JP2002198016A - 薄型二次電池 - Google Patents
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Abstract
て構成された電池素子を、少なくとも金属層と接着用樹
脂層とを積層して構成されたラミネート体によって封止
してなる薄型二次電池であって、電池素子が複数個で構
成され、ラミネート体の少なくとも片面が、連続した1
枚で構成されてなる薄型二次電池。
Description
し、更に詳しくは正極層、電解質層、負極層を順次積層
して構成された電池素子を、少なくとも金属層と接着用
樹脂層とを積層して構成されたラミネート体によって封
止してなる薄型二次電池に関する。
めの携帯端末などのモバイル機器が急速に普及するなか
で、モバイル機器の更なる小型化、薄型化、軽量化が強
く望まれている。そのようなモバイル機器の電源の一つ
として、リチウムイオン電池は、高エネルギー密度、軽
量といった特徴を有するため、多くのモバイル機器に搭
載され、確実に生産量を増やしている。従来型のリチウ
ムイオン電池はスチールやアルミニウムからなる外装缶
の中に電池素子が挿入され封口されているが、機器の薄
型化への要求に答えるべく、技術開発が進められ厚み4m
mをきる電池が生産されるに至っている。
く、0.1mmレベルで更なる薄型化を目指した競争が繰り
広げられている。モバイル機器において、使用時間が短
いということは致命的であるため、単に小さい電池を採
用することもできず、また、電池缶タイプでは電池缶の
作製上の制限から、4mm程度の厚みが限界であり、また
それ以上薄くできたとしても缶材料の厚みが電池全体の
厚みに対して大きくなりすぎ、高いエネルギー密度を得
ることは困難になってくる。そのような状況の中で、電
池が機器の厚みを決めている機器が非常に多く、薄さと
高容量密度の両方を満たすことができる電池の開発が強
く望まれている。そこで、電解液をポリマー化する等し
て、固い外装材を不要とする技術を盛り込んだ、ラミネ
ート体を外装材とした電池が開発された。
するための接着層と、水分の進入を防ぐための金属層
と、必要によっては、表面の針刺し強度などを向上させ
ることを目的とした保護フィルム層との積層体からな
る。このラミネート体は総厚で100〜200μm程度
であり、缶タイプの電池に比べ、十分に薄く、袋状にし
て電池を封入するため、電池厚みの制限がなく、薄型の
電池が得られるため、薄型かつ高エネルギー密度を実現
する電池として期待されている。また、形状の自由度が
高いことから、形状変更の容易性による機器のデザイン
にあった電池への対応、生産性の向上なども期待されて
いる。
は、例えばノートパソコン等のように、比較的面積が広
く、消費電力が大きい機器では、薄型にしてもある程度
の容量を確保できるため(広さで体積を稼ぐことが可
能)、薄型電池は非常に魅力的な電池となり、機器の薄
型化に貢献できる。しかしながら、複数の電池を直列に
接続する場合、シール部分が二重になるため、面積いっ
ぱいに電池を敷き詰めることができずに電池パックとし
てのエネルギー密度が十分に得られなかったり、実際の
電池接続するための線の引き回しが非常に煩雑で薄型電
池の特徴を生かしきれていないのが現状である。
ート体によって封止された電池の生産性を向上させるた
め、一枚の集電体上にパターン印刷などを行い、薄型の
電池を作製することが提案されている。ここでは基本ユ
ニットとなるセルの数を調節することによって、所望の
サイズ(面積)の電池を得、それによって生産性を向上
させることが可能となっている。しかしながら、薄型機
器に求められているエネルギー密度には言及されておら
ず、基本ユニットのサイズの決め方によっては、シール
部分の面積が大きくなるためエネルギー密度の向上とい
う点では十分でなかった。
子機器の筐体についても薄型化が進められているが、筐
体自身は一定以上の強度が必要とされ、薄型化にも限界
がある。また、金属板を薄くして、リブ等をつけること
によって筐体の強度を確保することも考えられるが、筐
体の厚みを考える場合にはリブの部分も筐体の厚みに含
めて考える必要があるため、結局、金属板そのものが一
番薄くて、強度も高いことになる。そのような状況下
