JP2020116742A - 車載用電子制御装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板反りの発生が抑制された車載用電子制御装置の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の車載用電子制御装置の製造方法は、少なくとも一面上に複数の電子部品が搭載された配線基板12を、封止用成形材料を用いて封止する車載用電子制御装置の製造方法であって、配線基板を金型100の成形空間102中に配置するとともに、配線基板の一面および一面とは反対側の他面の少なくとも一方をピン104で固定する配置工程と、溶融状態の封止用成形材料を金型のゲート106,108から注入して、成形空間を充填する充填工程と、成形空間内に充填された封止用成形材料を加熱加圧して、封止用成形材料により配線基板を封止する封止工程と、を含むものである。【選択図】図1

Description

本発明は、車載用電子制御装置の製造方法に関する。
これまで車載用電子制御装置の製造方法において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、車載用電子制御装置中のコネクタ付き回路基板を封止樹脂で封止する方法が記載されている(特許文献1の段落0020等)。
特開2013−258184号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の車載用電子制御装置の製造方法において、基板反りの点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、電子部品が搭載された配線基板を、封止用成形材料を用いて封止する車載用電子制御装置の製造方法において、配線基板の少なくとも一面をピンで固定しつつ、封止用成形材料を充填し、加熱加圧して封止することにより、配線基板に反りが発生することを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
少なくとも一面上に複数の電子部品が搭載された配線基板を、封止用成形材料を用いて封止する車載用電子制御装置の製造方法であって、
前記配線基板を金型の成形空間中に配置するとともに、前記配線基板の前記一面および前記一面とは反対側の他面の少なくとも一方をピンで固定する配置工程と、
溶融状態の前記封止用成形材料を前記金型のゲートから注入して、前記成形空間を充填する充填工程と、
前記成形空間内に充填された前記封止用成形材料を加熱加圧して、前記封止用成形材料により前記配線基板を封止する封止工程と、
を含む、車載用電子制御装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、基板反りの発生が抑制された車載用電子制御装置の製造方法が提供される。
実施形態に係る車載用電子制御装置の製造方法の一例を示す断面模式図である。 実施形態に係る車載用電子制御装置の一例を示す断面模式図である。 ラボプラストミルを用いた測定により得られるトルク値と測定時間との関係を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
図1は、本実施形態に係る車載用電子制御装置の製造方法の一例を示す模式図である。図1(a)は、図1(b)のA−A矢視の断面模式図、図1(b)は、上面模式図である。図2は、その製造方法で得られた車載用電子制御装置の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の車載用電子制御装置の製造方法の概要を説明する。
本実施形態の車載用電子制御装置の製造方法は、少なくとも一面(上面20)上に複数の電子部品16が搭載された配線基板12を、封止用成形材料を用いて封止するものである。
この車載用電子制御装置の製造方法は、配線基板12を金型100の成形空間102中に配置するとともに、配線基板12の一面(上面20)および一面とは反対側の他面(下面22)の少なくとも一方をピン104で固定する配置工程と、溶融状態の封止用成形材料を金型100のゲート110から注入して、成形空間102を充填する充填工程と、成形空間102内に充填された封止用成形材料を加熱加圧して、封止用成形材料により配線基板12を封止する封止工程と、を含む。
本発明者の知見によれば、以下のことが見出された。
配線基板に反りが生じると、配線基板上に搭載された素子などの電子部品においてダメージが生じる恐れがあることが分かった。また、使用環境下が高温の場合や高温と低温とを繰り返し変動する場合など、このような配線基板の反りによる影響が大きくなる。
そこで、このような事情を踏まえ鋭意検討した結果、配線基板の少なくとも一面をピンで固定しつつ、封止用成形材料を充填し、加熱加圧して封止することにより、配線基板に発生する反りを抑制できることが見出された。これにより、信頼性に優れた車載用電子制御装置が製造できる。
車載用電子制御装置10の一例は、図2に示すように、たとえば、配線基板12と、配線基板12の少なくとも一面に搭載された複数の電子部品16と、電子部品16を封止する封止樹脂部材14と、を備えるものである。封止用成形材料は、加熱加圧されることで硬化し、封止樹脂部材14となる。
