JP2003148512A - ダンパーディスク組立体 - Google Patents

ダンパーディスク組立体

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JP2003148512A
JP2003148512A JP2001342079A JP2001342079A JP2003148512A JP 2003148512 A JP2003148512 A JP 2003148512A JP 2001342079 A JP2001342079 A JP 2001342079A JP 2001342079 A JP2001342079 A JP 2001342079A JP 2003148512 A JP2003148512 A JP 2003148512A
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coil spring
spring
plate
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JP2001342079A
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Hiroshi Uehara
宏 上原
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/121Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon using springs as elastic members, e.g. metallic springs
    • F16F15/123Wound springs
    • F16F15/12353Combinations of dampers, e.g. with multiple plates, multiple spring sets, i.e. complex configurations
    • F16F15/1236Combinations of dampers, e.g. with multiple plates, multiple spring sets, i.e. complex configurations resulting in a staged spring characteristic, e.g. with multiple intermediate plates
    • F16F15/12366Combinations of dampers, e.g. with multiple plates, multiple spring sets, i.e. complex configurations resulting in a staged spring characteristic, e.g. with multiple intermediate plates acting on multiple sets of springs
    • F16F15/12373Combinations of dampers, e.g. with multiple plates, multiple spring sets, i.e. complex configurations resulting in a staged spring characteristic, e.g. with multiple intermediate plates acting on multiple sets of springs the sets of springs being arranged at substantially the same radius
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/60Clutching elements
    • F16D13/64Clutch-plates; Clutch-lamellae
    • F16D13/644Hub construction

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパーディスク組立体において簡単な構造
で広角捩じり角度の捩じり特性を実現する。 【解決手段】 クラッチディスク組立体1は、ハブフラ
ンジ7と、一対のコイルスプリング8と、一対のコイル
スプリング9と、中間回転部材10と、一対のプレート
12,13とを備えている。ハブフランジ7は、シャフ
トに連結され得るボス7aと、ボス7aの外周に一体に
形成されたフランジ7bと有し、フランジ7bには、半
径方向に対向する一対の第1窓孔7aと、半径方向に対
向する一対の第2窓孔7bとが形成されている。一対の
コイルスプリング8は、一対の第1窓孔7aにそれぞれ
配置されている。一対のコイルスプリング9は、一対の
第2窓孔7bにそれぞれ配置され、コイルスプリング8
より剛性が高い。中間回転部材10は、コイルスプリン
グ8とコイルスプリング9を回転方向に連結する。一対
のプレート12,13は、フランジ7bの軸方向両側に
配置され、コイルスプリング9を支持する窓部25を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパーディスク
組立体、特に、少なくとも二段の剛性を含む捩じり特性
を実現するダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のクラッチディスク組立体に用いら
れるダンパー機構は、入力フライホイールに連結され得
る入力回転部材と、トランスミッションから延びるシャ
フトに連結される出力回転部材と、入力回転部材と出力