で、軽量かつ、強度のある材質を選び、必要強度を満た
す範囲内で、最も薄い金属板を使っているのが現状であ
る。
に、本発明は、正極層、電解質層、負極層を順次積層し
て構成された電池素子を、少なくとも金属層と接着用樹
脂層とを積層して構成されたラミネート体によって封止
してなる薄型二次電池であって、電池素子が複数個で構
成され、ラミネート体の少なくとも片面が、連続した1
枚で構成されてなることを特徴とする薄型二次電池を提
供する。
少なくとも片面を連続した1枚の部分で構成することに
よって、各電池素子のラミネート体の一体化を可能に
し、それによって電池素子の支持構造の強度アップ、電
池の軽量化、薄型化を可能にする。
た1枚の部分と、全体あるいは一部分が連続したもう1
枚の部分で構成し、各電池素子間及び最外周での相互の
接着により各電池素子を封止し、かつ最外周の接着幅
を、電池素子間の接着幅より大きくすることによって、
封止効果を有効に保障できる。また電池をラミネート体
の1枚の部分上に複数個並べるにあたり、封止部分を共
有することが可能であり、電池または電子機器の面積を
有効に使用することが可能となる。そして単位面積当た
り、電池パックとしての容量を大きくすることが可能と
なり、電池の使用時間の長時間化に有益である。
た複数個の電池素子を収容・支持する筐体を更に備え、
電池素子を封止するラミネート体の一枚の連続した部分
の強度によって、筐体の強度を補なうことができる。具
体的にラミネート体の金属層を筐体の補強層としてもよ
い。さらには電池素子を封止するラミネート体の一枚の
連続した部分に設けられた複数個の電池素子間の封止部
によって、電池または電子機器の筐体の強度を補なって
もよい。
化が進められているが、筐体のみで強度を維持するため
には厚みの限界がある。しかし、本構成とすることによ
り、電池を封止するラミネート体が筐体の強度を補うた
めに、筐体の薄型化が可能となる。さらにはラミネート
体に設けられた電池素子間の封止部が筐体のリブの役目
を果たすため、筐体自身が薄くても、筐体全体としての
強度が確保できるため、筐体の薄型化が可能になる。
のうち、一方を筐体と兼用していることを特徴とする薄
型二次電池を提供する。従来の薄型電池では、筐体と接
触している側の外装体と、その電池を筐体に張り付ける
ための接着層が必要となるため、合計で200〜300
μm程度の厚みが無駄になっているが、本構成によれ
ば、その無駄な部分が必要ないため、更に薄型化が可能
となる。また、その部分を電池素子に置き換えれば、電
池設計によっては筐体を含めた厚みは同じで、電池容量
を1.5〜2倍にすることが可能となる。
で直列、および/または並列に接続されていることを特
徴とする薄型二次電池、さらには電池内で個々の電池ご
とに充電制御可能に直列接続されたことを特徴とする薄
型二次電池を提供する。本構成とすることにより、電池
を直列、および/あるいは並列に接続するために必要で
あった煩雑な線の引き回しが不必要となり、そのスペー
スを確保する必要がなくなり、機器の面積を有効に電池
のスペースとして使用することが可能となる。また、ラ
ミネート体の中に内蔵するため、内部での接続には薄い
金属箔等を用いることが可能となり、配線を含めた電池
の薄型化が可能となる。また、電池内部で個々の電池素
子が充電制御可能なように接続しておけば、電池素子を
個々に充電制御することが可能となり、電池充電時の制
御がしやすくなると同時に、個々に充電することにより
信頼性も向上することが可能となる。
れている被覆リード線などを用いることも可能である
が、より薄型化をはかるため、薄い金属箔を用いること
が好ましい。薄い金属箔を用いる場合は、電池の容量に
よって流れる電流値が異なるが、その電流値によって厚
みを変えるのではなく、幅を変えることによって断面積
を大きくすれば、電池の総厚が厚くならないようにする
ことも可能である。用いる金属箔の材質は集電体に用い
る金属と同様の金属が使用可能であり、箔の厚み、幅
は、電池の設計値から予想される電流によって、適宜決
定すれば良い。好ましくは5μm〜100μm程度のものが
よい。5μm以下の金属箔を用いると、接続の際に強度
が十分ではなく、また100μmより厚いと、電池の総
厚が厚くなるため、好ましくない。また、電池素子同士
