JP2002154326A - ドアの補強構造 - Google Patents

ドアの補強構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、補強部材とスポット溶接ガンとの
干渉を無くし、溶接作業を容易に行うことができると共
に、溶接位置の自由度増大および溶接不良の低下を図る
ことが可能なドアの補強構造を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、ドアパネル4の上部に設けら
れるサッシュ5と、サッシュ5の下部に設けられる補強
部材6とを備え、サッシュ5と補強部材6とを接合した
後に、ドアパネル4にサッシュ5を固定するリヤサイド
ドア3において、補強部材6のサッシュ5との接合部側
端部に凹部11を設け、凹部11と対応する高さ位置
に、サッシュ5とドアパネル4のインナーパネル7とを
接合する溶接箇所を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に設けられる
ドアの補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車の側面に設けられるリ
ヤサイドドアは、ドアパネルの上部に設けられる別体式
のサッシュと、このサッシュの下部に設けられる補強部
材とを備えており、これらサッシュと補強部材とを接合
した後に、ドアパネルにサッシュを固定することによっ
て構成されている。
【0003】すなわち、上記リヤサイドドアは、図12
および図13に示す如く、先にサッシュ51と補強部材
52とをCO2溶接W1で接合することにより、ウィン
ドサブアッシ53を製作しておき、次いで、このウィン
ドサブアッシ53とドアパネル54のインナーパネル5
5とを補強部材52の周辺以外でスポット溶接W2して
接合し、この接合したものに図外のアウターパネルをヘ
ミングで結合させることにより、得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のリヤサイドドアは、ウィンドサブアッシ53が
サッシュ51の開口部に補強部材52の端部を差込んで
溶接する構造となっているので、ドアパネル54の組立
て時、ウィンドサブアッシ53とインナーパネル55と
をスポット溶接W2する際に、補強部材52がスポット
溶接ガン56と干渉するおそれがある。このため、補強
部材52の周辺では、ウィンドサブアッシ53とインナ
ーパネル55とをスポット溶接W2することができず、
溶接不良を起こすという不具合を有している。
【0005】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、補強部材とスポット溶接ガ
ンとの干渉を無くし、溶接作業を容易に行うことができ
ると共に、溶接位置の自由度増大および溶接不良の低下
を図ることが可能なドアの補強構造を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明においては、ドアパネルの
上部に設けられるサッシュと、該サッシュの下部に設け
られる補強部材とを備え、前記サッシュと前記補強部材
とを接合した後に、前記ドアパネルに前記サッシュを固
定するドアにおいて、前記補強部材の前記サッシュとの
接合部側端部に凹部を設け、該凹部と対応する高さ位置
に、前記サッシュと前記ドアパネルとを接合する溶接箇
所を設けている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0008】図1〜図6は、本発明に係るドアの補強構
造の第1実施形態を示している。図における自動車1の
左右両側面には、フロントサイドドア2およびリヤサイ
ドドア3が車両前後方向に沿って配設されている。これ
らフロントサイドドア2およびリヤサイドドア3のう
ち、リヤサイドドア3は、図2および図3に示す如く、
ドアパネル4の上部に設けられる下向き配置のコ字型サ
ッシュ5と、このサッシュ5の下部前後間に架設される
補強部材6とを備えており、ドアパネル4は、室内側の
面を形成するインナーパネル7と室外側の面を形成する
アウターパネル8とをヘミングで結合させて組付けるこ
とにより構成されている。
【0009】上記リヤサイドドア3では、先にサッシュ
5と補強部材6とをCO2溶接W1で接合することによ
り、ウィンドサブアッシ9が製作されており、このウィ
ンドサブアッシ9は、アウタパネル8を組付ける前に、
インナーパネル7とスポット溶接W2で接合されるよう
になっている。ドア組立て時や工場への納入がウィンド
サブアッシ9の状態で行われるのは、工場での組付け工
程数を減少させて生産効率を上げると共に、サッシュ5
の前後を補強部材6で接続して剛性を高めることにより
輸送中のサッシュ5の変形を防止して、リヤサイドドア
3の組付け精度や建て付け精度を向上させるためであ
