JP2002160066A - 衝撃緩和圧接機構およびこれを利用するスポット溶接装置 - Google Patents

衝撃緩和圧接機構およびこれを利用するスポット溶接装置

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JP2002160066A
JP2002160066A JP2000359035A JP2000359035A JP2002160066A JP 2002160066 A JP2002160066 A JP 2002160066A JP 2000359035 A JP2000359035 A JP 2000359035A JP 2000359035 A JP2000359035 A JP 2000359035A JP 2002160066 A JP2002160066 A JP 2002160066A
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Keiwa Ryu
慶和 劉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポット溶接装置における可動電極のワーク
に対する接触当接時の衝撃を防止し、ワークに対する可
動電極の適正な圧接状態を保持する。 【解決手段】 スポット溶接装置における可動電極のよ
うに、流体圧作動シリンダ装置10によって進退移動さ
れるピストンロッド15,25等により保持される圧接
部材が、接触当接すべき対象物Wに対して迅速に移動当
接するように設定すると共に、圧接部材Sが対象物Wの
表面に接触当接する際の適正な移動停止と、対象物Wへ
の迅速な加圧保持状態への移行を達成することによっ
て、対象物Wに対する圧接部材Sの接触当接に際しての
衝撃を緩和・防止し得ると共に、対象物Wに対する変形
や損傷の発生を防止する。また、圧接部材(S)をその
圧接対象物(W)に対して進退移動させるよう構成し、
圧接部材(S)を圧接対象物(W)の表面に接触当接す
る際に、圧接部材(S)の前進を直ちに緩衝停止させる
と共に圧接対象物(W)の表面を圧接保持するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば流体圧によ
りピストンロッド等を進退移動させるように構成した流
体圧作動シリンダ装置等を使用して、前記ピストンロッ
ドの先端部に所要の圧接部材を設けて、この圧接部材を
所要の圧接対象物に突出させて当接すると共に、この圧
接部材による当接を加圧状態に維持するように設定した
圧接機構おいて、前記圧接部材の先端が圧接対象物に突
出して当接する際の衝撃を適正に緩和して、前記圧接対
象物に対する変形および損傷等を有効に防止することが
できる衝撃緩和圧接機構に関し、特に、前記流体圧作動
シリンダ装置を適用して圧接部材としての可動電極を圧
接対象物であるワークの溶接部位(ナゲット)に当接
し、圧接するように構成したスポット溶接装置に有効に
利用することができる、衝撃緩和圧接機構を備えたスポ
ット溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、従来のスポット溶接装置は、スポ
ット溶接の対象物であるワークの溶接部位(ナゲット)
の表裏において、それぞれ一対の電極の先端によって当
接挾持し、これら電極の先端に高い圧接力を付与すると
共に、通電を行うことにより発生するジュール熱によっ
て、前記溶接部位を接合するように構成されている。例
えば、この種のスポット溶接装置として、流体圧作動シ
リンダ装置において進退動作するピストンロッドの先端
部に移動電極を取付け、前記流体圧作動シリンダ装置の
外部ケーシングの一部にC形ヨークからなる電極固定ア
ームの一端を取付けると共に、その他端に前記移動電極
と対向するように固定電極を取付けて、前記固定電極上
にワークを載置固定して所要のスポット溶接を行うよう
に構成したものが知られている(実開平5−49181
号公報)。
【0003】このように構成されたスポット溶接装置
は、まず固定電極に対し移動電極が離間した状態で待機
し、この状態において前記固定電極の先端部上にワーク
の溶接部位がセットされた後、流体圧作動シリンダ装置
の作用により移動電極がワークに対し突出してこれに当
接すると共に、前記固定電極との間でワークの溶接部位
を圧接挾持し、前記両電極間において通電を行うことに
よって、スポット溶接を達成するものである。
【0004】しかるに、前記可動電極を突出移動させる
場合において、溶接作業の効率化を図るため、その移動
速度を早めると、可動電極がワークに到達した際には、
ワーク表面に大きな衝撃を与え、ワーク表面に窪み等の
変形やワークに対する部分的な損傷ないし電極の破損等
を生じさせる。この結果、溶接製品としての品質を著し
く低下させるばかりでなく、スポット溶接装置の電極の
消耗も早める難点がある。
【0005】このような難点を回避するため、可動電極
を保持する流体圧作動シリンダ装置のピストンロッドの
ストローク量を制御することによって、可動電極がワー
ク表面に急激な勢いで当接する際の衝撃を緩和し、ワー
クの変形や電極の破損等を防止することができる溶接機
における電極ストローク制御装置が提案されている(特
開平7−1154号公報)。
【0006】すなわち、前記提案に係る電極ストローク
制御装置は、可動アームに接続された電極保持部材の先
端に取付けられた可動電極のストロークを制御する装置
であって、可動アームの先端部に、この可動アームとの
間隙が調整可能に配置された電極保持部材を、調整ナッ
トにより保持させると共に、この可動アームの先端部と
電極保持部材との間に、スプリングを配置し、さらに前
記電極保持部材に可動電極のタッチセンサを配置して、
可動アームのワークへの当接動作がソフトタッチとなる
ように制御するよう構成したものである。
【0007】また、代案として、流体圧作動シリンダ装
置を2段構成とし、可動電極の移動速度の制御調整を行
うよう設定して、可動電極の先端がワーク表面に到達し
接触する前に移動速度を遅くして、ワークに対する衝撃
を緩和するように構成したものも提案されている(例え
ば、実開平5−49181号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来における衝撃緩和圧接機構においては、いずれも
機構的に複雑となるばかりでなく、特にスポット溶接時
において、可動電極と固定電極との間にワークを保持し
て所定の圧力で加圧しながら挾持する必要があることか
ら、前記移動速度の制御調整機構を設けると共に、ワー
