JP2002194041A - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂の製造方法

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JP2002194041A JP2000378787A JP2000378787A JP2002194041A JP 2002194041 A JP2002194041 A JP 2002194041A JP 2000378787 A JP2000378787 A JP 2000378787A JP 2000378787 A JP2000378787 A JP 2000378787A JP 2002194041 A JP2002194041 A JP 2002194041A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未反応のフェノール類が少なく、かつ分子量
分布が狭いノボラック型フェノール樹脂を高収率で得る
こと。 【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類とを有機ホ
スホン酸触媒で反応系中の水分を30%以下として、反
応温度を110〜200℃で反応する特徴とするノボラ
ック型フェノール樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未反応フェノール
類が少なく、かつ、分子量分布が狭いノボラック型フェ
ノール樹脂を高収率に得るための製造方法に関するもの
である。本発明で得られるノボラック型フェノール樹脂
は、例えば、成形材料、摩擦材、砥石、封止材等のバイ
ンダーとして好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ノボラック型フェノール樹脂は、
フェノール類とアルデヒド類とを塩酸、硫酸、リン酸、
亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸といった無
機、有機酸を触媒として反応させることで得られる。ノ
ボラック型フェノール樹脂の分子量は、フェノール類と
アルデヒド類との仕込比率等で調整するのが一般的であ
るが、分子量の低いノボラック型フェノール樹脂は、分
子量分布が広くなりやすい。分子量分布を狭くする一般
的手段としては、有機溶媒中で反応させる方法、水蒸気
蒸留あるいは溶剤洗浄により低分子量成分を除去する方
法があるが、前者の場合は低分子量のノボラック型フェ
ノール樹脂は得られず、後者の場合は収率が大きく低下
してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、未反
応フェノール類が少なく、かつ、分子量分布が狭いノボ
ラック型フェノール樹脂を高収率に製造する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために鋭意研究を行った結果、完成されたもので
あり、第一の発明は、フェノール類とアルデヒド類と
を、有機ホスホン酸を触媒として反応することを特徴と
するノボラック型フェノール樹脂の製造方法である。第
二の発明は、フェノール類とアルデヒド類とを有機ホス
ホン酸を触媒として反応するノボラック型フェノール樹
脂の製造方法において、反応系中の水分を30重量%以
下、反応温度を110〜200℃として反応することを
特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法であ
る。第三の発明は、有機ホスホン酸が、一般式(1)で
示されるものである第一の発明又は第二の発明に記載の
ノボラック型フェノール樹脂の製造方法である。 R−PO(OH)2 (1) (Rは、炭素原子を含み、かつ、−COOH及び又は−
PO(OH)2 を含む基である)
【0005】本発明に用いられるフェノール類は、特に
限定されるものではないが、好ましくは、フェノール、
オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、
キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パ
ラオクチルフェノール、パラフェニルフェノール、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、レゾルシンなどから
選ばれた少なくとも1種以上のフェノール類である。
【0006】本発明に用いられるアルデヒド類は、特に
限定されるものではないが、好ましくは、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレ
イン等あるいはこれらの混合物であり、これらのアルデ
ヒド類の発生源となる物質あるいはこれらのアルデヒド
類の溶液を使用することも可能である。フェノール類と
アルデヒド類との反応モル比は、フェノール類1.0モ
ルに対して、アルデヒド類0.1〜3.0モル、好まし
く0.5〜1.0モルである。反応の開始時において、
フェノール類とアルデヒド類を全量一括して仕込み触媒
を添加し反応させてもよく、また、反応初期の発熱を押
さえるため、フェノール類と触媒を添加してからアルデ
ヒド類を逐次添加して反応させてもよい。
【0007】本発明において触媒として使用する有機ホ
スホン酸は、ホスホン酸基−PO(OH)2 を含む有機化
