JP2002144456A - 半導電性多層無端管状ポリイミド系フイルムとその製造方法及びその使用 - Google Patents
半導電性多層無端管状ポリイミド系フイルムとその製造方法及びその使用Info
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- JP2002144456A JP2002144456A JP2000344129A JP2000344129A JP2002144456A JP 2002144456 A JP2002144456 A JP 2002144456A JP 2000344129 A JP2000344129 A JP 2000344129A JP 2000344129 A JP2000344129 A JP 2000344129A JP 2002144456 A JP2002144456 A JP 2002144456A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】表面抵抗率(表面層)と体積抵抗率値とが個々
に独立して自由に変えることが可能なポリイミド系無端
管状フイルムの提供。 【解決手段】3kV以下の直流電圧を印加した場合に得
られる体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶対値で除し
た値が0.1〜1000倍の範囲にあるように少なくと
も二層で構成されている半導電性多層無端管状ポリイミ
ド系フイルム。具体的にこれは裏面層の有する表面抵抗
率を変えることで行う。必要な表面層と裏面層の半導電
化(電気抵抗付与)は導電性カーボンブラックの混合が
有効である。該フイルムの製造は成形原液を実質的無遠
心力下で、噴霧状供給・加熱成形が好ましい。該フイル
ムは、例えば各カラー複写機(各メーカ)の紙搬送兼転
写用又は中間転写用のベルト使用に関し、それが必要と
する電気抵抗特性に対して容易に対応供給することがで
きる。ベルトによる紙両面印刷方式にも対応が容易。
に独立して自由に変えることが可能なポリイミド系無端
管状フイルムの提供。 【解決手段】3kV以下の直流電圧を印加した場合に得
られる体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶対値で除し
た値が0.1〜1000倍の範囲にあるように少なくと
も二層で構成されている半導電性多層無端管状ポリイミ
ド系フイルム。具体的にこれは裏面層の有する表面抵抗
率を変えることで行う。必要な表面層と裏面層の半導電
化(電気抵抗付与)は導電性カーボンブラックの混合が
有効である。該フイルムの製造は成形原液を実質的無遠
心力下で、噴霧状供給・加熱成形が好ましい。該フイル
ムは、例えば各カラー複写機(各メーカ)の紙搬送兼転
写用又は中間転写用のベルト使用に関し、それが必要と
する電気抵抗特性に対して容易に対応供給することがで
きる。ベルトによる紙両面印刷方式にも対応が容易。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に種々の印加電
圧条件に対しても、所望する電気抵抗値、つまり体積抵
抗値と表面抵抗値とが独立的に各々得られるように制御
のできることを可能にした半導電性多層無端管状ポリイ
ミド系フイルムとその製造方法及びその使用に関し提供
するものである。該フイルムはカラー複写機の紙搬送兼
転写用又は中間転写用のベルト部材としての使用が有効
である。
圧条件に対しても、所望する電気抵抗値、つまり体積抵
抗値と表面抵抗値とが独立的に各々得られるように制御
のできることを可能にした半導電性多層無端管状ポリイ
ミド系フイルムとその製造方法及びその使用に関し提供
するものである。該フイルムはカラー複写機の紙搬送兼
転写用又は中間転写用のベルト部材としての使用が有効
である。
【0002】
【従来の技術】例えばゼログラフィーのカラー複写手段
で、近年中間(転写)方式を取り入れることが盛んに行
われている。この中間(転写)方式の中でベルト(半導
電性)を介在してカラー複写を行う方法がある。このベ
ルトの使用形態には2つの場合がある。その一つは中間
転写方式と呼ばれる方法である。これは感光ドラム上に
形成されたトナー顕像を、一旦該ベルトに一次転写し、
これを別途給紙されてくる複写紙に二次転写し、最後に
定着器に送って加熱定着する方法である。もう一つは、
紙搬送兼転写方式と呼ばれる方法である。これはまず該
紙がベルトに乗って感光ドラムの下まで運ばれてくる。
そして該ドラム上のトナー顕像が該紙に転写される。最
後に定着器に送られて加熱定着される。
で、近年中間(転写)方式を取り入れることが盛んに行
われている。この中間(転写)方式の中でベルト(半導
電性)を介在してカラー複写を行う方法がある。このベ
ルトの使用形態には2つの場合がある。その一つは中間
転写方式と呼ばれる方法である。これは感光ドラム上に
形成されたトナー顕像を、一旦該ベルトに一次転写し、
これを別途給紙されてくる複写紙に二次転写し、最後に
定着器に送って加熱定着する方法である。もう一つは、
紙搬送兼転写方式と呼ばれる方法である。これはまず該
紙がベルトに乗って感光ドラムの下まで運ばれてくる。
そして該ドラム上のトナー顕像が該紙に転写される。最
後に定着器に送られて加熱定着される。
【0003】前記中間転写方式によるトナー顕像の一次
転写及び二次転写にしても、そして紙搬送兼転写方式に
よる紙搬送と紙へのトナー顕像転写にしても、全てベル
トの有する静電気作用(静電吸着及び/又は静電脱着作
用)とによって行われている。
転写及び二次転写にしても、そして紙搬送兼転写方式に
よる紙搬送と紙へのトナー顕像転写にしても、全てベル
トの有する静電気作用(静電吸着及び/又は静電脱着作
用)とによって行われている。
【0004】前記静電気作用の発現は、電気絶縁樹脂の
単層でもってなるベルトによる場合と、電気絶縁樹脂層
を表面層とし、半導電樹脂層を裏面層とする二層構成を
採ってなるベルトによる場合とがある(例えば半導電樹
脂層を導電性カーボンブラック分散のポリイミドにより
形成し、電気絶縁樹脂層をポリイミド又はフッ素樹脂に
より積層するものとして特開平10−142812号公
報又は特開平11−235765号公報がある)。
単層でもってなるベルトによる場合と、電気絶縁樹脂層
を表面層とし、半導電樹脂層を裏面層とする二層構成を
採ってなるベルトによる場合とがある(例えば半導電樹
脂層を導電性カーボンブラック分散のポリイミドにより
形成し、電気絶縁樹脂層をポリイミド又はフッ素樹脂に
より積層するものとして特開平10−142812号公
報又は特開平11−235765号公報がある)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記静電気作
用は、各々の作用の違いでベルトが必要とする静電力
(帯電荷量)は異なる。更には複写機毎(メーカ)にト
ナー、紙、転写(帯電)ロール等の電気抵抗とか、印加
電圧方向、設定印加電圧の大きさ等が異なるので、この
ことによっても必要とするベルトの静電力も異なる。こ
のような状況に対応できるためには、ベルトの有する電
気抵抗特性、特に表面抵抗と体積抵抗とを各々独立的に
最適な値でコントロールできるかどうかに係っている。
用は、各々の作用の違いでベルトが必要とする静電力
(帯電荷量)は異なる。更には複写機毎(メーカ)にト
ナー、紙、転写(帯電)ロール等の電気抵抗とか、印加
電圧方向、設定印加電圧の大きさ等が異なるので、この
ことによっても必要とするベルトの静電力も異なる。こ
のような状況に対応できるためには、ベルトの有する電
気抵抗特性、特に表面抵抗と体積抵抗とを各々独立的に
最適な値でコントロールできるかどうかに係っている。
【0006】しかしながら、前記する従来の知られてい
る手段、つまり単層ベルトとか、二層ベルトの場合に
は、表面抵抗値と体積抵抗値とは厚みを係数とする比例
関係にあることから、表面抵抗値が決まればその値に従
い体積抵抗値も自ずから決まってしまう。つまり独立的
に所望する最適値が得られないと言う問題がある。又、
印加電圧の上昇に対して表面抵抗は差ほどの変化はない
が、体積抵抗の変化は大きく低下すると言った問題があ
る。又、特に前記二層によるベルトの場合の電気絶縁樹
脂層をフッ素樹脂による場合の欠点は、長期間の反復使
用で表面が摩耗するとか破壊(剥離)する危険性が高
く、これは静電容量の変化に繋がり静電気引力の減衰を
招くことになる。
る手段、つまり単層ベルトとか、二層ベルトの場合に
は、表面抵抗値と体積抵抗値とは厚みを係数とする比例
関係にあることから、表面抵抗値が決まればその値に従
い体積抵抗値も自ずから決まってしまう。つまり独立的
に所望する最適値が得られないと言う問題がある。又、
印加電圧の上昇に対して表面抵抗は差ほどの変化はない
が、体積抵抗の変化は大きく低下すると言った問題があ
る。又、特に前記二層によるベルトの場合の電気絶縁樹
脂層をフッ素樹脂による場合の欠点は、長期間の反復使
用で表面が摩耗するとか破壊(剥離)する危険性が高
く、これは静電容量の変化に繋がり静電気引力の減衰を
招くことになる。
【0007】本発明は前記の3つの点を課題として、こ
れを解決するために鋭意検討して見出されたものであ
る。その解決手段は次の通りである。
れを解決するために鋭意検討して見出されたものであ
る。その解決手段は次の通りである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、まず請求
項1に記載するように、3kV以下の直流電圧を印加し
た場合に得られる体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶
対値で除した値が0.1〜1000倍の範囲にあるよう
に少なくとも二層で構成されている半導電性多層無端管
状ポリイミド系フイルムである。
項1に記載するように、3kV以下の直流電圧を印加し
た場合に得られる体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶
対値で除した値が0.1〜1000倍の範囲にあるよう
に少なくとも二層で構成されている半導電性多層無端管
状ポリイミド系フイルムである。
【0009】又、請求項1に記載の前記フイルムは、請
求項2で提供するように、導電性カーボンブラックによ
り付与された表面抵抗率の小さい半導電性ポリイミド表
面層と導電性カーボンブラックにより付与された表面抵
抗率の大きい半導電性ポリイミド裏面層との構成によっ
て好ましく達成され、更にこの各層の表面抵抗率として
は、表面層を106〜12Ω/□の範囲に、裏面層を1
010〜15Ω/□の範囲に設定し、この範囲の中で大
小異なる両層とすることでより好ましく達成される。こ
れを請求項3の発明として提供する。
求項2で提供するように、導電性カーボンブラックによ
り付与された表面抵抗率の小さい半導電性ポリイミド表
面層と導電性カーボンブラックにより付与された表面抵
抗率の大きい半導電性ポリイミド裏面層との構成によっ
て好ましく達成され、更にこの各層の表面抵抗率として
は、表面層を106〜12Ω/□の範囲に、裏面層を1
010〜15Ω/□の範囲に設定し、この範囲の中で大
小異なる両層とすることでより好ましく達成される。こ
