JP2002159576A - 液体注入針および液体注入装置 - Google Patents
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Abstract
つ製造が容易で、針部を例えばゴム栓に貫通できる強度
を有し、しかも注入抵抗を低減することができる液体注
入針および液体注入装置を提供する。 【解決手段】 内部に薬液が収容される薬液容器の先端
部に形成された薬液注入口に取り付けられる薬液注入針
1であって、生体内に穿刺可能な穿刺部21を備えた穿
刺針部2と、薬液容器内に連通可能な薬液導入針部3
と、穿刺針部2および薬液導入針部3間を薬液が流通可
能な状態で針部2、3を支持するハウジング4とを有す
る。薬液導入針部3は、穿刺針部2の穿刺部21の少な
くとも先端近傍よりも外径が大きく、薬液導入針部3の
基端側の端部には、薬液容器の薬液注入口を封止する弾
性部材を貫くための刃先31が形成されている。
Description
液体注入装置に関し、さらに詳しくは、例えば薬液など
の液体を生体内に注入する際に用いられる液体注入針お
よび液体注入装置に関する。
生体内に注入する際に用いられる薬液注入針としては、
例えば図17および図18に示す薬液注入針が知られて
いる。
102と、針部102を支持する基体部104とを備え
ている。針部102は、一定の外径を有する中空針から
構成されており、基体部104に固着されている。この
針部102の基端側には、刃先131が形成されてい
る。また、基体部104の内面には、取り付け用の雌ね
じ143が形成されている。
ているような、薬液が充填されている図示しない薬液容
器の先端部に形成された薬液注入口に取り付けられる。
薬液容器の薬液注入口には、雄ねじが形成されており、
この雄ねじに、薬液注入針101の雌ねじ143が螺合
されることにより、薬液注入針101の薬液容器への取
り付けが行われる。
ないゴム栓により封止されている。薬液注入針101の
薬液容器への取り付け時に、針部102の基端側に形成
された刃先131が上記ゴム栓を貫くことにより、針部
102内と薬液容器内とが連通されるようになってい
る。
た従来の薬液注入針101にあっては、針部102とし
て、外径が0.25mmより大きい比較的太い中空針が
一般的に使用されている。このため、針部102の生体
内への穿刺、あるいは薬液の生体内への注入に伴って痛
みが生じる。また、太い針を刺されることによって患者
に与える恐怖感や、不安感が大きい。
従来よりも細い針部を使用しようとしても、このような
細い針部を図18に示したように針部の長手方向中程に
て基体部に強固に固着して組み立てるのはきわめて困難
であるという問題が生じる。
弱くなる。したがって、薬液容器に薬液注入針を取り付
けようとしても、針部を薬液容器の薬液注入口に設置さ
れているゴム栓に貫通させることができずに、例えば折
れてしまうおそれがある。
にその内径も小さくなり、しかもその長さが比較的長く
なることから、薬液を生体内へ注入するときの流路抵抗
(以下、「注入抵抗」という。)が非常に大きくなって
しまう。このため、薬液注入時に薬液を押し出すための
力がかなり必要になるという問題がある。
の皮内にインスリン含有液を経皮的に自己投与するため
の現在市販されている薬液注入装置において用いられて
いる薬液注入針の針部は、最も細いもので、外径0.2
54mm(31ゲージ(G))である。なお、「ゲー
ジ」とは、B.W.G.(Birmingham Wire Gage)の規格
に基づいた数字である。
G)の針部を使用する場合、薬液を投与する際の注入抵
抗がかなり高くなる。これは、理論上、針部における注
入抵抗は、針部の直径の4乗に反比例して高くなるから
である。このため、特に女性、子供、高齢者など、薬液
注入装置のプランジャーを押す力の弱い患者が、外径
0.254mm(31G)の針部を用いて自分の皮下に
薬液を自己投与しようとしても、薬液がうまく皮下に入
