JP2002193046A - 車載用ハンズフリーシステムおよびその携帯端末 - Google Patents

車載用ハンズフリーシステムおよびその携帯端末

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Toshihiko Kurosaki
敏彦 黒崎
Takeshi Hatakeyama
武士 畠山
Masaaki Tomota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイク、スピーカ、カメラ、ディスプレイ等
の周辺機器に関して、重複して装備する必要がないコン
パクトで安全性の高い車載用ハンズフリーシステムを提
供する。 【解決手段】 マイク101、スピーカ102、カメラ
103およびインパネ105等からなる車載装置とビデ
オホン端末106とから構成されるハンズフリービデオ
ホンシステムであって、ビデオホン端末106が車内に
持ち込まれたときに、インパネ105からビデオホン端
末106に、無線通信媒体107を介して、システム構
成についての属性情報が通知され、その属性情報に基づ
いて、ビデオホン端末106は、通話状態となったとき
に、内蔵のマイク、スピーカ、カメラおよびディスプレ
イに代えて、車載装置のマイク101、スピーカ10
2、カメラ103およびインパネ105に装備されたデ
ィスプレイ210を利用するように、音声画像多重化デ
ータの経路を切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内でハンズ
フリー通話を行うためのハンズフリーシステムに関し、
特に、カメラ、マイク、スピーカ、ディスプレイ等の車
載装置と組み合わせて実現した車載用ハンズフリーシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話を車内で安全に使用できるよう
にするために、車載用のハンズフリーシステムが普及し
てきた。以下、従来例の車載用ハンズフリーシステムに
ついて図16を用いて説明を行う。図16は、従来の車
載用ハンズフリーシステムの構成図である。
【0003】従来のハンズフリーシステムは、車載アダ
プタ1201、マイク付き操作スイッチ1202、携帯
電話1203、および車外アンテナ1204から構成さ
れる。車載アダプタ1201には、マイク付き操作スイ
ッチ1202、携帯電話1203、および車外アンテナ
1204を接続するためのコネクタが備えられ、ケーブ
ルを介して、これらの装置は接続される。車外アンテナ
1204は、車の後部などの車外に設置され、そこから
車内に引き込まれたケーブルにより車載アダプタ120
1と接続される。
【0004】従来のハンズフリーシステムを運転者が利
用する場合の手順と、ハンズフリーシステムの動作は、
以下の通りである。運転者は、まず、車に乗り込むと、
持ち込んだ携帯電話1203をケーブルで車載アダプタ
1201に接続し、車載アダプタの電源をONにする。
発信時には、マイク付き操作スイッチ1202のボタン
を押下して通話相手を選択する。運転者がマイク付き操
作スイッチ1202のアップボタンまたはダウンボタン
を押下すると、車載アダプタ1201は携帯電話120
3にメモリされている電話帳を順番に読み出し、車載ア
ダプタ1201に内蔵されているスピーカにより音声に
て案内する。このようにして通話相手を確認、選択し、
操作スイッチの接続ボタンを押下することで、相手に電
話がかかる。以降は、マイク付き操作スイッチ1202
に付属したマイクと、車載アダプタ1201に内蔵した
スピーカを使用して通話を行う。通話終了時は、マイク
付き操作スイッチ1202の切断ボタンを押下する。一
方、着信時は、単に操作スイッチの接続ボタンを押下す
るだけで通話が可能となり、通話終了時は、切断ボタン
により通話を終了できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ハンズフリーシステムでは、運転者は、乗車した後に、
持ち込んだ携帯電話をケーブルで車載アダプタに接続す
る必要がある。また、ハンズフリーシステムを構成する
マイク、スピーカ、操作スイッチ等の周辺機器は、ハン
ズフリーシステム専用の装置としてのみ使用できるに止
まる。つまり、通常、車内には、カーナビゲーション装
置、カーオーディオ装置、TV装置、車室内カメラ等の
映像・音声装置が搭載され、それら映像・音声装置にも
マイク、スピーカ、ディスプレイ、リモコン等の周辺機
器が装備されているに拘わらず、それら周辺機器をハン
ズフリーシステムの周辺機器として容易に利用すること
ができない。そのために、ハンズフリーシステムが備え
る周辺機器と車載の映像・音声装置が備える周辺機器と
が狭い車内に混在し、限られた車内空間を無駄に占有し
てしまっている。
【0006】また、最近、移動先で音声と画像によるリ
アルタイムの通話を可能にしてくれるビデオホン対応の
携帯端末(ビデオホン端末)が普及してきたが、このよ
うなビデオホン端末をそのまま車内で通話に使用するこ
とも考えられる。しかしながら、このような携帯型のビ
デオホン端末は、ディスプレイが小さくて画面が見づら
く、また、ビデオホン端末に搭載されたカメラが運転者
自身を撮影するするように、ビデオホン端末の向きや設
置場所等を調整・工夫しなければならない等の問題があ
る。
【0007】そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、
ハンズフリーシステム用のマイク、スピーカ、カメラ、
ディスプレイ等の周辺機器と車載の映像・音声装置用の
周辺機器という重複した周辺機器を装備する必要がない
コンパクトな車載用ハンズフリーシステムを提供するこ
とを第1の目的とする。
【0008】さらに、本発明は、車内環境での使用を前
提に設計された車載装置の操作インタフェースを利用し
て、簡単な操作で、かつ、安全運転を確保することがで
き、カメラの調整も不要な操作性に優れた車載用ハンズ
フリーシステムを提供することを第2の目的とする。
【0009】また、本発明は、車内に持ち込んだ携帯端
末をケーブルで車載アダプタに接続してボタンを押す等
の煩わしい作業をすることなく、ハンズフリーシステム
の使用を開始することができる便利な車載用ハンズフリ
ーシステムを提供することを第3の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の車載用ハンズフリーシステムは、携
帯端末と、マイク、スピーカ、カメラ、ディスプレイの
うちの少なくとも1つの車載装置とからなるハンズフリ
ーシステムであって、前記車載装置は、前記携帯端末に
属性情報を通知し、前記携帯端末は、前記属性情報をも
とに、内蔵しているマイク、スピーカ、カメラ、ディス
プレイのうちの少なくとも1つの機能を、対応する前記
車載装置と置き換えて利用するように構成したものであ
る。
【0011】具体的には、例えば、本発明は、マイク、
スピーカ、カメラおよびそれらとケーブルで接続された
インパネからなる車載装置とビデオホン端末とから構成
されるハンズフリービデオホンシステムであって、イン
パネとビデオホン端末とは無線通信媒体で接続され、ビ
デオホン端末が車内に持ち込まれたときに、インパネか
らビデオホン端末に、システム構成についての属性情報
が通知され、その属性情報に基づいて、ビデオホン端末
は、通話状態となったときに、内蔵のマイク、スピー
カ、カメラおよびディスプレイに代えて、車載装置のマ
イク、スピーカ、カメラおよびインパネに装備されたデ
ィスプレイを利用するように、音声画像多重化データの
経路を切り替える。
【0012】また、本発明の車載用ハンズフリーシステ
ムは、携帯端末と、マイク、スピーカ、カメラ、ディス
プレイのうちの少なくとも1つの車載装置とからなるハ
ンズフリーシステムであって、前記車載装置は、前記携
帯端末に属性情報を通知し、前記携帯端末は、前記属性
情報をもとに、不足しているマイク、スピーカ、カメ
ラ、ディスプレイのうちの少なくとも1つの機能を、対
応する前記車載装置で補完して利用するように構成した
ものである。
【0013】つまり、本発明に係る車載用ハンズフリー
システムによれば、ハンズフリーシステム専用のマイ
ク、スピーカ、カメラ、ディスプレイ等の周辺機器は備
えられておらず、予め車に組み込まれたカーナビゲーシ
ョン装置、カーオーディオ、TV装置、室内カメラ等が
有するマイク、スピーカ、カメラ、ディスプレイ等の車
載装置がハンズフリーシステムに兼用される。具体的に
は、車内に持ち込まれたビデオホン端末等の携帯端末
は、それら車載の周辺機器と無線通信により接続するこ
とで、内蔵のマイク、スピーカ、カメラ、ディスプレイ
等の周辺機器に代えて、あるいは、不足している周辺機
器を補完するように、それら車載装置を用いて電話等の
通信を行う。
【0014】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の車載用ハンズフリーシステムは、さらに、車載
カメラの設定情報を、携帯端末に記憶し、ハンズフリー
開始時に、前記携帯端末に記憶された前記設定情報を利
用してユーザ毎のカスタマイズされたカメラ設定を自動
で行うように構成したものである。あるいは、車載カメ
ラの設定情報を、車載装置のマイク、スピーカ、カメ
ラ、ディスプレイのいずれかに、携帯端末と結びつけて
記憶し、ハンズフリー開始時に、前記車載装置に記憶さ
れた前記設定情報を利用してユーザ毎のカスタマイズさ
れたカメラ設定を自動で行うように構成したものであ
る。
【0015】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明の車載用ハンズフリーシステムは、エンジンキー
の操作、携帯端末あるいは車載装置への入力操作、携帯
端末と車載装置との通信リンク状態、携帯端末の電話用
