JP2002106640A - ダンパー機構 - Google Patents

ダンパー機構

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JP2002106640A
JP2002106640A JP2000300334A JP2000300334A JP2002106640A JP 2002106640 A JP2002106640 A JP 2002106640A JP 2000300334 A JP2000300334 A JP 2000300334A JP 2000300334 A JP2000300334 A JP 2000300334A JP 2002106640 A JP2002106640 A JP 2002106640A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/60Clutching elements
    • F16D13/64Clutch-plates; Clutch-lamellae
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/129Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon characterised by friction-damping means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 捩じり特性の正側と負側で特性を異ならせる
ことで好ましい振動減衰性能を実現する。 【解決手段】 クラッチディスク組立体1のダンパー機
構では、複数のコイルスプリング33,36は、プレー
ト12,13とハブ6との回転方向間で両者が相対回転
するときに圧縮されるように配置され、捩じり角度範囲
の正側で負側より高い捩じり剛性を発生させる。摩擦発
生機構69は、プレート12,13とハブ6との回転方
向間で両者が相対回転するときに摩擦を発生するように
配置され、捩じり角度範囲の正側で負側より大きな摩擦
を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクを伝達する
とともに捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌のクラッチディスク組立体に用いら
れるダンパー機構は、例えば、入力フライホイールに連
結・連結解除され得る入力回転部材と、トランスミッシ
ョンから延びる入力シャフトに連結される出力回転部材
と、両回転部材を回転方向に弾性的に連結する弾性連結
機構とから構成されている。入力回転部材はクラッチデ
ィスクとその内周側に固定された1対の入力プレートと
から構成されている。出力回転部材は入力シャフトに回
転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されたハブからな
る。ハブは、入力シャフトにスプライン係合する筒状の
ボスと、それから半径方向外方に広がる円板状のフラン
ジとを有している。弾性連結機構は複数の弾性部材組立
体からなる。各弾性部材組立体は、単独のコイルスプリ
ング又はコイルスプリングとその両端に配置されたシー
ト部材から構成されている。各弾性部材組立体は、フラ
ンジに形成された窓孔内に収容されて回転方向両端を回
転方向に支持されている。また、各弾性部材組立体は、
1対の入力プレートに形成された窓部によって各方向に
支持されている。
【0003】以上に述べた構造において、1対の入力プ
レートとハブとが相対回転すると、コイルスプリングは
両部材間で回転方向に圧縮される。このようにして、ク
ラッチディスク組立体に入力された捩じり振動は、ダン
パー機構によって、吸収・減衰される。
【0004】ところで、捩じり振動によって発生する駆
動系の騒音は、アイドリング時の異音、定速走行時の異
音、加減速時の異音、及びこもり音に分類される。した
がって、各異音発生原因となる捩じり振動を吸収するた
めには、ダンパー機構の捩じり特性を適切に設定する必
要がある。具体的には、捩じり角度の小さな領域を低剛
性・低ヒステリシストルクにすることによってアイドリ
ング時振動を吸収する2段特性が用いられている。以上
に述べた2段特性において、さらに、捩じり角度の大き
な領域内に、こもり音対策用の中剛性・高ヒステリシス
トルク領域と、加速時振動・異音対策用の高剛性・高ヒ
ステリシストルク領域とを形成する捩じり特性も知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】FF車の場合は、駆動
系の剛性が高いため、音振性能の向上を目的として捩じ
り剛性を低剛性化した場合であっても、実用域にも共振
点が残るという問題がある。また、エンジン回転変動の
特性が捩じり特性の正側(加速側)と負側(減速側)と
で異なり、捩じり特性が正負で同特性あるため、一方側
で好適な制振性能が得られても他方側では好適な制振性
能を得られず、両側で好適な制振性能を成立させること
が困難である。
