JP6865067B2 - マグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置 - Google Patents

マグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置 Download PDF

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Description

本発明は、真空昇華法によるマグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置に関する。
近年の半導体素子の製造においては、高純度材料の需要が高まっている。例えば、青色レーザーダイオード等の半導体素子の製造には、材料として用いるマグネシウム金属材料に含まれる不純物の量が品質に大きく影響するため、高純度のマグネシウム金属が必要となる。マグネシウム金属材料に含まれる不純物は、一般に、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、硫黄(S〉、リン(P〉、アルミニウム(Al)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、アンチモン(Sb)、カリウム(K)、フッ素(F)、ヒ素(As)、クロム(Cr)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、リチウム(Li)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ホウ素(B)が含まれている。これ以外にもマグネシウム金属材料には、亜鉛(Zn)が含まれているが、このマグネシウム金属材料を半導体材料として用いる場合には、100ppm以下の亜鉛は、使用に問題とされないため、100ppm以下の亜鉛は、不純物として扱われないことが多い。
従来では、マグネシウム金属材料に含まれる不純物を低減し、マグネシウム金属の高純度化を図るために、種々のマグネシウム精製方法が採用されていた。マグネシウム精製方法には、例えば、ゾーンメルティング法や、電気精錬法、熱循環法、熱還元法、蒸留法などを拳げることができる。
例えば、特許文献1には、マグネシウム原料を真空蒸留してマグネシウムを精製する方法が示されている。この精製方法では、原料るつぼに装入されたマグネシウム原料を温度600℃〜800℃、真空度1×10−2〜1×10−3Torrで真空蒸留することにより、蒸発させたマグネシウムを原料るつぼ上方で凝縮させ、原料るつぼ下方の回収鋳型に回収してインゴットとし、さらに凝縮後のガスを回収鋳型の下方で冷却して固化するマグネシウムの精製方法が開示されている。
また、特許文献2には、金属精製方法が示されている。この金属精製方法では、真空雰囲気中において、原料るつぼ内のマグネシウム原料を加熱してマグネシウムの蒸気を発生させる第1工程、通気孔が穿設され複数枚重設された凝縮用通気路板によって形成された凝縮用通気路内に蒸気を導き、蒸気の一部を凝縮させ不純物含有量が高濃度の凝縮溶体を生成させる第2工程、凝縮用通気路を通過した蒸気を固化用るつぼ内に導き、冷却して蒸気中から高純度のマグネシウムを固化させる第3工程及び凝縮溶体を原料るつぼ内に繰り返す第4工程を有することが開示されている。
特許第3838717号公報 特許第3857589号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されたマグネシウムを精製する方法では、いずれもマグネシウム原料が収容された原料るつぼをヒーター(電気炉)で加熱し、マグネシウムの蒸気を発生させる。この際、マグネシウム原料は、ヒーターにより加熱された原料るつぼからの熱伝導と一部の輻射熱とにより加熱されるため、当該マグネシウム原料を設定温度にまで加熱するために、多大な時間を要し、精製効率が悪いという問題がある。
また、ヒーターにより外部から原料るつぼの内方に向けて熱を伝導させて加熱する方法では、原料るつぼ内のマグネシウム原料を均一に加熱することが困難であり、局所的に設定温度よりも高く加熱される場合がある。この場合、マグネシウム以外にもマグネシウム原料に含まれていた不純物も蒸発し、原料るつぼ上方で凝縮させたマグネシウムに不純物が混入する場合がある。