ホルダーへのセット状態等に連動させて、通常の携帯端
末の単体動作状態と、ハンズフリー動作状態とを切り替
えるように構成したものである。なお、本発明は、上記
車載用ハンズフリーシステムにおける携帯端末として実
現することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
第1の実施の形態における車載用ハンズフリービデオホ
ンシステムについて、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明の第1の実施の形態におけるハンズフリー
ビデオホンシステムの構成図である。このハンズフリー
ビデオホンシステムは、マイク101、スピーカ10
2、カメラ103、接続ケーブル104、インパネ(In
strument Panel)105、ビデオホン端末106、無線
通信媒体107およびルームミラー108等から構成さ
れる。
【0017】以上のように構成されたハンズフリービデ
オホンシステムについて、まずその動作の概要を説明す
る。マイク101、スピーカ102、カメラ103等の
車載組み込み装置は、接続ケーブル104を介してイン
パネ105と接続されている。なお、接続ケーブル10
4の代わりに、車載BUSや無線媒体で接続されていて
もよい。
【0018】ビデオホン端末106は、電話網等を介し
て、遠隔地にいる相手とリアルタイムで画像および音声
による会話(例えば、相手の顔を見ながらの会話)をす
ることが可能な携帯型の無線通信装置であり、一般的な
携帯電話に画像通信の機能が付加された装置である。
【0019】インパネ105は、車内のフロントパネル
やコンソールボックス等に組み込まれ、ディスプレイ、
およびタッチパネルや操作ボタンなどの操作入力手段を
備え、エアコンやカーオーディオ等の車載装置の運転状
態の表示機能や、その操作を行うためのユーザインタフ
ェース機能を提供する。なお、このインパネ105に
は、カーナビゲーション装置やカーオーディオ、テレビ
などが組み込まれて一体化される場合もある。このとき
には、マイク101、スピーカ102、カメラ103お
よびインパネ105のディスプレイ等の映像・音声用周
辺機器は、インパネ105による制御の下で、カーナビ
ゲーション装置、カーオーディオ、テレビ、室内カメラ
の周辺機器として使用されると共に、本実施の形態にお
けるハンズフリービデオホンシステムの周辺機器として
も使用される。
【0020】このインパネ105は、さらに、Bluetoot
hやIrDAのような無線通信機能を備える。運転者がビデ
オホン端末106を車内に持ち込むと、インパネ105
は、無線通信媒体107を経由して持ち込まれた装置の
検索を行い、ビデオホン端末106を発見、認識する。
検索は、運転者が乗り込み時にドアを開錠した時、キー
を回してアクセサリ状態にした時、エンジンをONした
時、あるいはインパネ105で通話開始の操作を運転者
が行った時、電話用ホルダーにビデオホン端末106が
セットされた時などを契機として行われる。もちろんビ
デオホン端末106側から操作を行った時や、電話用ホ
ルダーにビデオホン端末106をセットした時などを契
機としてビデオホン端末106側から検索を実行しても
よい。
【0021】以降は、車載組み込み装置であるマイク1
01、スピーカ102を音声の入出力手段として利用
し、ルームミラー108の脇などに設置されたカメラ1
03を画像の入力手段として利用し、さらにインパネ1
05を、通話操作やビデオホン画像の表示などの表示・
入力手段として利用することにより、これらの車載装置
と、持ち込みビデオホン端末106を使用したハンズフ
リー通話が可能になる。このようなハンズフリー通話状
態では、ビデオホン端末106が備えるマイク、スピー
カ、カメラ等は、基本的に使用されず、代わりに車載組
み込み装置がその機能を提供する。
【0022】一方、運転者がキーをOFFにする、ドア
を車外から施錠する、ビデオホン端末106やインパネ
105に対して解除の操作入力を行う、あるいは、ビデ
オホン端末106を電話用ホルダーからはずした場合
や、車外に持ち出してインパネ105との通信が切れる
などを契機として、ハンズフリー通話状態は解除され
る。
【0023】次にビデオホン端末106およびインパネ
105の詳細な構成について説明する。図2は本発明の
第1の実施の形態のハンズフリービデオホンシステムの
機能ブロック図である。本図に示されるように、ビデオ
ホン端末106は、大きく分けて、ビデオホン端末本体
部201と無線通信インタフェース202bとから構成
される。インパネ105は、無線通信インタフェース2
02a、メディア多重分離部204、制御部205、シ
ステム情報格納部206、音声コーデック207、ビデ
オエンコーダ208、ビデオデコーダ209、ディスプ
レイ210、操作ボタン203等を備える。
【0024】なお、インパネ105には、接続ケーブル
104を介して、マイク101、スピーカ102、カメ
ラ103が接続される。また、カメラ103は、インパ
ネ105からの制御信号によって、撮影方向やズーム量
等が遠隔制御される。
【0025】インパネ105のシステム情報格納部20
6には、ビデオホン端末106のシステム情報格納部3
15と同様、インパネ自身の属性情報や、カメラやマイ
ク、ディスプレイの有無などの搭載機能の情報、さらに
は音声、画像の符号化方式、レート、画面サイズ等のパ
ラメータなど、サポートしている規格の情報が記憶され
ている。さらに、カメラの向きやズーム量などのカメラ
設定情報や、複数のカメラがインパネに接続されている
場合にどのカメラを選択するかなど、搭載機能の設定情
報も記憶される。例えば、次世代の携帯電話システムI
MT−2000対応の3G−H324M準拠のビデオホ
ン端末の場合、システム情報として、音声の符号化方式
は可変ビットレートのAMR、画像の符号化方式はMP
EG4シンプルプロファイル(画面サイズはQCIF、
毎秒10フレーム程度)、メディア多重はITU−Tの
H.223、制御方式はITU−TのH.245、カメ
ラ制御はITU−TのH.281準拠、レートは音声、
画像合わせて64kbps以下というような情報が格納され
る。
【0026】図3は、図2に示されたビデオホン端末1
06の詳細な構成を示す機能ブロック図である。ビデオ
ホン端末106は、ビデオホン端末本体部201および
無線通信インタフェース202bとを備える。ビデオホ
ン端末本体部201は、通常の携帯電話としての機能を
提供するための、アンテナ301、RF信号の送受信を
行うRF部302、変復調処理や誤り制御を行うベース
バンド処理部303を備える。さらに、音声データ、画
像データ、制御データの多重と分離を行うメディア多重
分離部304を備える。また、音声系の処理部として、
音声符号化・復号化処理を行う音声コーデック305、
およびマイク306、スピーカ307を備え、画像系の
処理部として、画像の符号化処理を行うビデオエンコー
ダ308、復号化処理を行うビデオデコーダ309、カ
メラ310、ディスプレイ311、操作ボタン312等
を備える。
【0027】音声コーデック305(符号化処理側)、
およびビデオエンコーダ308の両方あるいは一方は、
メディア多重分離部304(多重処理側)からの司令を
受けて符号化レートを制御する。制御部313は、これ
らの各機能を制御し、電話網314を介して交換機、お
よび通話相手とネゴシエーションしてビデオホン通話を
実現する。この時、ズーム調整や向き調整などのカメラ
制御も、通話相手からの司令により制御部313経由で
実行できる。システム情報格納部315は、ビデオホン
端末106のシステム情報として、ビデオホン端末10
6が対応している規格の情報や内蔵している機能の情報
などを格納している。例えば、メーカ、機種、型番、対
応している規格名などビデオホン端末自身の属性情報、
さらに、マイク・スピーカの有無、対応している音声符
号化方式、および符号化レート等の音声系の情報、さら
には、ディスプレイ・カメラの有無や、対応する画像符
号化方式、符号化レートや画面サイズ等の各種パラメー
タ、カメラ制御のためにサポートしているコマンド体系
などの画像系の情報、および、メディア多重分離の方式
や、呼制御の方式、その他サポートしているプロトコル
などの制御系の情報が格納されている。従って、ビデオ
ホン端末106に搭載されているマイク、スピーカ、デ
ィスプレイ、音声コーデック、カメラ、ビデオエンコー
ダ、ビデオデコーダ、メディア多重分離部は、インパネ
側でこれらに対応した機能が利用出来る場合は、スルー
(バイパス)して使用しないというシステム構成をとる
ことができる。
【0028】図4は、図3に示されたビデオホン端末1
06のメディア多重分離部304の詳細な構成を示すブ
ロック図である。メディア多重分離部304は、音声デ
ータ、画像データおよび制御データの多重と分離を行う
とともに、それらデータのパスを切り替える制御をする
回路であり、第1切替部304a、第2切替部304
b、多重化部304c、分離部304dおよび制御ポー
ト304eとから構成される。
【0029】多重化部304cは、マルチプレクサ回路
等であり、音声コーデック305から送られてくる音声
データとビデオエンコーダ308から送られてくる画像
データとを多重化し、第1切替部304aに出力する。
第1切替部304aは、2入力1出力のセレクタ回路等
であり、制御ポート304eからの制御信号に基づい
て、無線通信インタフェース202bからの音声画像多
重化データおよび多重化部304cからの音声画像多重
化データのいずれかを選択し、ベースバンド処理部30
3に出力する。
【0030】第2切替部304bは、1入力2出力のセ
レクタ回路等であり、ベースバンド処理部303から送
られてきた音声画像多重化データを無線通信インタフェ