車載用電子制御装置10は、エンジンや各種車載機器等を制御するために用いられる。車載用電子制御装置10の具体例は、例えば、エンジンルームに搭載されるECU(エンジンコントロールユニット)やATCU(オートマチックトランスミッションコントロールユニット)である。
次に、本実施形態の車載用電子制御装置の製造方法の詳細を説明する。
上記車載用電子制御装置の製造方法は、上記の配置工程、充填工程、封止工程を含む。上記車載用電子制御装置の製造方法は、これらの工程をこの順で実施する。これらを連続的に実施してもよいが、公知の他の工程を、これらの工程の前後に行ってもよい。
上記配置工程は、配線基板12を金型100の成形空間102中に配置するとともに、配線基板12の一面(上面20)および一面とは反対側の他面(下面22)の少なくとも一方をピン104で固定する。
金型100は、複数の金型部品で構成されていてもよい。例えば、金型100は、上型と下型とで構成され、上型と下型との間に成形空間102を構成することができる。金型100は、エアーベントなどの、公知の各種の構造(不図示)を有し得る。
ピン104は、配線基板12の上面20のみ、下面22のみ固定してもよいが、その両面(上面20および下面22)を固定してもよい。配線基板12の両側の面(上面20および下面22)を複数のピン104で固定することで、溶融状態の封止用成形材料を充填したときに、基板厚み方向における配線基板12に反りが生じることを抑制できる。
ピン104として、例えば、通常の突出しピン(エジェクタピン)以外の専用ピンを配置してもよいが、配線基板12を固定するように突出しピンを用いてもよい。脱型のための突出しピンと、基板を固定するための専用ピン(ピン104)を使用することで、基板の反り防止と基板の脱型を向上できる。
ピン104は、配線基板12の一面(上面20)および他面(下面22)のそれぞれを、単独で固定してもよいが、複数で固定してもよい(図1(b))。これにより、例えば、上面20を垂線方向に見た上面視において、上面20の複数位置にピン104が配置して、その表面を支えることができる。このため、面内方向における反りの発生を抑制することができる。
なお、配線基板12の両側に配置されたピン104の固定位置は、上面20および下面22のそれぞれで同一でもよく、異なっていてもよい。固定位置が同一、すなわち、両側のピン104が対称に配置されることで、より基板反りを抑制できる。
ピン104による固定は、ピン104の先端部を配線基板12の表面に接触させる方法が用いられる。これにより、配線基板12の表面が基板厚み方向に移動することを抑制できる。ピン104の先端部の形状は、適切に選択してよいが、例えば、平面状でも、球面状でもよい。すなわち、ピン104の先端部は、略柱状でも、略球状または略半球状でもよい。複数のピン104において、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、局所応力によるダメージをより低減する観点から、ピン104の先端部と配線基板12の表面との接触面積は比較的大きい方がよい。
上記配置工程において、複数のピン104は、配線基板12の下面22を固定した後、その上面20を固定してもよいが、下面22および上面20を同時に固定してもよい。
上記配置工程において配線基板12の表面を固定したピン104は、充填工程および封止工程の後で、配線基板12から分離してもよいが(ピンの引き抜きを行ってもよい)、充填工程中において、溶融状態の封止用成形材料を成形空間102に充填しつつ、適切なタイミングで、徐々にピン104を配線基板12から分離してもよい。
このように成形空間102中にピン104で固定された配線基板12の上面20または/および下面22の少なくとも一方は、金型100の内面との離間した状態となる。すなわち、配線基板12の上面20または/および下面22と金型100との間には、上記充填工程にて溶融した封止用成形材料が移動し、充填される空間がある。
続いて、上記充填工程は、溶融状態の封止用成形材料を金型100のゲート110から注入して、成形空間102を充填する。封止用成形材料は、金型100中のスプルー、ランナーを通って、ゲート110から成形空間102中に充填される。
ゲート110は、単独でもよいが、複数が金型100に設けられていてもよい。すなわち、金型100は、1または複数のゲート110を備える。複数のゲート110は、成形空間102に接続する金型100に形成されたゲート口で構成され得る。複数のゲート110は、共通のスプルーやランナーに接続されてもよい。
複数のゲート110は、成形空間102内に配置された配線基板12の上側に位置する上側ゲート106と、その下側に位置する下側ゲート108とで構成されてもよい。例えば、複数のゲート110のゲート口は、金型100の内部側面に形成されてもよい。配線基板12の両面から封止用成形材料を充填することにより、さらに基板反りを抑制できる。
ゲート110の開口形状は、配線基板12の厚みや幅に応じて適切に設計される。金型100中の封止用成形材料の移動方向から見たとき、ゲート110の開口形状は、略矩形状でも、略円形状でもよい。略矩形状のゲート110の開口は、配線基板12の厚みと同程度あるいは、それよりも薄く形成されてもよく、上面視における配線基板12の幅(封止用成形材料の移動方向と直交する方向の幅)と同程度あるいは、それよりもやや広くまたはやや狭く形成されてもよい。
