JP2002137248A - 自動車部品の製造方法及び金型装置 - Google Patents
自動車部品の製造方法及び金型装置Info
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Abstract
減、さらにはコストダウン及び小型化を図るとともに、
設計自由度を高め、また、設計毎の信頼性評価を不要に
して高度の信頼性を得る。 【解決手段】部品本体Aoを金型本体2のキャビティ3
にセッティングする際に、キャビティ3の壁面における
複数の位置から保持ピン5a〜5hを突出させて、部品
本体Aoを位置決めして保持するとともに、キャビティ
3に対する樹脂Rの充填中又は充填後における予め設定
したタイミングにより、保持ピン5a〜5hを所定スト
ロークLだけ後退させて部品本体Aoから離間させる。
Description
より部品本体をオーバモールドする自動車部品の製造方
法及び金型装置に関する。
部品(ABS(アンチロックブレーキングシステム)用
回転センサ等)は、機械的強度をはじめ、耐候性,耐湿
性,耐薬品性等の各種性能が要求されるため、インサー
ト成形(射出成形)により部品本体をオーバモールド
し、部品本体全体を樹脂により覆っている。
は、特開2000−88984号公報で公知である。図
8は、同公報開示の製造方法により製造された自動車部
品(ABS用回転センサ)70の一部を示す。同図にお
いて、71は、磁気抵抗素子部71s等を含む部品本体
であり、この部品本体71は、二次成形時に金型に対し
て位置決めする金型位置決め部72cを一体に有するセ
ンサ用ホルダ72により保持される。そして、部品本体
71を保持したセンサ用ホルダ72は、金型位置決め部
72cを金型に装着し、樹脂を射出充填してインサート
成形(二次成形)を行うことによりオーバモールド部7
3を設ける。なお、成形後、オーバモールド部73から
突出した金型位置決め部72cは切断除去する。
は、センサ用ホルダ72とオーバモールド部73間の気
密性が問題となるため、通常、金型位置決め部72cの
周りを囲むように先端を尖形に形成したリング形のシー
ル部74を設けている。これにより、二次成形時には、
シール部74の先端が熱により溶かされるため、センサ
用ホルダ72側とオーバモールド部73側が溶着し、両
者間の気密性が確保される。
における自動車部品の製造方法は、次のような問題点が
あった。
2(又はプリモールド)により固定して二次成形を行う
ため、自動車部品70に対する部品点数及び製造工数の
増加を招くとともに、コストアップ及び大型化を招く。
必要とするとともに、センサ用ホルダ72に、シール部
74や金型位置決め部72cを設ける必要があるため、
自動車部品70に対する設計自由度の低下を招く。
は、製造時に未溶着部分が生じたり長期使用による振動
や劣化等により気密性を確保できない虞れがあるなど、
信頼性に難があるとともに、設計毎に信頼性評価が必要
となる。
る課題を解決したものであり、自動車部品に対する部品
点数及び製造工数の削減、さらにはコストダウン及び小
型化を図ることができるとともに、設計自由度を高め、
しかも、設計毎の信頼性評価を不要にして高度の信頼性
を得ることができる自動車部品の製造方法及び金型装置
の提供を目的とする。
は、インサート成形により部品本体Aoをオーバモール
ドする自動車部品Aの製造方法において、部品本体Ao
を金型本体2のキャビティ3にセッティングする際に、
キャビティ3の壁面における複数の位置から保持ピン5
a〜5hを突出させて、部品本体Aoを位置決めして保
持するとともに、キャビティ3に対する樹脂Rの充填中
又は充填後における予め設定したタイミングにより、保
持ピン5a〜5hを所定ストロークLだけ後退させて部
品本体Aoから離間させることを特徴とする。この場
合、好適な実施の態様により、保持ピン5a〜5hを後
退させるタイミングは、射出装置Miの速度制御領域Z
vから圧力制御領域Zpに切換えるV−P切換点Xcに
達する直前に設定することが望ましい。また、保持ピン
5a〜5hは加熱制御するとともに、自動車部品として
はABS用回転センサAsに適用することができる。
品本体Aoをオーバモールドする自動車部品Aの金型装
置1において、金型本体2のキャビティ3の壁面におけ
る複数の位置から突出し、かつ進退移動自在に設けた保
持ピン5a〜5hと、この保持ピン5a〜5hを進退移
動させる進退駆動部6a〜6hと、この進退駆動部6a
〜6hを制御することにより、部品本体Aoをキャビテ