ース202bおよび分離部304dのいずれかに出力す
る。分離部304dは、デマルチプレクサ回路等であ
り、第2切替部304bから送られてきた音声画像多重
化データを音声データおよび画像データに多重分離し、
音声データを音声コーデック305に、画像データをビ
デオデコーダ309に出力する。
【0031】制御ポート304eは、制御データを分離
し転送するゲート回路等であり、無線通信インタフェー
ス202bと制御部313との間での制御データを中継
したり、制御部313からの制御データに基づいて第1
切替部304aおよび第2切替部304bを制御したり
する。
【0032】このような構成を有するメディア多重分離
部304における第1切替部304aおよび第2切替部
304bでの接続状態によって、音声および画像の入出
力装置として、ビデオホン端末106が備えるマイク3
06、スピーカ307、ディスプレイ311およびカメ
ラ310が使用されるか、又は、車載のマイク101、
スピーカ102、ディスプレイ210およびカメラ10
3が使用されるかが決定される。
【0033】次に本実施の形態の動作シーケンスについ
て説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のハン
ズフリービデオホンシステムの動作シーケンスである。
本図に従い、動作シーケンスを説明する。
【0034】(ステップA)運転者が、車に乗り込み、
キーをアクセサリ状態にすると、インパネ105は、無
線通信インタフェース202aを介して通信可能な周辺
機器を検索し、ビデオホン端末106を発見、認識す
る。この時、ビデオホン端末106およびインパネ10
5の各々の制御部313、205は、システム情報格納
部315、206に記憶された情報を無線通信インタフ
ェース202a、bを通じて交換し、ビデオホン端末1
06が有している機能の代わりに、インパネ105の機
能を利用することをお互いにネゴシエーションする。同
時に、ビデオホン端末106側に記憶された電話帳のデ
ータが無線通信インタフェース202a、bを介してイ
ンパネ105に転送される。
【0035】図6(a)は、インパネ105のディスプ
レイ210における画面表示例である。ここには、ビデ
オホン端末106から転送されてきた電話帳のデータに
基づく電話帳が画面中央部に表示され、画面下部に操作
ボタン203aが表示されている。
【0036】(ステップB)この後、運転者がインパネ
105の操作ボタン203(又は、画面表示された操作
ボタン203a)を操作して通話相手を選択、通話開始
の操作を行うと、無線通信インタフェース202aを介
してビデオホン端末106に通知され、ビデオホン端末
106から発呼して電話網314を介して通話相手との
接続を完了する。同時に、インパネ105のシステム情
報格納部206に格納されたシステム情報に記述された
設定情報に従い、ビデオホン用にカメラ103の向きや
ズーム調整等の自動調節が行われる。
【0037】なお、インパネ105のシステム情報格納
部206には、予め複数のビデオホン端末それぞれに対
応させたカメラ設定情報(撮影方向やズーム等に関する
撮影条件)が格納され、車内にビデオホン端末106が
持ち込まれたときに、インパネ105が検出したビデオ
ホン端末106に対応するカメラ設定情報がシステム情
報格納部206から読み出されてカメラ103に転送さ
れ、レンズの向きとズームの自動調整が行われる。
【0038】なお、カメラ103の向きを動かさず、車
内全体を写している画面の中の運転者部分を切り出すな
どの信号処理により、同等の効果を得ることができる。
また、複数のカメラが接続されている場合に、運転席カ
メラを自動選択することも、システム情報に記述された
設定情報に従い行われる。なお、設定情報の更新は、操
作ボタン203を使用するなどしてカメラ103の調整
を行い、その設定状態をシステム情報として上書きする
ことができる。
【0039】(ステップC)以降、インパネ105に接
続されたマイク101、カメラ103から入力された音
声、画像は、ビデオホン端末106からのレート調整の
要求に従い符号化、および多重化された後、無線通信イ
ンタフェース202aを介してビデオホン端末106に
送信され、さらに電話網314を介して通話相手に転送
される。具体的には、図4に示されたビデオホン端末1
06のメディア多重分離部304における第1切替部3
04aは、制御部313からの指示に基づいてベースバ
ンド処理部303と無線通信インタフェース202bと
を接続することによって、インパネ105から無線通信
インタフェース202a、bを介して送られてきた音声
画像多重化データを通過させてベースバンド処理部30
3に出力している。
【0040】また、通話相手から送信されてきた音声、
画像は、無線通信インタフェース202a、bを経由し
てインパネ105側に転送され復号化された後、スピー
カ102、ディスプレイ210で再生、表示される。具
体的には、図4に示されたビデオホン端末106のメデ
ィア多重分離部304における第2切替部304bは、
制御部313からの指示に基づいてベースバンド処理部
303と無線通信インタフェース202bとを接続する
ことによって、ベースバンド処理部303から送られて
きた音声画像多重化データを無線通信インタフェース2
02a、bに出力している。
【0041】なお、カメラ103で撮影した画像をディ
スプレイ210に転送して表示し、通話相手に送信され
ているものと同じ画像を確認することも可能である。ま
た、通話相手からのカメラ制御の要求に従い、カメラ1
03の向きやズーム等の制御も行われる。
【0042】図6(b)は、インパネ105のディスプ
レイ210における画面表示例である。ここには、画面
中央部に通話相手の上半身が表示され、画面右下部に通
信相手に送信している自分(運転者)の上半身の画像が
表示され、画面下部に操作ボタン203aが表示されて
いる。
【0043】(ステップD)通話終了時は、インパネ1
05の操作ボタン203(又は、画面表示された操作ボ
タン203a)で通話終了操作を行うと、ビデオホン端
末106および電話網314経由で交換機側に呼切断信
号が送信され回線が切断される。
【0044】一方、着信時は、電話網314およびビデ
オホン端末106から無線通信インタフェース202
a、bを経由してインパネ105を呼び出し、着信を通
知する。インパネ105は発信元の情報を表示する。そ
の後は、発信時と同様の動作で通話が可能となる。相手
からの通話切断時も同様である。
【0045】(ステップE)運転者がキーをOFFにし
たり、ビデオホン端末106を車外に持ち出すなどして
インパネ105側との通信ができない状態になると、ハ
ンズフリー状態は解除され、ビデオホン端末106、イ
ンパネ105ともに当初の状態に復帰する。
【0046】以上のように、本実施の形態によれば、ビ
デオホン端末106を車内に持ち込むだけで、カメラ1
03の選択や調整も行うことなく、簡単、安全な操作を
前提に設計された車載の操作環境を利用したハンズフリ
ービデオホンシステムが実現可能となる。
【0047】なお、本実施の形態では、インパネ105
のシステム情報格納部206に格納されたシステム情報
にカメラの設定情報が含まれるものとして説明したが、
ビデオホン端末106のシステム情報格納部315に格
納されたシステム情報としてカメラ103、マイク10
1、ディスプレイ210等の機能の設定情報を持ち、イ
ンパネ105側に転送してこれらの設定をするようにし
てもよい。
【0048】また、本実施の形態では、インパネ105
がビデオエンコーダ208、ビデオデコーダ209、お
よび音声コーデック207、メディア多重分離部204
を持ち、それらの機能を使用する例を説明したが、イン
パネ105がカメラ103、マイク101、ディスプレ
イ210、操作ボタン203等の機能のみを搭載し、前
記の機能についてはビデオホン端末106が装備してい
るものを利用するように構成してもよい。
【0049】(実施の形態2)以下、本発明の第2の実
施の形態における車載用ハンズフリービデオホンシステ
ムについて、図面を参照しながら説明する。
【0050】図7は、本発明の第2の実施の形態におけ
るハンズフリービデオホンシステムの構成図である。こ
のハンズフリービデオホンシステムは、ヘッドセット5
01、ワイヤレスカメラ502、インパネ503、ビデ
オホン端末106、無線通信媒体107およびルームミ
ラー108等から構成される。なお、第1の実施の形態
と同一の構成要素については、同じ参照符号を付し、そ
の説明を省略する(以下の図面についても同様)。
【0051】以上のように構成されたハンズフリービデ
オホンシステムについて、まずその動作の概要を説明す
る。本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、
マイクとスピーカの代わりにワイヤレスのヘッドセット
501が使用される。また、カメラについてもワイヤレ
スカメラ502が使用される。ヘッドセット501、ワ
イヤレスカメラ502等の車載装置は無線通信媒体10
7を介してインパネ503と接続され、さらにインパネ
503とビデオホン端末106は同じく無線通信媒体1
07を介して接続され相互に通信可能な構成となってい
る。
【0052】運転者がビデオホン端末106を車内に持
ち込むと、インパネ503は、無線通信媒体107を経
由して持ち込まれた装置の検索を行い、ビデオホン端末
106を発見、認識する。ヘッドセット501、ワイヤ
レスカメラ502の認識が未だである場合には、同時に
これらの装置も認識する。なお、検索を行う契機となる
条件は、キーをアクセサリ状態にするなど第1の実施の
形態で示したものと同様である。もちろんビデオホン端
末106から操作を行った時や、電話用ホルダーにビデ
オホン端末106をセットした時などを契機としてビデ