回転部材とを回転方向に弾性的に連結する弾性連結部材
とから構成されている。入力回転部材は、クラッチディ
スクと、その内周側に固定された1対の入力プレートか
ら構成されている。出力回転部材はシャフトに相対回転
不能に連結されたハブからなる。ハブは、シャフトにス
プライン係合するボスと、ボスから半径方向外方に延び
るフランジとを有している。弾性連結機構は複数のコイ
ルスプリングからなる。各コイルスプリングは、フラン
ジに形成された窓孔内に収容され、さらに1対の入力プ
レートに形成された角窓に支持されている。1対の入力
プレートとハブとが相対回転すると、コイルスプリング
は両部材間で回転方向に圧縮される。このダンパー機能
によって、クラッチディスク組立体に入力された捩り振
動が吸収・減衰される。
【0003】さらに、各走行状態における各種振動に対
応させて、異なる剛性のスプリングを用いたクラッチデ
ィスク組立体も知られている。そこでは、捩じり角度の
小さな領域では小コイルスプリングが圧縮されて低剛性
の特性が得られ、捩じり角度の大きな領域では大コイル
スプリングが圧縮されて高剛性の特性が得られる2段捩
じり特性を実現している。そのための構造としては、フ
ランジをハブから分離させ、フランジとハブを低剛性の
小コイルスプリングで回転方向に連結する分離フランジ
型のクラッチディスク組立体が知られている。また、一
体のハブフランジに大コイルスプリング用窓孔と小コイ
ルスプリング用窓孔を設けてそれぞれに各コイルスプリ
ングを配置した一体型のクラッチディスク組立体も知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分離フランジ型のクラ
ッチディスク組立体では、広角低剛性の捩じり特性を実
現することができる。しかし、ハブとフランジが必要に
なるため、部品点数が多くなり、コストが高くなってし
まう。一体型のクラッチディスク組立体では、ハブフラ
ンジの切り欠きとその中に配置されたストップピンとの
間の回転方向角度によって捩じり角度が決定されてい
る。しかも、大コイルスプリングは回転方向に並んで4
〜6個配置されているため、切り欠きの大きさ、すなわ
ち捩じり角度を十分確保することができず、狭角高剛性
の捩じり特性となってしまう。
【0005】本発明の課題は、ダンパーディスク組立体
において簡単な構造で広角捩じり角度の捩じり特性を実
現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ーディスク組立体は、ハブフランジと、一対の第1弾性
部材と、一対の第2弾性部材と、中間回転部材と、一対
のプレート部材とを備えている。ハブフランジは、シャ
フトに連結され得るボスと、ボスの外周に一体に形成さ
れたフランジと有し、フランジには、半径方向に対向す
る一対の第1窓孔と、半径方向に対向する一対の第2窓
孔とが形成されている。一対の第1弾性部材は、一対の
第1窓部にそれぞれ配置されている。一対の第2弾性部
材は、一対の第2窓孔にそれぞれ配置され、第1弾性部
材より剛性が高い。中間回転部材は、第1弾性部材と第
2弾性部材を回転方向に連結する。一対のプレート部材
は、フランジの軸方向両側に配置され、第2弾性部材を
支持する支持部を有する。
【0007】このダンパーディスク組立体では、車両走
行時の動力伝達及び振動吸収を行うためのばねとして
は、半径方向に対向する位置に配置された一対の第2弾
性部材を用いている。したがって、例えばストップピン
と切り欠きの間における角度制約の問題が解消され、広
捩じり角の捩じり特性を実現できる。さらに、アイドリ
ング時の微小捩じり振動を吸収するためのばねとして
は、フランジの第1窓孔に配置された一対の第1弾性部
材を用いている。ここで、ハブフランジは一体の部材で
あるため、部品点数が多くなることはない。
【0008】請求項2に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項1において、中間回転部材は、フランジの
軸方向片側に配置された第1部材と、フランジの軸方向
反対側に配置され、第1部材に向かって軸方向に突出し
第1部材に相対回転不能に係合する突出部を有する第2
部材とからなる。このダンパーディスク組立体では、一
対の第1弾性部材と一対の第2弾性部材とを回転方向に
連結する中間部材が第1部材と第2部材という2つの部
材からなり、第2部材が第1部材と係合する突出部を有
している。したがって、従来のサブピンを省略すること
ができ、部品点数が少なくなることでコストを低くでき
る。
【0009】
【発明の実施の形態】(1)構成 図1に本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組
立体1の断面図を示し、図2にその平面図を示す。クラ
ッチディスク組立体1は、車両のクラッチ装置に用いら
れる動力伝達装置であり、クラッチ機能とダンパー機能
とを有している。クラッチ機能とは、フライホイール
(図示せず)に連結及び離反することによってトルクの
伝達及び遮断を行う機能である。ダンパー機能とは、フ
ライホイール側から入力されるトルク変動等をばね等に
よって吸収・減衰する機能である。
【0010】図1においてO−Oがクラッチディスク組
立体1の回転軸である。図1の左側にエンジン及びフラ
イホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトラ
ンスミッション(図示せず)が配置されている。さら
に、図2の矢印R1側がクラッチディスク組立体1の駆
動側(回転方向正側)であり、矢印R2側がその反対側
(回転方向負側)である。なお、以下の説明で「回転