合物であり、いかなるものも使用可能であるが、一般式
(1)で示されるホスホン酸が、未反応フェノール類が
少なく、かつ、分子量分布が狭いノボラック型フェノー
ル樹脂を高収率に得るために好ましい。 R−PO(OH)2 (1) (Rは、炭素原子を含み、かつ、−COOH及び又は−
PO(OH)2 を含む基である)一般式(1)で示される
有機ホスホン酸としては、アミノポリホスホン酸類であ
るエチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エ
チレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリメ
チレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸N,N
−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸N,N−ジ酢酸や、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、
2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等が
ある。本発明の目的からみて工業的に大量生産され安価
であるアミノトリメチレンホスホン酸や、1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノ
ブタン−1,2,4−トリカルボン酸が好ましい。
【0008】有機ホスホン酸の添加量としては、フェノ
ール類1モルに対して0.001〜4.0モル、好まし
くは0.01〜0.5モルである。有機ホスホン酸の添
加量が多いほど、未反応フェノール類が少なく、かつ、
分子量分布が狭いノボラック型フェノール樹脂を高収率
で得るという本発明の効果は大きいが、触媒添加量が
4.0モルを越えるその効果が変わらなくなり、0.0
01モル未満では、触媒としての効果が実質的になくな
る。シュウ酸、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸な
どの通常ノボラック型フェノール樹脂の製造で使用する
酸の併用も可能である。これらの酸の併用は特に4核対
以上の高分子領域での反応促進に有効であり、分子量分
布を制御する方法として有効な手段と言える。
【0009】本発明ノボラック型フェノール樹脂の製造
方法において、反応系中の水分を30%以下、反応温度
を110〜200℃とする反応条件は、未反応フェノー
ル類のみならず、2核体や3核体といった低分子領域の
ノボラック型フェノール樹脂が選択的に反応するのに有
効で、分子量分布を効果的に狭くすることができる条件
である。言い換えれば、未反応フェノール類の反応は、
上記反応条件から外れた条件、即ち、水分が多く、低温
下でも十分に行いうるが、2核体、3核体等の低分子領
域の選択的な反応は不十分で分子量分布が広くなる傾向
がある。
【0010】本発明において、反応系中の水分量とは、
系内に存在するフェノール類、アルデヒド類、ノボラッ
ク型フェノール樹脂、有機ホスホン酸等全体に対する水
分量である。水分には、仕込み時に添加した水分、添加
するアルデヒド類に含まれる水分、添加する有機ホスホ
ン酸に含まれる水分、有機ホスホン酸の結晶水等、仕込
み原料に由来する水分、反応時に発生する縮合水などが
ある。これらの反応系中の水分量が30重量%以下、好
ましくは1〜20重量%以下である。反応系中の水分量
の計算方法は、仕込み原料中の水分量と反応で生成する
縮合水量を反応系中の水分量とし、仕込み全量で除した
値である。また、水を蒸留して取り除きながら反応させ
る場合、上記仕込み原料中の水分量と反応で生成する縮
合水量から溜去した水分量を減じた水分量が反応系中の
水分量である。この水分量は少ない程、未反応フェノー
ル類が少なく、かつ、分子量分布が狭いノボラック型フ
ェノール樹脂を高収率に得る効果が高くなるので20%
以下が好ましい。しかし、水分が少ないと有機ホスホン
酸が高粘度化若しくは固結し、触媒作用が低下するた
め、結晶水を含む程度の水分量である1%以上が好まし
い。水分量が30%を越えるとその効果がほとんど変わ
らなくなる。
【0011】本発明における反応温度は、110〜20
0℃が好ましい。110℃より低いと、上記のような水
分の少ない条件下では、触媒である有機ホスホン酸が高
粘度化若しくは固結し、触媒作用が低下する。200℃
を越えると有機ホスホン酸の分解及びノボラック型フェ
ノール樹脂の分解が起こる。有機ホスホン酸、ノボラッ
ク型フェノール樹脂の分解は低温ではより起こりずらい
く好ましいが、水分量1〜20%で有機ホスホン酸が高
粘度化若しくは固結しなく触媒作用を十分に有した状態
となるための温度範囲としては、130〜160℃であ
る。
【0012】常圧下の反応であれば、水分量が30重量
%以下の範囲で還流温度はほぼ110〜200℃にあた
り、温度及び水分のコントロール上、常圧反応は好まし
い条件である。この他にも反応条件としては、ブタノー
ル、プロパノール等非水溶剤を使用した溶剤還流脱水反
応、高圧反応等が考えられる。また、アルデヒド類を添
加しながら、生成する縮合水を蒸留等で取り除く反応
は、反応系中の水分量が一定となり好ましい条件であ
る。しかし、この時、未反応のフェノール類が水分と一
緒に取り除かれやすくなる欠点があるので、注意を要す