っていかない場合がある。このような場合、患者は、外
径0.30mm(30G)などの、より太い、したがっ
て、より強い痛みを感じさせる針部を使用しなければな
らない。
部を使用した場合、注射終了後にインスリン含有液が皮
膚における穿刺口あるいは針部の先端から漏れ出してし
まうことがある。このようなことが起こる原因の一つ
は、外径0.254mm(31G)のような細い針部で
は注入抵抗が高いため薬液の注入が終了するまでに時間
を要し、所定の薬液量(所定のインスリン・ユニット)
のすべてが皮下に完全に投与される前に患者が耐えきれ
ずに針部を皮膚から抜いてしまうことにあると推察され
る。糖尿病治療においては、1回の注射で投与される薬
液量(インスリン・ユニット)が患者に応じてあらかじ
め定められており、注射のたびにこのあらかじめ決めら
れた量の薬液が正確に投与されなければならない。した
がって、注射終了後に薬液が漏れ出すということは、定
められた量よりも少ない量しか患者に薬液が投与されて
おらず、よって十分な治療効果が得られないことを意味
する。
に麻酔薬(リドカイン)を注入するための歯科用薬液注
入装置が用いられている。現在市販されている歯科用薬
液注入装置の針部(デンタル針)は、最も細いもので、
外径0.26mmである。この外径0.26mmの針部
を用いて麻酔薬を歯茎等に注入する際にも、かなり高い
注入抵抗が存在する。ここで、歯科用薬液注入装置の本
体およびプランジャーは金属製であり、かつ健常人であ
る医者が歯科用薬液注入装置を用いて麻酔薬を注入す
る。したがって、医者が思いきり強くプランジャーを押
すことにより、上記のような細い針部でも麻酔薬の注入
が可能となる。
おいても、より軽い力で麻酔薬を注入できるように注入
抵抗を低減すること、さらに、より細い針部を用いるこ
とにより患者に与える苦痛等を和らげることが望まし
い。また、注射器を金属製とすると重くなる。したがっ
て、針部における注入抵抗を低減することができれば、
プラスチック等のより軽量な材料を利用して注入装置を
構成することが可能となり、より取り扱い易い歯科用薬
液注入装置を提供できると考えられる。
えるために単に針部の外径を小さくすることは、上記の
ような種々の問題が生じてしまうため、実際上、実現す
ることができなかった。
されたものであり、その目的は、患者に与える痛みを低
減することができ、かつ製造が容易で、針部を例えばゴ
ム栓に貫通できる強度を有し、しかも注入抵抗を低減す
ることができる液体注入針および液体注入装置を提供す
ることである。
る手段により達成される。
の先端部に形成された液体注入口に取り付けられる液体
注入針であって、生体内に穿刺可能な穿刺部を備えた穿
刺針部と、前記液体容器内に連通可能な液体導入針部
と、前記穿刺針部および前記液体導入針部間を液体が流
通可能な状態で当該両針部を支持する基体部とを有し、
前記液体導入針部は、前記穿刺部の少なくとも先端近傍
よりも外径が大きく、前記液体導入針部の端部に、前記
液体容器の液体注入口を封止する弾性部材を貫くための
刃先が形成されていることを特徴とする液体注入針。
とは、同じ一つの針体により形成されていることを特徴
とする上記(1)に記載の液体注入針。
記液体導入針部との間に形成され外径が連続的に変化し
て両者を滑らかに繋ぐ中間部を有し、前記中間部あるい
は中間部よりも基端側の太い外径の部分が前記基体部に
固着されていることを特徴とする上記(2)に記載の液
体注入針。
とは、別々の独立した針体により形成されていることを
特徴とする上記(1)に記載の液体注入針。
とは、それぞれ別々に、前記基体部に固着されているこ
とを特徴とする上記(4)に記載の液体注入針。
とは、両針部が相互に固着された状態で、前記基体部に
固着されていることを特徴とする上記(4)に記載の液
体注入針。
は、同じ材料により一体的に形成されていることを特徴
とする上記(1)に記載の液体注入針。
mm以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)の