(円周)方向」、「軸方向」及び「半径方向」とは、特
に断らない限り、ダンパー機構としてのクラッチディス
ク組立体1の各方向をいうものとする。また、以下の説
明で用いた円周方向角度等の実際の数値は、例えば各角
度の大きさ関係を説明するためにのみ用いられており、
本願発明を限定するものではない。
【0011】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転体2と、出力回転体3と、入力回転体2と出力回転
体3との間に配置された弾性連結部4とから主に構成さ
れている。入力回転体2はフライホイール(図示せず)
からトルクが入力される部材である。入力回転体2は主
にクラッチディスク11とクラッチプレート12とリテ
ーニングプレート13とから構成されている。クラッチ
ディスク11は、図示しないフライホイールに押し付け
られて連結される部分である。クラッチディスク11
は、クッショニングプレート15と、その軸方向両側に
リベット18によって固定された1対の摩擦フェーシン
グ16,17とからなる。
【0012】クラッチプレート12とリテーニングプレ
ート13は、共に板金製の円板状かつ環状の部材であ
り、互いに対して軸方向に対して所定の間隔を開けて配
置されている。クラッチプレート12はエンジン側に配
置され、リテーニングプレート13はトランスミッショ
ン側に配置されている。リテーニングプレート13にお
いてコイルスプリング8の半径方向外方に当たる部分に
は絞り加工でクラッチプレート12側に突出する一対の
連結部13aが形成されている。各連結部13aは複数
のリベット20によってクラッチプレート12に固定さ
れている。また、連結部13aと他の部分との境界に軸
方向に延びる壁部13bが形成されている。
【0013】クラッチプレート12及びリテーニングプ
レート13にはそれぞれ中心孔が形成されている。この
中心孔内には後述のハブフランジ7が配置される。クラ
ッチプレート12及びリテーニングプレート13には、
円周方向に並んだ複数の窓部25がそれぞれ形成されて
いる。具体的には、各プレートにおいて、窓部25は2
個であり、互いに半径方向に対向して(中心軸O−Oに
対して対称な位置に)形成されている。窓部25は、図
5に示すように、円周方向に長く延びており、軸方向に
貫通した孔と、その孔の縁に沿って形成されたバネ支持
部27とからなる。バネ支持部27は外周側支持部27
aと内周側支持部27bと回転方向支持部27c,27
dとから構成されている。外周側支持部27aは概ね円
周方向に沿った形状に湾曲しており、内周側支持部27
bはほぼ直線状に延びている。また、回転方向支持部2
7c(R1側),27d(R2側)は、概ね半径方向に
直線状に延びている。外周側支持部27a全体及び回転
方向支持部27c,27dの半径方向外側部分は、スプ
リングシート42,43を軸方向に支持するための起こ
し部を有している。
【0014】出力回転体3について説明する。出力回転
体3は主にハブフランジ7から構成されている。ハブフ
ランジ7はクラッチプレート12及びリテーニングプレ
ート13の中心孔内に配置された部材である。ハブフラ
ンジ7はその中心孔に挿入されたトランスミッション入
力シャフト(図示せず)に対してスプライン係合してい
る。ハブフランジ7は、図3及び図4に示すように、ボ
ス7aと、その外周面に一体に形成されたフランジ7b
とから構成されている。フランジ7bは、平坦なプレー
ト形状であるが、円形ではなく、半径方向一方に比較的
長く延びる形状になっている。別の表現を用いると、円
形材料の両側を平行にカットした形状である。フランジ
7bには、一対の第1窓孔7cと、一対の第2窓孔7d
とが形成されている。一対の第1窓孔7cは、半径方向
に互いに対向しており、フランジ7bの小径部分(図4
においてボス7aの左右両側)に形成されている。第1
窓孔7c内には、コイルスプリング8が配置されてい
る。一対の第2窓孔7dは、半径方向に対向しており、
フランジ7bの大径部分(図4においてボス7aの上下
両側)に形成されている。各第2窓孔7dは、大径部分
の幅方向全体にわたって形成されており、円周方向角度
は80度程度である。なお、一対の第1窓孔7cと一対
の第2窓孔7dとは、位相が90度ずれている。
【0015】フランジ7bの第2窓孔7dはプレート1
2,13の窓部25に対応して形成されている。図4及
び図6に示すように、第2窓孔7dは外周側支持部35
と内周側支持部31と回転方向支持部33,34とを有
する。回転方向支持部33はR1側に配置され、回転方
向支持部34はR2側に配置されている。外周側支持部
35は円周方向に沿った湾曲形状である。回転方向支持
部33と回転方向支持部34は、概ね半径方向に直線状
に延びており、その半径方向中間部に凹部33aと凹部
34aとをそれぞれ有している。各凹部33a,33b
は回転方向には短い切り欠き形状であり、具体的には、
凹部33aの円周方向角度は2度であって折り曲げ爪5
2fの板厚に相当している。凹部33bの円周方向角度
は3度であって折り曲げ爪52fの板厚より1度大き
く、折り曲げ爪52fは凹部33b内でさらに1度移動
することができる。
【0016】内周側支持部31の円周方向中間部分には
凹部31aが形成されている。凹部31aは内周側にさ
らに凹んだ切り欠き部分である。弾性連結部4は主に複
数の(2つの)コイルスプリング組立体9から構成され
ている。各コイルスプリング組立体9は第2窓孔7d及
び窓部25内に配置されている。各コイルスプリング組
立体9は、コイルスプリング41とその両端に設けられ
た1対のスプリングシート42,43と、フロート体4
4とから構成されている。
【0017】コイルスプリング41は、素線の断面が円