オホン端末106が検索を実行してもよい。
【0053】以降は、第1の実施の形態と同様、車載装
置であるヘッドセット501を音声の入出力手段として
利用し、ルームミラー108の脇などに設置されたワイ
ヤレスカメラ502を画像の入力手段として利用し、さ
らにインパネ503を、通話操作やビデオホン画像の表
示などの表示・入力手段として利用することにより、こ
れらの車載装置と、持ち込みビデオホン端末106を使
用したハンズフリー通話が可能になる。このようなハン
ズフリー通話状態では、ビデオホン端末106が備える
マイク、スピーカ、カメラ等は、基本的に使用されず、
代わりに車載組み込み装置がその機能を提供する。一
方、運転者がキーをOFFにするなど、第1の実施の形
態で示したものと同様な条件を契機として、ハンズフリ
ー通話状態は解除される。
【0054】次に、ビデオホン端末106、インパネ5
03、ワイヤレスカメラ502、ヘッドセット501の
詳細な構成について説明する。図8は本発明の第2の実
施の形態のハンズフリービデオホンシステムの機能ブロ
ック図である。ビデオホン端末106は、第1の実施の
形態と同様なブロック構成をとる。インパネ503は、
無線通信インタフェース202a、メディア多重分離部
204、制御部601、システム情報格納部602、デ
ィスプレイ210、操作ボタン203等を備える。イン
パネ503には、無線通信媒体107を介して、ヘッド
セット501、ワイヤレスカメラ502が接続される。
【0055】インパネ503のシステム情報格納部60
2には、インパネ503自身の属性情報としてディスプ
レイの有無などの搭載機能の情報、およびビデオホン端
末106やワイヤレスカメラ502、ヘッドセット50
1から無線通信媒体107を介して取得したこれらの装
置のシステム情報が記憶される。さらに、ワイヤレスカ
メラ502の向きやズーム量などの設定や、複数のカメ
ラがインパネ503に接続されている場合にどのカメラ
を選択するかなど、周辺機器の設定情報も記憶される。
もちろん、ワイヤレスカメラ502の設定情報は、ワイ
ヤレスカメラ502内に記憶するようにしてもよい。
【0056】ワイヤレスカメラ502は、カメラ部60
7の他、ビデオエンコーダ208、システム情報格納部
608、制御部609、無線通信インタフェース202
dを備える。ビデオエンコーダ208で符号化されたカ
メラ画像データは、無線通信媒体107を介してインパ
ネ503に送信される。システム情報格納部608には
ワイヤレスカメラ502自身の属性情報として、画像の
符号化方式、レート、画面サイズ等のパラメータやサポ
ートしている規格の情報などが記憶される。
【0057】ヘッドセット501は、マイク603、イ
ヤホン型のスピーカ604、音声コーデック207、シ
ステム情報格納部605、制御部606、無線通信イン
タフェース202cを備える。システム情報格納部60
5にはヘッドセット501自身の属性情報として、音声
の符号化方式、レート等のパラメータやサポートしてい
る規格の情報などが記憶される。
【0058】次に本実施の形態の動作シーケンスについ
て説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態のハン
ズフリービデオホンシステムの動作シーケンスである。
本図に従い、動作シーケンスを説明する。
【0059】(ステップA)運転者が、車に乗り込み、
キーをアクセサリ状態にすると、インパネ503は、無
線通信インタフェース202aを介して通信可能な周辺
機器を検索し、ビデオホン端末106、ワイヤレスカメ
ラ502、ヘッドセット501を発見、認識する。この
時、ビデオホン端末106、ワイヤレスカメラ502、
ヘッドセット501の各装置の制御部313、609、
606と、インパネ503の制御部601は、システム
情報格納部315、608、605、602に記憶され
た情報を無線通信インタフェース202a〜dを通じて
交換し、ビデオホン端末106が有している機能の代わ
りに、ワイヤレスカメラ502、ヘッドセット501、
インパネ503の機能を利用してハンズフリービデオホ
ンが実現することを互いにネゴシエーションする。同時
に、ビデオホン端末106に記憶された電話帳のデータ
が無線通信インタフェース202a、bを介してインパ
ネ503に転送される。
【0060】(ステップB)この後、運転者がインパネ
503の操作ボタン203を操作して通話相手を選択、
通話開始の操作を行うと、無線通信インタフェース20
2a、bを介してビデオホン端末106に通知され、ビ
デオホン端末106から発呼して電話網314を介して
通話相手との接続を完了する。同時に、インパネ503
のシステム情報格納部602に格納されたシステム情報
に記述された設定情報に従い、ビデオホン用にワイヤレ
スカメラ502の向きやズーム調整等の自動調節が行わ
れる。あるいは、ワイヤレスカメラ502の向きを動か
さず、車内全体を写している画面の中の運転者部分を切
り出すなどの信号処理により、同等の効果を得ることが
できる。また、複数のカメラが接続されている場合に、
運転席カメラを自動選択することも、システム情報に記
述された設定情報に従い行われる。なお、設定情報の更
新は、操作ボタン203を使用するなどしてワイヤレス
カメラ502の調整を行い、その設定状態をシステム情
報として上書きすることができる。
【0061】(ステップC)以降、ヘッドセット50
1、ワイヤレスカメラ502から入力された音声、画像
は、ビデオホン端末106からのレート調整の要求に従
い符号化され、さらにインパネ503で多重化された
後、無線通信インタフェース202a、bを介してビデ
オホン端末106に送信され、さらに電話網314を介
して通話相手に転送される。また、通話相手から送信さ
れてきた音声、画像は、無線通信インタフェース202
a、bを経由してインパネ503側に転送され、音声、
画像のメディア分離が行われた後、音声は無線通信媒体
107経由でヘッドセット501に転送、再生され、画
像はインパネ503のディスプレイ210で表示され
る。もちろん、ワイヤレスカメラ502で撮影した画像
をインパネ503のディスプレイ210で表示し、通話
相手に送信される画像を確認することも可能である。ま
た、通話相手からのカメラ制御の要求に従い、ワイヤレ
スカメラ502の向きやズーム等の制御も行われる。
【0062】(ステップD)通話終了時は、インパネ5
03の操作ボタン203で通話終了操作を行うと、ビデ
オホン端末106および電話網314経由で交換機側に
呼切断信号が送信され回線が切断される。
【0063】一方、着信時は、電話網314およびビデ
オホン端末106から無線通信インタフェース202
a、bを経由してインパネ503を呼び出し、着信を通
知する。インパネ503は発信元の情報を表示する。そ
の後は、発信時と同様の動作で通話が可能となる。相手
からの通話切断時も同様である。
【0064】(ステップE)運転者がキーをOFFにし
たり、ビデオホン端末106を車外に持ち出すなどして
インパネ503側との通信ができない状態になると、ハ
ンズフリー状態は解除され、ビデオホン端末106、イ
ンパネ503ともに当初の状態に復帰する。
【0065】以上のように、本実施の形態においても、
ビデオホン端末106を車内に持ち込むだけで、ワイヤ
レスカメラ502の選択や調整も行うことなく、簡単、
安全な操作を前提に設計された車載の操作環境を利用し
たハンズフリービデオホンシステムが実現可能となる。
【0066】なお、本実施の形態では、インパネ503
側のシステム情報格納部602に格納されたシステム情
報にワイヤレスカメラ502の設定情報が含まれるもの
として説明したが、ワイヤレスカメラ502のシステム
情報格納部608に記憶させておいてもよく、さらに
は、ビデオホン端末106のシステム情報格納部315
にシステム情報としてワイヤレスカメラ502、マイ
ク、ディスプレイ等の機能の設定情報を格納しておき、
インパネ503側に転送してこれらの設定をするように
してもよい。
【0067】また、本実施の形態では、ワイヤレスカメ
ラ502、ヘッドセット501、インパネ503がビデ
オエンコーダ208、カメラ部607、ビデオデコーダ
209、ディスプレイ210、音声コーデック207、
マイク603、スピーカ604、メディア多重分離部2
04を持ち、それらの機能を使用する例を説明したが、
これらの機能についてはビデオホン端末106が装備し
ているものを利用するように構成してもよい。
【0068】(実施の形態3)以下、本発明の第3の実
施の形態における車載用ハンズフリービデオホンシステ
ムについて、図面を参照しながら説明する。図10は、
本発明の第3の実施の形態におけるハンズフリービデオ
ホンシステムの構成図である。このハンズフリービデオ
ホンシステムは、ビデオホン端末801、インパネ80
2、ヘッドセット501、ワイヤレスカメラ502、無
線通信媒体107およびルームミラー108等から構成
される。
【0069】以上のように構成されたハンズフリービデ
オホンシステムについて、まずその動作の概要を説明す
る。本実施の形態では、第2の実施の形態とは異なり、
持ち込んだビデオホン端末801と、ヘッドセット50
1、ワイヤレスカメラ502、インパネ802等の車載
装置とが無線通信媒体107を介して直接接続されてい
る。このため、メディア多重分離の処理は、ビデオホン
端末801内部の機能を利用して行うことができ、イン
パネ802側に持つ必要はない。
【0070】運転者がビデオホン端末801を車内に持
ち込むと、無線通信媒体107を経由して周辺機器の検
索を行い、インパネ802、ワイヤレスカメラ502、
ヘッドセット501を発見、認識する。検索は、例えば
ビデオホン端末801側の操作ボタン312の押下をト
リガーとして実行されるなど、第1の実施の形態と同様
