JP2019157965A - ダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート部材等とコイルスプリングの干渉を防止しつつ、従来技術に比べて高いストッパ機能を有する低剛性ダンパ装置を提供すること。【解決手段】ダンパ装置は、第1回転体(100)と、第1回転体に対して相対回転する第2回転体(200)と、第1回転体と第2回転体との間に収容され、第1回転体及び第2回転体を回転方向に弾性連結させる弾性機構部と、を具備し、弾性機構部は、第1回転体と前記第2回転体との間で動力が伝達される際に、少なくとも第1回転体及び第2回転体のいずれか一方に当接するシート部材(400)と、両端を一対のシート部材(400a1、400a2)によって支持されるコイルスプリング(500)と、コイルスプリング内に収容され、コイルスプリング内において回転方向及び径方向に移動し、両端を一対のシート部材に挟持させることで、第1回転体と第2回転体との相対回転を停止させる浮動ストッパ(1000)と、を具備する。【選択図】 図1

Description

本発明に開示された技術は、第1回転体と第2回転体との間で伝達されるトルクの変動を吸収するダンパ装置に関する。
車両等において、エンジン等の駆動源と変速機との間の動力伝達経路上には、当該駆動源から当該変速機に向けて伝達される動力の振動を吸収するダンパ装置が設けられており、ダンパ装置は一般的にはクラッチ装置(クラッチディスク)に組み込まれている。
ダンパ装置の一般的な構成は、互いに相対回転可能な第1回転体(例えば、ディスクプレート)と第2回転体(例えばクラッチハブ)との間に、コイルスプリングを介在させて、コイルスプリングの弾性変形を利用してトルクの変動に起因する捩り方向の振動を吸収して減衰させる。
かかるダンパ装置においては、一般的には特許文献1に開示されるように、ディスクプレートに設けられた窓部の内部に、一対のシート部材がコイルスプリング(弾性部材)を支持するように各々配置され、これら一対のシート部材に係合するようにクラッチハブ(ハブフランジ)が設けられる。これにより、エンジン等の駆動源からの駆動力は、ディスクプレート、シート部材、コイルスプリング、クラッチハブ及び変速機の入力軸に順次伝達される。他方、ディスクプレートとクラッチハブとの相対回転は、一対のシート部材に各々設けられる突出部(特許文献1における符号48)の先端同士が当接することで停止する。したがって、この場合においては、シート部材に当該相対回転を停止させるストッパ機能を付与している。
さらに特許文献1には、別の実施形態として、ディスクプレートに設けられる一部の窓部には、一対のシート部材に支持されるコイルスプリング、及び当該コイルスプリング内に配置され一対のシート部材間で円周方向に移動可能、且つ弾性変形可能なフロート体を設け、その他の窓部には、コイルスプリングやシート部材を設ける代わりにストッパトルク発生部材を設けて、ディスクプレートとクラッチハブとの相対回転を停止させるダンパ装置も開示されている。
なお、特許文献2及び特許文献3にも、コイルスプリング内であって、一対のシート部材間にトーションダンパを設ける旨が開示されている。これにより、ディスクプレートとクラッチハブとの捩れ特性において、部分的に捩れ剛性を高くしたダンパ装置が開示されている。
特開2001−304341号公報 特開平7−293578号公報 特開2014−181785号公報
ところで、一般に車両においては、動力性能を同等に維持しつつ燃費の向上を目的とするエンジンの小型化(いわゆるダウンサイジング)が要請されているが、動力性能を維持しつつエンジンの小型化を図ると、エンジンから伝達される動力の振動は、おのずと大きくなってしまう(例えば、エンジンの気筒数を減少させることができる反面、少ない気筒数で同等の動力を出力するため動力の振動が大きくなる)。そこで、エンジンの小型化の実現に向けては、かかる振動を吸収するために、低剛性ダンパ装置が求められている。
低剛性ダンパ装置の実現には、例えば、コイルスプリングの剛性を下げて、捩れ角を増加させる構成を採用することができるが、この場合、捩れ角が次第に大きくなるにつれて、ダンパ装置自体の遠心力も相俟って、コイルスプリングは回転方向(周方向)及び径方向に圧縮変形していく。このような低剛性化させたダンパ装置において、特許文献1に記載されるように、一対のシート部材に各々設けられる突出部をストッパとして機能させ、当該突出部の先端同士を当接させてディスクプレートとクラッチハブとの相対回転を停止させる場合、かかる突出部がコイルスプリングの内周部に干渉しないよう設計する必要がある。この設計上の要件を満たすためには、かかる突出部とコイルスプリングの内周部との間に、従来のダンパ装置(低剛性化されていないダンパ装置)に比して大きなクリアランスを設ける必要があり、その結果として、かかる突出部の先端部は、その径方向に延びる外径を小さくした形状とする必要がある。
図10乃至図12は、かかる設計上の要件を模式的に示した図である。図10は、従来のダンパ装置において、捩れ角0°の場合における一対のシート部材及びコイルスプリングの一般的な配置状態を示す概略側面図である。図11は、低剛性化されていない従来のダンパ装置において、一対のシート部材における各々の突出部の先端同士が当接してストッパ機能を発揮している状態を示す概略側面図である。図12は、従来の低剛性ダンパ装置において、一対のシート部材における各々の突出部の先端同士が当接してストッパ機能を発揮している状態を示す概略側面図である。図11と図12とを比較すると、図12にかかるダンパ装置の方が、許容捩れ角を大きく設定しているため、図12にかかるコイルスプリング5は大きく圧縮変形されている。他方、図12にかかる突出部4A及び4Bの先端部4a及び4bは、かかるコイルスプリング5の大きな圧縮変形を許容すべく設定されており、その径方向に延びる外径r2が、図11の突出部4A及び4Bの先端部4a及び4bの外径r1に比して小さくなるよう(r2<r1)設計されている。この構成によって、図12における先端部4a及び4bとコイルスプリング5の内周部との径方向外側クリアランスα3、及び径方向内側クリアランスα4はともに、図11における径方向外側クリアランスα1、及び径方向内側クリアランスα2よりも大きく形成され、突出部4A及び4Bとコイルスプリング5との干渉が回避される(α1<α3、α2<α4)。
