JP2002212390A - 絶縁樹脂組成物、銅箔付き絶縁材および銅張積層板 - Google Patents

絶縁樹脂組成物、銅箔付き絶縁材および銅張積層板

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JP2002212390A
JP2002212390A JP2001010988A JP2001010988A JP2002212390A JP 2002212390 A JP2002212390 A JP 2002212390A JP 2001010988 A JP2001010988 A JP 2001010988A JP 2001010988 A JP2001010988 A JP 2001010988A JP 2002212390 A JP2002212390 A JP 2002212390A
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insulating
copper foil
epoxy resin
resin
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Nobuyuki Ogawa
信之 小川
Takeshi Horiuchi
猛 堀内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非ハロゲン系難燃樹脂を用い、かつ耐熱性、
信頼性が優れる絶縁樹脂組成物およびこれを用いた銅箔
付き絶縁材を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、ポ
リビニルアセタール樹脂、電気絶縁性ウィスカー、金属
水酸化物および難燃助剤の複酸化物を含有することによ
り、解決を図った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ハロゲン系難燃
性樹脂を用いた絶縁樹脂組成物、銅箔付き絶縁材および
銅張積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁樹脂組成物には、従来から、エポキ
シ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤からなるエポ
キシ樹脂組成物が用いられてきた。また、プリント配線
板には難燃性を付与する必要があるため、一般には、難
燃剤として臭素等のハロゲン元素を有する化合物、たと
えば、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビ
スフェノールA、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂など、を添加していた。
【0003】また、多層プリント配線板は、内層にも電
気回路を有する配線板であり、あらかじめ回路を形成し
た内層プリント配線板と外層配線材料である銅箔とを、
プリプレグを介して、熱圧成形により一体化した内層プ
リント配線板入り銅張積層板の外層表面に回路を形成し
て得られる。このプリプレグには、従来、ガラスクロス
にエポキシ樹脂を含浸乾燥し、樹脂を半硬化状態にした
ガラスクロスプリプレグ、もしくははガラスクロスを用
いないプリプレグとして、フィルム形成能を有する樹脂
を半硬化状態にした接着フィルム(特開平6−2002
16、特開平6−242465号公報参照)、またはこ
の接着フィルムを銅箔の片面に形成した銅箔付き接着フ
ィルム(特開平6−196862号公報参照)が使用さ
れている。なお、ここでいうフィルム形成能とは、プリ
プレグの搬送、切断および積層等の工程中において、樹
脂の割れや欠落等のトラブルが生じにくく、その後の熱
圧成形時に、層間絶縁層が内層回路存在部等で異常に薄
くなったり、層間絶縁抵抗の低下やショートというトラ
ブルを生じにくい性能を意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境問題から非
ハロゲン系難燃樹脂の使用が求められている。一般に非
ハロゲン系難燃剤として、金属水酸化物系難燃剤および
リン系難燃剤が用いられてきた。しかしこららの難燃剤
を電子材料用途の樹脂に単独で使用して、難燃性を十分
に得るためには、いずれの場合も多量に使用する必要が
あった。具体的には、金属水酸化物の場合は、樹脂10
0重量部に対して150重量部以上の含有が必要であ
り、リン系難燃剤の場合は、同様に樹脂100重量部に
対して、20重量部以上の含有が必要であった。
【0005】しかしながら、金属水酸化物を多量に使用
した場合、はんだ耐熱性等の耐熱性や耐薬品性の低下、
並びに絶縁樹脂の流動性の低下や耐絶縁性の低下などが
発生し、絶縁材料として好ましくない。またリン系難燃
剤を大量に用いた場合も、同様に耐熱性の低下や耐薬品
性の低下が発生し、絶縁材料として好ましくない。
【0006】また、電子機器の小型化、高性能化、低コ
スト化が進行し、プリント配線板には、高密度化、薄型
化、高信頼性化、低コスト化が要求されている。プリン
ト配線板の高密度化に対しては多層化により、薄型化に
対しては内層回路基板およびプリプレグを薄くすること
により対応している。しかし、ガラスクロスを使用する
プリプレグの場合は、極薄化すると、耐熱性や耐電食性
などの信頼性の低下が生じ、極薄化の限界があった。
【0007】一方、ガラスクロスを使用しないプリプレ
グである、接着フィルムや銅箔付き接着フィルムは、厚
さをより薄くすることができ、また小径のドリル加工
性、レーザ穴加工性および表面平滑性に優れる。しかし
ながら、これらのプリプレグで作製した多層プリント配
線板は、外層絶縁層にガラスクロス基材がないので剛性
が極めて低く、これに起因して、特に高温下において問
題が顕在化し、部品実装工程においてたわみが生じやす
