JP2002205233A - チャック機構用爪部材およびその製造方法 - Google Patents

チャック機構用爪部材およびその製造方法

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JP2002205233A
JP2002205233A JP2001003078A JP2001003078A JP2002205233A JP 2002205233 A JP2002205233 A JP 2002205233A JP 2001003078 A JP2001003078 A JP 2001003078A JP 2001003078 A JP2001003078 A JP 2001003078A JP 2002205233 A JP2002205233 A JP 2002205233A
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JP2001003078A
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Shigeo Ota
薫雄 太田
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】等速ジョイント等のワークを容易かつ簡便に着
脱することが可能なチャック機構用爪部材およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】チャック機構20の爪部材28は、例え
ば、角柱状ブロック部材が削り出し加工されて、アーム
部34および該アーム部34から突出した突出端部42
とを有するように成形された円弧状ブロック部材26a
〜26cから構成される。そして、これら円弧状ブロッ
ク部材26a〜26cには、第1固定リング44で位置
決めされるとともに側周壁部にリング状部材46が嵌合
された状態で荒加工が行われ、次に、第1固定リング4
4に替えて該第1固定リング44に比して内径の大きな
第2固定リング48で円弧状ブロック部材26a〜26
cが位置決めされた状態で仕上げ加工が行われる。この
爪部材28は、トリポート型等速ジョイント1の挿入口
部4に遊嵌された後に拡径され、凸部6を押圧してトリ
ポート型等速ジョイント1を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャック機構用爪
部材およびその製造方法に関し、一層詳細には、ワーク
の着脱が容易でかつ製造コストが安価なチャック機構用
爪部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人が案出したトリポート型等速ジ
ョイントの概略全体断面図を図10に示すとともに、概
略正面図を図11に示す。このトリポート型等速ジョイ
ント1は、アウターカップ部2とフランジ部3とが摩擦
溶接により互いに接合されてなる。
【0003】このうち、アウターカップ部2には、該ト
リポート型等速ジョイント1が自動車の車体に搭載され
たときに図示しないドライブシャフトに連結されたイン
ナー部材が挿入される挿入口部4が設けられている(図
10参照)。この挿入口部4には、該挿入口部4の内周
壁の一部を切り欠くことにより3個のローラ溝5が周方
向に沿って互いに等間隔で離間するように形成されてい
る。このため、隣接するローラ溝5同士の間には、3個
の凸部6が設けられた形態となっている(図11参
照)。
【0004】フランジ部3は、図示しないボルトを挿入
するための孔部10が6個設けられた六角形状盤部7
と、テーパ状に縮径した縮径部8とを有し、この縮径部
8の端面が摩擦溶接によってアウターカップ部2の小径
部9の端面に接合されている。なお、六角形状盤部7に
おける孔部10同士の間は円弧状に切り欠かれており、
したがって、孔部10は突出頂部11に設けられた形態
となっている。
【0005】ここで、摩擦溶接とは、アウターカップ部
2の小径部9とフランジ部3の縮径部8の端面とを互い
に圧接させながら両部材2、3のうちの少なくともいず
れか一方を回転運動させ、この際に両部材2、3の接触
面に発生する摩擦熱によって溶接を行うものである。
【0006】トリポート型等速ジョイント1には、通
常、自動車の車体に搭載される前に自動工具交換装置