れを請求項3の発明として提供する。
【0010】又、前記半導電性多層無端管状ポリイミド
系フイルムの製造方法に関し、好ましいものとして請求
項4に記載の通り提供する。つまりこの製造方法は、次
の(A)〜(C)に記載の各工程が順次行われてなるこ
とを特徴とするものである。 (A)ポリアミド酸と導電性カーボンブラック粉体と有
機溶媒とを含有する電気抵抗の小さい高半導電性ポリア
ミド酸溶液を、実質的無遠心力の速度で回転する該ドラ
ムの内面に噴霧状で均一に供給し加熱して、該溶媒の含
有量10%以下の高半導電性無端管状ポリアミド酸層に
成形する第一工程、(B)前記により金属ドラム内面に
成形された高半導電性の無端管状ポリアミド酸層の内面
に、ポリアミド酸と導電性カーボンブラック粉体と有機
溶媒とを含有する電気抵抗の大きい低半導電性ポリアミ
ド酸溶液を、実質的無遠心力の速度で回転する該ドラム
の内面に噴霧状で均一に供給し加熱して低半導電性の無
端管状ポリアミド酸層を積層する第二工程、(C)前記
第二工程で得られた半導電性無端管状ポリアミド酸フイ
ルムを熱風加熱して残存有機溶媒の蒸発除去と共に、ポ
リアミド酸成分をイミド化して相当する多層無端管状ポ
リイミド系フイルムに変える第三工程。
系フイルムの製造方法に関し、好ましいものとして請求
項4に記載の通り提供する。つまりこの製造方法は、次
の(A)〜(C)に記載の各工程が順次行われてなるこ
とを特徴とするものである。 (A)ポリアミド酸と導電性カーボンブラック粉体と有
機溶媒とを含有する電気抵抗の小さい高半導電性ポリア
ミド酸溶液を、実質的無遠心力の速度で回転する該ドラ
ムの内面に噴霧状で均一に供給し加熱して、該溶媒の含
有量10%以下の高半導電性無端管状ポリアミド酸層に
成形する第一工程、(B)前記により金属ドラム内面に
成形された高半導電性の無端管状ポリアミド酸層の内面
に、ポリアミド酸と導電性カーボンブラック粉体と有機
溶媒とを含有する電気抵抗の大きい低半導電性ポリアミ
ド酸溶液を、実質的無遠心力の速度で回転する該ドラム
の内面に噴霧状で均一に供給し加熱して低半導電性の無
端管状ポリアミド酸層を積層する第二工程、(C)前記
第二工程で得られた半導電性無端管状ポリアミド酸フイ
ルムを熱風加熱して残存有機溶媒の蒸発除去と共に、ポ
リアミド酸成分をイミド化して相当する多層無端管状ポ
リイミド系フイルムに変える第三工程。
【0011】そして前記製造方法に関し、特に前記フイ
ルム平滑性の面でより改良を計るために、特定の化合物
を使用することについて請求項5をも提供する。
ルム平滑性の面でより改良を計るために、特定の化合物
を使用することについて請求項5をも提供する。
【0012】又、前記半導電性多層無端管状ポリイミド
系フイルムの有効な用途として、カラー複写機の紙搬送
兼転写用又は中間転写用のベルトとしての使用を請求項
6で提供する。以上の請求項1〜6記載の発明によっ
て、前記課題は達成されるが、詳細は次の実施形態で説
明する。
系フイルムの有効な用途として、カラー複写機の紙搬送
兼転写用又は中間転写用のベルトとしての使用を請求項
6で提供する。以上の請求項1〜6記載の発明によっ
て、前記課題は達成されるが、詳細は次の実施形態で説
明する。
【0013】
【発明の実施の形態】まず本発明の半導電性多層無端管
状ポリイミド系フイルムは(以下S・MLフイルムと呼
ぶ)、(電気絶縁層を有しない)半導電層のみをもって
なる少なくとも二層の積層フイルムであり、且つその二
層の有する半導電層は電気抵抗が異なると言うものであ
る。従って、前記の従来技術に見られる電気絶縁層を表
面に半導電層を裏面にもってなるものでは、前記課題は
達成されない。
状ポリイミド系フイルムは(以下S・MLフイルムと呼
ぶ)、(電気絶縁層を有しない)半導電層のみをもって
なる少なくとも二層の積層フイルムであり、且つその二
層の有する半導電層は電気抵抗が異なると言うものであ
る。従って、前記の従来技術に見られる電気絶縁層を表
面に半導電層を裏面にもってなるものでは、前記課題は
達成されない。
【0014】前記S・MLフイルムではあるが、更に前
記課題を十分に満足できるレベルで達成するために、3
kVの直流電圧(以下単に電圧と呼ぶ)、好ましくは2
kV以下100V以上の範囲で印加した場合に得られる
体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶対値で除した値
(以下R値と呼ぶ)が、特に0.1〜1000倍、好ま
しくは0.5≦R値≦600、更には1≦R値≦200
の範囲で構成した該フイルムに限られると言うことであ
る。ここで体積抵抗率は、該フイルム全体が有する体積
抵抗率で、そして表面抵抗率は表面層の有する抵抗率を
意味する。
記課題を十分に満足できるレベルで達成するために、3
kVの直流電圧(以下単に電圧と呼ぶ)、好ましくは2
kV以下100V以上の範囲で印加した場合に得られる
体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶対値で除した値
(以下R値と呼ぶ)が、特に0.1〜1000倍、好ま
しくは0.5≦R値≦600、更には1≦R値≦200
の範囲で構成した該フイルムに限られると言うことであ
る。ここで体積抵抗率は、該フイルム全体が有する体積
抵抗率で、そして表面抵抗率は表面層の有する抵抗率を
意味する。
【0015】前記R値は、まず3kV以下の電圧印加下
でのものであるが、これは次の理由による。本発明のS
・MLフイルムにおいては、3kVを超える電圧を印加
すると、表面からの放電、更には絶縁破壊と言ったこと
が起こり易くなり、このような現象が起こると、予め決
められたR値が変動する結果になる。使用中でのR値の
変動は、二層としての全体の電気抵抗バランスが大きく
崩れることになり、前記課題が十分に達成できなくな
る。つまり本発明ではまず3kV以下、より安全には2
kV以下の印加条件下での使用に限って成立するもので
ある。尚、下限を100Vとして好ましく例示している
のは、これよりも低電圧印加では敢えて本発明の構成を
取る必要がないからである。
でのものであるが、これは次の理由による。本発明のS
・MLフイルムにおいては、3kVを超える電圧を印加
すると、表面からの放電、更には絶縁破壊と言ったこと
が起こり易くなり、このような現象が起こると、予め決
められたR値が変動する結果になる。使用中でのR値の
変動は、二層としての全体の電気抵抗バランスが大きく
崩れることになり、前記課題が十分に達成できなくな
る。つまり本発明ではまず3kV以下、より安全には2
kV以下の印加条件下での使用に限って成立するもので
ある。尚、下限を100Vとして好ましく例示している
のは、これよりも低電圧印加では敢えて本発明の構成を
取る必要がないからである。
【0016】更に前記印加電圧下であっても、表面抵抗
率と体積抵抗率の要求に対して自由に対応できるのは、
R値で0.1〜1000倍の範囲に限って行われるが、
これは次の理由による。まずR値が0.1倍未満になる
場合は、裏面層の有する表面抵抗率の絶対値が表面層の
有する表面抵抗率の絶対値よりも小さくなる場合であ
る。つまり体積抵抗率の絶対値が表面層の表面抵抗率よ
りも小さくなった場合である。このような二層では、よ
り低抵抗の実質的単層から成るものに等しくなり、要求
する表面抵抗率と体積抵抗率に対して自由に対応するこ
とができなくなる。更には電圧を印加しても蓄電される
電荷の寿命が極めて短くなり直ぐに減衰してしまう。電
荷の寿命が余りにも短いことは、その作用(例えばトナ
ーの転写とか、紙搬送)が安定して行われないことにな
る。
率と体積抵抗率の要求に対して自由に対応できるのは、
R値で0.1〜1000倍の範囲に限って行われるが、
これは次の理由による。まずR値が0.1倍未満になる
場合は、裏面層の有する表面抵抗率の絶対値が表面層の
有する表面抵抗率の絶対値よりも小さくなる場合であ
る。つまり体積抵抗率の絶対値が表面層の表面抵抗率よ
りも小さくなった場合である。このような二層では、よ
り低抵抗の実質的単層から成るものに等しくなり、要求
する表面抵抗率と体積抵抗率に対して自由に対応するこ
とができなくなる。更には電圧を印加しても蓄電される
電荷の寿命が極めて短くなり直ぐに減衰してしまう。電
荷の寿命が余りにも短いことは、その作用(例えばトナ
ーの転写とか、紙搬送)が安定して行われないことにな
る。
【0017】一方、R値が1000倍を超える場合は、
前記0.1倍未満の場合と逆で裏面層の有する表面抵抗
率の絶対値が表面層の有する表面抵抗率の絶対値よりも
余りにも大きくなり過ぎた場合である。つまり体積抵抗
率の絶対値が表面層の表面抵抗率よりも大過剰になった
場合である。裏面層の有する表面抵抗率が大きくなり過
ぎると半導電性が電気絶縁性的になる。つまり実質的に
半導電性の表面層と電気絶縁性の裏面層をもってなるP
Iフイルムと言ったものになる。このようになっても前
記と同様に要求する表面抵抗率と体積抵抗率に対して自
由に対応することができなくなるのは勿論、特により高
い電圧を印加して行くと表面抵抗率よりも体積抵抗率の
変化が大きく低下する傾向になり、設定された両抵抗を
安定して維持できなくなる。更に蓄電される電荷が必要
以上に多く、且つその寿命も必要以上に長くなり、その
結果自然徐電も容易でなくなる。所定時間内に徐電して
しまおうとするならば、徐電器を設けて積極的徐電をす
る必要がある。これはオゾンの発生をより多くすること
にもなり好ましいことにはならない。
前記0.1倍未満の場合と逆で裏面層の有する表面抵抗
率の絶対値が表面層の有する表面抵抗率の絶対値よりも
余りにも大きくなり過ぎた場合である。つまり体積抵抗
率の絶対値が表面層の表面抵抗率よりも大過剰になった
場合である。裏面層の有する表面抵抗率が大きくなり過
ぎると半導電性が電気絶縁性的になる。つまり実質的に
半導電性の表面層と電気絶縁性の裏面層をもってなるP
Iフイルムと言ったものになる。このようになっても前
記と同様に要求する表面抵抗率と体積抵抗率に対して自
由に対応することができなくなるのは勿論、特により高
い電圧を印加して行くと表面抵抗率よりも体積抵抗率の
変化が大きく低下する傾向になり、設定された両抵抗を
安定して維持できなくなる。更に蓄電される電荷が必要
以上に多く、且つその寿命も必要以上に長くなり、その
結果自然徐電も容易でなくなる。所定時間内に徐電して
しまおうとするならば、徐電器を設けて積極的徐電をす
る必要がある。これはオゾンの発生をより多くすること
にもなり好ましいことにはならない。
【0018】前記の通り条件下のS・MLフイルムであ
るが、該フイルムは成分上からは主としてポリイミド系
樹脂(以下PI樹脂)と導電性粉体とによってなる。こ
こで特にPI樹脂が使用されるのは、他の樹脂にはない
優れた特性(耐熱性、機械的強度、耐薬品性)があるこ
とと、同質PI樹脂による多層であるので層間剥離する
ようなことが全くないこと等である。該PI樹脂は、一
般に知られているように、芳香族基が2つのイミド基に
結合されて、これが反復単位となって高分子(少なくと
もフイルムとして使用できる高分子量体)化している芳
香族PI樹脂をはじめ、芳香族基が1つのイミド基とア
ミド基に結合されてこれが反復単位となって同様に高分
子量化している芳香族ポリアミドイミド(PAI樹脂)