また、封止用成形材料の移動方向に沿って、配線基板12の厚み方向に切断した金型100の断面視において、ゲート110の傾きは、配線基板12の上面20または下面22に対して、平行でもよく、やや傾斜してもよい。この傾きを小さくすることで、基板の反りを抑制できる。
本発明者の知見によれば、充填工程における封止用成形材料の注入速度を適切に調整することで、基板反りを制御できることが見出された。
上記充填工程において、封止用成形材料の注入速度の上限値は、例えば、50cm/s以下、好ましくは45cm/s以下、より好ましくは40cm/s以下である。注入速度を比較的低速にすることで、基板の反りを抑制できる。一方、上記封止用成形材料の注入速度の下限値は、特に限定されないが、例えば、5cm/s以上、好ましくは10cm/s以上、より好ましくは15cm/s以上である。これにより、生産性を高めることができる。
ここで、封止用成形材料の注入速度は、プランジャーの移動(下降)速度で調整することができる。
続いて、上記封止工程は、成形空間102内に充填された封止用成形材料を加熱加圧して、封止用成形材料により配線基板12を封止する。
本発明者の知見によれば、封止工程において、成形空間102にかかる内圧(金型に加えられた成形圧)を適切に調整することで、基板反りを制御できることが見出された。
上記封止工程における成形空間102にかかる内圧の上限値は、成形方法に応じて適切に選択できる。
本実施形態における成形方法としては、公知のものが用いられるが、例えば、トランスファー成形、インジェクション成形、またはコンプレッション成形などが使用でき、好ましくはトランスファー成形またはインジェクション成形を使用できる。
トランスファー成形の場合、上記成形空間102にかかる内圧の上限値は、例えば、6MPa以下、好ましくは5MPa以下、より好ましくは4MPa以下である。成形圧を比較的低圧とすることで、基板の反りを抑制できる。
また、インジェクション成形の場合、上記成形空間102にかかる内圧の上限値は、例えば、50MPa以下、好ましくは10MPa以下、より好ましくは6MPa以下である。成形圧を比較的低圧とすることで、基板の反りを抑制できる。
一方、上記成形空間102にかかる内圧の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.5MPa以上、好ましくは1.0MPa以上、より好ましくは2.0MPa以上でもよい。これにより、封止用成形材料の成形性を向上できる。
その後、金型100から配線基板12を取り出すことで、車載用電子制御装置10が得られる。
<車載用電子制御装置>
本実施形態の一例に係る車載用電子制御装置10は、例えば、配線基板12と、配線基板12の少なくとも一面に搭載された複数の電子部品16と、電子部品16を封止する封止樹脂部材14と、配線基板12に設けられた外部と接続するための接続端子18と、を備えるものである。封止樹脂部材14は、上記封止用成形材料の硬化物で構成される。
封止樹脂部材14は、たとえば配線基板12の一部または全部を封止するように形成される。図2においては、接続端子18が露出するように、配線基板12のうちの接続端子18を封止せずに他の部分全体を封止するように封止樹脂部材14が設けられる場合が例示されている。
接続端子18は、周囲が不図示のコネクタで覆われていてもよい。接続端子18あるいは接続端子18を覆うコネクタと、相手方コネクタとが嵌合することによって、接続端子18を介して上記相手方コネクタに電気的に接続されることとなる。
配線基板12は、たとえば一面および当該一面とは反対の他面のうちの一方または双方に回路配線が設けられた配線基板でもよい。図2に示すように、配線基板12は、たとえば平板状の形状を有している。たとえばポリイミド等の有機材料により形成された有機基板を配線基板12として採用することができる。
配線基板12は、たとえば配線基板12を貫通して一面と他面を接続するスルーホール120を有していてもよい。配線基板12のうちの一面に設けられた配線と、他面に設けられた配線と、がスルーホール120内に設けられた導体パターンを介して電気的に接続されてもよい。
配線基板12は、たとえば電子部品16を搭載する一面においてソルダーレジスト層を有してもよい。
上記ソルダーレジスト層は、半導体装置の分野において通常使用されるソルダーレジスト形成用樹脂組成物を用いて形成することができる。たとえば配線基板12の一面および他面にソルダーレジスト層を設けることができる。
複数の電子部品16は、図2に示すように、たとえば配線基板12の一面と他面のそれぞれに搭載される。一方で、電子部品16は、配線基板12の一面のみに設けられ、配線基板12の他面には設けられていなくともよい。電子部品16としては、車載用電子制御装置に搭載され得るものであればとくに限定されないが、たとえばマイクロコンピュータが挙げられる。
本実施形態に係る車載用電子制御装置10において、配線基板12は、たとえば金属ベース上に搭載されていてもよい。金属ベースは、たとえば電子部品16から発生する熱を放熱するためのヒートシンクとして機能することができる。
本実施形態においては、たとえば金属ベースと、金属ベース上に搭載された配線基板12と、を封止用成形材料により一体的に封止成形することにより車載用電子制御装置10を形成することができる。金属ベースを構成する金属材料としては、とくに限定されないが、たとえば鉄、銅、およびアルミ、ならびにこれらの一種または二種以上を含む合金等を含むことができる。なお、車載用電子制御装置10は、金属ベースを有していなくともよい。
