JP4867339B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Description
また難燃性を確保するため通常水酸化アルミニウム等の難燃剤を配合するが、難燃剤を添加すると特に260℃での反りが大きくなる問題があった。
難燃性を維持しつつ、耐半田クラック性、流動性に優れ、−55℃〜260℃において低反りである新しい半導体封止用エポキシ樹脂組成物の開発が急務であった。
[1] 下記式(1)、(2)、(3)及び(4)から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂(A)、下記式(5)、(6)、(7)及び(8)から選ばれる少なくとも1種の硬化剤(B)、アスペクト比が10〜40の無機充填剤(C)、及び難燃剤(D)を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物であって、難燃剤(D)がモリブデン酸亜鉛(D-1)及びホウ酸亜鉛(D-2)から選ばれる少なくとも1種であり、アスペクト比が10〜40の無機充填剤(C)と難燃剤(D)の総量がエポキシ樹脂組成物の65重量%〜85重量%であるエポキシ樹脂組成物を用いてエリア実装型半導体装置を成形後、該成形物を190℃〜230℃で4〜12時間処理して硬化させる工程を含むことを特徴とするエリア実装型半導体装置の製造方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
これらの樹脂は、ガラス転移温度が高く、またガラス転移温度以上での線膨張係数(以後α2という)が小さくなる。ガラス転移温度が低いと、ガラス転移温度を超えた温度にさらされると半導体装置の反りが大きくなるため、できるだけ高いガラス転移温度の樹脂が好ましい。またガラス転移温度以上でもα2が小さければ反り量は小さくなる。
また、前記式(2)におけるaは、エポキシ樹脂単位の平均の繰り返し数を表して いる。aは、1〜10程度であるのが好ましく、1〜5程度であるのがより好ましい。 前記式(3)におけるbは、エポキシ樹脂単位の平均の繰り返し数を表しており、0〜 10が好ましい。a及びbを前記範囲とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性 がより向上する。
前記式(5)におけるcは、フェノール樹脂単位の平均の繰り返し数を表しており、0〜10が好ましい。また、前記式(7)におけるd、及び、前記式(8)におけるeは、それぞれ、フェノール樹脂単位の平均の繰り返し数を表している。d及びeは、それぞれ、1〜10程度であるのが好ましく、1〜5程度であるのがより好ましい。c、d及びeを、それぞれ、前記範囲とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性の低下が好適に防止又は抑制される。
アスペクト比が10〜40の無機充填剤を用いることで半導体装置とした場合の反り抑制効果が大きく、難燃性においても好ましい。これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アスペクト比は平均厚みと平均粒径より平均粒径/平均厚みで求めた値とする。
エポキシ樹脂組成物とするには、各成分を混合後、加熱ニーダや熱ロールにより加熱混練し、続いて冷却、粉砕することで得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子を封止して半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
実施例1
エポキシ樹脂(A−1)(ジャパンエポキシレジン(株)製 E−1032H60、融点56℃、エポキシ当量171 一般式(3)のb=0を主成分とするエポキシ樹脂)、フェノール樹脂(B−1)(明和化成(株)製 MEH7500、軟化点110℃、水酸基当量97 一般式(5)のc=0を主成分とするフェノール樹脂)、ガラスフレーク(C−1)(日本板硝子(株)製 RCF140A アスペクト比28 平均粒径45μm)、難燃剤としてモリブデン酸亜鉛(D−1)、硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業(株)製 2MPZ)、その他の添加剤として、離型剤:カルナバワックス、着色剤:カーボンブラック、カップリング剤(チッソ社製GPS−M)を、それぞれ用意し、以下の割合で配合した。
エポキシ樹脂(A−1): 10.0重量部
フェノール樹脂(B−1): 5.3重量部
ガラスフレーク(C−1): 74.0重量部
モリブデン酸亜鉛(D−1): 10.0重量部
硬化促進剤(イミダゾール): 0.3重量部
離型剤(カルバナワックス): 0.2重量部
着色剤(カーボンブラック): 0.1重量部
カップリング剤(GPS−M): 0.1重量部
尚、使用したアスペクト比が10〜40の無機充填剤の平均粒径は、(株)島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000(レーザー波長:405nm)を用いて測定した。