ィ3にセッティングする際に、保持ピン5a〜5hを、
部品本体Aoを位置決めして保持する位置まで突出させ
るとともに、キャビティ3に対する樹脂Rの充填中又は
充填後における予め設定したタイミングにより、保持ピ
ン5a〜5hを、所定ストロークLだけ後退させて部品
本体Aoから離間させる制御部7とを備えることを特徴
とする。この場合、好適な実施の形態により、制御部7
は、保持ピン5a〜5hを後退させるタイミングとし
て、射出装置Miにおける速度制御領域Zvから圧力制
御領域Zpに切換えるV−P切換点Xcに達する直前に
設定することが望ましい。また、保持ピン5a〜5hを
加熱制御する加熱部8a…を設けることができる。
2の内部において保持ピン5a〜5hにより位置決めさ
れて保持されるとともに、この保持ピン5a〜5hは、
樹脂Rの充填中又は充填後における予め設定したタイミ
ングにより、所定ストロークLだけ後退して部品本体A
oから離間する。即ち、樹脂Rがキャビティ3内にある
程度充填され、樹脂Rにより部品本体Aoが保持される
状態で、保持ピン5a〜5hが部品本体Aoから離間す
るため、部品本体Aoは、位置決めされた状態が維持さ
れたまま、樹脂Rにより部品本体Aoの周り全体が完全
にオーバモールドされる。したがって、センサ用ホルダ
や二次成形は不要になる。
面に基づき詳細に説明する。
ついて、図1〜図3を参照して説明する。
型)2uと下型(固定型)2dからなる。金型本体2の
パーティングラインにはキャビティ3が形成され、この
キャビティ3は、仮想線で示したスプル部11を介して
ノズルタッチ部12に連通する。このノズルタッチ部1
2には、射出装置Miに設けた射出ノズルMnがノズル
タッチする。なお、図1に示すスプル部11及びノズル
タッチ部12は、原理説明上設けたものであり、実際の
位置とは異なる。このキャビティ3は、内部に、ABS
(アンチロックブレーキングシステム)用回転センサA
s(図5参照)の基本部品となる部品本体Aoをセッテ
ィングしてインサート成形することができる。
品本体Aoは、樹脂モールドされ、かつ平面視が矩形と
なる偏平な磁気抵抗素子部Esと、この磁気抵抗素子部
Esの下面に固着した直方体形のマグネットEmと、平
面視が磁気抵抗素子部Eよりも大きい矩形となる偏平な
回路部Ecと、磁気抵抗素子部Esと回路部Ec間を接
続する四本の接続リードEa…と、回路部Ecから導出
した二本の端子リードEb…を備える。
壁面における異なる位置から突出し、かつ進退移動自在
に設けた保持ピン5a,5bを備えるとともに、下型2
dには、キャビティ3の下側壁面における異なる位置か
ら突出し、かつ進退移動自在に設けた保持ピン5c,5
d,5eを備える。この場合、保持ピン5a…の数量,
配設位置,断面形状,断面積等は、任意に選定すること
ができる。したがって、図3に示すように、パーティン
グラインに対して平行に配した保持ピン5g,5hを設
けてもよい。しかし、型抜きの関係上、保持ピン5a…
は図1に示すように、パーティングラインに対して全て
直角に突出させることが望ましい。保持ピン5a…の先
端面は、図3に示す保持ピン5fのように平坦面5ff
で形成してもよいし、保持ピン5gのように段差面5g
fで形成してもよい。これにより、保持ピン5a〜5h
を、パーティングラインに対して全て直角に突出させた
としても、先端面を段差面5gfで形成すれば、部品本
体Aoの角部を保持することにより、上下のみならず前
後左右にも位置規制できる。
bを進退移動させる油圧シリンダ(進退駆動部)6a,
6bを設けるとともに、下型2dには、各保持ピン5
c,5d,5eを進退移動させる油圧シリンダ(進退駆
動部)6c,6d,6eを設ける。各油圧シリンダ6a
…は、ピストンロッド6ar…が各保持ピン5a…に対
して同軸上となるように配し、ピストンロッド6arの
先端と保持ピン5aの後端は、図2に示すようにねじ部
5anにより結合する。この場合、ピストンロッド6a
rは、通常、断面丸形に形成するのに対して、実施例の
保持ピン5a…は、断面矩形に形成するため、キャビテ
ィ3の壁面には、保持ピン5a…が挿通するガイドブロ
ック13a…を埋設した。この際、ガイドブロック13
a…は、単なるブロック部材として構成してもよいし、
図2に示すように、ガイドブロック13aの内部にヒー
タ14aを収容することにより、加熱部8aとして構成
してもよい。加熱部8aとして構成した場合には、ヒー
タ14aにより保持ピン5aを加熱制御することができ
