JPH1133820A - 鋸切断機のクランプ装置 - Google Patents

鋸切断機のクランプ装置

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JPH1133820A
JPH1133820A JP19750797A JP19750797A JPH1133820A JP H1133820 A JPH1133820 A JP H1133820A JP 19750797 A JP19750797 A JP 19750797A JP 19750797 A JP19750797 A JP 19750797A JP H1133820 A JPH1133820 A JP H1133820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋸切断機のクランプ装置として、切り込み途
上で鋸刃がワークの切込み溝に挟まれず、切断幅の大き
いワークであっても刃先が周回の戻り過程で切込み溝の
側面に接触せず、切断後の鋸刃を切断面に触れさせずに
直接に後退可能であり、傷のない良好な切断面が得ら
れ、鋸寿命が延びるものを提供する。 【解決手段】 ワークWをクランプする片側の加圧側バ
イス1が鋸刃進路3を挟んで並設された一対の可動バイ
ス10,10よりなり、各可動バイス10を個別に進退
させる油圧シリンダを備え、各可動バイス10のバイス
ジョー12は、ピストンロッド11aに連結された支持
ブロック13に、傾斜内外方向に沿って摺動可能に保持
され、その外向き移動に抗するばね材4が付設され、金
属ワークWの切断に際し、両可動バイス10,10にば
ね材4による抗力を越える押圧力を加えることにより、
鋸刃Sの切込みに伴ってバイスジョー12がワークWの
切込み溝gの拡開と共に外向き移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ワークを鋸刃
の進行によって切断する丸鋸切断機や帯鋸切断機等の鋸
切断機において、該ワークを切断位置で対向するバイス
間で挟み付けて固定するクランプ装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般的に、この種のクランプ装
置は、ワーク載置部上に載せた金属ワークを、油圧シリ
ンダを介して進退駆動する加圧側バイス(可動バイス)
と、これに対向する受圧側バイス(通常は固定バイス)
との間で挟み付けて固定するものであり、前記ワーク載
置部から両バイスにわたって切断方向に沿うスリット状
の鋸刃進路が構成されている。
【0003】ところで、このようなクランプ装置にてク
ランプした金属ワークを鋸切断する際、鋸刃がワークに
切り込んでゆく途上で、切込み溝の幅が素材の内部応力
によって狭まり、鋸刃が挟まれて摺接抵抗の増大による
切削の不安定化、鋸刃の駆動停止、切断面の荒れ、鋸寿
命の短縮等を招き易いという難点があった。特に大型ス
ラブ材(平板)を始めとする切断幅の大きいワークを丸
鋸によって切断する場合、図9に示すように、鋸刃Sに
よるワークWの切り込みがある程度まで進行すると、刃
先eが前方の切り込み位置から周回して戻る過程でワー
クWの切込み溝gを通過するため、上記のように切込み
溝gの幅が狭まると、摺接抵抗がより大きくなる上、切
込み溝gの側面が刃先eで削られることから、切断面の
平坦性が損なわれて切断品位の著しい低下をきたすとい
う問題があった。
【0004】また、丸鋸の刃先に超硬チップを固着した
チップソーによる切断では、超硬チップの幅が鋸円板の
厚みより大きいことから、切断幅の大きいワークを切断
対象とする場合に前記の刃先の戻り過程での切込み溝側
面の削れがより顕著になることに加え、切断後のソーヘ
ッドの後退時に超硬チップがワークの切断面に接触する
ため、切断面が傷つくと共に刃先の傷みも激しく、超硬
チップの欠け等で鋸刃の著しい短縮を招くという問題が