しかしながら、図12のように、一対のシート部材の突出部の先端同士を当接させてストッパ機能を付与させる場合、当該先端同士の接触面積が小さくなればなるほど、ストッパ機能としての強度が減少してしまうという背反の課題がある。また、今後、ダンパ装置に対して低剛性化の要請がさらに強くなればなるほど、かかる課題は重要なものとなる。
他方、ディスクプレートに設けられる一部の窓部には、一対のシート部材、コイルスプリング、及びフロート体から構成され、その他の窓部には、ストッパトルク発生部材を設ける構成とする、特許文献1の別の実施形態に開示されるダンパ装置においては、もともと低剛性化を念頭においていないことに起因して、コイルスプリング等の弾性部材がその他の窓部に配置されておらず、捩り特性自体の設定が制限されてしまい、低剛性ダンパ装置には適さない。加えて、ストッパトルク発生部材として弾性樹脂部材を用いているため、かかる弾性樹脂材料の材料特性のばらつきや、劣化等によって、ストッパトルクが安定しないという課題がある。
特許文献2及び特許文献3に記載のトーションダンパも、弾性変形可能な弾性材料が用いられているため、前述の特許文献1の別の実施形態と同様に、当該弾性材料の材料特性のばらつきや、劣化等によって、トーションダンパのストッパトルクも安定しない。
そこで、様々な実施形態により、シート部材等とコイルスプリングの干渉を防止しつつ、従来技術に比べて高いストッパ機能を有する低剛性ダンパ装置を提供する。
一態様に係るダンパ装置は、第1回転体と、前記第1回転体に対して相対回転する第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に収容され、前記第1回転体及び前記第2回転体を回転方向に弾性連結させる弾性機構部と、を具備し、前記弾性機構部は、前記第1回転体と前記第2回転体との間で動力が伝達される際に、少なくとも前記第1回転体及び前記第2回転体のいずれか一方に当接するシート部材と、両端を一対の前記シート部材によって支持されるコイルスプリングと、前記コイルスプリング内に収容され、前記コイルスプリング内において前記回転方向及び径方向に移動し、両端を一対の前記シート部材に挟持させることで、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を停止させる浮動ストッパと、を有するものである。
この構成によれば、前記コイルスプリング内に収容される前記浮動ストッパは、いずれの部材に固定又は連結等されることなく、前記コイルスプリング内において前記回転方向だけでなく前記径方向にも移動可能に配置されるため、前記ダンパ装置自体の遠心力や前記コイルスプリングの圧縮変形に応じて、前記コイルスプリングと干渉することなく前記コイルスプリング内で移動することができる。これにより、前記浮動ストッパの厚み(前記径方向に延びる外径)としては、前記コイルスプリング内を前記径方向に移動可能な程度に設定すればよく、且つストッパトルクを確実に発揮するに十分な厚みを持たせることが可能となる。換言すれば、前記浮動ストッパを用いることで、一対の前記シート部材には、前述の特許文献1に開示されるような、前記コイルスプリングの内部深くまで延在する先端が先細った突出部を設ける必要もないので、ストッパトルクを確実に発揮することが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記浮動ストッパの少なくとも一部は、非弾性体により形成されることが好ましい。
この構成とすることによって、前記浮動ストッパは、材料特性のばらつきや劣化等に影響されることなく、安定したストッパトルクを確実に発揮することが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記浮動ストッパの一部は、少なくとも前記回転方向に弾性変形する弾性体により形成され、その他の部分は前記非弾性体により形成されることが好ましい。
この構成とすることによって、前記コイルスプリングと、前記浮動ストッパにおける前記弾性体とを組み合わせることにより、前記ダンパ装置としての捩れ特性のバリエーションを増やしつつ(トルク変動の吸収機能を強化しつつ)、前記浮動ストッパにおける非弾性体に基づくストッパトルクも確実に発揮させることが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記浮動ストッパは、前記コイルスプリングの内周部との間に所定のクリアランスを有して、前記コイルスプリング内に収容されることが好ましい。
この構成とすることによって、前記浮動ストッパは、前記コイルスプリングと干渉することなく前記コイルスプリング内で前記径方向に移動することができる。より具体的には、初期状態(捩り角0°の状態)において、前記浮動ストッパを前記コイルスプリングの径方向内側の内周部に接し、前記コイルスプリングの径方向外側の内周部との間には所定のクリアランスを有するように配置されると、その後捩れ角が大きくなるにつれて、前記ダンパ装置の遠心力や、前記コイルスプリングの圧縮変形に応じて、前記浮動ストッパは、前記コイルスプリングの径方向外側の内周部に近づく方向に前記径方向へと移動する。このようにして、前記浮動ストッパ自体が前記径方向へ移動することで、捩れ角の大きさに応じて、前記浮動ストッパと前記コイルスプリングの内周部とのクリアランスの位置を適時に移動させて、前記コイルスプリングとの干渉を回避することができる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記コイルスプリングは、内部に前記浮動ストッパを収容する第1コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングの外側で巻回し、内部に前記第1コイルスプリングを収容する第2コイルスプリングと、を有することが好ましい。