形であり,両端末がクローズドエンドになって座巻を形
成している。コイルスプリング41は、中心軸がほぼ直
線状になっている。また、座巻の面部は研削されて平坦
になっている。スプリングシート42,43は、硬質樹
脂、弾性樹脂材料又は金属からなり、図26〜図29に
示すように、シート部46と、そこからコイルスプリン
グ41内に延びる突出部47とを有している。シート部
46には、コイルスプリング41の座巻面部を受けるた
めの座面46aと、第2窓孔7dや窓部25などに支持
されるための背面46bとを有している。突出部47は
概ね円柱形状である。突出部47の先端面は、軸方向に
沿ってストレートに延びるが、平面視においてその半径
方向外側部分は半径方向内側部分に比べて第2窓孔7d
の回転方向外側に位置するように傾斜している。
【0018】図26から明らかなように座面46aは円
形である。座面46aはほぼ平坦な第1面46cと、そ
の一端から他端に向かって(図26の平面視で時計回り
方向に)除々に面が高くなっていくように傾斜する第2
面46dとからなる。第2面46dの一端は第1面46
cから連続して形成され、他端は第1面46cとの間に
段差を形成している。この段差部分において座面46a
の円周方向(平面視で時計回り方向)を向く当接面46
eが形成されている。なお、この座面46aの形状はコ
イルスプリング41の座巻面部に対応した形状であり、
座巻きの形状が無研削に近い場合は、座面46aはコイ
ルの断面に対応した湾曲断面としてもよい。また,コイ
ルスプリング41の先端断面部分はスプリングシート4
2の当接面46eに当接している。
【0019】なお、スプリングシート42とスプリング
シート43は同一形状であるため、両者が向き合うよう
に配置された状態において、当接面46e同士は座面の
円周方向において反対側を向くことになる。スプリング
シート42の背面46bにおいて外周側の角部分2箇所
には凹部46fが形成されている。この凹部46fに
は、窓部25の外周側支持部27aの一部が係合してい
る。この結果、スプリングシート42,43は、窓部2
5の円周方向端から回転方向に(円周方向反対側端に向
かって)離れることができるが、係合した状態では軸方
向及び半径方向に移動不可能となっている。
【0020】また、スプリングシート42,43は、後
述する中間回転部材10の折り曲げ爪52fによってそ
れぞれ支持されている。具体的には、背面46bが折り
曲げ爪52fの回転方向内側面に当接している。このた
め、スプリングシート42,43の背面46bは、第2
窓孔7dの回転方向支持部33,34からそれぞれ所定
角度離れて配置されている。具体的には、回転方向支持
部33とスプリングシート42の間には円周方向角度が
7度の隙間が確保され、回転方向支持部34とスプリン
グシート43の間には円周方向角度が2度の隙間が確保
されている。
【0021】コイルスプリング41の円周方向端面はシ
ート部46の座面46aに対して全面的に当接してい
る。さらに、コイルスプリング41の先端断面は当接面
46eに当接している。これにより、コイルスプリング
41は1対のスプリングシート42,43に対して自ら
の中心軸回りに回転することができない。すなわち、1
対のスプリングシート42,43では当接面46eがコ
イルスプリング41の巻き方向において反対側を向いて
いるため、コイルスプリング41は中心軸回りのどちら
側にも回転できない。この状態で、コイルスプリング4
1において内周側の有効巻数は7巻きであり、外周側の
有効巻数は6巻きである。すなわち内周側の有効巻数が
外周側の有効巻数に比べて多い。そして、コイルスプリ
ング41はスプリングシート42,43に対してばね中
心軸回りで回転せず、さらにスプリングシート42,4
3はプレート12,13に対してばね中心軸回りで回転
しないため、コイルスプリング41の状態は維持され
る。すなわち、コイルスプリング41の内周側の有効巻
数が外周側の有効巻数より常に多くなっている。
【0022】フロート体44は、例えば弾性樹脂からな
る円柱状の部材であり、コイルスプリング41内で回転
方向に移動可能に配置されている。フロート体44は、
コイルスプリング41の圧縮が進んだ時にスプリングシ
ート42,43の突出部47間で挟まれることで大きな
トルク(ストッパートルク)を発生するための部材であ
る。
【0023】ハブフランジ7において、第2窓孔7dが
形成された部分の回転方向両端面7eは、直線状に形成
されており、リテーニングプレート13の連結部13a
の壁部13bの回転方向端面に対して回転方向に隙間を
空けて配置されている。この回転方向隙間がコイルスプ
リング8及びコイルスプリング組立体9の作動角度であ
り、ハブフランジ7の端面7eと連結部13aとで捩じ
り特性2段目のストッパー機構が構成されていることに
なる。この構成では、ストッパーピンを用いる必要がな
いため、クラッチディスク組立体の軽量化が実現され
る。
【0024】次に、中間回転部材10について説明す
る。中間回転部材10は、コイルスプリング8とコイル
スプリング組立体9とを回転方向に連結するための部材
である。中間回転部材10は、ブッシュ51と、プレー
ト52とから構成されている。ブッシュ51は、クラッ
チプレート12の内周部とフランジ7bとの間に配置さ
れた環状の部材であり、例えば樹脂からなる。
【0025】図7及び図8に示すように、ブッシュ51
は、第1窓孔7cに対応する位置に一対の窓部51aを
有している。窓部51aはフランジ7b側面に形成され
た凹部であり、その中にコイルスプリング8の軸方向エ
ンジン側部分が配置されている。また、各窓部51aの
内周側には軸方向に延びる突起51bが各々形成されて
いる。各突起51bは、回転方向に弧状に延びる薄壁形