な条件を契機として行われる。
【0071】以降は、第2の実施の形態と同様、車載装
置であるヘッドセット501を音声の入出力手段として
利用し、ルームミラー108の脇などに設置されたワイ
ヤレスカメラ502を画像の入力手段として利用し、さ
らにインパネ802を、通話操作やビデオホン画像の表
示などの表示・入力手段として利用することにより、こ
れらの車載装置と、持ち込みビデオホン端末801を使
用したハンズフリー通話が可能になる。このようなハン
ズフリー通話状態では、ビデオホン端末801が備える
マイク、スピーカ、カメラ等は、基本的に使用されず、
代わりに車載組み込み装置がその機能を提供する。
【0072】また、ハンズフリー通話状態の解除は、ビ
デオホン端末801から解除の操作入力を行った場合
や、キーOFF、ビデオホン端末801を車外に持ち出
すなどにより通信が切れたことを検出した場合など、第
1の実施の形態と同様な条件を契機に行われる。
【0073】次に、ビデオホン端末801、インパネ8
02、ワイヤレスカメラ502、ヘッドセット501の
詳細な構成について説明する。図11は本発明の第3の
実施の形態のハンズフリービデオホンシステムの機能ブ
ロック図である。ワイヤレスカメラ502およびヘッド
セット501は、第2の実施の形態と同様のブロック構
成をとる。
【0074】インパネ802は、無線通信インタフェー
ス202a、ビデオデコーダ209、ディスプレイ21
0、操作ボタン203、システム情報格納部902およ
び制御部901から構成される。このインパネ802
は、基本的には第2の実施の形態のインパネ503と同
様の構成をとる。しかし、メディア多重分離部はインパ
ネ802には搭載されず、また、ワイヤレスカメラ50
2やヘッドセット501とは直接通信しないため、その
点において、制御部901の動作は、第2の実施の形態
のインパネ503の場合と異なる。システム情報格納部
902には、インパネ802自身の属性情報、例えばデ
ィスプレイの有無などの情報が記憶される。
【0075】ビデオホン端末801は、第1および第2
の実施の形態と同様なブロック構成をとる。ただし、シ
ステム情報格納部315には、第1の実施の形態で説明
したようなシステム情報に加えて、インパネ802やワ
イヤレスカメラ502、ヘッドセット501から無線通
信媒体107を介して取得したこれらの装置のシステム
情報が記憶される。さらに、カメラの向きやズーム量な
どのカメラ設定情報や、複数のカメラがインパネ802
に接続されている場合にどのカメラを選択するかなど、
周辺機器の設定情報も記憶される。もちろん、カメラの
設定情報は、ワイヤレスカメラ502側で記憶するよう
にしてもよい。
【0076】また、このビデオホン端末801は、図4
に示されたメディア多重分離部304に代えて、図12
に示されたメディア多重分離部1304を有する。この
メディア多重分離部1304は、多重化部1304a、
分離部1304b、第1〜第4切替部1304c〜f等
から構成され、音声データ、画像データおよび制御デー
タの多重と分離を行うとともに、それらデータのパスを
切り替える制御をする回路である点で、メディア多重分
離部304と共通するが、音声画像多重化データのパス
を切り替えるのではなく、音声データおよび画像データ
それぞれのパスを切り替える点でメディア多重分離部3
04と異なる。なお、本図では、制御データに関する処
理部(図4の制御ポート304eに相当する構成要素)
は、図示が省略されている。
【0077】第1切替部1304cは、ヘッドセット5
01から無線通信インタフェース202bを介して送ら
れてくる音声データおよびビデオホン端末801内の音
声コーデック305から送られてくる音声データのいず
れかを選択し、多重化部1304aに出力する。同様
に、第2切替部1304dは、ワイヤレスカメラ502
から無線通信インタフェース202bを介して送られて
くる画像データおよびビデオホン端末801内のビデオ
エンコーダ308から送られてくる画像データのいずれ
かを選択し、多重化部1304aに出力する。
【0078】一方、第3切替部1304eは、分離部1
304bから送られてくる音声データを無線通信インタ
フェース202bを介してヘッドセット501に送る
か、又は、ビデオホン端末801内の音声コーデック3
05に送るかを選択する。同様に、第4切替部1304
fは、分離部1304bから送られてくる画像データを
無線通信インタフェース202bを介してインパネ80
2に送るか、又は、ビデオホン端末801内のビデオデ
コーダ309に送るかを選択する。
【0079】なお、多重化部1304aおよび分離部1
304bは、図4に示された多重化部304cおよび分
離部304dと同一の機能を有する。
【0080】このような構成を有するメディア多重分離
部1304における第1〜第4切替部1304c〜fで
の接続状態によって、音声および画像の入出力装置とし
て、ビデオホン端末801が備えるマイク306、スピ
ーカ307、ディスプレイ311およびカメラ310が
使用されるか、又は、運転者が装着しているヘッドセッ
ト501のマイク603およびスピーカ604、車載の
ディスプレイ210およびワイヤレスカメラ502が使
用されるかが決定される。また、このメディア多重分離
部1304の第1〜第4切替部1304c〜fの機能等
によって、第1および第2の実施の形態と異なり、イン
パネ802にメディア多重分離部を設ける必要がなくな
っている。
【0081】次に本実施の形態の動作シーケンスについ
て説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態のハ
ンズフリービデオホンシステムの動作シーケンスであ
る。本図に従い、動作シーケンスを説明する。
【0082】(ステップA)運転者が、車に乗り込み、
ビデオホン端末801の対応する操作ボタン312を押
下すると、ビデオホン端末801は、無線通信インタフ
ェース202a〜dを介して通信可能な周辺機器を検索
し、インパネ802、ワイヤレスカメラ502、ヘッド
セット501を発見、認識する。この時、インパネ80
2、ワイヤレスカメラ502、ヘッドセット501の各
装置の制御部901、609、606と、ビデオホン端
末801の制御部313は、システム情報格納部90
2、608、605、315に記憶された情報を無線通
信インタフェース202a〜dを通じて交換し、ビデオ
ホン端末801が有している機能の代わりに、ワイヤレ
スカメラ502、ヘッドセット501、インパネ802
の機能を利用してハンズフリービデオホンが実現するこ
とを互いにネゴシエーションする。同時に、ビデオホン
端末801に記憶された電話帳のデータが無線通信イン
タフェース202a、bを介してインパネ802に転送
される。
【0083】(ステップB)この後、運転者がインパネ
802の操作ボタン203を操作して通話相手を選択、
通話開始の操作を行うと、無線通信インタフェース20
2a、bを介してビデオホン端末801に通知され、ビ
デオホン端末801から発呼して電話網314を介して
通話相手との接続を完了する。同時に、ビデオホン端末
801のシステム情報格納部315に格納されたシステ
ム情報に記述された設定情報に従い、ビデオホン用にワ
イヤレスカメラ502の向きやズーム調整等の自動調節
が行われる。あるいは、ワイヤレスカメラ502の向き
を動かさず、車内全体を写している画面の中の運転者部
分を切り出すなどの信号処理により、同等の効果を得る
ことができる。また、複数のカメラが接続されている場
合に、運転席カメラを自動選択することも、システム情
報に記述された設定情報に従い行われる。なお、設定情
報の更新は、操作ボタン203を使用するなどしてカメ
ラの調整を行い、その設定状態をシステム情報として上
書きすることができる。
【0084】(ステップC)以降、ヘッドセット50
1、ワイヤレスカメラ502からの音声、画像はそれぞ
れビデオホン端末801からのレート調整の要求に従い
符号化され、無線通信インタフェース202a〜dを介
してビデオホン端末801に送信され、メディア多重処
理が行われた後、電話網314を介して通話相手に転送
される。具体的には、図12に示されたビデオホン端末
801のメディア多重分離部1304における第1切替
部1304c(および、第2切替部1304d)は、制
御部313からの指示に基づいて無線通信インタフェー
ス202bと多重化部1304aとを接続することによ
って、ヘッドセット501(および、ワイヤレスカメラ
502)から無線通信インタフェース202b、c(お
よび、202d)を介して送られてきた音声データ(お
よび、画像データ)を通過させて多重化部1304aに
出力している。
【0085】逆に、通話相手から送信されてきた音声、
画像は、ビデオホン端末801でメディア分離処理が行
われた後、無線通信インタフェース202a〜cを経由
して音声はヘッドセット501に、画像はインパネ80
2側に転送され、再生、表示される。具体的には、図1
2に示されたビデオホン端末801のメディア多重分離
部1304における第3切替部1304e(および、第
4切替部1304f)は、制御部313からの指示に基
づいて無線通信インタフェース202bと分離部130
4bとを接続することによって、分離された音声データ
(および、画像データ)をヘッドセット501(およ
び、インパネ802)に出力している。
【0086】なお、ワイヤレスカメラ502で撮影した
画像をインパネ802のディスプレイ210で表示し、
通話相手に送信される画像を確認することも可能であ
る。また、通話相手からのカメラ制御の要求に従い、ワ
イヤレスカメラ502の向きやズーム等の制御も行われ
る。
【0087】(ステップD)通話終了時は、インパネ8
02の操作ボタン203で通話終了操作を行うと、ビデ
オホン端末801および電話網314経由で交換機側に
