JP2002121652A

JP2002121652A - 自動車足回り用Ｃｒ含有鋼

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Publication number: JP2002121652A
Application number: JP2000311398A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Miyazaki; 宮崎　　淳; Junichiro Hirasawa; 淳一郎平澤; Susumu Sato; 佐藤　　進; Sadao Hasuno; 貞夫蓮野; Makoto Kobayashi; 真小林; Takaaki Toyooka; 高明豊岡; Makoto Kitazawa; 真北沢
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 2000-10-12
Filing date: 2000-10-12
Publication date: 2002-04-26
Also published as: WO2002031213A1; KR20020062329A; EP1350858A1; US20030044305A1; EP1350858A4; DE60120484D1; EP1350858B1; KR100516261B1; DE60120484T2

Abstract

(57)【要約】【課題】ＨＡＺの靭性、強度（硬さ）および耐食性の
全てを満足した自動車の足回り部品に適したCr含有鋼を
提供することにある。【解決手段】質量％で、Ｃ：0.02％以下、Si：1％以
下、Mn：１〜５％、Ｐ：0.05％以下、Ｓ：0.02％以下、
Cr：6〜15％、Ni：１％以下、Al：0.1％以下、Ｎ：0.02
％以下、Ｖ：0.03〜0.3％を含有し、残部がFeおよび不
可避的不純物からなり、かつ、下記の(1)式で示される式
に前記各成分の含有量（質量％）の値を代入して算出し
たときのＦ値が13.5以下であることを特徴とする。Ｆ値＝Cr＋0.4×Si＋0.2×Al＋５×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−35×Ｃ−10×Ｎ＋10×Ｖ ‐‐‐‐(1)

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は，自動車の足回り
部材に用いるのに適したCr含有鋼に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車のタイヤ取り付け周辺に配
置される足回り部材としては、主に塗装鋼が使用されて
いた。足回り部材は、剛性を確保するため、高い強度を
有することが必要であり、また、車体等に溶接される溶
接構造部品として使用されることから、溶接部であるビ
ードや溶接熱影響部（以下「ＨＡＺ」という。）で良好
な靭性と高い強度を有していることも必要であり、さら
に、足回り部材は、路面からのはねかえり水等に直接曝
される位置に配置されるため、優れた耐食性を有するこ
ともまた必要である。

【０００３】ビードは、適切な溶接ワイヤーを選択すれ
ば、強度、靭性および耐食性の確保が可能であるため問
題はないが、ＨＡＺの特性は、素材そのものの特性の影
響を受けやすいため、ＨＡＺの特性を良好にすることが
重要である。

【０００４】従来、足回り部材の素材には普通鋼を使用
しており、この場合には、溶接、加工後に必ず塗装工程
を経る必要があり、これは、製造性や生産性を著しく悪
化させていた。

【０００５】そこで、塗装工程を省略あるいは簡略化で
きる足回り部材の素材として、Cr含有鋼が注目されるよ
うになり、各種の検討が進められている。

【０００６】自動車の足回り部材では、ＭＩＧ溶接また
はＭＡＧ溶接によって形成したビードの止端部に応力が
集中しやすく、この止端部が疲労破壊の起点になる傾向
があるため、止端部周辺、即ちＨＡＺの機械的特性、特
に強度と靭性を確保することが重要である。溶接部の強
度と靭性を向上させたCr含有鋼としては、例えば特開昭
55-21566号公報に開示されている、溶接性と加工性に優
れた構造用マルテンサイト系ステンレス鋼が挙げられ、
かかるステンレス鋼を足回り部材として用いることが当
初は検討されていた。

【０００７】上記マルテンサイト系ステンレス鋼は、低
Ｃ−低Ｎマルテンサイトと低Ni化を図った成分系にする
ことによって、ＨＡＺの靭性を著しく改善することがで
きるが、ＨＡＺの耐食性が十分に得られないため、母材
の耐食性が良好であっても、ＨＡＺには従来通りの塗装
を施す必要が生じ、結局、ステンレス鋼を採用するメリ
ットが小さくなってしまう。

【０００８】ステンレス鋼において、ＨＡＺの耐食性を
改善するための手段としては、Ti添加が有効であること
がフェライト系ステンレス鋼では従来から知られている
が、Tiを添加するとＨＡＺ中のマルテンサイト相が減少
したり、あるいは、マルテンサイト相自体が強度低下し
て、ＨＡＺの強度および靭性が低下するという問題があ
る。上述したように、現状では、（１）ＨＡＺの靭性
（２）ＨＡＺの強度、および（３）ＨＡＺの耐食性の全
てを満足した自動車の足回り部材に適したCr含有鋼は存
在しなかった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、ＨＡＺの靭性、強度および耐食性の全てを満足し
た自動車の足回り部品に適したCr含有鋼を提供すること
にある。