を接続する線の間にPTC素子などを接続することによ
り、安全性を向上させることも可能である。
質層、負極層を順次積層し、所望の厚み、容量となるよ
うに電池を設計する。正極層は一般的に、正極活物質、
導電材、溶媒に溶解あるいは分散させた結着剤とを混合
し、スラリーを作製し、集電体の片面、あるいは両面に
塗布、あるいは充填することによって作製する。正極層
作製においては、結着性を向上させるために各々の結着
材の融点前後かつ、溶媒の沸点以上の温度で熱処理を行
うことが好ましい。集電体としては、金属単体、合金等
が用いられる。たとえばチタン、アルミニウムやステン
レス鋼(以下単にステンレスと称す)等がある。また、
銅、アルミニウムやステンレスの表面にチタン、銀を処
理したもの、これらの材料を酸化したものが用いられ
る。形状は、箔の他、フィルム、シート、ネット、パン
チされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成
形体等が用いられる。本発明における集電体の厚みは特
に限定されないが、強度、導電性、電池を作製した場合
のエネルギー密度の観点から1μm〜1mm、さらに好
ましくは1μm〜100μmのものが用いられる。
NiO2に代表されるLixM1yM21-yO2(ここでM
1はFe、Co、Niのいずれかであり、M2は遷移金
属、4B族、あるいは5B族の金属を表す、x=0〜
1、y=0〜1)、LiMn2O4およびLiMn2−x
M1xO4(ここでM1は遷移金属、4B族、あるいは5
B族の金属を表す、xは0〜2)等のリチウムを含有し
た酸化物を正極活物質として用いることができる。リチ
ウムを含有する遷移金属カルコゲン化合物を用いると、
電池が放電状態で完成されるため製造工程中の安全性を
考えると好ましい。更に、導電性の付与、結着性の付与
のために上記正極活物質に導電材、結着材を混合して正
極層を形成する。この混合比は、活物質100重量部に
対して、導電材を2〜50重量部、結着材を1から30
重量部とすることができる。この導電材には、カーボン
ブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、チ
ャンネンルブラック等)などの炭素類や、グラファイト
粉末、金属粉末等を用いることができるがこれに限定さ
れるものではない。この結着材には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマ
ー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系ポリマー、合成ゴム類などを用いることができるが、
これに限定されるものではない。導電材が2重量部より
小さい、あるいは結着材が30重量部より大きいと、電
極の内部抵抗あるいは分極等が大きくなり、電極の放電
容量が低くなるため実用的なリチウム二次電池が作製で
きない。導電材が50重量部より多いと電極内に含まれ
る活物質量が相対的に減るため、正極としての放電容量
が低くなる。結着材が1重量部以上ないと活物質の結着
能力がなくなり、活物質の脱落や機械的強度の低下によ
り電池の作製上困難であり、30重量部より多いと導電
材の場合と同様に、電極内に含まれる活物質量が減り、
さらに、電極の内部抵抗あるいは分極等が大きくなり放
電容量が低くなり実用的ではない。
リチウム合金、あるいはリチウムを吸蔵放出可能な炭素
材料や金属酸化物などが使用可能である。安全性、サイ
クル特性の面から炭素材料は有望である。炭素材料とし
ては従来より使用されている周知の材料を使用すること
ができ、例えば天然黒鉛、石油コークス、クレゾール樹
脂焼成炭素、フラン樹脂焼成炭素、ポリアクリロニトリ
ル焼成炭素、気相成長炭素、メソフェーズピッチ焼成炭
素、結晶性の高い黒鉛の表面に非晶質炭素層を形成した
黒鉛材料などが挙げられる。それら炭素材料の中でも、
結晶性の発達した黒鉛材料は、電池の電圧が平坦であ
り、エネルギー密度が大きくなり、好ましい。さらに黒
鉛材料のなかでも、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素層を有
する黒鉛材料は、電解液との副反応が少なく、ラミネー
ト外装体によって封止された電池のように、内圧に対し