る。このようなドアの精度は、水洩れ、防音等の性能に
大きな影響を与えるので、自動車1の組立て作業におい
て非常に重要な要因である。
【0010】一方、上記補強部材6のサッシュ5との接
合部側端部には、図4〜図6に示す如く、当該補強部材
6とスポット溶接ガン10との干渉を避け、理想的なス
ポット溶接W2のポイントを確保する凹部11が設けら
れており、該凹部11は、スポット溶接W2のポイント
周辺の一部を一般面よりも凹ませることにより形成され
ている。そのため、凹部11と対応した等しい高さ位置
には、ウィンドサブアッシ9のサッシュ5とドアパネル
4のインナーパネル7とを接合する溶接箇所が設けられ
ている。
【0011】また、凹部11の上下位置には、補強部材
6の一般面よりも突出する凸部12,13がそれぞれ設
けられており、これら凸部12,13にてサッシュ5と
補強部材6とが接合されるようになっている。このた
め、補強部材6の取付部は、凹部11および凸部12,
13によってビードの役割を果たす凹凸形状となり、剛
性が高められている。しかも、これら凸部12,13に
よって、従来の構造で1箇所だったCO2溶接W1が2
箇所に分けられ、かつ、その凸部12,13間には凹部
11に対するスポット溶接W2が設けられており、CO
2溶接W1の溶接箇所のピッチは広がり、補強部材6の
姿勢が安定化するように構成されている。
【0012】さらに、上記凹部11の端縁は、サッシュ
5のS部、つまりサッシュ5のドアガラス14を囲む側
の壁に当接する様に配置されている。このような凹部1
1の配置は、サッシュ5に負荷が掛けられた場合でも、
その端縁がサッシュ5に当接して変形を抑えることにな
り、当該サッシュ5の強度を高める構造となっている。
【0013】本発明の第1実施形態の補強構造におい
て、リヤサイドドア3を組付けるには、図2〜図4に示
す如く、まず先にサッシュ5と補強部材6との前後部を
上下2箇所の凸部12,13でCO2溶接W1によって
それぞれ接合し、サッシュ5の下部前後間に補強部材6
が架設されたウィンドサブアッシ9を製作しておく。次
いで、このウィンドサブアッシ9を持ってドアパネル4
の上部に配置し、その下部をインナーパネル7に重ね合
わせる。そして、図5および図6に示す如く、スポット
溶接ガン10によりウィンドサブアッシ9とインナーパ
ネル7とを補強部材6の凹部11において、スポット溶
接W2することにより接合する。その後、ウィンドサブ
アッシ9が接合されたドアパネル4のインナーパネル7
にアウターパネル8を外方から重ね合わせてヘミングで
結合させれば、リヤサイドドア3の組付け作業は完了す
ることになる。
【0014】本発明の第1実施形態に係るドアの補強構
造では、補強部材6におけるサッシュ5との接合部側端
部に凹部11が設けられ、この凹部11と対応した等し
い高さ位置にサッシュ5とインナーパネル7とを接合す
る溶接箇所が設けられているため、従来の構造と異な
り、補強部材6がスポット溶接ガン10に干渉するのを
確実に防ぐことができ、サッシュ5とインナーパネル7
との溶接位置の自由度が広がり、理想的なポイントでス
ポット溶接W2を行うことが可能となり、溶接不良が起
こる確率を低下させることができる。しかも、凹部11
の上下位置には、凸部12,13が設けられているた
め、補強部材6の取付部がビードと同様の役割をする凹
凸形状となり、サッシュ5と補強材6との接合部の強度
を向上させることができる。また、本実施形態の補強構
造では、凸部12,13の上下2箇所でCO2溶接W1
が行われ、かつ、その凸部12,13間の凹部11でス
ポット溶接W2が行われるため、CO2溶接W1の溶接
箇所のピッチは広がり、補強部材6の姿勢が安定し、よ
り接合部の強度を向上させ、ウィンドサブアッシ9とド
アパネル4との組付け精度を高めることができる。それ
に加えて、凹部11の端縁は、サッシュ5のS部に当接
する様に配置されているため、サッシュ5の強度を向上
させることができる。
【0015】図7〜図9は、本発明に係るドアの補強構
造の第2実施形態を示している。この第2実施形態の補
強構造が上記第1実施形態と異なるのは、本実施形態の
凹部21が、フロントサイドドア2に接合されるフロン
トドアサッシュ22とフロントドアミラーブラケット2
3とのCO2溶接W1の溶接箇所付近に設けられている
点である。その他の構成および効果は、上記第1実施形
態と同様である。
【0016】以上、本発明の実施の形態につき述べた
が、本発明は既述の実施形態に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変
更が可能である。例えば、既述の第1実施形態の変形例
としては、図10および図11に示す如く、凹部11の
端縁に、サッシュ5と対面するフランジ11aを延長し
て設け、このフランジ11aとサッシュ5とをCO2