さらには、上述したような特許文献1及び特許文献2では、精製により得られた高純度マグネシウムは、回収鋳型や固化用るつぼ内に収容される。ゆえに、精製マグネシウムを取り出す際に不純物の混入による汚染のおそれがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、その目的は、効率的に高純度のマグネシウムを精製することを可能とするマグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置を提供することである。
本発明の一態様のマグネシウムの精製方法は、真空昇華法によりマグネシウム原料を加熱することにより生じた気化マグネシウムをSUS繊維間に通過させてからコンデンサに蒸着させることを特徴とする。
本発明の一態様のマグネシウムの精製装置は、直立された筒体と、前記筒体の内部における下方に設けられた原料載置部と、前記原料載置部に載置されたマグネシウム原料を加熱可能な原料加熱部と、前記筒体の内部における前記原料載置部よりも上方に設けられ、前記マグネシウム原料が気化した気化マグネシウムが蒸着可能なコンデンサと、前記原料載置部及び前記コンデンサ間に設けられ、前記気化マグネシウムが通過可能なSUS繊維とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、効率的に高純度のマグネシウムを精製することができるマグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置を提供することができる。
本発明のマグネシウムの精製方法により生成したマグネシウムにおける不純物の含有量を原材料及び比較例等と比較した測定結果を示す表である。 本発明のマグネシウムの精製方法が実施可能なマグネシウムの精製装置の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るマグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置を説明する。
本発明に係るマグネシウムの精製方法は、マグネシウム原料を真空中において昇華させることによりマグネシウムを精製する方法である。すなわち、マグネシウム原料を加熱して気化マグネシウムを発生させ、この気化マグネシウムを上方に設けられているコンデンサに蒸着させて精製マグネシウムを得る。
本発明においてマグネシウム原料は、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、硫黄(S)、リン(P)、アルミニウム(Al)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、アンチモン(Sb)、カリウム(K)、フッ素(F)、ヒ素(As)、クロム(Cr)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、リチウム(Li)、モリブデン(Mo)、チタン(Tl)、ホウ素(B)等の不純物の総含有量が1000ppm以下の高純度マグネシウムを用いることが好ましい。本発明は、不純物の総含有量が1000ppm以下の高純度マグネシウムをさらに精製してより純度の高いマグネシウムを精製する方法に適しているからである。なお、マグネシウム原料には、亜鉛(Zn)が含まれているが、精製されたマグネシウムを半導体材料として用いる場合には、当該亜鉛は、100ppm以下であれば、不純物として扱われない場合が多い。よって、ここでは、100ppm以下の亜鉛については不純物としては扱わないものとする。
当該マグネシウム原料の精製を行う真空条件としては、10Pa〜1×10−1Paであることが好ましい。真空雰囲気中に残存する気体は空気であっても良いが、より好ましくは、アルゴン等の不活性ガスであることが好ましい。真空雰囲気の形成方法について特に限定はないが、空気又は不活性ガスが充填された真空容器内から真空ポンプ等により空気又は不活性ガスを吸引して上述した真空条件の真空雰囲気を形成することが好ましい。