て弱い形状の電池の場合には特に好ましい。上述の炭素
材料をリチウムイオン二次電池用負極として用いる場合
には、炭素粒子と結着材とを混合して形成される。この
際、導電性を向上するために導電材も混合することも可
能である。ここで使用できる結着材には、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポ
リマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系ポリマー、合成ゴム類等を用いることができるが
これに限定されるものではない。この混合比は、炭素材
料と結着材との重量比が99:1〜70:30とするこ
とができる。結着材の重量比が70:30より大きくな
ると、電極の内部抵抗あるいは分極等が大きくなり、放
電容量が低くなるため実用的なリチウム二次電池が作製
できない。また、結着材の重量比が99:1より小さく
なると炭素材料自身あるいは炭素材料と集電体との結着
能力が十分でなくなり、活物質の脱落や機械的強度の低
下により電池の作製上困難である。
媒に溶解あるいは分散させた結着材、必要に応じて導電
剤とを混合し、スラリーを作製し、集電体に塗布、ある
いは充填することによって作製する。この場合、結着性
を向上させるためおよび結着材の溶剤を除去するため
に、溶剤の沸点以上でかつ結着材の融点前後の温度で真
空中、不活性ガス雰囲気中あるいは空気中で熱処理を行
うのが好ましい。集電体としては、銅、ニッケル等があ
る。形状は、箔の他、フィルム、シート、ネット、パン
チされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成
形体等が用いられる。集電体の厚みは特に限定されない
が、強度、導電性、電池を作製した場合のエネルギー密
度の観点から1μm〜1mm、さらに好ましくは1μm
〜100μmのものが用いられる。導電材には、特に限
定はされないが、カーボンブラック(アセチレンブラッ
ク、サーマルブラック、チャンネンルブラック等)など
の炭素類や、金属粉末等を用いることができる。
有機電解液(電解質塩と有機溶媒から成り立ってい
る)、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を
用いることができ、この中でも高分子固体電解質を好適
に用いることができる。高分子固体電解質では、電解質
と電解質の解離を行う高分子から構成された物質、高分
子にイオン解離基を持たせた物質等がある。電解質の解
離を行う高分子として、例えば、ポリエチレンオキサイ
ド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、ポリプロピ
レンオキサイド誘導体、該誘導体を含むポリマー、リン
酸エステルポリマー等がある。
たゲル状の固体電解質は、液漏れの心配のない固体電解
質の特徴と、液体に近いイオン伝導性を併せ持ち、非常
に有望である。
解質の溶媒溶液と親和性があり、重合可能な官能基を有
する化合物であれば、特に制限はない。例えばポリエー
テル構造および不飽和二重結合基を有するもの、オリゴ
エステルアクリレート、ポリエステル、ポリイミン、ポ
リチオエーテル、ポリサルファン等の単独もしくは二種
以上の併用が挙げられる。なお、溶媒との親和性からポ
リエーテル構造および不飽和二重結合基を有するものが
好ましい。ポリエーテル構造単位としては、例えばエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、グリシジルエーテル類等が挙げられ、これらの単独
または二種以上の組み合わせが好適に用いられる。ま
た、二種以上の組み合わせの場合、その形態はブロッ
ク、ランダムを問わず適宜選択できる。さらに、不飽和
二重結合基としては、例えばアリル、メタリル、ビニ
ル、アクロイル、メタロイル基等が挙げられる。
は、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボ
ネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボ
ネート類と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネ
ート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ
−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエ
チルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン
等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、
メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸
メチル等が挙げられ、これらを用いることができる。
4)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、リンフッ化リチウム
(LiPF6)、6フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)、6フッ化アン
チモン酸リチウム(LiSbF6)、トリフルオロメタンスルホ
ン酸リチウム(LiCF3SO3)、トリフルオロ酢酸リチウム(L
iCF3COO)、トリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウ
ム(LiN(CF3SO2)2)等のリチウム塩が挙げられ、これ
らの1種以上を混合して用いることができる。
質塩を溶解することによって電解液を調製し、上記有機
化合物と混合し、重合させることによって得られる。重
合方法は、熱重合、光重合、放射線重合などが挙げられ
る。熱重合開始剤、光重合開始剤は当業者において公知
のものを使用できる。また重合開始剤の量は、組成等に
よって適宜選択できる。本願において、高分子固体電解
質とは一般に用いる電解液と区別するものであり、上記
ゲル状の電解質を含むものである。上記の様に得られた
電池素子を、ラミネート体で封止することにより電池は
完成する。
ミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ステ
ンレス、ニッケル、銅などの金属箔などが用いられる。
上記材料の中で、筐体を補強することを目的とする場合
は、金属層にステンレスを用いることが、薄くて、かつ
強度を有するため好ましい。厚みは、強度が確保できる
厚みであれば特に問題はないが、好ましくは0.1mm〜
0.5mmの厚みが薄さと強度を兼ね備えており、好まし
い。一方のラミネート体が筐体を兼用する場合は、金属
層として、アルミ合金、マグネシウム合金から選ばれる
金属を用いることができる。このような材料を用いるこ
とにより、加工性、塗装性がよく、より薄く、より軽く
することが可能である。また、これらの材料を成形する
ためには鋳型に流し込んで作製する流し込みの方法と、
圧延した板材をプレス加工によって成型する方法がある
がどちらも使用可能である。圧延した板材をプレス加工
した材料は、筐体部分をより薄くすることが可能であ
り、また薄くした際に、ピンホールなどの心配がないた
め、電池の信頼性を挙げることが可能であるため、好ま
しい。厚みに関しては、電池と合わせて必要な強度が得
られる厚みであれば特に問題はないが、筐体自身の成形
性などを合わせて考えると、0.1mmから0.8mmの
範囲であることが好ましい。
に接着する接着幅は最外周部では1mm〜10mmの範囲内で
あることが好ましい。また電池素子間の接着幅について
は電池素子を区分けできればよく特に制限されないが、
5mm以下で可能な限り細くするのが好ましい。最外周の
接着部分に関しては、折り畳んでシールをすることによ
って、接着幅を確保しつつ、投影される幅を狭くするこ
とも可能である。折り畳んで投影される幅を狭くした結
果、電池素子間の封止部分の幅と同等以下になった場合
でも、実際の接着されている幅が電池素子間の封止部分
の幅より大きければ、本発明の範囲にはいる。
としては熱融着性樹脂のフィルムが挙げられ、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性
ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、熱融着性ポリイミ