【００１０】

【課題を解決しようとするための手段】発明者らは、上
記目的を達成すべく、鋼中に添加される種々の元素の影
響について詳細に調査した。その結果、ＨＡＺの耐食性改
善には、Ｖを適正量添加することで、著しく改善できる
ことを見出した。

【００１１】一例として、Fe-12質量％Cr-2質量％Mn-0.5
質量％Niをベースとし、Ｖ添加量の異なる種々のCr含有
鋼を試作し、試作した各サンプルに対し、ＭＩＧ溶接を
行い、その後、ＨＡＺの硬度を測定するとともに、溶接
後のサンプルの耐食性を評価した結果を図１に示す。

【００１２】図1の結果から、鋼中にＶを所定量以上添
加すれば、ＨＡＺの耐食性が著しく向上するが、Ｖ含有
量が0.3mass％を超えると硬さが著しく低下するのがわ
かる。

【００１３】よって、上述した知見から、鋼中に適正量
のＶを添加すれば、ＨＡＺの硬さ、即ち強度と耐食性が
高いレベルで両立できることがわかった。

【００１４】また、良好なＨＡＺの靭性と強度を得るに
は、後述する(1)又は(2)式に、鋼中に含有する各成分の
含有量の値を代入して算出したときのＦ値又はＦ´値が
所定値以下になるようにすればよいこともわかった。

【００１５】従って、前記知見に基づき、この発明の要
旨は以下のとおりである。 (1) 質量％で、Ｃ：0.02％以下、Si：1％以下、Mn：１
〜５％、Ｐ：0.05％以下、Ｓ：0.02％以下、Cr：6〜15
％、Ni：１％以下、Al：0.1％以下、Ｎ：0.02％以下、
Ｖ：0.03〜0.3％を含有し、残部がFeおよび不可避的不
純物からなり、かつ、下記の(1)式で示される式に前記各
成分の含有量（質量％）の値を代入して算出したときの
Ｆ値が13.5以下であることを特徴とする自動車足回り用
Cr含有鋼。Ｆ値＝Cr＋0.4×Si＋0.2×Al＋５×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−35×Ｃ−10×Ｎ＋10×Ｖ ‐‐‐‐(1)

【００１６】(2) 質量％で、Ｃ：0.02％以下、Si：1％
以下、Mn：１〜５％、Ｐ：0.05％以下、Ｓ：0.02％以
下、Cr：6〜15％、Ni：１％以下、Al：0.1％以下、Ｎ：
0.02％以下、Ｖ：0.03〜0.3％に加えて、さらに Cu：２
％以下及び Mo：３％以下を含有し、残部がFeおよび不
可避的不純物からなり、かつ、下記の(2)式で示される式
に前記各成分の含有量（質量％）の値を代入して算出し
たときのＦ´値が13.5以下であることを特徴とする自動
車足回り用Cr含有鋼。Ｆ′値＝Cr＋0.6×Mo＋0.4×Si＋0.2×Al＋5×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−0.6×Cu−35×Ｃ-10×Ｎ+10×Ｖ ‐‐(2)

【００１７】(3) 前記(1)又は(2)に記載のCr含有鋼に
おいて、質量％でＢ：0.0003〜0.005％をさらに含有す
ることを特徴とする自動車足回り用Cr含有鋼。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、この発明に従うCr含有鋼
（以下、単に「発明鋼」という。）の各成分を上記範囲
に限定した理由について詳細に説明する。

【００１９】・Ｃ：0.02mass％以下及びＮ：0.02mass％
以下発明鋼において、Ｃ及びＮは、ＨＡＺの耐食性に悪影響
をおよぼす成分であり、いずれも鋼中の含有量が0.02ma
ss％を超えると、耐食性が顕著に低下するため、Ｃ及び
Ｎの含有量は、ともに0.02mass％以下とする。尚、Ｃ及
びＮは、ＨＡＺの硬さを高めるため、いずれも、0.005m
ass％以上であることが好ましい。

【００２０】Si：１mass％以下 Siは、脱酸作用があり、製鋼上必要な成分であるが、この
発明の成分系において、Si含有量が１mass％を超える
と、ＨＡＺに生成するマルテンサイト相が著しく減少す
るため、１質量％以下に限定する。