あった。しかして、このようなソーヘッド後退時の刃先
の接触を防止する手段として、切断後にワークのクラン
プを解除し、ワークの前端を切断位置から後方へ戻した
上でソーヘッドを後退させる方法や、ソーヘッド自体を
鋸刃が切断面から離間するように変位させた上で後退さ
せる方法もあるが、いずれもワーク送り機構やソーヘッ
ドの動作機構が複雑化するため、設備コストが著しく増
大するという欠点がある。
【0005】本発明は、上述の事情に鑑みて、鋸切断機
のクランプ装置として、切り込み途上で鋸刃がワークの
切込み溝に挟まれることなく、安定した滑らかな切り込
みによって能率よく切断でき、切断幅の大きいワークで
あっても、刃先が周回の戻り過程で切込み溝の側面に接
触することを回避でき、またチップソーによる切断にお
いても切断後のソーヘッドが刃先を切断面に触れさせず
に直接に後退可能であり、傷のない良好な切断面が得ら
れ、鋸刃を長寿命となし得るものを提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る鋸切断機のクランプ装置
は、図面の参照符号を付して示せば、加圧側バイス1と
受圧側バイス2との間で金属ワークWをクランプし、こ
のワークWを駆動する鋸刃Sの進行によって切断する鋸
切断機において、前記加圧側バイス1は、鋸刃進路3を
挟んで並設された一対の可動バイス10,10より構成
され、両可動バイス10,10を個別に鋸刃進行方向に
進退させる油圧シリンダ11,11を備え、各可動バイ
ス10のバイスジョー12は、前記油圧シリンダ11の
ピストンロッド11aに連結された支持ブロック13
に、鋸刃進路側を内側として、当該支持ブロック13の
内側から外側へ漸次後退する傾斜内外方向に沿って摺動
可能に保持されると共に、その外向き移動に抗するばね
材4が付設されてなり、金属ワークWの切断に際し、前
記油圧シリンダ11によって両可動バイス10,10に
前記ばね材4による抗力を越える押圧力を加えることに
より、鋸刃Sの切込みに伴って両バイスジョー12,1
2が該ワークWの切込み溝gの拡開と共に外向き移動す
るように構成されている。
【0007】上記構成においては、金属ワークWの切断
に際し、該ワークWを加圧側バイス1と受圧側バイス2
との間でクランプするが、このクランプ時に加圧側バイ
ス1の両可動バイス10,10にばね材4による抗力を
越える押圧力を加えることにより、両バイスジョー1
2,12が外向き移動して該ワークWの切込み溝gを弾
性変形によって拡開させるから、切込み中の鋸刃Sが切
込み溝gに挟まれて摺接抵抗の増大を招くことを防止で
き、またワークWの切断幅が大きい場合でも、刃先eが
周回の戻り過程で切込み溝gの側面に接触するのを回避
できる。しかも、チップソーによる切断では、切断後に
ワークWの残材側をクランプしたままでソーヘッドを直
接に退行させても、該残材側の切断面は前記の拡開した
切込み溝gの弾性変形した側面形状に保たれているか
ら、刃先eの超硬チップcを該切断面に触れさせずに退
行動作できることになる。しかして、ワークWのクラン
プを解除すれば、各可動バイス10の外向き移動してい
たバイスジョー12は、ばね材4の蓄力によって内向き
移動して元の位置に復帰する。
【0008】請求項2の発明では、上記請求項1の鋸切
断機のクランプ装置において、前記ばね材4が多数枚の
皿ばね40…を重ねたものとしている。従って、該ばね
材4によるバイスジョー12の外向き移動に対する抗力
を非常に大きく設定できるから、各可動バイス10を進
退させる油圧シリンダ11の回路圧を高低2系統に設定
し、切断幅が大きいワークWの切断やチップソーを用い
る切断等では、高圧回路によって前記の切込み溝gを拡
開させる高圧クランプを行う一方、鋸刃の切込み溝gへ
の挟み込みを生じにくい小径の棒材やパイプ材等の切断
幅(径)の小さいワークWの切断では、低圧回路によっ
て切込み溝gの拡開を伴わない低圧クランプを行うよう
に、切り換えることが可能となる。