いずれか1つに記載の液体注入針。
以上、0.25mm以下であることを特徴とする上記
(1)〜(7)のいずれか1つに記載の液体注入針。
mm以上、0.22mm以下であることを特徴とする上
記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の液体注入針。
m以上、15mm以下であることを特徴とする上記
(1)〜(10)のいずれか1つに記載の液体注入針。
剤を含むことを特徴とする上記(1)〜(11)のいず
れか1つに記載の液体注入針。
内部に液体が収容される液体容器と、前記液体容器の液
体注入口に取り付けられる液体注入針とを有する液体注
入装置であって、前記液体注入針は、生体内に穿刺可能
な穿刺部を備えた穿刺針部と、前記液体容器内に連通可
能な液体導入針部と、前記穿刺針部および前記液体導入
針部間を液体が流通可能な状態で当該両針部を支持する
基体部とを有し、前記液体導入針部は、前記穿刺部の少
なくとも先端近傍よりも外径が大きく、前記液体導入針
部の端部に、前記液体容器の液体注入口を封止する弾性
部材を貫くための刃先が形成されていることを特徴とす
る液体注入装置。
面を参照して説明する。
液注入針が取り付けられた薬液注入装置の断面図、図2
は、図1に示される注入器本体の断面図、図3は、図1
に示される薬液注入針の側面図、図4は、図1に示され
る薬液注入針の断面図である。
と注入器本体5とから構成されており、プランジャー5
2が押されることにより、薬液60を薬液注入針1の先
端から生体内に注入するものである。
に薬液60を収容する略円筒状の薬液容器51と、薬液
容器51の内部で長手方向に往復動可能なプランジャー
52とを備えている。
部53には、薬液注入口54が形成されており、この薬
液注入口54は、例えばゴム栓などの弾性部材55によ
り封止されている。弾性部材55は、ボス部53の内面
に形成された溝56に嵌着されて保持される。また、ボ
ス部53の外面には、薬液注入針1を取り付けるときに
使用される雄ねじ57が形成されている。
には、開口58が形成されている。プランジャー52
は、開口58から内部に挿入される。このプランジャー
52の先端には、ガスケット59が取り付けられてい
る。ガスケット59は、薬液容器51の内面に密着して
薬液を後方に漏らさないようにシールし、先端側に移動
することにより薬液60を前方に押し出す役目を果た
す。
は、薬液60が充填されている。この薬液注入装置で使
用される薬液60は、薬剤を含有する溶液、ゲル、また
は懸濁液である。使用可能な薬剤は、経皮的な投与に適
さない薬剤以外であるならば、実質的に制限されない。
また、薬剤は、局所的に作用するものであっても、全身
的に作用するものであってもよい。
ばブチルゴム、シリコンゴム、あるいはエラストマー等
の材料を使用して、成形加工により作られる。薬液容器
51とプランジャー52とは、例えばポリプロピレン、
ポリエチレンなどのプラスチック、あるいはガラス等の
材料を使用して、成形加工により作られる。なお、薬液
容器51は、その全部または一部が透明な材料より形成
されており、内部に収容された薬液を目視で確認するこ
とができる。
1は、生体内に穿刺可能な穿刺部21を備えた穿刺針部
2と、薬液容器51内に連通可能な液体導入針部3と、
これら穿刺針部2および液体導入針部3の間を薬液が流
通可能な状態で当該両針部2、3を支持する基体部であ
るハウジング4とを備えている。第1の実施形態では、
図示のように、穿刺針部2と液体導入針部3とは、同じ
一つの針体により形成されている。
1の一端に形成された底部壁42とを備えている。円筒
部41の内面には、薬液容器51のボス部53に形成さ
れた雄ねじ57に螺合される雌ねじ43が形成されてい
る。
針から構成されている。穿刺針部2は、薬液注入針1の
先端側に形成され、液体導入針部3は、穿刺針部2の基
端側に形成される。そして、液体導入針部3は、穿刺針
部2の穿刺部21よりも外径が大きく設定されている。
