JPS59215468A - 靭性並びに溶接性に優れた高強度高温用鋼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高い高温強度と、優れた靭性及び溶接性と
を兼ね備えた高Ｃｒ系高温用鋼に関するものである。

一般に、火力発電設備、或いはその他のボイラ設備等に
おけるような高温・高圧の環境下で使用される熱交換チ
ューブ、配管、継手、又はパルプ等の各種部側には、高
い高温強度や優れた耐高温酸化性が要求されるとともに
、溶接性にも優れていることが必要条件とされていたが
、従来、これらの要求特性を比較的良く満足するととも
に価格も低廉であるとの理由で、２　”／４Ｃｒ　　Ｉ
　Ｍ、ｏ銅を中心とする低合金鋼が上記高温用部材に広
く適用されてきた。

ところが近年、エネルギー需要の目覚しい増大等に対処
するため、前記高温設備の効率向上を目的とした超高温
・高圧化が進められており、このような超高温ボイラー
（１１００’Ｆ以上に加熱されるもの）等では、前記低
合金鋼に代って耐食・耐酸化性を更に高めるために７〜
１３％（以下、饅は重量割合とする）のＣｒを含有した
高Ｃｒ鋼の実用化が試みられるようになってきた。

しかしながら、従来知られている高Ｃｒ系高温用鋼は、
大量のＣｒを含む上、高温強度を確保するためにＣ含有
量を高くする（　０．１０％以上）とともに多量°の合
金元素を含有させざるを得なかったので、靭性並びに溶
接性が満足でないという不都合な問題を有していること
が次第に明らかとなってきたのである。

本発明者等は、上述のような観点から、優れた耐食・銅
酸化性を有することはもちろんのこと、室温或いは高温
での強度も十分に高く、シかも靭性並びに溶接性にも優
れており、超高温・高圧設備に適用して十分に満足な効
果を発揮する高温用鋼を見出すべく多くの試験・研究を
重ねた結果、（ａ）　　高Ｃｒ系高温用鋼に微量のＢを
添加すると、焼入れ性が改善されて強度が著しく上昇す
るとともに、組織微細化による靭性の向上がもたらされ
、従って、強度確保のために必要であった合金元素の量
、特にＣ含有量を例えば０．０９％以下と著しく低減で
きること、 （ｂ）　　このような合金元素の低減により、靭性のみ
ならず、溶接性までもが極めて向上すること、（Ｃ）　
　この場合に、Ｂとともに所定量のＳＯムＡｔを添加含
有せしめると、他の合金特性に格別な悪影響を与えるこ
となくＢの添加効果をよシ顕著なものとし、高温用鋼と
しての総合的な特性が一層高められること、 （ｄ）　　上述のような高Ｃｒ鋼に、更にＣｕ　ｒ　Ｎ
ｉ＊　Ｔｌ　＋Ｖ　、　Ｎｂ及びＷのうちの１種以上を
添加すると、その靭性や高温強度がよシ改善されること
、以上（ａ）〜（ｄ）に示す如き知見を得るに至ったの
である。

この発明は、上記知見に基づいてなされたものであシ、
高温用鋼を、 Ｃ：　０．０１〜０．０９％＋　Ｓｔ　：　ｏ、ｏ　ｉ
〜０．５０％。

Ｍｎ　：　０．１０〜３．００％、　ｐ　：　ｏ、ｏ　
０２０％以下。

Ｃｒ：　７．００〜１３．００％。

Ｍｏ　：　０．５０〜３．００％。

Ｂ　：　０．０００２〜０．００１０％。

ｓｏｔ、Ａｌ　：　０．０１〜０．０５％、を含有する
とともに、必要に応じて、更に、Ｃｕ：　０．１０〜１
．００　％　＋Ｎｉ：　０．１０〜１．００％。

Ｔｉ　：　　０．０　２〜０．０５　係　、Ｖ　　：　
　０．１　０〜０．３０％　。

Ｎｂ：ｏ、ｏ　　４〜０．１０　％　、Ｗ　：　　０．
２　０〜１４５０％、のうちの１種以上をも含み、 Ｆｅ及び不可避不純物：残シ、 から成る成分組成とすることによって、高い高温強度と
優れた靭性、並びに十分に満足し得る溶接性ケ兼備せし
めた点に特徴を有するものである。