【0006】振動減衰性能(エンジン回転速度に対する
トランスミッション回転速度変動)で検討すると、例え
ば、高ヒステリシストルクの場合は、正側の共振を抑え
ることができるが、正側の共振点以降及び負側全体で減
衰率がよくない。逆に、低ヒステリシストルクの場合
は、正側の共振点以降及び負側全体で減衰率がよくなる
が、正側の共振点での回転速度変動は大きくなる。
【0007】このように、正側と負側で捩じり特性が同
様である場合、特にヒステリシストルクが同じである場
合には、全体として好ましい振動減衰性能が得られな
い。本発明の目的は、捩じり特性の正側と負側で特性を
異ならせることで好ましい振動減衰性能を実現すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、複数の弾
性部材と、摩擦発生機構とを備えている。第2回転部材
は第1回転部材に相対回転可能に配置されている。複数
の弾性部材は、第1回転部材と第2回転部材との回転方
向間で両者が相対回転するときに圧縮されるように配置
され、捩じり特性の正側で負側より高い捩じり剛性を発
生させる。摩擦発生機構は、第1回転部材と第2回転部
材との回転方向間で両者が相対回転するときに摩擦を発
生するように配置され、捩じり特性の正側で負側より大
きな摩擦を発生させる。
【0009】このダンパー機構では、捩じり特性の正側
(加速側)で高剛性・高ヒステリシストルクの特性が得
られ、捩じり特性の負側(減速側)で低剛性・低ヒステ
リシストルクの特性が得られる。この結果、捩じり特性
の正側では共振点通過時の回転速度変動を抑えることが
でき、捩じり特性の負側では全体にわたって良好な減衰
率が得られる。
【0010】請求項2に記載のダンパー機構では、請求
項1において、摩擦発生機構は、捩じり特性の少なくと
も負側で摩擦を発生させる第1摩擦発生部と、捩じり特
性の正側で摩擦を発生させる第2摩擦発生部とを有して
いる。
【0011】このダンパー機構では、摩擦発生機構は、
正側と負側で摩擦を発生させる2つの摩擦発生部を有し
ているため、ヒステリシストルクを正負各側で独立して
調整できる。
【0012】請求項3に記載のダンパー機構では、請求
項2において、第1摩擦発生部は正側及び負側全体で作
用し、第2摩擦発生部は正側でのみ作用する。このダン
パー機構では、正側では第1摩擦発生部と第2摩擦発生
部が作用し、負側で第1摩擦発生部のみが作用する。
【0013】請求項4に記載のダンパー機構では、請求
項2又は3において、第1摩擦発生部は、第1回転部材
と第2回転部材との間で摩擦を発生するための第1摩擦
部材と、第1摩擦部材を付勢するための第1付勢部材と
を有している。第2摩擦発生部は、第1回転部材と第2
回転部材との間で摩擦を発生するための第2摩擦部材
と、第2摩擦部材を付勢するための第2付勢部材とを有
している。
【0014】このダンパー機構では、各摩擦発生部が各
々摩擦部材と付勢部材を有しているため、それら部材を
変更することで、ヒステリシストルクを正負各側で独立
して調整できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態として
のクラッチディスク組立体1の断面図を示し、図2にそ
の平面図を示す。クラッチディスク組立体1は、車両
(特にFF車)のクラッチ装置に用いられる動力伝達装
置であり、クラッチ機能とダンパー機構とを有してい
る。クラッチ機能とは、フライホイール(図示せず)に
連結及び離反することによってトルクの伝達及び遮断を
行う機能である。ダンパー機能とは、フライホイール側
から入力されるトルク変動等をばね等によって吸収・減
衰する機能である。
【0016】図1においてO−Oがクラッチディスク組
立体1の回転軸である。図1の左側にエンジン及びフラ
イホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトラ
ンスミッション(図示せず)が配置されている。さら
に、図2の矢印R1側がクラッチディスク組立体1の駆
動側(回転方向正側)であり、矢印R2側がその反対側
(回転方向負側)である。なお、以下の説明で「回転
(円周)方向」、「軸方向」及び「半径方向」とは、特
に断らない限り、回転体としてのクラッチディスク組立
体1の各方向をいうものとする。
【0017】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転部材2と、出力回転部材3と、両回転部材2,3間
に配置された弾性連結機構4とから構成されている。ま
た、各部材によって、トルクを伝達するとともに捩じり
振動を減衰するためのダンパー機構が構成されているこ
とになる。
【0018】入力回転部材2はフライホイール(図示せ
ず)からトルクが入力される部材である。入力回転部材
2は主にクラッチディスク11とクラッチプレート12
とリティーニングプレート13とから構成されている。
クラッチディスク11は、図示しないフライホイールに
押し付けられて連結される部分である。クラッチディス
ク11は、クッショニングプレート15と、その軸方向