る。この欠点を克服するため、未反応フェノール類が一
定量以下となるまで、未反応のフェノール類が蒸留され
ないようにして反応を行い、次いで、蒸留により水分を
取り除いた後あるいは取り除きながら、反応系中の水分
を30重量%以下、反応温度を110〜200℃として
反応を続けることができる。
【0013】反応終了後、触媒除去のために、中和や水
洗を行ってもよい。また、必要により、水や有機溶剤、
さらには未反応のフェノール類を除去するため、常圧蒸
留や、減圧蒸留、水蒸気蒸留等を行うことも可能であ
る。
【0014】本発明において、有機ホスホン酸を触媒と
して用い、ノボラック型フェノール樹脂を高収率で分子
量分布を狭くすることができる理由は、以下のように考
えられる。本発明に用いる有機ホスホン酸は、非常に水
溶性が高い。しかし、フェノール類には溶解性が小さ
く、ノボラック型フェノール樹脂には分子量増大ととも
溶解性が更に小さくなる性質を有している。このため反
応時には、触媒である有機ホスホン酸を多量に含んだ水
相と、フェノール類、ノボラック型フェノール樹脂から
なる、触媒がほとんど存在しない有機相とに相分離した
状態となる。フェノール類及び2核体等の低分子成分は
比較的水相に溶出しやすく、溶出した部分はアルデヒド
類と反応する。しかし、高分子領域では溶出がほとんど
なく反応が進まない。また、水相に溶出し反応したノボ
ラック型フェノール樹脂は速やかに有機相に抽出され、
その以上反応は進まない。この様にして、低分子領域と
高分子領域の反応速度差が生じるため、結果的に未反応
フェノール類が少なく、かつ、分子量分布が狭いノボラ
ック型樹脂を高収率に製造する事が可能となる。本発明
は、触媒として有機ホスホン酸を用い、好ましくは、反
応条件として、反応系中の水分を30%以下、反応温度
を110〜200℃とすることを特徴とする。本発明の
製造方法によるノボラック型フェノール樹脂の分子量が
狭く、かつ高収率で樹脂を得ることができる理由は、以
下のように考えられる。反応系中の水分が30%以下と
少なく、反応温度が110℃以上の高温であることによ
り、以下のような効果を得ることができる。まず、高温
であることから、2核体、3核体等の低分子領域も水相
へ溶出されやすく、水相での反応が容易に進む。そし
て、水分が少なく水相中のイオン濃度が高い状態で維持
される。水相と有機相の界面がよりしっかりと分離する
ので、有機相側の反応を防止できる。また、有機ホスホ
ン酸は高濃度であると粘度を高めたり固結したりする性
質があるが、高温であるため溶融した状態となり触媒機
能を失うことが防止できる。これらの効果から、未反応
フェノール類が少なく、かつ、分子量分布が狭いノボラ
ック型フェノール樹脂を高収率に得る効果が高まる事に
よる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ここで記載されている「部」及び「%」は全て「重
量部」及び「重量%」を示す。
【0016】(実施例1)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス11
5、(株)ライオン製)を200部添加し、100℃に昇
温し、35%ホルムアルデヒド水溶液700部を30分
間かけて逐次添加し、100℃で1時間還流させながら
反応させた。その後、常圧蒸留を行い130℃まで昇温
し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行って150℃
まで昇温し、フェノール樹脂Aを1192部得た。
【0017】(実施例2)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、アミノトリメチレンホスホン酸50
%水溶液(ディクエスト2000、ソルーシア・ジャパ
ン(株)製)を240部添加し、100℃に昇温し、35
%ホルムアルデヒド水溶液700部を30分間かけて逐
次添加し、100℃で1時間還流させながら反応させ
た。その後、常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、50
00Paの減圧度で減圧蒸留を行って150℃まで昇温
し、フェノール樹脂Bを1178部得た。
【0018】(比較例1)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、シュウ酸を10部添加し、100℃
に昇温し、35%ホルムアルデヒド水溶液700部を3
0分間かけて逐次添加し、100℃で1時間還流させな
がら反応させた。その後、常圧蒸留を行い130℃まで
昇温し、5000Paの減圧下で減圧蒸留を行って19
0℃まで昇温し、フェノール樹脂Iを957部得た。
【0019】(実施例3)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス11
5、(株)ライオン製)を200部添加し、100℃に昇
温し、37%ホルムアルデヒド水溶液690部を30分
間かけて逐次添加し、100℃で1時間還流させながら
反応させた。反応終了後、反応組成物をサンプリングし
ガスクロマトグラフィーを用いて未反応フェノール量を
測定した。その後、純水500部を添加し混合した後、
樹脂と分離た水相を除去した。このような水洗工程を3
回行った。常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、500