なお、この発明の高温用鋼は、熱間加工によって所定の
部層に成形されることが好ましいが、鋳造品として使用
されても所望の十分な効果が発揮されることはもちろん
のことである。

次に、この発明の鋼において、化学成分の組成割合を前
記の如くに数値限定した理由を膜間する。

■　　Ｃ Ｃ成分には、鋼の強度を確保する作用があるが、その含
有量が０．０１％未満では前記作用に所望の効果を確保
することができず、他力０．０９％を越えて含有させる
と靭性並びに溶接性（溶接低温割れ性、溶接高温割れ性
、及び溶接ボンド部靭性）を著しく劣化させるので、Ｃ
含有力を０．０１〜０．０９チと定めた。

■　５ｔ Ｓｉ成分は鋼の脱酸元素として重要であり、また耐高温
酸化性を向上する作用をも有しているが、その含有量゛
が０．０１％未満では前記作用に所望の効果が得られず
、他方０．５０％を越えて含有させてもそれ以上の向上
効果が得られないばかりか、溶接性に悪影響を及ばずよ
うになることから、Ｓｔ含有針を０．０１　％〜０．５
０９１！と定めた。

■　Ｍｎ Ｍｎ成分には、鋼の強艮上昇作用並びに脱酸作用がある
が、その含有量が０．１０％未満では前記作用に所望の
効果が得られず、他方３．００％を越えて含有させても
それ以上の向上効果が得られないばかシか、溶接性を著
しく害するようになシ、また長時間使用中の靭性劣化を
も招くようになることから、地合有量を０．１０〜３．
００％と定めた。

■　Ｐ Ｐは、結晶粒界に偏析して靭性低下を招いたり、或いは
溶接時の高温割れ性を著しく増加させるので可能な限多
低減する必要がある。特に高Ｃｒ鋼（７〜１３％）は溶
接高温割れ性が高く、その発生防止にはＰ含有量を０．
０２０　％以下とすることが必要である。このようなこ
とから、Ｐ含有量の上限値を０．０２０％と定めた。

■　Ｃｒ Ｃｒ成分には、鋼の耐食性及び耐高温酸化性を確保する
作用があるが、その含有量が７．００％未満では前記作
用に所望の効果が得られず、他方、１３．００％を越え
て含有させると、焼入れ硬化性の高い元素であることか
ら、靭性及び溶接性を著しく劣化することとなるので、
Ｃｒ含有量を７．００〜１３．００％と定めた。

■　Ｍ。

Ｍｏは、鋼の強度、特に高温長時間使用中のクリープ強
度を確保するために不可欠の元素であるが、その含有量
が０．５０チ未満では前記強度確保作用に所望の効果を
得ることができず、他方３．ＯＯ％を越えてもそれ以上
の向上効果が得られないばかシか、溶接性の劣化を招く
上、経済的にも不利となることから、ＭＯ含有量を０．
５０〜３．００％と定めた。

■　Ｂ Ｂ成分は、この発明において最も重要な元素であシ、微
量添加によって焼入れ性を著しく向上し強度を上昇させ
る作用を有しているが、その含有量が０．０００２％未
満では前記作用に所望の効果を得ることができず、他方
、０．００１０％を越えて含有させてもそれ以上の向上
効果が得られないばかりでなく、かえって靭性並びに溶
接性（溶接高温割れ性、再熱割れ性及び溶接ボンド部靭
性）を劣化するようになることから、Ｂ含有かを０．０
００２〜０．００１０チと定めた。

■　ｓｏｌ、Ａｌ ５ｏ１．Ａｔ　成分は、鋼の脱酸剤として重要なもので
あるが、この発明においては、脱酸剤としての作用のほ
かにＢの焼入れ性向上効果を発揮させる重要な役割りを
も担うもので、欠くことのできない成分である。即ち、
ｓｏｔ、Ａｔ　は、鋼中のＮと結びついてＡｔＪを形成
することによ、？ＢＮの形成を防止し、Ｂの焼入れ向上
効果を確保するものでもあるが、その含有量が０．０１
％未満では前記作用に所望の効果を得ることができず、
他方０．０５％を越えて含有させると鋼の靭性、高温強
度及び溶接性の劣化を招くことから、ｓｏｔ、Ａｔ　含
有部を０．０１〜０．０５％と定めた。