呼切断信号が送信され回線が切断される。
【0088】一方、着信時は、電話網314およびビデ
オホン端末801から無線通信インタフェース202
a、bを経由してインパネ802を呼び出し、着信を通
知する。インパネ802は発信元の情報を表示する。そ
の後は、発信時と同様の動作で通話が可能となる。相手
からの通話切断時も同様である。
【0089】(ステップE)運転者がキーをOFFにし
たり、ビデオホン端末801を車外に持ち出すなどして
インパネ802側との通信ができない状態になると、ハ
ンズフリー状態は解除され、ビデオホン端末801、イ
ンパネ802ともに当初の状態に復帰する。
【0090】以上のように、本実施の形態においても、
ビデオホン端末801を車内に持ち込むだけで、ワイヤ
レスカメラ502の選択や調整も行うことなく、簡単、
安全な操作を前提に設計された車載の操作環境を利用し
たハンズフリービデオホンシステムが実現可能となる。
【0091】なお、本実施の形態では、ビデオホン端末
801のシステム情報格納部315に格納されたシステ
ム情報にカメラの設定情報が含まれるものとして説明し
たが、ワイヤレスカメラ502のシステム情報格納部6
08に記憶させておいてもよい。
【0092】また、本実施の形態では、ワイヤレスカメ
ラ502、ヘッドセット501、インパネ802がビデ
オエンコーダ208、カメラ部607、ビデオデコーダ
209、ディスプレイ210、音声コーデック207、
マイク603、スピーカ604を持ち、それらの機能を
使用する例を説明したが、これらの機能の一部について
はビデオホン端末801が装備しているものを利用する
ように構成してもよい。
【0093】(実施の形態4)以下、本発明の第4の実
施の形態における車載用ハンズフリービデオホンシステ
ムについて、図面を参照しながら説明する。図14は、
本発明の第4の実施の形態におけるハンズフリービデオ
ホンシステムを利用した緊急通報システムの構成図であ
る。この緊急通報システムは、電話網314を介して接
続された緊急通報センター1101とハンズフリービデ
オホンシステム(無線通信媒体107で接続されたビデ
オホン端末106、ヘッドセット501、ワイヤレスカ
メラ502およびインパネ503)とから構成される。
【0094】以上のように構成された緊急通報システム
について説明する。緊急通報センター1101は、予め
登録されたユーザのビデオホン端末106と電話網31
4を介して音声および画像による通話をするためのモニ
タ装置1101a等を有し、登録ユーザの属性情報とし
て、携帯電話番号、氏名、および所有車の情報(ナンバ
ープレート番号、車種等)を管理している。一方、ビデ
オホン端末106側では、緊急通報センターの電話番号
を記憶している。
【0095】ここで、例えば、事故発生や急病などで緊
急通報が必要な状態になり、運転者、同乗者がインパネ
503に設けられた緊急通報ボタンを押下すると、ビデ
オホン端末106は電話網314を介して緊急通報セン
ター1101に発呼する。もちろん衝突センサによる衝
突検知、エアバックの動作検知など運転者の明確な操作
なしに自動で通報するようにしてもよい。そして、ワイ
ヤレスカメラ502は、車内全体が移るように設定が切
り替わる。回線接続後は、ハンズフリーで、緊急通報セ
ンター1101と車内との通話が可能となる。また、緊
急通報センター1101からは、車内のワイヤレスカメ
ラ502の制御、例えばズームやパンが可能となり、車
内の様子を、音声、画像で遠隔場所から知ることができ
るようになる。
【0096】図15(a)、(b)は、このような緊急
通報システムにおける画面表示例である。図15(a)
は、車載のインパネ503のディスプレイ210におけ
る画面表示例を示し、図15(b)は、緊急通報センタ
ー1101に設置されたモニタ装置1101aの画面表
示例を示す。図15(a)に示されるように、登録ユー
ザである運転者等は、緊急事態が発生したときに、イン
パネ503のディスプレイ210に表示された緊急通報
ボタンを押すだけで、緊急通報センター1101と音声
および画像による通話を行うことできる。また、図15
(b)に示されるように、緊急通報センター1101
は、緊急通報してきた運転者等の車内の様子を見たり、
その運転者等と会話したりすることができる。
【0097】以上のように、本実施の形態によれば、緊
急時に緊急通報センター1101とのハンズフリー通話
が可能になるとともに、車内画像の通話相手への送信、
通話相手からのカメラの制御が可能となる。同様な構成
で、運転中の前方画像等の特定相手へのリアルタイム送
信および送信先での画像記録等の応用が可能となる。
【0098】なお、上記の実施の形態の各々について、
ビデオホン端末106、801、ヘッドセット501、
ワイヤレスカメラ502、インパネ105、503、8
02間の各々の接続に使用する無線通信インタフェース
202a〜dとしては、無線通信技術のBluetooth、赤
外線通信技術のIrDA等が使用できるが、これらの接続の
うち少なくとも1つを無線で接続すれば、その他の接続
は、無線の代わりに有線のUSBやIEEE1394、車載
BUSなど同等の機能を実現できる媒体を用いてもよい。
【0099】また、上記した各実施の形態の各々につい
て、通話相手がビデオホンに未対応で、音声通話しかで
きない場合には、カメラの機能は使用せず、通常の音声
のみのハンズフリーシステムとして動作すればよい。
【0100】さらに、上記した各実施の形態の各々につ
いて、ビデオホン端末を例に説明したが、必ずしもビデ
オホン端末である必要はなく、ビデオホン機能を持たな
い通常の携帯電話であっても、システム情報格納部と無
線通信インタフェースを備え、カメラやヘッドセット等
の周辺機器を利用してハンズフリービデオホンシステム
として動作できれば同様の効果が得られる。
【0101】つまり、車内に持ち込まれた携帯端末に内
蔵されたマイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイ
等の周辺機器を車載の周辺機器に置き換えて利用するだ
けでなく、その携帯端末に内蔵されていない周辺機器を
車載の周辺機器で補完してもよい。例えば、内蔵のカメ
ラが故障している携帯端末又は元々カメラを内蔵してい
ない携帯電話が、車載のカメラを補完して利用すること
で、車内の画像を通話相手に転送することができる。具
体的には、例えば、第1の実施の形態におけるビデオホ
ン端末106のカメラ310が故障していたり、取り外
されていた状態であっても、図4に示されるメディア多
重分離部304の第1切替部304aによって、インパ
ネ105から送られてくる音声画像多重化データをベー
スバンド処理部303に通過させることで、車内の映像
を通話相手に送信することができる。
【0102】また、上記実施の形態では、発信先の電話
番号として、ビデオホン端末106に記憶されている番
号や電話帳が用いられたが、電話番号や電話帳の記憶場
所としては、ビデオホン端末106に限られず、例え
ば、インパネ等であってもよい。つまり、ユーザによっ
て、インパネに格納された1つの電話番号が指定される
と、その電話番号をインパネからビデオホン端末106
に通知し、ビデオホン端末106に発呼させる制御手順
としてもよい。
【0103】さらに、各実施の形態の各々について、イ
ンパネを例にとって説明したが、必ずしもインパネに限
定されず、カーナビゲーションシステムやマルチメディ
アディスプレイシステムなどの車載装置に対応する機能
を実装して、同等の機能を実現してもよい。また、操作
面に関しても、インパネのディスプレイ表示と操作ボタ
ンによる操作を例に説明したが、インパネ、あるいはヘ
ッドセット側に音声認識処理部を設け、マイクからの音
声入力により操作入力するようにしてもよい。
【0104】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る車載用ハンズフリーシステムによれば、ハンズフ
リーシステム専用のマイク、スピーカ、カメラ、ディス
プレイ等の周辺機器は備えられておらず、予め車に組み
込まれたカーナビゲーション装置、カーオーディオ、T
V装置、室内カメラ等が有するマイク、スピーカ、カメ
ラ、ディスプレイ等の車載装置がハンズフリーシステム
に兼用される。つまり、車内に持ち込まれたビデオホン
端末等の携帯端末は、それら車載の周辺機器と無線通信
により接続することで、内蔵のマイク、スピーカ、カメ
ラ、ディスプレイ等の周辺機器に代えて、あるいは、不
足している周辺機器を補完するように、それら車載装置
を用いて電話等の通信を行う。
【0105】したがって、本発明により、ハンズフリー
システム専用の周辺機器を車内に持ち込むことなく、携
帯端末を車内に持ち込むだけでハンズフリーシステムが
実現され、車内空間を各種機器で無駄に占有してしまっ
たり、車内が乱雑化されることが回避される。そして、
ハンズフリーシステムにおける音量調整等の操作は、全
て車載装置に対して行えばよいので、ハンズフリーシス
テム専用の特別な操作は不要となる。つまり、車内環境
での使用を前提に設計された車載装置の操作インタフェ
ースを利用してハンズフリーのビデオホン通話が行える
ので、面倒な設定をすることなく、簡単な操作で、か
つ、安全な運転を確保することができるハンズフリーシ
ステムが実現される。
【0106】また、本発明の車載用ハンズフリーシステ
ムは、さらに、車載カメラの設定情報を、携帯端末に記
憶し、ハンズフリー開始時に、前記携帯端末に記憶され
た前記設定情報を利用してユーザ毎のカスタマイズされ
たカメラ設定を自動で行うように構成したものである。
あるいは、車載カメラの設定情報を、車載装置のマイ
ク、スピーカ、カメラ、ディスプレイのいずれかに、携
帯端末と結びつけて記憶し、ハンズフリー開始時に、前
記車載装置に記憶された前記設定情報を利用してユーザ