状を有しており、第1窓孔7c内でコイルスプリング8
の内周側に配置されている。さらに、窓部51aの半径
方向外側にあたる外周縁には、一対の軸方向に延びる第
1固定部51cが形成されている。第1固定部51cは
円周方向に所定の長さを有しており、さらに先端には円
周方向に並んだ複数の半円形状の突起部51dが形成さ
れている。
【0026】また、ブッシュ51の外周縁には、一対の
第1固定部51cから90度位相がずれた位置におい
て、半径方向に対向する一対の直線部51eが形成され
ている。1対の直線部51eは互いに平行に長く延びて
いる。また、各直線部51eの両端には外周側に突出す
る突起51fが形成されている。各突起51fの互いに
対向する側の端面51gと、直線部51eとによってば
ね収容空間51hが形成されている。また、直線部51
eの中央部には、軸方向に突出する第2固定部51iが
形成されている。第2固定部51iは第2窓孔7dの凹
部31a内を延びている。第2固定部51iは、直線方
向に所定の幅を有するとともに、空間51h側に軸方向
にストレートに延びる壁面を有している。また、第2固
定部51iの先端には、さらに軸方向に延び直線方向に
並んで形成されている複数の半円形状の突起部51jが
形成されている。
【0027】ブッシュ51の軸方向エンジン側の面51
kは、クラッチプレート12の内周面側の側面に当接し
ている。さらにブッシュ51の最内周部の軸方向トラン
スミッション側の面51lは、フランジ7bの最内周部
分7fの軸方向エンジン側面に当接している。さらに、
ブッシュ51の最内周縁には、軸方向エンジン側に突出
する環状部51mが形成されている。環状部51mは、
クラッチプレート12の内周面とボス7aの外周面との
間に挟まれ、プレート12をボス7aに対して半径方向
に位置決めしている。
【0028】なお、窓部51aの中心同士を結ぶ直線
は、直線部51eに対して平行ではなく、回転方向R1
側にわずかに(具体的には2度)変位している。プレー
ト52は、フランジ7bとリテーニングプレート13と
の間に配置された環状の部材であり、例えば板金製であ
る。図9及び図10に示すように、プレート52には中
心孔52aが形成されている。さらに、プレート52に
は、窓部51aに対応した一対の窓孔52bが形成され
ている。また、窓部51aの外周側にあたる外周縁に
は、回転方向に並んだ複数の半円形状の凹部52cが形
成されている。この凹部52cには、ブッシュ51の突
起部51dが係合しており、この結果両部材51,52
は一体回転するようになっている。
【0029】プレート52の外周縁には、さらに半径方
向に対向する一対の弧状湾曲面52dが形成されてい
る。弧状湾曲面52dの両端には、半径方向外方に延び
る突起部52eが形成されている。突起部52eの先端
で互いに対向する側の部分には、軸方向に延びている折
り曲げ爪52fが形成されている。図13に示すよう
に、折り曲げ爪52fの回転方向外側面は、ブッシュ5
1の端面51gに当接している。さらに、折り曲げ爪5
2fは、回転方向支持部33,34の凹部33a,34
aに対応して形成されており、凹部33a,34a内に
回転方向から収納可能となっている。なお、折り曲げ爪
52f自体の回転方向角度(板厚)は2度である。
【0030】このように湾曲面52dと一対の折り曲げ
爪52fとによって、ばね収容空間52gが形成されて
いる。湾曲面52dの中心部には複数の凹部52hが形
成されている。凹部52hには、ブッシュ51の突起部
51jが係合している。以上に述べたように、ブッシュ
51とプレート52は軸方向に当接するとともに回転方
向にも係合しており、一体回転する1つの部材を構成し
ている。なお、ブッシュ51とプレート52との軸方向
距離はフランジ7bの軸方向厚みより大きいため、フラ
ンジ7bの軸方向両側面は両側の部材51,52から離
れて配置されている。
【0031】図13に、中間回転部材10を構成するブ
ッシュ51とプレート52との関係を示す。窓部51a
と窓孔52bは、位置・大きさが一致しており、それぞ
れがコイルスプリング8の円周方向両端及び軸方向外側
を支持している。さらに、ばね収容空間51hとばね収
容空間52gは概ね一致しており、端面51gと折り曲
げ爪52fはコイルスプリング組立体9の回転方向両側
に配置されている。
【0032】次に、図14を用いて、中間回転部材10
とフランジ7bとの関係について説明する。各第2窓孔
7dの回転方向R2側では、端面51gは回転方向支持
部34に一致している。つまり、折り曲げ爪52fは凹
部34aから回転方向R1側に3度離れていることにな
る。各第2窓孔7dの回転方向R1側では、端面51g
は回転方向支持部33から回転方向R2側に7度離れて
いる。つまり、折り曲げ爪52fは凹部33aから回転
方向R2側に7度離れていることになる。各折り曲げ爪
52fの回転方向内側面は各スプリングシート42,4
3の背面46bに当接している。
【0033】このように、中間回転部材10がブッシュ
51とプレート52という2つの部材からなり、ブッシ
ュ51がプレート52と係合する突出部(51c,51
i,51b)を有している。したがって、従来のサブピ
ンを省略することができ、部品点数が少なくなることで
コストを低くできる。以上の構成により、クラッチディ
スク組立体1のダンパー機構は、コイルスプリング8に
よる低捩じり剛性ダンパーとコイルスプリング組立体9
による高捩じり剛性ダンパーとが直列に作用するように
配置されたものである。より詳細には、ハブフランジ7
と中間回転部材10はコイルスプリング8によって回転
方向に弾性的に連結され、中間回転部材10とプレート
12,13等はコイルスプリング組立体9によって回転