る。
油圧回路21に接続するとともに、この油圧回路21
は、コントローラ22に接続する。したがって、コント
ローラ22により油圧回路21を制御すれば、油圧回路
21は各油圧シリンダ6a…を駆動し、保持ピン5a〜
5hを進退移動させることができる。本実施例における
油圧回路21とコントローラ22は制御部7を構成し、
この制御部7は、少なくとも部品本体Aoをキャビティ
3にセッティングする際に、保持ピン5a〜5hを、部
品本体Aoを位置決めして保持する位置まで突出させる
とともに、キャビティ3に対する樹脂Rの充填中又は充
填後における予め設定したタイミングにより、保持ピン
5a〜5hを、所定ストロークLだけ後退させて部品本
体Aoから離間させる機能を備えている。なお、この点
については後述する。
動車用部品Aの製造方法について、各図を参照しつつ図
6に示すフローチャートに従って説明する。
部品本体Aoをキャビティ3の内部にセッティングする
(ステップS1)。この際、コントローラ22は油圧回
路21を制御することにより各油圧シリンダ6a〜6h
を駆動し、保持ピン5a〜5hを、図1に示す部品本体
Aoを位置決めして保持する位置まで突出させる。これ
により、同図に示すように型閉(型締)すれば、部品本
体Aoは定位置に保持される(ステップS2)。
から樹脂Rをキャビティ2に射出充填する(ステップS
3)。図7は、射出装置Miにおけるスクリュ位置(時
間)に対する射出速度Vと射出圧力Pの関係を示す。通
常、キャビティ3に対する樹脂Rの充填中は、速度制御
領域Zvとなり、スクリュが予め設定したV−P切換点
(切換位置)Xcに達すれば、保圧工程に切換える。こ
れにより、圧力制御領域Zpとなる。本実施例では、V
−P切換点Xcに達する直前に、最適な条件となる保持
解除位置Xsを設定した。
Miのスクリュが前進し、保持解除位置Xsに達したな
ら、コントローラ22は油圧回路21を制御することに
より各油圧シリンダ6a〜6hを駆動し、保持ピン5a
〜5hを、所定ストロークLだけ後退させて部品本体A
oから離間させる(ステップS4,S5)。この状態を
図4に示す。保持ピン5a〜5hを後退させるタイミン
グの設定は重要であり、基本的には、樹脂Rにより部品
本体Aoが保持(位置規制)され、かつ固化する前の樹
脂Rが、射出圧力(保圧力)Pにより、後退した保持ピ
ン5a〜5hと部品本体Ao間の隙間に進入できる条件
を満たすように設定する。一方、この際、加熱部8a…
により保持ピン5a〜5hを加熱制御すれば、保持ピン
5a〜5hの周りの樹脂Rの固化速度を遅くすることが
できるため、保持ピン5a〜5hの移動及び樹脂Rの挙
動(流動)をよりスムースに行わせることができる。
切換点Xcに達すれば、保圧工程に移行する(ステップ
S6,S7)。また、保圧工程の終了により、冷却工程
が行われ、この後、型開きが行われる(ステップS
8)。型開きによりインサート成形品が取出され、図5
に示す目的の自動車部品A、即ち、部品本体Aoの周り
全体が樹脂Rによりオーバモールドされ、オーバモール
ド部31が形成されたABS用回転センサAsが得られ
る。なお、回転センサAsは、回転方向にN極とS極が
交互に着磁された回転体(被検出対象)の周面に近接さ
せて取付ければ、当該回転体の回転によりN極とS極が
交互に回転センサAsのセンサ面F近傍を通過し、この
磁気的変化が磁気抵抗素子部Esにより電気的変化(抵
抗値変化)に変換されることにより、回転体の回転(回
転数,回転速度)が検出される。
造方法(金型装置1)によれば、部品本体Aoは、キャ
ビティ2の内部において保持ピン5a〜5hにより位置
決めされて保持されるとともに、この保持ピン5a〜5
hは、樹脂Rの充填中又は充填後における予め設定した
タイミングにより、所定ストロークLだけ後退して部品
本体Aoから離間する。即ち、樹脂Rがキャビティ3内
にある程度充填され、樹脂Rにより部品本体Aoが保持
される状態で、保持ピン5a〜5hが部品本体Aoから
離間するため、部品本体Aoは、位置決めされた状態が
維持されたまま、樹脂Rにより部品本体Aoの周り全体
が完全にオーバモールドされる。
や二次成形は不要になり、自動車部品Aに対する部品点
数及び製造工数の削減、さらにはコストダウン及び小型
化を図ることができる。また、設計自由度を高めること
ができるとともに、設計毎の信頼性評価が不要となり、
高度の信頼性を得ることができる。
本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、