く、ワイヤーボンディング性も極めて悪いという問題が
あった。
【0008】さらに、ガラスクロス基材を有しない外層
絶縁層は、熱膨張係数も大きいので、実装部品との熱膨
張の差が大きくなる。このことは、実装部品との接続信
頼性の低下につながり、加熱冷却時の熱膨張−収縮に伴
い、はんだ接続部にクラックや破断が起こり易い等の問
題も抱えている。したがって、現状のガラスクロス基材
を有しない接着フィルムや銅箔付き接着フィルムを使用
しても、多層プリント配線板の薄型化、高密度化の高度
化する要求に対応できない状況にある。
【0009】そこで、本発明は、非ハロゲン系難燃樹脂
を用い、しかも、耐熱性、信頼性が優れる絶縁樹脂組成
物およびこれを用いた銅箔付き絶縁材を提供することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題に対し、本発
明は、非ハロゲン系難燃剤として、金属水酸化物と難燃
助剤の複酸化物を併用し、これを、エポキシ樹脂、エポ
キシ樹脂硬化剤、ポリビニルアセタール樹脂、電気絶縁
性ウィスカーからなる樹脂組成物に含有させることによ
って、従来の非ハロゲン系難燃剤を大量に使用すること
に起因する問題の解決を図った。また、本発明は、リン
系難燃剤をさらに含有させることで解決を図った。
【0011】すなわち、本発明の絶縁樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、ポリビニルアセター
ル樹脂、電気絶縁性ウィスカー、金属水酸化物および難
燃助剤の複酸化物を含有するものである。本発明はま
た、この樹脂組成物に、さらに、リン酸エステル化合
物、リン含有エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂硬化
剤のいずれかを含有し、リン量を、エポキシ樹脂、エポ
キシ樹脂硬化剤、ポリビニルアセタール樹脂、必要に応
じて使用される硬化促進剤および/または添加剤の合計
量に対して、合計で0.1〜10重量%とするものであ
る。
【0012】さらに本発明は、この電気絶縁性ウィスカ
ーと前記金属水酸化物の合計が10〜50体積%であ
り、電気絶縁性ウィスカーは、硼酸アルミニウムおよび
/または硼酸マグネシウムであり、金属水酸化物は、水
酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムと
するものである。
【0013】さらにまた、本発明は、この難燃助剤の複
酸化物が、モリブデン元素および/またはチタン元素を
含有する化合物であり、具体的には、1種以上のモリブ
デン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸カ
ルシウム亜鉛、チタン酸亜鉛、チタン酸カルシウムを含
有する化合物とするものである。
【0014】また本発明は、少なくとも片面が粗化され
た銅箔の粗化面に、上記の絶縁樹脂組成物を形成する銅
箔付き絶縁材、および、少なくとも1枚以上のプリプレ
グまたはコア材の片面または両面に、この銅箔付き絶縁
材の絶縁材料層側を重ね、ついで加熱加圧成形した銅張
積層板である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いるエポキシ樹脂は、分子内に2個以上
のエポキシ基をもつ化合物であれば特に限定されない。
たとえば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂が好ましく用いられ、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラッ
ク型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂が好ましい。内層回路の充填性および耐熱
性の向上の点から、ビスフェノールAノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂または
サリチルアルデヒドフェノールノボラック型エポキシ樹
脂がより好ましい。これらの樹脂は、単独でも、また併
用して使用することもでき、またエポキシ樹脂の分子量
は、特に限定されない。
【0016】本発明で用いるエポキシ樹脂硬化剤は、通
常エポキシ樹脂の硬化剤として用いるものであれば特に
限定されない。たとえば、ジアミノジフェニルメタン、
ジシアンジアミドなどのアミン類、ポリアミンと重合脂
肪酸との重縮合によって作られたポリアミド樹脂などの
各種ポリアミド系硬化剤、無水フタル酸や無水トリメリ
ット酸等の酸無水物、フェノール性水酸基を1分子中に
2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフ
ェノールFやビスフェノールS等、さらには、フェノー
ル樹脂であるフェノールノボラック樹脂、ビスフェノー
ルノボラック樹脂、また、メラミン変性フェノールノボ
ラック樹脂等のフェノール類とトリアジン環を有する化
合物とアルデヒド類との反応物が挙げられる。これらの
化合物は、単独であってもよく、また2種類以上を併用
することもできる。
【0017】このエポキシ樹脂硬化剤のエポキシ樹脂に
対する割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜
100重量部の範囲が好ましい。エポキシ樹脂硬化剤が
この範囲にあれば、エポキシ樹脂の硬化性が確保でき、
また硬化剤が過剰となり可塑剤として機能することを防
止できる。これにより、エポキシ樹脂は、良好な耐熱性
を有することができる。
【0018】本発明おける樹脂組成物には、エポキシ樹
脂の硬化促進剤を含有させることが好ましい。硬化促進
剤は、通常のエポキシ樹脂の硬化反応を促進するもので
あれば、特に限定されない。たとえば、イミダゾール
類、有機リン化合物、第三級アミン、第四級アンモニウ