21の外径は、好ましくは0.254mm(31G)以
下、より好ましくは0.1mm以上、0.25mm以
下、さらに好ましくは0.18mm以上、0.22mm
以下に設定される。このように、穿刺部21の外径の上
限は、患者に与える穿刺痛を低減する観点から、従来の
31Gの針と同程度もしくは従来よりも小さく設定さ
れ、その下限は、所定の強度を確保し、注入抵抗の増大
を抑える観点から設定される。これに伴って、穿刺部2
1の内径は、0.05mm以上、0.15mm以下が望
ましい。なお、従来の外径0.254mm(31G)と
同じに穿刺部21の外径を形成しても、液体導入部3の
外径が大きいため、注入抵抗の低減の点で従来の31G
の針よりも優れた針を提供できる。
好ましくは0.2mm以上、15mm以下、より好まし
くは0.5mm以上、10mm以下である。ここで、穿
刺部21の長さは、穿刺針部2のうちハウジング4の底
部壁42から外方へ突出した部分の長さに相当する。穿
刺部21の長さは、従来、皮下・筋肉内投与では10〜
40mmが一般的である。これに対し、本実施形態で
は、好ましくは、穿刺部21の長さの上限は、所定の強
度を確保し、注入抵抗の増大を抑える観点から従来より
も短く設定され、その下限は、生体内への穿刺を所望ど
おり良好に行う観点から設定される。
は0.3mm以上、0.6mm以下、より好ましくは
0.35mm以上、0.5mm以下である。このよう
に、薬液導入針部3の外径の下限は、後述する刃先31
が形成される部分の強度を向上させるとともに、注入抵
抗を積極的に低減する観点から、前述したように穿刺針
部2よりも大きく設定され、その上限は、刃先31が薬
液注入口54を封止する弾性部材55を容易に貫通可能
とするとともに、製造容易性の観点から設定される。こ
れに伴って、薬液導入針部3の内径は、0.25mm以
上、0.5mm以下が望ましい。
容器51の先端部に形成された薬液注入口54を封止す
る弾性部材55を貫くための刃先31が形成されてい
る。刃先31は、例えば、薬液導入針部3の端部を斜め
にカットすることにより形成される。この刃先31は、
薬液注入針1の薬液容器51への取り付け時に、弾性部
材55に突き刺されて貫通する。
入針部3との間に形成され外径が連続的に変化して両者
を滑らかに繋ぐ中間部22を有している。薬液注入針1
が皮内・皮下用の短針の場合、中間部22は、ハウジン
グ4の底部壁42の中央部に挿通された状態で固着され
る。
針の場合、生体内に穿刺可能な部分のすべてが液体導入
針部3よりも細くなる必要はない。例えば図5に示すよ
うに、外径が連続的に変化する中間部22もまた生体内
に穿刺可能とされ、結果的に中間部22が穿刺部21の
うちに含まれるように構成されていてもよい。この場
合、中間部22よりも基端側の外径が一定で太い部分が
ハウジング4の底部壁42の中央部に挿通された状態で
固着される。
に、穿刺部21からハウジング4の底部壁42に固着さ
れた部分にかけての形状は、必ずしも外径が一様な図4
に示したような形状に限定されるものではなく、連続的
に外径を変化させた形状としてもよい。
軸心に沿う平面で切断された断面の外形線は、直線状あ
るいは凹状を呈している。特に図4、図5および図6に
示す中間部22は、先端側に向かってその内径が漸減す
るような形状(テーパ形状)をなしている。これによ
り、薬液は、液体導入部3から中間部22を経て穿刺部
21へと流れる際にその流速が加速され、勢いよく流れ
る。
ポリエチレンなどのプラスチック、あるいはガラス等の
材料を使用して、成形加工により作られる。穿刺針部2
および液体導入針部3は、一般的にはステンレス鋼を使
用して、例えば塑性加工により作られる。但し、例えば
チタンなどの他の金属、あるいはプラスチック等の材料
から針部2、3を作ることも可能である。
ング4への固着は、例えば図4に示したような形で、イ
ンサート成形、あるいは接着により行われる。なお、針
部2、3を単に一律に細くしたのでは針部2、3のハウ