0Paの減圧度で減圧蒸留を行って150℃まで昇温
し、フェノール樹脂Cを1056部得た。
【0020】(実施例4)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、アミノトリメチレンホスホン酸50
%水溶液(ディクエスト2000、ソルーシア・ジャパ
ン(株)製)を240部添加し、100℃に昇温し、37
%ホルムアルデヒド水溶液690部を30分間かけて逐
次添加し、100℃で1時間還流させながら反応させ
た。反応終了後、反応組成物をサンプリングしガスクロ
マトグラフィーを用いて未反応フェノール量を測定し
た。その後、実施例3と同様に、純水500部添加し、
樹脂と分離した水相を除去する水洗工程を3回行った。
常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、5000Paの減
圧度で減圧蒸留を行って150℃まで昇温し、フェノー
ル樹脂Dを1052部得た。
【0021】(実施例5)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、2−ホスホノブタン−1,2,4−
トリカルボン酸50%水溶液(PBTC、城北化学(株)
製)を240部添加し、100℃に昇温し、37%ホル
ムアルデヒド水溶液690部を30分間かけて逐次添加
し、100℃で1時間還流させながら反応させた。反応
終了後、反応組成物をサンプリングしガスクロマトグラ
フィーを用いて未反応フェノール量を測定した。その
後、実施例3と同様に、純水500部添加し、樹脂と分
離した水相を除去する水洗工程を3回行った。常圧蒸留
を行い130℃まで昇温し、5000Paの減圧度で減
圧蒸留を行って150℃まで昇温し、フェノール樹脂E
を1047部得た。
【0022】(実施例6)3Lの三口フラスコ中に1−
ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%
水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)1
000部とフェノール1000部を添加して100℃に
昇温し、37%ホルムアルデヒド水溶液690部を1時
間かけて逐次添加した。その後、100℃で1時間還流
させながら反応を行った。反応終了後、反応組成物をサ
ンプリングしガスクロマトグラフィーを用いて未反応フ
ェノール量を測定した。その後、実施例3と同様に、純
水500部添加し、樹脂と分離した水相を除去する水洗
工程を3回行った。常圧蒸留を行い130℃まで昇温
し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行って150℃
まで昇温し、フェノール樹脂Fを1065部得た。
【0023】(実施例7)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1’−ジホスホン酸(1−1−ヒドロキシエチリデン−
1,1’−ジホスホン酸(1水和物)95%以上、キシ
ダ化学(株)製)を600部添加し、140℃に昇温
し、92%パラホルムアルデヒド277.5部を30分
間かけて逐次添加し、126℃で1時間還流させながら
反応させた。この反応時の系中水分は反応初期は2%で
あり、反応終了時は12%であった。反応終了後、反応
組成物をサンプリングしガスクロマトグラフィーを用い
て未反応フェノール量を測定した。その後、実施例3と
同様に、純水500部添加し、樹脂と分離した水相を除
去する水洗工程を3回行った。常圧蒸留を行い130℃
まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行って
150℃まで昇温し、フェノール樹脂Gを1076部得
た。
【0024】(実施例8)3Lの三口フラスコ中に1−
ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%
水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)1
000部を添加し常圧蒸留を行い80%の濃度とし、フ
ェノール1000部を添加して100℃に昇温し、37
%ホルムアルデヒド水溶液550部を30分間かけて逐
次添加し、常圧蒸留を行い、130℃まで昇温させ反応
系中の水分量を6%とした。その後、130℃に温度を
維持し、水分量を約6%で一定として、常圧蒸留を行い
ながら37%ホルムアルデヒド水溶液140部を30分
かけて添加した。この間蒸留により失われたフェノール
量は仕込んだフェノールに対して0.3%であった。そ
の後、140℃で1時間還流させながら反応を行った。
反応終了後、反応組成物をサンプリングしガスクロマト
グラフィーを用いて未反応フェノール量を測定した。そ
の後、実施例3と同様に、純水500部添加し、樹脂と
分離した水相を除去する水洗工程を3回行った。常圧蒸
留を行い130℃まで昇温し、5000Paの減圧度で
減圧蒸留を行って150℃まで昇温し、フェノール樹脂
Hを1074部得た。
【0025】(比較例2)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、シュウ酸を10部添加し、100℃
に昇温し、37%ホルムアルデヒド水溶液690部を3
0分間かけて逐次添加し、100℃で1時間還流させな