【0009】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の鋸切断機のクランプ装置において、前記可動バイス1
0の支持ブロック13に、バイスジョー12の外向き移
動の限界位置を設定するストッパー5が設けられてなる
構成としている。この場合、ストッパー5にてバイスジ
ョー12の外向き移動の限界位置を規制できる。
【0010】請求項4の発明では、上記請求項3の鋸切
断機のクランプ装置において、前記可動バイス10の非
クランプ時におけるバイスジョー12と前記ストッパー
5との間隔を調整する間隔調整手段6を有してなる構成
としている。すなわち、非クランプ時におけるバイスジ
ョー12とストッパー5との間隔は、ワークWへの鋸刃
Sの切込みに伴うバイスジョー12の外向き移動の最大
値を定めるから、これを調整することにより、前記切込
み時の切込み溝gの拡開限度をワークWの材料弾性、切
断幅及び厚み、切断長さ等に応じて適度に設定できる。
【0011】請求項5の発明では、上記請求項4の鋸切
断機のクランプ装置において、前記の間隔調整手段6
は、前記ストッパー5を貫通して一端部60aをバイス
ジョー12に回転不能に止着したピン軸60と、該ピン
軸60のねじを刻設した他端部60bに螺合したナット
61とからなり、そのピン軸60にバイスジョー12の
外向き移動に抗する前記ばね材4としての多数枚の皿ば
ね40…が嵌装されてなる構成としている。この場合、
ナット61の螺合度合によってバイスジョー12とスト
ッパー5との間隔を容易に調整でき、またピン軸60が
ばね材4とする皿ばね40…の嵌装軸を兼用し、且つス
トッパー5がばね力の受圧部をなすことになる。
【0012】請求項6の発明では、上記請求項1〜5の
いずれかの鋸切断機のクランプ装置において、前記可動
バイス10の支持ブロック13が、進退方向に沿うガイ
ドレール7に摺動自在に嵌合してなる構成としている。
この場合、ガイドレール7により、可動バイス10の進
退動作における直進性が確保されると共に、バイスジョ
ー12の外向き移動に際して支持ブロック13が確実に
定位置に保たれる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るクランプ装
置を丸鋸切断機に適用した一実施例について、図面を参
照して具体的に説明する。図1はクランプ装置全体の平
面図、図2は同縦断正面図、図3及び図4は同クランプ
装置における鋸刃の切り込み開始前及び切り込み中のそ
れぞれクランプ状態を示す横断平面図である。
【0014】この丸鋸切断機は、図1及び図2に示すよ
うに、機台8の左側のバイス取付部8aに加圧側バイス
1が、同右側のバイス取付部8bに受圧側バイス2がそ
れぞれ設けられ、中央部に平板状のワーク受け部81を
有すると共に、バイス取付部8a,8b及びワーク受け
部81にわたって左右方向に連続したスリット状の鋸刃
進路3が構成されており、ワーク受け部81上に載置さ
れた金属ワークWを加圧側バイス1と受圧側バイス8b
との間で挟み付けてクランプし、図示省略したソーヘッ
ドに保持された鋸刃Sを回転駆動しつつ、鋸刃進路3の
図の左側の待機位置から右側へ進行させて該ワークWを
切断する。
【0015】上記の加圧側バイス1は鋸刃進路3を挟ん
で並設された一対の可動バイス10,10からなり、各
可動バイス10が機台8の左側のバイス取付部8aに軸
線方向を水平として固着された油圧シリンダ11によっ
て独立に進退駆動するようになっている。その各可動バ
イス10は、油圧シリンダ11のピストンロッド11a
の前端に取付帯板14a,14a及びボルト14b…を
介して連結された支持プロック13と、この支持プロッ
ク13の前端部に蟻溝嵌合15(図2参照)によって摺
動自在に保持されたバイスジョー12とで構成されてい
る。そして、この蟻溝嵌合15による摺動ガイド面15
aは、鋸刃進路3側を内側として、支持ブロック13の