ド、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂が挙げられる。
また、金属タブの導出部の融着性を向上するために、タ
ブの引き出し部分に上記熱融着性樹脂の変性樹脂層をも
う一層設けることも可能である。接着層の厚みは20μm
〜250μm程度が好ましく、材質によっても異なるが熱融
着性、フィルム強度、膜物性の点から80〜200μmの範囲
がより好ましい。あまり金属箔が薄いと、水分の進入が
十分に防げず、また厚すぎると、熱融着の際に、樹脂フ
ィルムに十分に熱が伝わらず、気密信頼性が下がった
り、外装体として厚くなるので電池のエネルギー密度が
低下する。
段として、ヒーターなどを用い、熱をかけることにより
接合する方法が一般的である。また、超音波溶着を用い
ることにより、熱融着性フィルムを相互に熱溶着するこ
とも可能である。これは金属筐体と兼用する場合に、金
属層の厚みが大きいと、熱容量が大きいために、ヒータ
ーによる熱融着では十分な信頼性が得られない場合にと
くに有効である。
以下で設計することが好ましく、より好ましくは2.0mm
以下とすることが好ましい。通常のラミネート体を用い
る電池で用いられる外装体と電池と筐体の層の和が、片
側で200μm程度の厚みを有し、2mm以下の電池であれ
ば、外装体の厚みの割合が大きくなり、その分を電池素
子のスペースとして用いることにより、少なくとも容量
を10%以上向上することが可能となる。
の形態により説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。尚、図面は説明のために厚さを誇張して表
現している部分があり、それぞれの厚みの関係は図面に
拘束されるものではない。
実施の形態を真上から見た概略図である。薄型電池E1
は、正極層、電解質層、負極層を順次積層して構成され
た複数の電池素子を、金属層と接着用樹脂層とを積層し
て構成されたラミネート体によって両側(表面および裏
面)から合わせて封止されている。図1において、2は
電池素子を封入した部分、3は電池素子を封止するため
の封止部分(接着部分)をあらわしている。従って、電
池素子をそれぞれ封止したものに比べて、封止部分を共
有でき、かつ各電池素子の支持構造として全体的に相互
依存可能で、かつ電池素子の位置ずれも防止できる。
用した。結着材であるポリフッ化ビニリデンを、一旦乳
鉢で溶剤N−メチル−2−ピロリドンに溶かし結着剤溶
液、上記正極活物質とアセチレンブラックと混合し、上
記溶液に分散させ、ペーストを作製した。
ニウム箔集電体上、両面に塗布し、これを60℃で仮乾
燥、150℃で熱処理後プレスした。電極の塗工部78
×110mmとし、無塗工部がタブの形状となるように打
ち抜いた。さらに水分除去のために180℃で減圧乾燥
したものを正極として用いた。塗布密度は3.0g/cm3、電
極総厚は140μmであった。また、同形状、同サイズ
で片面にのみ塗布されている電極も同様に作製した。
337nm、R値=0.4)を用い、結着材であるポリフッ化ビ
ニリデンを乳鉢で溶剤N−メチル−2−ピロリドンに溶
かした溶液に分散させ、ペースト状にしたものを、銅箔
の両面に塗布し、これを60℃で仮乾燥、150℃で熱
処理後プレスした。電極の塗工部76×108mmとし、
無塗工部がタブの形状となるように打ち抜いた。さらに
水分除去のために200℃で真空乾燥したものを負極と
して用いた。塗布密度は1.5g/cm3、電極の厚みは130μm
であった。
C)、とジエチルカーボネート(以下DEC)の1:1(体
積比)の溶媒50gに、ポリエチレンオキサイド・ポリ
プロピレンオキシド共重合体ジアクリレート(分子量2
000)10gを溶解し、重合開始剤を0.06gを加
えた。この溶液をポリプロピレン製の不織布(厚さ16μ
m)に含浸させ、ガラス板に夾み、紫外線を照射するこ
とによりゲル化させ、ゲル電解質層を得た。
ガラス板に挟み、紫外線を照射することによりゲル化さ
せ、ゲル電解質複合電極を得た。このようにして得られ
た電極、及び電解質層を用い、負極2枚正極3枚(最外
装は正極の片面塗工電極)、電解質層4枚を積層し、電
池素子を作製した。なお、電極のサイズは 最終の電池
がB5サイズのノートパソコンのキャビネットに収まる
範囲内で最大の面積となるよう設定した。