そして、本発明におけるマグネシウムの精製方法では、当該真空条件下において、マグネシウム金属の昇華温度よりも高い430℃〜550℃の温度にマグネシウム原料を加熱し、当該マグネシウム原料に含まれるマグネシウムを昇華させることが好ましい。マグネシウム原料に含まれるマグネシウムよりも蒸気圧が低い不純物は、蒸発することなくマグネシウム原料に残留させることができる。ゆえに、マグネシウムよりも蒸気圧が低い不純物であるリチウム(Li)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bl)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、銀(Ag)、チタン(Tl)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Nl)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)等をマグネシウム原料に残留させて、昇華したマグネシウムと分離させることができる。
当該加熱の方法は誘導加熱法が好適である。誘導加熱コイルによってマグネシウム原料に渦電流を誘導してマグネシウム原料を自己発熱させる。誘導加熱コイルに供給する電流の周波数や供給電力を調整することにより、マグネシウム原料を当該真空条件下におけるマグネシウム金属の昇華温度よりも高い430℃〜550℃に加熱することができる。この際、マグネシウム原料が収容される真空容器は、蒸着部以外の部分に加熱により昇華したマグネシウムが蒸着することを防止するため、マグネシウム原料と共に誘導加熱コイルによって真空容器自体も誘導加熱することが好ましい。
誘導加熱法によってマグネシウム原料を加熱することにより、当該マグネシウム原料は真空容器を介することなく直接加熱される。マグネシウム原料を収容する真空容器をヒータにより加熱し、当該真空容器からの熱伝導によりマグネシウム原料を加熱する場合と異なり、誘導加熱法では、マグネシウム原料の均一な加熱が可能となる。よって、マグネシウム原料が局所的に高温に加熱されることを抑制することができるため、マグネシウム以外にもマグネシウム原料に含まれていた不純物が、蒸着部に精製マグネシウムと共に蒸着してしまう不都合を回避することができる。また、誘導加熱法によりマグネシウム原料の加熱は、真空容器からの熱伝導による加熱とは異なり、直接マグネシウム原料自体を加熱することができるため、より短時間でマグネシウム原料を目的とする温度に加熱することができる。
そして、本発明に係るマグネシウムの精製方法では、マグネシウム原料が収容される真空容器内には、当該マグネシウム原料から離して蒸着部を配設する。この蒸着部は、加熱によって昇華され、真空雰囲気中に拡散したマグネシウムを蒸着させるものであり、真空容器の内壁面よりも低い所定の蒸着温度に温度制御される。
具体的には、当該蒸着部におけるマグネシウムの蒸着温度は、上述した真空条件下においてマグネシウムを蒸着可能とする330℃〜410℃とすることが好ましい。当該蒸着部をマグネシウムが蒸着可能とする温度に調整することにより、マグネシウム原料に含まれるマグネシウムよりも蒸気圧が高い不純物が当該蒸着部に蒸着される不都合を抑制することができる。よって、マグネシウムよりも蒸気圧が高い不純物である亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、ヒ素(As)、カリウム(K)、リン(P)、硫黄(s)、塩素(Cl)、フッ素(F)等が蒸着部に付着することを抑制して、蒸着部に付着したマグネシウムと分離させることができる。蒸着部には、既に蒸着されたマグネシウムの表面にさらに真空雰囲気中に拡散したマグネシウムが蒸着することにより、高純度に精製されたマグネシウムが次第に成長していく。
さらに、本発明に係るマグネシウムの精製方法では、これらの不純物を、気化マグネシウムの状態でSUS繊維間を通過させることにより除去して、より高純度のマグネシウムを効率的に得る。
SUS繊維に加えて、Cu繊維間を通過させることも好適である。なお、SUS繊維及びCu繊維の通過順位は不問である。どちらか一方を先に通過させ、その後他方を通過させるようにしても良い。
あるいは、気化マグネシウムを、まず第1のSUS繊維間を通過させた後にCu繊維間を通過させ、次いで第1のSUS繊維とは別の第2のSUS繊維間を通過させるようにすることができる。
図1には、本発明のマグネシウムの精製方法を用いて精製したマグネシウムの不純物含有量を、原材料及びSUS繊維を通さない比較例と比較した表が示されている。表中原材料は、精製前のマグネシウムであり、比較例は、SUS繊維を用いずに精製したマグネシウムを示す。実施例1はSUS繊維を通過させて精製した場合を示す。また、実施例2はSUS繊維及びCu繊維を通過させて精製した場合を示しており、これは、実施例1にCu繊維を加えた場合である。さらに、実施例3はSUS繊維及びAl繊維を通過させて精製した場合を示しており、これは、実施例1にAl繊維を加えた場合である。