内側から外側へ漸次後退する傾斜内外方向に沿うように
設定されている。
【0016】また、図3及び図4に示すように、バイス
ジョー12の外側面には、摺動方向に沿うばね装填孔1
6が穿設される一方、支持プロック13の外側面には、
板片状のストッパー5が凹陥部13aに嵌合して且つ前
記ばね装填孔16の開口を覆うように張出した状態でボ
ルト51・・にて固着されている。なお、バイスジョー
12のばね装填孔16周辺の外側面と、これに対向する
ストッパー5の内面とは、共に面方向がバイスジョー1
2の摺動方向に対して垂直になるように設定されてい
る。
【0017】そして、図6及び図7でも示すように、ば
ね装填孔16の内底部に同心状の軸孔16aが穿設され
ており、ピン軸60が軸孔16aに挿嵌した一端部60
aに側方からピン62を貫通して回転不能に止着される
と共に、このピン軸60のねじを刻設した他端部60b
はストッパー5に設けた透孔5aを通して外側へ突出し
ており、この突出した他端部60bにナット61,61
が螺合されている。ばね装填孔16内には、多数枚の皿
ばね40…とその所定枚数置きに介在するリング状スペ
ーサー41…とが所要の荷重をかけた状態でピン軸60
に外嵌して装填されており、これら皿ばね40…の弾発
力がバイスジョー12とストッパー5とを離間する方向
に常時作用しており、ピン軸60とナット61,61と
はその螺合度合によってバイスジョー12のばね装填孔
16周辺の外側面とストッパー5の内面との間隔tを調
整する間隔調整手段6を構成している。
【0018】一方、受圧側バイス2は、鋸刃進路3を挟
んで並設された独立に進退駆動する一対の可動バイス2
0,20からなる。しかして、各可動バイス20のバイ
スジョー21は、図2に示すように前面側が段状をなす
側面略L字形のブロックよりなり、機台8の右側のバイ
ス取付部8bにスリーブ22を介して摺動自在に保持さ
れた水平ガイド軸23の前端に連結されている。またバ
イス取付部8b上には各可動バイス20に対応する油圧
シリンダ24が軸線方向を垂直にして取り付けられ、該
油圧シリンダ24の下向きに突出したピストンロッド2
4aの先端に楔形の押接ブロック25が固着されてお
り、図8でも示すように、この押接ブロック25のテー
パー側面部25aに対して水平ガイド軸23の後端が蟻
溝嵌合26によって相対摺動可能に連結している。
【0019】従って、各可動バイス20は、油圧シリン
ダ23駆動に伴う押接ブロック24の昇降により、加圧
側バイス1の可動バイス10との対向方向に僅かな範囲
で進退可能であり、ワークWの切断時には前限位置とし
て当該ワークWの幅方向の基準位置を定めると共に、切
断後のワークWの送りに際しては、その送りを容易にす
るために後限位置として当該ワークWの表面から少し離
間させる。
【0020】図2及び図5に示すように、機台8には、
鋸刃進路3を挟む両側にそれぞれ、ワーク受け部81の
下方を通って鋸刃進路3と平行に伸びる2条のガイドレ
ール7,7が配設されている。そして、両ガイドレール
7,7の対向する内面側が長手方向に連続した段部7a
をなしており、加圧側バイス1と受圧側バイス2の両可
動バイス10,20は共に、前者では支持プロック13
の底面側、後者ではバイスジョー21の底面側に各々設
けた嵌合凸部10a,20aを両側の段部7a,7a間
に嵌合することにより、両ガイドレール7,7に摺動自
在に支承されている。10b,20bは、前記嵌合凸部
10a,20aの底面にそれぞれ取付ボルト9…を介し
て固着された抜け止め板である。
【0021】なお、可動バイス10,20のバイスジョ
ー12,21の各前端部は超硬材料製の当板17が固着
されており、各当板17には鋸刃進路3側に偏してクラ
ンプ用凸部17aを有し、このクランプ用凸部17aが
ワークWの側面に喰い付くことにより、クランプ時のワ
ークWとの間の相対的な滑りを阻止するようになってい
る。
