JP2002179384A - 構造物施工装置および施工方法 - Google Patents

構造物施工装置および施工方法

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JP2002179384A
JP2002179384A JP2001315025A JP2001315025A JP2002179384A JP 2002179384 A JP2002179384 A JP 2002179384A JP 2001315025 A JP2001315025 A JP 2001315025A JP 2001315025 A JP2001315025 A JP 2001315025A JP 2002179384 A JP2002179384 A JP 2002179384A
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Hiroshi Yamada
普 山田
Masashi Sugata
方士 菅田
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TCM Corp
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TCM Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭隘な敷地内におけるコンクリートユニット
のような構造物の施工を容易に行い得るようにする。 【解決手段】 吊持した構造体P1,P2を吊り降ろす
ことにより構造体P1,P2を所定の位置に施工する用
に供される構造物施工装置1であって、互いに対向した
一対の支柱部材2と、これら支柱部材2の頂部間に架設
された梁材3によって門形架構体が構成され、上記各支
柱部材2の下部には、上記門形架構体を移動させるため
の駆動輪54および従動輪57が設けられ、上記梁材3
には、上記構造体P1,P2を吊持するチェーンブロッ
ク71が設けられている。さらに、構造体横転装置72
が設けられ、この構造体横転装置72は構造体の横転を
安定良く、かつ、安全に行い得るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅用のコンクリ
ートユニット等の構造物や大型の各種産業機械を建築現
場や工場の敷地内の所定の位置に敷設するために用いら
れる構造物施工装置および施工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅用として使用されるプレキャ
ストコンクリート製のコンクリートユニットが知られて
いる。かかるコンクリートユニットは、工場で安価に大
量生産し得るものであるばかりか、現地施工を極力抑え
ることが可能であることから、建築コストの低廉化に寄
与することができ、今後の住宅構築の主流になると考え
られる。ところで、かかるコンクリートユニットは、小
さいもので4畳半、大きいものでは12畳の部屋の空間
に見合うものにする必要があることから、大容量でかつ
大重量(例えば8畳間用のもので略20t)になる。従
って、工場から施工現場まで法規制をクリアした状態で
公道を利用した運搬を行うことは実質上極めて困難であ
り、これがネックになって、コンクリートユニットが普
及し得ない理由になっていた。
【0003】そこで、出願人は、先に図16に示すよう
なコンクリートユニットの一種である地下室構造体Pを
発明し(特許第2944565号公報)、この地下室構
造体Pを工場生産することによって工場から施工現場ま
での公道を使った搬送が可能になり、地下室構造体Pの
普及に拍車をかけることになった。
【0004】この地下室構造体Pは、図16の(イ)に
示すように、工場で大量生産されるプレキャストコンク
リート製の下部構造体P1と、この下部構造体P1上に
積層される同上部構造体P2とからなり、下部構造体P
1の上に上部構造体P2を積み重ねることにより図16
の(ロ)に示すように、地下室構造体Pが形成されるよ
うになっている。このように、地下室構造体Pを上下の
構造体P1,P2に分割することにより、各構造体P
1,P2を90°変位させて(すなわち横転させて)縦
姿勢に設定することにより特殊搬送車両に搭載すること
が可能になったのである。
【0005】そして、施工現場にまで搬送された上記構
造体P1,P2は、まず下部構造体P1が予め掘削され
ている縦穴H(図17)に大型のクレーン車Kを用いて
吊り降ろされ、引き続き上部構造体P2が吊り降ろされ
て下部構造体P1上に積層され、これによって地下室構
造体Pが所定の敷地Gの縦穴H内に施工されることにな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図17は、
施工現場におけるクレーン車の配置を例示した平面図で
あるが、この図に示すように、例えば6畳間の地下室構
造体Pを施工するに際しては、若干の余裕を見込んで平
面寸法が略5m×略7mの縦穴Hを予め掘削するととも
に、この縦穴Hに隣接して構造体P1,P2を横転させ
る空地G1を確保し、さらにクレーン車Kが作業するた
めの作業域G2を確保しなければならないため、結局、
6畳間(外寸法で16.5m2)の地下室構造体Pを施
工するのに略17m×略13m(221m2)と、略1
3倍もの広さが必要になる。
【0007】従って、たとえ地下室構造体Pを施工現場
にまで運び込むことができたとしても、市街地の狭隘な
敷地内では実質上地下室構造体Pを施工することができ
ないという問題点が存在した。
【0008】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたものであり、狭隘な敷地内におけるコンクリート
ユニットのような構造物を容易かつ効率的に施工し得る
ようにする構造物施工装置および施工方法を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
吊持した構造物を吊り降ろすことにより構造物を所定の
位置に施工する用に供される構造物施工装置であって、
互いに対向した一対の支柱部材および各支柱部材の頂部
間に架設された梁材からなる門形架構体と、上記梁材に
設けられた上記構造物を吊持する構造体昇降装置と、上
記各支柱部材当り少なくとも1つの駆動車輪を備えた移
動用の所定個数の車輪と、上記駆動車輪を駆動する駆動
手段と、上記車輪の方向を変える車輪方向変更手段とが
備えられ、上記構造体昇降装置には上記構造物の姿勢を
縦置き姿勢から横置き姿勢に変化させる構造体横転装置
が設けられ、この構造体横転装置は、横転用スプロケッ
トと、この横転用スプロケットに掛け回されて両端部が
垂下し、その両端部で上記構造物を吊持し得るようにな
っている横転用チェーンと、上記横転用スプロケットを
駆動する横転モータとを備え、一方、構造物には、上記
横転用チェーンの両端部がそれぞれ係止される第1及び
第2の係止部が、縦置き姿勢にあるときの構造物の壁面
の一側部上方と他側部下方の、重心に対して互いに点対
称となる位置に設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0010】この発明によれば、駆動手段の駆動により
門形架構体を移動させ、地面に載置された構造物を一対
の支柱部材間に位置させることにより、構造物は、門形
架構体に跨られた状態になる。この状態で、梁材に設け
られた構造体昇降装置により構造物を吊り上げ、引き続
き門形架構体を構造物の施工位置まで移動した後、クレ
ーン装置の駆動で構造物を吊り降ろすことにより、構造
物が所定の位置に据え付けられる。
【0011】このように、構造物は、門形架構体に跨れ
た状態で常に門形架構体の略中心位置に位置するため、
その吊持状態が常に安定するとともに、構造体昇降装置
の駆動による構造物の昇降が常に安定した状態で行われ
る。また、支柱には駆動車輪が設けられているため、構
造物を吊持した状態での門形架構体の施工位置までの移
動は駆動手段の駆動により容易に行われる。そして、門
形架構体が施工位置を跨いだ状態で吊持している構造物
を単純に吊り降ろすという熟練を要さない簡単な操作で
構造物が容易に施工される。