この構成とすることによって、前記ダンパ装置をさらに低剛性化させることができるので、前記ダンパ装置としてのトルク変動の吸収性能をさらに向上させることが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記シート部材は、前記コイルスプリングに当接して前記コイルスプリングを支持し、前記第1回転体と前記第2回転体とが相対回転する際に前記コイルスプリングを圧縮させる座面と、前記第1回転体及び前記第2回転体に当接して動力を伝達する伝達面と、前記第1回転体と前記第2回転体とが相対回転すると前記浮動ストッパに当接して挟持する挟持面と、前記コイルスプリングの前記径方向への移動を規制する規制面と、を有することが好ましい。
この構成とすることによって、前記第1回転体に入力されたトルクを、前記シート部材及び前記コイルスプリングを通して、前記第2回転体へと伝達することができる。また、前記規制面を通じて前記シート部材とコイルスプリングの干渉も防止しつつ、前記シート部材は、前記挟持面において前記浮動ストッパと当接することができるため、一対の前記シート部材として前記浮動ストッパを挟持することで、前記浮動ストッパのストッパトルクを確実に発揮させることが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記規制面は、前記第1コイルスプリングの前記径方向への移動を規制する第1規制面と、前記第2コイルスプリングの前記径方向への移動を規制する第2規制面と、を有することが好ましい。
この構成とすることによって、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとが干渉しないよう、両スプリングを所定距離離間させることが可能となる。これにより、前記ダンパ装置をさらに低剛性化させて、前記ダンパ装置としてのトルク変動の吸収性能を確実に向上させることが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記第1規制面は、頂部を前記挟持面とする突出部上に形成され、前記突出部は、前記第1コイルスプリングの内部に向かって突出するように形成することが好ましい。
この構成とすることによって、前記第1規制面は、前記第1コイルスプリングの前記径方向への移動を確実に規制することが可能となる。
様々な実施形態によれば、シート部材等とコイルスプリングの干渉を防止しつつ、従来技術に比べて高いストッパ機能を有する低剛性ダンパ装置を提供することができる。
一実施形態に係るダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクの構成を模式的に示す概略上面図である。 図1に示したクラッチディスクの構成をA−A線からみて模式的に示す概略断面図である。 図1及び図2に示したクラッチディスクの動作を示す模式図である。 一実施形態に係るダンパ装置であって、シート部材、第1コイルスプリング、及び第2コイルスプリングを模式的に示す概略側面図である。 一実施形態に係る弾性機構部であって、浮動ストッパによってストッパトルクが発揮されている状態を模式的に示す概略側面図である。 別の実施形態に係る弾性機構部であって、図5の浮動ストッパとは異なる形態の浮動ストッパによってストッパトルクが発揮されている状態を模式的に示す概略側面図である。 別の実施形態に係るダンパ装置の捩り特性を示す図である。 クラッチハブに形成された係合部とこれに対応するシートとの間において行われる動作を説明する模式図である。 ダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクにおける各係合部材(各凸部)と対応するシートとの関係を示す模式図である。 従来のダンパ装置において、捩れ角0°の場合における一対のシート部材及びコイルスプリングの一般的な配置状態を示す概略側面図である。 低剛性化されていない従来のダンパ装置において、一対のシート部材における各々の突出部の先端同士が当接してストッパ機能を発揮している状態を示す概略側面図である。 従来の低剛性ダンパ装置において、一対のシート部材における各々の突出部の先端同士が当接してストッパ機能を発揮している状態を示す概略側面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要件には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
1.ダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクの構成
一実施形態に係るダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクの全体構成の概要について、図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、一実施形態に係るダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクの構成を模式的に示す概略上面図である。図2は、図1に示したクラッチディスクの構成をA−A線からみて模式的に示す概略断面図である。
本実施形態に係るダンパ装置が組み込まれたクラッチディスク10は、クラッチ装置を構成する部品であり、図示しないフライホイールと図示しないプレッシャープレートとの間で挟圧されることにより、エンジンやモーター等の駆動源からの駆動力を変速機に伝達するものである。フライホイールとプレッシャープレートとの間でクラッチディスク10を挟圧するための構造については、公知であるので、その詳細な説明を省略する。
クラッチディスク10は、本実施形態に係るダンパ装置が組み込まれることにより、捩り方向のトルク振動を吸収して減衰させるものである。このクラッチディスク10は、図1及び図2に示すように、主に、第1回転体としてのディスクプレート100と、第2回転体としてのクラッチハブ200と、スラスト部材300と、シート部材400と、コイルスプリング500と、フェーシング600と、浮動ストッパ1000と、を含む。