両側にリベット18によって固定された1対の摩擦フェ
ーシング16,17とからなる。
【0019】クラッチプレート12とリティーニングプ
レート13は、ともに板金製の円板状かつ環状の部材で
あり、互いに対して軸方向に対して所定の間隔を開けて
配置されている。クラッチプレート12はエンジン側に
配置され、リティーニングプレート13はトランスミッ
ション側に配置されている。リティーニングプレート1
3の外周部にはクラッチプレート12側に延びる筒状の
壁22が形成されている。さらに、壁22の先端からは
複数の固定部23が半径方向内側に延びている。固定部
23は、クラッチプレート12のトランスミッション側
面に配置され、複数のリベット20によって互いに固定
されている。これにより、クラッチプレート12とリテ
ィーニングプレート13は一体回転するようになり、さ
らに軸方向の間隔が定められている。さらに、リベット
20はクッショニングプレート15の内周部を固定部2
3及びクラッチプレート12の外周部に固定している。
【0020】クラッチプレート12及びリティーニング
プレート13にはそれぞれ中心孔が形成されている。こ
の中心孔内には後述のボス7が配置される。クラッチプ
レート12及びリティーニングプレート13の各々に
は、円周方向に並んだ複数の窓部(51,52)が形成
されている。各窓部(51,52)は同一形状であり、
同一半径方向位置で円周方向に等間隔に合計4つ形成さ
れている。各窓部(51,52)は概ね円周方向に長く
延びている。
【0021】ここで、図1において左右方向に対向して
配置された1対の窓部を第1窓部51といい、図1にお
いて上下方向に対向して配置された1対の窓部を第2窓
部52ということにする。第1窓部51と第2窓部52
は同一形状であるので、それらの形状について一括して
説明する。各第1窓部51,52は、軸方向に貫通した
孔と、その孔の縁に沿って形成された支持部とからな
る。支持部は外周側支持部55と内周側支持部56と回
転方向支持部57とから構成されている。平面視で、外
周側支持部55は概ね円周方向に沿った形状に湾曲して
おり、内周側支持部56はほぼ直線状に延びている。ま
た、回転方向支持部57は、概ね半径方向に直線状に延
びているが、第1窓部51,52の円周方向中心とクラ
ッチディスク組立体1の中心Oとを通る直線に平行では
なく、半径方向内側が半径方向外側より回転方向内側
(第1窓部51,52における円周方向中心側)に位置
するように傾いている。このため、各第1窓部51,5
2において回転方向支持部57同士は互いに平行ではな
い。外周側支持部55及び内周側支持部56は他のプレ
ート部分から軸方向に起こされた部分である。
【0022】出力回転部材3について説明する。出力回
転部材3はハブ6によって主に構成されている。ハブ6
はボス7とフランジ8とからなる。ボス7はクラッチプ
レート12及びリティーニングプレート13の中心孔内
に配置された筒状の部材である。ボス7はその中心孔に
挿入されたトランスミッション入力シャフト(図示せ
ず)に対してスプライン係合している。フランジ8は、
ボス7の外周に一体に形成され、外周側に延びる円板形
状部分である。フランジ8は、クラッチプレート12と
リティーニングプレート13との軸方向間に配置されて
いる。フランジ8は、最内周側の内周部8aと、その外
周側に設けられ内周部8aより軸方向厚みが小さい外周
部8bとからなる。
【0023】フランジ8の外周部8bには、第1窓部5
1,52に対応して窓孔(53,54)が形成されてい
る。すなわち、同一半径方向位置で円周方向に等間隔に
4つの窓孔(53,54)が形成されている。ここで、
図1において左右方向に対向して配置された1対の窓部
を第1窓孔53といい、図1において上下方向に対向し
て配置された1対の窓部を第2窓孔54ということにす
る。第1窓孔53と第2窓孔54は同一形状であるので
それらの形状について一括して説明する。窓孔53,5
4は軸方向に打ち抜かれた孔であり、円周方向に長く延
びている。窓孔53,54は外周側支持部63と内周側
支持部64と回転方向支持部65とを有する。平面視
で、外周側支持部63は円周方向に沿った湾曲形状であ
り、内周側支持部64はほぼ直線状に延びている。ま
た、回転方向支持部65は概ね半径方向に直線状に延び
ているが、より詳細には、回転方向支持部65同士は、
窓孔53,54の回転方向中心とクラッチディスク組立
体1の中心Oとを結ぶ直線に対して平行ではなく、半径
方向内側が半径方向外側より窓孔53,54における回
転方向内側に位置するように傾いている。
【0024】以上をまとめると、(1)各回転部材にお
ける窓部又は窓孔は同一形状であり、(2)軸方向に対
応する窓孔と窓部(例えば第1窓孔53と第1窓部5
1、第2窓孔54と第2窓部52)は同一形状であり、
軸方向に一致している。
【0025】なお、フランジ8の外周縁には、リティー
ニングプレート13の固定部23が軸方向に通過可能な
切り欠き8cが形成されている。切り欠き8cは各窓孔
(53,54)の回転方向間に位置している。
【0026】弾性連結機構4は複数の弾性部材組立体