ク表面に到達した後の可動電極に対する加圧手段も付設
する必要があり、装置構成が一層複雑なものとなる難点
がある。
【0009】なお、スポット溶接に際しては、ワークに
対する固定電極と可動電極との相互による加圧力と、通
電に際して電極に供給する電流の大きさ等の調整制御と
は、極めて重要であるが、前述した従来の加圧手段等に
よる加圧力の増大は、可動電極の速度の増大を伴うこと
から、ワークにおける歪形の発生要因となる難点があっ
た。
【0010】そのため、スポット溶接に際しては、以下
の3点が解決されなければならない問題点となってい
る。すなわち、第1は、可動電極がワークに高速で接触
当接する瞬間にワーク表面に対する衝撃を小さくし、ワ
ークにおける溶接点の歪形等の発生を防止することであ
る。第2は、可動電極の先端部とワーク表面との接触当
接する瞬間に、高速移動のための作動流体圧を加圧用に
変換させて、所定の加圧力となるように設定することで
ある。第3は、可動電極の先端部の磨耗によるストロー
クの変動を、自動的に調整設定することである。以上の
3点が、スポット溶接装置による溶接製品の品質に、直
接影響を与える技術的な問題点とされているのである。
【0011】そこで、本発明は、前述したような従来技
術に存在した種々の問題点を解決すべく提案されたもの
であり、例えば前述したスポット溶接装置における可動
電極のように、流体圧作動シリンダ装置によって進退移
動されるピストンロッド等により保持される圧接部材
が、接触当接すべき圧接対象物に対して迅速に移動当接
するように設定すると共に、前記圧接部材が前記圧接対
象物の表面に接触当接する際の適正な移動停止と、前記
対象物への迅速な加圧保持状態への移行を達成すること
によって、前記圧接対象物に対する圧接部材の接触当接
に際しての衝撃を有効に緩和ないし防止し得ると共に、
圧接対象物に対する変形や損傷の発生を防止することが
できる衝撃緩和圧接機構を提供することにある。
【0012】そして、本発明においては、前記衝撃緩和
圧接機構を利用することにより、スポット溶接装置にお
ける可動電極のワークに対する接触当接に際しての衝撃
を有効に防止すると共に、ワークに対する可動電極の適
正な圧接状態を保持して、良品質の溶接製品を得ること
ができるスポット溶接を達成するスポット溶接装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る衝撃緩和圧接機構は、圧接部材
(S)をその対象物(W)に対して進退移動させるよう
構成し、圧接部材(S)を対象物(W)の表面に接触当
接する際に、前記圧接部材(S)の前進を直ちに緩衝停
止させると共に前記対象物(W)の表面を圧接保持する
ように構成したことを特徴とする。すなわち、本発明に
係る衝撃緩和圧接機構は、圧接部材を圧接対象物に対し
て接触当接し得るよう進退移動させるよう構成すると共
に、前記圧接部材が圧接対象物に接触当接した際にこの
状態を検知し、前記圧接部材による衝撃の緩和と共にそ
の移動を停止させ、さらに圧接部材を加圧して圧接状態
を保持しながら、前記圧接対象物に各種の機械加工を施
し、その後前記圧接部材を圧接対象物から離反させて待
機するよう構成したことを特徴とする。また、前記衝撃
緩和圧接機構は、圧接部材を圧接対象物に対して接触当
接し得るよう進退移動させる流体圧作動シリンダ装置を
設け、この流体圧作動シリンダ装置のピストンロッドの
先端部を圧接部材として形成すると共に、この圧接部材
の進退移動する軸線上に圧接対象物を固定配置し、前記
ピストンロッドの一部に前記圧接部材が圧接対象物に接
触当接した状態を検知するセンサを設け、さらに前記ピ
ストンロッドの一部に前記圧接部材による衝撃の緩和と
共にその移動を停止させるブレーキ機構を設け、記ブレ
ーキ機構と流体圧作動シリンダ装置との機能により前記
圧接部材を加圧して圧接状態を保持しながら、前記圧接
対象物に各種の機械加工を施すように構成することがで
きる。この場合、前記流体圧作動シリンダ装置は、メイ
ンシリンダと、このメインシリンダに組み込まれるサブ
シリンダとから構成し、メインシリンダのメインピスト
ンロッドの中空内部にサブシリンダのサブピストンロッ
ドをばね作用により弾力的に移動可能に挿通配置し、前
記メインピストンロッドの先端部に前記サブピストンロ
ッドに対しその移動を停止させるブレーキ機構を取付
け、さらに前記メインピストンロッドの一部に前記サブ
ピストンロッドとの位置変位を検出するための位置セン
サを設けて、前記サブピストンロッドの先端部に形成し
た圧接部材が圧接対象物に対して接触当接した際に前記
圧接部材による衝撃の緩和と共に移動の停止を行うよう
構成することができる。また、前記メインシリンダのシ
リンダケースの外周部に、サブピストンロッドの先端部
に形成した圧接部材が圧接対象物に対して接触当接する
状態でのメインピストンの移動位置よりも若干前進位置
に対応するように位置センサを設けて、圧接部材の破損
等の異常状態を検出するよう構成することができる。一
方、前記ブレーキ機構は、ばね弾力と流体圧との相互作
用により楔効果を発揮するようにした構成することがで
きる。この場合、前記ブレーキ機構は、前記サブピスト
ンロッドを囲繞するように構成した流体圧ケーシングを
備え、この流体圧ケーシングの内部にテーパ内径部を有
する可動スリーブを挿通配置し、この可動スリーブの一
端側をばね手段により保持すると共に、他端側にピスト
ンを当接配置して前記流体圧ケーシング内の一部に流体
室を画成し、さらに前記可動スリーブのテーパ内径部と
サブピストンロッドとの間にブレーキシューを介して大
小複数の鋼球を収納配置し、前記流体室内に所用の作動
流体を供給し前記ばね手段のばね作用に抗して可動スリ
ーブを移動させることによりブレーキ動作を解除し、前
記流体室内の作動流体を排出して前記ばね手段のばね作
用によりブレーキ動作を行うように構成することができ
る。さらに、前記メインシリンダのメインピストンロッ
ドに設ける前記ブレーキ機構は、メインシリンダのシリ
ンダケースの外部または内部の適所に設けることができ
る。そして、前記メインシリンダのメインピストンの一
側部に突出するよう接続されるメインピストンロッドの
中空内部に、サブピストンロッドを移動自在に挿通配置
し、このサブピストンロッドのメインピストン側の一端
部側にばね手段を設けて弾力的に保持すると共に、サブ
ピストンロッドの圧接部材側の他端部側に作用するよう
に前記メインピストンロッドの先端部にブレーキ機構を
設けることができる。また、前記メインシリンダのメイ
ンピストンの両側部に突出するよう接続されるメインピ