<封止用成形材料>
次に、本実施形態の封止用成形材料について説明する。
本実施形態の封止用成形材料は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を用いてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂などが用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、アズモールド時における線膨張係数を比較的小さくできる観点から、フェノール樹脂を用いることが好ましい。
上記フェノール樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂全体(100質量%)に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。熱硬化性樹脂中のフェノール樹脂の含有比率を高めることで、As成形体の線膨張係数の変動の増大を抑制できる。一方、上記フェノール樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂全体(100質量%)に対して、例えば、100質量%以下でもよい。
上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;メチロール型レゾール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油などで溶融した油溶融レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂;アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、速硬化性の観点から、レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。
上記レゾール型フェノール樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ条件下または弱酸性下で反応させて得られるものが用いられる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール環数は1核体、2核体または3核体などのいずれでもよく、フェノール性水酸基数は、1個でも2個以上でもよい。
上記フェノール類の一例としては、特に限定されないが、例えば、フェノール;オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール等のクレゾール;2、3−キシレノール、2、4−キシレノール、2、5−キシレノール、2、6−キシレノール、3、5−キシレノール等のキシレノール;2,3,5−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クミルフェノール、アリルフェノール、カルダノール、ウルシオール、ラッコール等のアルキルフェノール;1−ナフトール、2−ナフトール等のナフトール;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体;ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールE等のビスフェノール;レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ジヒドロキシナフタリン、ナフタレン等の多価フェノール;などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、フェノール類は、フェノール、クレゾール、キシレノール、アルキルフェノールおよびビスフェノールからなる群より選ばれる1種以上を含むことができ、安価な観点から、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、ビスフェノールAを用いることができる。
上記アルデヒド類としては、特に限定されないが、例えば、ホルマリンやパラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド;トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、tert−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。この中でも、アルデヒド類は、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドを含むことができ、生産性および安価な観点から、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドを用いることができる。
アルカリ性条件下の場合、アルカリ性触媒を用いることができる。
上記アルカリ性触媒としては、特に限定はされないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア水、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルカリ性物質を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、水酸化ナトリウムを用いてもよい。