ム塩などが例示される。イミダゾール類としては、イミ
ダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウ
ンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミ
ダゾール、4−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールなど
が、有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン
などが、第三級アミンとしては、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ピリジンなどが、また、第四級アンモ
ニウム塩としては、酢酸テトラブチルアンモニウム、硫
酸水素テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。硬
化促進剤のエポキシ樹脂に対する割合は、エポキシ樹脂
100重量部に対し、0.01〜10重量部の範囲が好
ましい。硬化促進剤の量がこの範囲にあると、エポキシ
樹脂の硬化が確保され、また過剰となることがないの
で、耐熱性も充分に維持される。
【0019】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂は、銅箔付き絶縁材としたときの取り扱い性、粉落
ち性の向上させるために必要である。ポリビニルアセタ
ール樹脂の種類、水酸基量、アセチル基量は特に限定さ
れないが、重合度は1000〜2500のものが好まし
い。この範囲にあると、はんだ耐熱性が確保でき、ま
た、ワニスの粘度、取り扱い性も良好である。ここでポ
リビニルアセタール樹脂の数平均重合度は、たとえば、
その原料であるポリ酢酸ビニルの数平均分子量(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレ
ンの検量線を用いて測定する)から決定することができ
る。また、カルボン酸変性品などを用いることもでき
る。ポリビニルアセタール樹脂の使用量は、エポキシ樹
脂、エポキシ樹脂硬化剤、ならびに必要に応じて使用さ
れる硬化促進剤および添加剤の合計量100重量部に対
して、0.5〜20重量部添加することが好ましい。ポ
リビニルアセタール樹脂量がこの範囲にあれば、銅箔付
き絶縁材の取り扱い性や粉落ち性、耐熱性、難燃性が良
好であり、品質上および作業性の点から好ましい。
【0020】ポリビニルアセタール樹脂は、たとえば、
積水化学工業(株)製の商品名、エスレックBX−1、
BX−2、BX−5、BX−55、BX−7、BH−
3、BH−S、KS−3Z、KS−5、KS−5Z、K
S−8、KS−23Z、電気化学工業(株)製の商品
名、電化ブチラール4000−2、5000A、600
0C、6000EP等を使用することができる。これら
の樹脂は単独で、または2種類以上混合して用いること
もできる。
【0021】本発明の樹脂組成物には、エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂硬化剤、ならびに必要に応じて使用される
硬化促進剤および添加剤の合計量に対して、リン元素が
総量で0.1〜10重量%含有されていることが好まし
い。リン元素の総量がこの範囲にあると、本発明の樹脂
組成物に難燃性をさらに高めることができ、また耐熱性
の低下も認められないからである。リン元素を導入する
ためには、リン酸エステル化合物のようなリン元素を含
む添加剤を加えても良く、また、エポキシ樹脂と反応性
を有する化合物を添加することもできる。エポキシ樹脂
と反応性を有する化合物とは、たとえば、リン元素含有
エポキシ樹脂やリン元素含有フェノール誘導体、分子内
にP−H結合を有するリン化合物などがある。なかで
も、リン元素含有エポキシ樹脂やリン元素含有フェノー
ル誘導体を加えると、他の特性を損なうことなくリン元
素を導入できるので、より好ましい。
【0022】リン酸エステル化合物としては、たとえ
ば、大八化学工業(株)製の商品名CR−733s、C
R−741、CR−747、PX−200などの市販品
を利用することができる。また、エポキシ樹脂と反応性
を有する化合物としては、たとえば、リン含有エポキシ
樹脂である東都化成(株)製の商品名ZX−1548、
リン含有フェノール誘導体である三光化学(株)製の商
品名HCA−HQ(10−(2,5−ジヒドロキシフェ
ニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナン
トレン−10−オキシド)、分子内にP−H結合を有す
る同社製の商品名HCA(9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシ
ド)などがある。
【0023】本発明に用いる電気絶縁性のウィスカー
は、樹脂の補強効果、剛性を高める理由から、弾性率が
200GPa以上であるものが好ましい。このような電
気絶縁性のウィスカーとしては、電気絶縁性のセラミッ
クウィスカーが好ましく用いられる。
【0024】ウィスカーの種類としては、たとえば、硼
酸アルミニウム、硼酸マグネシウム、ウォラストナイ
ト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、窒化
けい素、α−アルミナの中から選ばれた1種以上のウィ
スカーを用いることができる。その中でも、硼酸アルミ
ニウムウィスカーおよび硼酸マグネシウムウィスカー
は、難燃効果を有するので、より好ましい。ウィスカー
の平均直径は、0.1〜3.0μmが好ましい。平均直
径がこの範囲にあると、十分な剛性を付与することがで
き、また表面の平滑性に悪影響を及ぼさず、ウィスカー
の微視的な均一分散性が図れるからである。塗工性、す
なわち平滑に塗りやすい性質の点から、平均直径は0.