■　Ｃｕ　、　Ｎｉ　、及びＴｉ これらの元素は、この発明の鋼に添加することによって
その靭性を改善する作用があるので、鋼の靭性をよシ向
上させる必要がある場合に１種以上添加されるものであ
るが、以下、付随的な効果をも含めて、添加量限定理由
をよシ詳細に説明する。

■　Ｃｕ Ｃｕ成分には、組織を細粒化するとともにフェライト組
織を減少させて靭性を同」ニする作用があるが、その含
有量が０．１０％未満ではｉ１■記作用にＦ？望の効果
が得られず、他方１．００％を越えて含有させると溶接
性を劣化させ、特に溶接熱影響部の高温割れ性を増加す
るようになることから、Ｃｕ含有量は０．１０〜１．０
０％と定めた。

■　Ｎｆ Ｎｉ成分にも、Ｃｕと同様、組織の細粒化及びフェライ
ト組織の減少によシ靭性を向上する作用があるが、その
含有部が帆１０％未満では前記作用に所望の効果を得る
ことができず、他方、１、．００％を越えて含有させる
と溶接性を劣化させ、特に溶接部のクリープ強度並びに
延性を低下することとなるので、Ｎｉ含有量は０．１０
〜１．００％と定めた。

［相］　Ｔｉ Ｔｉ成分は、組織の細粒化によ）靭性を向上する作用を
一有しているとともに、脱酸元素としても有効なもので
あるが、その含有量が０．０２％未満では前記作用に所
望の効果が得られず、他方０．０５％を越えて含有させ
ると溶接部の組織を硬化させて溶接低温割れ性を高める
こととなるので、Ｔｉ含有量は０．０２〜０．０５％と
定めた。

■　Ｖ、Ｎｂ、及びＷ これらの元素は、この発明の鋼に添加するととによって
クリープ強度を上昇する作用があるので、鋼の高温強度
を更に向上する必要がある場合に１種以上添加されるも
のであるが、以下、付随的な効果をも含めて、添加量限
定理由をより詳細に説明する。

■　Ｖ ■成分にはクリープ強度を上昇させる作用があるが、そ
の含有量が０．１０％未満では前記作用に所望の効果を
得ることができず、他方０．３０％を越えて含有させる
と靭性及び溶接性を劣化させ、特に溶接部の再熱割れ性
を著しく高めるので、■含有量は０．１０〜０．３０％
と定めた。

■　Ｎｂ Ｎｂ成分には、クリープ強肛土昇作用のほか、細粒化に
よる靭性向上作用もあるが、その含有量が０．０４％未
満では前記作用に所望の効果が得られず、他方帆１０％
を越えて含有させると溶接性が劣化し、特に溶接高温割
れ性を著しく高めることとなるので、Ｎｂ含有量は帆０
４〜０．１０％と定めた。

ｑ小　Ｗ Ｗ成分にもクリープ強度上昇作用があるが、その含有侶
が帆２０条未満では前記作用に所望の強度を得ることが
できず、他方１．５０　％を越えて含有させると溶接性
を著しく害するようになる上、フェライト量を増加して
靭性劣化をも招くようになることから、Ｗ含有匍は０．
２０〜１．５０係と定めた。

次いで、この発明を実施例によシ比較例と対比しなから
説明する。

実施例１ ます、電気炉によって＠１表に示されるような成分組成
の鋼１〜２５を溶製し、常法によって厚さが５０１１Ｉ
ＩＩ＋の板材を製造した。なお、このときの熱処理条件
は、１０５０℃に１時間加熱保持後空冷するという焼準
しに続いて、７８０℃に１時加熱保持後空冷する焼戻し
を施すというものである。

次いで、このようにして得られた板Ｉについて、引張シ
試験、ｇｋ撃試験、及びクリープ試験を行い、更に溶接
性を調べるため、斜めＹ形溶接割れ試験、パレストレイ
ン試験、並びに溶接ボンド部のシャルピー衝撃試験をも
実施した。