【0012】また、施工現場に運び込まれた構造物の姿
勢を縦置き姿勢から横置き姿勢に変化させる場合に、上
記構造体横転装置を用いることにより、安定した、か
つ、安全な横転作業が実現する。
【0013】従って、大型のクレーン車を用いてそのア
ームで極めて重量の大きい構造物を吊り上げたり吊り降
ろしたりする従来の構造物の据付け工事にあっては、ま
ず、熟練者でないとクレーンの運転操作を行い得ないば
かりか、たとえ熟練者がクレーン操作を行っても、クレ
ーン車の中心位置と構造物の吊持位置とが一致しないた
め、構造物の吊持状態が安定せず、構造物の据え付け作
業が非常に困難であるという問題点を有しているが、本
発明の構造物施工装置を使用することによりこのような
不都合は全く解消され、構造物の施工が極めて容易に行
われる。
【0014】そして、各支柱には駆動車輪を駆動する車
輪駆動手段が設けられていることにより、構造物施工装
置を自走させることができるため、重量物の据付け作業
が効率的に行い得るようになる。
【0015】さらに、車輪方向変更手段の操作で構造物
施工装置を直進だけでなく旋回させることも可能にな
り、重量物の据付け作業の効率化に貢献する。
【0016】また、大型のクレーン車で据付け工事を行
うに際しては、クレーン車が占める位置を施工現場の敷
地内に確保する必要がある他、構造物を仮置きする位置
をも確保しなければならず、結局構造物の施工面積に比
べて数倍広い作業域を必要とするのに対し、本発明によ
れば、門形架構体が構造物を跨いだ状態にすることがで
きるため、構造物の仮置き位置と構造物施工装置の作業
域とを共用することが可能になり、これによって作業域
は、従来必要であった作業域の数分の1で済ませること
が可能になる。
【0017】従って、本発明によれば、従来、市街地の
狭隘な敷地内での大きな構造物の施工が困難であったと
いう不都合が解消され、狭隘な敷地内であっても構造物
を容易に施工し得るようになる。特に構造物が地下室用
のコンクリートユニットである場合など、市街地の狭い
敷地に快適な居住空間を確保するべくその需要が多いに
も拘らず、施工が困難なために普及しなかったという不
都合が解消され、地下室用コンクリートユニットの普及
に貢献する。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記支柱部材は、下部支柱部材と、この下
部支柱部材に上下動可能に連設された上部支柱部材とか
ら構成されているとともに、上部支柱部材を上下動させ
る支柱上下動手段を有していることを特徴とするもので
ある。
【0019】この発明によれば、まず、支柱上下動手段
の駆動による梁材の昇降によって、梁材を、重量物の高
さ寸法に合わせることが可能になる。そして、重量物
を、ロープ等を介して梁材に支持させた状態で、支柱上
下動手段の駆動により上部支柱部材を下部支柱部材から
上方に向けて突出することにより、重量物はロープ等を
介して梁材に吊持された状態になる一方、この状態で構
造物施工装置を施工位置まで移動させてから、上部支柱
部材を下部支柱部材内に収納していくことにより、梁材
に吊持された重量物は下降して所定の位置に据え付けら
れる。このように、上部支柱を昇降させ得るように構成
することで、構造体昇降装置との併用で重量物の上下動
の範囲を拡大することが可能になるため、特に、重量物
が地下室用のコンクリートユニットである場合、縦穴内
へのコンクリートユニットの吊り降ろし操作がより円滑
に行われる。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、上記梁材は、各支柱部材間の有効
長が可変になるように各支柱部材間に架設されているこ
とを特徴とするものである。
【0021】この発明によれば、重量物の幅寸法に応じ
て梁材の有効長を調節することにより種々の幅寸法の重
量物に対応することが可能になる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の構造物施工装置を用いて構造物を施工
する構造物施行方法であって、外壁面が接地状態で荷降
ろしされた構造物を上記門形架構体間で上記構造体昇降
装置の構造体横転装置により吊り上げて横転する横転工
程と、この横転工程で横転された構造物を門形架構体間
で構造体昇降装置により吊り上げて構造物の施工位置ま
で移送する移送工程と、この移送工程で施工位置まで移
送された門形架構体を、各支柱部材間に施工位置が位置
するように位置設定する位置設定工程と、門形架構体が
施工位置で位置設定された状態で上記構造体昇降装置の
駆動により構造物を施工位置に吊り降ろす構造物吊降ろ
し工程とからなり、上記横転工程では、構造物の第1及
び第2の係止部に上記横転用チェーンの両端部をそれぞ
れ係止するとともに構造物を吊り上げてから、上記横転
モータにより上記横転用スプロケットを緩やかに回転さ
せることにより構造物の姿勢を変化させることを特徴と
するものである。
【0023】この発明によれば、横転工程において、外
壁面が接地状態で荷降ろしされた構造物は、門形架構体
間で構造体横転装置により吊り上げられて横転され、こ
の横転された構造物は、移送工程において、門形架構体
間で構造体昇降装置により吊り上げられて構造物の施工
位置まで移送され、施工位置に移送された門形架構体
は、位置設定工程において各支柱部材間に施工位置が位
置するように位置設定され、引き続き吊降ろし工程にお
いて構造物は、施工位置に吊り降ろされ、これによって
構造物の施工位置への施工が完了する。構造物施工装置
を用いてかかる各工程を実行することにより、上記請求
項1乃至3に記載の発明の作用効果と同様の作用効果を
得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明に係る構造
物施工装置の一実施形態を示す斜視図であり、図1は、
上部支柱部材が最下位位置に下降した状態、図2は、上
部支柱部材が最上位位置に上昇した状態をそれぞれ示し
ている。また、図3は、図1に示す構造物施工装置の正
面図である。なお、図1および図2において、X−X方
向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方
向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向
を後方という。
【0025】これらの図に示すように、構造物施工装置
1は、幅方向一対の支柱部材2と、これら支柱部材2の
頂部間に架設された角筒状の梁材3と、上記各支柱部材
2の下部に設けられて支柱部材2を支持する前後方向に
長尺の幅方向一対の架台4と、各架台4に設けられた走
行機構5と、上記支柱部材2を伸縮させる支柱伸縮手段
(支柱上下動手段)6と、梁材3に走行自在に付設され
た、構造体P1,P2を昇降可能に吊持する構造体昇降
装置7と、一対の一方(図1および図2では右方)の架
台4に支持された発電機8と、他方(図1および図2で
は左方)の架台4に支持された油圧ユニット9とからな
る基本構成を有している。
【0026】上記一対の支柱部材2とこれら一対の支柱
部材2に架設される梁材3とで本発明に係る門形架構体
が形成されている。また、上記発電機8は、構造物施工
装置1の各所の電動機器に電力を供給するために設けら
れ、上記油圧ユニット9は、同各所の油圧機器に作動油
を供給するために設けられている。
【0027】上記支柱部材2は、架台4の前後方向の中
央位置に立設された角筒状の下部支柱部材21と、この
下部支柱部材21に上部開口から摺接状態で嵌挿された
上部支柱部材22とからなり、支柱伸縮手段6の正逆駆
動で上部支柱部材22を下部支柱部材21に対して出没
方向に移動させることにより、支柱部材2の高さレベル
を任意に調節し得るようになっている。
【0028】上部支柱部材22は、外寸法が下部支柱部
材21の内寸法より僅かに小さい上部支柱本体23と、
この上部支柱本体23の頂部直上に固定された被嵌挿部
材24とを備えて構成されている。被嵌挿部材24は、
平面寸法が上部支柱本体23の平面寸法より若干大きめ
に寸法設定されているとともに、上記梁材3が摺接状態
で貫通される角孔24aを備えた角筒状に形成されてい
る。上記角孔24aは、上記梁材3が、摺接状態で貫通