方向に弾性的に連結されている。特に、コイルスプリン
グ8は捩じり特性においていわゆる1段目(アイドリン
グ時の微少振動を吸収するための低剛性領域)を実現
し、コイルスプリング41はいわゆる2段目(加減速時
の捩じり振動を減衰するための高剛性領域)を実現して
いる。
【0034】図11及び図12に示すように、フランジ
7bの最内周部分7fとリテーニングプレート13との
間には、第1フリクションプレート61と、第1コーン
スプリング62とが配置されている。第1フリクション
プレート61は、フランジ7bの最内周部分7fに当接
し、また後述するようにプレート13と一体回転するよ
うになっている。第1コーンスプリング62は、第1フ
リクションプレート61とリテーニングプレート13と
の軸方向間で圧縮されており、第1フリクションプレー
ト61に対して軸方向エンジン側への付勢力を与えてい
る。この結果、第1フリクションプレート61は常にフ
ランジ7bの最内周部分7fに押し付けられている。以
上に述べたハブフランジ7とプレート2,3との間で摺
動抵抗を発生する部分を、以下、第1摩擦発生機構70
ということにする。
【0035】プレート52とリテーニングプレート13
との間には、第2フリクションプレート63と、第2コ
ーンスプリング64とが配置されている。第2フリクシ
ョンプレート63は、第1フリクションプレート61と
相対回転不能に係合するとともに、爪突起63aによっ
てリテーニングプレート13とも相対回転不能に係合し
ている。第2コーンスプリング64は、第2フリクショ
ンプレート63とリテーニングプレート13との軸方向
間で圧縮されており、第2フリクションプレート63に
対して軸方向エンジン側への付勢力を与えている。この
結果、第2フリクションプレート63はプレート52に
強く押し付けられ、また、クラッチプレート12もブッ
シュ51に強く押し付けられている。以上に述べたプレ
ート12,13と中間回転部材10との間で摺動抵抗を
発生する部分を、以下、第2摩擦発生機構71という。
【0036】さらに、中間回転部材10の側面51mと
フランジ7bの最内周部分7fの側面との摺動部を摩擦
発生機構69という。以上の構造の特徴をさらに説明す
る。1対のコイルスプリング組立体9は半径方向に対向
する2箇所に配置されている。このようにコイルスプリ
ング組立体9の個数を従来より少なくすることができた
のは、コイルスプリング組立体9のコイルスプリング4
1が自らの軸中心に回転することがなく、内周側の有効
巻数を外周側の有効巻数より多い状態を維持できている
ためである。すなわち、コイルスプリング41の強度・
耐久性が向上しているため、1個当たりのコイルスプリ
ングのトルク容量を大きくすることが可能になってい
る。具体的には、2個のコイルスプリング組立体のうち
少なくとも1つのコイルスプリング組立体がダンパー機
構の捩じりトルクの35%以上、具体的には35〜50
%を吸収できるようになり、2つのコイルスプリング組
立体が捩じりトルクの70%以上、具体的には70〜1
00%を吸収することができる。このように、2個のコ
イルスプリングによって、従来例えば4個のコイルスプ
リングの場合と同様の捩じりトルク・剛性が得られる。
また、コイルスプリング組立体が2個のみからなり、レ
イアウトが単純になるため、ハブフランジ7等の形状が
シンプルになる。このことは、各部材の製造上の歩留ま
りが向上することを意味する。さらに、クラッチディス
ク全体の設計自由度が大きくなる。以上をまとめると、
この構造によって、従来と同等の捩じり特性を確保しつ
つ、コイルスプリング組立体の数を減らしてダンパー機
構の構造を簡単にできる。
【0037】さらに、2個のコイルスプリング組立体9
の円周方向間には大きなスペースが形成されているた
め、その円周方向中間に位置する1段目のコイルスプリ
ング8の設計自由度が向上する。特に、1対のコイルス
プリング8の円周方向位置は1対のコイルスプリング組
立体9の円周方向間中心に位置しており、コイルスプリ
ング組立体9によって半径方向に制限されないようにな
っている。具体的には、小コイルスプリングを従来より
外周側に配置したり、コイル径を大きくしたりすること
ができる。
【0038】(2)動作 次にクラッチディスク組立体1のダンパー機構の捩じり
動作について説明する。自由状態からハブフランジ7に
対してプレート12,13を回転方向に捩っていくとす
る。すると、捩じり角度の小さな領域では、最も剛性が
低いコイルスプリング8がハブフランジ7と中間回転部
材10との間で圧縮され、低剛性の特性が得られる。こ
のとき、中間回転部材10及びプレート12,13がハ
ブフランジ7に対して回転するため、摩擦発生機構69
と第1摩擦発生機構70のみが作動し、所望の低ヒステ
リシストルクを発生する。ストッパー機構50において
各部材同士が当接すると、次にコイルスプリング組立体
9がハブフランジ7とプレート12,13との間で圧縮
される。このとき、ハブフランジ7はプレート12,1
3と相対回転するため、第1摩擦発生機構70と第2摩
擦発生機構71とが作動し、所望の高ヒステリシストル
クを発生する。
【0039】コイルスプリング組立体9のコイルスプリ
ング41は、第2窓孔7dの回転方向支持部33及び中
間回転部材10の折り曲げ爪52fと、窓部25の回転
方向支持部27c,27dとの間で回転方向に圧縮され
る。このとき、コイルスプリング41において外周側部
分のたわみ量は内周側部分のたわみ量より大きいが、内
周側部分の巻数が外周側部分の巻数より多いため、半径
方向内外で比べて各巻当たりのたわみ量の差は従来に比
べて少ない。すなわち、外周側の各巻きのたわみ量は内