このようにして得られた結果を、第２表に示した。

なお、クリープ強度は６００℃の温度での１０５時間後
の破断応力で示した。

また、斜めＹ形溶接割れ試験は、ＪＩＳ規格の２３１５
８によシ、板厚５０間の試験片、及びＡＷＳ　　Ｅ５０
５−１６の溶接棒を用いて実施した。これは、溶接の難
易度を推し量るだめの試験方法であって、割れ停止予熱
温度が高いほど割れ感受性が高すと評価されるものであ
る。

溶接高温割れ性を調べるだめのパレストレイン試験法は
、厚さ：　１２　ｍｍ　Ｘ幅：５０ｍｍＸ長さ：３００
簡の試験片を用いてＴＩＣ溶接（溶接入熱量：１２ＫＪ
／ｃ＋＋＋）で溶融し、４％の歪を与えて合計割れ長さ
を測定したもので、合計割れ長さが長いほど溶接割れを
発生しやすいと判断されるものである。

そして、溶接ボンド部のシャルピー衝撃特性は、第３表
に示されるような溶接狗料を使用したザブマージアーク
溶接（単電極）にて得られた溶接部について調べたもの
であるが、その溶接条件は次の通りであった。

溶接入熱ｔ：３０ＫＪ／６ｎ（５００Ａ、３０Ｖ、　３
０ｃｒｎ／ｍｉｎ　）） 予熱層間温度：　２００〜２５０　’Ｃ１溶接後熱処理
：　７３０℃Ｘ１０ｂｒ後、炉冷、開先形状：第１図の
通シ、 試験片採取位置：第２図の通り（試験片は、ＪＩＳ　　
ｚ２２０２の４号 試験とした）。

（注）ワイヤの残部成分は、実質的にＦｅ″′ｃある。

第　　３　　表 第２表に示される結果からも、本発明鋼１〜１７は常温
強度が６０　ｋｇｆ／＊Ａ以上、靭性（ｖＥｏ）が］、
　Ｏｋｇｆ−ｍ以上、そして６００℃Ｘ　１０５ｈｒの
クリープ破断強度が７ｋｇｆ／−以上と、極めて優れた
特性を有していることが明らかである。

これに対して、第１表中の東印を付した点で本発明鋼と
は成分組成の異なる比較鋼１８〜２５は、常温強度、靭
性、或いは高温強度のいずれかの特性が劣っていること
がわかる。

例えば、比較鋼２０及び２４は、低炭素であシ、しかも
Ａｔ−Ｂ処理を行っていないので強度が低くなっておシ
、比較鋼１８，２２及び２５は炭素量が高いために靭性
が低く、また、比較鋼１９／′ｉ高炭素−高Ｎｂのため
、比較鋼２１は高Ａ７のため、そして比較鋼２３は高Ｖ
のために低い靭性値を示している。

一方、溶接性の面においても、本発明鋼１〜１７は溶接
低温割れ性が割れ停止予熱瀞１度で２００℃以下、溶接
ボンド部靭性（ｖＥｏ　）　；ｙ３Ｅ　５　ｋｇｆ　−
ｍ以上、及び溶接高温割れ性が合計割れ長さで１０咽以
下と、非常に優れた値を示しているのに対して、比較鋼
１８〜２５は少なくともいずれかの特性に劣るものであ
ることが明らかである。

例えば、炭素量の多い比較鋼１８，１９．２２及び２５
は割れ停止予熱温度が２５０℃り上と高く、溶接ボンド
部靭性は２ｋｇｆ−ｍ以下、パレストレイン試験におけ
る合計割れ長さも１０ｍ以上と、すべての特性に劣って
いる。また炭素量の低い鋼においても、比較鋼２０は高
Ｎｉのため、比較鋼２１は高Ａｔのため、比較＠２３は
高■のため、いずれも溶接部靭性が低い。また、比較鋼
２４は良好な溶接性を示すものであるが、Ａｔ−Ｂ処理
を行っていないので母材強度が低くなっている。