接W1で接合することも可能である。このような補強構
造にすれば、スポット溶接W2のポイント周辺の一部に
凹部11のみを設ける場合に比べて、サッシュ5と補強
部材6との接合部の強度をさらに高めることができる。
【0017】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係るガラス昇降式
ドアの構造は、ドアパネルの上部に設けられるサッシュ
と、該サッシュの下部に設けられる補強部材とを備え、
前記サッシュと前記補強部材とを接合した後に、前記ド
アパネルに前記サッシュを固定するドアにおいて、前記
補強部材の前記サッシュとの接合部側端部に凹部を設
け、該凹部と対応する高さ位置に、前記サッシュと前記
ドアパネルとを接合する溶接箇所を設けているので、従
来の構造と異なり、補強部材とスポット溶接ガンとの干
渉を無くし、理想的なポイントで溶接作業を容易に行う
ことができ、溶接位置の自由度増大および溶接不良の低
下を図ることができる。
【0018】しかも、本発明の補強構造において、凹部
の上下位置に凸部をそれぞれ設け、ビードの役割をする
凹凸形状としてサッシュと補強部材とを接合させれば、
サッシュと補強部材との接合部の強度を向上させること
ができる。また、本発明の構造において、凸部の上下2
箇所で溶接すれば、溶接箇所のピッチが広く取れ、補強
部材の姿勢が安定し、より接合部の強度向上を図ること
ができる。さらに、本発明の構造において、凹部の端縁
をサッシュのS部に当接する様に配置すれば、サッシュ
の強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るドアの補強構造が
適用された自動車を示す側面図である。
【図2】図1における自動車のリヤサイドドアを組付け
る前の状態示す斜視図である。
【図3】図2におけるサッシュと補強部材とを接合して
成るウィンドサブアッシを示す側面図である。
【図4】図3におけるX矢視図である。
【図5】図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図4におけるY矢視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るドアの補強構造を
示すものであって、フロントサイドドアに接合されるサ
ッシュおよびミラーブラケットを示す側面図である。
【図8】図7におけるZ矢視図である。
【図9】図8におけるB−B線断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態の変形例に係るドアの
補強構造を示すものであって、図3におけるX矢視図で
ある。
【図11】図10におけるC−C線断面図である。
【図12】従来のドアの補強構造を説明するものであっ
て、サッシュと補強部材とを接合して成るウィンドサブ
アッシを示す斜視図である。
【図13】図12におけるD−D線断面図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 フロントサイドドア 3 リヤサイドドア 4 ドアパネル 5 サッシュ 6 補強部材 7 インナーパネル 8 アウターパネル 9 ウインドサブアッシ 10 スポット溶接ガン 11,21 凹部 11a フランジ 12,13 凸部 22 フロントドアサッシュ 23 フロントドアミラーブラケット W1 CO2溶接 W2 スポット溶接

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアパネルの上部に設けられるサッシュ
    と、該サッシュの下部に設けられる補強部材とを備え、
    前記サッシュと前記補強部材とを接合した後に、前記ド
    アパネルに前記サッシュを固定するドアにおいて、前記
    補強部材の前記サッシュとの接合部側端部に凹部を設
    け、該凹部と対応する高さ位置に、前記サッシュと前記
    ドアパネルとを接合する溶接箇所を設けたことを特徴と
    するドアの補強構造。
  2. 【請求項2】 前記凹部の上下位置には凸部がそれぞれ
    設けられ、該凸部にて前記サッシュと前記補強部材とが
    接合されていることを特徴とする請求項1に記載のドア
    の補強構造。
  3. 【請求項3】 前記凹部の端縁が、前記サッシュの閉断
    面部の内側に配置されていることを特徴とする請求項1
    に記載のドアの補強構造。
  4. 【請求項4】 前記凹部の端縁には、前記サッシュと対
    面するフランジが設けられ、該フランジと前記サッシュ
    とが接合されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載のドアの補強構造。
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