(30,31)から構成されている。この実施形態では
4つの弾性部材組立体(30,31)が用いられてい
る。各弾性部材組立体(30,31)は第1窓孔53,
54及び第1窓部51,52内に配置されている。弾性
部材組立体(30,31)は、第1窓孔53及び第1窓
部51内に配置された第1弾性部材組立体30と、第2
窓孔54及び窓部52内に配置された第2弾性部材組立
体31との2種類から構成されている。
【0027】第1弾性部材組立体30は、第1コイルス
プリング33と、その両端に配置された1対のシート部
材34A,34Bとから構成されている。第1コイルス
プリング33は断面が円形状である。第1コイルスプリ
ング33は両端末がクローズドエンドになって座巻を形
成している。但し、座巻の面部は研削されておらずばね
素材の断面形状を維持している。なお、ここでいう座巻
とは第1コイルスプリング33の両端の1巻分に相当す
る部分である。
【0028】シート部材34A,34Bは硬質樹脂又は
弾性樹脂材料からなる。弾性樹脂材料としては例えば熱
可塑性ポリエステル・エラストマーがある。第1窓孔5
3内において回転方向R1側のシート部材を第1シート
部材34Aとし、回転方向R2側のシート部材を第2シ
ート部材34Bとする。以下、第2シート部材34Bの
構造を詳細に説明し、その説明を第1シート部材34A
の説明に利用する。
【0029】図5〜図8に示すように、第2シート部材
34Bのシート部40は、第1コイルスプリング33の
座巻面部を受けるための座面40aを有している。シー
ト部40の座面側には円柱形状の突出部44が形成され
ており、そのため座面40aは環状である。座面40a
ほぼ平坦な第1半円とその一端から他端に向かって(平
面視で左巻方向に)除々に面が高くなっていくように傾
斜する第2半円とからなる。第2半円の一端は第1半円
から連続して形成され、第2半円の他端は第1半円との
間に段差を形成している。この段差部分において座面4
0aの円周方向(平面視で左巻方向)を向く当接面45
が形成される。なお、この座面40aの形状は第1コイ
ルスプリング33の座巻面部に対応した形状であり、当
接面45には座巻の先端面が当接するようになってい
る。これにより、第1コイルスプリング33は1対のシ
ート部材34A,34Bに対して自らの中心軸回りに回
転することができない。すなわち、両シート部材34
A,34Bでは当接面45が第1コイルスプリング33
の巻き方向において反対側を向いているため、第1コイ
ルスプリング33は中心軸回りのどちら側にも回転でき
ない。
【0030】突出部44にはさらに突出するように延び
る当接部46が形成されている。当接部46は先端に向
かって徐々に径が短くなるようになっており、先端に平
坦な当接面46aを有している。シート部40、突出部
44及び当接部46の中心には、回転方向に貫通する円
形の孔44aが形成されている。さらに、当接部46に
は軸方向に分かれるようにスリット46bが形成されて
いる。
【0031】シート部40の座面40aと反対側には軸
方向両側において回転方向に突出するように延びる1対
の突出部41が形成されている。突出部41の先端は第
1当接面41aになっている。言い換えると、シート部
40には回転方向外側部分を軸方向に分割するスリット
48が形成されている。両突出部41の軸方向間には第
2当接面42が形成されている。すなわち第2当接面4
2は第1当接面41aに対して回転方向内側に位置して
いることになる。第1当接面41aはプレート12,1
3の第1窓部51の回転方向支持部57に当接又は近接
して回転方向に支持されている。第2当接面42はフラ
ンジ8の第1窓孔53の回転方向支持部65から所定角
度θ1(具体的には15度)離れて配置されることで、
回転方向に支持されている。
【0032】さらに、シート部40の回転方向内側に
は、第1コイルスプリング33の座巻の半径方向外側及
び軸方向両側を支持するための外周側支持部40bと、
第1コイルスプリング33の座巻の半径方向内側及び軸
方向両側を支持するための内周側支持部40cが形成さ
れている。
【0033】なお、第2シート部材34Bの外周側は、
外周側支持部55及び外周側支持部63に沿った弧状形
状となっている。また、第2シート部材34Bは、第1
窓部51の外周側支持部55と内周側支持部56によっ
て軸方向への移動が制限されている。
【0034】第1シート部材34Aの構造について説明
する。図9に示すように、第1シート部材34Aの形状
は概ね第2シート部材34Bの構造と同様である。ただ
し、第1シート部材34Aは第2シート部材34Bに比
べて1対の突出部41の回転方向突出量が小さくなって
いる。このため、第1シート部材34Aの第2当接面4
2はフランジ8の第1窓孔53の回転方向支持部65に
回転方向に角度θ2だけ離れている。角度θ2は、角度
θ1に比べて大幅に小さく、本実施形態では2度であ
る。なお、第2当接面42には回転方向にわずかに凹む
凹部42aが形成されている。
【0035】第1コイルスプリング33において内周側