【0022】上記構成のクランプ装置を備えた丸鋸切断
機による金属ワークWの切断においては、図1及び図3
に示すように、ワーク受け部81上に載ったワークWを
加圧側バイス1と受圧側バイス2との間でクランプする
が、このとき、受圧側バイス2の両可動バイス20,2
0を既述のように前限位置としてワークWの幅方向の基
準位置を設定した上で、加圧側バイス1の両可動バイス
10,10を後退位置から前進させ、そのバイスジョー
12,12をワークWの側面に圧接させる。しかして、
加圧側バイス1の各可動バイス10に加える油圧シリン
ダ11の押圧力は、皿ばね40…によるバイスジョー1
2の外向き移動に対する抗力を越える高圧、例えば皿ば
ね40…の取付け荷重が10トン程度である場合は数1
0トン〜50トン程度の一定圧を持続する。
【0023】かくしてワークWをクランプしたのち、回
転駆動する鋸刃Sを後退位置から前進させて切断する
が、この鋸刃SがワークWに切り込んでゆく過程で、図
4に示すように、加圧側バイス1の両可動バイス10,
10の両バイスジョー12,12が摺動ガイド面14a
の傾斜によるテーパー誘導にて間隔tの範囲内で外向き
移動し、これに伴って該ワークWの切込み溝gが材料の
弾性変形にて拡開する。従って、切込み中の鋸刃Sが切
込み溝gに挟まれたり、図示のように切断幅の大きいワ
ークWにおいて刃先eが周回の戻り過程で切込み溝gの
側面に接触したりすることがなく、安定した滑らかな切
り込みによって能率よく切断でき、従来のような摺接抵
抗の増大による切削の不安定化、鋸刃の駆動停止、切断
面の荒れ等を防止でき、高品位の切断品が得られると共
に、鋸刃の寿命が大幅に延びる。また、鋸刃Sが図示の
ようなチップソーである場合に、切断後にワークWの残
材側をクランプしたままで鋸刃Sを直接に退行させて
も、該残材側の切断面は前記の拡開した切込み溝gの弾
性変形した側面形状に保たれているから、刃先eの超硬
チップcが該切断面に接触するのを回避できる。しかし
て、ワークWのクランプを解除すれば、各可動バイス1
0の外向き移動していたバイスジョー12は、皿ばね4
0…の蓄力によって内向き移動して元の位置に復帰す
る。
【0024】なお、加圧側バイス1の可動バイス10の
非クランプ時におけるバイスジョー12と前記ストッパ
ー5との間隔tにより、ワークWへの鋸刃Sの切込みに
伴うバイスジョー12の外向き移動の最大値ひいては切
込み溝gの拡開限度が定まるため、この間隔tの設定に
よって切断品に切込み溝gの拡開過度による永久変形が
残るのを防止できる。しかして、この実施例では、間隔
調整手段6のナット61,61の螺合度合によって該間
隔tを容易に拡縮できるから、切断対象とするワークW
の材料弾性、切断幅及び厚み、切断長さ等に応じ、前記
切込み溝gの拡開限度を適度に設定することが可能であ
る。
【0025】一方、前記可動バイス10におけるバイス
ジョー12の外向き移動に抗するばね材4が皿ばね40
…を重ねたものであり、その抗力を非常に大きく設定で
きるから、各可動バイス10を進退させる油圧シリンダ
11の回路圧を高低2系統に設定し、例えば図2の実線
で示すような切断幅が大きいワークWの切断やチップソ
ーを用いる切断等では、高圧回路によって前記の切込み
溝gを拡開させる高圧クランプを行う一方、同図仮想線
で示すワークWのように鋸刃Sの切込み溝gへの挟み込
みを生じにくい小径の棒材やパイプ材等の切断幅(径)
の小さいワークWの切断では、低圧回路によって切込み
溝gの拡開を伴わない低圧クランプを行うように、切り
換えることが可能となる。
【0026】更に、この実施例構成では、前記の間隔調
整手段6が、前記ストッパー5を貫通して一端部60a
をバイスジョー12に回転不能に止着したピン軸60
と、そのねじを刻設した他端部60bに螺合したナット
61とからなり、該ピン軸60を嵌装軸として前記皿ば
ね40…を嵌装し、ばね圧をストッパー5にて受けるよ
うにしているから、可動バイス10の構造が簡素で機能