1−1.クラッチハブ200
クラッチハブ200は、例えば、金属材料により形成され、全体として略環状に延びる形状を有する。クラッチハブ200は、略環状のハブ202に形成された貫通孔204に、図示しない変速機の入力軸を挿通させてスプライン結合することができる。また、クラッチハブ200は、ハブ202から径方向に延びる略環状のフランジ206を有する。なお、クラッチハブ200については、ハブ202とフランジ206とを一体とした構成、及び、ハブ202とフランジ206とを別体とし、両者間に微小スプリングを配設した構成等を採用することができる。
フランジ206には、その外周において周方向に沿って少なくとも1つの切欠きが形成される。本実施形態では、一例として、フランジ206には、その外周において周方向に沿って相互に間隔をおいて4つの切欠き206a、206b、206c、及び206dが形成される。図1に示すように、概念的に、クラッチディスク10を上面からみて、各々が扇形を有する4つの領域I、II、III、IVに分けて考えると、フランジ206には、領域I〜IVに対応付けて、それぞれ、第1切欠き206a、第2切欠き206b、第3切欠き206c、及び第4切欠き206dが形成される。
このような切欠きが形成されることにより、フランジ206は、領域Iに対応付けて、一端側の係合部(第1の一端側の係合部)208aとこれに対向する他端側の係合部(第1の他端側の係合部)208aとを有し、領域IIに対応付けて、一端側の係合部(第2の一端側の係合部)208bとこれに対向する他端側の係合部(第2の他端側の係合部)208bとを有する。同様に、フランジ206は、図1には示されていないが、領域IIIに対応付けて、一端側の係合部(第3の一端側の係合部)208cとこれに対向する他端側の係合部(第3の他端側の係合部)208cとを有し、領域IVに対応付けて、一端側の係合部(第4の一体側の係合部)208dとこれに対向する他端側の係合部(第4の他端側の係合部)208dとを有する。
各一端側の係合部208a、208b、208c、及び208dは、ともに同一の構成を有することができ、各他端側の係合部208a、208b、208c、及び208dは、ともに同一の構成を有することができる。各一端側の係合部208a、208b、208c、及び208dは、各他端側の係合部208a、208b、208c、及び208dと左右対称の構成を有することができる。なお、各一端側の係合部及び各他端側の係合部の具体的な形状については、後述する。
1−2.ディスクプレート100
ディスクプレート100は、例えば、金属材料により形成され、クラッチハブ200の両面にクラッチハブ200と同軸にかつ相対回転可能に設けられている。ディスクプレート100は、クラッチハブ200の軸方向両側に設けられる第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bを含む。第1ディスクプレート100Aと第2ディスクプレート100Bとは、両者の間に、シート部材400、コイルスプリング500、浮動ストッパ1000及びクラッチハブ200(のフランジ206)を挟んで収容した状態で、それらの外周付近において複数のリベットR等により結合され得る。
第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、相互に協働して、領域I〜IVのそれぞれに対応付けて、シート部材400、コイルスプリング500、及び浮動ストッパ1000を収容する収容領域(図1に示す例では、4つの収容領域)を形成するように、ディスクプレート100の軸方向に膨らんだ形状を有する。各収容領域は、ディスクプレート100の周方向に沿って延びるコイルスプリング500を収容するために、ディスクプレート100の周方向に沿って略直線状又は略円弧状に延びている。
図1及び図2を参照して具体的に説明すると、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、領域I〜IVに対応付けて、それぞれ、周方向に沿って延びる第1収容領域102a、第2収容領域102b、第3収容領域102c、及び第4収容領域102dを形成している。なお、図1に示すように、第1収容領域102aは前述した第1切欠き206aと、第2収容領域102bは前述した第2切欠き206bと、第3収容領域102cは前述した第3切欠き206cと、第4収容領域102dは前述した第4切欠き206dと、それぞれ対応するように形成されている。
領域Iに着目すると、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、第1収容領域102aを囲む側壁として、一端面(第1の一端面)104aとこれに対向する他端面(第1の他端面)104aとを含む。これら第1の一端面104a及び104aは、一例として、ディスクプレート100の軸方向に沿って延びる。
但し、第1収容領域102aの内部に、第1の一端側の係合部208aが侵入することができるように、第1ディスクプレート100Aにより形成される第1の一端面104aと第2ディスクプレート100Bにより形成される第1の一端面104aとの間には、第1の一端側の係合部208aを受け入れるための図示しない間隙Gが形成されている。また、第1収容領域102aの内部に、第1の他端側の係合部208aが侵入することができるように、第1ディスクプレート100Aにより形成される第1の他端面104aと第2ディスクプレート100Bにより形成される第1の他端面104aとの間には、第1の他端側の係合部208aを受け入れるための図示しない間隙Gが同様に形成されている。