また、弱酸性下の場合、亜鉛系触媒を用いることができる。
上記亜鉛系触媒としては、特に限定されず、二価金属塩触媒であればいずれも使用できるが、例えば、酢酸亜鉛や蟻酸亜鉛等を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、酢酸亜鉛の水和物を用いてもよい。
上記アルカリ性触媒または上記亜鉛系触媒の添加量は、フェノール類100質量%に対し、例えば、0.01質量%〜20質量%としてもよく、好ましくは0.1質量%〜10質量%とすることができる。
また、フェノール類とアルデヒド類のモル比(F/Pモル比)は、フェノール類1モルに対し、例えば、アルデヒド類を0.7モル〜4.0モルとしてもよく、好ましくは1.0モル〜3.0モルとすることができる。アルデヒド類を上記範囲とすることで、上記のようにフェノール類1モルに対して、アルデヒド類の転化率が高まり、残留未反応アルデヒド類を低減させることができる。
上記レゾール型フェノール樹脂の含有量の下限値は、フェノール樹脂全体(100質量%)に対して、例えば、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。これにより、封止用成形材料の速硬化性を高めることができる。それによって、耐温度サイクル性を向上できる。上記レゾール型フェノール樹脂の含有量の上限値は、フェノール樹脂全体(100質量%)に対して、例えば、100質量%以下、95質量%以下としてもよい。これにより、封止用成形材料の成形体の物性のバランスを図ることができる。
このような封止用成形材料は、フェノール樹脂と、無機充填材とを含み、フェノール樹脂中におけるレゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹脂との含有比率(レゾール:ノボラック含有比率)が、質量換算で、60:40〜100:0としてもよい。
上記のレゾール:ノボラック含有比率は、例えば、60:40〜100:0、より好ましくは70:30〜100:0、さらに好ましくは80:20〜100:0である。このようにフェノール樹脂中のレゾール型フェノール樹脂の含有比率を向上させることで、封止用成形材料の速硬化性を高めることができる。それによって、耐温度サイクル性を向上できる。
上記封止用成形材料は、無機充填材を含んでもよい。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記無機充填材は、流動性の観点から、平均粒子径d50が例えば3μm以上50μm以下であるシリカ粒子を含むことができる。シリカ粒子は、球状シリカまたは破砕シリカなどが用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記シリカ粒子の平均粒子径d50は、例えば、3μm〜50μm、好ましくは5μm〜40μm、より好ましくは10μm〜30μmである。適切な平均粒子径d50とすることで、幅狭領域に対する封止用成形材料の充填性を高めることができる。
本明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
平均粒子径d50は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定でき、粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメディアン径(D50)を意味する。
上記無機充填材は、低コストの観点から、比較的コストが抑えられる無機充填材として、炭酸カルシウムなどを含むことができる。
前記炭酸カルシウムの含有量は、無機充填材全体(100質量%)に対して、例えば、5質量%〜40質量%、好ましくは8質量%〜30質量%、より好ましくは10質量%〜25質量%である。
上記無機充填材は、ガラス繊維などの繊維状充填材を実質的に含まないことが好ましい。これにより、封止用成形材料の流動性の低下を抑制できる。これにより、幅狭領域への充填性を高めることができる。
実質的に含まないとは、無機充填材全体(100質量%)に対する含有量が、0.1質量%以下、好ましくは0質量%以下を意味する。
上記無機充填材の含有量は、封止用成形材料の固形分全体に対して、例えば、50質量%〜85質量%、好ましくは60質量%〜83質量%、より好ましくは63〜72質量%である。無機充填材の含有量を上記下限値以上とすることで、As成形体の線膨張係数の変動を抑制できる。無機充填材の含有量を上限値以下とした場合でも、熱硬化性樹脂中のフェノール樹脂の含有比率を高めることで、As成形体の線膨張係数の変動の増大を抑制できる。
上記封止用成形材料は、必要に応じて、硬化促進剤を含むことができる。
上記硬化促進剤としては、アミン系硬化剤を用いることができる。