の有効巻数は4巻きであり、外周側の有効巻数は3巻き
であり、すなわち内周側の有効巻数が外周側の有効巻数
に比べて1巻き分多い。第1コイルスプリング33は自
らの中心軸回りに回転不能になっているため、この状態
は常に保たれている。その理由は、(a)第1コイルス
プリング33はその両端に配置されたシート部材34
A,34Bに自らの軸回りに回転不能に係止され、さら
に(b)シート部材34A,34Bはフランジ8の回転
方向支持部65及びプレート12,13の回転方向支持
部57に対してそれぞれ第1コイルスプリング33の軸
回りに回転不能に係止されていることにある。このよう
に内周側の有効巻数を外周側の有効巻数より多くするこ
とで、外周側部分の大きなたわみ量に起因する内周側部
分の過大応力を各内側部分に分散することができ、結果
として個々の内周側部分と外周側部分の応力差を減らす
ことができる。
【0036】第2弾性部材組立体31について説明す
る。第2弾性部材組立体31は、第2コイルスプリング
36と、その回転方向両端に配置された第3シート部材
37とから構成されている。第2コイルスプリング36
は断面が円形状である。第2コイルスプリング36は両
端末がクローズドエンドになって座巻を形成している。
但し、座巻の面部は研削されておらずばね素材の断面形
状を維持している。なお、ここでいう座巻とは第2コイ
ルスプリング36の両端の1巻分に相当する部分であ
る。また、第2コイルスプリング36は第1コイルスプ
リング33に比べてコイル径、線径及びピッチは等しい
が、巻数が異なっており、その結果回転方向に長くなっ
ている。
【0037】第3シート部材37は、前述のシート部材
34A,34Bと同様の形状をしている。ただし、第3
シート部材37のシート部には回転方向外側のスリット
が形成されていない。そのため、第3シート部材37は
フランジ8の第2窓孔54の回転方向支持部65にも当
接又は近接して支持されている。
【0038】クラッチディスク組立体1は、弾性連結機
構4に対して並列に作用するように配置された摩擦発生
機構69をさらに備えている。摩擦発生機構69は、低
ヒステリシストルクを発生するための第1摩擦発生部7
0と、高ヒステリシストルクを発生するための第2摩擦
発生部71とを有している。
【0039】第1摩擦発生部70は、弾性連結機構4が
作用している全領域すなわち捩じり特性の正側及び負側
両方でヒステリシストルクを発生するための機構であ
る。第1摩擦発生部70は、第1ブッシュ72と、第1
コーンスプリング73と、第2ブッシュ74とを有して
いる。第1ブッシュ72と第1コーンスプリング73
は、フランジ8の内周部8aとリティーニングプレート
13の内周部との間に配置されている。第1ブッシュ7
2は、ワッシャ状の部材であり、フランジ8の内周部8
aの軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接す
る摩擦面を有している。第1コーンスプリング73は、
第1ブッシュ72とリティーニングプレート13の内周
部との軸方向間に配置され、軸方向に圧縮されている。
第2ブッシュ74はクラッチプレート54の内周面に装
着された環状の部材であり、その内周面がボス7の外周
面に当接している。これにより、クラッチプレート12
及びリティーニングプレート13はハブ6に対して半径
方向に位置決めされている。また、第2ブッシュ74
は、フランジ8の内周部8aの軸方向エンジン側面に摺
動可能に当接する摩擦面を有している。
【0040】以上に述べた構造によって、第1摩擦発生
部70では、第1コーンスプリング73(第1付勢部
材)の弾性力によって、クラッチプレート12及びリテ
ィーニングプレート13と一体回転する第1及び第2ブ
ッシュ72,74(第1摩擦部材)が、フランジ8に対
して軸方向から押し付けられ、回転方向に摺動可能とな
っている。
【0041】第2摩擦発生部71は、第3ブッシュ76
と、第2コーンスプリング77と、第4ブッシュ78
と、フロート部材80とから構成されている。フロート
部材80は、第2摩擦発生部70を捩じり特性の正側で
は作動させるが負側では作動させないための部材であ
る。より具体的には、フロート部材80は、入力回転体
2との間で第2摩擦発生部70の摩擦面を構成し、所定
角度範囲でフランジ8に対して相対回転可能に配置され
ているがフランジ8に対して回転方向の片側からのみ係
合可能となっている(捩じり特性の正側では係合するが
負側では係合しない)。フロート部材80は、第1板部
材81と、第2板部材82と、ピン83とから構成され
ている。第1板部材81と第2板部材82は環状の部材
であり、フランジ8の内周側部分、より具体的には外周
部8bの最内周環状部分つまり内周部8aより外周側で
かつ窓孔53,54より内周側の環状部分の軸方向両側
に配置されている。第1板部材81はフランジ8の軸方
向トランスミッション側に配置されており、第2板部材
82はフランジ8の軸方向エンジン側に配置されてい
る。ピン83は、軸方向に延びる胴部83aと、胴部8
3aの両端からさらに軸方向に延びる挿入部83bとか