このように、母材の強度、靭性及び溶接性のすべてにお
いて本発明鋼は優れた値を示し、高温用鋼としての特性
が比較鋼に比べて格段に向上していることが明らかであ
る。

上述のように、この発明によれば、常温及び高温強度が
為く、かつ極めて優れた靭性を有し、しかも溶接性にも
極めて優れた高湖用餉をコスト安く得ることができ、高
温用機器部材の性能を一層向上し得るなど、工業上極め
て有用な効果がもたらされるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は溶接母材の開先形状を示す概略図、第２図は溶
接ボンド部におけるシャルピー＠撃試験片採取位置を示
す概略図である。 出願人　　住友金属工業株式会社 代理人　　　富　１）和　夫　　　はか１名第１刃 学２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１１Ｎ量割合にて、 ｃ　：　ｏ、ｏ　ｉ〜０．０９％。 Ｓｉ　：　０．０１〜０．５０％。 Ｍｎ：　０．１０〜３．００　％　。 Ｐ　：　０．０２０％以下。 Ｃｒ：　７．００〜１３．００　％　。 Ｍｏ　：　０．５０〜３．００％。 Ｂ　：　０．０００２〜０．００１０％。 ｓｏｔ、ｈｔ　：　ｏ。０１〜０．０５％。 を含有するとともに、 Ｆｅ及び不可避不純物：残シ、 から成ることを特徴とする、高温強度、靭性並びに溶接
   性に優れた高温用鋼。 （２）重量割合にて、 ｃ　：　０．０１〜０．０９％。 Ｓｉ：０．０１〜０．５０％。 Ｍｎ　：　０．１０〜３．００％。 ｐ　：　０．０２０％以下。 Ｃｒ：　７．００〜１３．００　％　。 １！ｖｌｏ　：　０．５０〜３．００％。 Ｂ　：　０．０００２〜０．００１０％。 ｓｏｔ、Ａｔ：　０．０１〜０．０５％。 を含有するとともに、更に、 Ｃｕ：　０．１０〜１．００　％　。 Ｎｌ　ｍ　０．１０〜１．００％。 Ｔｉ　：　０．０２〜０．０５％。 のうちの１種以上をも含み、 Ｆｅ及び不可避不純物：残り、 から成ることを特徴とする、高温強度、靭性並びに溶接
   性に優れた高溝用鋼。 （３）重量割合にて、 ｃ　：　ｏ、ｏ　１〜０．０９％。 Ｓｉ　：　　０．０　１〜０．５０％　。 Ｍｎ　：　　０．１　０〜３．００　％　。 ｐ　：　０．０２９％以下。 Ｃｒ：　　７．００〜１３．００　％　。 Ｍｏ　：　　０．５０〜３．００　％　。 Ｂ　：　０．０００２〜０．００１　０　％。 ｓｏｔ、Ａｔ：　　０．０　１〜０．０　５　％　。 を含有するとともに、更に、 Ｖ　：　Ｏ，１Ｏ〜０．３０％。 Ｎｂ：ｏ、ｏ４〜０．１０％。 ｗ　：　０．２０〜１．５０％。 のうちの１種以上をも含み、 １ｉ１ｅ及び不可避不純物：残シ、 から成ることを特徴とする、高温強度、靭性並びに溶接
   性に優れた高温用鋼。 （４）　　重量割合にて、 Ｃ：　０．０１〜０．０９チ。 Ｓｊ　：　０．０１〜０．５０％。 Ｍｎ二０．１０〜３．００％。 ｐ　：　０．０２０％以下。 Ｃｒ：　　７．０　０〜１　３．０　０　　％　。 Ｍｏ　：　　０．５　０〜３．０　０　％　。 Ｂ　　：　　０．０　０　０　２〜０．０　０　１　０
   　　％　。 ｓｏｔ、Ａｊ　：　　０．０　１〜０．０　５　　％　
   。 を含有するとともに、更に、 Ｃｕ　：　０．１０〜１．００％。 Ｎｌ　：　０．１０〜１．００％。 Ｔｌ　：　０．０２〜０．０５係。 のうちの１種以上、及び、 Ｖ　：　０．１０〜０．３０％。 Ｎｂ：ｏ、ｏ４〜０．１θ％。 Ｗ　：　０．２０〜１．５０％。 のうぢの１種以上をも含み、 Ｆｅ及び不可避不純物：残り、 から成ることを特徴とする、高温強度、靭性並びに溶接
   性に優れた高温用鋼。