されるように孔寸法が設定されている。そして、左右の
各角孔24aに上記梁材3を挿通することによって一対
の支柱部材2間に梁材3が架設された状態になるように
している。
【0029】かかる梁材3の支持構造によれば、一対の
支柱部材2を走行機構5の駆動で対向方向に移動させた
り、互いに反対方向に移動させたりすることによって、
一対の被嵌挿部材24間の梁材3の長さ寸法(有効寸
法)が変化する。従って、構造体P1,P2の大きさに
合わせて梁材3の有効長を設定することができる。
【0030】かかる梁材3は、その底板に長手方向の略
全長に亘って切り欠かれて形成した長尺開口31(図
7)を有しているとともに、この長尺開口31の両側部
に互いに対向した一対の走行路32が形成されている。
この走行路32は、後述する構造体横転装置(垂下長調
節手段)72の走行台車73を走行させるためのもので
あり、上記長尺開口31は、後述する構造体横転装置7
2用の横転用チェーン(吊持条)75を垂下させるための
ものである。
【0031】また、各被嵌挿部材24の頂部には、梁材
3の被嵌挿部材24に対する摺動状態を抑止する油圧ス
トッパー25が設けられている。図4は、油圧ストッパ
ー25の一実施形態を示す断面図である。この図に示す
ように、油圧ストッパー25は、シリンダ25aと、こ
のシリンダ25aから下方に出没可能に突出したピスト
ンロッド25bと、このピストンロッド25bの下端部
に固設された円柱状のブレーキ片25cとからなってい
る。
【0032】一方、被嵌挿部材24は、その頂部に上方
に向かって突設された、上記ブレーキ片25cを摺接状
態で嵌め込む環状のストッパー支持筒体24bを有して
おり、これにブレーキ片25cが嵌め込まれた状態でそ
の頂部にシリンダ25aがボルト止めで固定されること
により、油圧ストッパー25が被嵌挿部材24に装着さ
れた状態になるようにしている。
【0033】従って、油圧ストッパー25は、油圧ユニ
ット9からの油圧の供給を受けてピストンロッド25b
が上昇することによるブレーキ片25cの梁材3からの
離間で、被嵌挿部材24の梁材3に対するロック状態を
解除する一方、同ピストンロッド25bの下降によるブ
レーキ片25cの梁材3への押圧当接で梁材3が被嵌挿
部材24にロックされることになる。
【0034】また、上記上部支柱本体23は、被嵌挿部
材24の直下位置で外方に向かって突設された上部受け
板23aを有しているとともに、上記架台4には、上部
受け板23aに対向して外方に向けて突設された下部受
け板42aが設けられており、これら上部受け板23a
および下部受け板42a間に支柱伸縮手段6が介設され
ている。
【0035】そして、上記支柱伸縮手段6は、前後方向
一対の伸縮シリンダ61と、この伸縮シリンダ61から
出没自在に上方に突設されたピストンロッド62とから
なっている。伸縮シリンダ61は、下部受け板42a上
に立設されているとともに、ピストンロッド62は、そ
の上端部が上部受け板23aに固定されている。これに
よって、上部支柱部材22は、油圧ユニット9からの油
圧によるピストンロッド62の伸縮シリンダ61に対す
る出没で上部受け板23aを介して昇降するようになっ
ている。
【0036】図5および図6は、走行機構5の一実施形
態を示す一部切欠き斜視図であり、図5は、車輪が梁材
の延びる方向に直交する方向に向けられた状態、図6
は、車輪が梁材の伸びる方向と同一方向に向けられた状
態をそれぞれ示している。なお、図5および図6では、
図1〜図3における左方の走行機構5を示しているが、
右方のものも同様に構成されている。
【0037】これらの図に示すように、走行機構5は、
架台4に対して垂直軸51a回りに回動自在に軸支され
た駆動車輪支持板51と、この駆動車輪支持板51に駆
動輪側垂下板52を介して車軸53回りに回転自在に軸
支された、1枚の駆動車輪支持板51当り一対のタイヤ
を備えた駆動輪54と、駆動車輪支持板51上と、車軸
53との間に設けられた走行手段(車輪駆動手段)55
と、架台4上と駆動車輪支持板51との間に設けられた
車輪方向変更手段56とを備えて構成されている。かか
る走行機構5が設けられている位置と反対側の位置(前
方位置)にタイヤを有する従動輪57が設けられてい
る。
【0038】一方、上記架台4は、かかる走行機構5の
搭載が容易なように側面視でT字形状に設定され、前後
方向に長尺に形成されたデッキ部41と、このデッキ部
41の前後方向の中央部から下方に向けて垂下された垂
下部42とを備えて構成されている。デッキ部41上面
における垂下部42の直上には上記下部支柱部材21が
立設されている。また、垂下部42の側面には上記下部
受け板42aが取り付けられている。
【0039】そして、かかる架台4のデッキ部41の下
部支柱部材21より後方位置に走行機構5が設けられて
いる一方、同前方位置に従動車輪支持板58を介して従
動輪57が装着されている。従動車輪支持板58は、そ
の中央部に上方に向かって突設された垂直軸58aを有
しており、この垂直軸58aがスラストベアリング58
bを介してデッキ部41に貫通されることにより、従動
車輪支持板58は垂直軸58b回りに回動自在にデッキ
部41に装着されている。
【0040】かかる従動車輪支持板58には、その下面
の幅方向中央位置から下方に向けて突設された従動輪側
垂下板59が設けられている。この従動輪側垂下板59
には従動軸57aが貫設され、この従動軸57aに従動
輪側垂下板59を挟んで一対の従動輪57が従動軸57
a回りに回転自在に軸支されている。
【0041】上記駆動車輪支持板51は、その前方部分
が後方のデッキ部41に下方位置で対向するように重ね
合わされている。かかる駆動車輪支持板51にはデッキ
部41に積層された部分の中心位置に垂直軸51aが立
設されている一方、デッキ部41には垂直軸51aに対
応した挿通孔41aが穿設され、上記垂直軸51aが挿
通孔41aに挿通されることによって駆動車輪支持板5
1が垂直軸51a回りに正逆回動し得るようになってい
る。そして、駆動車輪支持板51とデッキ部41との間
には、垂直軸51aが貫通したスラストベアリング51
bが介設され、これによって駆動車輪支持板51のデッ
キ部41に対する垂直軸51a回りの回動が円滑に行わ
れるようになっている。
【0042】上記駆動輪側垂下板52は、駆動車輪支持
板51の裏面側の前後方向に延びる中心線上から前後方
向に延びる状態で下方に向けて突設されている。かかる
駆動輪側垂下板52の下部位置に上記車軸53が軸心回
りに回転可能に貫設されている。そして、車軸53の駆
動輪側垂下板52から左右に突出した部分に駆動輪54
が車軸53回りに共回り可能に軸支されている。
【0043】上記走行手段55は、駆動車輪支持板51
のデッキ部41より外方に突出した部分の上面に据え付
けられた走行モータ(車輪駆動手段)55aと、この走
行モータ55aの駆動軸に同心で固定された駆動スプロ
ケット55bと、上記車軸53に同心で固定された従動
スプロケット55cと、これら駆動スプロケット55b
および従動スプロケット55c間に張設された動力伝達
チェーン55dとからなっている。
【0044】そして、走行モータ55aが発電機8から
の電力を得て正逆駆動することにより、その駆動回転が
駆動スプロケット55b、動力伝達チェーン55dおよ
び従動スプロケット55cを介して車軸53に伝達さ
れ、車軸53の回転による駆動輪54の回転によって構
造物施工装置1が走行するようになっている。
【0045】上記車輪方向変更手段56は、デッキ部4
1内の後方位置上面に据え付けられた方向変換モータ5
6aと、この方向変換モータ56aの駆動軸に同心で固
定されたウォーム56bと、垂直軸51aの上記挿通孔
41aから上方に突出した部分に同心で固定されたウォ
ームギヤ56cとからなっている。上記ウォーム56b
はウォームギヤ56cに噛合されている。
【0046】従って、発電機8からの電力により正逆駆
動した方向変換モータ56aの駆動回転は、ウォーム5
6bを介して減速状態でウォームギヤ56cに伝達さ
れ、これによるウォームギヤ56cを介した垂直軸51
aの正逆回転で上記駆動車輪支持板51が垂直軸51a
回りに正逆回動し、これによって、駆動輪54は、その