4個を並べ、金属層が50ミクロンのアルミニウムから
なるラミネート体で封止した。最外周部分の幅は10m
mであり、長辺方向に関しては、封止部分を半分に折り
曲げて、投影面積としては5mm幅とした。電池素子間
の隙間は2mmとし、その間を熱シールより接着した。
得られた電池について、各電池を直列に接続し、充電電
圧を16.8V、500mA、CC−CV充電により4
時間の充電を行った後、200mAにて12Vまで放電
を行った。得られた電池容量は900mAhであった。
ートパソコンのキャビネットに収まる範囲内で最大の面
積となるようにするために、電極のサイズを正極74×
100mm、負極のサイズを72×98mmとした。外
周部分の幅は10mmであり、長編方向に関しては、封
止部分を半分に折り曲げて、投影面積としては5mm幅
とした。電池素子を一つずつラミネート体で封止した以
外、積層枚数、ラミネート体は実施例と同様にし、電池
を4個作製した。得られた電池をB5サイズのパソコン
のキャビネットに並べて張り付け、電池パックとし、実
施例1と同様に電池パックの容量を測定した結果800
mAhであった。この比較例1に対応して図5を挙げる。
4は筐体、5は電池素子封入部分、6は封止部(接着部
分)である。上記、実施例、比較例の結果より、封止部
分を共有することで機器の面積が有効に使用でき、電池
パックの容量を約13%向上することが可能となった。
1つの実施の形態の斜視図、図3はそのA−A'断面図
である。図2及び3において、薄型二次電池E2は、正
極層、電解質層、負極層を順次積層して構成された複数
の電池素子13・13・…と、金属層と接着用樹脂層と
を積層して構成され、各電池素子13・13・…を封止
するラミネート体10・11と、このラミネート体及び
各電池素子13・13・…を収容し、支持する皿状筐体
12とから主としてなる。
3・13・…の表面を併せて封止する連続した(一体
の)1枚で構成され、ラミネート体11は各電池素子1
3・13・…の裏面を併せて封止する連続した(一体
の)1枚で構成されている。なお、ラミネート体10は
金属層9と、接着用樹脂層10aとを積層して構成さ
れ、ラミネート体11は筐体12を兼ねる金属層と接着
用樹脂層11aとを積層して構成されている。
ミ合金を用いた。積層枚数を、正極4枚、負極3枚とし
た以外は実施例1と同様に電池素子を作製した。得られ
た電池素子4個を図3のように配置し、電池内部で直列
に接続した。電池素子同士の接続には厚み30μm、幅が
15mmのニッケル箔を用いた。補強を兼ねるラミネート
体の金属層には150μmのステンレス箔を用い、電池
素子の大きさに合わせて800μmのくぼみをつけた。
(図3の断面図参照)
す試験を行った結果、1mmのアルミ合金で作製した筐体
と同等以上の強度を示した。キャビネットを含めた電池
の総厚みは1.7mmであり、得られた電池の容量は1
300mAhであった。
アルミ合金製のキャビネットを用い、電池の外装に用い
るラミネート体の金属層として、150μmのステンレ
ス箔を用いた以外は比較例1と同様に電池を作製した。
このようにして得られた電池4枚を、図2に示すように
B5サイズのキャビネット敷き詰め、両面テープで貼り
付けた。強度試験の一つとしてキャビネットの中心部を
押す試験を行ったが、必要な強度が得ることができなか
った。得られた電池を合わせた筐体の最も厚い部分は
1.7mmであった。電池容量は800mAhであっ
た。
間の封止部分(電池表面から見た場合の凹部となる)
が、筐体のリブの代わりとなるため、中心部を押すとい
った試験では強度の向上が確認できた。本発明の電池は
電池内部で直列接続されているため、配線のためのスペ
ースをとる必要がなく、面積全体を有効に使用でき、煩
雑な配線が必要なくなり、全体の薄型化が可能となっ
た。また、片側のラミネート体を筐体と兼用しているた
め、厚みが薄くなった分、電極の積層枚数を増やすこと
により、筐体を含めた電池の層厚ではほぼ同じ厚みであ
るが、電池容量を大幅に大きくすることが可能である。
が十字の形になるようなデザインとしたが、例えば、中
心部での応力を補強するためのデザインとしては、図4
(a)(b)に示すように、封止部分のラインによって三
角形を描くデザインが考えられる。この封止部分のデザ