領域Iと同様に、領域II〜IVに対応付けても、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、それぞれ、図1に示すように、第2の一端面104bとこれに対向する第2の他端面104bとを有し、(図示しない)第3の一端面104cとこれに対向する第3の他端面104cとを有し、(図示しない)第4の一端面104dとこれに対向する第4の他端面104dとを有する。第2の一端面104b〜第4の一端面104dについても、それぞれ第2の一端側の係合部208b〜第4の一端側の係合部208dを受け入れるために、第1の一端面104aについて前述した図示しない間隙Gが同様に形成されており、第2の他端面104b〜第4の他端面104dについても、それぞれ第2の他端側の係合部208b〜第4の他端側の係合部208dを受け入れるために、第1の他端面104aについて前述した図示しない間隙Gが同様に形成されている。
さらに、オプションとして、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、第1収容領域102a〜第4収容領域102dのそれぞれを、部分的に外部に露出させるために、第1開口部106a、第2開口部106b、第3開口部106c、及び第4開口部106dを有することができる。
1−3.スラスト部材300
スラスト部材300は、クラッチハブ200とディスクプレート100との接触面の間に設けられるワッシャー状の、例えば樹脂からなる部材である。スラスト部材300は、クラッチハブ200と第1ディスクプレート100Aとの間に設けられた第1スラスト部材300Aと、クラッチハブ200と第2ディスクプレート100Bとの間に設けられた第2スラスト部材300Bと、を含むことができる。
1−4.シート部材400
図1に示した実施形態では、一例として、ディスクプレート100には、4つの収容領域、すなわち、第1収容領域102a〜第4収容領域102dが形成されるので、これら4つの収容領域の各々にはコイルスプリング500が収容される。図1には、一例として、コイルスプリング500として、第1コイルスプリング500A及び第1コイルスプリングの外側で巻回する第2コイルスプリング500Bが収容され(ダンパ装置に要請される低剛性化の程度に応じて、コイルスプリング500を一重にするか二重にするかが決定される)、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bの両端は、一対のシート部材400によって支持されている。
より具体的には、領域Iに着目すると、第1収容領域102a及び第1切欠き206aには、第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)の一端を支持する一端側のシート(第1の一端側のシート)400a、及び第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)の他端を支持する他端側のシート(第1の他端側のシート)400aが、両者の間に、第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)を挟持するように配置される。
次に、シート部材400の詳細について、図3乃至図5を参照しつつ説明する。図3は、図1及び図2に示したクラッチディスクの動作を示す模式図である。図4は、一実施形態に係るダンパ装置であって、シート部材、第1コイルスプリング、及び第2コイルスプリングを模式的に示す概略側面図である。図5は、一実施形態に係る弾性機構部であって、浮動ストッパによってストッパトルクが発揮されている状態を模式的に示す概略側面図である。第1の一端側のシート400a及び第1の他端側のシート400aは、例えば樹脂材料により形成され、第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)の一端を支持する座面410を含む基部402と、基部402に結合した略台形状又は略円錐台状の突出部404と、を主に含むことができる。なお、突出部404は、第1コイルスプリング500Aの内部に向かって突出する。但し、前述にて説明した特許文献1に開示される従来技術とは異なり、一実施形態にかかる突出部404は、第1コイルスプリング500Aの内部深くまで延在させる必要はなく、後述する第1規制面414を形成できる程度に突出していればよい。
図3及び図5に示すように、第1の一端側のシート400aと第1の他端側のシート400aを一対のシート部材400として作用し、ディスクプレート100とクラッチハブ200とが相対回転すると、第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)を圧縮させながら、最終的には浮動ストッパ1000の側面1010と各々と面接触(当接)できるように形成されている。つまり、かかる面接触を実現させるべく、第1の一端側のシート400a及び第1の他端側のシート400aの各々の突出部404の頂部には挟持面412が形成されている。
さらに、図4に示すように、第1の一端側のシート400a及び第1の他端側のシート400aの各々の突出部404における、基部402との結合部404aの近傍には、第1コイルスプリング500Aの一端の外周に当接することで、第1コイルスプリング500Aが遠心力を受けて、クラッチディスク10(又はディスクプレート100)の径方向外側に向かって移動することを規制するために第1規制面414が形成される。第1規制面414は、第1コイルスプリング500Aのかかる径方向外側への移動を確実に規制すべく、第1コイルスプリング500Aの延在方向と略直行する方向に延び、その長さは、第1コイルスプリング500Aの1巻乃至2巻程度あることが好ましく、1.5巻程度であることがさらに好ましい。これにより、シート部材400(第1の一端側のシート400a及び第1の他端側のシート400a)と第1コイルスプリング500Aとの干渉を防止することができる。