1.スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間2分で測定した。単位はcmである。
2.ガラス転移温度(以下Tgという)、線膨張係数α1(Tg以下の線膨張係数)、α2(Tg以上の線膨張係数):低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力7.4×106Pa、硬化時間120秒で成形したテストピースを、後硬化として175℃で4時間処理及び200℃で4時間処理し、熱機械分析装置(セイコー電子(株)製TMA−120、昇温速度5℃/分)を用いて測定した。Tgは30℃と280℃の接線の交点とした。線膨張係数αの単位は(/℃)である。
5.熱衝撃性試験:上記パッケージ反り量を測定する成形後、後硬化(175℃で4時間処理)されたパッケージ10個を、125℃で24時間、乾燥処理を行い、JEDEC レベル3処理に従い65℃/60%相対湿度の恒温恒湿槽に入れ、40時間放置した。その後、IRリフロー(N2フロー中)に3回通し、−55℃と125℃の槽が瞬時に入れ替わる装置(ESPEC製、THERMAL SHOCK CHAMBER TSA−101S)にパッケージを10個投入し125℃30分後、−55℃30分を1サイクルとし1000サイクル後のパッケージ内部の剥離、クラックを超音波探傷機により確認した。10個のパッケージのうち、不良の生じたパッケージがn個であるとき、n/10とした。
実施例1以外で用いた成分は、エポキシ樹脂として主成分が前記式(2)であるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(A−2)(日本化薬(株)製、NC−3000P、軟化点60℃、エポキシ当量272 ただし、繰り返し単位数aは3で、平均値を示す。)、主成分が前記式(1)であるエポキシ樹脂(A−3)(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000H エポキシ当量193)、主成分が前記式(4)であるナフタレン型4官能エポキシ樹脂(A−4)(大日本印刷(株)製 HP4770エポキシ当量141)、下記式(11)に示すナフタレンノボラック型エポキシ樹脂(A−5)(新日鐵化学(株)製 ESN−375 エポキシ当量173)、硬化剤として主成分が前記式(6)である(B−2)(関東化学(株)製 パラローズアニリン(ベース) NH2当量101)、主成分が前記式(7)であるフェノールアラルキル樹脂(B−3)(三井化学(株)製 XL−225、水酸基当量172 軟化点77℃ ただし、繰り返し単位数dは3で、平均値を示す。)、主成分が前記式(8)であるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B−4)(明和化成(株)製、MEH−7851ss、水酸基当量199 軟化点68℃ ただし、繰り返し単位数eは3で、平均値を示す。)、アスペクト比が10〜40の無機充填剤(C)として、ガラスファイバーであるマイクロウール(C−2)(日本板硝子(株)製 CMLF109 アスペクト比35 平均粒径70μm)、難燃剤(D−2)を表1の配合に従い、実施例1と同様に混練してエポキシ樹脂組成物を作製し評価を行った。
比較例1は実施例1のガラスフレーク(C−1)に変えて球状溶融シリカ(C−3)(平均粒径15μm)を用い、比較例2は、難燃剤として水酸化アルミニウムを用い、表1の配合に従い、実施例1と同様に混錬を行ってエポキシ樹脂組成物を作製し評価を行った。
実施例1〜7はいずれも良好な結果となった。実施例1〜7の後硬化温度が200℃4時間の場合であるが、175℃4時間の後硬化に比べ反りの値が小さくなる傾向であった。比較例1、2は、パッケージ反り量が大きく、耐半田クラック性、熱衝撃性試験でパッケージ内部の剥離及びクラックが発生した。
Claims (1)
- 下記式(1)、(2)、(3)及び(4)から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂(A)、下記式(5)、(6)、(7)及び(8)から選ばれる少なくとも1種の硬化剤(B)、アスペクト比が10〜40の無機充填剤(C)、及び難燃剤(D)を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物であって、アスペクト比が10〜40の無機充填剤(C)がガラスフレーク又はガラスファイバーであり、難燃剤(D)がモリブデン酸亜鉛(D-1)及びホウ酸亜鉛(D-2)から選ばれる少なくとも1種であり、アスペクト比が10〜40の無機充填剤(C)と難燃剤(D)の総量がエポキシ樹脂組成物の65重量%〜85重量%であるエポキシ樹脂組成物を用いてエリア実装型半導体装置を成形後、該成形物を190℃〜230℃で4〜12時間処理して硬化させる工程を含むことを特徴とするエリア実装型半導体装置の製造方法。
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