【００２１】Mn：１〜５mass％ Mnは、高温でのγ（オーステナイト）相を安定させて焼
入れ性を得るのには必須の成分であり、Mn含有量の下限
を１mass％とする。一方、Mn含有量が５mass％を超える
と、HAZの靭性が劣化するため、Mn含有量の上限を５mas
s％とする。

【００２２】Ｐ：0.05mass％以下Ｐ含有量は、加工性の点からできるだけ低くすることが
好ましいが、製鋼の経済的制限から、その上限を0.05ma
ss％とする。

【００２３】Ｓ：0.02mass％以下Ｓ含有量は、耐食性の点からできるだけ低くすることが
好ましいが、製鋼時の脱Ｓ処理にかかる経済的制限か
ら、その上限を0.02mass％とした。

【００２４】Cr：6〜15mass％ Cｒは、耐食性を向上させるのに有効な成分であり、Cr含
有量を６mass％以上にすると耐食性が顕著に向上するた
め、その下限を10mass％とする。一方、Cr含有量が15mas
s％を超えると、ＨＡＺにマルテンサイト相を生成させ
るためにNiが多量に必要となってコスト高となるため、
その含有量の上限を15mass％とする。尚、Cr含有量は、
好ましくは10〜15mass％の範囲とする。

【００２５】Ni：１mass％以下 Niは、高温でγ相を安定化させる成分であるが、高価であ
り積極的な添加はコストの上昇を招くことから、その上
限を１mass％とする。

【００２６】Al：0.1mass％以下 Alは、製鋼上脱酸剤として必要な成分であるが、Al含有
量が0.1mass％を超えるような過剰の添加は、介在物が
生成しやすくなって靭性が劣化するため、Al含有量の上
限は0.1mass％とする。

【００２７】・Ｖ：0.03〜0.3mass％Ｖは、鋼中に適量添加することによってＨＡＺの耐食性
を向上させる成分であり、その効果はＶ含有量が0.03ma
ss％以上で現われるが、Ｖ含有量が0.3mass％を超える
ような過剰な添加は、ＨＡＺの強度および靭性を低下さ
せることになるので、Ｖ含有量を0.03〜0.3 mass％と
した。尚、Ｖ含有量は、ＨＡＺの耐食性と硬さの双方を
高いレベルで満足させるには、0.06〜0.15mass％にする
ことが好ましい。

【００２８】この発明では、上記鋼組成に限定するのに
加えて、ＨＡＺの靭性及び強度を確保するため、下記の
(1)式で示される式に前記各成分の含有量（質量％）の
値を代入して算出したときのＦ値が13.5以下であること
を必須の発明特定事項とする。Ｆ値＝Cr＋0.4×Si＋0.2×Al＋５×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−35×Ｃ−10×Ｎ＋10×Ｖ ‐‐‐‐(1)

【００２９】上記(1)式において、Cr、Sｉ、Al、Ｐ及びＶ
は、いわゆるフェライト生成元素であり、高温でγ相の
生成を阻害する。一方、Mn、Ni、Ｃ及びＮは、いわゆる
オーステナイト生成元素であり、高温でγ相の生成を促
進する。

【００３０】上記Ｆ値は、大きくなるほど高温でγ相が
生成しにくくなって、ＨＡＺの靭性及び強度が十分に得
られなくなることが判明し、さらに詳細に調査した結果、
上記Ｆ値が13.5以下だと、ＨＡＺに微細な軟質マルテン
サイト相が析出することによって、溶接部の靭性及び強
度を確保することができることが判明した。このため、
この発明では、上記成分系ではＦ値を13.5以下に限定す
ることとした。

【００３１】以上のことから、この発明は上記構成を採
用することによって、ＨＡＺの靭性、強度（硬さ）およ
び耐食性の全てを満足した自動車の足回り部品に適した
Cr含有鋼を開発することに成功したのである。

【００３２】また、この発明では、その他の成分とし
て、必要に応じてCu及びMoを鋼中に添加することもでき
る。

【００３３】・Cu：２mass％以下 Cuは、耐食性を向上させるのに有効な成分であるととも
に、高温でのγ相を安定化させる成分であるが、Cu含有
量が２mass％を超えるように過剰に添加すると、鋼の熱
間加工性を劣化させることになるため、Cu含有量の上限
を２mass％とする。尚、Cu含有量は、好ましくは１mass
％以下とする。