ジング4に対する接合力が小さくなってしまうため、針
部2、3がハウジング4から先端側へ抜け落ちるおそれ
がある。これに対し、本実施形態では、針部2、3が、
外径が滑らかに拡大している中間部あるいは中間部より
も基端側の太い外径の部分においてハウジング4と接合
されているため、針部2、3が先端側へ脱落するおそれ
は無くなる。また、針部2、3とハウジング4との接合
面積が増えるため針部2、3をハウジング4に強固に固
着することが可能となる。したがって、穿刺針部2の穿
刺部21が細くても、薬液注入針1を組立製造すること
が容易となる。
て、薬液注入装置を使用する方法について説明する。
容器51のボス部53に外挿し、液体導入針部3の端部
に形成された刃先31を弾性部材55に刺通させる。こ
れにより、針部2、3内と薬液容器51内とが連通され
る。つづいて、薬液容器51のボス部53に形成された
雄ねじ57に、薬液注入針1のハウジング4の内面に形
成された雌ねじ43を螺合させることにより、薬液注入
針1を薬液容器51にねじ込む。
部2の穿刺部21よりも大きく設定されているので、弾
性部材55を貫くために必要な強度を十分確保すること
ができる。したがって、例えば折れてしまって薬液導入
針部3を弾性部材55に貫通させることができないとい
った事態を防止することができる。
1に取り付けられ、薬液注入装置の使用準備が完了す
る。次いで、薬液注入装置の薬液注入針1を、薬液注入
対象となる患者の生体内に穿刺する。しかし、穿刺針部
2の穿刺部21が従来よりも細いため、痛みに関係する
神経網に対する針部の接触面積を低下させることがで
き、神経網への刺激が低下して、痛みの発生が低減され
る。
を押すことにより、薬液容器51内の薬液60は、薬液
注入針1の針部2、3を通って、患者の例えば皮内、皮
下、筋肉、あるいは各種臓器等の生体内に注入される。
きく設定されていることから、薬液導入針部3の内径も
大きく設定することができ、針部における注入抵抗を低
減することが可能となる。したがって、プランジャー5
2を押して薬液を押し出すための力が少なくて済み、薬
液を生体内へ良好に注入することができる。
者に穿刺される部分を細く、針部のそれ以外の部分を比
較的太くすることにより、痛みの無い、もしくは痛みの
きわめて少ない細い薬液注入針でありながら、注入抵抗
も少ない薬液注入針を提供することができる。特に、穿
刺部21の外径を0.254mm(31G)以下、好ま
しくは0.1mm以上、0.25mm以下、より好まし
くは0.18mm以上、0.22mm以下に構成するこ
とにより、現在市販されているいちばん細い針と同等も
しくは現在市販されているいかなる薬液注入針よりも細
い穿刺部を備えながら、注入抵抗も小さくすることがで
きる。したがって、痛みが無いかもしくは痛みがきわめ
て少なく、かつ例えば、女性、子供、高齢者などの体力
的あるいは精神的に虚弱な患者が薬液を自己投与する場
合であっても、困難なく、しかも迅速に薬液を投与する
ことができる薬液注入針および薬液注入装置を提供する
ことができる。
1本の針体から構成される針部2、3のみを有している
が、本発明の薬液注入針はこれに限られず、1つのハウ
ジング4に複数本の針体が取り付けられていてもよい。
このようにすれば、薬液の注入量を増やすことができ
る。また、薬液が分散されて生体内に注入されるので、
薬物の迅速な効果が期待できる。
液注入針の側面図、図8は、図7に示される薬液注入針
の断面図である。なお、以下においては、上記の第1の
実施形態と相違する点を主に説明し、共通する点につい
ては適宜説明を省略する。
置は、第1の実施形態に対し、薬液注入針の構成のみが
相違しており、注入器本体5の構成は同じである。
1aは、生体内に穿刺可能な穿刺部21aを備えた穿刺
針部2aと、液体容器51内に連通可能な液体導入針部
3aと、これら穿刺針部2aおよび液体導入針部3aの
間を薬液が流通可能な状態で当該両針部2a、3aを支
持するハウジング4aとを備えている。図示のように、