でもある。尚、特に芳香族PI樹脂の場合、これを合成
する出発原料の種類によって、熱硬化性と熱可塑性とに
変わる。従って本発明に係わる半導電性PI層の特性も
異なっていて、その特性に適した使われ方がなされる。
中でもより高い耐熱性、より優れた機械的性質(伸縮な
く、強靱)、より高い耐薬品性を必要とする場合は熱硬
化性PI樹脂が選ばれる。
るが、該フイルムは成分上からは主としてポリイミド系
樹脂(以下PI樹脂)と導電性粉体とによってなる。こ
こで特にPI樹脂が使用されるのは、他の樹脂にはない
優れた特性(耐熱性、機械的強度、耐薬品性)があるこ
とと、同質PI樹脂による多層であるので層間剥離する
ようなことが全くないこと等である。該PI樹脂は、一
般に知られているように、芳香族基が2つのイミド基に
結合されて、これが反復単位となって高分子(少なくと
もフイルムとして使用できる高分子量体)化している芳
香族PI樹脂をはじめ、芳香族基が1つのイミド基とア
ミド基に結合されてこれが反復単位となって同様に高分
子量化している芳香族ポリアミドイミド(PAI樹脂)
でもある。尚、特に芳香族PI樹脂の場合、これを合成
する出発原料の種類によって、熱硬化性と熱可塑性とに
変わる。従って本発明に係わる半導電性PI層の特性も
異なっていて、その特性に適した使われ方がなされる。
中でもより高い耐熱性、より優れた機械的性質(伸縮な
く、強靱)、より高い耐薬品性を必要とする場合は熱硬
化性PI樹脂が選ばれる。
【0019】又導電性粉体は、一般に知られている体積
抵抗率で100Ω・cm以下の無機粉体を言うが、就中
導電性カーボンブラック(以下CB粉体)が好ましい。
これは他の導電性粉体と比較して、PI樹脂との分散性
(バラツキが小さい)、分散後の安定性、比較的少量添
加で所望する半導電性の付与ができる等の理由による。
尚前記CB粉体は、その製造原料(天然ガス、アセチレ
ンガス、コールタール等)と製造条件(燃焼条件)とに
よって種々の物性(電気抵抗、揮発分、比表面積、粒
径、pH値、DBP吸油量等)を有したものがある。可
能なかぎり少量の混合分散でもって、より所望する前記
表面抵抗率が安定して得られるようなものを選ぶのがよ
い。例えばストラクチャーの発達した導電指標の高いも
のとか(これはアセチレンガスを原料として製造して得
たCB粉体に多い)、或いは導電指標はあまり高くない
が(pH値を低くするような)、揮発分を多く含有する
もの等適当なパラメーターでもって選択する。
抵抗率で100Ω・cm以下の無機粉体を言うが、就中
導電性カーボンブラック(以下CB粉体)が好ましい。
これは他の導電性粉体と比較して、PI樹脂との分散性
(バラツキが小さい)、分散後の安定性、比較的少量添
加で所望する半導電性の付与ができる等の理由による。
尚前記CB粉体は、その製造原料(天然ガス、アセチレ
ンガス、コールタール等)と製造条件(燃焼条件)とに
よって種々の物性(電気抵抗、揮発分、比表面積、粒
径、pH値、DBP吸油量等)を有したものがある。可
能なかぎり少量の混合分散でもって、より所望する前記
表面抵抗率が安定して得られるようなものを選ぶのがよ
い。例えばストラクチャーの発達した導電指標の高いも
のとか(これはアセチレンガスを原料として製造して得
たCB粉体に多い)、或いは導電指標はあまり高くない
が(pH値を低くするような)、揮発分を多く含有する
もの等適当なパラメーターでもって選択する。
【0020】少なくとも二層の半導電化は、前記PI樹
脂への導電性粉体の混合分散によって行われるが、各層
の半導電化の程度は、前記印加電圧下のR値範囲で適宜
決められる。これを好ましく例示したものが、請求項3
で提供する、表面層の表面抵抗率は106〜12Ω/
□、裏面層の表面抵抗率は1010〜15Ω/□の範囲
である。この抵抗率範囲の中で前記R値の範囲が維持さ
れるように、裏面層を表面層よりも大きく設定すれば良
い。これをCB粉体の使用量に換算すると、例えば体積
抵抗率で10−1Ω・cmのCB粉体を使ったとして、
PI樹脂に対して約5〜20重量%混合すれば、その量
に比例して106〜15Ω/□を自由に得ることができ
る。従って、例えばユーザから印加電圧500Vで対応
で、表面層の表面抵抗率を109Ω/□桁、体積抵抗率
109Ω・cm桁、つまりR値1桁倍に設定された二層
のS・MLフイルムが欲しいとの要望があった場合、次
のように対応すれば良い。まず該CB粉体(10−1Ω
・cmのもの)約13〜14重量%を含有する無端管状
のPI樹脂層(表面層)形成する。これによって、表面
抵抗率は要望通りの109Ω/□桁が得られる。次にこ
の内面に、該CB粉体12〜13重量%を含有する無端
管状のPI樹脂層を積層する。表面層は要求通りの10
9Ω/□の桁の表面抵抗率を有し、裏面層は1012Ω
/□桁が測定される。これによる体積抵抗率は109Ω
・cmが測定される。従って、得られるR値は1桁倍に
あって要求通りの該フイルムを提供することができる。
脂への導電性粉体の混合分散によって行われるが、各層
の半導電化の程度は、前記印加電圧下のR値範囲で適宜
決められる。これを好ましく例示したものが、請求項3
で提供する、表面層の表面抵抗率は106〜12Ω/
□、裏面層の表面抵抗率は1010〜15Ω/□の範囲
である。この抵抗率範囲の中で前記R値の範囲が維持さ
れるように、裏面層を表面層よりも大きく設定すれば良
い。これをCB粉体の使用量に換算すると、例えば体積
抵抗率で10−1Ω・cmのCB粉体を使ったとして、
PI樹脂に対して約5〜20重量%混合すれば、その量
に比例して106〜15Ω/□を自由に得ることができ
る。従って、例えばユーザから印加電圧500Vで対応
で、表面層の表面抵抗率を109Ω/□桁、体積抵抗率
109Ω・cm桁、つまりR値1桁倍に設定された二層
のS・MLフイルムが欲しいとの要望があった場合、次
のように対応すれば良い。まず該CB粉体(10−1Ω
・cmのもの)約13〜14重量%を含有する無端管状
のPI樹脂層(表面層)形成する。これによって、表面
抵抗率は要望通りの109Ω/□桁が得られる。次にこ
の内面に、該CB粉体12〜13重量%を含有する無端
管状のPI樹脂層を積層する。表面層は要求通りの10
9Ω/□の桁の表面抵抗率を有し、裏面層は1012Ω
/□桁が測定される。これによる体積抵抗率は109Ω
・cmが測定される。従って、得られるR値は1桁倍に
あって要求通りの該フイルムを提供することができる。
【0021】尚、S・MLフイルムの厚さ構成は、該フ
イルムの使用形態によるが、基本的に必要な適度の柔軟
性と十分な耐屈曲性(強度)の点から、全厚として50
〜150μm程度あるのが良い。従ってこの中で表面層
と裏面層との層厚は適宜決めればよいが、どちらかと言
えば裏面層を厚くしたほうが良い。
イルムの使用形態によるが、基本的に必要な適度の柔軟
性と十分な耐屈曲性(強度)の点から、全厚として50
〜150μm程度あるのが良い。従ってこの中で表面層
と裏面層との層厚は適宜決めればよいが、どちらかと言
えば裏面層を厚くしたほうが良い。
【0022】次に前記S・MLフイルムの製造方法につ
いて説明する。本製造法については制限はないが、好ま
しい手段として前記請求項4で提供する製造方法を主体
に説明することにする。尚、本方法は従来の成形原液を
遠心成形する遠心成形に比較して次のような特長があ
る。 ◎成形原液を高速回転して遠心力で流延塗布することは
ないので、被塗布面の状態(性質)にも関係なく円滑
に、且つ高厚み精度でもって迅速に塗布でき、各層の形
成ができる。 ◎表面層と裏面層との層界面で両者が混ざり合うような
作用をしないので、半導電PIと高導電PIとの特性が
変化することなくそのまま形成される。 ◎形成層に微細気泡が入るようなことはなく緻密であ
る。この効果は絶縁耐力にも優れている作用に繋がって
発現するものと考えらる。 ◎特に無機系の添加剤を混合して成形する場合、該添加
剤が表面部分に偏在して分散するようなことは全くな
く、全体に均一に分散した状態で得られる。 ◎より高い溶液粘度の成形原液を使うのにより有効な成
形方法である。これは使用する有機溶媒量がより少量に
なるので、製造時間が大幅に短縮される。 ◎無遠心(低速回転)であるので、金属ドラムの回転ブ
レの心配もないので、より大きい径の該ドラムが使用で
きる。つまりより大きい径の該フイルムが容易に製造で
きることになる。又厚み精度も極めて高く、精度ムラも
より一層の改善がなされる。
いて説明する。本製造法については制限はないが、好ま
しい手段として前記請求項4で提供する製造方法を主体
に説明することにする。尚、本方法は従来の成形原液を
遠心成形する遠心成形に比較して次のような特長があ
る。 ◎成形原液を高速回転して遠心力で流延塗布することは
ないので、被塗布面の状態(性質)にも関係なく円滑
に、且つ高厚み精度でもって迅速に塗布でき、各層の形
成ができる。 ◎表面層と裏面層との層界面で両者が混ざり合うような
作用をしないので、半導電PIと高導電PIとの特性が
変化することなくそのまま形成される。 ◎形成層に微細気泡が入るようなことはなく緻密であ
る。この効果は絶縁耐力にも優れている作用に繋がって
発現するものと考えらる。 ◎特に無機系の添加剤を混合して成形する場合、該添加
剤が表面部分に偏在して分散するようなことは全くな
く、全体に均一に分散した状態で得られる。 ◎より高い溶液粘度の成形原液を使うのにより有効な成
形方法である。これは使用する有機溶媒量がより少量に
なるので、製造時間が大幅に短縮される。 ◎無遠心(低速回転)であるので、金属ドラムの回転ブ
レの心配もないので、より大きい径の該ドラムが使用で
きる。つまりより大きい径の該フイルムが容易に製造で
きることになる。又厚み精度も極めて高く、精度ムラも
より一層の改善がなされる。
【0023】(A)に記載の第一工程(以下A1工程)
から説明する。まず本工程及び後述のB2工程で使用さ
れる、成形原液としての高半導電性ポリアミド酸溶液
(以下高半導電PA酸溶液と呼ぶ)と低半導電性ポリア
ミド酸溶液(以下低半導電PA酸溶液と呼ぶ)とは次の
通り調製される。 <高半導電PA酸溶液>まず熱硬化性PI樹脂の前駆体
であるポリアミド酸(PA酸)を有機溶媒中で合成す
る。具体的には芳香族酸二無水物成分としてピロメリッ
ト酸二無水物、4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物又は3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、芳香族ジアミン成分としてp−フエ
ニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル又は4,4´−ジアンミノジフェニルメタンを選び、
(これ等両成分のいずれかの組み合わせで)当モル量で
有機溶媒中で常温以下(約10〜20℃)で重縮合反応
する。イミド化することなくPA酸が合成され溶液状で
得られる。使用する該溶媒は固形分濃度が15〜30重
量%程度になるような量とするのが良い。前記するよう
に無遠心、噴霧成形では高濃度溶液で行えるが、溶液濃
度(粘度)を調整したい場合には該溶媒の希釈で行う。
そして、得られたPA酸溶液にCB粉体を添加し混合分
散する。ここで該溶液は、後述の低半導電PA酸溶液で
添加するCB粉体の量よりも多く添加して、より低電気