ストンロッドの中空内部に、サブピストンロッドを移動
自在に挿通配置し、サブピストンロッドの一端部側に作
用するようにメインピストンロッドの先端部にブレーキ
機構を設けると共に、サブピストンロッドの圧接部材側
の他端部側を弾力的に保持するように前記メインピスト
ンロッドの先端部との間にばね手段を設けることもでき
る。本発明に係る前記衝撃緩和圧接機構を利用したスポ
ット溶接装置は、可動電極を固定電極に固定保持された
ワークに対して接触当接し得るよう進退移動させるよう
構成すると共に、前記可動電極がワークの表面に接触当
接した際にこの状態を検知し、前記可動電極による衝撃
の緩和と共にその移動を停止させ、さらに可動電極を加
圧して圧接状態を保持しながら、前記ワークに対しスポ
ット溶接を行い、その後前記可動電極をワークから離反
させて待機するよう構成することを特徴とする。また、
前記スポット溶接装置は、可動電極を固定電極に固定保
持されたワークに対して接触当接し得るよう進退移動さ
せる流体圧作動シリンダ装置を設け、この流体圧作動シ
リンダ装置のピストンロッドの先端部に可動電極を取付
けると共に、この可動電極の進退移動する軸線上に固定
電極により保持したワークを固定配置し、前記ピストン
ロッドの一部に前記可動電極がワークに接触当接した状
態を検知するセンサを設け、さらに前記ピストンロッド
の一部に前記可動電極による衝撃の緩和と共にその移動
を停止させるブレーキ機構を設け、前記ブレーキ機構と
流体圧作動シリンダ装置との機能により前記可動電極を
加圧して圧接状態を保持しながら、前記ワークにタイシ
スポット溶接を行うように構成することができる。この
場合、前記流体圧作動シリンダ装置は、メインシリンダ
と、このメインシリンダに組み込まれるサブシリンダと
から構成し、メインシリンダのメインピストンロッドの
中空内部にサブシリンダのサブピストンロッドをばね作
用により弾力的に移動可能に挿通配置し、前記メインピ
ストンロッドの先端部に前記サブピストンロッドに対し
その移動を停止させるブレーキ機構を取付け、さらに前
記メインピストンロッドの一部に前記サブピストンロッ
ドとの位置変位を検出するための位置センサを設けて、
前記サブピストンロッドの先端部に取付けた可動電極が
ワークに対して接触当接した際に前記可動電極による衝
撃の緩和と共に移動の停止を行うよう構成することがで
きる。また、前記メインシリンダのシリンダケースの外
周部に、サブピストンロッドの先端部に取付けた可動電
極がワークに対して接触当接する状態でのメインピスト
ンの移動位置よりも若干前進位置に対応するように位置
センサを設けて、可動電極の脱落等の異常状態を検出す
るよう構成することができる。一方、前記ブレーキ機構
は、ばね弾力と流体圧との相互作用により楔効果を発揮
するようにした構成とすることができる。この場合、前
記ブレーキ機構は、前記サブピストンロッドを囲繞する
ように構成した流体圧ケーシングを備え、この流体圧ケ
ーシングの内部にテーパ内径部を有する可動スリーブを
挿通配置し、この可動スリーブの一端側をばね手段によ
り保持すると共に、他端側にピストンを当接配置して前
記流体圧ケーシング内の一部に流体室を画成し、さらに
前記可動スリーブのテーパ内径部とサブピストンロッド
との間にブレーキシューを介して大小複数の鋼球を収納
配置し、前記流体室内に所用の作動流体を供給し前記ば
ね手段のばね作用に抗して可動スリーブを移動させるこ
とによりブレーキ動作を解除し、前記流体室内の作動流
体を排出して前記ばね手段のばね作用によりブレーキ動
作を行うように構成することができる。さらに、前記メ
インシリンダのメインピストンロッドに設ける前記ブレ
ーキ機構は、メインシリンダのシリンダケースの外部ま
たは内部の適所に設けることができる。そして、前記メ
インシリンダのメインピストンの一側部に突出するよう
接続されるメインピストンロッドの中空内部に、サブピ
ストンロッドを移動自在に挿通配置し、このサブピスト
ンロッドのメインピストン側の一端部側にばね手段を設
けて弾力的に保持すると共に、サブピストンロッドの可
動電極側の他端部側に作用するように前記メインピスト
ンロッドの先端部にブレーキ機構を設けることができ
る。また、前記メインシリンダのメインピストンの両側
部に突出するよう接続されるメインピストンロッドの中
空内部に、サブピストンロッドを移動自在に挿通配置
し、サブピストンロッドの一端部側に作用するようにメ
インピストンロッドの先端部にブレーキ機構を設けると
共に、サブピストンロッドの可動電極側の他端部側を弾
力的に保持するように前記メインピストンロッドの先端
部との間にばね手段を設けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、本発
明の要部である衝撃緩和圧接機構を備えたスポット溶接
装置の概略構成をそれぞれ例示して、その動作と共に説
明する。
【0015】実施の形態1 図1ないし図6は、本発明に係るスポット溶接装置の一
実施の形態を示すものである。図1ないし図6におい
て、参照符号10は、スポット溶接装置における可動電
極Sを進退移動させて、溶接対象物であるワークWを固
定電極Fと共に挾持して溶接するための進退移動機構と
しての流体圧作動シリンダ装置を示す。この流体圧作動
シリンダ装置10は、メインシリンダ12とサブシリン
ダ22とを一体的に備えた構成からなり、前記メインシ
リンダ12はシリンダケース13内にメインピストン1
4およびその一側部に突出するよう接続されるメインピ
ストンロッド15が移動自在に挿通配置されており、こ
のメインピストンロッド15の中空内部にサブシリンダ
22が組み込まれた構成を有している。
【0016】メインシリンダ12のシリンダケース13
においては、メインピストン14により上部流体室12
aと下部流体室12bとに画成され、各流体室12a、
12bに所要の作動流体を供給ないし排出するための流
体給排口16、17がそれぞれ設けられている。なお、
前記メインピストン14のシリンダケース13と内接す
る外周部には、シール部材14aおよびO−リング14
bが設けられると共に、前記シリンダケース13の下部
においてメインピストンロッド15を挿通する部分に
も、シール部材15aおよびO−リング15bが設けら
れている。
【0017】そして、前記メインピストンロッド15の
中空内部には、圧縮コイルばね23を介してサブピスト
ン24およびこれに接続されるサブピストンロッド25
が移動自在に挿通配置され、前記圧縮コイルばね23に
より前記サブピストン24を上方(後退方向)に弾力保
持してなる前記サブシリンダ22を構成している。この