1〜1.0μmであることが、より好ましい。
【0025】また、ウィスカーの平均長さは、平均直径
の10倍以上であることが好ましい。この範囲にある
と、繊維としての補強効果が発揮でき、配線板にしたと
きに剛性が十分に確保できるからである。この理由か
ら、ウィスカーの平均長さは、平均直径の約20倍以上
であることがより好ましい。一方、ワニス中への均一分
散に伴う塗工性、および、一つの導体回路間と接触した
ウィスカーが他の導体回路と接触する確率を小さくし
て、繊維に沿って移動する傾向にある銅イオンのマイグ
レーションによる回路間短絡事故を起こすおそれを回避
するために、ウィスカーの平均長さは100μm以下が
好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
【0026】本発明に用いる金属水酸化物としては、ア
ルカリ金属以外の金属の水酸化物が好ましく用いられ、
難燃効果の点から、水酸化アルミニウムまたは水酸化マ
グネシウムがより好ましい。これら金属水酸化物は、単
独でもまたは2種類以上を混合して使用することもでき
る。
【0027】またプリント配線板の剛性および耐熱性を
さらに高めるために、ウィスカーおよび金属水酸化物の
表面をカップリング剤で表面処理して使用することも有
効である。カップリング剤で表面処理した場合、樹脂と
の濡れ性、結合性が向上するので、剛性および耐熱性を
高めることができる。このとき使用するカップリング剤
は、シリコン系、チタン系、アルミニウム系、ジルコニ
ウム系、ジルコアルミニウム系、クロム系、ボロン系、
リン系、アミノ酸系等の公知のものを使用することがで
きる。
【0028】電気絶縁性ウィスカーおよび金属水酸化物
の配合量は、樹脂組成物の固形分に対し、電気絶縁性ウ
ィスカーは5〜45体積%、金属水酸化物は5〜45体
積%、両者の合計で10〜50体積%であることが好ま
しい。電気絶縁性ウィスカー、金属水酸化物、および両
者の合計がこれらの範囲にあると、プリント配線板を形
成したときの剛性および多層プリント板における内層板
との接着性、内層回路間への樹脂充填性、難燃性が確保
できる。
【0029】本発明に用いる難燃助剤の複酸化物には、
モリブデン酸化合物、チタン酸化合物などが挙げられ、
たとえば、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウ
ム、モリブデン酸カルシウム亜鉛、チタン酸亜鉛、チタ
ン酸カルシウム、およびこれらの化合物とシリカ、炭酸
カルシウム、珪酸マグネシウム等のフィラーの混合物等
が例示できる。これらの難燃助剤の複酸化物は、単独で
用いることもできるし、また2種以上を併用して用いる
こともできる。樹脂組成物に対する難燃助剤の複酸化物
の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.00
1〜10重量部の範囲が好ましい。難燃助剤の複酸化物
の量がこの範囲にあると、難燃性が十分にあり、燃焼す
るおそれを防止でき、かつ銅箔との接着性を確保できる
からである。
【0030】本発明のプリント配線板用絶縁樹脂を混合
するため、溶剤を加えることが好ましい。溶剤は、エポ
キシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、ポリビニルアセタール
樹脂および必要に応じて使用される硬化促進剤からなる
組成物を溶解するものであれば、特に限定されない。た
とえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチル
ケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル等
が、エポキシ樹脂の溶解性に優れ、比較的沸点が低いの
で好ましい。これらの溶剤は、2種以上組み合わせて用
いることもできる。また、配合量は、エポキシ樹脂が溶
解し、電気絶縁性ウィスカー、金属水酸化物、難燃助剤
の複酸化物を混合できる範囲であれば、特に限定されな
い。しかし、適正な粘度を保ち、容易に均一に混合する
ことができる点および容易に厚い塗膜を形成することが
できる点から、上記の樹脂組成物100重量部に対し
て、5〜300重量部の範囲が好ましく、30〜200
重量部の範囲がより好ましい。この範囲にあると、粘度
が適正であるため、均一に混合し、厚い塗膜を形成する
ことができるからである。
【0031】電気絶縁性ウィスカー、金属水酸化物、難
燃助剤の複酸化物を均一に分散させるため、らいかい
機、ホモジナイザー等を用いることが有効である。
【0032】本発明における絶縁樹脂組成物を銅箔に積
層して、銅箔付き絶縁材とすることができる。この銅箔
付き絶縁材は、たとえば、銅箔に上記の絶縁樹脂組成物
を塗布して作製することができる。
【0033】銅箔としては、これまでプリント配線板用
に使用されてきた、少なくとも片面に粗化面を有する電
解銅箔、圧延銅箔、キャリアフィルム付き極薄銅箔を使
用することができる。銅箔の厚さは、微細な回路を形成
できる理由から、薄いものが良く、厚さ30μm以下が
好ましい。厚さ10μm以下の極薄銅箔がより好ましい
が、この場合には、銅箔単独では取り扱いが困難なた
め、キャリアフィルム付き銅箔であることが好ましい。
【0034】平滑な銅箔面に、上記の絶縁樹脂組成物を