抵抗になるようにする。添加量は、例えば前記例示する
表面層が必要とする表面抵抗率の範囲で、必要とする該
抵抗率が得られる量を添加する。十分に分散する必要が
あるが、そのためには、まず羽根付きハイミキサーで攪
拌しながら徐々に添加し、最後にボールミル機の中でセ
ラミックスボールと共に回転攪拌するのが良い。この添
加の際に、CB粉体の分散性をより良化するために、例
えばフッ素系の界面活性剤を微量添加しても良い。
から説明する。まず本工程及び後述のB2工程で使用さ
れる、成形原液としての高半導電性ポリアミド酸溶液
(以下高半導電PA酸溶液と呼ぶ)と低半導電性ポリア
ミド酸溶液(以下低半導電PA酸溶液と呼ぶ)とは次の
通り調製される。 <高半導電PA酸溶液>まず熱硬化性PI樹脂の前駆体
であるポリアミド酸(PA酸)を有機溶媒中で合成す
る。具体的には芳香族酸二無水物成分としてピロメリッ
ト酸二無水物、4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物又は3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、芳香族ジアミン成分としてp−フエ
ニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル又は4,4´−ジアンミノジフェニルメタンを選び、
(これ等両成分のいずれかの組み合わせで)当モル量で
有機溶媒中で常温以下(約10〜20℃)で重縮合反応
する。イミド化することなくPA酸が合成され溶液状で
得られる。使用する該溶媒は固形分濃度が15〜30重
量%程度になるような量とするのが良い。前記するよう
に無遠心、噴霧成形では高濃度溶液で行えるが、溶液濃
度(粘度)を調整したい場合には該溶媒の希釈で行う。
そして、得られたPA酸溶液にCB粉体を添加し混合分
散する。ここで該溶液は、後述の低半導電PA酸溶液で
添加するCB粉体の量よりも多く添加して、より低電気
抵抗になるようにする。添加量は、例えば前記例示する
表面層が必要とする表面抵抗率の範囲で、必要とする該
抵抗率が得られる量を添加する。十分に分散する必要が
あるが、そのためには、まず羽根付きハイミキサーで攪
拌しながら徐々に添加し、最後にボールミル機の中でセ
ラミックスボールと共に回転攪拌するのが良い。この添
加の際に、CB粉体の分散性をより良化するために、例
えばフッ素系の界面活性剤を微量添加しても良い。
【0024】<低半導電PA酸溶液>まず前記の通りP
A酸溶液を調製する。そして該溶液に前記のようにCB
粉体を添加し混合分散するが、ここでの添加量は高半導
電PA酸溶液の場合より少なくしてより高電気抵抗が得
られるようにする。ここでの添加量も、前記例示する裏
面層が必要とする表面抵抗率の範囲で、必要とする該抵
抗率が得られる量を添加する。
A酸溶液を調製する。そして該溶液に前記のようにCB
粉体を添加し混合分散するが、ここでの添加量は高半導
電PA酸溶液の場合より少なくしてより高電気抵抗が得
られるようにする。ここでの添加量も、前記例示する裏
面層が必要とする表面抵抗率の範囲で、必要とする該抵
抗率が得られる量を添加する。
【0025】又、前記高・低の各半導電PA酸溶液に
は、請求項5で提供するpKb≧5,好ましくは6〜1
1の塩基性有機化合物を微量(PA酸に対して0.4〜
4.0重量%、好ましくは0.5〜3.5重量%程度)
を添加混合しておくのが好ましい。ここでpKbは、塩
基性有機化合物の電離的解離度を示す電離指数であり、
これはその化合物の有する電離定数Kbの逆数の対数値
として求められる。この数値は最大14までであり、大
きい程塩基性としての作用は小さくなる。該化合物の微
量添加は次のような点で有効である。その一つは半導電
PA酸溶液にとっては、最終得られる半導電PI層に付
与されている体積抵抗値に関し、特に横(幅)方向のバ
ラツキを抑制する作用があり、その抑制の安全弁とな
る。その二つは、最終得られるS・MLフイルムの特に
裏面に位置するいずれかの層(金属ドラム面に、対して
反対側の内側に相当)に発生し易い薄い鱗模様とか、痘
痕模様のような痕跡模様の発生を抑制する作用をするこ
とである。従ってpKbが5未満の強塩基性有機化合物
では、これ等の作用はしないことになる。尚、一般に塩
基性有機化合物はイミド化促進のために無水酢酸等の酸
無水物と共に使われるが、本発明では酸無水物が加わる
と、前記作用をしなく逆効果となって現れるので使用で
きない。
は、請求項5で提供するpKb≧5,好ましくは6〜1
1の塩基性有機化合物を微量(PA酸に対して0.4〜
4.0重量%、好ましくは0.5〜3.5重量%程度)
を添加混合しておくのが好ましい。ここでpKbは、塩
基性有機化合物の電離的解離度を示す電離指数であり、
これはその化合物の有する電離定数Kbの逆数の対数値
として求められる。この数値は最大14までであり、大
きい程塩基性としての作用は小さくなる。該化合物の微
量添加は次のような点で有効である。その一つは半導電
PA酸溶液にとっては、最終得られる半導電PI層に付
与されている体積抵抗値に関し、特に横(幅)方向のバ
ラツキを抑制する作用があり、その抑制の安全弁とな
る。その二つは、最終得られるS・MLフイルムの特に
裏面に位置するいずれかの層(金属ドラム面に、対して
反対側の内側に相当)に発生し易い薄い鱗模様とか、痘
痕模様のような痕跡模様の発生を抑制する作用をするこ
とである。従ってpKbが5未満の強塩基性有機化合物
では、これ等の作用はしないことになる。尚、一般に塩
基性有機化合物はイミド化促進のために無水酢酸等の酸
無水物と共に使われるが、本発明では酸無水物が加わる
と、前記作用をしなく逆効果となって現れるので使用で
きない。
【0026】前記塩基性有機化合物に属するもで代表的
なものを例示すると、次の通りである。ピリジン、2,
3,4位のいずれかのメチル置換ピリジン、ベンゾピリ
ジン、iso−ベンゾピリジン等のピリジン系化合物に
代表されるヘテロ窒素原子1個を含む6員環芳香族複素
環化合物類。ピリダジン、ピリミジン、ピラジン又はこ
れらのメチル置換体等に代表されるヘテロ窒素原子2個
を含む6員環芳香族複素環化合物類。ピロール、2〜3
位置換メチルピロール、iso−ピロール等に代表され
るヘテロ窒素原子1個を含む5員環芳香族複素環化合物
類。2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、4−イミダ
ゾリン、ピラゾール、イミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチル−
4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
(イミダゾリンゾール)系化合物等に代表されるヘテロ
窒素原子2個を含む5員環芳香族複素環化合物類が挙げ
られる。これ等の中で好ましいのはpKbが6〜10の
範囲にあるヘテロ窒素原子1個を含む6員環芳香族複素
環化合物類又はヘテロ窒素原子2個を含む5員環芳香族
複素環化合物類、更には6〜9にあるヘテロ窒素原子2
個を含む5員環芳香族複素環化合物類である。尚、該化
合物は、一般にはいずれか1種類のみで添加されるが複
数であっても良い。
なものを例示すると、次の通りである。ピリジン、2,
3,4位のいずれかのメチル置換ピリジン、ベンゾピリ
ジン、iso−ベンゾピリジン等のピリジン系化合物に
代表されるヘテロ窒素原子1個を含む6員環芳香族複素
環化合物類。ピリダジン、ピリミジン、ピラジン又はこ
れらのメチル置換体等に代表されるヘテロ窒素原子2個
を含む6員環芳香族複素環化合物類。ピロール、2〜3
位置換メチルピロール、iso−ピロール等に代表され
るヘテロ窒素原子1個を含む5員環芳香族複素環化合物
類。2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、4−イミダ
ゾリン、ピラゾール、イミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチル−
4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
(イミダゾリンゾール)系化合物等に代表されるヘテロ
窒素原子2個を含む5員環芳香族複素環化合物類が挙げ
られる。これ等の中で好ましいのはpKbが6〜10の
範囲にあるヘテロ窒素原子1個を含む6員環芳香族複素
環化合物類又はヘテロ窒素原子2個を含む5員環芳香族
複素環化合物類、更には6〜9にあるヘテロ窒素原子2
個を含む5員環芳香族複素環化合物類である。尚、該化
合物は、一般にはいずれか1種類のみで添加されるが複
数であっても良い。
【0027】尚、前記有機溶媒は、一般にPA酸の溶媒
として知られている、非プロトン性の有機極性化合物で
ある。例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMPと略
す)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホン等である。
として知られている、非プロトン性の有機極性化合物で
ある。例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMPと略
す)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホン等である。
【0028】そして、まず前記高半導電PA酸溶液が実
質的無遠心力の速度で回転する該ドラムの内面に噴霧状
で均一に供給、加熱されて有機溶媒の含有量10%以下
の高半導電性(低電気抵抗)無端管状PA酸層に成形さ
れる。ここで特に該溶媒の含有量を10%以下、望まし
くは7%以下にする、つまり供給した該PA酸溶液に含
まれる該溶媒量を90%以上除去する必要があるのは、
次の理由による。10%よりも多いと、裏面層の表面抵
抗率が小さくなる傾向になり、従って所望通りの体積抵
抗率にコントロールされたS・MLフィルムが得られ難
くなる。これは次のB2工程で積層される低導電PA酸
層と既成の高導電PA酸層との積層界面で両層が入り交
じり、CB粉体の移動現象が起るためではないかと考え
られる。
質的無遠心力の速度で回転する該ドラムの内面に噴霧状
で均一に供給、加熱されて有機溶媒の含有量10%以下
の高半導電性(低電気抵抗)無端管状PA酸層に成形さ
れる。ここで特に該溶媒の含有量を10%以下、望まし
くは7%以下にする、つまり供給した該PA酸溶液に含
まれる該溶媒量を90%以上除去する必要があるのは、
次の理由による。10%よりも多いと、裏面層の表面抵
抗率が小さくなる傾向になり、従って所望通りの体積抵
抗率にコントロールされたS・MLフィルムが得られ難
くなる。これは次のB2工程で積層される低導電PA酸
層と既成の高導電PA酸層との積層界面で両層が入り交
じり、CB粉体の移動現象が起るためではないかと考え
られる。
【0029】次に前記加熱・成形について製造装置を例
にとって詳述する。まず製造装置としては、概略次のよ
うな機構をもってなる。該両端開口の金属ドラムが2本
の回転ローラ上に(着脱自在に)載置される。該ドラム
は、該ローラの回転によって間接回転する機構を採る。
そして該ドラム内を加熱するための加熱源(例えば遠赤
