本発明は、以上の問題点にかんがみてなされたものであり、加熱容器に収容された有機化合物がほぼ均一に加熱される。
よって本発明は、
有機化合物材料を充填した深底の加熱容器を側面から加熱して該有機化合物を気化または昇華させて基体に有機化合物の薄膜を形成する有機化合物の蒸着方法において、
前記加熱容器内の前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並ぶように熱伝導性の良好な素材から成る柱を、先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配して、前記柱を加熱することにより前記有機化合物を気化または昇華することを特徴とする有機化合物蒸着方法を提供する。
有機化合物材料を充填した深底の加熱容器を側面から加熱して該有機化合物を気化または昇華させて基体に有機化合物の薄膜を形成する有機化合物の蒸着方法において、
前記加熱容器内の前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並ぶように熱伝導性の良好な素材から成る柱を、先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配して、前記柱を加熱することにより前記有機化合物を気化または昇華することを特徴とする有機化合物蒸着方法を提供する。
また本発明は、
有機化合物材料を充填した深底の加熱容器と該加熱容器を側面から加熱して前記有機化合物を気化または昇華させるためのヒータからなる有機化合物の蒸着装置において、
前記加熱容器内に、前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並び、かつ先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配設された熱伝導性の良好な素材から成る柱を有することを特徴とする有機化合物蒸着装置を提供する。
有機化合物材料を充填した深底の加熱容器と該加熱容器を側面から加熱して前記有機化合物を気化または昇華させるためのヒータからなる有機化合物の蒸着装置において、
前記加熱容器内に、前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並び、かつ先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配設された熱伝導性の良好な素材から成る柱を有することを特徴とする有機化合物蒸着装置を提供する。
本発明によると、加熱容器に収容された有機化合物がほぼ均一に蒸発面積を一定のままに加熱され、安定的に一定蒸発速度で高品質の蒸着が可能となる。
本発明は、有機化合物の粉体が収容された加熱容器を加熱して気化または昇華させるに際し、有機化合物の粉体を、セラミックス金属、またはセラミックスを被覆した金属などの熱伝導率の大きい物質と接触すると、セラミックス、金属、又はセラミックスを被覆した金属が内部まで熱を伝播し、均一に加熱することができる事を見出しなされたものである。
すなわち本発明は、有機化合物材料を充填した深底の加熱容器を側面から加熱して該有機化合物を気化または昇華させて基体に有機化合物の薄膜を形成する有機化合物の蒸着方法において、
前記加熱容器内の前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並ぶように熱伝導性の良好な素材から成る柱を、先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配して、前記柱を加熱することにより前記有機化合物を気化または昇華することを特徴とする。
前記加熱容器内の前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並ぶように熱伝導性の良好な素材から成る柱を、先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配して、前記柱を加熱することにより前記有機化合物を気化または昇華することを特徴とする。
また、本発明は有機化合物材料を充填した深底の加熱容器と該加熱容器を側面から加熱して前記有機化合物を気化または昇華させるためのヒータからなる有機化合物の蒸着装置において、
前記加熱容器内に、前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並び、かつ先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配設された熱伝導性の良好な素材から成る柱を有することを特徴とする柱は熱伝導性の良好なセラミックス、金属、または熱伝導性の良好なセラミックを被覆した金属などを使用することができる。熱伝導性の良好なセラミックスは、多孔質体のものを使用することができる。またセラミックスは、より具体的には、金属酸化物、金属窒化物、炭化物、炭素のいずれかとする事ができる。たとえば、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭素とすることができる。炭素としては、特に制限はなく、様々なものを使用することができ、例えば、活性炭、カーボンブラック、グラファイトなどがあげられ、これらのうち理論値密度が高いグラファイトが最も好ましい。
前記加熱容器内に、前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並び、かつ先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配設された熱伝導性の良好な素材から成る柱を有することを特徴とする柱は熱伝導性の良好なセラミックス、金属、または熱伝導性の良好なセラミックを被覆した金属などを使用することができる。熱伝導性の良好なセラミックスは、多孔質体のものを使用することができる。またセラミックスは、より具体的には、金属酸化物、金属窒化物、炭化物、炭素のいずれかとする事ができる。たとえば、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭素とすることができる。炭素としては、特に制限はなく、様々なものを使用することができ、例えば、活性炭、カーボンブラック、グラファイトなどがあげられ、これらのうち理論値密度が高いグラファイトが最も好ましい。
柱の形状は、長手方向の断面積が一定な円柱、角柱、パイプ、ハニカム構造体が用いられる。