積層して銅箔付き絶縁材を作製した場合、銅箔と絶縁樹
脂組成物との密着性を十分に確保するために、銅箔の片
面を粗化したものが好ましく、この粗化面に絶縁樹脂組
成物を積層して銅箔付き絶縁材を作製することが好まし
い。
【0035】絶縁樹脂組成物の厚さは、20〜150μ
mが好ましい。銅箔に上記の絶縁樹脂組成物ワニスを塗
工する際に、銅箔と平行な面方向にせん断力を負荷でき
るか、または、銅箔の面に垂直な方向に圧縮力を負荷で
きる塗工方式を採用することが好ましく、たとえば、ブ
レードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、ス
クイズコーター、リバースロールコーター、トランスフ
ァロールコーター等の方式を採用することができる。銅
箔付き絶縁材の乾燥温度は、80〜200℃が好まし
い。乾燥時間は、硬化が進みすぎない程度の時間であれ
ばよく、1分以上が好ましい。乾燥温度、乾燥時間がこ
の範囲にあれば、硬化が十分に得られ、かつ過硬化にな
らないので、取り扱い性の問題も生じない。
【0036】また、プリプレグまたはコア材の片面また
は両面に、前記銅箔付き絶縁材の絶縁樹脂面を積層し、
熱圧着して金属張積層板とすることができる。熱圧着方
法としては、熱プレス法または熱ロールラミネート法な
どが挙げられ、たとえば真空または常圧下で、温度80
〜200℃、圧力0.1〜15MPa、時間0.1〜12
0分間の条件で成形することができる。使用するプリプ
レグやコア材の基材としては、紙、ガラス布、アラミド
布またはそれぞれの不織布などが挙げられ、マトリック
スに使用する熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
【0037】本発明の絶縁樹脂組成物は、銅箔付き絶縁
材の絶縁樹脂面側を重ねて積層し、両面銅箔付き絶縁樹
脂とすることができる。また、本発明における絶縁樹脂
組成物は、銅箔付き絶縁材の絶縁樹脂面側を内層回路板
に重ねて積層し、多層銅張積層板とすることもでき、こ
れは加工して多層プリント配線板とされる。また、本発
明の絶縁樹脂組成物は、紙基材、ガラス繊維等の繊維基
材などの基材に含浸させて、B−ステージ化してプリプ
レグとすることもできる。さらに、紙基材やガラス繊維
のような繊維基材などの基材に、本発明の絶縁樹脂組成
物を含浸させた後、このプリプレグの片面または両面に
銅箔を積層してB−ステージ化し、銅箔付きプリプレグ
とすることもでき、一方、銅箔の表面にこのプリプレグ
を積層して銅箔付き接着剤とすることもできる。銅箔付
き接着剤は、接着剤側で内層回路板に積層して、多層配
線板用積層板とすることもでき、これは加工して多層プ
リント配線板とされる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】実施例1 エポキシ当量205のビスフェノールAノボラック型エ
ポキシ樹脂100重量部、ジシアンジアミド7重量部、
ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)、商品
名電化ブチラール6000EP)3重量部、1−メチル
イミダゾール1重量部、平均直径0.9μm、平均長さ
30μmの硼酸アルミニウムウィスカー40重量部(固
形分中11体積%)、水酸化アルミニウム40重量部
(固形分中14体積%)、モリブデン酸カルシウム亜鉛
1重量部、チタン酸カルシウム1重量部およびメチルエ
チルケトン120重量部を秤量し、攪拌してワニスを得
た。なお、体積%は重量と密度から各材料の体積を求
め、これを用いて計算した。
【0040】エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化
促進剤およびポリビニルアセタール樹脂を合計した全樹
脂中のリン元素の割合は、0.0重量%であった。この
ワニスを、厚さ18μmの電解銅箔の粗化面に、乾燥後
の絶縁樹脂の厚さが50μmになるようにナイフコータ
ーで塗布し、140℃で3分間乾燥して半硬化状態の銅
箔付き絶縁材を得た。この銅箔付き絶縁材を、絶縁樹脂
側を重ね合わせ、プレスを用いて170℃、2MPaの条
件で、1時間加熱加圧し、両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物
を得た。
【0041】得られた銅箔付き絶縁材をカッターでカッ
ターで切断したところ、粉落ちは発生しなかった。ま
た、得られた両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物の288℃の
はんだ耐熱性は、膨れが生じる時間は180秒以上であ
り、良好であった。銅箔をエッチングにより剥離した絶
縁樹脂硬化物は、UL−94に準じて行った燃焼試験に
おいて、最大8秒、平均3.2秒の燃焼時間であり、難
燃性を示した。さらに、絶縁層の厚さが0.1mm、導体
用銅箔の厚さが18μmの両面銅張積層板の、両面の銅
箔の不要な箇所をエッチングにより除去して作製した内
層回路板の両面に、得られた銅箔付き絶縁材を絶縁樹脂
側が内層回路に向かい合うように重ね、プレスを用いて
170℃、2MPaの条件で、1時間加熱加圧し、内層回
路入り多層銅張積層板を得た。この積層板の銅箔をエッ
チングにより除去し、目視で観察した結果、ボイドやか
すれ等の欠陥はなかった。