(以下、ATCという)にて各種の加工が施される。具
体的には、まず、フランジ部3の六角形状盤部7の端面
を平滑化する端面加工が行われ、次に、孔部10を拡径
する拡径加工が行われる。この拡径加工に含めて、拡径
された孔部10にテーパを設けるための面取り加工が行
われることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した拡
径加工を行う際には、ATCに装着されたドリルの位置
と拡径する孔部10とが直線上に配列されるようにトリ
ポート型等速ジョイント1を位置決めする必要がある。
この位置決めは、凸部6を押圧するコレットを介してト
リポート型等速ジョイント1をATCの回転テーブルに
装着し、該回転テーブルを回転付勢するためのダイヤル
を作業者が手動操作にて回転動作させることにより遂行
されている。
【0008】しかしながら、この場合、コレットを凸部
6に嵌合する作業と、コレットをATCに装着する作業
とを行わなければならず、このため、煩雑であるととも
に長時間が必要となる。結局、コレットによるトリポー
ト型等速ジョイント1の保持には、作業者が煩雑な作業
を行わなければならないという不具合があり、また、ト
リポート型等速ジョイント1の加工効率を低下させてし
まうという事態を招いている。
【0009】そこで、コレットでアウターカップ部2の
ローラ溝5の壁部を押圧してトリポート型等速ジョイン
ト1を位置決めすることが想起される。しかしながら、
アウターカップ部2とフランジ部3とは、上記したよう
に摩擦溶接により互いに接合されている。したがって、
ローラ溝5と孔部10の相対的な位置は、摩擦溶接が終
了した時点におけるアウターカップ部2およびフランジ
部3の位置関係によって決定され、図12および図13
に示すように、種々変化する。このため、ローラ溝5の
壁部を利用してトリポート型等速ジョイント1を位置決
めした場合、ドリルの位置と孔部10とが必ずしも直線
上に配列されるとは限らない。したがって、結局、拡径
加工を行うことが困難になるという不具合が惹起されて
しまう。
【0010】しかも、市販されているコレットは一般的
に高価であり、このためにトリポート型等速ジョイント
の加工コストを高騰させている。
【0011】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたもので、ワークを容易に着脱することが可能でか
つ製造コストが安価なチャック機構用爪部材およびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、支持盤に変位可能に装着されたアーム
部と、前記アーム部から突出した突出端部とを有する円
弧状ブロック部材を複数個備え、前記円弧状ブロック部
材の頂角同士が互いに密着された際に全体として円柱形
状を呈し、かつワークに設けられた挿入口部に遊嵌さ
れ、前記円弧状ブロック部材が互いに離間する方向に指
向して前記アーム部が変位された際に前記円弧状ブロッ
ク部材が前記ワークに当接して前記ワークを保持するこ
とを特徴とする。
【0013】このように構成されたチャック機構用爪部
材では、該チャック機構用爪部材を構成する複数個の円
弧状ブロック部材を互いに密着または離間させることに
伴ってワークが着脱される。すなわち、コレットの爪部
を開閉する作業やコレットをATCに装着または脱着す
る作業等を行うことなく、容易かつ簡便に、しかも短時
間でワークを着脱することができる。このため、ワーク
を着脱するために要する時間が著しく短縮され、結局、
ワークの加工効率が向上する。
【0014】また、本発明は、アーム部と、前記アーム
部から突出した突出端部とを有する円弧状ブロック部材
を複数個成形する成形工程と、前記複数個の円弧状ブロ
ック部材の頂角同士を互いに当接させて円柱形状とした
状態で支持盤に保持するとともに前記突出端部上に第1
固定リングを重ね合わせて前記複数個の円弧状ブロック
部材に対して第1の旋削を行う荒加工工程と、前記第1
固定リングに替えて該第1固定リングに比して内径が大
きな第2固定リングを前記突出端部上に重ね合わせて、
前記アーム部の側壁部が前記第2固定リングに当接する
まで前記アーム部を変位させた後に前記複数個の円弧状
ブロック部材を前記支持盤に保持し、この状態で該複数
個の円弧状ブロック部材に対して第2の旋削を行う仕上