外線)が外側上部に設けられている。ここで該ローラ内
にも加熱源が設けられ、該ドラムの補助的加熱を行う。
そして、該ドラム内には左右動と挿脱自在機構を有して
なる成形原液吐出用スリット状ノズルが設けられるが、
このノズルにはこの吐出口を挟んで両サイドに圧空供給
ノズルも合体して設けられている。これは成形原液を噴
霧化して金属ドラムに供給するためである。ここで該ノ
ズルの出口幅(スリット幅)は、約0.2〜3mm、長
さは約10〜100mmと言ったところである。そし
て、少なくとも該ドラムの全体は排気フアンを持った筐
体で囲まれるようになっていて、回転成形中に加熱蒸発
される有機溶媒を速やかに系外に除去するようにされて
いる。勿論、成形原液は内周全面に均一に供給されて、
且つ所望するフイルム厚さが自由に得られるように、成
形原液の供給量と該ドラムの回転速度と該ノズルの左動
又は右動の速度とが自動的に制御されるようにコンピュ
ーターが組み込まれてもいる。
にとって詳述する。まず製造装置としては、概略次のよ
うな機構をもってなる。該両端開口の金属ドラムが2本
の回転ローラ上に(着脱自在に)載置される。該ドラム
は、該ローラの回転によって間接回転する機構を採る。
そして該ドラム内を加熱するための加熱源(例えば遠赤
外線)が外側上部に設けられている。ここで該ローラ内
にも加熱源が設けられ、該ドラムの補助的加熱を行う。
そして、該ドラム内には左右動と挿脱自在機構を有して
なる成形原液吐出用スリット状ノズルが設けられるが、
このノズルにはこの吐出口を挟んで両サイドに圧空供給
ノズルも合体して設けられている。これは成形原液を噴
霧化して金属ドラムに供給するためである。ここで該ノ
ズルの出口幅(スリット幅)は、約0.2〜3mm、長
さは約10〜100mmと言ったところである。そし
て、少なくとも該ドラムの全体は排気フアンを持った筐
体で囲まれるようになっていて、回転成形中に加熱蒸発
される有機溶媒を速やかに系外に除去するようにされて
いる。勿論、成形原液は内周全面に均一に供給されて、
且つ所望するフイルム厚さが自由に得られるように、成
形原液の供給量と該ドラムの回転速度と該ノズルの左動
又は右動の速度とが自動的に制御されるようにコンピュ
ーターが組み込まれてもいる。
【0030】前記製造装置による加熱・成形は次のよう
に行われる。まず前記ノズルが、金属ドラムの内右端の
上位置に30〜50mm程度離して配置される。該ドラ
ムは、コンピューター制御された所定の回転速度(勿論
遠心力の作用しない角速度、例えば4〜6rad/s程
度の低速度)で回転を始める。そして、(若干時差をお
いて)所定量の前記いずれかの成形原液が噴霧状での供
給を開始し、同時に該ノズルは右端から左端へコンピュ
ーター制御下で移動を始める。右端から左端への供給が
終わったら直ちに噴射供給を停止し、該ノズルは一旦原
位置に自動復帰させ、更に後退させて系外に出される。
に行われる。まず前記ノズルが、金属ドラムの内右端の
上位置に30〜50mm程度離して配置される。該ドラ
ムは、コンピューター制御された所定の回転速度(勿論
遠心力の作用しない角速度、例えば4〜6rad/s程
度の低速度)で回転を始める。そして、(若干時差をお
いて)所定量の前記いずれかの成形原液が噴霧状での供
給を開始し、同時に該ノズルは右端から左端へコンピュ
ーター制御下で移動を始める。右端から左端への供給が
終わったら直ちに噴射供給を停止し、該ノズルは一旦原
位置に自動復帰させ、更に後退させて系外に出される。
【0031】次に回転し続けている金属ドラムを筐体で
囲み、前記加熱源による加熱をスタートし、該ドラム内
を所定温度に保つ。この加熱の開始と共に、前記筐体の
排気フアンの稼働もスタートする。この時の回転速度
は、頭初の速度と同じであるが、若干速く又は遅く(勿
論無遠心力下の速度で、一般には前記最初の速度の0.
5〜3倍程度)する場合もある。ここでの加熱条件は基
本的には、有機溶媒の蒸発温度よりも高いものであるこ
とが必要である(一般に130〜200℃)。時間は少
なくとも有機溶媒残存量が10%以下になるように適宜
決めれば良い。ここでの回転・加熱が終了したら、加熱
を停止して常温にまで冷却し最後に回転を停止する。尚
加熱の上昇はより時間を要して徐々に上げ、ゆっくりと
蒸発除去するようにするのが良い。これでもってA1工
程は終了する。
囲み、前記加熱源による加熱をスタートし、該ドラム内
を所定温度に保つ。この加熱の開始と共に、前記筐体の
排気フアンの稼働もスタートする。この時の回転速度
は、頭初の速度と同じであるが、若干速く又は遅く(勿
論無遠心力下の速度で、一般には前記最初の速度の0.
5〜3倍程度)する場合もある。ここでの加熱条件は基
本的には、有機溶媒の蒸発温度よりも高いものであるこ
とが必要である(一般に130〜200℃)。時間は少
なくとも有機溶媒残存量が10%以下になるように適宜
決めれば良い。ここでの回転・加熱が終了したら、加熱
を停止して常温にまで冷却し最後に回転を停止する。尚
加熱の上昇はより時間を要して徐々に上げ、ゆっくりと
蒸発除去するようにするのが良い。これでもってA1工
程は終了する。
【0032】次に(B)の第二工程(以下B2工程)に
ついて説明する。本工程は前記A1工程で加熱・形成さ
れた高導電PA酸層の内面に、前記低導電PA酸溶液を
該工程と同じ条件範囲内で加熱・形成して、低導電PA
酸層を積層するものである。尚ここでの加熱による有機
溶媒の除去は、必ずしもA1工程と同じ10%以下にす
る必要はなく、少なくとも自己支持性が得られて密着積
層されているレベルに達すれば良い。これは前記の通り
既成の高導電PA酸層に残存する有機溶媒の量が10%
以下にされていることによる。
ついて説明する。本工程は前記A1工程で加熱・形成さ
れた高導電PA酸層の内面に、前記低導電PA酸溶液を
該工程と同じ条件範囲内で加熱・形成して、低導電PA
酸層を積層するものである。尚ここでの加熱による有機
溶媒の除去は、必ずしもA1工程と同じ10%以下にす
る必要はなく、少なくとも自己支持性が得られて密着積
層されているレベルに達すれば良い。これは前記の通り
既成の高導電PA酸層に残存する有機溶媒の量が10%
以下にされていることによる。
【0033】次に(C)の第三工程(以下C3工程)に
ついて説明する。本工程は最終工程で、前記得られた金
属ドラム内の半導電性積層PA酸フイルムは、残存する
有機溶媒の実質的完全除去とイミド化のために、更に熱
風による加熱処理を行って所望するS・MLフイルムを
製造するものである。ここで熱風によるのは、該溶媒の
完全除去がよりスムーズにできる上に、イミド化によっ
て副生する水を、速やかに系外に除去するのに有効であ
るからである。これは、より高品質(気泡のない緻密
な)のS・MLフイルムが得られることになる。
ついて説明する。本工程は最終工程で、前記得られた金
属ドラム内の半導電性積層PA酸フイルムは、残存する
有機溶媒の実質的完全除去とイミド化のために、更に熱
風による加熱処理を行って所望するS・MLフイルムを
製造するものである。ここで熱風によるのは、該溶媒の
完全除去がよりスムーズにできる上に、イミド化によっ
て副生する水を、速やかに系外に除去するのに有効であ
るからである。これは、より高品質(気泡のない緻密
な)のS・MLフイルムが得られることになる。
【0034】前記熱風加熱処理の条件は次の通りであ
る。まず温度は、常温から約350±50℃を上限とし
て約80〜100分を要して徐々に昇温する。この上限
温度に達したらその温度で約40〜80分間加熱する。
そして加熱手段としては次の2つの方法がある。いずれ
の方法を採るかはS・MLフイルムの主成分であるPI
樹脂の熱的性質による。つまりこの加熱課程で収縮の起
こるものは(一般にTg温度もないPI樹脂)は下記A
法によるのがよい。 ◎(A法) 金属ドラム内周面に付着している半導電性積層PA酸フ
イルムを剥離し、これを別設の中空管状金型に嵌挿し
て、これを熱風乾燥機の中で熱風加熱する。 ◎(B法) 半導電性積層PA酸フイルムが金属ドラム内周面に着接
のままで、この全体を熱風乾燥機に投入して熱風加熱す
る。尚、前記するように有機溶媒に可溶の熱可塑性PI
樹脂とPAI樹脂については、イミド化が行われていて
も該溶媒に溶解する。従って、これ等についてはPI溶
液又はPAI溶液を成形原液とすることができ、敢えて
PA酸の溶液とする必要はない。従って、これらのPI
系樹脂をマトリックスとする場合には、本工程では残存
溶媒の除去を目的とした熱風加熱処理と言うことになる
ので、温度は250〜280℃程度で良い。
る。まず温度は、常温から約350±50℃を上限とし
て約80〜100分を要して徐々に昇温する。この上限
温度に達したらその温度で約40〜80分間加熱する。
そして加熱手段としては次の2つの方法がある。いずれ
の方法を採るかはS・MLフイルムの主成分であるPI
樹脂の熱的性質による。つまりこの加熱課程で収縮の起
こるものは(一般にTg温度もないPI樹脂)は下記A
法によるのがよい。 ◎(A法) 金属ドラム内周面に付着している半導電性積層PA酸フ
イルムを剥離し、これを別設の中空管状金型に嵌挿し
て、これを熱風乾燥機の中で熱風加熱する。 ◎(B法) 半導電性積層PA酸フイルムが金属ドラム内周面に着接
のままで、この全体を熱風乾燥機に投入して熱風加熱す
る。尚、前記するように有機溶媒に可溶の熱可塑性PI
樹脂とPAI樹脂については、イミド化が行われていて
も該溶媒に溶解する。従って、これ等についてはPI溶
液又はPAI溶液を成形原液とすることができ、敢えて
PA酸の溶液とする必要はない。従って、これらのPI
系樹脂をマトリックスとする場合には、本工程では残存
溶媒の除去を目的とした熱風加熱処理と言うことになる
ので、温度は250〜280℃程度で良い。
【0035】かくして製造されたS・MLフイルムは、
前記の通り極めて優れた特性(耐熱性、耐薬品性、機械
的性質)をもって、表面抵抗率と体積抵抗率とが個々に
所望通りコントロールでき、しかも得られた各抵抗は印
加電圧に依存して変わるようなこともなく安定してい
る。このような特性は、例えばカラー複写機の重要部材
の一つであるベルト状の紙搬送兼転写用又は中間転写用
のベルト部材として有効であるが、表面抵抗率と体積抵
抗率が自由に変えられることは、今後紙両面同時複写を
行う場合のベルト部材としての使用が有効である。尚、
紙搬送兼転写用又は中間転写用のベルト部材として使用
する場合の形態は、一般に採用されている方法によるの
で詳細は割愛する。
前記の通り極めて優れた特性(耐熱性、耐薬品性、機械
的性質)をもって、表面抵抗率と体積抵抗率とが個々に
所望通りコントロールでき、しかも得られた各抵抗は印
加電圧に依存して変わるようなこともなく安定してい
る。このような特性は、例えばカラー複写機の重要部材
の一つであるベルト状の紙搬送兼転写用又は中間転写用
のベルト部材として有効であるが、表面抵抗率と体積抵
抗率が自由に変えられることは、今後紙両面同時複写を
行う場合のベルト部材としての使用が有効である。尚、
紙搬送兼転写用又は中間転写用のベルト部材として使用
する場合の形態は、一般に採用されている方法によるの
で詳細は割愛する。
【0036】
【実施例】以下に比較例と共に実施例によって更に詳述
する。尚、本例における表面抵抗率(Rs)、体積抵抗