場合、前記サブピストンロッド25は、メインピストン
ロッド15の先端部に設けたブレーキ機構20を介して
外部に突出した構成からなり、その突出した先端部には
可動電極Sが着脱可能に取付けられている。
【0018】一方、前記メインピストンロッド15の先
端部に設けたブレーキ機構20は、流体圧ケーシング2
6を備え、このケーシング26の内部に、前記サブピス
トンロッド25を囲繞するようにテーパ内径部28aを
有する可動スリーブ28が挿通配置され、この可動スリ
ーブ28上側(後退側)は圧縮コイルばね23で保持す
ると共に、下端(前進端)はピストン27に当接し、こ
のピストン27によって画成された流体圧ケーシング2
6の下部流体室26bに所要の作動流体を供給ないし排
出するための流体給排口26aを設けた構成からなる。
さらに、前記可動スリーブ28のテーパ内径部28a
は、上方(後退方向)に対し次第に内径が小さくなるよ
う形成し、このテーパ内径部28aと前記サブピストン
ロッド25との間には、サブピストンロッド25側にブ
レーキシュー29を介して大径の鋼球30Aと小径の鋼
球30Bとをそれぞれ適宜数収納配置する。
【0019】従って、このように構成したブレーキ機構
20は、流体給排口26aより下部流体室26bに所要
の作動流体を供給して加圧することにより、可動スリー
ブ28が圧縮コイルばね23の弾力に抗して上方へ押し
上げられる場合には、前記テーパ内径部28aにおける
鋼球30A、30Bの転動を許容して、前記サブピスト
ンロッド25を自由に移動させることを可能とする。す
なわち、ブレーキ解除状態とすることができる。これに
対し、下部流体室26b内の加圧を解除することによ
り、可動スリーブ28は圧縮コイルばね23の作用によ
り、下方へ押し下げられ、前記テーパ内径部28aの楔
作用により前記鋼球30A、30Bの転動を阻止して、
前記サブピストンロッド25の移動を停止させることを
可能とする。すなわち、ブレーキ状態とすることができ
る。
【0020】なお、図において、参照符号24aはサブ
ピストン24の外周部に設けたシール部材、参照符号2
5aはブレーキ機構20における流体圧ケーシング26
のサブピストン24が挿通する部分に設けたシール部材
をそれぞれ示す。
【0021】また、図1においては、メインシリンダ1
2の下部流体室12b内に所要の作動流体を供給して加
圧して、メインピストン14を上方へ押し上げると共
に、ブレーキ機構20下部流体室26b内にも所要の作
動流体を供給して加圧して、ブレーキ解除状態とし、サ
ブピストンロッド25および可動電極の前進を待機する
状態に設定したものである。そして、この場合、メイン
ピストンロッド15の先端部側の外周に位置センサ32
を取付けると共に、サブピストンロッド25の前記位置
センサ32と対向する位置に、例えばマグネット等の位
置検出素子33を固定配置する。さらに、メインシリン
ダ12のシリンダケース13の下部外周には、下部流体
室12bのほぼ底面と対応する位置に、位置センサ34
を取付ける。
【0022】次に、前記構成からなる本実施の形態の衝
撃緩和圧接機構を備えたスポット溶接装置の動作につ
き、図1ないし図6を順次参照しながら説明する。
【0023】(1)可動電極Sの待機状態と固定電極上
へのワークWのセット まず、図1は、サブピストンロ12ド25の先端部に取
付けた可動電極Sの待機状態を示すものである。すなわ
ち、メインシリンダ12のメインピストン14は、最も
上方の後退位置に保持されると共に、ブレーキ機構20
に対しては流体圧ケーシング26の下部流体室26b内
に流体給排口26aより所要の作動流体が供給されて可
動スリーブ28を上方に押し上げてブレーキ解除状態に
保持されている。そして、この状態において、固定電極
Fの上端部に溶接対象物としてのワークWを適宜セット
する。
【0024】(2)可動電極SがワークWに接触当接す
るまで前進移動 次いで、図2に示すように、メインシリンダ12の上部
流体室12aに対し流体給排口16より所要の作動流体
を供給し、メインピストン14およびメインピストンロ
ッド15を所要の速度で下方へ移動させ、前記メインピ
ストンロッド15より突出しているサブピストンロッド
25の先端部に取付けた可動電極Sが、ワークWの表面
に接触当接するまで前進させる。
【0025】(3)可動電極SのワークWとの当接検知
とブレーキ動作および通電溶接動作 このようにして、所要の速度で可動電極Sの先端がワー
クWの表面に接触当接した際には、図3に示すように、
サブピストンロッド25はその前進が阻止されるが、サ
ブシリンダ22に設けられた圧縮コイルばね23の作用
により、弾力的に保持されているため、メインピストン
ロッド15のみが慣性による若干の前進下動が許容さ
れ、可動電極Sに対する衝撃は緩和される。この時、前
記にメインピストンロッド15の慣性による若干の前進
下動に際し、位置センサ32と位置変位素子33との対
応位置が変位して、この状態を位置センサ32が感知す
ることによって、可動電極SがワークWに当接したこと
を検出することができる。
【0026】従って、この場合の位置センサ32の検出
信号に基づいて、ブレーキ機構20の流体給排口26a
に対し供給されている作動流体を排出するように指令す
ることにより、可動スリーブ28を下方に押し下げてブ
レーキ動作状態とすることができる。これにより、サブ
ピストンロッド25はメインピストンロッド15と結合
状態となり、メインシリンダ12の上部流体室12a内
に作用している所要の作動流体の流体圧力によって、可
動電極SはワークWの表面を固定電極Fとの間において
適正に圧接保持することができる。
【0027】そして、前記ワークWを圧接挾持している
可動電極Sと固定電極Fとの間において、所要の電流強
度により通電を行うことにより、ワークWに対するスポ
ット溶接を容易に達成することができる。
【0028】(4)可動電極Sのブレーキ動作状態での
待機位置への復帰動作 ワークWに対するスポット溶接が完了した際には、図4
に示すように、ブレーキ機構20をブレーキ動作状態と
したままで、メインシリンダ12の下部流体室12bに
対し流体給排口17より所要の作動流体を供給し、メイ
ンピストン14およびメインピストンロッド15を所要
の速度で上方へ移動させ、前記メインピストンロッド1
5と結合状態のサブピストンロッド25の先端部に取付
けられている可動電極Sを、ワークWの表面から離反さ
せ後退させる。
【0029】(5)可動電極Sの待機位置でのブレーキ
動作の解除と待機状態への移行 このようにして、前記可動電極Sを当初の待機位置(図