コイルスプリング500が、一実施形態のように、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bからなる二重コイルスプリング構造を採用する場合においては、基部402は、第2コイルスプリング500Bがクラッチディスク10(又はディスクプレート100)の径方向外側に向かって移動することを規制するための第2規制面415を形成するために、略環状の保持部406を含むことができる。第2規制面415は、第2コイルスプリング500Bのかかる径方向外側への移動を確実に規制すべく、第2コイルスプリング500Bの延在方向と略直行する方向に延び、その長さは、第2コイルスプリング500Bの1巻乃至2巻程度あることが好ましく、1.5巻程度であることがさらに好ましい。
なお、図4に示すように、遠心力を受けた状態にある第1コイルスプリング500Aの外周と、同状態にある第2コイルスプリング500Bの内周との間における間隔(具体的には、例えば、径方向外側の間隔G1及び径方向内側の間隔G2)が所定値以上となるように、突出部404及び/又は保持部406のサイズが決定され得る。例えば、突出部404及び保持部406の各々について様々なサイズを採用した場合に、遠心力の大きさに応じて第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bが、クラッチディスク10(又はディスクプレート100)の径方向外側に向かってどの程度移動するか(両コイルスプリング間の間隔がどの程度であるか)に関する実験値を収集し、このような実験値に基づいて、遠心力を受けた状態における両コイルスプリング間の間隔を所定値以上に維持することが可能な、突出部404及び/又は保持部406のサイズを設定してもよい。これにより、例えば、遠心力を受けた第1コイルスプリング500Aが径方向外側に移動して、第2コイルスプリング500Bに接触して干渉することにより、両者間の摺動が生ずる事態を確実に抑えることができる。
また、基部402は、突出部404とは反対の側において、ディスクプレート100及びクラッチハブ200に当接して駆動力を伝達する伝達面416が形成され、伝達面416上には、凹部408を有することができる。
第1の一端側のシート400aは、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び/又は第2コイルスプリング500B)により、第1の他端側のシート400aから遠ざかる方向に付勢されることにより、ディスクプレート100の第1の一端面104aにより支持される。この状態において、第1の一端側のシート400aの凹部408は、第1の一端側の係合部(凸部)208aに係合する。
第1の他端側のシート400aは、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び/又は第2コイルスプリング500B)により、第1の一端側のシート400aから遠ざかる方向に付勢されることにより、ディスクプレート100の第1の他端面104aにより支持される。この状態において、第1の他端側のシート400aの凹部408は、第1の他端側の係合部(凸部)208aに係合する。なお、ディスクプレート100とクラッチハブ200が相対回転することによって生ずる第1の一端側のシート400a及び第1の他端側のシート400aの動作の詳細については後述する。
以上、領域Iに着目したが、領域IIについても、図1を参照すると、第2収容領域102b及び第2切欠き206bには、第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)の一端を支持する一端側のシート(第2の一端側のシート)400b、及び第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)の他端を支持する他端側のシート(第2の他端側のシート)400bが、両者の間に、第1コイルスプリング500A(及び第2コイルスプリング500B)を挟持するように配置される。
第2の一端側のシート400b及び第2の他端側のシート400bは、前述した第1の一端側のシート400a(第1の他端側がシート400a)と同様の構成を有するものとすることができる。
領域IIIに対応付けて設けられる第3の一端側のシート400c及び第3の他端側のシート400c、並びに、領域IVに対応付けて設けられる第4の一端側のシート400d及び第4の他端側のシート400dについても、上記と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
1−5.コイルスプリング500
図1、図2、図4、及び図5に示す実施形態において、コイルスプリング500は、前述した通り、第1コイルスプリング500Aと、第1コイルスプリング500Aの外側で巻回する(第1コイルスプリング500Aを内部で収容する)第2コイルスプリング500Bから構成されている。これにより、内側の第1コイルスプリング500Aと外側の第2コイルスプリング500Bとの二重コイルスプリング構造を呈し、ダンパ装置としての低剛性化を追求した構成となっている。前述した通り、ダンパ装置に求められる低剛性性能に応じて、第2コイルスプリング500Bを省略した一重コイルスプリング構造を採用してもよい。
第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bは、一般的に用いられる金属製のものを用いることができ、その断面は、図4に示すように、楕円形状とした楕円コイルを用いることが好ましい。また、第1コイルスプリング500Aと第2コイルスプリング500Bとは、両者が互いに噛み込まないように、両者の巻回方向を逆(例えば、第1コイルスプリング500Aを時計回りに巻回させ、第2コイルスプリング500Bを反時計回りに巻回させる)にすることが好ましい。また、同様の理由から、第1コイルスプリング500A(内側のコイルスプリング)の巻回ピッチ(所謂、線間ピッチ)は、第2コイルスプリング500B(外側のコイルスプリング)のそれよりも、小さく設定することが好ましい。なお、第1コイルスプリング500Aと第2コイルスプリング500Bの荷重分担は、当業者によって適宜設定すればよいが、第1コイルスプリング500Aに比して、第2コイルスプリング500Bの荷重負担を大きくする方が好ましい。