方向が正逆変更されることになる。
【0047】このような車輪方向変更手段56は、従動
輪57側のデッキ部41上にも同一構成で設けられてい
る。ただし、従動輪57側に設けられた車輪方向変更手
段56においては、方向変換モータ56aの駆動が、従
動輪57を、駆動輪54の方向変換角度と同一角度だけ
逆方向に垂直軸58a回りに方向変換するように同期設
定されている。
【0048】そして、本実施形態においては、車輪方向
変更手段56は、駆動輪54が前後方向に向いた姿勢を
基準にして左右にそれぞれ90°ずつ変位し得るように
ウォームギヤ56cの回動範囲が設定されている。従っ
て、各駆動輪54および従動輪57がいずれも基準姿勢
に設定されているときは、走行モータ55aの駆動で構
造物施工装置1は前後方向に移動するのに対し、各駆動
輪54および従動輪57を基本姿勢から90°変位させ
ることにより、構造物施工装置1は左右方向に移動する
ことになる。また、左右の車輪54,57をそれぞれ同
一の所定角度だけ梁材3の中心と車輪54,57の中心
とを結ぶ直線に直交するように向きを変えることによ
り、構造物施工装置1を、走行モータ55aの駆動で上
下方向に延びる梁材3の中心線回りに旋回させることが
できる。
【0049】上記構造体昇降装置7は、本実施形態にお
いては、図1〜図3に示すように、梁材3に吊設される
前後方向で対向した幅方向各一対(合計4台)のチェー
ンブロック71と、梁材3に幅方向に移動可能に付設さ
れた幅方向一対の構造体横転装置72とからなってい
る。
【0050】上記チェーンブロック71は、端面が幅方
向に向くように姿勢設定された筒状のケーシング71a
と、このケーシング71aに内装された巻取りドラム7
1bと、この巻取りドラム71bを軸心回りに正逆回動
させるホイストモータ71cとからなっている。ケーシ
ング71aにはその上面にフック掛け71dが突設され
ているとともに、下面側が開口されて巻取りドラム71
bが外部に露出されている。
【0051】かかる巻取りドラム71bは、その軸がケ
ーシング71aの幅方向に延びる中心線と同心に設定さ
れ、ホイストモータ71cの駆動で軸回りに正逆回転す
ることにより、チェーン(吊持条)Cを巻き取ったり巻
き戻したりし得るようになっている。チェーンCは巻取
りドラム71bから下方に向けて引き出され、その下端
部に設けられたフックC1が構造体P1,P2の被係止
突起P3に係着されることにより、図2に二点鎖線で示
すように、構造体P1,P2を梁材3に吊持することが
できるようになっている。
【0052】図7は、構造体横転装置72の一実施形態
を示す一部切欠き斜視図であり、図8は、そのA線視図
である。なお、図7において、X−X方向を幅方向、Y
−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X
方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
また、図8においては、図示の都合上、構造体横転装置
72の構造体P1,P2に対する大きさを誇張して描い
ている。これらの図に示すように、構造体横転装置72
は、運搬車両から荷降ろしされた縦置き姿勢の構造体P
1,P2(図2、図3)を90°横転させて横置き姿勢
に横転するためのものであり、梁材3内を走行する走行
台車73と、この走行台車73に設けられた横転用スプ
ロケット74と、この横転用スプロケット74に掛け回
された横転用チェーン75と、上記横転用スプロケット
74を支持軸74a回りに正逆回転する横転モータ76
と、走行台車73を走行させる台車走行モータ77とを
備えて構成されている。
【0053】上記走行台車73は、直方体状の箱型に形
成され、前後寸法が梁材3の走行路32間の隙間寸法
(すなわち長尺開口31の前後寸法)と略同一に寸法設
定されている。かかる走行台車73は、幅方向で互いに
対向した一対の第1側板73aと、前後方向で互いに対
向した一対の第2側板73bとを組み合わせて平面視で
矩形状に形成されている。
【0054】そして、一対の第2側板73bの左右両端
部には、それぞれ前後方向一対の車輪78が台車軸78
a回りに回転可能に軸支されている。左右の各一対の車
輪78は、前後方向の車輪78間の内寸法が長尺開口3
1の前後寸法より大きく寸法設定され、これによって各
車輪78が走行路32上を転動して走行台車73を幅方
向に走行させ得るようになっている。
【0055】また、一対の第2側板73b間には、前後
方向に延びる幅方向一対の仕切板73cが架設されてい
る。そして、これら仕切板73c間に軸心回りに回転自
在に支持軸74aが架設され、この支持軸74aに上記
横転用スプロケット74が同心で共回り可能に固定され
ている。かかる横転用スプロケット74に横転用チェー
ン75が掛け回されているため、横転用スプロケット7
4の前後で下方に垂れた各横転用チェーン75は、それ
ぞれの下端部が横転用スプロケット74の支持軸74a
回りの回転によって同一距離だけ昇降することになる
(すなわち、一方の下端部が上昇すれば、他方の下端部
が同一距離だけ下降する)。
【0056】上記横転モータ76は、その駆動軸が幅方
向に延びるように、一方の第1側板73aの外面側に固
定されている。かかる横転モータ76の駆動回転は、一
方の第1側板73aとこの第1側板73aに対向した仕
切板73cとの間に介設された減速機76aを介して支
持軸74aに伝達され、横転モータ76の駆動で横転用
スプロケット74が支持軸74a回りに回転するように
なっている。
【0057】上記台車走行モータ77は、他方の第1側
板73aと、これに対向した仕切板73cとの間の空間
に装着されている。この台車走行モータ77の正逆駆動
が台車軸78aを介して車輪78に伝達され、これによ
って走行台車73が梁材3内を走行路32に案内されつ
つ幅方向に正逆移動し得るようになっている。
【0058】また、各第1側板73aは、その前後方向
両端部に下方に突出した結着突片731aを有してい
る。この結着突片731aは、チェーンブロック71を
吊持するロープRを結着するためのものであり、その中
央部にロープRを通す結着孔732aが穿孔されてい
る。この結着孔732aにロープRを挿通して結着する
ことによってもチェーンブロック71を走行台車73を
介して梁材3から吊り下げることができる。
【0059】以下、図9〜図12を基に本発明の作用を
説明する。まず、図9は、構造物施工装置1の搬送車両
への搭載方法を説明するための説明図であって、(イ)
は、構造物施工装置1が搬送車両10に搭載される直前
の状態、(ロ)は、構造物施工装置1が搬送車両10に
搭載されつつある状態、(ハ)は、構造物施工装置1が
搬送車両10に搭載された状態をそれぞれ示している。
【0060】構造物施工装置1を搬送する搬送車両10
としては、図9に示すような車両運搬用の特殊車両が用
いられる。この搬送車両10は、車両本体11と、この
車両本体11の後部フレーム14に水平軸13回りに回
動可能に支持された可傾荷台12とを備えて構成されて
いる。かかる搬送車両10は、走行に際しては、図9の
(ハ)に示すように、可傾荷台12は、後部フレーム1
4に積層された状態にされるが、荷積み時や荷降ろし時
には、図9の(イ)に示すように水平軸13回りに時計
方向に回動され、これによって後端部が接地した傾斜状
態に設定される。こうすることによってクレーン等の作
業機械を用いることなく傾斜を利用して積載物を可傾荷
台12に積載することが可能になる。そして、可傾荷台
12は、通常、傾斜姿勢に設定された状態で傾斜角度α
が略10°に設定されている。
【0061】そして、構造物施工装置1を搬送するに際
しては、まず、図9の(イ)に示すように、構造物施工
装置1は、各車輪54,57が、車輪方向変更手段56
の駆動で全て梁材3の延びる方向に向いた幅方向移動可
能状態とされ(図6)、この状態での走行手段55(図
5、図6)の駆動で自走しながら、図9の(ロ)に示す
ように、可傾荷台12の坂を登ることにより、可傾荷台
12上に移される。
【0062】構造物施工装置1が可傾荷台12上に移動
した後、可傾荷台12が水平軸13回りに反時計方向に
回動され、これによって、図9の(ハ)に示すように、