的であり、その組立製作も容易である。また可動バイス
10の進退動作における直進性が支持ブロック13に嵌
合するガイドレール7によって確保され、該可動バイス
10に加わる押圧力が前記のように非常に大きくとも、
バイスジョー12の外向き移動に際して支持ブロック1
3が確実に定位置に保たれるから、切り込み溝gの拡開
度合を前記の間隔調整手段6による間隔tの設定によっ
て厳密に定めることができる。
【0027】なお、受圧側バイス2は、上記実施例では
一対の可動バイス20,20からなるものとしている
が、機台8に固着された固定バイスであってもよく、ま
た実施例のような独立した2基のバイスではなく、1基
のバイスに鋸刃進路3とするスリットを形成したものと
してもよい。しかして、本発明のクランプ装置は、例示
した丸鋸切断機に限らず、帯鋸切断機等の他の鋸切断機
にも適用可能であり、加圧側バイス1と受圧側バイス2
の対向配置も実施例のように水平方向に限らず、鋸刃S
の進退方向に応じて上下方向や斜め方向等、種々設定で
きる。その他、本発明では、クランプ装置の各部材の形
状や配置、寸法、取付け構造、相互の連結構造等、細部
構成については実施例以外に種々設計変更可能ある。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、鋸切断機のク
ランプ装置として、鋸刃の切り込み途上で加圧側バイス
のバイスジョーの外向き移動によってワークの切込み溝
を強制的に拡開させることができため、該鋸刃がワーク
の切込み溝に挟まれることなく、安定した滑らかな切り
込みによって能率よく切断でき、従来のような鋸刃の挟
み込みによる摺接抵抗の増大に起因した切削の不安定
化、鋸刃の駆動停止、切断面の荒れ等を防止できる上、
切断幅の大きいワークであっても刃先が周回の戻り過程
で切込み溝の側面に接触することを回避でき、またチッ
プソーによる切断においても切断後のソーヘッドが鋸刃
を切断面に触れさせずに直接に後退可能であり、傷のな
い良好な切断面を有する高品位の切断品が得られると共
に、鋸刃を長寿命となし得るものが提供される。
【0029】請求項2の発明によれば、上記のクランプ
装置において、前記加圧側バイスのバイスジョーの外向
き移動に抗するばね材が多数枚の皿ばねを重ねたもので
あることから、該加圧側バイスを進退させる油圧シリン
ダの回路圧を高低2系統に設定し、切断幅が大きいワー
クの切断やチップソーを用いる切断等では高圧回路によ
って前記の切込み溝を拡開させる高圧クランプを行う一
方、鋸刃の切込み溝への挟み込みを生じにくい小径の棒
材やパイプ材等の切断幅の小さいワークの切断では低圧
回路によって切込み溝の拡開を伴わない通常の低圧クラ
ンプを行うように、切り換えることが可能となる。
【0030】請求項3の発明によれば、上記のクランプ
装置において、前記バイスジョーの外向き移動の限界位
置をストッパーにて規制できるから、切断品に切込み溝
の拡開過度による永久変形が残るのを確実に防止できる
という利点がある。
【0031】請求項4の発明では、上記のクランプ装置
において、前記加圧側バイスの非クランプ時におけるバ
イスジョーと前記ストッパーとの間隔を容易に調整で
き、もって前記切込み溝の拡開限度をワークの材料弾
性、切断幅及び厚み、切断長さ等に応じて適度に設定で
きるという利点がある。
【0032】請求項5の発明によれば、上記のクランプ
装置において、前記加圧側バイスの非クランプ時におけ
るバイスジョーと前記ストッパーとの間隔をより容易に
調整できる上、加圧側バイスの可動バイスの構造が簡素
で機能的となり、その組立製作も容易になる。
【0033】請求項6の発明によれば、上記のクランプ
装置において、前記加圧側バイスの可動バイスの進退動
作における直進性が確保され、そのバイスジョーの外向
き移動に際して支持基体側が確実に定位置に保たれるか
ら、切り込み溝の拡開度合を前記の間隔調整手段による