第2の実施形態に係る薬液注入針1aは、穿刺針部2a
と薬液導入針部3aとが別々の独立した針体により形成
されている点で、穿刺針部2と液体導入針部3とが同じ
一つの針体により形成されている第1の実施形態と相違
している。
部41aの一端に形成された底部壁42aとを備えてい
る。円筒部41aの内面には、薬液容器51のボス部5
3に形成された雄ねじ57に螺合される雌ねじ43aが
形成されている。
針部2と同様な材料により作られる中空針から構成され
ている。この穿刺針部2aは、根元部22aがハウジン
グ4aの底部壁42aの先端側に形成された取付用孔4
4aに挿入された状態で、ハウジング4aに固着され
る。
態の液体導入針部3と同様な材料により作られる中空針
から構成されている。この液体導入針部3aは、根元部
32aがハウジング4aの底部壁42aの基端側に形成
された取付用孔45aに挿入された状態で、ハウジング
4aに固着される。そして、液体導入針部3aは、穿刺
針部2aの穿刺部21aよりも外径が大きく設定され
る。
液体導入針部3aの間を繋ぐための孔46aが形成され
ている。
外径は、好ましくは0.3mm以上、2mm以下、より
好ましくは0.35mm以上、1.5mm以下である。
これに伴って、薬液導入針部3aの内径は、0.25m
m以上、1.2mm以下が望ましい。
ウジング4aへの固着は、例えば図8に示したような形
で、インサート成形、あるいは接着により行われる。こ
こで、図8に示すように、穿刺針部2aと薬液導入針部
3aとは、別々の独立した針体により形成されているの
で、薬液注入針1aを特殊な製法を必要とせずに従来と
同様な方法で簡便に作ることができる。しかも、針部2
a、3aは、それぞれ取付用孔44a、45aに係合さ
れた状態となるので、ハウジング4aに強固に固着され
る。
長針の場合、生体内に穿刺可能な部分のすべてが液体導
入針部3aよりも細くなる必要はない。例えば図9に示
すように、外径が連続的に変化する部分もまた生体内に
穿刺可能とされ、結果的に、基端側に位置する外径が一
定で太い部分がハウジング4aの底部壁42aの中央部
に挿入された状態で固着される。また、本発明では、穿
刺部21aからハウジング4aの底部壁42aに固着さ
れた部分にかけての形状は、必ずしも外径が一様な図8
に示したような形状に限定されるものではなく、連続的
に外径を変化させた形状としてもよい。
うに、穿刺針部2aの基端部が薬液導入針部3aの先端
側の開口部に挿入されて両針部2a、3aがあらかじめ
固着されてもよい。固着は、接着あるいは溶接などによ
り行うことができる。そして、あらかじめ相互に固着さ
れた穿刺針部2aおよび薬液導入針部3aは、例えば図
10に示したような形で、インサート成形、あるいは接
着によりハウジング4aに固着される。
うに、穿刺針部2aの基端側の端面と薬液導入針部3a
の先端側の端面とがあらかじめ固着されてもよい。固着
は、接着あるいは溶接などにより行うことができる。こ
の場合、穿刺針部2aと薬液導入針部3aとの接合面の
近傍が、薬液導入針部3aから穿刺針部2aの穿刺部2
1aに向かってその内径が漸減するような形状(テーパ
形状)をなすように構成してもよい。これにより、薬液
は、液体導入部3aから穿刺部21aへと流れる際にそ
の流速が加速され、勢いよく流れる。
1本の穿刺針部2aのみを有しているが、本発明の薬液
注入針はこれに限られず、1本の薬液導入針部3aに対
し、複数本の穿刺針部2aが対応して設けられていても
よい。また、穿刺針部2aおよび薬液導入針部3aの対
が1つのハウジング4aに対し、複数対設けられていて
もよい。
薬液注入針の側面図、図13は、図12に示される薬液
注入針の断面図である。なお、以下においては、上記の
第1の実施形態と相違する点を主に説明し、共通する点
については適宜説明を省略する。
置は、第1の実施形態に対し、薬液注入針の構成のみが
相違しており、注入器本体5の構成は同じである。
入針1bは、生体内に穿刺可能な穿刺部21bを備えた