シート部材400によって、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bが支持される構成については、前述にて説明した通りである。端的には、両コイルスプリングとも、シート部材400(第1の一端側のシート400aと第1の他端側のシート400a)における座面410に両端を支持され、ディスクプレート100とクラッチハブ200との相対回転に応じて、シート部材400が周方向に移動することに伴って、両コイルスプリングは座面410に押されながら圧縮変形することとなる。
なお、第1コイルスプリング500Aは、内部に後述する浮動ストッパ1000を収容している。
1−6.フェーシング600
フェーシング600は、各々が耐摩耗性の材料により形成された環状の第1のフェーシング600A及び第2のフェーシング600Bを含むことができる。これら第1のフェーシング600A及び第2のフェーシング600Bは、それらの内周がディスクプレート100の外周に沿って延びるように、公知の手法を用いてディスクプレート100に取り付けられる。これら第1のフェーシング600A及び第2のフェーシング600Bが、前述したように、図示しないフライホイールと図示しないプレッシャープレートとの間で挟圧される。
1−7−1.浮動ストッパ1000
前述した通り、図1に示した実施形態では、第1コイルスプリング500Aの内部に、浮動ストッパ1000が収容されている。浮動ストッパ1000は、第1コイルスプリング500Aを傷つけることなく、且つ安定したストッパトルクを発揮しつつ第1コイルスプリング500A内で容易に移動することができるよう、軽量且つ高い耐摩耗性を有する材料から形成されることが好ましく、例えば硬質樹脂やガラスファイバー等の非弾性体を用いることができる。
浮動ストッパ1000は、第1コイルスプリング500A内において、ディスクプレート100(又はクラッチハブ200)の回転方向、且つ径方向に自在に移動することができるように配置されている。具体的には、図1に示すように、浮動ストッパ1000は、いずれの部材にも固定されることなく、また第1コイルスプリング500Aの内周部との間に所定のクリアランスCLを有し、且つ捩れ角0°(図1に示す状態)において第1の一端側のシート400aと第1の他端側のシート400aにおける各々の挟持面412とも当接しない状態で、第1コイルスプリング500A内に載置されている。その後、ディスクプレート100とクラッチハブ200とが相対回転し、捩れ角が大きくなると、最終的には、図5に示すように、第1の一端側のシート400aと第1の他端側のシート400aにおける各々の挟持面412に挟持されることで、当該相対回転を停止させるべくストッパトルクを発揮する。
浮動ストッパ1000の形状は、特に制限はないが、第1コイルスプリング500Aの巻回ピッチ間に嵌まり込まないよう、全体として、例えば略円柱状又は略角柱状であることが好ましい。また、浮動ストッパ1000においては、長期間に渡って安定的にストッパトルクを発揮することができるよう、図5に示すように、シート部材400における挟持面412の面積よりも大きな面積を有する側面1010を有することが好ましい。
他方、浮動ストッパ1000の厚み(クラッチディスク10又はディスクプレート100の径方向に延びる外径)は、第1コイルスプリング500Aの内径よりも小さく設定される。これにより、第1コイルスプリング500Aの内周部との間に所定のクリアランスCLを設けることができるため、浮動ストッパ1000は、第1コイルスプリング500A内において、径方向に自在に移動することが可能となる。なお、ディスクプレート100とクラッチハブ200が相対回転することによって生ずる浮動ストッパ1000の動作の詳細については後述する。
なお、浮動ストッパ1000の長さ(第1コイルスプリング500Aの延在方向と平行に延びる長さ)は、求められる捩り角の大きさや、第1コイルスプリング500Aの剛性に応じて適宜設定されうるが、言うまでもなく、第1コイルスプリング500Aの長さよりも小さく設定される。
浮動ストッパ1000は、前述した領域I〜IVの全てに配置させてもよいし、浮動ストッパ1000が発揮するストッパトルクに応じ、例えば領域I及び領域IIIの2か所にのみ配置させてもよい。また、一実施形態に係る浮動ストッパ1000は領域I及び領域IIIの2か所に配置し、領域II及び領域IVの2か所には後述する別の実施形態(変形例)に係る浮動ストッパ1000を設ける構成としてもよい。
なお、上記構成を有するクラッチディスク10のうち、シート部材400、コイルスプリング500、浮動ストッパ1000、ディスクプレート100(のうちシート部材400及びコイルスプリング500に関連する構成)、並びに、クラッチハブ200(のうちシート部材400及びコイルスプリング500に関連する構成)を、ダンパ装置と捉えることが可能なものである。また、ダンパ装置と捉えることが可能なもののうち、シート部材400、コイルスプリング500、及び浮動ストッパ1000を、弾性機構部と捉えることが可能なものである。
1−7−2.浮動ストッパ1000の変形例
ところで、浮動ストッパ1000は、前述した通り、第1コイルスプリング500A内で容易に移動することができるよう軽量化が求められる。したがって、浮動ストッパ1000の別の実施形態においては、図6(a)に示すように、浮動ストッパ1000には厚み方向又は長さ方向に延びる溝部1100を設けてもよい。これにより、浮動ストッパ1000を軽量化することが可能となる。なお、図面の便宜上、図2に示す一実施形態の浮動ストッパ1000は、かかる溝部1100を付した当該別の実施形態が示されている旨を付言しておく。