周側の各巻のたわみ量に比べて大きいが、その差は従来
に比べて小さい。この結果、コイルスプリング41にお
いて内周側部分と外周側部分とで発生する応力に差が生
じにくい。言い換えると、内周側部分と外周側部分とで
各巻きに発生する応力の差が少ない。この結果、コイル
スプリング41の寿命が延びる。
【0040】また、コイルスプリング41の円周方向角
度(すなわち、中心軸O−Oからコイルスプリング41
の内周側両端に向かう角度)が概ね80度である。直線
状に延びるコイルスプリングの円周方向角度が60度以
上ある場合は、従来に比べてコイルスプリングは大型化
しており、従来と同等の捩じり特性を確保しつつ、コイ
ルスプリングの数を減らしてダンパー機構の構造を簡単
にできる。しかし、この円周方向角度は、コイルスプリ
ング41同士の円周方向隙間を確保するという観点から
は、なるべく小さい方が良い。そこで、コイルスプリン
グの円周方向角度は60〜140度の範囲であれば良好
な結果が得られる。さらに、この円周方向角度は60〜
120度の範囲にあれば、さらに好ましく、70〜10
0度の範囲にあれば最適である。
【0041】次に、クラッチディスク組立体の捩じり動
作について、図14〜図19(ハブフランジ7とプレー
ト52との位置関係を説明するための図)と、図20〜
図23(機械回路図)と、図24(捩じり特性線図)と
を用いて、さらに詳細に説明していく。図14及び図2
1の中立状態からハブフランジ7を他の部材に対して回
転方向R2側に捩じっていく。すなわち、プレート1
2,13がハブフランジ7に対して回転方向R1側にね
じれる正側の動作状態が得られることになる。捩じり角
度が7度になると、図16の状態となる。このとき、回
転方向R1側の折り曲げ爪52fは、凹部33aに当接
し、回転方向支持部33の他の部分と平面視で面一とな
っている。したがって、捩じり角度7度以上の領域(正
側2段目領域)では、中間回転部材10は常にハブフラ
ンジ7と一体回転している。つまり、第2摩擦発生機構
71においてプレート52と第2フリクションプレート
63は常に摺動し、高ヒステリシストルクを発生してい
る。
【0042】図14、図18及び図22の中立状態から
ハブフランジ7を他の部材に対して回転方向R1側に捩
じっていく。すなわち、プレート12,13がハブフラ
ンジ7に対して回転方向R2側にねじれる負側の動作状
態が得られることになる。捩じり角度が2度になると、
図23の状態になる。すなわち、ハブフランジ7の回転
方向支持部34がスプリングシート43の背面46bに
当接する。このとき、図17、図19及び図23に示す
ように、回転方向R2側の折り曲げ爪52fは、回転方
向支持部34の面と面一になっているが、凹部34aの
底面からは1度の隙間を空けて離れている。捩じり角度
がさらに1度大きくなると、図19及び図24に示すよ
うに、凹部34aは折り曲げ爪52fに当接し、逆に折
り曲げ爪52fとコイルスプリング41のスプリングシ
ート43の背面46bとの間に1度の隙間が確保され
る。したがって、図24の状態(負側2段目)では1度
以内の微小捩じり振動が入力された場合は、コイルスプ
リング41のトルクはハブフランジ7に対して作用する
が中間回転部材10には作用せず、したがって、第2摩
擦発生機構71においてプレート52と第2フリクショ
ンプレート63は摺動しない。このことは、負側2段目
領域では微小捩じり振動に対して高ヒステリシストルク
は発生しないことを意味する。
【0043】次に、図24の捩じり特性線図を参照し
て、具体的にクラッチディスク組立体1に各種捩り振動
が入力された時の捩り特性について説明する。アイドリ
ング時の微小捩じり振動に対しては、捩じり特性は正負
の1段目において変動を繰り返す。このときの低剛性・
低ヒステリシストルクの特性によって微小捩じり振動は
吸収される。
【0044】車両の前後振動のように振幅の大きな捩り
振動が発生すると、捩り特性は正負両側に全体にわたっ
て変動を繰り返す。この時、正負両側の2段目で発生す
る高剛性・高ヒステリシストルクの特性によって車両の
前後振動は速やかに減衰される。次に、例えばエンジン
ブレーキをかけた減速時においてエンジンの燃焼変動に
起因する微小捩り振動がクラッチディスク組立体1に入
力されたとする。このとき、中間回転部材10は、図2
0及び図24に示す1度の回転方向隙間においてハブフ
ランジ7に対して相対回転し、第2フリクションプレー
ト63に対して摺動しない。この結果、微小捩じり振動
に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわ
ち捩り特性線図において隙間角度1度範囲内ではコイル
スプリング41が作動していても、第2摩擦発生機構7
1では滑りが生じず、低ヒステリシストルクのみが得ら
れる。この低ヒステリシストルクは全体にわたるヒステ
リシストルクの1/10程度であることが好ましい。こ
のように、捩じり特性の負側において第2摩擦発生機構
71を所定角度範囲内では作動させない回転方向隙間を
設けたため、エンジンブレーキをかけた減速時の振動・
騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0045】逆に、捩じり特性の正側において第2摩擦
発生機構71を所定角度範囲内で作動させない回転方向
隙間を設けなかったため、実用回転域に共振ピークが残
ることが多いFF車などの場合、共振回転数付近で音・
振動性能が悪化しない。このように、捩じり特性の正負
両側のうち一方にのみ摩擦機構を所定角度範囲内で作動
させない回転方向隙間を確保しているため、加速・減速
の両方で音・振動性能が向上する。
【0046】以上に述べたように、本発明に係るダンパ