上記アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メンセンジアミン(MDA)、4,4−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、メタフェニレンジアミン(DPDA)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1(DBU)、ピラゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾールなどが挙げられる。また、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4’−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール・トリメリット酸付加物等のイミダゾール系化合物が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記硬化促進剤の含有量は、封止用成形材料の固形分全体に対して、例えば、0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.05質量%〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。
上記封止用成形材料は、硬化助剤を含むことができる。
上記硬化促進剤としては、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記硬化助剤の含有量は、封止用成形材料の固形分全体に対して、例えば、0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.05質量%〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。
上記封止用成形材料は、離型剤を含むことができる。
上記離型剤としては、例えば、カルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィン等を用いることができる。
上記離型剤の含有量は、封止用成形材料の固形分全体に対して、例えば、0.1質量%〜3質量%、好ましくは0.3質量%〜2質量%である。
上記封止用成形材料は、シランカップリング剤を含むことができる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物;γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物;γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物;γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、封止用成形材料の固形分全体に対して、例えば、0.05質量%〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
上記封止用成形材料は、顔料を含むことができる。
上記顔料としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシンを用いることができる。
上記顔料の含有量は、封止用成形材料の固形分全体に対して、例えば、0.05質量%〜2質量%、好ましくは0.1〜1.5質量%である。
本実施形態の封止用成形材料は、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。
この他の成分としては、例えば、有機充填材、難燃剤、耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、摺動剤、発泡剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の封止用成形材料の調製方法としては、たとえば各成分を混合した後、得られた混合物を回転ボールミルによって一定の条件下により微粉砕すること方法が挙げられる。回転ボールミルによる微粉砕の後における溶融混練工程の条件を制御することや、各成分の混合から溶融混練までのプロセスを連続的に行うこと等を行ってもよい。なお、封止用成形材料の調製方法は、上記のものに限定されるものではない。
本実施形態の封止用成形材料は、下記の手順で測定される最低トルク値が0.5N・m以上4.5N・m以下という特性を有してもよい。上記最低トルク値は、1.0N・m以上4.3N・m以下でもよく、1.5N・m以上4.0N・m以下でもよい。上記数値範囲内とすることで、成形後における線膨張係数の変動を抑制できるため、基板反りを一層低減できる。
また、上記封止用成形材料は、下記の手順で測定されるトルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tが5秒以上50秒以下となる特性を有してもよい。上記時間Tは、10秒以上40秒以下でもよく、15秒以上35秒以下でもよい。上記数値範囲内とすることで、成形後における線膨張係数の変動を抑制できるため、基板反りを一層低減できる。
(手順)
ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で、当該封止用成形材料のトルク値を経時的に測定する。
図3に示すように、ラボプラストミル測定の測定開始点をPとし、トルク値が最低トルク値となる点をPとし、PからPに至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとし、Pを経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとする。