げ加工工程と、を有することを特徴とする。
【0015】この製造方法においては、第1固定リング
と第2リングとの内径差がチャック機構用爪部材の拡径
量、すなわち、各円弧状ブロック部材のストロークとな
る。したがって、第1固定リングに比して内径が僅かに
大きいものを第2固定リングとして選定することによ
り、1mm未満の微小ストロークであっても高精度に設
定することができる。
【0016】この場合、頂角同士が互いに当接した前記
複数個の円弧状ブロック部材の側周壁部にリング状部材
を嵌合して前記荒加工工程を行うことが好ましい。この
リング状部材によっても円弧状ブロック部材が位置決め
され、したがって、チャック機構用爪部材を寸法精度よ
く製造することができるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るチャック機構
用爪部材(以下、単に爪部材という)およびその製造方
法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照し
て詳細に説明する。なお、図10および図11に示され
る構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細
な説明を省略する。
【0018】本実施の形態に係る爪部材を備えるチャッ
ク機構の概略全体斜視図を図1に示す。このチャック機
構20は、ボルト22によって図示しないATCに装着
された略円盤形状の支持盤24と、3個の円弧状ブロッ
ク部材26a〜26cが互いに密着することにより全体
として円柱形状を呈する爪部材28とを有し、円弧状ブ
ロック部材26a〜26cは、ボルト30によって支持
盤24に保持されている。
【0019】すなわち、支持盤24には、3本の案内用
凸部32が中心から半径外方向に沿って略放射状に設け
られており、かつ該案内用凸部32には図示しないボル
ト穴が形成されている。一方、円弧状ブロック部材26
a〜26cの支持盤24側における端部にはアーム部3
4が突出形成されており、該アーム部34には、段部3
6を有する溝部38が設けられている。ボルト30は、
この溝部38を通って前記ボルト穴に螺合される際に、
その頭部で段部36の底面を押圧する。この押圧により
アーム部34が支持盤24に固定されることに伴って、
円弧状ブロック部材26a〜26cが支持盤24に保持
される。
【0020】なお、アーム部34における支持盤24に
対向する端面には、凹部40が設けられている。この凹
部40には、案内用凸部32が摺動自在に係合されてい
る。要するに、アーム部34は、案内用凸部32に沿っ
て半径方向に位置調整自在に設けられている。
【0021】また、各アーム部34の先端には、突出端
部42がそれぞれ突出形成されている。そして、アーム
部34の側壁部は、円弧状ブロック部材26a〜26c
の頂角同士が互いに当接する箇所を中心点とする円に重
なるように円弧状に切り欠かれている。
【0022】円弧状ブロック部材26a〜26cは、図
2に示すように、互いに離間した状態で支持盤24に保
持させることもできる。すなわち、ボルト30を緩めて
前記ボルト穴から離脱させ、各アーム部34を案内用凸
部32に沿って図1におけるX1〜X3方向に摺動動作
させた後にボルト30を締め付け方向に螺回する。これ
により、円弧状ブロック部材26a〜26cが互いに離
間した状態、すなわち、爪部材28が拡径された状態で
支持盤24に保持される。後述するように、爪部材28
を拡径させることによって、該爪部材28にトリポート
型等速ジョイント1が確実に保持される。
【0023】次に、この爪部材28の製造方法につき説
明する。
【0024】まず、原材料、例えば、市販品の角柱状ブ
ロックに対して削り出し加工等を行い、頂角が120°
でかつアーム部34が突出形成された円弧状ブロック部
材26a〜26cに成形する。そして、段部36を有す
る溝部38をアーム部34に設け、さらに、アーム部3
4の側壁部の一部を円弧状に切り欠いて突出端部42を
設ける。
【0025】次いで、円弧状ブロック部材26a〜26
cを互いに密着させた状態で、溝部38にボルト30を
通した後、案内用凸部32に設けられたボルト穴に該ボ
ルト30を螺合する。これにより、円柱状の爪部材28
が最小直径で形成される。