1参照)まで後退させた際には、図5に示すように、ブ
レーキ機構20に対して、流体圧ケーシング26の下部
流体室26b内に流体給排口26aより所要の作動流体
を供給して、可動スリーブ28を上方に押し上げてブレ
ーキ解除状態に保持する。従って、この状態は、前記図
1に示す場合と同様の可動電極Sの待機状態を示すもの
である。仍って、以下前述した動作を反復することによ
り、種々のワークWに対するスポット溶接作業を連続的
に達成することができる。
【0030】(6)可動電極SがワークWと当接できな
い異常状態の検知動作 図6は、前記(2)、(3)項の動作において、サブピ
ストンロッド25の先端部に取付けた可動電極Sが、何
等かの原因により脱落した場合等のように、通常の動作
で可動電極SがワークWと当接できない異常状態が発生
した場合を示すものである。この場合、前記サブピスト
ンロッド25の先端部は、メインシリンダ12のメイン
ピストン14がシリンダケース13内部の底部(最前
部)に達しても、ワークWに接触当接しないため、位置
センサ32による検出動作を行うことができない。そこ
で、本実施例においては、メインピストン14の一部
に、適宜マグネット等の位置変位素子(図示せず)を埋
設しておくことにより、メインシリンダ12のシリンダ
ケース13の下部外周に取付けた位置センサ34によ
り、前記メインピストン14が接近したことを感知し
て、前記異常状態の検出を行うことができる。従って、
前記位置センサ34の検出信号に基づいて、メインシリ
ンダ12に対する所要の作動流体の供給を停止すること
によって、装置の安全動作を確保することができる。
【0031】実施の形態2 図7ないし図12は、本発明に係る衝撃緩和圧接機構を
備えたスポット溶接装置の別の実施の形態を示すもので
ある。なお、説明の便宜上、前述した図1ないし図6に
示す実施の形態1と同一の構成要素については、同一の
参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0032】すなわち、図7ないし図12において、本
実施例のスポット溶接装置においては、メインシリンダ
12のメインピストン14に対し、その両側部に突出す
るよう接続されるメインピストンロッド15を移動自在
に挿通配置し、上方(後退方向)に突出するメインピス
トンロッド15の先端部にはブレーキ機構20を設ける
と共に、メインピストンロッド15の中空内部にサブピ
ストンロッド25を挿通配置して、このサブピストンロ
ッド25の上端を係止端部25cとして前記ブレーキ機
構20に係止する。また、前記サブピストンロッド25
の下端を前記メインピストンロッド15の下方(前進方
向)より外部に突出させ、その先端部に可動電極Sを着
脱可能に取付けるよう構成する。そして、前記外部に突
出したサブピストンロッド25の一部にフランジ部2
4′を設けて、このフランジ部24′と前記メインピス
トンロッド15の下端部との間に圧縮コイルばね23′
を介挿して、前記サブピストンロッド25を上方(後退
方向)に弾力保持してなるサブシリンダ22を構成して
いる。
【0033】また、本実施の形態においては、ブレーキ
機構20の内部構成が、前記実施例1の場合と比較し
て、反転した構成となっている。従って、流体圧ケーシ
ング26内に形成される流体室は上方に設けられ、上部
流体室26bとなるが、その動作については前述した実
施の形態1とまったく同様の機能を発揮する。その他の
構成は、基本的に前述した実施の形態1に記載のスポッ
ト溶接装置と同様である。
【0034】次に、前記構成からなる本実施の形態の衝
撃緩和圧接機構を備えたスポット溶接装置の動作につ
き、図7ないし図12を順次参照しながら説明する。
【0035】(1)可動電極Sの待機状態と固定電極上
へのワークWのセット まず、図7は、サブピストンロッド25の先端部に取付
けた可動電極Sの待機状態を示すものである。すなわ
ち、メインシリンダ12のメインピストン14は、最も
上方の後退位置に保持されると共に、ブレーキ機構20
に対しては流体圧ケーシング26の上部流体室26b内
に流体給排口26aより所要の作動流体が供給されて可
動スリーブ28を上方に押し上げてブレーキ解除状態に
保持されている。そして、この状態において、固定電極
Fの上端部に溶接対象物としてのワークWを適宜セット
する。
【0036】(2)可動電極SがワークWに接触当接す
るまで前進移動 次いで、図8に示すように、メインシリンダ12の上部
流体室12aに対し流体給排口16より所要の作動流体
を供給し、メインピストン14およびメインピストンロ
ッド15を所要の速度で下方へ移動させ、前記メインピ
ストンロッド15より突出しているサブピストンロッド
25の先端部に取付けた可動電極Sが、ワークWの表面
に接触当接するまで前進させる。
【0037】(3)可動電極SのワークWとの当接検知
とブレーキ動作および通電溶接動作 このようにして、所要の速度で可動電極Sの先端がワー
クWの表面に接触当接した際には、図9に示すように、
サブピストンロッド25はその前進が阻止されるが、サ
ブシリンダ22に設けられた圧縮コイルばね23′の作
用により、弾力的に保持されているため、メインピスト
ンロッド15のみが慣性による若干の前進下動が許容さ
れ、可動電極Sに対する衝撃は緩和される。この時、前
記にメインピストンロッド15の慣性による若干の前進
下動に際し、位置センサ32と位置変位素子33との対
応位置が変位して、この状態を位置センサ32が感知す
ることによって、可動電極SがワークWに当接したこと
を検出することができる。
【0038】従って、この場合の位置センサ32の検出
信号に基づいて、ブレーキ機構20の流体給排口26a
に対し供給されている作動流体を排出するように指令す
ることにより、可動スリーブ28を下方に押し下げてブ
レーキ動作状態とすることができる。これにより、サブ
ピストンロッド25はメインピストンロッド15と結合
状態となり、メインシリンダ12の上部流体室12a内
に作用している所要の作動流体の流体圧力によって、可
動電極SはワークWの表面を固定電極Fとの間において
適正に圧接保持することができる。
【0039】そして、前記ワークWを圧接挾持している
可動電極Sと固定電極Fとの間において、所要の電流強
度により通電を行うことにより、ワークWに対するスポ
ット溶接を容易に達成することができる。
【0040】(4)可動電極Sのブレーキ動作状態での
待機位置への復帰動作 ワークWに対するスポット溶接が完了した際には、図1
0に示すように、ブレーキ機構20をブレーキ動作状態