ら構成されている。挿入部83bは胴部83aより小径
であるため、胴部83aの軸方向両端には肩部83cが
形成されている。第1板部材81及び第2板部材82に
は挿入部83bが挿入される孔が形成されている。この
係合によって、第1板部材81と第2板部材82は一体
回転する。また、胴部83aの肩部83cには第1板部
材81と第2板部材82が軸方向から当接している。こ
れにより、第1板部材81と第2板部材82の軸方向間
隔が定められている。なお、胴部83aの軸方向長さは
フランジ8の軸方向厚みより大きくなっているため、フ
ランジ8の外周部8bの軸方向の両面が第1板部材81
と第2板部材82の両方に当接していることはなく、図
3ではフランジ8の外周部8bの軸方向トランスミッシ
ョン側面と第1板部材81との軸方向間には隙間が確保
されている。ピン83は、半径方向に対向して2箇所に
設けられ、第1窓孔53の切り欠き64a内を延びてい
る。切り欠き64aは、第1窓孔53の内周側支持部6
4においてさらに半径方向内側に延びる部分であり、回
転方向に一定の長さを有している。ピン83は切り欠き
64a内において回転方向R1側にずれて配置されてい
る。後述のようにフロート部材80は所定角度範囲でハ
ブ6に対して相対回転可能であるが、その範囲で切り欠
き64aがピン83に干渉しないように、切り欠き64
aの回転方向の長さが設定されている。
【0042】第1板部材81は、ピン83が係合する環
状部81aと、環状部81aから半径方向外側に延びる
1対のアーム81bと、アーム81bの先端から軸方向
に延びる爪部81cとから構成されている。1対のアー
ム81bは、フランジ8の第1窓孔53の回転方向R1
側端付近まで延びている。アーム81bの先端は第1シ
ート部材34Aの一対の突出部41間に回転方向R2側
から挿入されるように延びる形状をしており、さらにそ
の先端には軸方向に延びる爪部81cが形成されてい
る。爪部81cは、第1シート部材34Aの第2当接面
42に形成された凹部42a内にはまり込んでいる。こ
のため、爪部81cは第2当接面42と面一になってい
る。すなわち、爪部81cは第1窓孔53の回転方向R
1側の回転方向支持部65からθ2だけ回転方向に離れ
ている。なお、第2当接面42は爪部81cから回転方
向R2側に離れることが可能である。
【0043】第3ブッシュ76と第2コーンスプリング
77は、第1板部材81の環状部81aとリティーニン
グプレート13の内周部との軸方向間、すなわち第1ブ
ッシュ72及び第1コーンスプリング73の外周側に配
置されている。第3ブッシュ76は第1板部材81の軸
方向トランスミッション側面に当接する摩擦面を有して
いる。また、第3ブッシュ76は、環状本体部分から軸
方向に延びリティーニングプレート13に形成された孔
内に挿入された突起76aを有している。この係合によ
って第3ブッシュ76はリティーニングプレート13に
対して軸方向には移動可能であるが相対回転は不能にな
っている。第2コーンスプリング77は第3ブッシュ7
6とリティーニングプレート13の内周部との軸方向間
に配置され、両者の間で軸方向に圧縮されている。第3
ブッシュ76の内周部には第1ブッシュ72から延びる
突起が回転方向に係合する凹部が形成されており、この
係合により第1ブッシュ72は第3ブッシュ76及びリ
ティーニングプレート13と一体回転する。
【0044】第4ブッシュ78は、第2板部材82とク
ラッチプレート12の内周部との間、すなわち第2ブッ
シュ74の外周側に配置されている。第4ブッシュ78
は、第2板部材82の軸方向エンジン側面に当接する摩
擦面を有している。第4ブッシュ78には、環状本体か
ら軸方向エンジン側に延びる複数の突起78aが形成さ
れている。突起78aはクラッチプレート12に形成さ
れた孔内にはまり込み、この結果第4ブッシュ78はク
ラッチプレート12に対して軸方向に移動可能であるが
相対回転は不能になっている。
【0045】以上に述べた構造によって、第2摩擦発生
部71では、第2コーンスプリング77(第2付勢部
材)の弾性力によって、クラッチプレート12及びリテ
ィーニングプレート13と一体回転する第3及び第4ブ
ッシュ76,78(第2摩擦部材)が、フロート部材8
0に対して軸方向から押し付けられ、回転方向に摺動可
能となっている。第2摩擦発生部71で発生するヒステ
リシストルクは第1摩擦発生部70で発生するヒステリ
シストルクよりかなり大きく、10〜20倍の範囲にあ
る。
【0046】次に、図10及び図11に示すダンパー機
構の模式図及び図12に示す捩じり特性線図を用いて、
クラッチディスク組立体1の捩じり特性について説明す
る。なお、図12に表れた具体的な数値は本発明の一実
施例として開示するものであり、本発明を限定するもの
ではない。
【0047】最初に、図10の中立状態から入力回転部
材2を固定しておきそれ対してハブ6を回転方向R2側
に捩じっていく捩じり特性正側領域の動作(このとき入
力回転部材2が出力回転部材3に対して回転方向R1側
に捩じれることになる)を説明する。
【0048】捩じり角度の小さな領域では、2個の第2