【0026】次いで、図3に示すように、各突出端部4
2上に第1固定リング44を重ね合わせる。上記したよ
うに、各アーム部34の側壁部が円弧状に切り欠かれて
いるので、この際、第1固定リング44の内周壁部が各
アーム部34の側壁部に確実に当接する。これにより、
円弧状ブロック部材26a〜26cが第1固定リング4
4で位置決めされる。その一方で、リング状部材46を
爪部材28の側周壁部に嵌合する。
【0027】この状態で、爪部材28の側周壁部に対し
て荒加工を施す。すなわち、該爪部材28を大まかに研
削して縮径する。この加工の際、爪部材28が振動して
ボルト30が緩むことがあっても、アーム部34の側壁
部が第1固定リング44の内周壁部に当接しており、か
つ爪部材28の側周壁部にリング状部材46が嵌合され
ているので、円弧状ブロック部材26a〜26cが変位
することは著しく抑制される。
【0028】次いで、図4に示すように、第1固定リン
グ44に替えて第2固定リング48を各突出端部42上
に重ね合わせる。この第2固定リング48の内径は、第
1固定リング44の内径に比して大きく設定されてい
る。
【0029】そして、ボルト30を螺回して緩めた後、
各アーム部34の側壁部が第2固定リング48の内周壁
部に当接するまで案内用凸部32に沿って円弧状ブロッ
ク部材26a〜26cを変位させる。これにより、円弧
状ブロック部材26a〜26c同士が第2固定リング4
8と第1固定リング44との内径差分だけ互いに離間し
た状態で第2固定リング48に位置決めされる。すなわ
ち、爪部材28が拡径される。さらに、ボルト30を締
め付け方向に螺回して円弧状ブロック部材26a〜26
cを支持盤24に固定する。
【0030】この状態で、爪部材28に対して仕上げ加
工を施す。すなわち、該爪部材28の直径がトリポート
型等速ジョイント1の挿入口部4の直径(3個の凸部6
に内接する内接円の直径)と略同一になるように該爪部
材28を研削する。これにより、拡径された際の直径が
トリポート型等速ジョイント1の挿入口部4の直径に略
等しい爪部材28が得られるに至る。なお、仕上げ加工
を行う際には、円弧状ブロック部材26a〜26c間の
間隙に図示しない楔部材を介装するようにしてもよい。
【0031】このように、互いに密着された円弧状ブロ
ック部材26a〜26cの各アーム部34の側壁部に第
1固定リング44を当接させて荒加工を施し、次に、互
いに離間された円弧状ブロック部材26a〜26cの各
アーム部34の側壁部に第2固定リング48を当接させ
て仕上げ加工を施すことにより、爪部材28の拡径量、
すなわち、円弧状ブロック部材26a〜26cのストロ
ークを高精度に設定することができる。ストロークは、
例えば、1mm未満の微小なものとすることもできる。
【0032】図1には、トリポート型等速ジョイント1
を加工する際に該トリポート型等速ジョイント1を位置
決めするための位置決め用治具60も併せて示されてい
る。この位置決め用治具60の構成につき、図1ととも
に概略断面図である図5も参照して概略説明する。
【0033】位置決め用治具60は、ピン62と、該ピ
ン62を弾発付勢するコイルスプリング64と、ピン6
2が挿入されるとともにコイルスプリング64が収容さ
れたピン挿入口66を有するハウジング68とを有す
る。なお、この位置決め用治具60は、ATCに装着さ
れたドリル等の加工工具と直線上に配列されないように
支持盤24に固定されている。
【0034】ハウジング68における支持盤24側の端
面には、ボルト孔70、70が形成された幅広部71が
設けられている。このボルト孔70、70を通されたボ
ルト72、72が支持盤24のボルト穴に螺合されるこ
とによりハウジング68が支持盤24に装着されること
に伴って、位置決め用治具60が支持盤24に保持され
ている。
【0035】ピン挿入口66内に挿入されたピン62は
中空部を有し、前記コイルスプリング64の一端は該中
空部の天井面に着座している。また、該コイルスプリン
グ64の他端はピン挿入口66の底面に着座しており、
したがって、ピン62は、このコイルスプリング64に
よってハウジング68から離間する方向に常時弾発付勢
されている。
【0036】ピン62の先端には、円柱状凸部74が突
出形成されている。この円柱状凸部74の直径は、トリ