毎のカスタマイズされたカメラ設定を自動で行うように
構成したものである。これによって、個人ごとにカスタ
マイズされたカメラ設定情報を携帯端末等に格納してお
くことで、携帯端末を車内に持ち込むだけで、その持ち
主に固有のカメラ調整が自動的に行われる。
【0107】また、本発明の車載用ハンズフリーシステ
ムは、エンジンキーの操作、携帯端末あるいは車載装置
への入力操作、携帯端末と車載装置との通信リンク状
態、携帯端末の電話用ホルダーへのセット状態等に連動
させて、通常の携帯端末の単体動作状態と、ハンズフリ
ー動作状態とを切り替えるように構成したものである。
これによって、車内に持ち込んだ携帯端末をケーブルで
車載アダプタに接続してボタンを押す等の煩わしい作業
をすることなく、ハンズフリーシステムの使用を自動的
に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車載用ハン
ズフリービデオホンシステムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるハンズフリ
ービデオホンシステムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるビデオホン
端末の機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるビデオホン
端末のメディア多重分離部の詳細な構成を示すブロック
図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるハンズフリ
ービデオホンシステムの動作シーケンスを示す図であ
る。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施の形態における
インパネのディスプレイに電話帳が表示された画面表示
例であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態におけ
るインパネのディスプレイに通話相手と自分(運転者)
が表示された画面表示例である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における車載用ハン
ズフリービデオホンシステムの構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるハンズフリ
ービデオホンシステムの機能ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるハンズフリ
ービデオホンシステムの動作シーケンスを示す図であ
る。
【図10】本発明の第3の実施の形態における車載用ハ
ンズフリービデオホンシステムの構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるハンズフ
リービデオホンシステムの機能ブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるビデオホ
ン端末のメディア多重分離部の詳細な構成を示すブロッ
ク図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるハンズフ
リービデオホンシステムの動作シーケンスを示す図であ
る。
【図14】本発明の第4の実施の形態における車載用ハ
ンズフリービデオホンシステムを利用した緊急通報シス
テムの構成図である。
【図15】(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形
態における緊急通報システムにおける画面表示例であ
り、(a)は、車載のインパネのディスプレイにメニュ
ーボタンが表示された画面表示例を示し、(b)は、緊
急通報センターに設置されたモニタ装置に通信相手の車
内を映し出した画面表示例を示す。
【図16】従来の車載用ハンズフリーシステムの構成図
である。
【符号の説明】
101、306、603 マイク 102、307、604 スピーカ 103、310 カメラ 104 接続ケーブル 105、503、801 インパネ 106 ビデオホン端末 107 無線通信媒体 108 ルームミラー 201、801 ビデオホン端末本体部 202a〜202d 無線通信インタフェース 203、203a 操作ボタン 204、304、1304 メディア多重分離部 205、313、601、606、609、901
制御部 206、315、502、605、608、902
システム情報格納部 207、305 音声コーデック 208、308 ビデオエンコーダ 209、309 ビデオデコーダ 210、311 ディスプレイ 301 アンテナ 302 RF部 303 ベースバンド処理部 304a、304b 切替部 304b 1304c〜1304f切替部 304c、1304a 多重化部 304d、1304d 分離部 304e 制御ポート 312 操作ボタン 314 電話網 501 ヘッドセット 502 ワイヤレスカメラ 607 カメラ部 1101 緊急通報センター 1101a モニタ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04M 11/04 H04M 11/04 5K101 H04N 5/44 H04N 5/44 Z 7/14 7/14 H04Q 7/38 H04B 7/26 109G (72)発明者 畠山 武士 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 友田 政明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3D020 BA04 BA06 BA07 BA10 BA11 BA20 BB01 BC02 BC03 BD05 BE01 BE03 5C025 BA30 CA03 CB10 DA07 DA10 5C064 AA01 AC06 AC12 AC22 AD02 AD08 AD14 5K027 AA06 AA16 BB02 HH03 HH29 KK03 5K067 AA34 BB03 BB04 CC04 DD27 DD52 DD54 EE03 FF38 HH23 5K101 KK04 KK14 LL12 NN06 NN07 NN36 NN37

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイク、スピーカ、カメラおよびディス
    プレイのうちの少なくとも1つを構成要素とする車載装
    置と、通信網を介して映像および音声の少なくとも1つ
    による無線通信をする携帯端末とからなる車載用ハンズ
    フリーシステムであって、 前記車載装置は、 前記携帯端末と無線で通信する第1通信手段と、 前記構成要素を特定する属性情報を、前記第1通信手段
    を介して前記携帯端末に通知する属性情報通知手段とを
    備え、 前記携帯端末は、 マイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイのうちの
    少なくとも1つからなる周辺手段と、 前記車載装置と無線で通信する第2通信手段と、 前記車載装置から通知される属性情報を、前記第2通信
    手段を介して取得する属性情報取得手段と、 前記通信網を介した無線通信においては、前記属性情報
    取得手段で取得された属性情報に基づき、前記周辺手段
    に代えて、前記車載装置の対応する構成要素が利用され
    るように制御する置換制御手段とを備えることを特徴と
    する車載用ハンズフリーシステム。
  2. 【請求項2】 前記置換制御手段は、前記無線通信の伝
    送路と前記周辺手段とを接続するデータパスを遮断し、
    そのデータパスに代えて、前記無線通信の伝送路と前記
    車載装置とを接続する前記第1および第2通信手段によ
    るデータパスを確立させることにより前記制御を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の車載用ハンズフリーシス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記データパスは、映像および音声が多
    重化されたデータを伝送するパスであることを特徴とす
    る請求項2記載の車載用ハンズフリーシステム。
  4. 【請求項4】 前記データパスは、映像又は音声だけの
    データを伝送するパスであることを特徴とする請求項2
    記載の車載用ハンズフリーシステム。
  5. 【請求項5】 前記車載装置は、その構成要素としてカ
    メラが含まれ、 前記携帯端末は、さらに、 前記車載装置のカメラの撮影条件を特定するカメラ設定
    情報を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたカメラ設定情報を、前記第2
    通信手段を介して前記車載装置に送信するカメラ設定情
    報通知手段とを備え、 前記車載装置は、さらに、 前記携帯端末から送信されてきたカメラ設定情報が示す
    撮影条件に従って、前記カメラを制御するカメラ制御手
    段を備えることを特徴とする請求項1記載の車載用ハン
    ズフリーシステム。
  6. 【請求項6】 前記車載装置は、その構成要素としてカ
    メラが含まれ、 前記車載装置は、さらに、 前記カメラの撮影条件を特定するカメラ設定情報を、複
    数の携帯端末それぞれに対応づけて記憶する記憶手段
    と、 前記記憶手段に記憶されたカメラ設定情報のうち、車内
    に持ち込まれた携帯端末に対応するものを読み出し、読
    み出したカメラ設定情報が示す撮影条件に従って、前記
    カメラを制御するカメラ制御手段とを備えることを特徴