【００３４】・Mo：３mass％以下 Moは、耐食性を改善するのに有効な成分であるが、フェ
ライト生成元素であるため、Mo含有量が３maas％を超え
るように過剰に添加すると、素材を脆化させることにな
るので、Mo含有量の上限を３mass％とする。

【００３５】尚、鋼中にCuとMoを含有する成分系におい
ては、上記Ｆ値の代わりに、Cu及びMo成分の含有量を加
味した考慮した下記の(2)式に前記各成分の含有量（質
量％）の値を代入して算出したときのＦ´値が13.5以下
であることを必須の発明特定事項とする。Ｆ′値＝Cr＋0.6×Mo＋0.4×Si＋0.2×Al＋5×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−0.6×Cu−35×Ｃ-10×Ｎ+10×Ｖ ‐‐(2)

【００３６】また、上記Cr含有鋼において、必要に応じ
て、鋼中にＢを添加することもできる。・Ｂ：0.0003〜0.005mass％Ｂは、焼き入れ性を高める成分であるとともに、ＨＡＺ
の硬さを向上させるために有効な成分でもあり、加え
て、縦割れ性を改善する効果も有しており、その効果
は、Ｂ含有量が0.0003mass％以上で現れ、0.005mass％
を超えると、靭性が低下するので、Ｂ含有量を0.0003〜
0.005mass％とする。尚、Ｂ含有量は、0.0005〜0.0015
％にすることが好ましい。

【００３７】この発明に従うCr含有鋼を製造する方法に
ついては、特に限定はしない。例えば、ステンレス鋼等
のCr含有鋼の製造に一般的に採用されている方法をほぼ
そのまま適用してもよい。製造方法の一例について以下
で説明する。

【００３８】まず、連続鋳造して得られた鋼素材は、必
要に応じて所定温度に加熱され、次いで熟間圧延により
所望の板厚の熱延板にし、次いで、この熱延板は、必要
な強度レベルに応じて600〜900℃の箱焼鈍を施した後、
そのまま若しくは酸洗して使用に供されたり、あるいは
冷間圧延により所定の板厚の冷延板にし、そして、冷延
板は、好ましくは700〜900℃の連続焼鈍および酸洗を経
ることによって、冷延焼鈍板であるCr含有鋼を製造する
ことができる。

【００３９】尚、上述したところは、この発明の実施形
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。

【００４０】

【実施例】以下、この発明の実施例および比較例を挙げ、
この発明をより具体的に説明する。表１に示す化学組成を有する50ｋｇ鋼塊を真空溶解炉で
溶製し、通常の熱間圧延条件により厚さ２mmの熱延板を
作製した。その後、700℃×８時間で焼鈍し、下記に示
す溶接条件によって、ＭＩＧ溶接を行い、その後、ＨＡ
Ｚの強度評価としてビッカース硬さを、さらに靭性及び
耐食性を評価した。

【００４１】溶接条件突き合わせ溶接溶接ワイヤー 1.2mmφのSUS309 シールドガス Ar−５％酸素溶接電流100Ａ電圧18Ｖ速度600mm／min

【００４２】(1)ＨＡＺの硬さ測定方法ＨＡＺの硬さは、JIS Z 2244−1992に規定されるビッカ
ース硬さ試験方法によって、ＨＡＺの硬さを測定した。
尚、試験荷重は9.8Ｎ（１kgf）とし、ＨＡＺの硬さは３
箇所で測定し、これらの測定した硬さの値の平均値から
ＨＡＺの硬さを評価した。表1に、その測定結果を示
す。

【００４３】(2)ＨＡＺの靭性評価方法ＨＡＺの靭性は、JIS Z 2202-1980に規定される４号試
験片（但し、試験片は厚さを２ｍｍとしたサブサイズ試
験片であり、また、ＨＡＺ位置に溶接方向と平行に２mm
のＶノッチを入れてある。）を作製し、この試験片をシ
ャルピー衝撃試験機にセットして、JIS Z 2242-1993に
規定されるシャルピー衝撃試験方法によって試験を行
い、このとき、試験片を破断するのに要した吸収エネル
ギーを算出し、この吸収エネルギーの値によって評価し
た。尚、試験温度は０℃とした。表１に各試験片で算出
した吸収エネルギーの値を表1に示す。

【００４４】(3)ＨＡＺの耐食性評価方法ＨＡＺの耐食性は、溶接後、60ｍｍ×80ｍｍのサンプル
に切り出し、＃400研磨後、塩水噴霧試験（ＳＳＴ）をJ
IS Z 2371に準拠した方法で４時間行った。尚、ビードを
中心に含むようにした10mm幅の部分をＨＡＺとみなし、
この部分の発錆面積の大小から評価した。表1にその評
価結果を示す。尚、表1中の「○」は、発錆面積が５％
以下の場合、「△」は、発錆面積が５％超え50％以下の
場合、及び「×」は、発錆面積が50％超えの場合を意味
する。