測定の結果、実施例1では、比較例に比較して不純物が大幅に減少し、SUS繊維が変色したことから、SUS繊維が不純物を吸着したことが判る。また、実施例2では、実施例1に比較して不純物、特にPbが減少し、Cu繊維が変色したことから、Cu繊維が不純物を吸着したことが判る。さらに、実施例3は、比較例に比較して不純物が大幅に減少しているが、実施例1、実施例2に比較して増加した不純物もあり、Al繊維の効果が一長一短であることが判る。
以上、説明したマグネシウムの精製方法においては、図1の表からわかるように、SUS繊維を通過させて精製することにより、効率的に高純度のマグネシウムを精製することができる。また、Cu繊維を通過させることにより、さらに高純度のマグネシウムを得ることができる。
次に、図2に基づいて、本発明に係るマグネシウムの精製方法が実施可能な本発明に係るマグネシウムの精製装置について説明する。
図2に示すように、マグネシウムの精製装置10は、鉛直方向に設けられたSUS304製の筒体20を有する。筒体20は、断面が円筒形状や角柱形状のものを用いることができる。筒体20は、上下端部が開口しており、下端部には底体201を有するとともに、上端部には蓋体202が設けられている。底体201及び蓋体202は、筒体20の密閉状態が保持できるように取り付けられる。蓋体202は、真空ポンプ13に接続されている。これにより、筒体20の内部は、真空雰囲気を保持することができる。また、蓋体202には、温度計測器14が取り付けられており、筒体20の内部の温度が計測できるようになっている。
筒体20の内部における下方すなわち底体201の上側には、マグネシウム原料11を載置する原料載置部21を有する。原料載置部21には、原料載置部21に載置されたマグネシウム原料11を所定の温度に加熱制御可能な原料加熱部22が設けられている。原料加熱部22によってマグネシウム原料11を加熱することにより、マグネシウム原料11が昇華して気化マグネシウム12を発生する。気化マグネシウム12は、筒体20の内部を上昇する。なお、原料加熱部22による加熱方法は特に限定するものではないが、誘導加熱を用いる場合には、筒体20の外周面に沿って誘導加熱コイルを設ける。
原料加熱部22として誘導加熱を用いる場合、マグネシウム原料11は、筒体20の内壁面と離間して収容されることが好ましい。なぜなら、原料加熱部22への通電によって、誘導加熱された筒体20からマグネシウム原料11に伝達熱が加わり、マグネシウム原料11が局所的に高温に加熱されることを効果的に抑制するためである。ただし、原料加熱部22によるマグネシウム原料11の誘導加熱効率を考慮すると、より筒体20に巻回された誘導加熱コイル(図示せず)に近接することが好ましい。よって、マグネシウム原料11と筒体20の内壁面とは0.5mm〜3mm離間して配置することが好ましい。
筒体20の内部において原料載置部21よりも上方には、マグネシウム原料11を加熱することにより発生した気化マグネシウム12が蒸着可能なコンデンサ23を有する。ここでは、筒体20の上端部に設けられている蓋体202に、コンデンサ23が取り付けられている。
原料載置部21とコンデンサ23との間、ここでは、筒体20の下部には、第1SUS繊維24が、筒体20の軸に対して直交するように内部を横切って設けられている。第1SUS繊維24は、線状のSUS材を不規則に丸めたものであり、気化マグネシウム12が内部を通過できるものである。第1SUS繊維24に対応して、筒体20の外周面には第1加熱部25が設けられており、第1SUS繊維24が所定の温度となるように加熱制御可能になっている。
原料載置部21とコンデンサ23との間で、第1SUS繊維24の上方には、Cu繊維26が、筒体20の軸に対して直交するように内部を横切って設けられている。Cu繊維26は、線状のCu材を不規則に丸めたものであり、気化マグネシウム12が内部を通過できるものである。Cu繊維26に対応して、筒体20の外周面には第2加熱部27が設けられており、Cu繊維26が所定の温度となるように加熱制御可能になっている。
原料載置部21とコンデンサ23との間で、Cu繊維26の上方には、第2SUS繊維28が、筒体20の軸に対して直交するように内部を横切って設けられている。第2SUS繊維28は、前述した第1SUS繊維24と同じものでもよいが、繊維間密度が異なるものであっても良い。第2SUS繊維28に対応して、筒体20の外周面には第3加熱部29が設けられており、第2SUS繊維28が所定の温度となるように加熱制御可能になっている。