【0042】実施例2 エポキシ当量215のo−クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂100重量部、フェノール性水酸基当量120
のメラミン変性フェノールノボラック樹脂50重量部、
ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)、商品
名電化ブチラール6000EP)3重量部、芳香族リン
酸エステル(大八化学(株)製、商品名PX−200)
20重量部、1−メチルイミダゾール1重量部、平均直
径1.0μm、平均長さ30μmの硼酸マグネシウムウィ
スカー150重量部(固形分中19体積%)、水酸化マ
グネシウム100重量部(固形分中11体積%)、モリ
ブデン酸亜鉛1重量部、メチルエチルケトン200重量
部を秤量し、攪拌してワニスを得た。
【0043】エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化
促進剤、ポリビニルアセタール樹脂およびリン酸エステ
ルを合計した全樹脂中のリン元素の割合は、1.0重量
%であった。このワニスを厚さ18μmの電解銅箔の粗
化面に、乾燥後の絶縁樹脂の厚さが50μmになるよう
にナイフコーターで塗布し、140℃で3分間乾燥して
半硬化状態の銅箔付き絶縁材を得た。この銅箔付き絶縁
材を、絶縁樹脂側を重ね合わせ、プレスを用いて170
℃、2MPaの条件で、1時間加熱加圧し、両面銅箔付き
絶縁樹脂硬化物を得た。
【0044】得られた銅箔付き絶縁材をカッターでカッ
ターで切断したところ、粉落ちは発生しなかった。ま
た、得られた両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物の288℃の
はんだ耐熱性は、膨れが生じる時間は180秒以上であ
り、良好であった。銅箔をエッチングにより剥離した絶
縁樹脂硬化物は、燃焼試験で、最大4秒、平均0.8秒
の燃焼時間であり、難燃性を示した。さらに、絶縁層の
厚さが0.1mm、導体用銅箔の厚さが18μmの、両面
銅張積層板の両面の銅箔の不要な箇所をエッチングによ
り除去して作製した内層回路板の両面に、得られた銅箔
付き絶縁材を絶縁樹脂側が内層回路に向かい合うように
重ね、プレスを用いて170℃、4MPaの条件で、1時
間加熱加圧し、内層回路入り多層銅張積層板を得た。こ
の積層板の銅箔をエッチングにより除去し、目視で観察
した結果、ボイドやかすれ等の欠陥はなかった。
【0045】実施例3 エポキシ当量172のサリチルアルデヒドフェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂100重量部、エポキシ当量3
98、リン含有量4.0重量%のリン含有エポキシ樹脂
(東都化成(株)製、商品名ZX−1548−4)50
重量部、フェノール性水酸基当量106のフェノールノ
ボラック樹脂70重量部、ポリビニルアセタール樹脂
(電気化学工業(株)、商品名電化ブチラール6000
EP)6重量部、1−メチルイミダゾール1重量部、平
均直径1.0μm、平均長さ30μmの硼酸アルミニウム
ウィスカー150重量部(固形分中18体積%)、水酸
化アルミニウム100重量部(固形分中13体積%)、
モリブデン酸亜鉛1重量部、メチルエチルケトン200
重量部を秤量し、攪拌してワニスを得た。
【0046】エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化
促進剤およびポリビニルアセタール樹脂を合計した全樹
脂中のリン元素の割合は、0.9重量%であった。この
ワニスを、厚さ18μmの電解銅箔の粗化面に、乾燥後
の絶縁樹脂の厚さが50μmになるようにナイフコータ
ーで塗布し、140℃で3分間乾燥して半硬化状態の銅
箔付き絶縁材を得た。この銅箔付き絶縁材を、絶縁樹脂
側を重ね合わせ、プレスを用いて170℃、4MPaの条
件で、1時間加熱加圧し、両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物
を得た。
【0047】得られた銅箔付き絶縁材をカッターでカッ
ターで切断したところ、粉落ちは発生しなかった。ま
た、得られた両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物の288℃の
はんだ耐熱性は、膨れが生じる時間は180秒以上と良
好であった。また、銅をエッチングにより剥離した絶縁
樹脂硬化物は、燃焼試験で、最大3秒、平均0.2秒の
燃焼時間であり、難燃性を示した。さらに、絶縁層の厚
さが0.1mm、導体用銅箔の厚さが18μmの、両面銅
張積層板の両面の銅箔の不要な箇所をエッチングにより
除去して作製した内層回路板の両面に、得られた銅箔付
き絶縁材を絶縁樹脂側が内層回路に向かい合うように重
ね、プレスを用いて170℃、4MPaの条件で、1時間
加熱加圧し、内層回路入り多層銅張積層板を得た。この
積層板の銅箔をエッチングにより除去し、目視で観察し
た結果、ボイドやかすれ等の欠陥はなかった。
【0048】実施例4 エポキシ当量172のサリチルアルデヒドフェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂100重量部、フェノール性水
酸基当量106のフェノールノボラック樹脂45重量