細部の構成,形状,材料,数量等において、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除すること
ができる。例えば、実施例は、キャビティ3に対する樹
脂Rの充填中に保持ピン5a〜5hを後退させる場合を
示したが、樹脂Rの種類やキャビティ3の形状等により
充填後に後退させる場合を排除するものではない。ま
た、保持ピン5a〜5hを後退させる所定ストロークL
も、樹脂Rの種類やキャビティ3の形状等により任意に
設定することができる。さらに、実施例は、自動車部品
AとしてABS用回転センサAsを例示したが、他の同
種の自動車部品にも同様に適用できる。
製造方法(金型装置)は、部品本体を金型本体のキャビ
ティにセッティングする際に、キャビティの壁面におけ
る複数の位置から保持ピンを突出させて、部品本体を位
置決めして保持するとともに、キャビティに対する樹脂
の充填中又は充填後における予め設定したタイミングに
より、保持ピンを所定ストロークだけ後退させて部品本
体から離間させるようにしたため、次のような顕著な効
果を奏する。
製造工数の削減、さらにはコストダウン及び小型化を図
ることができる。
高めることができるとともに、設計毎の信頼性評価を不
要にして高度の信頼性を得ることができる。
ンを後退させるタイミングを、射出装置の速度制御領域
から圧力制御領域に切換えるV−P切換点に達する直前
に設定すれば、(1)及び(2)の最適効果を得ること
ができる。
ンを加熱制御すれば、保持ピンの周りの樹脂の固化速度
を遅くすることができるため、保持ピンの移動及び樹脂
の挙動(流動)をよりスムースに行わせることができ
る。
成図、
示す断面構成図、
体及び各保持ピンの位置関係を示す斜視図、
成図、
図、
るためのフローチャート、
圧力の関係図、
車部品の一部を示す断面図、
Claims (7)
- 【請求項1】 インサート成形により部品本体をオーバ
モールドする自動車部品の製造方法において、前記部品
本体を金型本体のキャビティにセッティングする際に、
前記キャビティの壁面における複数の位置から保持ピン
を突出させて、前記部品本体を位置決めして保持すると
ともに、前記キャビティに対する樹脂の充填中又は充填
後における予め設定したタイミングにより、前記保持ピ
ンを所定ストロークだけ後退させて前記部品本体から離
間させることを特徴とする自動車部品の製造方法。 - 【請求項2】 前記保持ピンを後退させるタイミング
は、射出装置の速度制御領域から圧力制御領域に切換え
るV−P切換点に達する直前に設定することを特徴とす
る請求項1記載の自動車部品の製造方法。 - 【請求項3】 前記保持ピンは加熱制御することを特徴
とする請求項1記載の自動車部品の製造方法。 - 【請求項4】 自動車部品としてABS用回転センサに
適用することを特徴とする請求項1記載の自動車部品の
製造方法。 - 【請求項5】 インサート成形により部品本体をオーバ
モールドする自動車部品の金型装置において、金型本体
のキャビティの壁面における複数の位置から突出し、か
つ進退移動自在に設けた保持ピンと、この保持ピンを進
退移動させる進退駆動部と、この進退駆動部を制御する
ことにより、前記部品本体を前記キャビティにセッティ
ングする際に、前記保持ピンを、前記部品本体を位置決
めして保持する位置まで突出させるとともに、前記キャ
ビティに対する樹脂の充填中又は充填後における予め設
定したタイミングにより、前記保持ピンを、所定ストロ
ークだけ後退させて前記部品本体から離間させる制御部
とを備えることを特徴とする自動車部品の金型装置。 - 【請求項6】 前記制御部は、前記保持ピンを後退させ
るタイミングとして、射出装置における速度制御領域か
ら圧力制御領域に切換えるV−P切換点に達する直前に
設定することを特徴とする請求項5記載の自動車部品の
金型装置。 - 【請求項7】 前記保持ピンを加熱制御する加熱部を備
えることを特徴とする請求項1記載の自動車部品の金型
装置。
Priority Applications (1)
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JP2000337138A JP3579732B2 (ja) | 2000-11-06 | 2000-11-06 | 自動車部品の製造方法及び金型装置 |
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