としたままで、メインシリンダ12の下部流体室12b
に対し流体給排口17より所要の作動流体を供給し、メ
インピストン14およびメインピストンロッド15を所
要の速度で上方へ移動させ、前記メインピストンロッド
15と結合状態のサブピストンロッド25の先端部に取
付けられている可動電極Sを、ワークWの表面から離反
させ後退させる。
【0041】(5)可動電極Sの待機位置でのブレーキ
動作の解除と待機状態への移行 このようにして、前記可動電極Sを当初の待機位置(図
7参照)まで後退させた際には、図11に示すように、
ブレーキ機構20に対して、流体圧ケーシング26の上
部流体室26b内に流体給排口26aより所要の作動流
体を供給して、可動スリーブ28を上方に押し上げてブ
レーキ解除状態に保持する。従って、この状態は、前記
図7に示す場合と同様の可動電極Sの待機状態を示すも
のである。仍って、以下前述した動作を反復することに
より、種々のワークWに対するスポット溶接作業を連続
的に達成することができる。
【0042】(6)可動電極SがワークWと当接できな
い異常状態の検知動作 図12は、前記(2)、(3)項の動作において、サブ
ピストンロッド25の先端部に取付けた可動電極Sが、
何等かの原因により脱落した場合等のように、通常の動
作で可動電極SがワークWと当接できない異常状態が発
生した場合を示すものである。この場合、前記サブピス
トンロッド25の先端部は、メインシリンダ12のメイ
ンピストン14がシリンダケース13内部の底部(最前
部)に達しても、ワークWに接触当接しないため、位置
センサ32による検出動作を行うことができない。そこ
で、本実施例においては、メインピストン14の一部
に、適宜マグネット等の位置変位素子(図示せず)を埋
設しておくことにより、メインシリンダ12のシリンダ
ケース13の下部外周に取付けた位置センサ34によ
り、前記メインピストン14が接近したことを感知し
て、前記異常状態の検出を行うことができる。従って、
前記位置センサ34の検出信号に基づいて、メインシリ
ンダ12に対する所要の作動流体の供給を停止すること
によって、装置の安全動作を確保することができる。
【0043】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は前記各実施の形態に限定されるこ
となく、例えばメインピストンロッドに対して設けるブ
レーキ機構については、メインシリンダの上下外部の任
意の位置に配置し得るばかりでなく、メインシリンダの
シリンダケースの内部に配置することも可能である。ま
た、ブレーキ機構の内部構成についても、前述した実施
の形態に限定されることなく、ばね弾力と流体圧との相
互作用により楔効果を発揮するようにした種々の構成か
らなるものを採用することができるばかりでなく、その
他の構成からなるブレーキ機構の採用も可能である。そ
の他、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多く
の設計変更を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】前述した実施の形態からも明らかなよう
に、本発明においては、例えば溶接その他の各種の機械
加工における流体機器を使用した場合、ワークWに対し
当接する可動の圧接部材(S)による衝撃を緩和ないし
防止することができるものであり、また流体圧作動シリ
ンダ装置の作動で進退移動する圧接部材(S)の圧接対
象物(W)に対する一般的な衝撃緩和ないし衝撃防止手
段として広範囲に応用し得る汎用性に優れた圧接機構を
得ることができる。
【0045】そして、前述した実施の形態におけるスポ
ット溶接装置のように、流体圧作動シリンダ装置の作動
により移動する可動電極Sを、ワークWの表面に迅速に
移動して当接させる場合において、その接触当接に際し
てワークWに対する衝撃緩和ないし衝撃防止を実現しな
がら、可動電極Sの停止および加圧状態への移行を高精
度に行って、ワークWの表面における変形や損傷の発生
を防止することができる衝撃緩和圧接機構が得られる。
【0046】特に、本発明においては、前記実施の形態
におけるスポット溶接装置として構成した場合、可動電
極のワークに対する接触当接に際しての衝撃を有効に防
止すると共に、ワークに対する可動電極の適正な圧接状
態を保持して、簡単な構成により高精度のイコライジン
グ機能が発揮され、しかも可動電極の異常状態の検出等
による操作上の安全性も十分に確保されて、良品質の溶
接製品を量産化することができる等、多くの優れた利点
が得られる。
【0047】なお、本発明における衝撃緩和圧接機構
は、スポット溶接装置への適用のみならず、流体圧作動
シリンダ装置による各種の進退機構を備えた各種工作機
械の分野において利用できるものであり、進退する圧接
部材が突出動作して圧接対象物に当接するときの衝撃を
緩和し得ると同時に、当接したままで加圧状態に移行し
て、その状態を維持することができ、従来のように緩衝
させてから接触させることなく、接触と同時に緩衝させ
ることによって、当接時の衝撃を緩和してその位置決め
を高精度に実現し、位置決め後の各種加工を適正かつ迅
速に達成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衝撃緩和圧接機構を備えたスポッ
ト溶接装置の一実施の形態を示すものであって、可動電
極の待機状態における要部断面構造からなる概略側面図
である。
【図2】図1に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ワークへの電極接触当接状態)を示す概略
側面図である。
【図3】図1に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ワークヘの電極圧接およびブレーキ動作状
態)を示す概略側面図である。
【図4】図1に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ワークからの電極離反および復帰状態)を
示す概略側面図である。
【図5】図1に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ブレーキ動作の解除および待機状態)を示
す概略側面図である。
【図6】図1に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ワークのへの当接時の電極脱落状態)を示
す概略側面図である。
【図7】本発明に係る衝撃緩和圧接機構を備えたスポッ
ト溶接装置の別の実施の形態を示すものであって、可動