率(Rv)は次の条件で測定した。 ●Rs(Ω/□)、Rv(Ω・cm) 株式会社アドバンテスト製の抵抗測定器“R8340
A”に、JIS−K6911法に準じて作製したプロー
ブ(主電極外径50mm、ガード電極内径70mm(外
径80mm)を繋ぎ,印加電圧500V(実施例1〜
4、比較例1,2)と1.5kV(実施例5)の下で3
0秒後に測定した値。
する。尚、本例における表面抵抗率(Rs)、体積抵抗
率(Rv)は次の条件で測定した。 ●Rs(Ω/□)、Rv(Ω・cm) 株式会社アドバンテスト製の抵抗測定器“R8340
A”に、JIS−K6911法に準じて作製したプロー
ブ(主電極外径50mm、ガード電極内径70mm(外
径80mm)を繋ぎ,印加電圧500V(実施例1〜
4、比較例1,2)と1.5kV(実施例5)の下で3
0秒後に測定した値。
【0037】(参考例1)(PA酸関連成形原液の調製
例) PI樹脂がマトリックスとなる場合の成形原液は次のよ
うにして調製した。
例) PI樹脂がマトリックスとなる場合の成形原液は次のよ
うにして調製した。
【0038】まず芳香族PA酸溶液を次のようにして調
製した。つまりビフエニルテトラカルボン酸二無水物と
4,4´−ジアミノジフエニルエーテルとの当モル量を
NMP溶媒中、20℃で重縮合反応させて、固形分(P
A酸)濃度16重量%、溶液粘度3.5Pa・sの10
kgを得た。該溶液に各半導電性を付与のために下記の
ように調合する。
製した。つまりビフエニルテトラカルボン酸二無水物と
4,4´−ジアミノジフエニルエーテルとの当モル量を
NMP溶媒中、20℃で重縮合反応させて、固形分(P
A酸)濃度16重量%、溶液粘度3.5Pa・sの10
kgを得た。該溶液に各半導電性を付与のために下記の
ように調合する。
【0039】<高半導電PA酸溶液1>前記芳香族PA
酸溶液の3kgを採取して、これに75gのCB粉体
(10−1Ω・cm)(固形分に対して13.3重量
%)及びNMP225g(希釈用)とを添加し、まず羽
根付きの攪拌機で予備的混合後、これをボールミル機に
移し換えて更に混合した。そしてこれに9.6g(固形
分に対して1.7重量%)の2−フェニルイミダゾール
(pKb=6.3)を添加し、羽根付きの攪拌機で攪拌
して混合溶解した。この溶液の粘度は3.2Pa・sで
あった。
酸溶液の3kgを採取して、これに75gのCB粉体
(10−1Ω・cm)(固形分に対して13.3重量
%)及びNMP225g(希釈用)とを添加し、まず羽
根付きの攪拌機で予備的混合後、これをボールミル機に
移し換えて更に混合した。そしてこれに9.6g(固形
分に対して1.7重量%)の2−フェニルイミダゾール
(pKb=6.3)を添加し、羽根付きの攪拌機で攪拌
して混合溶解した。この溶液の粘度は3.2Pa・sで
あった。
【0040】<高半導電PA酸溶液2>(前記高半導電
PA酸溶液1よりも高半導電性) 前記芳香族PA酸溶液1kgを採取して、これに前記C
B粉体26g(固形分に対して13.7重量%)とNM
P80g(希釈用)とを使用する以外は前記同様にして
混合分散した。この溶液の粘度は3.2Pa・sであっ
た。
PA酸溶液1よりも高半導電性) 前記芳香族PA酸溶液1kgを採取して、これに前記C
B粉体26g(固形分に対して13.7重量%)とNM
P80g(希釈用)とを使用する以外は前記同様にして
混合分散した。この溶液の粘度は3.2Pa・sであっ
た。
【0041】<高半導電PA酸溶液3>前記芳香族PA
酸溶液1kgを採取して、これに前記CB粉体24.5
g(固形分に対して13.0重量%)とNMP70g
(希釈用)とを使用する以外は前記同様にして混合分散
した。この溶液の粘度は3.1Pa・sであった。
酸溶液1kgを採取して、これに前記CB粉体24.5
g(固形分に対して13.0重量%)とNMP70g
(希釈用)とを使用する以外は前記同様にして混合分散
した。この溶液の粘度は3.1Pa・sであった。
【0042】<低半導電PA酸溶液4>前記得られた芳
香族PA酸溶液の1kgを採取して、これに前記CB粉
体20g(固形分に対して10.9重量%)とNMP5
0g(希釈用)とを使用する以外は前記同様にして混合
分散した。この溶液の粘度は3.1Pa・sであった。
香族PA酸溶液の1kgを採取して、これに前記CB粉
体20g(固形分に対して10.9重量%)とNMP5
0g(希釈用)とを使用する以外は前記同様にして混合
分散した。この溶液の粘度は3.1Pa・sであった。
【0043】<低半導電PA酸溶液5>(前記低半導電
PA酸溶液4よりも低半導電性) 前記得られた芳香族PA酸溶液の1kgを採取して、こ
れに前記CB粉体の22g(固形分に対して11.9重
量%)とNMP60g(希釈用)添加し前記同様混合分
散した。この溶液の粘度は3.2Pa・sであった。
PA酸溶液4よりも低半導電性) 前記得られた芳香族PA酸溶液の1kgを採取して、こ
れに前記CB粉体の22g(固形分に対して11.9重
量%)とNMP60g(希釈用)添加し前記同様混合分
散した。この溶液の粘度は3.2Pa・sであった。
【0044】<低半導電PA酸溶液6>前記得られた芳
香族PA酸溶液の1kgを採取して、これに前記CB粉
体21g(固形分に対して11.4重量%)とNMP5
5g(希釈用)とを添加し前記同様混合分散した。この
溶液の粘度は3.2Pa・sであった。
香族PA酸溶液の1kgを採取して、これに前記CB粉
体21g(固形分に対して11.4重量%)とNMP5
5g(希釈用)とを添加し前記同様混合分散した。この
溶液の粘度は3.2Pa・sであった。
【0045】<低半導電PA酸溶液7>前記得られた芳
香族PA酸溶液の1kgを採取して、これに前記CB粉
体18g(固形分に対して9.6重量%)とNMP40
g(希釈用)とを添加し前記同様混合分散した。この溶
液の粘度は3.0Pa・sであった。
香族PA酸溶液の1kgを採取して、これに前記CB粉
体18g(固形分に対して9.6重量%)とNMP40
g(希釈用)とを添加し前記同様混合分散した。この溶
液の粘度は3.0Pa・sであった。
【0046】(参考例2)(PAI関連成形原液の調製
例) PAI樹脂がマトリックスとなる場合の成形原液を次の
ようにして調製した。
例) PAI樹脂がマトリックスとなる場合の成形原液を次の
ようにして調製した。
【0047】まず無水トリメリット酸無水物と4,4′
―ジアミノジフェニルメタンとの当モル量をNMP中で
重縮合しイミド化して固形分濃度20重量%、溶液粘度
3.2Pa・sの実質的イミド化されたPAI溶液5k
gを得た。
―ジアミノジフェニルメタンとの当モル量をNMP中で
重縮合しイミド化して固形分濃度20重量%、溶液粘度
3.2Pa・sの実質的イミド化されたPAI溶液5k
gを得た。
【0048】<高半導電PAI溶液8>前記PAI溶液
の2kgを採取して、これに前記CB粉体の60g(固
形分に対して13.0重量%)とNMP110g(希釈
用)とを添加し、まず羽根付きの攪拌機で予備的混合
し、次にボールミルに移し換えて更に混合分散した。こ
の溶液の粘度は1.8Pa・sであった。
の2kgを採取して、これに前記CB粉体の60g(固
形分に対して13.0重量%)とNMP110g(希釈
用)とを添加し、まず羽根付きの攪拌機で予備的混合
し、次にボールミルに移し換えて更に混合分散した。こ
の溶液の粘度は1.8Pa・sであった。
【0049】<低半導電PAI溶液9>前記得たPAI
溶液1kgを採取して、これに前記CB粉体26g(固
形分に対して11.5重量%)とNMP50g(希釈
用)とを添加し添加し、前記同様にして混合分散した。
この溶液の粘度は1.8Pa・sであった。
溶液1kgを採取して、これに前記CB粉体26g(固
形分に対して11.5重量%)とNMP50g(希釈
用)とを添加し添加し、前記同様にして混合分散した。
この溶液の粘度は1.8Pa・sであった。
【0050】<低半導電PAI溶液10>(前記低半導
電PAI溶液9よりも低半導電溶液) 前記得たPAI溶液1kgを採取して、これに前記CB
粉体24g(固形分に対して10.7重量%)とNMP
45g(希釈用)とを添加し添加し、前記同様にして混
合分散した。この溶液の粘度は1.8Pa・sであっ
た。
電PAI溶液9よりも低半導電溶液) 前記得たPAI溶液1kgを採取して、これに前記CB
粉体24g(固形分に対して10.7重量%)とNMP
45g(希釈用)とを添加し添加し、前記同様にして混
合分散した。この溶液の粘度は1.8Pa・sであっ
た。
【0051】(実施例1)(R値=300の場合) 前記の高半導電PA酸溶液1の1kgと前記低半導電P
A酸溶液4の1kgとを用いて、次の条件でまずA1工
程を実施した。尚、ここで使用した製造装置と製造手順
は、前記本文中の記載に基づくが、詳細は次の通りであ
った。
A酸溶液4の1kgとを用いて、次の条件でまずA1工
程を実施した。尚、ここで使用した製造装置と製造手順
は、前記本文中の記載に基づくが、詳細は次の通りであ
った。
【0052】<製造装置> ◎金属ドラム・・内面鏡面仕上げ(クロムメッキ、Rz
=0.6μm)、両端開口の幅450mm、内径310
mmの金属ドラム、 ◎スリット状ノズル(ヘッド)・・吐出口幅0.5m
m、長さ50mmのノズルが2個横列で一体化したもの
で、このノズルの一個は各高半導電PA酸溶液用及び高
半導電PAI溶液用のタンクと、もう一個は各低導電P
A酸溶液用及び低半導電PAI溶液用のタンクと供給パ
イプを介して切り替え弁をもって各々繋がれている。
=0.6μm)、両端開口の幅450mm、内径310
mmの金属ドラム、 ◎スリット状ノズル(ヘッド)・・吐出口幅0.5m
m、長さ50mmのノズルが2個横列で一体化したもの
で、このノズルの一個は各高半導電PA酸溶液用及び高
半導電PAI溶液用のタンクと、もう一個は各低導電P
A酸溶液用及び低半導電PAI溶液用のタンクと供給パ
イプを介して切り替え弁をもって各々繋がれている。
【0053】前記製造装置を用いて、まず前記スリット
状ノズルを金属ドラム内右端に該ドラム内面から40m
m離してセットしたら、5rad/sの角速度でゆっく
りと回転を始めた。次にこの回転の10秒後に、左方向
移動速度4.0mm/秒に制御された該ノズル(この速
度は終始一定)から、まず高半導電PA酸溶液1を、噴
霧量80g/分で移動しつつ噴射した。そしてこの移動
・噴射開始後112秒経過したら、該ノズルからの噴射
は停止し、直ちに原位置に復帰させると共に、一旦系外
に取り出した。
状ノズルを金属ドラム内右端に該ドラム内面から40m
m離してセットしたら、5rad/sの角速度でゆっく
りと回転を始めた。次にこの回転の10秒後に、左方向
移動速度4.0mm/秒に制御された該ノズル(この速
度は終始一定)から、まず高半導電PA酸溶液1を、噴
霧量80g/分で移動しつつ噴射した。そしてこの移動
・噴射開始後112秒経過したら、該ノズルからの噴射
は停止し、直ちに原位置に復帰させると共に、一旦系外
に取り出した。
【0054】そして前記回転速度を維持しつつ、金属ド
ラムを筐体で囲い加熱を開始した。加熱は、まず30分
を要して140℃(該ドラム内温度)まで昇温し、そし
てその温度で30分間加熱、更に30分を要して200
℃まで昇温し、そしてその温度で30分間加熱した。こ
の加熱の間は、筐体に付設された排気フアンによって蒸