間隔の設定によって厳密に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を丸鋸切断機に適用した一実施例にお
けるクランプ装置全体の平面図。
【図2】 同クランプ装置全体の縦断正面図。
【図3】 同クランプ装置による切断開始前のワークの
クランプ状態を示す要部の横断平面図。
【図4】 同クランプ装置による切断中のワークのクラ
ンプ状態を示す要部の横断平面図。
【図5】 図2のA−A線の断面矢視図。
【図6】 同クランプ装置における加圧側バイスの要部
を図1の矢印B方向から見た矢視図。
【図7】 同加圧側バイスのバイスジョーにおけるばね
装填孔部分の拡大断面図。
【図8】 同クランプ装置における受圧側バイス部分の
横断平面図。
【図9】 従来の丸鋸切断機による切断幅の大きいワー
クの切り込み状態を模式的に示す縦断正面図。
【符号の説明】
1 加圧側バイス 10 可動バイス 11 油圧シリンダ 11a ピストンロッド 12 バイスジョー 13 支持プロック 15 蟻溝嵌合 15a 摺動ガイド面 16 ばね装填孔 2 受圧側バイス 3 鋸刃進路 4 ばね材 40 皿ばね 41 リング状スペーサー 5 ストッパー 5a 透孔 6 間隔調整手段 60 ピン軸 60a 一端部 60b 他端部 61 ナット 7 ガイドレール 8 機台 81 ワーク受け部 W 金属ワーク S 鋸刃 e 刃先 c 超硬チップ t バイスジョーとストッパーとの間隔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧側バイスと受圧側バイスとの間で金
    属ワークをクランプし、このワークを駆動する鋸刃の進
    行によって切断する鋸切断機において、 前記加圧側バイスは、鋸刃進路を挟んで並設された一対
    の可動バイスより構成され、両可動バイスを個別に鋸刃
    進行方向に進退させる油圧シリンダを備え、 各可動バイスのバイスジョーは、前記油圧シリンダのピ
    ストンロッドに連結された支持ブロックに、鋸刃進路側
    を内側として、当該支持ブロックの内側から外側へ漸次
    後退する傾斜内外方向に沿って摺動可能に保持されると
    共に、その外向き移動に抗するばね材が付設されてな
    り、 金属ワークの切断に際し、前記油圧シリンダによって両
    可動バイスに前記ばね材による抗力を越える押圧力を加
    えることにより、鋸刃の切込みに伴って両バイスジョー
    が該ワークの切込み溝の拡開と共に外向き移動するよう
    に構成されてなる鋸切断機のクランプ装置。
  2. 【請求項2】 前記ばね材が多数枚の皿ばねを重ねたも
    のである請求項1記載の鋸切断機のクランプ装置。
  3. 【請求項3】 前記可動バイスの支持ブロックに、バイ
    スジョーの外向き移動の限界位置を設定するストッパー
    が設けられてなる請求項1又は2に記載の鋸切断機のク
    ランプ装置。
  4. 【請求項4】 前記可動バイスの非クランプ時における
    バイスジョーと前記ストッパーとの間隔を調整する間隔
    調整手段を有してなる請求項3記載の鋸切断機のクラン
    プ装置。
  5. 【請求項5】 前記の間隔調整手段は、前記ストッパー
    を貫通して一端部をバイスジョーに回転不能に止着した
    ピン軸と、該ピン軸のねじを刻設した他端部に螺合した
    ナットとからなり、そのピン軸にバイスジョーの外向き
    移動に抗する前記ばね材としての多数枚の皿ばねが嵌装
    されてなる請求項4記載の鋸切断機のクランプ装置。
  6. 【請求項6】 前記可動バイスの支持ブロックが、進退
    方向に沿うガイドレールに摺動自在に嵌合してなる請求
    項1〜5のいずれかに記載の鋸切断機のクランプ装置。
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