電極の待機状態における要部断面構造からなる概略側面
図である。
【図8】図7に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ワークへの電極接触当接状態)を示す概略
側面図である。
【図9】図7に示すスポット溶接装置における可動電極
の動作状態(ワークヘの電極圧接およびブレーキ動作状
態)を示す概略側面図である。
【図10】図7に示すスポット溶接装置における可動電
極の動作状態(ワークからの電極離反および復帰状態)
を示す概略側面図である。
【図11】図7に示すスポット溶接装置における可動電
極の動作状態(ブレーキ動作の解除および待機状態)を
示す概略側面図である。
【図12】図7に示すスポット溶接装置における可動電
極の動作状態(ワークへの当接時の電極脱落状態)を示
す概略側面図である。
【符号の説明】
S…可動電極 F…固定電極 W…ワーク(溶接対象物) 10…流体圧作動シリンダ装置 12…メインシ
リンダ 12a…上部流体室 12b…下部流
体室 13…シリンダケース 14…メインピ
ストン 14a…シール部材 14b…O−リ
ング 15…メインピストンロッド 15a…シール
部材 15b…O−リング 16,17…流
体給排口 20…ブレーキ機構 22…サブシリ
ンダ 23,23′…圧縮コイルばね 24…サブピス
トン 24′…フランジ部 24a…シール
部材 25…サブピストンロッド 25a…シール
部材 25b…シール部材 25c…係止端
部 26…流体圧ケーシング 26a…流体給
排口 26b…下部流体室(上部流体室) 27…ピストン 27a…シール部材 28…可動スリ
ーブ 28a…テーパ内径部 29…ブレーキ
シュー 30a…大径の鋼球 30b…小径の
鋼球 31…圧縮コイルばね 32…位置セン
サ 33…位置変位素子(マグネット) 34…位置セン

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧接部材を圧接対象物に対して接触当接
    し得るよう進退移動させるよう構成すると共に、前記圧
    接部材が圧接対象物に接触当接した際にこの状態を検知
    し、前記圧接部材による衝撃の緩和と共にその移動を停
    止させ、さらに圧接部材を加圧して圧接状態を保持しな
    がら、前記圧接対象物に各種の機械加工を施し、その後
    前記圧接部材を圧接対象物から離反させて待機するよう
    構成したことを特徴とする衝撃緩和圧接機構。
  2. 【請求項2】 圧接部材を圧接対象物に対して接触当接
    し得るよう進退移動させる流体圧作動シリンダ装置を設
    け、この流体圧作動シリンダ装置のピストンロッドの先
    端部を圧接部材として形成すると共に、この圧接部材の
    進退移動する軸線上に圧接対象物を固定配置し、前記ピ
    ストンロッドの一部に前記圧接部材が圧接対象物に接触
    当接した状態を検知するセンサを設け、さらに前記ピス
    トンロッドの一部に前記圧接部材による衝撃の緩和と共
    にその移動を停止させるブレーキ機構を設け、記ブレー
    キ機構と流体圧作動シリンダ装置との機能により前記圧
    接部材を加圧して圧接状態を保持しながら、前記圧接対
    象物に各種の機械加工を施すように構成したことを特徴
    とする衝撃緩和圧接機構。
  3. 【請求項3】 前記流体圧作動シリンダ装置は、メイン
    シリンダと、このメインシリンダに組み込まれるサブシ
    リンダとから構成し、メインシリンダのメインピストン
    ロッドの中空内部にサブシリンダのサブピストンロッド
    をばね作用により弾力的に移動可能に挿通配置し、前記
    メインピストンロッドの先端部に前記サブピストンロッ
    ドに対しその移動を停止させるブレーキ機構を取付け、
    さらに前記メインピストンロッドの一部に前記サブピス
    トンロッドとの位置変位を検出するための位置センサを
    設けて、前記サブピストンロッドの先端部に形成した圧
    接部材が圧接対象物に対して接触当接した際に前記圧接
    部材による衝撃の緩和と共に移動の停止を行うよう構成
    したことを特徴とする請求項2記載の衝撃緩和圧接機
    構。
  4. 【請求項4】 前記メインシリンダのシリンダケースの
    外周部に、サブピストンロッドの先端部に形成した圧接
    部材が圧接対象物に対して接触当接する状態でのメイン
    ピストンの移動位置よりも若干前進位置に対応するよう
    に位置センサを設けて、圧接部材の破損等の異常状態を
    検出するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の
    衝撃緩和圧接機構。
  5. 【請求項5】 前記ブレーキ機構は、ばね弾力と流体圧
    との相互作用により楔効果を発揮するようにした構成と
    することを特徴とする請求項3または4記載の衝撃緩和
    圧接機構。
  6. 【請求項6】 前記ブレーキ機構は、前記サブピストン
    ロッドを囲繞するように構成した流体圧ケーシングを備
    え、この流体圧ケーシングの内部にテーパ内径部を有す
    る可動スリーブを挿通配置し、この可動スリーブの一端
    側をばね手段により保持すると共に、他端側にピストン
    を当接配置して前記流体圧ケーシング内の一部に流体室
    を画成し、さらに前記可動スリーブのテーパ内径部とサ
    ブピストンロッドとの間にブレーキシューを介して大小
    複数の鋼球を収納配置し、前記流体室内に所用の作動流
    体を供給し前記ばね手段のばね作用に抗して可動スリー
    ブを移動させることによりブレーキ動作を解除し、前記
    流体室内の作動流体を排出して前記ばね手段のばね作用
    によりブレーキ動作を行うように構成したことを特徴と
    する請求項5記載の衝撃緩和圧接機構。
  7. 【請求項7】 前記メインシリンダのメインピストンロ
    ッドに設ける前記ブレーキ機構は、メインシリンダのシ
    リンダケースの外部または内部の適所に設けることを特
    徴とする請求項5または6記載の衝撃緩和圧接機構。
  8. 【請求項8】 前記メインシリンダのメインピストンの
    一側部に突出するよう接続されるメインピストンロッド
    の中空内部に、サブピストンロッドを移動自在に挿通配
    置し、このサブピストンロッドのメインピストン側の一
    端部側にばね手段を設けて弾力的に保持すると共に、サ