本発明は、有機EL素子の蒸着に適用する事ができ、この場合、有機化合物は有機EL素子の形成に用いられる有機化合物である。また、加熱容器は坩堝又はボートとすることができる。
以下、更に詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる、有機化合物の蒸着装置の一構成例を示す。この蒸着装置11は、蒸着物質を過熱する坩堝12、坩堝を周囲から加熱するヒータ13、ヒータ電源14、被蒸着物である基体15からなる。
坩堝13には、図2に示すように有機化合物22と柱23が混入されている。有機化合物22と柱23の混合比は特に限定はないが、接触面積比で、有機化合物粉体が坩堝内壁面で接触する面積と同等以上の面積で柱が有機化合物と接触している事が望ましい。
蒸着する有機化合物は、昇華性のものや、融解を経て気化するもの、融解しながら気化するものなどを用いる事ができる。柱は、有機化合物より熱伝導率が高く、かつ有機化合物が昇華または気化する温度で昇華または気化しないものを用いる。
基体15に有機化合物を蒸着するには、まず真空ポンプ16を稼動して蒸着装置11内部を真空に保ち、ヒータ13に通電して坩堝12を加熱する。坩堝12を加熱すると内部の有機化合物粉体22柱23は、坩堝12の内壁部から熱が伝播して加熱される。柱は熱伝導率が高いため、坩堝12の内壁目部近傍で加熱された柱は中心部の柱まで連鎖的に熱を伝播し坩堝12から離れた位置にある柱22も加熱され、その周囲に位置する有機化合物23も加熱される。一定温度に達すると、有機化合物22は昇華又は気化し、基体に付着し堆積して薄膜が形成される。柱には何の変化も見られない。
以上のように本実施形態では有機化合物23を柱22と混合して坩堝12に収容しているため、柱22が坩堝12の側壁部からの熱を中心部にまで伝播させ、収容した有機化合物粉体23をほぼ均一に加熱して昇華または気化させ、効率よく蒸着をすることができる。坩堝12の内壁部近傍に位置する有機化合物粉体23は過剰加熱されないため、熱分解が起こらず、有機化合物は劣化しない。また、量産時に底深い坩堝を使用した場合においても、柱の効果によって坩堝内の有機化合物全体から、しかも有機化合物の蒸発面積が一定の状態で満遍なく昇華または気化されるから有機化合物が減少した場合においても一定速度で堆積速度を保持する事ができる。
以下に本発明の堆積膜形成装置の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
柱を配した坩堝内に、有機EL素子の電子輸送層に用いられるAlq3を一定量充填し、一定の温度勾配で一定時間加熱した。
Alq3がある蒸発速度になった時点で、一定蒸発温度に保持するように温度加熱を定温制御に切り替えた。Alq3の蒸発速度はその後数時間にわたって±10%の蒸発速度変化の範囲内で基体に有機薄膜を蒸着できた。
(比較例1)
柱を配しない坩堝内に有機EL素子の電子輸送層に用いられるAlq3を一定量充填し、一定の温度勾配で一定時間加熱した。
柱を配しない坩堝内に有機EL素子の電子輸送層に用いられるAlq3を一定量充填し、一定の温度勾配で一定時間加熱した。
Alq3がある蒸発速度を示すまでの間、突沸による数発速度の急激な変化が発生た。
Alq3がある蒸発速度になった時点で、一定蒸発温度に保持するように温度加熱を定温制御に切り替えたが、突沸は収まらず、Alq3の蒸発速度は数時間後には±50%にまで蒸発速度が変化した。
11 蒸着装置
12 坩堝
13 ヒータ
14 電源
15 基体
16 真空ポンプ
22 柱
23 有機化合物
12 坩堝
13 ヒータ
14 電源
15 基体
16 真空ポンプ
22 柱
23 有機化合物
Claims (2)
- 有機化合物材料を充填した深底の加熱容器を側面から加熱して該有機化合物を気化または昇華させて基体に有機化合物の薄膜を形成する有機化合物の蒸着方法において、
前記加熱容器内の前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並ぶように熱伝導性の良好な素材から成る柱を、先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配して、前記柱を加熱することにより前記有機化合物を気化または昇華することを特徴とする有機化合物蒸着方法。 - 有機化合物材料を充填した深底の加熱容器と該加熱容器を側面から加熱して前記有機化合物を気化または昇華させるためのヒータからなる有機化合物の蒸着装置において、
前記加熱容器内に、前記有機化合物の蒸発面に対して垂直方向に並び、かつ先端部が前記有機化合物の蒸発面から突出するように配設された熱伝導性の良好な素材から成る柱を有することを特徴とする有機化合物蒸着装置。
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JP2004138407A JP2005320572A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | 有機化合物蒸着装置および有機化合物蒸着方法 |
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JP2004138407A JP2005320572A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | 有機化合物蒸着装置および有機化合物蒸着方法 |
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JP (1) | JP2005320572A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008534775A (ja) * | 2005-03-24 | 2008-08-28 | クレアフィス・ゲーエムベーハー | コーティング材料を蒸発若しくは昇華させるための加熱装置とコーティング装置と方法 |
CN109680246A (zh) * | 2019-02-25 | 2019-04-26 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 蒸镀组件 |
JP2020190012A (ja) * | 2019-05-21 | 2020-11-26 | 株式会社アルバック | 真空蒸着装置用の蒸着源 |
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2004
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