発する有機溶媒を積極的に排出除去した。該加熱が終了
したら、加熱を停止し常温に冷却し回転を停止した。乾
燥固化した高半導電PA酸層(表面層)が該ドラムの内
面にしっかりと形成された。この外層の有するNMP量
は5.5重量%であった。尚、このNMP残存率は、別
途予め同一条件で成形し加熱することで、温度と加熱時
間に対する残存量率の関係をグラフ化し、これから読み
とって確認したものである。
ラムを筐体で囲い加熱を開始した。加熱は、まず30分
を要して140℃(該ドラム内温度)まで昇温し、そし
てその温度で30分間加熱、更に30分を要して200
℃まで昇温し、そしてその温度で30分間加熱した。こ
の加熱の間は、筐体に付設された排気フアンによって蒸
発する有機溶媒を積極的に排出除去した。該加熱が終了
したら、加熱を停止し常温に冷却し回転を停止した。乾
燥固化した高半導電PA酸層(表面層)が該ドラムの内
面にしっかりと形成された。この外層の有するNMP量
は5.5重量%であった。尚、このNMP残存率は、別
途予め同一条件で成形し加熱することで、温度と加熱時
間に対する残存量率の関係をグラフ化し、これから読み
とって確認したものである。
【0055】そして次の条件でB2工程を実施し、前記
高半導電PA酸層の内面に低半導電PA酸溶液4を噴
射、加熱して相当する低半導電PA酸層を積層した。つ
まり、低半導電PA酸溶液4に切り替えたスリット状ノ
ズルから噴霧量を100g/分として、前記A1工程と
同一条件で無遠心回転下、噴射し加熱積層した。
高半導電PA酸層の内面に低半導電PA酸溶液4を噴
射、加熱して相当する低半導電PA酸層を積層した。つ
まり、低半導電PA酸溶液4に切り替えたスリット状ノ
ズルから噴霧量を100g/分として、前記A1工程と
同一条件で無遠心回転下、噴射し加熱積層した。
【0056】最後に次の条件でC3工程を実施し、所望
する2層のS・MLフイルムを製造した。つまり前記B
2工程を終了した、(二層の半導電PA酸フイルムを有
する)金属ドラムを回転ローラから着脱し、このドラム
の全体を熱風乾燥機に投入し、まず90分を要して32
0℃まで昇温し、そしてその温度で60分間加熱した
(前記B法を採用)。この加熱が終了したら常温に冷却
し、脱溶媒とイミド化を行った。そして常温に冷却した
ら積層フイルムを着脱し、この両端をカットして幅35
0mmに仕上げ製品とした。該フイルムの全厚は90μ
m、表面層の厚さは40μmであり、これの各測定結果
を表1に示した。
する2層のS・MLフイルムを製造した。つまり前記B
2工程を終了した、(二層の半導電PA酸フイルムを有
する)金属ドラムを回転ローラから着脱し、このドラム
の全体を熱風乾燥機に投入し、まず90分を要して32
0℃まで昇温し、そしてその温度で60分間加熱した
(前記B法を採用)。この加熱が終了したら常温に冷却
し、脱溶媒とイミド化を行った。そして常温に冷却した
ら積層フイルムを着脱し、この両端をカットして幅35
0mmに仕上げ製品とした。該フイルムの全厚は90μ
m、表面層の厚さは40μmであり、これの各測定結果
を表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】(実施例2)(R値=1.5の場合) 前記高半導電PA酸溶液1の1kgを採取し、前記実施
例1と同条件にてまずA1工程を実施し、有機溶媒残存
量5.1重量%の高半導電PA酸層(表面層)を形成し
た。そして引き続き該層の内面に前記低半導電PA酸溶
液5の1kgを用いて実施例1と同条件にてB2工程を
実施し、金属ドラムの内面に積層された半導電PA酸フ
イルムを形成した。そして最後に該金属ドラムを回転ロ
ーラから着脱して、該実施例1と同様条件にてC3工程
を実施し、幅350mmに仕上げた積層無端管状フイル
ムを得た。これの全厚は91μm、表面層の厚さは39
μmであり、これの各測定結果を表1に示した。
例1と同条件にてまずA1工程を実施し、有機溶媒残存
量5.1重量%の高半導電PA酸層(表面層)を形成し
た。そして引き続き該層の内面に前記低半導電PA酸溶
液5の1kgを用いて実施例1と同条件にてB2工程を
実施し、金属ドラムの内面に積層された半導電PA酸フ
イルムを形成した。そして最後に該金属ドラムを回転ロ
ーラから着脱して、該実施例1と同様条件にてC3工程
を実施し、幅350mmに仕上げた積層無端管状フイル
ムを得た。これの全厚は91μm、表面層の厚さは39
μmであり、これの各測定結果を表1に示した。
【0059】実施例1と2とは、例えばあるユーザから
印加電圧500V対応で、Rsは1010桁Ω/□のも
ので一定にして、Rvを1012桁Ω・cmのものと1
01 0桁Ω・cmのものとの二種のS・MLフイルムを
製造して欲しいとの依頼があった場合に実施する製造例
と言うことになる。
印加電圧500V対応で、Rsは1010桁Ω/□のも
ので一定にして、Rvを1012桁Ω・cmのものと1
01 0桁Ω・cmのものとの二種のS・MLフイルムを
製造して欲しいとの依頼があった場合に実施する製造例
と言うことになる。
【0060】(比較例1)(R値が0.1未満の場合) 実施例1において、前記の高半導電PA酸溶液1の1k
gと高半導電PA酸溶液2の1kgとを使って、実施例
1と同じ条件でまず該PA酸溶液1を無遠心下、噴霧供
給し加熱して残存溶媒量5.3重量%の高半導電PA酸
層を形成し、引き続き高半導電PA酸溶液2を内面に噴
霧供給、加熱して積層された半導電無端管状PA酸フイ
ルムに成形した。そして最後に脱溶媒とイミド化を行な
い、表面層よりも裏面層の有する半導性が高い二層無端
管状PIフイルムを得た。幅350mmにカット仕上げ
した。該フイルム全厚は89.7μm、表面層の厚さは
40μmであった。これについての各測定結果も表1に
まとめた。
gと高半導電PA酸溶液2の1kgとを使って、実施例
1と同じ条件でまず該PA酸溶液1を無遠心下、噴霧供
給し加熱して残存溶媒量5.3重量%の高半導電PA酸
層を形成し、引き続き高半導電PA酸溶液2を内面に噴
霧供給、加熱して積層された半導電無端管状PA酸フイ
ルムに成形した。そして最後に脱溶媒とイミド化を行な
い、表面層よりも裏面層の有する半導性が高い二層無端
管状PIフイルムを得た。幅350mmにカット仕上げ
した。該フイルム全厚は89.7μm、表面層の厚さは
40μmであった。これについての各測定結果も表1に
まとめた。
【0061】(比較例2)(R値が1000を超える場
合) 実施例1において、前記高半導電PA酸溶液1の1kg
と前記低半導電PA酸溶液7の1kgとを使って、実施
例1と同じ条件でまず該PA酸溶液1からPA酸溶液5
を順次無遠心下、噴霧供給し加熱し、積層された半導電
管状PA酸フイルムに成形し、最後に該フイルムの脱溶
媒とイミド化を行ない相当する無端管状PIフイルムを
得た。これについての各測定結果は表1の通りであっ
た。尚、該フイルムの全厚は90μm、表面層の厚さは
39μmであった。
合) 実施例1において、前記高半導電PA酸溶液1の1kg
と前記低半導電PA酸溶液7の1kgとを使って、実施
例1と同じ条件でまず該PA酸溶液1からPA酸溶液5
を順次無遠心下、噴霧供給し加熱し、積層された半導電
管状PA酸フイルムに成形し、最後に該フイルムの脱溶
媒とイミド化を行ない相当する無端管状PIフイルムを
得た。これについての各測定結果は表1の通りであっ
た。尚、該フイルムの全厚は90μm、表面層の厚さは
39μmであった。
【0062】(実施例3)(PAI樹脂をマトリックス
としたR値=0.33の場合) まず前記高半導電PAI溶液8の1kgを使って、実施
例1と同一条件でA1工程を実施し高半導電PAI表面
層を形成した。該層の有する溶媒残存量は3.5重量%
であった。但し、ここでの加熱は180℃で行った。そ
して引き続き低半導電PAI溶液9を使って、該例と同
様にしてB2工程を実施し低半導電PAI層を内面に積
層した。但し、ここでも加熱は180℃で行った。最後
に該例と同様にしてC3工程の熱風による加熱処理を行
ない、相当する半導電性二層無端管状PAIフイルムを
得た。該フイルムの全厚は112μm、表面層の厚さは
50μmであった。但しここでの熱風加熱は(イミド化
する必要がないので)280℃とした。これについての
各測定結果は表1にまとめた。
としたR値=0.33の場合) まず前記高半導電PAI溶液8の1kgを使って、実施
例1と同一条件でA1工程を実施し高半導電PAI表面
層を形成した。該層の有する溶媒残存量は3.5重量%
であった。但し、ここでの加熱は180℃で行った。そ
して引き続き低半導電PAI溶液9を使って、該例と同
様にしてB2工程を実施し低半導電PAI層を内面に積
層した。但し、ここでも加熱は180℃で行った。最後
に該例と同様にしてC3工程の熱風による加熱処理を行
ない、相当する半導電性二層無端管状PAIフイルムを
得た。該フイルムの全厚は112μm、表面層の厚さは
50μmであった。但しここでの熱風加熱は(イミド化
する必要がないので)280℃とした。これについての
各測定結果は表1にまとめた。
【0063】(実施例4)(PAI樹脂をマトリックス
としたR値=50の場合) まず前記高半導電PAI溶液8の1kgを使って、実施
例3と同一条件でA1工程を実施し高半導電PAI表面
層を形成した。該層の有する溶媒残存量は3.8重量%
であった。そして引き続き低半導電PAI溶液10を使
って、該例と同様にしてB2工程を実施し低半導電PA
I層を内面に積層した。最後に該例と同様にしてC3工
程の熱風による加熱処理を行ない、相当する半導電性二
層無端管状PAIフイルムを得た。該フイルムの全厚は
110μm、表面層の厚さは51μmであった。これに
ついての各測定結果は表1にまとめた。
としたR値=50の場合) まず前記高半導電PAI溶液8の1kgを使って、実施
例3と同一条件でA1工程を実施し高半導電PAI表面
層を形成した。該層の有する溶媒残存量は3.8重量%
であった。そして引き続き低半導電PAI溶液10を使
って、該例と同様にしてB2工程を実施し低半導電PA
I層を内面に積層した。最後に該例と同様にしてC3工
程の熱風による加熱処理を行ない、相当する半導電性二
層無端管状PAIフイルムを得た。該フイルムの全厚は
110μm、表面層の厚さは51μmであった。これに
ついての各測定結果は表1にまとめた。
【0064】実施例3と4とは、例えばあるユーザから
印加電圧500V対応で、Rsは1011桁Ω/□にし
て、Rvを1011桁Ω・cmのものと、1013桁Ω
・cmの(PAI樹脂をマトリックスとした)二種のS
・MLフイルムを製造して欲しいとの依頼があった場合
に実施する製造例と言うことになる。
印加電圧500V対応で、Rsは1011桁Ω/□にし
て、Rvを1011桁Ω・cmのものと、1013桁Ω
・cmの(PAI樹脂をマトリックスとした)二種のS
・MLフイルムを製造して欲しいとの依頼があった場合
に実施する製造例と言うことになる。
【0065】(実施例5)(印加電圧1.5kV対応で
R値=3の例) 前記高半導電PA酸溶液3と低半導電PA酸溶液6とを
用いて、実施例1と同一条件にて、まず該高半導電PA
酸溶液3をA1工程、次に該低半導電PA酸溶液6をB
2工程にて内面噴霧成形・加熱して積層された二層の半
導電性無端管状PA酸フイルムを得た。尚、表面の高半