ラボプラストミル測定の測定開始点Pは、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点とする。
からPまでの時間を、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tとする。
本発明者の知見によれば、上記封止用成形材料の溶融特性を適切に調整することで、電子部品を封止する際にウェルドボイド等の未充填箇所の発生を抑制できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<封止用成形材料の調製>
まず、表1に示す配合に従って、各成分を、室温状態に設定したヘンシェルミキサー(容量200リットル、回転数900rpm)で20分間予備混合した。次いで、得られた混合物を、連続式回転ボールミル(日本コークス工業(株)製ダイナミックミルMYD25、スクリュー回転数500rpm、アルミナ製ボール径10mm、装置容積に対するボールの体積充填率50%)を用いて、材料供給量200kg/hrで材料温度を30℃以下に保ちながら微粉砕した。次いで、微粉砕された混合物を、単軸押出混練機(スクリュー径D=46mm、押出機長さ=500mm、溶融混練部長さ=7D、スクリュー回転数200rpm、吐出量30kg/hr)を用いて溶融混練した。次いで、混練後の混合物を冷却し、粉砕して封止用成形材料を得た。なお、ヘンシェルミキサーによる予備混合から、封止用成形材料を得るまでの各工程は、連続的に行った。
(熱硬化性樹脂)
・レゾール型フェノール樹脂1:レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、R−25)
・レゾール型フェノール樹脂2:レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−51723)
・ノボラック型フェノール樹脂1:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−51470)
(硬化助剤)
・硬化助剤1:消石灰
(無機充填材)
・無機充填材1:球状シリカ(電気化学工業社製、FB−950、平均粒子径D50=26μm)
・無機充填材2:破砕シリカ(龍森製社製、RD−8、平均粒子径D50=15μm)
・無機充填材3:炭酸カルシウム(日東粉化社製)
(添加剤)
・離型剤1:モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン社製、リコルブWE−4)
・シランカップリング剤1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−903)
・顔料1:カーボンブラック(三菱化学社製、#5)
Figure 2020116742
得られた封止用成形材料について、以下の特性、評価項目を評価した。
(ラボトルク:最低トルク、T
ラボプラストミル(東洋精機製作所社製、4C150)を用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で、得られた封止用成形材料のトルク値を経時的に測定した。
図3に示すように、ラボプラストミル測定の測定開始点をPとし、トルク値が最低トルク値となる点をPとし、PからPに至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとし、Pを経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとした。
ラボプラストミル測定の測定開始点Pは、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点とした。PからPまでの時間を、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tとした。結果を表1に示す。時間Tの単位は秒であり、最低トルク値の単位はN・mである。
<車載用電子制御装置の製造方法>
(実施例1)
ガラスエポキシ銅張積層板(パナソニック(株)製、R−1705、基板厚み1.6mm)にソルダーレジスト((株)タムラ製作所製、DSR−2200S66−11)を印刷、硬化して得た(縦130mm、幅80mm)を準備した。また、上側ゲートおよび下側ゲートの2つのゲート、10つのピンを備える金型(図1(a)、(b))を準備した。
準備した基板を、金型中の成形空間内に配置し、基板の上面と下面とをそれぞれ5カ所ずつ、合計10カ所ピンで固定した。
続いて、上記で得られた封止用成形材料を用いて、東洋機械金属(株)製80ton電動トランスファー成形機により、金型温度165℃、保圧時間250秒、硬化時間300秒として成形し、成形物を得た。このとき、上側ゲートおよび下側ゲートの両方のゲートから、表1に示す注入速度で封止用成形材料を成形空間内に充填し、表1に示す成形圧(成形空間にかかる内圧)で加熱加圧を行った。
得られた成形物の封止樹脂部は、縦120mm、幅90mm、厚さ9.6mmであり、基板の縦105mmまでが封止樹脂中に封入され、一辺から基板の縦15mmが露出していた。また、基板上面側・下面側の樹脂厚みはともに4mmであった。
(実施例2〜7、比較例1、2)