筒体20における第2SUS繊維28の上方には、蓋体202との間に、第4加熱部31が設けられている。第4加熱部31は、蓋体202の下端部及びコンデンサ23が所定の温度となるように加熱制御可能になっている。
第4加熱部31は、筒体20の目的としない内壁面に気化マグネシウム12が蒸着することを抑止するためのものである。
次に、上述したマグネシウムの精製装置10におけるマグネシウム原料11の精製動作について説明する。
まず、筒体20下部の原料載置部21に、マグネシウム原料11を載置する。そして、筒体20を密封した後、真空ポンプ13により筒体20の内部を減圧して、所定の真空度(気圧)に保持する。
次いで、原料加熱部22を作動させて、原料載置部21のマグネシウム原料11を加熱する。この際、温度計測器14によって計測される原料載置部21の温度が480℃〜530℃となるように原料加熱部22を制御する。これにより、マグネシウム原料11がマグネシウムの気化温度よりも高く加熱されるので、マグネシウム原料11が昇華して、気化マグネシウム12を発生する。このとき、マグネシウム原料11に含まれる不純物もマグネシウムとともに気化して気化マグネシウム12に含まれる。なお、マグネシウム原料11に残留する不純物もある。
昇華した気化マグネシウム12は、筒体20内を上昇して、第1SUS繊維24に達する。このとき、第1SUS繊維24が450℃〜850℃となるように、第1加熱部25を制御する。これにより、気化マグネシウム12に含まれる一部の不純物が、第1SUS繊維24に蒸着して、第1SUS繊維24の表面が薄茶色に変色する。蒸着した不純物は、例えば0.01μm程度の厚みになる。なお、マグネシウムは、第1SUS繊維24が450℃〜850℃に設定されており、マグネシウムの蒸着可能温度(330℃〜410℃)よりも高いため、蒸着しないで第1SUS繊維24を通過する。
第1SUS繊維24を通過した気化マグネシウム12は、さらに上昇して、Cu繊維26に達する。このとき、Cu繊維26が450℃〜850℃となるように、第2加熱部27を制御する。これにより、第1SUS繊維24を通過した気化マグネシウム12に含まれる一部の不純物が、Cu繊維26に蒸着して、Cu繊維26の表面が白っぽく変色する。なお、マグネシウムは、Cu繊維26が450℃〜850℃に設定されているため、蒸着しないでCu繊維26を通過する。
Cu繊維26を通過した気化マグネシウム12は、さらに上昇して、第2SUS繊維28に達する。このとき、第2SUS繊維28が450℃〜850℃となるように、第3加熱部29を制御する。これにより、第1SUS繊維24及びCu繊維26を通過した気化マグネシウム12に含まれる一部の不純物が、第2SUS繊維26に蒸着する。なお、マグネシウムは、Cu繊維26が450℃〜850℃に設定されているため、蒸着しないで第2SUS繊維28を通過する。
第2SUS繊維28を通過した気化マグネシウム12は、さらに上昇して、コンデンサ23に達する。このとき、コンデンサ23は、マグネシウムの蒸着可能温度(330℃〜410℃)である350℃に制御されているため、気化マグネシウム12は、コンデンサ23に蒸着する。なお、コンデンサ23の周囲は、第4加熱部31によって650℃に制御されている。このため、筒体20の上端まで上昇した気化マグネシウム12は、筒体20内面に蒸着しないで、コンデンサ23に蒸着することとなる。
以上のように、マグネシウムの精製装置10を用いてマグネシウムの精製方法を実施することにより、より短時間で、効率的に高純度のマグネシウムを精製することができる。
本発明のマグネシウムの精製方法及びマグネシウムの精製装置は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、下から上に向かって順に第1SUS繊維24、Cu繊維26、第2SUS繊維28を設けた場合について説明したが、SUS繊維のみ設ける場合、あるいは、SUS繊維及びCu繊維を設ける場合にも適用可能である。SUS繊維及びCu繊維を設ける場合には、SUS繊維及びCu繊維を設ける位置(順番)は、任意である。
以上、説明したとおり、本明細書には下記の事項が開示されている。
(1) 真空昇華法によりマグネシウム原料を加熱することにより生じた気化マグネシウムをSUS繊維間に通過させてからコンデンサに蒸着させるマグネシウムの精製方法。