導電PA酸からなる表面層の有する残存溶媒量は5.6
重量%であった。
R値=3の例) 前記高半導電PA酸溶液3と低半導電PA酸溶液6とを
用いて、実施例1と同一条件にて、まず該高半導電PA
酸溶液3をA1工程、次に該低半導電PA酸溶液6をB
2工程にて内面噴霧成形・加熱して積層された二層の半
導電性無端管状PA酸フイルムを得た。尚、表面の高半
導電PA酸からなる表面層の有する残存溶媒量は5.6
重量%であった。
【0066】最後に前記B2工程で得た半導電性二層無
端管状PA酸フイルムを、同様にしてC3工程を実施し
て脱溶媒とイミド化とを行ない、相当するS・MLフイ
ルムを製造した。該フイルムの全厚は91μm、表面層
の厚さは40.8μmであった。各電圧印加下での測定
結果を表1にまとめた。
端管状PA酸フイルムを、同様にしてC3工程を実施し
て脱溶媒とイミド化とを行ない、相当するS・MLフイ
ルムを製造した。該フイルムの全厚は91μm、表面層
の厚さは40.8μmであった。各電圧印加下での測定
結果を表1にまとめた。
【0067】実施例5は、例えばあるユーザから印加電
圧1.5kV対応で、R値を3、つまりRsは1010
桁Ω/□、Rvは1010桁Ω・cmとして、(PI樹
脂をマトリックスとした)S・MLフイルムを製造して
欲しいとの依頼があった場合に実施する製造例と言うこ
とになる。印加電圧が変わることで、それに対応して各
抵抗値の設定も変わるが、その設定の中で、表面層の有
する表面抵抗率と体積抵抗率とを自由に変えることがで
きる。
圧1.5kV対応で、R値を3、つまりRsは1010
桁Ω/□、Rvは1010桁Ω・cmとして、(PI樹
脂をマトリックスとした)S・MLフイルムを製造して
欲しいとの依頼があった場合に実施する製造例と言うこ
とになる。印加電圧が変わることで、それに対応して各
抵抗値の設定も変わるが、その設定の中で、表面層の有
する表面抵抗率と体積抵抗率とを自由に変えることがで
きる。
【0068】
【発明の効果】本発明は前記の通り構成されているの
で、次のような効果を奏する。
で、次のような効果を奏する。
【0069】PI系無端管状フイルムに関し、印加電圧
3kV以下での帯電使用の場合、表面抵抗率と体積抵抗
率とを各々独立的に自由に変更することが可能になっ
た。これによって、各種異なる使用形態に対して対応が
容易になった。
3kV以下での帯電使用の場合、表面抵抗率と体積抵抗
率とを各々独立的に自由に変更することが可能になっ
た。これによって、各種異なる使用形態に対して対応が
容易になった。
【0070】又、PI系による少なくとも二層による無
端管状フイルムで構成されるために、該フイルムの表面
にある物体を当接しつつ、長期間反復回転使用しても、
表面が摩耗するとか破壊(剥離)する危険性がないの
で、終始安定した電気的特性(例えば静電容量)を維持
することも可能になった。
端管状フイルムで構成されるために、該フイルムの表面
にある物体を当接しつつ、長期間反復回転使用しても、
表面が摩耗するとか破壊(剥離)する危険性がないの
で、終始安定した電気的特性(例えば静電容量)を維持
することも可能になった。
【0071】前記の2つの効果により、より一層使用し
易くなった。例えばカラー複写機に使用される中間転写
用又は紙搬送兼転写用のベルトとしての使用では、各メ
ーカの機種、要望に対して自由に対応することができる
ようになった。更に複写紙の両面印刷対応が可能にな
り、今後の使用が大いに期待される。
易くなった。例えばカラー複写機に使用される中間転写
用又は紙搬送兼転写用のベルトとしての使用では、各メ
ーカの機種、要望に対して自由に対応することができる
ようになった。更に複写紙の両面印刷対応が可能にな
り、今後の使用が大いに期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 5/06 H01B 5/06 13/00 501 13/00 501P // C08L 79:08 C08L 79:08 Fターム(参考) 2H200 FA09 JB07 JB22 JC04 JC09 JC13 JC15 JC16 JC17 JC18 MA04 MA11 MA14 MB02 MB04 MB05 MC05 NA02 4F071 AA60 AB03 AE15 AF37 AF38 AH17 BA02 BB02 BB12 BC01 4F100 AA37A AA37B AH10A AH10B AK49A AK49B BA02 BA14 DA11 DE01A DE01B EG002 EH762 EJ422 EJ862 GB51 JA20A JA20B JG01A JG01B 5G307 DA05 DB04 DC01 DC02
Claims (6)
- 【請求項1】3kV以下の直流電圧を印加した場合に得
られる体積抵抗率の絶対値を表面抵抗率の絶対値で除し
た値が0.1〜1000倍の範囲にあるように少なくと
も二層で構成されている半導電性多層無端管状ポリイミ
ド系フイルム。 - 【請求項2】前記半導電性多層無端管状ポリイミド系フ
イルムが、導電性カーボンブラックにより付与された表
面抵抗率の小さい半導電性ポリイミド表面層と導電性カ
ーボンブラックにより付与された表面抵抗率の大きい半
導電性ポリイミド裏面層とからなる請求項1に記載の半
導電性多層無端管状ポリイミド系フイルム。 - 【請求項3】前記表面層の有する表面抵抗率が10
6〜12Ω/□であり、裏面層の有する表面抵抗率が1
010〜15Ω/□である請求項2に記載の半導電性多
層無端管状ポリイミド系フイルム。 - 【請求項4】次の(A)〜(C)に記載の各工程が順次
行われてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
1項に記載の半導電性多層無端管状ポリイミド系フイル
ムの製造方法。 (A)ポリアミド酸と導電性カーボンブラック粉体と有
機溶媒とを含有する電気抵抗の小さい高半導電性ポリア
ミド酸溶液を、実質的無遠心力の速度で回転する該ドラ
ムの内面に噴霧状で均一に供給し加熱して、該溶媒の含
有量10%以下の高半導電性無端管状ポリアミド酸層に
成形する第一工程、(B)前記により金属ドラム内面に
成形された高半導電性の無端管状ポリアミド酸層の内面
に、ポリアミド酸と導電性カーボンブラック粉体と有機
溶媒とを含有する電気抵抗の大きい低半導電性ポリアミ
ド酸溶液を、実質的無遠心力の速度で回転する該ドラム
の内面に噴霧状で均一に供給し加熱して低半導電性の無
端管状ポリアミド酸層を積層する第二工程、(C)前記
第二工程で得られた半導電性無端管状ポリアミド酸フイ
ルムを熱風加熱して残存有機溶媒の蒸発除去と共に、ポ
リアミド酸成分をイミド化して相当する多層無端管状ポ
リイミド系フイルムに変える第三工程。 - 【請求項5】前記高半導電性ポリアミド酸及び低半導電
性ポリアミド酸溶液にpKb≧5の塩基性有機化合物が
含有されてなる請求項4に記載の半導電性多層無端管状
ポリイミド系フイルムの製造方法。 - 【請求項6】カラー複写機の紙搬送兼転写用又は中間転
写用のベルトとしての請求項1に記載の半導電性多層無
端管状ポリイミド系フイルムの使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000344129A JP2002144456A (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | 半導電性多層無端管状ポリイミド系フイルムとその製造方法及びその使用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000344129A JP2002144456A (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | 半導電性多層無端管状ポリイミド系フイルムとその製造方法及びその使用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002144456A true JP2002144456A (ja) | 2002-05-21 |
Family
ID=18818379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000344129A Pending JP2002144456A (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | 半導電性多層無端管状ポリイミド系フイルムとその製造方法及びその使用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002144456A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010122437A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Nitto Denko Corp | 半導電性ポリイミドベルト |
JP2010128185A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Nitto Denko Corp | シームレスベルト |
JP2010139644A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Fuji Xerox Co Ltd | 転写ベルト、ベルト張架装置、及び画像形成装置 |
JP2013125201A (ja) * | 2011-12-15 | 2013-06-24 | Ricoh Co Ltd | 中間転写ベルトおよび画像形成装置 |
JP2019151070A (ja) * | 2018-03-06 | 2019-09-12 | コニカミノルタ株式会社 | 管状物の製造方法 |
-
2000
- 2000-11-10 JP JP2000344129A patent/JP2002144456A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010122437A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Nitto Denko Corp | 半導電性ポリイミドベルト |
JP2010128185A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Nitto Denko Corp | シームレスベルト |
JP2010139644A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Fuji Xerox Co Ltd | 転写ベルト、ベルト張架装置、及び画像形成装置 |
JP2013125201A (ja) * | 2011-12-15 | 2013-06-24 | Ricoh Co Ltd | 中間転写ベルトおよび画像形成装置 |
JP2019151070A (ja) * | 2018-03-06 | 2019-09-12 | コニカミノルタ株式会社 | 管状物の製造方法 |
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