表1に示す封止用成形材料、および成形条件を用いた以外は、実施例1と同様にして、成形物を得た。
<基板反り評価>
(反り測定方法)
得られた成形物中の基板の反りについて、測定装置:ヤマト科学株式会社製TDM1000H−II(2K)を使用して測定した。
このときの測定条件は次の通りであった。X線を使用し、X線管電圧:45kV,X線管電流:0.09mAを採用した。スキャンパラメータとしては1回転当たりのビュー数を1000とし、フレーム平均数/ビュー数を5とした。
(評価基準)
基板反りの評価部位としては、ゲートから樹脂が流入する方向の基板断面を対象とした。この基板断面におけるエッジ部の基板反りを評価した。
基板反り量は、上記の基板断面において、基板底面の両末端におけるZ位置の差を測定する事で算出した。反り量が200μm以下の場合を〇、200μm超え400μm以下の場合を△、400μm超えの場合を×とした。評価結果を表1に示す。
実施例1〜7の車載用電子制御装置の製造方法は、比較例1、2と比べて基板反りが抑制されることが分かった。また、実施例1〜6は、実施例7と比べてさらに基板反りが抑制されることが分かった。このような車載用電子制御装置の製造方法は、信頼性に優れた車載用電子制御装置を実現できる。
10 車載用電子制御装置
12 配線基板
14 封止樹脂部材
16 電子部品
18 接続端子
20 上面
22 下面
100 金型
102 成形空間
104 ピン
106 上側ゲート
108 下側ゲート
110 ゲート
120 スルーホール

Claims (8)

  1. 少なくとも一面上に複数の電子部品が搭載された配線基板を、封止用成形材料を用いて封止する車載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記配線基板を金型の成形空間中に配置するとともに、前記配線基板の前記一面および前記一面とは反対側の他面の少なくとも一方をピンで固定する配置工程と、
    溶融状態の前記封止用成形材料を前記金型のゲートから注入して、前記成形空間を充填する充填工程と、
    前記成形空間内に充填された前記封止用成形材料を加熱加圧して、前記封止用成形材料により前記配線基板を封止する封止工程と、
    を含む、車載用電子制御装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記充填工程において、前記金型は複数の前記ゲートを備えるものであり、前記成形空間内に配置された前記配線基板の上側に位置する上側ゲートと、その下側に位置する下側ゲートとの両方のゲートを介して、前記成形空間内に前記封止用成形材料を注入する、車載用電子制御装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記配置工程において、前記配線基板の前記一面および前記他面のそれぞれを、複数の前記ピンで固定する、車載用電子制御装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記充填工程において、前記封止用成形材料の注入速度が、5cm/s以上50cm/s以下である、車載用電子制御装置の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記封止工程において、前記成形空間にかかる内圧が、0.5MPa以上である、車載用電子制御装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で測定される、前記封止用成形材料の最低トルク値が0.5N・m以上4.5N・m以下である、
    車載用電子制御装置の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    下記の手順で測定される、前記封止用成形材料のトルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tが5秒以上50秒以下である、
    車載用電子制御装置の製造方法。
    (手順)
    ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で、当該封止用成形材料のトルク値を経時的に測定する。
    ラボプラストミル測定の測定開始点をPとし、トルク値が最低トルク値となる点をPとし、PからPに至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとし、Pを経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとする。
    ラボプラストミル測定の測定開始点Pは、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点とする。
    からPまでの時間を、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tとする。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の車載用電子制御装置の製造方法であって、
    トランスファー成形またはインジェクション成形を用いる、車載用電子制御装置の製造方法。
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