    ブピストンロッドの圧接部材側の他端部側に作用するよ
    うに前記メインピストンロッドの先端部にブレーキ機構
    を設けることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか
    に記載の衝撃緩和圧接機構。
  9. 【請求項9】 前記メインシリンダのメインピストンの
    両側部に突出するよう接続されるメインピストンロッド
    の中空内部に、サブピストンロッドを移動自在に挿通配
    置し、サブピストンロッドの一端部側に作用するように
    メインピストンロッドの先端部にブレーキ機構を設ける
    と共に、サブピストンロッドの圧接部材側の他端部側を
    弾力的に保持するように前記メインピストンロッドの先
    端部との間にばね手段を設けることを特徴とする請求項
    3ないし6のいずれかに記載の衝撃緩和圧接機構。
  10. 【請求項10】 可動電極を固定電極に固定保持された
    ワークに対して接触当接し得るよう進退移動させるよう
    構成すると共に、前記可動電極がワークの表面に接触当
    接した際にこの状態を検知し、前記可動電極による衝撃
    の緩和と共にその移動を停止させ、さらに可動電極を加
    圧して圧接状態を保持しながら、前記ワークに対しスポ
    ット溶接を行い、その後前記可動電極をワークから離反
    させて待機するよう構成することを特徴とするスポット
    溶接装置。
  11. 【請求項11】 可動電極を固定電極に固定保持された
    ワークに対して接触当接し得るよう進退移動させる流体
    圧作動シリンダ装置を設け、この流体圧作動シリンダ装
    置のピストンロッドの先端部に可動電極を取付けると共
    に、この可動電極の進退移動する軸線上に固定電極によ
    り保持したワークを固定配置し、前記ピストンロッドの
    一部に前記可動電極がワークに接触当接した状態を検知
    するセンサを設け、さらに前記ピストンロッドの一部に
    前記可動電極による衝撃の緩和と共にその移動を停止さ
    せるブレーキ機構を設け、前記ブレーキ機構と流体圧作
    動シリンダ装置との機能により前記可動電極を加圧して
    圧接状態を保持しながら、前記ワークにタイシスポット
    溶接を行うように構成したことを特徴とするスポット溶
    接装置。
  12. 【請求項12】 前記流体圧作動シリンダ装置は、メイ
    ンシリンダと、このメインシリンダに組み込まれるサブ
    シリンダとから構成し、メインシリンダのメインピスト
    ンロッドの中空内部にサブシリンダのサブピストンロッ
    ドをばね作用により弾力的に移動可能に挿通配置し、前
    記メインピストンロッドの先端部に前記サブピストンロ
    ッドに対しその移動を停止させるブレーキ機構を取付
    け、さらに前記メインピストンロッドの一部に前記サブ
    ピストンロッドとの位置変位を検出するための位置セン
    サを設けて、前記サブピストンロッドの先端部に取付け
    た可動電極がワークに対して接触当接した際に前記可動
    電極による衝撃の緩和と共に移動の停止を行うよう構成
    したことを特徴とする請求項11記載のスポット溶接装
    置。
  13. 【請求項13】 前記メインシリンダのシリンダケース
    の外周部に、サブピストンロッドの先端部に取付けた可
    動電極がワークに対して接触当接する状態でのメインピ
    ストンの移動位置よりも若干前進位置に対応するように
    位置センサを設けて、可動電極の脱落等の異常状態を検
    出するよう構成したことを特徴とする請求項12記載の
    スポット溶接装置。
  14. 【請求項14】 前記ブレーキ機構は、ばね弾力と流体
    圧との相互作用により楔効果を発揮するようにした構成
    とすることを特徴とする請求項12または13記載のス
    ポット溶接装置。
  15. 【請求項15】 前記ブレーキ機構は、前記サブピスト
    ンロッドを囲繞するように構成した流体圧ケーシングを
    備え、この流体圧ケーシングの内部にテーパ内径部を有
    する可動スリーブを挿通配置し、この可動スリーブの一
    端側をばね手段により保持すると共に、他端側にピスト
    ンを当接配置して前記流体圧ケーシング内の一部に流体
    室を画成し、さらに前記可動スリーブのテーパ内径部と
    サブピストンロッドとの間にブレーキシューを介して大
    小複数の鋼球を収納配置し、前記流体室内に所用の作動
    流体を供給し前記ばね手段のばね作用に抗して可動スリ
    ーブを移動させることによりブレーキ動作を解除し、前
    記流体室内の作動流体を排出して前記ばね手段のばね作
    用によりブレーキ動作を行うように構成したことを特徴
    とする請求項14記載のスポット溶接装置。
  16. 【請求項16】 前記メインシリンダのメインピストン
    ロッドに設ける前記ブレーキ機構は、メインシリンダの
    シリンダケースの外部または内部の適所に設けることを
    特徴とする請求項14または15記載のスポット溶接装
    置。
  17. 【請求項17】 前記メインシリンダのメインピストン
    の一側部に突出するよう接続されるメインピストンロッ
    ドの中空内部に、サブピストンロッドを移動自在に挿通
    配置し、このサブピストンロッドのメインピストン側の
    一端部側にばね手段を設けて弾力的に保持すると共に、
    サブピストンロッドの可動電極側の他端部側に作用する
    ように前記メインピストンロッドの先端部にブレーキ機
    構を設けることを特徴とする請求項12ないし15のい
    ずれかに記載のスポット溶接装置。
  18. 【請求項18】 前記メインシリンダのメインピストン
    の両側部に突出するよう接続されるメインピストンロッ
    ドの中空内部に、サブピストンロッドを移動自在に挿通
    配置し、サブピストンロッドの一端部側に作用するよう
    にメインピストンロッドの先端部にブレーキ機構を設け
    ると共に、サブピストンロッドの可動電極側の他端部側
    を弾力的に保持するように前記メインピストンロッドの
    先端部との間にばね手段を設けることを特徴とする請求
    項12ないし15のいずれかに記載のスポット溶接装
    置。
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