可傾荷台12が後部フレーム14に積層された状態にな
り、構造物施工装置1の搬送車両10への搭載が完了す
る。ついで、搬送車両10を施工現場まで移動させ、今
度は可傾荷台12を水平軸13回りに時計方向に回動さ
せることにより、図9の(ロ)に示す状態にする。この
状態で構造物施工装置1を逆送させることにより、図9
の(イ)に示すように、構造物施工装置1が搬送車両1
0から荷降ろしされる。
【0063】そして、本実施形態においては、構造物施
工装置1の走行モータ55aの駆動力を、少なくとも1
0°の勾配の傾斜を登り得る登坂能力を備えたものにし
ているため、市販の搬送車両10に対して構造物施工装
置1を自走で搭載させることが可能になり、クレーン等
の作業機械を用いる必要がない分、作業効率が向上する
とともに、作業コストの軽減化が実現する。
【0064】つぎに、施工現場に運び込まれた構造物施
工装置1を用いた構造体P1,P2の施工について説明
する。なお、構造体P1,P2は、別の専用の搬送車両
を用いて別途施工現場に運び込まれている。ただし、施
工現場に運び込まれた構造体P1,P2は、その壁面が
接地した縦置き状態で荷降ろしされているため、まず、
これを90°横転して横置き状態(すなわち、構造体P
1,P2が実際に据え付けられる状態)にしなければな
らない。
【0065】図10は、構造物施工装置1を用いて縦置
き状態の構造体P1,P2を90°横転させる横転方法
を説明するための説明図であり、(イ)は、構造体P
1,P2が縦置き姿勢のまま構造体横転装置72により
吊り上げられる直前の状態、(ロ)は、吊り上げられた
構造体P1,P2が構造体横転装置72の駆動で順次横
転される状態をそれぞれ示している。
【0066】まず、構造体P1,P2は、構造物施工装
置1の走行により各壁部が支柱部材2にそれぞれ対向し
た状態で一対の支柱部材2間に挟持され、この状態で横
転用スプロケット74に掛け回された横転用チェーン7
5の一方の(図10の(イ)における左方の)下端部
が、直立している構造体P1,P2の上方左端部であっ
て、その壁面に形成されている第1係止点Z1に係止さ
れる一方、他方の下端部が構造体P1,P2の下方右端
部であって、その壁面に形成されている第2係止点Z2
に係止される。なお、各係止点Z1,Z2には、係止用
の突片が突設されているとともに、横転用チェーン75
の各端部には上記突片に係止するフックが設けられてい
る。
【0067】ついで、支柱伸縮手段6(図1)の駆動に
より上部支柱部材22を所定高さにまで上昇させること
により、構造体P1,P2が図10の(イ)に示す状態
から横転用チェーン75によって吊持された状態にな
る。
【0068】この状態で、横転用モータ76の駆動によ
り横転用スプロケット74を支持軸74a回りに緩やか
に反時計方向に回転させることにより、掛け回されてい
る横転用チェーン75が横転用スプロケット74回りに
反時計方向に移動させられる。
【0069】この場合、横転用チェーン75の長さ寸法
は一定であるため、横転用チェーン75の上記移動によ
って第1係止点Z1と横転用スプロケット74との間の
距離が漸増する一方、第2係止点Z2と横転用スプロケ
ット74との間の距離が漸減し、図10の(ロ)−に
示すように、構造体P1,P2は、順次傾けられてい
き、ついには、図10の(ロ)−に示すように、水平
姿勢になる。
【0070】そして、構造体P1,P2が水平姿勢にな
った時点で、横転モータ76(図7)が停止され、これ
によって構造体P1,P2の水平姿勢が維持された状態
になる。この状態で、支柱伸縮手段6の逆駆動により梁
材3を下降させることにより、図10の(ロ)−に示
すように、構造体P1,P2の横転が完了する。なお、
図10の(ロ)−に示す状態において、直ちに吊持さ
れている構造体P1,P2を縦穴H内に吊り降ろす施工
を行うときには、構造体P1,P2を一旦地面に降ろす
ことなく構造物施工装置1を施工位置まで走行させ、直
ちに構造体P1,P2の吊り降ろし作業が実行される。
【0071】このような構造体横転装置72を用いて縦
置き姿勢の構造体P1,P2を横転させるようにすれ
ば、横転用スプロケット74を介して振り分けられた前
後の横転用チェーン75に加わる張力は、構造体P1,
P2の姿勢の変化に拘らずに常に等しくかつ常に一定に
保持することができるため、従来のクレーン車等の作業
機械を用いた場合に比較して安定した、かつ、安全な横
転作業が実現する。なお、上記のように振り分けられた
横転用チェーン75に加わる張力が構造体P1,P2の
姿勢の変化に拘らずに常に等しくかつ常に一定に保持さ
れるということは、上記第1係止点Z1と第2係止点Z
2とが重心に対して互いに点対称となる位置に設けられ
ていることを意味する。
【0072】図11は、構造物施工装置1による構造体
P1,P2の縦穴H内への据付け作業を説明するための
説明図であり、(イ)は、構造体P1,P2を吊持した
構造物施工装置1が縦穴Hを跨いで位置設定された状
態、(ロ)は、構造体P1,P2を縦穴Hに吊り降ろし
つつある状態をそれぞれ示している。
【0073】構造体P1,P2を縦穴Hに据え付けるに
際しては、まず、先の図10の(ロ)−に示す、地上
に載置された構造体P1,P2を、チェーンブロック7
1を介して吊持し直し、引き続き構造物施工装置1を走
行させて、図11の(イ)に示すように、一対の支柱部
材2が縦穴Hを跨いだ状態にする。なお、図11の
(イ)に示す状態にする前に、縦穴Hの規模に応じて一
対の支柱部材2間の距離が予め設定されている。
【0074】ついで、支柱伸縮手段6の駆動で上部支柱
部材22を緩やかに下降させることにより、上部支柱部
材22と一体の梁材3が緩やかに下降し、これによっ
て、図11の(ロ)に実線で示すように、構造体P1,
P2は、縦穴Hの開口位置にまで吊り降ろされた状態に
なる。この状態で、チェーンブロック71を操作してチ
ェーンCを緩やかに繰り出させることにより、構造体P
1,P2は、緩やかに吊り降ろされて、図11の(ロ)
に二点鎖線で示すように、縦穴H内に据え付けられた状
態になる。
【0075】図12は、構造物施工装置1の旋回を説明
するための平面視の説明図であり、(イ)は、梁材3が
左右方向に延びるように構造物施工装置1が位置設定さ
れた状態、(ロ)は、梁材3が前後方向に延びるように
構造物施工装置1が位置設定された状態をそれぞれ示し
ている。まず、図12の(イ)に示す状態では、各車輪
54,57は、一点鎖線で示す各軸心が梁材3の中心点
Oを通るように向きが変更される。この状態で、一方の
駆動輪54と他方の駆動輪54とが互いに逆方向に駆動
される。言葉を変えれば、各駆動輪54から中心点Oを
見た状態で軸心回りに同一方向に駆動される。
【0076】そして、例えば中心点Oを見て各駆動輪5
4を軸心回りに時計方向に回転させると、構造物施工装
置1は、矢印で示すように、中心点O回りに反時計方向
に旋回する。この旋回を90°で停止させることによ
り、図12の(ロ)に示すように、構造物施工装置1は
図12の(イ)に示す位置から90°位相が変位した状
態になる。
【0077】従って、構造物施工装置1は、縦横に走行
が可能であることに加えてこのような旋回が可能である
ことにより、狭隘な敷地内での構造体P1,P2の据え
付け作業を、現場の地形に応じて自在に行うことができ
る。
【0078】以上詳述したように、本発明の構造物施工
装置1によれば、構造体P1,P2を、縦穴Hを跨いだ
状態の梁材3にロープRを介して容易に吊持した状態に
することができるため、チェーンブロック71からチェ
ーンCを繰り出させるという簡単な操作を行うことで、
構造体P1,P2を縦穴H内に容易に据え付けることが
可能になり、従来の大型クレーン車等の作業機械を用い
た構造体P1,P2の据付け作業に比べて大幅な据付け
作業の効率化を実現することができる。
【0079】さらに、本発明の構造物施工装置1を用い
た据付け作業の作業域を示す図13に示すように、6畳
の間規模の構造体P1,P2を縦穴Hに据え付けるに際
しては、縦穴Hの周りに縦穴Hを含めて略8m×略9m
(略72m2)の敷地(作業時専有面積)さえあれば、
横転をも含めた構造体P1,P2を縦穴Hに据え付ける