インは必要とする強度を満たすように適宜選択される。
好ましくは、所望の強度を保ちつつ、電池素子の形状が
共通の形になるように区切るのがよい。
池素子を2枚の連続したラミネート体の部分で封止する
ことにより、電池素子間の封止(接着)部分は電池素子
を区分けしていればよく、従来外気に対して水分を遮断
するための必要であった封止(接着)幅が必要ないの
で、個々の電池素子を大きくすることが可能となり、電
池パックとしてエネルギー量を向上させることができ
る。また、その封止部分のデザインを利用して、筐体の
強度を補強することによって、従来単独では用いること
が難しかった薄い筐体の使用が可能となる。また、複数
個の電池素子を、電池内部で直列、および/あるいは並
列に接続することによって、線の引き回しが必要なくな
り、電池スペースが有効に使用できる。さらにラミネー
ト体のどちらか一方を、筐体を兼用した構造とすること
により、電池の外装と筐体の金属を合わせて強度を維持
しているので、従来、単独でそれぞれ強度を得ていた機
器の筐体に比べ、薄型化、軽量化が可能となる。
なくとも片面を連続した1枚の部分で構成することによ
って、ラミネート体の一体化と封止部分の共有を可能に
し、それによって、電池素子の支持構造の強度アップと
二次電池の軽量化と薄型化を可能にする。
から見た概略図である。
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 正極層、電解質層、負極層を順次積層し
て構成された電池素子を、少なくとも金属層と接着用樹
脂層とを積層して構成されたラミネート体によって封止
してなる薄型二次電池であって、 電池素子が複数個で構成され、 ラミネート体の少なくとも片面が、連続した1枚で構成
されてなることを特徴とする薄型二次電池。 - 【請求項2】 ラミネート体が、連続した1枚の部分
と、全体あるいは一部分が連続したもう1枚の部分とか
らなる請求項1に記載の薄型二次電池。 - 【請求項3】 ラミネート体の2枚の部分が、各電池素
子間及び最外周での相互の接着により各電池素子をそれ
ぞれ封止し、かつその最外周の接着幅を、電池素子間の
接着幅より大きくしたことを特徴とする請求項2に記載
の薄型二次電池。 - 【請求項4】 ラミネート体の金属層の材質がステンレ
ス鋼であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
つに記載の薄型二次電池。 - 【請求項5】 ラミネート体の金属層の厚みが、0.1
〜0.5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいず
れか1つに記載の薄型二次電池。 - 【請求項6】 複数個の電池素子とこれらの電池素子を
封止するラミネート体とを収容・支持する筐体を更に備
え、各電池素子の正極層又は負極層に接するラミネート
体の連続した1枚の部分の金属層が筐体の補強層を兼ね
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載
の薄型二次電池。 - 【請求項7】 複数の電池素子とこれらの電池素子を封
止するラミネート体とからなり、ラミネート体の一方の
部分が筐体を兼ねることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか1つに記載の薄型二次電池。 - 【請求項8】 ラミネート体を構成する金属層の材質
が、アルミニウム合金、またはマグネシウム合金である
ことを特徴とする請求項1〜3、6、7のいずれか1つ
に記載の薄型二次電池。 - 【請求項9】 ラミネート体の金属層の厚みが0.1mm
〜0.8mmであることを特徴とする請求項8に記載の薄
型二次電池。 - 【請求項10】 複数個の電池素子が、薄型二次電池内
部で直列、および/または並列に接続されていることを
特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の薄型電
池。 - 【請求項11】 複数個の電池素子が、電池内で、個々
の電池素子ごとに充電制御可能に直列に接続されたこと
を特徴とする請求項10に記載の薄型二次電池。
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