コイルスプリング36のみが圧縮され、第1摩擦発生部
70のみが圧縮される。つまり、2個の第1コイルスプ
リング33は圧縮されず、さらに第2摩擦発生部71は
作動しない。具体的には、フランジ8の回転方向R1側
の回転方向支持部65は第1シート部材34Aのスリッ
ト48内を通過していくため、第1コイルスプリング3
3が圧縮されることはない。また、フロート部材80は
第2摩擦発生部71を介してプレート12,13と一体
回転しハブ6に対して滑るため、第2摩擦発生部71で
摩擦は発生しない。この結果、低剛性・低ヒステリシス
トルクの特性が得られる。
【0049】捩じり角度がθ2になると、第1窓孔53
の回転方向R1側の回転方向支持部65が第1シート部
材34Aの第2当接面42及びフロート部材80の爪部
81cに当接する。これ以降は、2個の第1コイルスプ
リング33が2個の第2コイルスプリング36と並列に
圧縮される。また、フロート部材80は、ハブ6と一体
回転し、第3ブッシュ76及び第4ブッシュ78に対し
て回転方向に摺動する。つまり、第2摩擦発生部71が
第1摩擦発生部70に並列に作動する。この結果、高剛
性・高ヒステリシストルクの捩じり特性が得られる。捩
じり角度が例えば10.5度になると、第1シート部材
34Aと第2シート部材34Bが当接し、さらに第3シ
ート部材37同士が当接することで、ダンパー機構の動
作が停止する。
【0050】次に、図11の中立状態から入力回転部材
2を固定しておきそれ対してハブ6を回転方向R1側に
捩じっていく捩じり特性負側領域の動作(このとき入力
回転部材2が出力回転部材3に対して回転方向R2に捩
じれることになる)を説明する。
【0051】捩じり角度の小さな領域では、2個の第2
コイルスプリング36のみが圧縮され、第1摩擦発生部
70のみが作動する。つまり、2個の第1コイルスプリ
ング33は圧縮されず、さらに第2摩擦発生部71は作
動しない。具体的には、フランジ8の回転方向R2側の
回転方向支持部65は第2シート部材34Bのスリット
48内を通過していくため、第1コイルスプリング33
が圧縮されることはない。また、フロート部材80は第
2摩擦発生部71を介してプレート12,13と一体回
転しハブ6に対して滑るため、第2摩擦発生部71で摩
擦は発生しない。この結果、低剛性・低ヒステリシスト
ルクの特性が得られる。このときの捩じり剛性は、正側
の高剛性領域(図12の2°〜10.5°)の捩じり剛
性の約1/4である。
【0052】捩じり角度がθ1になると、第1窓孔53
の回転方向R2側の回転方向支持部65が第1シート部
材34Aの第2当接面42に当接する。これ以降は、2
個の第1コイルスプリング33が2個の第2コイルスプ
リング36に並列に圧縮される。しかし、フロート部材
80は第2摩擦発生部71を介してプレート12,13
と一体回転しハブ6に対して滑るため、第2摩擦発生部
71で摩擦は発生しない。この結果、高剛性・低ヒステ
リシストルクの捩じり特性が得られる。
【0053】以上に述べたように、本発明に係るダンパ
ー機構では、捩じり特性の正側と負側とで捩じり剛性を
異ならせるのみでなく、ヒステリシストルクも異ならせ
ることで、全体として好適な捩じり特性を実現してい
る。従来では正負の捩じり特性が同一であったため、振
動減衰性能について以下のような問題があった。
【0054】 1)高剛性・高ヒス→負側での減衰率が不良 2)高剛性・低ヒス→正側で共振時の回転速度変動が大 3)低剛性・高ヒス→負側での減衰率が不良 4)低剛性・低ヒス→正側で共振時の回転速度変動が大 これより、一般的に、正側では高ヒスが好ましく、負側
では低ヒスが好ましいことが分かる。従来から捩じり特
性の正側と負側とでヒステリシストルクを異ならせた構
造は従来よりあったが、本発明ではそれのみならず捩じ
り剛性をも異ならせることで、より好ましい捩じり特性
を実現するものである。
【0055】より具体的には、正側の高剛性領域(図1
2では2°〜10.5°)に高ヒステリシストルクを実
現し、負側の低剛性領域(図12では0°〜15°)に
低ヒステリシストルクを実現している。この結果、捩じ
り特性の正側では共振点通過時の回転速度変動を抑える
ことができ、捩じり特性の負側では全体にわたって良好
な減衰率が得られる。
【0056】特に、本発明に係るクラッチディク組立体
1は、FF車の車輌構造からくる振動特性を改善するの
に適している。なぜなら、FF車は、駆動系の剛性が高
いため、以下に述べる振動特性を有しているからであ
る。第1に、FF車では、音振性能の向上を目的として
捩じり剛性を低剛性化した場合であっても、実用域にも
共振点が残ってしまう。第2に、エンジン回転変動の特
性が捩じり特性の正側(加速側)と負側(減速側)とで
異なり、捩じり特性を正負同特性とすると、一方側で好
適な制振性能が得られても他方側では好適な制振性能を
得られず、両側で好適な制振性能を成立させることが困
難である。
【0057】摩擦発生機構69は第1摩擦発生部70と
第2摩擦発生部71という2つの摩擦発生部を有してお
り、第2摩擦発生部71は正側のみで作動するものであ