ポート型等速ジョイント1を構成するフランジ部3に設
けられた孔部10の直径に係合されるように設定されて
いる。勿論、ピン62本体の直径は、孔部10に比して
大きく形成されている。
【0037】ハウジング68からのピン62の抜け止め
は、操作レバー76によりなされている。すなわち、ハ
ウジング68には、該ハウジング68の長手方向に沿う
長溝部78が形成されており(図1参照)、操作レバー
76の先端は、該長溝部78を通ってピン62の側周壁
部に連結されている。したがって、操作レバー76が長
溝部78の先端に当接することでハウジング68からピ
ン62が離脱することが阻止される。
【0038】また、長溝部78における支持盤24側の
端部からは、該長溝部78に直交する方向に短溝部80
が延在している。したがって、操作レバー76を支持盤
24側に指向して変位させた後にさらに短溝部80内に
係止させることによって、ピン62を後退位置に位置決
め保持することもできる。
【0039】次に、本実施の形態に係る爪部材28の作
用効果につき、トリポート型等速ジョイント1に対して
加工を施す場合を例として説明する。
【0040】まず、円弧状ブロック部材26a〜26c
を互いに密着させた状態、すなわち、爪部材28を最小
直径とした後、図6に示すように、トリポート型等速ジ
ョイント1を構成するアウターカップ部2の挿入口部4
に爪部材28を遊嵌する。そして、図7に示すように、
位置決め用治具60を構成するピン62の円柱状凸部7
4の先端をフランジ部3の六角形状盤部7に設けられた
突出頂部11の端面に当接させ、さらに該端面で押圧す
ることによりピン62を後退させる。
【0041】次いで、アウターカップ部2を把持して該
アウターカップ部2を矢印Y方向に回転動作させる。こ
れに追従してフランジ部3が回転動作し、最終的に、孔
部10とピン62とが直線上に配列される。この際、コ
イルスプリング64によりピン62が弾発付勢され、そ
の結果、図8に示すように、円柱状凸部74が孔部10
に係合する。この係合により、トリポート型等速ジョイ
ント1が位置決めされる。
【0042】以上から諒解されるように、位置決め用治
具60を使用することにより、ATCの回転テーブルを
回転付勢させるという煩雑な作業を行うことなくトリポ
ート型等速ジョイント1を位置決めすることができる。
また、円柱状凸部74と孔部10とが位置ずれを起こし
ている場合、すなわち、円柱状凸部74と孔部10との
位置合わせの精度が良好でない場合には、円柱状凸部7
4が孔部10に係合されることはない。換言すれば、円
柱状凸部74を孔部10に係合することにより、トリポ
ート型等速ジョイント1を高精度に位置決めすることが
できる。
【0043】しかも、トリポート型等速ジョイント1の
回転動作は円柱状凸部74が孔部10に係合されるまで
行えばよく、このため、位置決めに要する時間を著しく
短縮することができる。すなわち、トリポート型等速ジ
ョイント1を加工するために要する時間を著しく短縮す
ることができるので、トリポート型等速ジョイント1の
加工効率が向上する。
【0044】さらに、この場合、チャック機構20を構
成する支持盤24に位置決め用治具60を保持している
ので、位置決め用治具60をATCに保持した場合に比
して効率よくトリポート型等速ジョイント1を位置決め
することができる。後者においては、ATCを付勢して
位置決め用治具60をトリポート型等速ジョイント1に
接近させる工程が必要となり、このために総加工時間が
長くなってしまうからである。
【0045】次いで、爪部材28を拡径する。要する
に、ボルト30を緩めた後、案内用凸部32に沿って円
弧状ブロック部材26a〜26cを互いに離間する方向
(図1におけるX1〜X3方向)に変位させる。円弧状
ブロック部材26a〜26cの側周壁部は、図9に示す
ように、最終的に凸部6に当接する。この当接により、
トリポート型等速ジョイント1が爪部材28に保持され
る。
【0046】このように、このチャック機構20では、
アウターカップ部2の挿入口部4の直径方向に沿って爪
部材28を拡径することによりトリポート型等速ジョイ
ント1を保持するようにしている。このため、市販品で
ある図示しないコレットでトリポート型等速ジョイント
1を保持する場合における前記コレットの図示しない爪
部を拡開する作業や、前記コレットをATCに装着する