穿刺針部2bと、液体容器51内に連通可能な液体導入
針部3bと、これら穿刺針部2bおよび液体導入針部3
bの間を薬液が流通可能な状態で当該両針部2b、3b
を支持するハウジング4bとを備えている。
注入針1bは、薬液導入針部3bとハウジング4bとが
同じ材料により一体的に形成されている点で、穿刺針部
2と液体導入針部3とが同じ一つの針体により形成され
ている第1の実施形態に係る薬液注入針1や、穿刺針部
2aと薬液導入針部3aとが別々の独立した針体により
形成されている第2の実施形態に係る薬液注入針1aと
相違している。
部41bの一端に形成された底部壁42bとを備えてい
る。円筒部41bの内面には、薬液容器51のボス部5
3に形成された雄ねじ57に螺合される雌ねじ43bが
形成されている。
針部2、2aと同様な材料により作られる中空針から構
成されている。この穿刺針部2bは、根元部22bがハ
ウジング4bの底部壁42bの先端側に形成された取付
用孔44bに挿入された状態で、ハウジング4bに固着
される。
ウジング4bと同じ材料により一体成形加工されること
によって、底部壁42bの基端側に形成される。液体導
入針部3bおよびハウジング4bの形成に使用される材
料は、上述した実施形態のハウジング4、4aと同様な
材料である。薬液導入針部3bの基端側の端部には、薬
液容器51の先端部に形成された薬液注入口54を封止
する弾性部材55を貫くための刃先31bが形成されて
いる。刃先31bは、例えば、液体導入針部3bおよび
ハウジング4bの成形加工時に同時に形成される。な
お、刃先31bは、薬液導入針部3aの端部を斜めにカ
ットすることにより形成してもよい。また、刃先31b
の形状は、弾性部材55を貫くために適した形状であれ
ばよく、例えば円錐状に尖った形状であってもよい。そ
して、液体導入針部3bは、穿刺針部2bの穿刺部21
bよりも外径が大きく設定される。
液体導入針部3bの間を繋ぐための孔46bが形成され
ている。
外径は、好ましくは0.3mm以上、2mm以下、より
好ましくは0.35mm以上、1.5mm以下である。
これに伴って、薬液導入針部3bの内径は、0.25m
m以上、1.2mm以下が望ましい。
は、例えば図13に示したような形で、インサート成
形、あるいは接着により行われる。ここで、図13に示
すように、薬液導入針部3bがハウジング4bと同じ材
料により一体成形加工されているので、薬液注入針1b
を特殊な製法を必要とせずに従来と同様な方法で簡便に
作ることができる。しかも、穿刺針部2bは、取付用孔
44bに係合された状態となるので、ハウジング4bに
強固に固着される。
長針の場合、生体内に穿刺可能な部分のすべてが液体導
入針部3bよりも細くなる必要はない。例えば図14に
示すように、外径が連続的に変化する部分もまた生体内
に穿刺可能とされ、結果的に、基端側に位置する外径が
一定で太い部分がハウジング4bの底部壁42bの中央
部に挿入された状態で固着される。また、本発明では、
穿刺部21bからハウジング4bの底部壁42bに固着
された部分にかけての形状は、必ずしも外径が一様な図
13に示したような形状に限定されるものではなく、連
続的に外径を変化させた形状としてもよい。
うに、薬液導入針部3bの内径を変えずに、外径を刃先
31bに向かって漸減するような形状(テーパ形状)に
連続的に変化させてもよい。これにより、薬液容器51
の先端部に形成された薬液注入口54を封止する弾性部
材55に薬液導入針部3bを刺し易くすることができ
る。
うに、薬液導入針部3bの外径を変えずに、内径を刃先
31bに向かって漸増するような形状(テーパ形状)に
連続的に変化させてもよい。これにより、薬液は、液体
導入部3bから穿刺部21bへと流れる際にその流速が
加速され、勢いよく流れる。
を刃先31bに向かって漸減するような形状(テーパ形
状)に連続的に変化させるとともに、内径を刃先31b
に向かって漸増するような形状(テーパ形状)に連続的