部、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学(株)製、エ
スレックスKS−23Z)6重量部、10−(2,5−
ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−
ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光化学
(株)製、商品名HCA−HQ)30重量部、1−メチ
ルイミダゾール1重量部、平均直径0.9μm、平均長
さ30μmの硼酸アルミニウムウィスカー100重量部
(固形分中15体積%)、水酸化アルミニウム100重
量部(固形分中17体積%)、モリブデン酸亜鉛−珪酸
マグネシウム複合化物8重量部、メチルエチルケトン1
20重量部を秤量し、攪拌してワニスを得た。
【0049】このワニスからメチルエチルケトンを除去
した樹脂組成物中で、硼酸アルミニウムウィスカーは2
5体積%、水酸化マグネシウムは10体積%を占め、エ
ポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤およびポ
リビニルアセタール樹脂を合計した全樹脂中のリン元素
の割合は、1.5重量%であった。このワニスを、厚さ
18μmの電解銅箔の粗化面に、乾燥後の絶縁樹脂の厚
さが50μmになるようにナイフコーターで塗布し、1
40℃で3分間乾燥して半硬化状態の銅箔付き絶縁材を
得た。この銅箔付き絶縁材を、絶縁樹脂側を重ね合わ
せ、プレスを用いて170℃、4MPaの条件で、1時間
加熱加圧し、両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物を得た。
【0050】得られた銅箔付き絶縁材をカッターでカッ
ターで切断したところ、粉落ちは発生しなかった。ま
た、得られた両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物の288℃の
はんだ耐熱性は、膨れを生じる時間が180秒以上であ
り、良好であった。また、銅箔をエッチングにより剥離
した絶縁樹脂硬化物は、燃焼試験で、最大2秒、平均
0.7秒の燃焼時間であり、難燃性を示した。さらに、
絶縁層の厚さが0.1mm、導体用銅箔の厚さが18μm
の、両面銅張積層板の両面の銅箔の不要な箇所をエッチ
ングにより除去して作製した内層回路板の両面に、得ら
れた銅箔付き絶縁材を絶縁樹脂側が内層回路に向かい合
うように重ね、プレスを用いて170℃、4MPaの条件
で、1時間加熱加圧し、内層回路入り多層銅張積層板を
得た。この積層板の銅箔をエッチングにより除去し、目
視で観察した結果、ボイドやかすれ等の欠陥はなかった
【0051】実施例5 エポキシ当量170のサリチルアルデヒドフェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂100重量部、フェノール性水
酸基当量106のフェノールノボラック樹脂60重量
部、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学製、エスレッ
クスKS−23Z)10重量部、1−メチルイミダゾー
ル1重量部、リン含有量9.3重量%のリン酸エステル
(大八化学製、商品名PX−200)30重量部、平均
直径0.9μm、平均長さ30μmの硼酸アルミニウムウ
ィスカー150重量部(固形分中22体積%)、水酸化
アルミニウム50重量部(固形分中9体積%)、チタン
酸亜鉛1重量部、メチルエチルケトン200重量部を秤
量し、攪拌してワニスを得た。
【0052】このワニスからメチルエチルケトンを除去
した樹脂組成物中で、硼酸アルミニウムウィスカーは2
3体積%、水酸化アルミニウムは10体積%を占め、エ
ポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、ポリビニルアセター
ル樹脂およに硬化促進剤の合計の全樹脂中のリン元素の
割合は、1.6重量%であった。このワニスを厚さ18
μmの電解銅箔の粗化面にナイフコーターで乾燥後の絶
縁樹脂の厚さが50μmになるよう塗布し、140℃で
3分間乾燥して半硬化状態の銅箔付き絶縁材を得た。こ
の銅箔付き絶縁材を、絶縁樹脂側を重ね合わせ、プレス
を用いて170℃、4MPaの条件で、1時間加熱加圧
し、両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物を得た。
【0053】得られた両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物の2
88℃のはんだ耐熱性は、180秒以上膨れ等が発生せ
ず良好であり、銅をエッチングにより剥離した絶縁樹脂
硬化物は、燃焼試験で最大4秒、平均1.8秒の燃焼時
間であり、難燃性を示した。さらに、絶縁層の厚さが
0.1mm、導体用銅箔の厚さが18μmの両面銅張積層
板の両面の銅箔の不要な箇所をエッチングにより除去し
て作製した内層回路板の両面に、得られた銅箔付き絶縁
材を絶縁樹脂側が内層回路に向かい合うように重ね、プ
レスを用いて170℃、4MPaの条件で、1時間、加熱
加圧し、内層回路入り多層銅張り積層板を得た。この積
層板の銅箔をエッチングにより除去し、目視で観察した
結果、ボイドやかすれ等の欠陥はなかった。
【0054】比較例1 ポリビニルアセタール樹脂、モリブデン酸化合物および