    とする請求項1記載の車載用ハンズフリーシステム。
  7. 【請求項7】 前記携帯端末は、さらに、 エンジンキーの操作に連動させて、前記置換制御手段を
    機能させるハンズフリービデオホン動作状態と、前記置
    換制御手段を機能させない単体動作状態とを切り替える
    状態切り替え手段を備えることを特徴とする請求項1記
    載の車載用ハンズフリーシステム。
  8. 【請求項8】 前記車載用ハンズフリーシステムは、さ
    らに、 前記携帯端末又は前記車載装置に対する操作者による操
    作に基づいて、前記置換制御手段を機能させるハンズフ
    リービデオホン動作状態と、前記置換制御手段を機能さ
    せない単体動作状態とを切り替える状態切り替え手段を
    備えることを特徴とする請求項1記載の車載用ハンズフ
    リーシステム。
  9. 【請求項9】 前記車載用ハンズフリーシステムは、さ
    らに、 前記第1および第2通信手段による前記車載装置と前記
    携帯端末との通信リンク状態に基づいて、前記置換制御
    手段を機能させるハンズフリービデオホン動作状態と、
    前記置換制御手段を機能させない単体動作状態とを切り
    替える状態切り替え手段を備えることを特徴とする請求
    項1記載の車載用ハンズフリーシステム。
  10. 【請求項10】 前記車載用ハンズフリーシステムは、
    さらに、 前記携帯端末を保持するホルダー手段と、 前記携帯端末が前記ホルダーに保持されているか否かの
    セット状態に基づいて、前記置換制御手段を機能させる
    ハンズフリービデオホン動作状態と、前記置換制御手段
    を機能させない単体動作状態とを切り替える状態切り替
    え手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の車載
    用ハンズフリーシステム。
  11. 【請求項11】 マイク、スピーカ、カメラおよびディ
    スプレイのうちの少なくとも1つを構成要素とする車載
    装置と、通信網を介して映像および音声の少なくとも1
    つによる無線通信をする携帯端末とからなる車載用ハン
    ズフリーシステムであって、 前記車載装置は、 前記携帯端末と無線で通信する第1通信手段と、 前記構成要素を特定する属性情報を、前記第1通信手段
    を介して前記携帯端末に通知する属性情報通知手段とを
    備え、 前記携帯端末は、 マイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイのうちの
    1〜3つからなる周辺手段と、 前記車載装置と無線で通信する第2通信手段と、 前記車載装置から通知される属性情報を、前記第2通信
    手段を介して取得する属性情報取得手段と、 前記通信網を介した無線通信においては、前記属性情報
    取得手段で取得された属性情報に基づき、前記周辺手段
    に含まれていないマイク、スピーカ、カメラおよびディ
    スプレイのうちの少なくとも1つとして、前記車載装置
    の対応する構成要素が補完して利用されるように制御す
    る補完制御手段とを備えることを特徴とする車載用ハン
    ズフリーシステム。
  12. 【請求項12】 前記車載装置は、その構成要素として
    カメラが含まれ、 前記携帯端末は、さらに、 前記車載装置のカメラの撮影条件を特定するカメラ設定
    情報を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたカメラ設定情報を、前記第2
    通信手段を介して前記車載装置に送信するカメラ設定情
    報通知手段とを備え、 前記車載装置は、さらに、 前記携帯端末から送信されてきたカメラ設定情報が示す
    撮影条件に従って、前記カメラを制御するカメラ制御手
    段を備えることを特徴とする請求項11記載の車載用ハ
    ンズフリーシステム。
  13. 【請求項13】 前記車載装置は、その構成要素として
    カメラが含まれ、 前記車載装置は、さらに、 前記カメラの撮影条件を特定するカメラ設定情報を、複
    数の携帯端末それぞれに対応づけて記憶する記憶手段
    と、 前記記憶手段に記憶されたカメラ設定情報のうち、車内
    に持ち込まれた携帯端末に対応するものを読み出し、読
    み出したカメラ設定情報が示す撮影条件に従って、前記
    カメラを制御するカメラ制御手段とを備えることを特徴
    とする請求項11記載の車載用ハンズフリーシステム。
  14. 【請求項14】 前記携帯端末は、さらに、 エンジンキーの操作に連動させて、前記補完制御手段を
    機能させるハンズフリービデオホン動作状態と、前記補
    完制御手段を機能させない単体動作状態とを切り替える
    状態切り替え手段を備えることを特徴とする請求項11
    記載の車載用ハンズフリーシステム。
  15. 【請求項15】 前記車載用ハンズフリーシステムは、
    さらに、 前記携帯端末又は前記車載装置に対する操作者による操
    作に基づいて、前記補完制御手段を機能させるハンズフ
    リービデオホン動作状態と、前記補完制御手段を機能さ
    せない単体動作状態とを切り替える状態切り替え手段を
    備えることを特徴とする請求項11記載の車載用ハンズ
    フリーシステム。
  16. 【請求項16】 前記車載用ハンズフリーシステムは、
    さらに、 前記第1および第2通信手段による前記車載装置と前記
    携帯端末との通信リンク状態に基づいて、前記補完制御
    手段を機能させるハンズフリービデオホン動作状態と、
    前記補完制御手段を機能させない単体動作状態とを切り
    替える状態切り替え手段を備えることを特徴とする請求
    項11記載の車載用ハンズフリーシステム。
  17. 【請求項17】 前記車載用ハンズフリーシステムは、
    さらに、 前記携帯端末を保持するホルダー手段と、 前記携帯端末が前記ホルダーに保持されているか否かの
    セット状態に基づいて、前記補完制御手段を機能させる
    ハンズフリービデオホン動作状態と、前記補完制御手段
    を機能させない単体動作状態とを切り替える状態切り替
    え手段とを備えることを特徴とする請求項11記載の車
    載用ハンズフリーシステム。
  18. 【請求項18】 通信網を介して映像および音声の少な
    くとも1つによる無線通信をする携帯端末であって、 マイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイのうちの
    少なくとも1つからなる周辺手段と、 マイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイのうちの
    少なくとも1つを構成要素とする車載装置と無線で通信
    する通信手段と、 前記車載装置から通知される前記構成要素を特定する属
    性情報を、前記通信手段を介して取得する属性情報取得
    手段と、 前記通信網を介した無線通信においては、前記属性情報
    取得手段で取得された属性情報に基づき、前記周辺手段
    に代えて、前記車載装置の対応する構成要素が利用され
    るように制御する置換制御手段とを備えることを特徴と
    する携帯端末。
  19. 【請求項19】 前記車載装置は、その構成要素として
    カメラが含まれ、 前記携帯端末は、さらに、 前記車載装置のカメラの撮影条件を特定するカメラ設定
    情報を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたカメラ設定情報を、前記通信
    手段を介して前記車載装置に送信するカメラ設定情報通
    知手段とを備え、 前記車載装置は、前記携帯端末から送信されてきたカメ
    ラ設定情報が示す撮影条件に従って、前記カメラを制御
    することを特徴とする請求項18記載の携帯端末。
  20. 【請求項20】 通信網を介して映像および音声の少な
    くとも1つによる無線通信をする携帯端末であって、 マイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイのうちの
    1〜3つからなる周辺手段と、 マイク、スピーカ、カメラおよびディスプレイのうちの
    少なくとも1つを構成要素とする車載装置と無線で通信
    する通信手段と、 前記車載装置から通知される前記構成要素を特定する属
    性情報を、前記通信手段を介して取得する属性情報取得
    手段と、 前記通信網を介した無線通信においては、前記属性情報
    取得手段で取得された属性情報に基づき、前記周辺手段
    に含まれていないマイク、スピーカ、カメラおよびディ
    スプレイのうちの少なくとも1つとして、前記車載装置
    の対応する構成要素が補完して利用されるように制御す
    る補完制御手段とを備えることを特徴とする携帯端末。
  21. 【請求項21】 前記車載装置は、その構成要素として
    カメラが含まれ、 前記携帯端末は、さらに、 前記車載装置のカメラの撮影条件を特定するカメラ設定
    情報を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたカメラ設定情報を、前記通信
    手段を介して前記車載装置に送信するカメラ設定情報通
    知手段とを備え、 前記車載装置は、前記携帯端末から送信されてきたカメ
    ラ設定情報が示す撮影条件に従って、前記カメラを制御
    することを特徴とする請求項20記載の携帯端末。
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