(2) 上記(1)記載のマグネシウムの精製方法であって、
前記気化マグネシウムをCu繊維間に通過させるマグネシウムの精製方法。
(3) 上記(1)記載のマグネシウムの精製方法であって、
前記SUS繊維間を通過させた前記気化マグネシウムをCu繊維間に通過させ、
次いで前記SUS繊維とは別のSUS繊維間に通過させるマグネシウムの精製方法。
(4) 上記(1)ないし(3)のうちのいずれか1つに記載のマグネシウムの精製方法であって、
前記SUS繊維を加熱するマグネシウムの精製方法。
(5) 直立された筒体と、
前記筒体の内部における下方に設けられた原料載置部と、
前記原料載置部に載置されたマグネシウム原料を加熱可能な原料加熱部と、
前記筒体の内部における前記原料載置部よりも上方に設けられ、前記マグネシウム原料が気化した気化マグネシウムが蒸着可能なコンデンサと、
前記原料載置部及び前記コンデンサ間に設けられ、前記気化マグネシウムが通過可能なSUS繊維とを備えるマグネシウムの精製装置。
(6) 上記(5)記載のマグネシウムの精製装置であって、
前記原料載置部及び前記コンデンサ間に設けられ、前記気化マグネシウムが通過可能なCu繊維を備えるマグネシウムの精製装置。
(7) 上記(5)記載のマグネシウムの精製装置であって、
前記筒体の内部における前記SUS繊維の上方に設けられたCu繊維と、
前記筒体の内部における前記Cu繊維の上方に設けられ、前記SUS繊維とは別のSUS繊維とを備えるマグネシウムの精製装置。
(8) 上記(5)ないし(7)のうちのいずれか1つに記載のマグネシウムの精製装置であって、
前記SUS繊維を加熱する加熱部を有するマグネシウムの精製装置。
10 マグネシウムの精製装置
11 マグネシウム原料
12 気化マグネシウム
20 筒体
21 原料載置部
22 原料加熱部
23 コンデンサ
24 第1SUS繊維(SUS繊維)
25 第1加熱部(加熱部)
26 Cu繊維
28 第2SUS繊維(別のSUS繊維)

Claims (6)

  1. 真空昇華法によりマグネシウム原料を加熱することにより生じた気化マグネシウムを、所定温度に制御したSUS繊維間及びCu繊維間に通過させてからコンデンサに蒸着させるマグネシウムの精製方法。
  2. 真空昇華法によりマグネシウム原料を加熱することにより生じた気化マグネシウムを、所定温度に制御したSUS繊維間に通過させ、
    前記SUS繊維間を通過させた前記気化マグネシウムをCu繊維間に通過させ、
    前記Cu繊維間を通過させた前記気化マグネシウムを、前記SUS繊維とは別の、所定温度に制御したSUS繊維間に通過させてからコンデンサに蒸着させるマグネシウムの精製方法。
  3. 請求項1又は2記載のマグネシウムの精製方法であって、
    前記SUS繊維を加熱するマグネシウムの精製方法。
  4. 直立された筒体と、
    前記筒体の内部における下方に設けられた原料載置部と、
    前記原料載置部に載置されたマグネシウム原料を加熱可能な原料加熱部と、
    前記筒体の内部における前記原料載置部よりも上方に設けられ、前記マグネシウム原料が気化した気化マグネシウムが蒸着可能なコンデンサと、
    前記原料載置部及び前記コンデンサ間に設けられ、前記気化マグネシウムが通過可能であり所定温度に制御されたSUS繊維及びCu繊維とを備えるマグネシウムの精製装置。
  5. 直立された筒体と、
    前記筒体の内部における下方に設けられた原料載置部と、
    前記原料載置部に載置されたマグネシウム原料を加熱可能な原料加熱部と、
    前記筒体の内部における前記原料載置部よりも上方に設けられ、前記マグネシウム原料が気化した気化マグネシウムが蒸着可能なコンデンサと、
    前記原料載置部及び前記コンデンサ間に設けられ、所定温度に制御され、前記気化マグネシウムが通過可能なSUS繊維と、
    前記筒体の内部における前記SUS繊維の上方に設けられたCu繊維と、
    前記筒体の内部における前記Cu繊維の上方に設けられ、前記SUS繊維とは別の、所定温度に制御されたSUS繊維とを備えるマグネシウムの精製装置。
  6. 請求項4又は5記載のマグネシウムの精製装置であって、
    前記SUS繊維を加熱する加熱部を有するマグネシウムの精製装置。
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