ー機構では、捩じり特性の正側と負側とで捩じり剛性を
異ならせるのみでなく、微小捩じり振動に対して高ヒス
テリシストルクを発生させない構造を捩じり特性の一方
のみに設けることで、全体として好適な捩じり特性を実
現している。 〔他の実施形態〕コイルスプリングをプレートやハブフ
ランジに対してばね軸回りで回転不能に係止させる構造
は前記実施形態に限定されない。例えば、スプリングシ
ートを用いずにコイルスプリングをそれら部材に対して
ばね軸回りで回転不能に係止させていてもよい。
【0047】また、スプリングシートを用いた場合で
も、スプリングシートをプレートやハブフランジに対し
てばね軸回りで回転不能に係止させる構造は前記実施形
態に限定されない。コイルスプリングの座巻きは前記実
施形態のように研削されていてもよいが、無研削でもよ
い。
【0048】前記実施形態では、コイルスプリングの端
部はクローズドエンドであるが、オープンエンドであっ
ても良い。また、コイルスプリングの巻数や巻方向さら
には断面形状は前記実施形態に限定されない。クラッチ
ディスク組立体の構成は前記実施形態に限定されない。
本願に係るダンパーディスク組立体は、クラッチディス
ク組立体のみならず、他の動力伝達装置にも採用でき
る。例えば、2つのフライホイールを回転方向に弾性的
に連結するフライホイール組立体や、トルクコンバータ
のロックアップ装置に本発明を適用できる。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るダンパーディスク組立体で
は、車両走行時の動力伝達及び振動吸収を行うためのば
ねとしては、半径方向に対向する位置に配置された一対
の第2弾性部材を用いている。したがって、例えばスト
ップピンと切り欠きの間における角度制約の問題が解消
され、広捩じり角の捩じり特性を実現できる。
【0050】さらに、アイドリング時の微小捩じり振動
を吸収するためのばねとしては、フランジの第1窓孔に
配置された一対の第1弾性部材を用いている。ここで、
ハブフランジは一体であり、部品点数が多くなることは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】クラッチディスク組立体の一部を取り去った状
態での平面図。
【図3】ハブフランジの縦断面概略図。
【図4】ハブフランジの平面図。
【図5】プレートの窓部の平面図。
【図6】ハブフランジの第2窓孔の平面図。
【図7】中間回転部材を構成する第1部材の断面図。
【図8】中間回転部材を構成する第1部材の平面図。
【図9】中間回転部材を構成する第2部材の断面図。
【図10】中間回転部材を構成する第2部材の平面図。
【図11】図1の部分拡大図。
【図12】図1の部分拡大図。
【図13】中間回転部材の第1部材と第2部材の係合を
説明するための平面図。
【図14】ハブフランジと中間回転部材の第1部材との
位置関係を説明するための平面図。
【図15】ハブフランジと中間回転部材の第2部材との
位置関係を説明するための平面図。
【図16】図15に対応する図であって、ダンパー機構
の捩じり動作を説明するための図。
【図17】図15に対応する図であって、ダンパー機構
の捩じり動作を説明するための図。
【図18】コイルスプリング組立体の端部の拡大平面
図。
【図19】図18に対応する図であって、ダンパー機構
の捩じり動作を説明するための図。
【図20】図18に対応する図であって、ダンパー機構
の捩じり動作を説明するための図。
【図21】ダンパー機構の構成・捩じり動作を説明する
ための機械回路図。
【図22】ダンパー機構の構成・捩じり動作を説明する
ための機械回路図。
【図23】ダンパー機構の構成・捩じり動作を説明する
ための機械回路図。
【図24】ダンパー機構の構成・捩じり動作を説明する
ための機械回路図。
【図25】ダンパー機構の捩じり特性線図。
【図26】スプリングシートの平面図。
【図27】スプリングシートの背面図。
【図28】スプリングシートの側面図。
【図29】スプリングシートの斜視図。
【符号の説明】 1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体 3 出力回転体 4 弾性連結部 7 ハブフランジ 8 コイルスプリング(第1弾性部材) 10 中間回転部材 41 コイルスプリング(第2弾性部材) 51 ブッシュ(第2部材) 52 プレート(第1部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャフトに連結され得るボスと、前記ボス
    の外周に一体に形成されたフランジと有し、前記フラン
    ジには、半径方向に対向する一対の第1窓孔と、半径方
    向に対向する一対の第2窓孔が形成されている、ハブフ
    ランジと、 前記一対の第1窓孔にそれぞれ配置された一対の第1弾
    性部材と、 前記一対の第2窓孔にそれぞれ配置され、前記第1弾性
    部材より剛性が高い一対の第2弾性部材と、 前記第1弾性部材と前記第2弾性部材を回転方向に連結
    する中間回転部材と、 前記フランジの軸方向両側に配置され、前記第2弾性部
    材を支持する支持部を有する一対のプレート部材と、を
    備えたダンパーディスク組立体。
  2. 【請求項2】前記中間回転部材は、前記フランジの軸方
    向片側に配置された第1部材と、前記フランジの軸方向
    反対側に配置され、前記第1部材に向かって軸方向に突
    出し前記第1部材に相対回転不能に係合する突出部を有
    する第2部材とからなる、請求項1に記載のダンパーデ
    ィスク組立体。
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