るため、正側と負側とで発生するヒステリシストルクを
独立して調整可能である。より具体的には、正側でのヒ
ステリシストルクを調整する場合には、第2摩擦発生部
71の第3ブッシュ76、第4ブッシュ78及び第2コ
ーンスプリング77の一部又は全てを変更すればよい。
このときに負側のヒステリシストルクは影響されない。
負側でのヒステリシストルクを調整する場合には、第1
摩擦発生部70の第1ブッシュ72、第2ブッシュ74
及び第1コーンスプリング73の一部又は全てを変更す
ればよい。このときに正側のヒステリシストルクも変動
するが、第1摩擦発生部70で発生するヒステリシスト
ルクは第2摩擦発生部71で発生するヒステリシストル
クより大幅に小さいため、正側のヒステリシストルクに
大きな影響は及ぼさない。これに対して1個のコーンス
プリングを用いて複数の摩擦材を発生させ正側と負側で
摩擦面数を異ならせることで正側と負側のヒステリシス
トルクを異ならせる構造では、正側のヒステリシストル
クを調整するためにコーンスプリングを変更すると、負
側のヒステリシストルクにも大きな影響を与えてしま
う。
【0058】本発明は、前記実施形態に示した具体的な
クラッチディスク組立体には限定されない。
【0059】
【発明の効果】本発明に係るダンパー機構では、捩じり
特性の正側(加速側)で高剛性・高ヒステリシストルク
の特性が得られ、捩じり特性の負側(減速側)で低剛性
・低ヒステリシストルクの特性が得られる。この結果、
捩じり特性の正側では共振点通過時の回転速度変動を抑
えることができ、捩じり特性の負側では全体にわたって
良好な減衰率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクラッチディスク
組立体の縦断面図。
【図2】クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図1の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断
面図。
【図4】図1の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断
面図。
【図5】図2の部分拡大図であり、第1弾性部材組立体
の平面図。
【図6】第1シート部材の横断面図。
【図7】図1の部分拡大図であり、第1弾性部材組立体
の縦断面図。
【図8】第1シート部材の縦断面図。
【図9】第2シート部材の横断面図。
【図10】クラッチディスク組立体のダンパー機構の模
式図。
【図11】クラッチディスク組立体のダンパー機構の模
式図。
【図12】クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転部材 3 出力回転部材 4 弾性連結機構 6 ハブ 7 ボス 8 フランジ 30 第1弾性部材組立体 31 第2弾性部材組立体 33 第1コイルスプリング 34A 第1シート部材 34B 第2シート部材 40 シート部 41 突出部 69 摩擦発生機構 70 第1摩擦発生部 71 第2摩擦発生部 80 フロート部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1回転部材と、 前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転
    部材と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材との回転方向間で
    両者が相対回転するときに圧縮されるように配置され、
    捩じり特性の正側で負側より高い捩じり剛性を発生させ
    る複数の弾性部材と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材との回転方向間で
    両者が相対回転するときに摩擦を発生するように配置さ
    れ、捩じり特性の正側で負側より大きな摩擦を発生させ
    る摩擦発生機構と、を備えたダンパー機構。
  2. 【請求項2】前記摩擦発生機構は、捩じり特性の負側で
    摩擦を発生させる第1摩擦発生部と、捩じり特性角度の
    少なくとも正側で摩擦を発生させる第2摩擦発生部とを
    有している、請求項1に記載のダンパー機構。
  3. 【請求項3】前記第1摩擦発生部は正側及び負側全体で
    作用し、前記第2摩擦発生部は正側でのみ作用する、請
    求項2に記載のダンパー機構。
  4. 【請求項4】前記第1摩擦発生部は、前記第1回転部材
    と前記第2回転部材との間で摩擦を発生するための第1
    摩擦部材と、前記第1摩擦部材を付勢するための第1付
    勢部材とを有し、 前記第2摩擦発生部は、前記第1回転部材と前記第2回
    転部材との間で摩擦を発生するための第2摩擦部材と、
    前記第2摩擦部材を付勢するための第2付勢部材とを有
    している、請求項2又は3に記載のダンパー機構。
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