ための全施工作業を実行することが可能である。
【0080】これに対し、先に従来技術の欄で、図17
を基に説明したように、従来の大型クレーン等の作業機
械を用いた場合には、6畳間規模の構造体P1,P2を
施工するに際し、敷地面積が略221m2(17m×1
3m)も必要になるのに比較し、本発明によれば従来の
32%の広さの専有面積でよく、大幅に作業面積を削減
することができる。従って、従来、施工現場への構造体
P1,P2の運び込み、および構造体P1,P2の縦穴
Hへの施工が困難であったために普及しなかった大都市
の市街地でのコンクリートユニットを利用した建築物の
構築が、本発明の構造物施工装置1を用いることにより
可能になり、これによって今後コンクリートユニットを
用いた建築物の構築が普及すると考えられる。
【0081】図14は、構造物施工装置1aの他の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態の構造物施工装
置1aは、梁材3aがテレスコープ式に伸縮自在になっ
ている。すなわち、梁材3aは、各上部支柱部材22の
頂部からそれぞれ互いに対向する方向に突設された一対
の角筒状の外梁材33と、各側部がそれぞれの外梁材3
3に摺接状態で内嵌される内梁材34とから構成されて
いる。また、油圧ストッパー25は、各外梁材33の先
端部に設けられている。その他の構成は、先の構造物施
工装置1と同様である。
【0082】この実施形態に構造物施工装置1aによれ
ば、走行機構5の駆動で対向方向に対して一対の支柱部
材2を進退させることにより、内梁材34が一対の外梁
材33に対して出没して梁材3aの有効長を調節し得る
という、先の実施形態のものと同様の作用を得ることが
できる。
【0083】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0084】(1)上記の実施形態においては、車輪方
向変更手段56としてウォーム56bおよびウォームギ
ヤ56cが採用されているが、本発明は、車輪方向変更
手段56がウォーム56bおよびウォームギヤ56cを
備えて構成されることに限定されるものではなく、これ
らに代えてシリンダ装置の駆動で駆動輪54および従動
輪57の方向を変換するようにしてもよい。
【0085】(2)上記の実施形態においては、走行台
車73が台車走行モータ77の駆動によって梁材3内を
走行するようにしているが、本発明は、走行台車73を
台車走行モータ77の駆動で走行させることに限定され
るものではなく、特に台車走行モータ77を設けること
なく走行台車73を手動で動かすようにしてもよい。
【0086】(3)上記の実施形態においては、チェー
ンブロック71は、梁材3に直接取り付けられたロープ
Rに吊持されているが、こうする代わりにロープRを走
行台車73の結着突片731aに結着し、このロープR
でチェーンブロック71を吊持するようにしてもよい。
こうすることによって横転用チェーン75による構造体
P1,P2の吊持位置と、チェーンブロック71による
構造体P1,P2の吊持位置とが常に同一位置になるた
め、構造体P1,P2の寸法が変わる度にチェーンブロ
ック71の吊持位置を変更するような面倒な作業を回避
することができる。
【0087】(4)上記の実施形態においては、構造物
施工装置1に走行手段として車輪54,57が採用され
ているが、本発明は、走行手段が車輪54,57である
ことに限定されるものではなく、クローラを採用しても
よい。
【0088】(5)上記の実施形態においては、車輪駆
動手段として電動の走行モータ55aが採油されている
が、電動の走行モータ55aに代えて油圧モータを採用
してもよい。
【0089】(6)上記の実施形態においては、構造物
施工装置1を地下室構造体Pの施工工事に適用している
が、本発明は、構造物施工装置1を地下室構造体Pの施
工のみに適用することに限定されるものではなく、地上
に設置する各種の建造物の施工に適用することができる
ほか、各種の大型の機械装置の据え付け工事にも適用す
ることができる。
【0090】
【実施例】本発明に係る構造物施工装置1を用い、図1
5に示すように、6畳規模の地下室構造体を2組連設し
て12畳規模の地下室を設置する工事を施工した。な
お、図15は、この工事における地下室の施行方法を説
明するための説明図であり、(イ)は、縦穴近傍の作業
域で構造物施工装置が90°の方向変換を行う状態、
(ロ)および(ハ)は、縦穴を跨いだ構造物施工装置が
構造体を吊り降ろしつつある状態、(ニ)は、2組の地
下室構造体の施工が完了した状態をそれぞれ示してい
る。
【0091】この施工においては、本発明に係る施行方
法が適用される。すなわち、本発明の施行方法は、外壁
面が接地状態で荷降ろしされた構造体(構造物)P1,P
2(この実施例では、後述する第1下部および上部構造
体PA1,PA2並びに第2下部および上部構造体PB
1,PB2)を、支柱部材2および梁材3からなる門形架
構体間で構造体横転装置72により吊り上げて横転する
横転工程と、この横転工程で横転された構造体P1,P
2を門形架構体間でチェーンブロック71により吊り上
げて構造物の施工位置まで移送する移送工程と、この移
送工程で施工位置まで移送された門形架構体を、各支柱
部材間に施工位置が位置するように位置設定する位置設
定工程と、門形架構体が施工位置で位置設定された状態
で構造体昇降装置の駆動により構造物を施工位置に吊り
降ろす構造物吊降ろし工程とからなっている。
【0092】まず、この地下室施工で使用した地下室構
造体について説明する。この工事では、図15の(ハ)
に示すように、第1下部構造体PA1および第1上部構
造体PA2からなる第1地下室構造体PAと、第2下部
構造体PB1および第2上部構造体PB2とからなる第
2地下室構造体PBとを、それらの間口X同士を接合
し、2組の地下室構造体PA,PBでて奥行きYの長い
地下室構造体Pを施工する。
【0093】各地下室構造体PA,PBは、基本的に同
一の構造および寸法を呈しているが、第1下部構造体P
A1は、その底部に間口X方向に延びる奥行きY方向一
対の歯止め凸状P4が設けられているのに対し、第2下
部構造体PB1は、その底部に滑り凸条P5が設けられ
ている点が両者の相違点である。上記各凸条P4,P5
は、縦穴Hの底部に施工された基礎Bに凹設されている
歯止め凹溝B1および滑り凹溝B2にそれぞれ嵌め込ま
れるものであり、これによって各地下室構造体PA,P
Bの位置決めが適正に行われるようにしている。
【0094】特に、滑り凹溝B2は、第1下部構造体P
A1の方向に向かう先下がりの傾斜面を有しているとと
もに、滑り凸条P5にはこの傾斜面に対応した傾斜面を
有しているため、滑り凸条P5が滑り凹溝B2に嵌め込
まれた状態で滑り凸条P5が滑り凹溝B2の傾斜面上を
滑り、これによって第2下部構造体PB1が第1下部構
造体PA1の方向に移動するため、第2下部構造体PB
1の壁面が第1下部構造体PA1の壁面を押圧し、これ
によって両地下室構造体PA,PBが互いに隙間のない
密着状態で連設されることになる。
【0095】そして、このような2組の地下室構造体P
A,PBの縦穴H内への施工を、第1下部構造体PA
1、第1上部構造体PA2、第2下部構造体PB1、第
2上部構造体PB2の順に行った。
【0096】まず、図15の(イ)に示すように、第1
下部構造体PA1は、先に行われた横転操作(横転工程
(図10参照))によって梁材3と第1下部構造体PA
1の奥行きY方向とが平行になるように吊持されて構造
物施工装置1(二点鎖線)により縦穴Hに隣接した作業
域に運び込まれるため、このままでは、構造物施工装置
1は、縦穴Hを跨いだ状態で第1下部構造体PA1を縦
穴H内に吊り降ろすことができない。そこで、一旦、第
1下部構造体PA1は吊り降ろされ、この状態で構造物
施工装置1は、その中心位置回りに90°旋回させ、こ
うすることで構造物施工装置1を、図15の(イ)に実
線で示すように、第1下部構造体PA1を間口X方向に
跨いだ状態にした。
【0097】この状態で第1下部構造体PA1を再度吊
り上げて、図15の(イ)に矢印で示すように構造物施
工装置1を移動させ(移送工程)、図15の(ロ)に示