作業等が不要となるので、トリポート型等速ジョイント
1を着脱するために要する時間を著しく短縮することが
でき、結局、トリポート型等速ジョイント1を加工する
ために要する時間を著しく短縮することができる。すな
わち、トリポート型等速ジョイント1の加工効率が一層
向上する。
【0047】ボルト30を締め付け方向に螺回して爪部
材28を固定した後、トリポート型等速ジョイント1に
対して各種の加工を施す。具体的には、フランジ部3の
端面を平滑化する端面加工や、孔部10を拡径する拡径
加工を行う。勿論、拡径される孔部10は、ピン62の
円柱状凸部74が係合した孔部10以外のものである。
なお、必要に応じて、孔部10にテーパを設ける面取り
加工を拡径加工に含めるようにしてもよい。
【0048】この加工の際、位置決め用治具60のピン
62によりトリポート型等速ジョイント1が位置決めさ
れているので、該トリポート型等速ジョイント1が振動
することが阻止され、高精度な加工を施すことができ
る。
【0049】1つの孔部10に対する拡径加工が終了し
て次の孔部10の拡径加工を行う場合、位置決め用治具
60の操作レバー76を把持して長溝部78に沿って支
持盤24側に後退動作させ、さらに該操作レバー76を
短溝部80に係止する。これによりピン62が後退動作
して円柱状凸部74が孔部10から離脱するとともに、
該ピン62が後退動作した位置に保持される。
【0050】そして、アウターカップ部2を把持して該
アウターカップ部2を回転動作させてフランジ部3の突
出頂部11を位置決め用治具60の位置まで到達させた
後、操作レバー76を短溝部80から離脱して長溝部7
8に沿って前進動作させ、円柱状凸部74を突出頂部1
1の端面に当接させる(図7参照)。以後、上記の作業
を繰り返すことにより、残余の孔部10に対して拡径加
工を順次施すことができる。
【0051】全ての加工が終了した後、操作レバー76
を把持して後退動作させることにより孔部10から円柱
状凸部74を離脱させる。さらに、ボルト30を緩めて
爪部材28を最小直径まで縮径させる。以上により、ト
リポート型等速ジョイント1の位置決め用治具60によ
る位置決めおよびチャック機構20による保持が解除さ
れ、該トリポート型等速ジョイント1がチャック機構2
0から脱着可能となる。
【0052】なお、支持盤24にボルト22を螺合する
ためのボルト穴を複数個設けて、フランジ部3の直径方
向に沿って位置決め用治具60を移動可能にしてもよ
い。この場合、トリポート型等速ジョイント1の寸法に
合わせて位置決め用治具60を自在に配置することがで
きるようになる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るチャ
ック機構用爪部材によれば、該チャック機構用爪部材を
構成する複数個の円弧状ブロック部材を互いに密着また
は離間させることによってワークの着脱を行うことがで
きる。すなわち、コレットを介してワークをATCに着
脱する場合に行わなければならない、コレットの爪部を
開閉する作業やコレットをATCに装着または脱着する
作業等が不要となる。このため、ワークを着脱するため
に要する時間が著しく短縮されるので、結局、ワークを
加工するために要する時間を著しく短縮することができ
るという効果が達成される。
【0054】また、本発明に係るチャック機構用爪部材
の製造方法によれば、第1固定リングにより複数個の円
弧状ブロック部材を位置決めした状態で第1の旋削を行
った後、前記第1固定リングに替えて該第1固定リング
に比して内径の大きな第2固定リングで前記複数個の円
弧状ブロック部材を位置決めした状態で該複数個の円弧
状ブロック部材に対して第2の旋削を行うようにしてい
る。これら第1固定リングと第2固定リングとの内径差
が各円弧状ブロック部材のストロークとなる。したがっ
て、第1固定リングに比して内径が僅かに大きいものを
第2固定リングとして選定することにより、1mm未満
の微小ストロークであっても高精度に設定することがで
きる。
【0055】しかも、この場合、複数個の円弧状ブロッ
ク部材は、例えば角柱状ブロック等の原材料を成形加工
することによって安価に作製することができる。このた
め、等速ジョイント等のワークの加工コストを著しく低
減することができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る爪部材を備えるチャック機
構と位置決め用治具の概略全体斜視図である。
【図2】図1のチャック機構の円弧状ブロック部材が互
いに離間した状態を示す概略正面図である。
【図3】図2の円弧状ブロック部材を製造する際に該円
弧状ブロック部材の突出端部に第1固定リングを重ね合
わせた状態を示す概略正面図である。
【図4】図3の第1固定リングに替えて第2固定リング
を円弧状ブロック部材の突出端部に重ね合わせた状態を
示す概略正面図である。
【図5】図1の位置決め用治具の概略断面図である。
【図6】トリポート型等速ジョイントの挿入口部に爪部
材を遊嵌した状態を示す概略断面図である。
【図7】トリポート型等速ジョイントのフランジ部の一
端面にピンの円柱状凸部を当接させた状態を示す概略断
面図である。
【図8】図7のフランジ部に設けられた孔部にピンの円
柱状凸部が係合した状態を示す概略断面図である。
【図9】図6のトリポート型等速ジョイントの凸部に爪
部材が当接した状態を示す概略断面図である。
【図10】トリポート型等速ジョイントの概略全体断面
図である。
【図11】図10のトリポート型等速ジョイントの概略
正面図である。
【図12】孔部と凸部とが図11と異なる位相でフラン
ジ部とアウターカップ部とが摩擦溶接されたトリポート
型等速ジョイントの概略正面図である。
【図13】孔部と凸部とが図11および図12と異なる
位相でフランジ部とアウターカップ部とが摩擦溶接され
たトリポート型等速ジョイントの概略正面図である。
【符号の説明】
1…トリポート型等速ジョイント 2…アウターカッ
プ部 3…フランジ部 4…挿入口部 5…ローラ溝 6…凸部 7…六角形状盤部 10…孔部 11…突出頂部 20…チャック機
構 24…支持盤 26a〜26c…
円弧状ブロック部材 28…爪部材 30…ボルト 32…案内用凸部 34…アーム部 38…溝部 42…突出端部 44、48…固定リング 46…リング状部
材 60…位置決め用治具 62…ピン 64…コイルスプリング 66…ピン挿入口 68…ハウジング 70…ボルト孔 74…円柱状凸部 76…操作レバー 78…長溝部 80…短溝部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持盤に変位可能に装着されたアーム部
    と、前記アーム部から突出した突出端部とを有する円弧
    状ブロック部材を複数個備え、 前記円弧状ブロック部材の頂角同士が互いに密着された
    際に全体として円柱形状を呈し、かつワークに設けられ
    た挿入口部に遊嵌され、 前記円弧状ブロック部材が互いに離間する方向に指向し
    て前記アーム部が変位された際に前記円弧状ブロック部
    材が前記ワークに当接して前記ワークを保持することを
    特徴とするチャック機構用爪部材。
  2. 【請求項2】アーム部と、前記アーム部から突出した突
    出端部とを有する円弧状ブロック部材を複数個成形する
    成形工程と、 前記複数個の円弧状ブロック部材の頂角同士を互いに当
    接させて円柱形状とした状態で支持盤に保持するととも
    に前記突出端部上に第1固定リングを重ね合わせて前記
    複数個の円弧状ブロック部材に対して第1の旋削を行う
    荒加工工程と、 前記第1固定リングに替えて該第1固定リングに比して
    内径が大きな第2固定リングを前記突出端部上に重ね合
    わせて、前記アーム部の側壁部が前記第2固定リングに
    当接するまで前記アーム部を変位させた後に前記複数個
    の円弧状ブロック部材を前記支持盤に保持し、この状態
    で該複数個の円弧状ブロック部材に対して第2の旋削を
    行う仕上げ加工工程と、 を有することを特徴とするチャック機構用爪部材の製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の製造方法において、頂角同
    士が互いに当接した前記複数個の円弧状ブロック部材の
    側周壁部にリング状部材を嵌合して前記荒加工工程を行
    うことを特徴とするチャック機構用爪部材の製造方法。
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