がら反応させた。反応終了後、反応組成物をサンプリン
グしガスクロマトグラフィーを用いて未反応フェノール
量を測定した。その後、常圧蒸留を行い130℃まで昇
温し、5000Paの減圧下で減圧蒸留を行って190
℃まで昇温し、フェノール樹脂Jを957部得た。
【0026】(比較例3)3Lの三口フラスコ中にフェ
ノール1000部、シュウ酸を10部添加し、100℃
に昇温し、37%ホルムアルデヒド水溶液690部を3
0分間かけて逐次添加し、100℃で1時間還流させな
がら反応させた。反応終了後、反応組成物をサンプリン
グしガスクロマトグラフィーを用いて未反応フェノール
量を測定した。その後、実施例3と同様に、純水500
部添加し、樹脂と分離した水相を除去する水洗工程を3
回行った。常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、500
0Paの減圧下で減圧蒸留を行って150℃まで昇温
し、フェノール樹脂Kを972部得た。
【0027】実施例1〜2と比較例1で得られたフェノ
ール樹脂について、特性について表1に示し、液体クロ
マトグラフィーチャートを図1〜3に示す。
【表1】
【0028】実施例3〜8と比較例2〜3で得られたフ
ェノール樹脂について、特性について表2に示す。
【表2】 (測定方法) 1.樹脂収得量:フェノール1000部に対する収得し
たフェノール樹脂の量 2.数平均分子量、及び重量平均分子量:液体クロマト
グラフィーで測定 ・液体クロマトグラフィー:東ソー製GPCカラム(G
1000HXL:1本、G2000HXL:2本、G3
000HXL:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶
出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条
件で示差屈折計を検出器として用いてGPC測定した。
分子量は、実施例2の液体クロマトグラフィーチャート
(図2)で7核体のピーク位置である図3中のピークを
分子量730、3核体のピーク位置である図中7のピー
クを分子量306、フェノールのピーク位置である図3
中10のピークを分子量94として近似直線を引いて換
算した。 3.未反応フェノール量:ガスクロマトグラフィーで測
定した。 ・ガスクロマトグラフィー:JIS K0114に準
じ、2,5−キシレノールを内部標準として内部標準法
で測定した。
【0029】
【0030】(測定方法) 4.軟化点:JIS K−2531にて測定した。 5.50%エタノール溶液の動粘度:50重量%のエタ
ノール溶液を25℃でキャノンフェンスケを用いて測定
した。 6.2核体量:液体クロマトグラフィーで測定したチャ
ートの面積比から求めた。 ・液体クロマトグラフィー:東ソー製GPCカラム(G
1000HXL:1本、G2000HXL:2本、G3
000HXL:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶
出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条
件で示差屈折計を検出器として用いてGPC測定し、分
子量は標準ポリスチレンにより換算した。
【0031】表1、表2の結果から明らかなように、実
施例で得られたノボラック型フェノール樹脂は比較例に
よるフェノール樹脂に比べて分子量分布が狭く、未反応
フェノールが少なく反応収量も高い。また、表2の結果
から明らかなように実施例7、8で得られたフェノール
樹脂は、実施例6で得られたフェノール樹脂に比べて
は、分子量分布が狭く、未反応フェノールが少なく反応
収量も高い。
【0032】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明の製造方法に
より、未反応フェノール類が少なく、かつ、分子量分布
が狭いノボラック型フェノール樹脂を高収率で得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたノボラック樹脂の液体ク
ロマトグラフィーチャート。
【図2】 実施例2で得られたノボラック樹脂の液体ク
ロマトグラフィーチャート。
【図3】 比較例1で得られたノボラック樹脂の液体ク
ロマトグラフィーチャート。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを、有機
    ホスホン酸を触媒として反応することを特徴とするノボ
    ラック型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェノール類とアルデヒド類とを有機ホ
    スホン酸を触媒として反応するノボラック型フェノール
    樹脂の製造方法において、反応系中の水分を30重量%
    以下、反応温度を110〜200℃として反応すること
    を特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機ホスホン酸が、一般式(1)で示さ
    れるものである請求項1又は2記載のノボラック型フェ
    ノール樹脂の製造方法。 R−PO(OH)2 (1) (Rは、炭素原子を含み、かつ、−COOH及び又は−
    PO(OH)2 を含む基である)
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