に変化させてもよいことは勿論である。
は、1本の穿刺針部2bのみを有しているが、本発明の
薬液注入針はこれに限られず、1本の薬液導入針部3b
に対し、複数本の穿刺針部2bが対応して設けられてい
てもよい。また、穿刺針部2bおよび薬液導入針部3b
の対が1つのハウジング4bに対し、複数対設けられて
いてもよい。
限定するために記載されたものではなく、本発明の技術
的思想内において当業者により種々変更が可能である。
針部のうち生体内に穿刺可能な穿刺部を従来よりも細く
することができる。このため、痛みに関係する神経網に
対する針部の接触面積を低下させることができ、神経網
への刺激が低下して、患者に与える痛みを低減すること
ができる。
径の針部をその長手方向中程にて基体部に固着して組み
立てるものではない。したがって、針部の穿刺部が細く
ても、薬液注入針を組立製造することが容易となる。
端部に、液体容器の液体注入口を封止する弾性部材を貫
くための刃先を形成できるので、弾性部材を貫くために
必要な強度を十分確保することができる。したがって、
例えば折れてしまって針部を弾性部材に貫通させること
ができないといった事態を防止することができる。
針部における注入抵抗を低減することができる。したが
って、薬液を押し出すための力が少なくて済み、薬液を
生体内へ良好に注入することができる。
穿刺される部分を細く、針部のそれ以外の部分を比較的
太くすることにより、痛みの無い、もしくは痛みのきわ
めて少ない細い薬液注入針でありながら、注入抵抗も少
ない薬液注入針を提供することができる。特に、穿刺部
の外径を好ましくは0.254mm以下、より好ましく
は0.1mm以上、0.25mm以下、さらに好ましく
は0.18mm以上、0.22mm以下に構成すること
により、現在市販されているいちばん細い針と同等もし
くは現在市販されているいかなる薬液注入針よりも細い
穿刺部を備えながら、注入抵抗も小さくすることができ
る。したがって、痛みが無いかもしくは痛みがきわめて
少なく、かつ例えば、女性、子供、高齢者などの体力的
あるいは精神的に虚弱な患者が薬液を自己投与する場合
であっても、困難なく、しかも迅速に薬液を投与するこ
とができる薬液注入針および薬液注入装置を提供するこ
とができる。
取り付けられた薬液注入装置の断面図である。
断面図である。
例の断面図である。
側面図である。
断面図である。
形例の断面図である。
別の変形例の断面図である。
の側面図である。
る。
の断面図である。
形例の断面図である。
別の変形例の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 内部に液体が収容される液体容器の先端
部に形成された液体注入口に取り付けられる液体注入針
であって、 生体内に穿刺可能な穿刺部を備えた穿刺針部と、 前記液体容器内に連通可能な液体導入針部と、 前記穿刺針部および前記液体導入針部間を液体が流通可
能な状態で当該両針部を支持する基体部とを有し、 前記液体導入針部は、前記穿刺部の少なくとも先端近傍
よりも外径が大きく、 前記液体導入針部の端部に、前記液体容器の液体注入口
を封止する弾性部材を貫くための刃先が形成されている
ことを特徴とする液体注入針。 - 【請求項2】 先端部に液体注入口が形成され内部に液
体が収容される液体容器と、前記液体容器の液体注入口
に取り付けられる液体注入針とを有する液体注入装置で
あって、 前記液体注入針は、生体内に穿刺可能な穿刺部を備えた
穿刺針部と、前記液体容器内に連通可能な液体導入針部
と、前記穿刺針部および前記液体導入針部間を液体が流
通可能な状態で当該両針部を支持する基体部とを有し、 前記液体導入針部は、前記穿刺部の少なくとも先端近傍
よりも外径が大きく、 前記液体導入針部の端部に、前記液体容器の液体注入口
を封止する弾性部材を貫くための刃先が形成されている
ことを特徴とする液体注入装置。
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