すように構造物施工装置1が縦穴Hを間口X方向に跨い
だ状態にして施工位置に位置設定した(位置設定工
程)。
【0098】この状態でチェーンブロック71を操作し
て第1下部構造体PA1を吊り降ろしてその歯止め凸状
P4を基礎Bの歯止め凹溝B1に嵌め合わせることによ
り、図15の(ハ)に示す縦穴Hの左下に示すように、
第1下部構造体PA1を基礎B上に据え付け、引き続き
第1上部構造体PA2について上記同様の操作を行い、
縦穴H内の第1下部構造体PA1の上に積み重ねた(構
造物吊降ろし工程)。
【0099】ついで、同様の第2下部構造体PB1につ
いて、上記同様の操作を行い、図15の(ハ)に示すよ
うに、第1地下室構造体PAに隣接するように第2下部
構造体PB1を縦穴H内に吊り降ろした。このとき第2
下部構造体PB1の底部の滑り凸条P5を基礎Bの滑り
凹溝B2に嵌め込むように細心の注意を払いながら吊り
降ろし操作を行った。
【0100】この操作によって、滑り凸条P5が滑り凹
溝B2に嵌まり込んだ後、チェーンブロック71の操作
で第2下部構造体PB1を降下させると、滑り凸条P5
が滑り凹溝B2の傾斜に案内されて第1下部構造体PA
1の方向に移動し、これによって第2下部構造体PB1
の図15の(ハ)および(ニ)における左方の外壁面が
第1下部構造体PA1の同右方の外壁面に密着した状態
で基礎B上に据え付けられたことを確認した。
【0101】ついで、第2上部構造体PB2を、上記同
様の操作で第2下部構造体PB1上に吊り降ろすことに
より、図15の(ニ)に示すように、二組の地下室構造
体P(第1地下室構造体PAおよび第2地下室構造体P
B)が縦穴H内に施工された状態になった。
【0102】この実施例で判る通り、本発明の構造物施
工装置1は、地下室構造体を、作業域に運び込まれたと
きの壁面が接地した縦置き姿勢から、据え付け直前の横
置き姿勢に横転し得るとともに、地下室構造体を吊持し
た状態での横行、縦行および旋回が自在であるため、縦
穴Hの形状や各構造体の組み合わせの態様に合わせて構
造体を自由に移動させたり姿勢や方向を変えることが可
能であり、地下室構造体の据付け工事を極めて効率的に
施工し得ることが確認された。
【0103】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、互いに対
向した一対の支柱部材と、これら支柱部材の頂部間に架
設された梁材とによって門形架構体を構成し、各支柱部
材の下部に移動用の車輪をそれぞれ設け、梁材には、構
造物を吊持する構造体昇降装置を設けたため、車輪の転
動で門形架構体を移動させ、地面に載置された構造物を
一対の支柱部材間に位置させることにより、門形架構体
が構造物を跨いだ状態にすることができる。この状態
で、梁材に設けられた構造体昇降装置により構造物を吊
り上げ、引き続き門形架構体を構造物の施工位置まで移
動した後、構造体昇降装置の駆動で構造物を吊り降ろす
ことにより、構造物を所定の位置に据え付けることがで
きる。
【0104】このように、構造物は、門形架構体に跨れ
た状態で常に門形架構体の略中心位置に位置するため、
構造物の吊持状態を常に安定した状態にすることができ
るとともに、構造体昇降装置の駆動による構造物の昇降
も常に安定した状態で行うことができる。また、支柱に
は車輪が設けられているため、構造物を吊持した状態の
門形架構体を施工位置まで容易に移動することができ
る。そして、門形架構体が施工位置を跨いだ状態で吊持
している構造物を単純に吊り降ろすという熟練を要さな
い簡単な操作で構造物を目的の場所に容易に施工するこ
とができる。
【0105】また、横転用スプロケットに掛け回されて
両端部が垂下する横転用チェーンを備えた構造体横転装
置が設けられ、一方、構造物には、上記横転用チェーン
の両端部がそれぞれ係止される第1及び第2の係止部
が、縦置き姿勢にあるときの構造物の壁面の一側部上方
と他側部下方の、重心に対して互いに点対称となる位置
に設けられているため、施工現場に運び込まれた構造物
の姿勢を縦置き姿勢から横置き姿勢に変化させる場合
に、安定した、かつ、安全な横転作業を実現させること
ができる。
【0106】また、大型のクレーン車で据付け工事を行
うに際しては、クレーン車が占める位置を施工現場の敷
地内に確保する必要がある他、構造物を仮置きする位置
をも確保しなければならず、結局構造物の施工面積に比
べて数倍広い作業域を必要とするのに対し、この発明に
よれば、門形架構体が構造物を跨いだ状態にすることが
できるため、構造物の仮置き位置と構造物施工装置の作
業域とを共用することが可能になり、これによって作業
域は、従来必要であった作業域の数分の1で済ませるこ
とができる。
【0107】従って、この発明によれば、従来、市街地
の狭隘な敷地内での大きな構造物の施工が困難であった
という不都合を解消することができ、狭隘な敷地内であ
っても構造物を容易に施工することができる。特に構造
物が地下室用のコンクリートユニットである場合など、
市街地の狭い敷地に快適な居住空間を確保するべくその
需要が多いにも拘らず、施工が困難なために普及しなか
ったという不都合が解消され、地下室用コンクリートユ
ニットの普及に貢献することができる。
【0108】そして、この車輪駆動手段の駆動により構
造物施工装置を自走させることができるため、他の車両
で構造物施工装置を牽引して移動させることに比較し、
重量物の据付け作業をより効率的に行うことができる。
【0109】さらに、車輪の方向を変える車輪方向変更
手段を設けたため、この車輪方向変更手段の操作で構造
物施工装置を直進だけでなく旋回させることも可能にな
り、重量物の据付け作業のさらなる効率化に貢献するこ
とができる。
【0110】請求項2記載の発明によれば、支柱部材
を、下部支柱部材と、この下部支柱部材に上下動可能に
連設された上部支柱部材とから構成するとともに、上部
支柱部材を上下動させる支柱上下動手段を設けたため、
まず、支柱上下動手段の駆動による梁材の昇降によっ
て、梁材を、重量物の高さ寸法に合わせることができ
る。そして、重量物を、ロープ等を介して梁材に支持さ
せた状態で、支柱上下動手段の駆動により上部支柱部材
を下部支柱部材から上方に向けて突出することにより、
重量物をロープ等を介して梁材に吊持された状態にする
ことができる一方、この状態で構造物施工装置を施工位
置まで移動させてから、上部支柱部材を下部支柱部材内
に収納していくことにより、梁材に吊持された重量物を
下降させて所定の位置に据え付けることができる。この
ように、上部支柱を昇降させ得るように構成すること
で、構造体昇降装置との併用で重量物の上下動の範囲を
拡大することが可能になるため、特に、重量物が地下室
用のコンクリートユニットである場合、縦穴内へのコン
クリートユニットの吊り降ろし操作をより円滑に行うこ
とができる。
【0111】請求項3記載の発明によれば、梁材の有効
長を調節可能に構成したため、吊持するべき重量物の幅
寸法が変わっても、梁材の有効長を調節することにより
幅寸法の変化に対応することが可能になり、構造物施工
装置の汎用性を向上させることができる。
【0112】請求項4記載の発明によれば、横転工程に
おいて、外壁面が接地状態で荷降ろしされた構造物は、
門形架構体間で構造体昇降装置により吊り上げられて横
転され、この横転された構造物は、移送工程において、
門形架構体間で構造体昇降装置により吊り上げられて構
造物の施工位置まで移送され、施工位置に移送された門
形架構体は、位置設定工程において各支柱部材間に施工
位置が位置するように位置設定され、引き続き吊降ろし
工程において構造物は、施工位置に吊り降ろされ、これ
によって構造物を施工位置に確実かつ容易に施工するこ
とができる。そして、構造物施工装置を用いてかかる各
工程を実行することにより、上記請求項1乃至3に記載
の発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造物施工装置の一実施形態を示
す斜視図であり、上部支柱部材が最下位位置に下降した
状態を示している。
【図2】図1に示す構造物施工装置の上部支柱部材が最
上位位置に上昇した状態を示している。
【図3】図1に示す構造物施工装置の正面図である。