【００４５】

【表１】

【００４６】表1の結果から、鋼中に適正量のＶを添加
した発明鋼１〜３及び10は、鋼中に含有するＶ量がこの
発明の適正量に満たない比較鋼Ａ及びＢに比べると、Ｈ
ＡＺの耐食性が顕著に優れているのがわかる。また、鋼
中に好適範囲のＢ量をさらに添加した発明鋼４及び５
は、特に焼き入れ性が向上することによって、ＨＡＺ硬
さがより一層向上しているのがわかる。さらに、MoとCu
の少なくとも１方を鋼中に好適範囲の量を添加した発明
鋼６〜９及び11は、耐食性をさらに向上させる効果があ
り、ＨＡＺの靭性、硬さ及び耐食性のいずれの性能も良
好である。

【００４７】一方、比較鋼Ｃは、Ｖをこの発明の適正範
囲よりも多く鋼中に添加しているため、ＨＡＺの硬さお
よび靭性が劣化している。比較鋼Ｄは、Mnをこの発明の
適正範囲よりも多く鋼中に添加しているため、ＨＡＺの
靭性が劣化しており、また、比較鋼Ｅは、Ｆ値がこの発
明の適正範囲よりも大きいため、ＨＡＺの靭性が劣化し
ている。

【００４８】

【発明の効果】この発明に従うCr含有鋼は、ＨＡＺの靭
性、強度（硬さ）及び耐食性の全ての性能が優れている
ため、自動車足回り用途への適用が可能である。なお、この発明のCr含有鋼は、パイプや板等のいずれの
形態でも使用することができる。また、この発明の実施
例では、熱延板を使用した場合を示したが、冷延板でも
同じ効果が得られる。さらに、この発明のCr含有鋼を、
ＨＡＺの耐食性をより一層向上させる等の目的で、必要
に応じて、塗装してから使用したとしても、この発明を
逸脱するものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 Fe−12質量％Cr−２質量％Mn−0.5質量％Ni
を基本成分とし、Cr含有鋼中のＶ含有量（mass％）に対
してＨＡＺの硬さと耐食性をプロットした図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者佐藤進千葉県千葉市中央区川崎町１番地川崎製鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者蓮野貞夫東京都千代田区内幸町２丁目２番３号川崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者小林真千葉県千葉市中央区川崎町１番地川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者豊岡高明愛知県半田市川崎町１番地川崎製鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者北沢真愛知県半田市川崎町１番地川崎製鉄株式会社知多製造所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】質量％で、Ｃ：0.02％以下、 Si：1％以下、 Mn：１〜５％、Ｐ：0.05％以下、Ｓ：0.02％以下、 Cr：6〜15％、 Ni：１％以下、 Al：0.1％以下、Ｎ：0.02％以下、Ｖ：0.03〜0.3％を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、か
つ、下記の(1)式で示される式に前記各成分の含有量（質
量％）の値を代入して算出したときのＦ値が13.5以下で
あることを特徴とする自動車足回り用Cr含有鋼。Ｆ値＝Cr＋0.4×Si＋0.2×Al＋５×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−35×Ｃ−10×Ｎ＋10×Ｖ ‐‐‐‐(1)
【請求項２】質量％で、Ｃ：0.02％以下、 Si：1％以下、 Mn：１〜５％、Ｐ：0.05％以下、Ｓ：0.02％以下、 Cr：6〜15％、 Ni：１％以下、 Al：0.1％以下、Ｎ：0.02％以下、Ｖ：0.03〜0.3％に加えて、さらに Cu：２％以下、及び Mo：３％以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、か
つ、下記の(2)式で示される式に前記各成分の含有量（質
量％）の値を代入して算出したときのＦ´値が13.5以下
であることを特徴とする自動車足回り用Cr含有鋼。Ｆ′値＝Cr＋0.6×Mo＋0.4×Si＋0.2×Al＋5×Ｐ −0.4×Mn−0.7×Ni−0.6×Cu−35×Ｃ-10×Ｎ+10×Ｖ ‐‐(2)
【請求項３】請求項１又は２に記載のCr含有鋼におい
て、質量％でＢ：0.0003〜0.005％をさらに含有するこ
とを特徴とする自動車足回り用Cr含有鋼。