チタン酸化合物を添加しないこと以外は、実施例1と同
様にして銅箔付き絶縁材および両面銅箔付き絶縁樹脂硬
化物を作製した。得られた銅箔付き絶縁材をカッターで
カッターで切断したところ、粉落ちが発生した。また、
両面銅箔付き絶縁樹脂硬化物は、288℃のはんだ耐熱
性では膨れが発生する時間が180秒以上と良好であっ
たが、燃焼試験では燃焼し、難燃性が不充分であること
がわかった。
【0055】
【発明の効果】本発明における絶縁樹脂組成物は、ハロ
ゲン系難燃剤を使用しないで難燃化が可能であり、非ハ
ロゲン系の難燃性銅箔付き絶縁材を作製することができ
る。しかも、これらは、耐熱性、信頼性に優れる。この
絶縁樹脂組成物を用いることによって、難燃性、耐熱
性、信頼性に優れ、環境対応の要求に応えることのでき
る銅箔付き絶縁材および銅張積層板を作製することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/02 C08K 7/02 C08L 29/14 C08L 29/14 // H05K 1/03 610 H05K 1/03 610L Fターム(参考) 4J002 BE063 CC042 CC182 CD011 CD051 CD061 CD081 CD111 CD131 CD181 DE148 DE188 DE189 DG048 DJ008 DK008 EN076 ER026 EU046 EU116 EW016 EW047 FA068 FB098 FD128 FD139 FD146 GF00 GQ01 4J036 AA01 AA02 AJ20 DA01 DA02 DA04 DA05 DC02 DC38 DC41 DD07 FA03 FA05 FA12 FB01 FB07 FB09 GA02 JA08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、ポ
    リビニルアセタール樹脂、電気絶縁性ウィスカー、金属
    水酸化物および難燃助剤の複酸化物を含有することを特
    徴とする絶縁樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂組成物が、リン酸エステル化合
    物をさらに含有する、請求項1記載の絶縁樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物が、リン含有エポキシ樹
    脂をさらに含有する、請求項1記載の絶縁樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記樹脂組成物が、リン含有エポキシ樹
    脂硬化剤をさらに含有する、請求項1記載の絶縁樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記樹脂組成物に含有されるリン量が、
    エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、ポリビニルアセタ
    ール樹脂、必要に応じて使用される硬化促進剤および/
    または添加剤の合計量に対して、リン元素が合計で0.
    1〜10重量%である、請求項2〜4のいずれか1項記
    載の絶縁樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記電気絶縁性ウィスカーと前記金属水
    酸化物の合計が10〜50体積%である、請求項1〜5
    のいずれか1項記載の絶縁樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記電気絶縁性ウィスカーが、硼酸アル
    ミニウムおよび/または硼酸マグネシウムである、請求
    項1〜6のいずれか1項記載の絶縁樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウ
    ムおよび/または水酸化マグネシウムである、請求項1
    〜7のいずれか項記載の絶縁樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記難燃助剤の複酸化物が、モリブデン
    元素および/またはチタン元素を含有する化合物であ
    る、請求項1〜8のいずれか1項記載の絶縁樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 前記難燃助剤の複酸化物が、モリブデ
    ン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸カル
    シウム亜鉛、チタン酸亜鉛、チタン酸カルシウムを1種
    以上含有する化合物である、請求項9記載の絶縁樹脂組
    成物。
  11. 【請求項11】 少なくとも片面が粗化された銅箔の粗
    化面に、請求項1〜10のいずれか1項記載の絶縁樹脂
    組成物を形成する銅箔付き絶縁材。
  12. 【請求項12】 少なくとも1枚以上のプリプレグまた
    はコア材の片面または両面に、請求項11記載の銅箔付
    き絶縁材の絶縁材料層側を重ね、ついで加熱加圧成形し
    た銅張積層板。
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