【図4】油圧ストッパーの一実施形態を示す断面図であ
る。
【図5】走行機構の一実施形態を示す一部切欠き斜視図
であり、車輪が梁材の延びる方向に直交する方向に向け
られた状態を示している。
【図6】図5に示す走行機構の車輪が梁材の伸びる方向
と同一方向に向けられた状態を示す一部切欠き斜視図で
ある。
【図7】構造体横転装置の一実施形態を示す一部切欠き
斜視図である。
【図8】図7に示す構造体横転装置のA線視図である。
【図9】構造物施工装置の搬送車両への搭載方法を説明
するための説明図であって、(イ)は、構造物施工装置
が搬送車両に搭載される直前の状態、(ロ)は、構造物
施工装置が搬送車両に搭載されつつある状態、(ハ)
は、構造物施工装置が搬送車両に搭載された状態をそれ
ぞれ示している。
【図10】構造物施工装置を用いて縦置き状態の構造体
を90°横転させる横転方法を説明するための説明図で
あり、(イ)は、構造体が縦置き姿勢のまま構造体横転
装置により吊り上げられた状態、(ロ)の〜は、吊
り上げられた構造体が構造体横転装置の駆動で順次横転
される状態をそれぞれ示している。
【図11】構造物施工装置による構造体の縦穴H内への
据付け作業を説明するための説明図であり、(イ)は、
構造体を吊持した構造物施工装置が縦穴を跨いで位置設
定された状態、(ロ)は、構造体を縦穴に吊り降ろしつ
つある状態をそれぞれ示している。
【図12】構造物施工装置の旋回を説明するための平面
視の説明図であり、(イ)は、梁材が左右方向に延びる
ように構造物施工装置が位置設定された状態、(ロ)
は、梁材が前後方向に延びるように構造物施工装置が位
置設定された状態をそれぞれ示している。
【図13】本発明の構造物施工装置を用いた据付け作業
の作業域を示す平面視の説明図である。
【図14】本発明に係る構造物施工装置の他の実施形態
を示す斜視図である。
【図15】地下室構造体の施行方法を説明するための説
明図であり、(イ)は、縦穴近傍の作業域で構造物施工
装置が90°の方向変換を行う状態、(ロ)および
(ハ)は、縦穴を跨いだ構造物施工装置が構造体を吊り
降ろしつつある状態、(ニ)は、2組の地下室構造体の
施工が完了した状態をそれぞれ示している。
【図16】重量物の一種である地下室構造体を例示する
一部切欠き斜視図であり、(イ)は、上部構造体が下部
構造体に積層される直前の状態、(ロ)は、上部構造体
が下部構造体に積層された状態をそれぞれ示している。
【図17】従来の重量物の施工方法における施工現場の
クレーン車の配置を例示した平面図である。
【符号の説明】
1 構造物施工装置 10 搬送車両 11 車両本体 12 可傾荷台 13 水平軸 14 後部フレーム 2 支柱部材 21 下部支柱部材 22 上部支柱部材 23 上部支柱本体 23a 上部受け板 24 被嵌挿部材 24a 角孔 24b ストッパー支持筒体 25 油圧ストッパー 25a シリンダ 25b ピストンロッド 25c ブレーキ片 3 梁材 31 長尺開口 32 走行路 4 架台 41 デッキ部 41a 挿通孔 42 垂下部 42a 下部受け板 5 走行機構 51 駆動車輪支持板 51a 垂直軸 51b,58b スラストベアリング 52 駆動輪側垂下板 53 車軸 54 駆動輪 55 走行手段 55a 走行モータ(車輪駆動手段) 55b 駆動スプロケット 55c 従動スプロケット 55d 動力伝達チェーン 56 車輪方向変更手段 56a 方向変換モータ 56b ウォーム 56c ウォームギヤ 57 従動輪 57a 従動軸 58 従動車輪支持板 58a 垂直軸 59従動輪側垂下板 6 支柱伸縮手段(支柱上下動手段) 61 伸縮シリンダ 62 ピストンロッド 7 構造体昇降装置 71 チェーンブロック 71a ケーシング 71b 巻取りドラム 71c ホイストモータ 72 構造体横転装置(垂下長調節手段) 73 走行台車 73a 第1側板 73b 第2側板 73c 仕切板 74 横転用スプロケット 74a 支持軸 75 横転用チェーン(吊持条) 76 横転モータ 76a 減速機 77 台車走行モータ 78 車輪 78a 台車軸 8 発電機 9 油圧ユニット C チェーン R ロープ R1 フック H 縦穴 P 地下室構造体 P1 下部構造体 P2 上部構造体 P3 被係止突起 O 中心点 Z1 第1係止点 Z2 第2係止点 PA 第1地下室構造体 PA1 第1下部構造体 PA2 第1上部構造体 PB 第2地下室構造体 PB1 第2下部構造体 PB2 第2上部構造体 P4 歯止め凸状 P5 滑り凸条 B 基礎 B1 歯止め凹溝 B2 滑り凹溝 C チェーン(吊持条)
フロントページの続き Fターム(参考) 2E174 AA03 BA02 BA05 CA03 CA04 CA09 CA14 CA16 CA17 CA23 CA43 DA07 DA15 DA18 DA22 3F202 AA04 AB01 AB05 AC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊持した構造物を吊り降ろすことにより
    構造物を所定の位置に施工する用に供される構造物施工
    装置であって、互いに対向した一対の支柱部材および各
    支柱部材の頂部間に架設された梁材からなる門形架構体
    と、上記梁材に設けられた上記構造物を吊持する構造体
    昇降装置と、上記各支柱部材当り少なくとも1つの駆動
    車輪を備えた移動用の所定個数の車輪と、上記駆動車輪
    を駆動する駆動手段と、上記車輪の方向を変える車輪方
    向変更手段とが備えられ、上記構造体昇降装置には上記
    構造物の姿勢を縦置き姿勢から横置き姿勢に変化させる
    構造体横転装置が設けられ、この構造体横転装置は、横
    転用スプロケットと、この横転用スプロケットに掛け回
    されて両端部が垂下し、その両端部で上記構造物を吊持
    し得るようになっている横転用チェーンと、上記横転用
    スプロケットを駆動する横転モータとを備え、一方、構
    造物には、上記横転用チェーンの両端部がそれぞれ係止
    される第1及び第2の係止部が、縦置き姿勢にあるとき
    の構造物の壁面の一側部上方と他側部下方の、重心に対
    して互いに点対称となる位置に設けられていることを特
    徴とする構造物施工装置。
  2. 【請求項2】 上記支柱部材は、下部支柱部材と、この
    下部支柱部材に上下動可能に連設された上部支柱部材と
    から構成されているとともに、上部支柱部材を上下動さ
    せる支柱上下動手段を有していることを特徴とする請求
    項1記載の構造物施工装置。
  3. 【請求項3】 上記梁材は、各支柱部材間の有効長が可
    変になるように各支柱部材間に架設されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の構造物施工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の構造
    物施工装置を用いて構造物を施工する構造物施行方法で
    あって、外壁面が接地状態で荷降ろしされた構造物を上
    記門形架構体間で上記構造体昇降装置の構造体横転装置
    により吊り上げて横転する横転工程と、この横転工程で
    横転された構造物を門形架構体間で構造体昇降装置によ
    り吊り上げて構造物の施工位置まで移送する移送工程
    と、この移送工程で施工位置まで移送された門形架構体
    を、各支柱部材間に施工位置が位置するように位置設定
    する位置設定工程と、門形架構体が施工位置で位置設定
    された状態で上記構造体昇降装置の駆動により構造物を
    施工位置に吊り降ろす構造物吊降ろし工程とからなり、
    上記横転工程では、構造物の第1及び第2の係止部に上
    記横転用チェーンの両端部をそれぞれ係止するとともに
    構造物を吊り上げてから、上記横転モータにより上記横
    転用スプロケットを緩やかに回転させることにより構造
    物の姿勢を変化させることを特徴とする構造物施工方
    法。
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