また、浮動ストッパ1000においては、図6(b)及び図6(c)に示すように、非弾性体と弾性体の結合体としてもよい。より具体的には、図6(b)における浮動ストッパ1000においては、ゴム等弾性力を有する弾性体1250と、非弾性体1200a及び1200bとを結合させている。非弾性体1200aは、弾性体1250の一方の側面を、断面略コ字状に覆う形状とし、非弾性体1200bは、弾性体1250の他方の側面を、同様に断面略コ字状に覆う形状として、両者が弾性体1250を挟持するように構成されている。非弾性体1200a及び非弾性体1200bは、捩れ角が所定値以下の場合(0°の場合を含む)において、非弾性体1200aの端部1201と非弾性体1200bの端部1202が互いに当接しないように形成されている。その後、捩れ角が大きくなると、非弾性体1200a及び非弾性体1200bは、弾性体1250を弾性変形させながら、最終的には端部1201と端部1202が当接してストッパトルクを発揮する。
図6(c)における浮動ストッパ1000においては、略凸状の非弾性体1300a及び1300bが間に弾性体1350を挟持するにように構成されている。図6(b)にかかる態様の浮動ストッパ1000と同様、図6(c)にかかる浮動ストッパ1000においても、非弾性体1300a及び非弾性体1300bは、捩れ角が所定値以下の場合(0°の場合を含む)において、非弾性体1300aの端部1301と非弾性体1300bの端部1302が互いに当接しないように形成されている。その後、捩れ角が大きくなると、非弾性体1300a及び非弾性体1300bは、弾性体1350を弾性変形させながら、最終的には端部1301と端部1302が当接してストッパトルクを発揮する。
ところで、図6(b)及び図6(c)に示すような別の実施形態にかかる浮動ストッパ1000においては、非弾性体によって安定したストッパトルクを確実に発揮させつつ、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bからなる二重コイルスプリング構造を含む)によるトルク変動吸収に加えて、浮動ストッパ1000の弾性体(弾性体1250又は弾性体1350)によってもトルク変動を吸収することが可能となるので、ダンパ装置全体としての捩れ特性のバリエーションを増やす(トルク変動の減衰機能を強化する)ことも可能となる。
図6(b)及び図6(c)に示す別の実施形態にかかる浮動ストッパ1000は、例えば、前述した領域I〜IVのうち、領域II及び領域IVに配置され、領域I及び領域IIIに配置される、弾性体を含まない一実施形態に係る浮動ストッパ1000と混合してダンパ装置内において使用することができる。
次に、図6(b)及び図6(c)に示す別の実施形態にかかる浮動ストッパ1000を領域II及び領域IVに配置させ、図5又は図6(a)に示す一実施形態又は別の実施形態にかかる浮動ストッパ1000を領域I及び領域IIIに配置させたダンパ装置の捩れ特性を図7に示す。図7の点線は、低剛性されていない従来のダンパ装置(例えば、特許文献1に係るダンパ装置であって、弾性機能を有するフロート体を設けたダンパ装置)の捩れ特性を示し、実線が図6(b)及び図6(c)に示す別の実施形態にかかる浮動ストッパ1000を含む低剛性ダンパ装置の捩れ特性を示している。図7に示すように、従来に比して、本願にかかる実施形態の方が低剛性化されている分、大きな捩れ角においてトルク変動を吸収することが可能となる。また、トルクW1の領域においては、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bからなる二重コイルスプリング構造を含む)によってトルク変動を吸収し、トルクW2の領域においては、コイルスプリング500によるトルク変動吸収に加えて、浮動ストッパ1000の弾性体(弾性体1250又は弾性体1350)によってもトルク変動を吸収することができる。
2.ダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクの動作
上記構成を有するクラッチディスク10の動作について、図1乃至図3を参照して説明する。
クラッチディスク10にエンジン等の駆動源から駆動力が伝達されていない状態、すなわち、クラッチディスク10に伝達されるトルクが0である状態が図3(a)に示されている。図3(a)に示すように、領域Iに対応付けて設けられた第1の一端側のシート400aは、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500B)に付勢されることにより、その基部402がディスクプレート100の一端面104aにより支持され、かつ、その基部402に形成された凹部408が第1の一端側の係合部(凸部)208aに係合する。なお、前述したように、第1の一端側の係合部(凸部)208aは、第1ディスクプレート100Aの一端面104aと第2ディスクプレート100Bの一端面104aとの間に設けられた図示しない間隙Gを通って第1の収容領域102aの内部に侵入して凹部408に係合することができる。
同様に、領域Iに対応付けて設けられた第1の他端側のシート400aも、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500B)に付勢されることにより、その基部402がディスクプレート100の他端面104aにより支持され、かつ、その基部402に形成された凹部408が第1の他端側の係合部(凸部)208aに係合する。
浮動ストッパ1000は、第1コイルスプリング500Aの内部において、第1の一端側のシート400aの挟持面412、及び第1の他端側のシート400aの挟持面412とそれぞれ離間した状態で配置される。この場合において、浮動ストッパ1000は、第1コイルスプリング500Aの内周部と、径方向に(径方向外側に向かって)所定のクリアランスCLを有している。
なお、領域Iに関する上記動作は、領域II〜IVについても同様に当て嵌まる。以下、領域Iに関して説明する動作は、領域II〜IVについても同様に当て嵌まるため、領域Iに関してのみ説明し、領域II〜IVについてはその詳細な説明を省略する。
次に、クラッチディスク10に伝達されるトルクが正である状態(例えば、車両においては加速時の状態)が、図3(b)に示されている。図3(b)に示すように、ディスクプレート100がクラッチハブ200に対して相対的に紙面上反時計回りに回転する。これにより、第1の他端側のシート400aは、その基部402が第1の他端面104aにより第1の一端側のシート400aに向かって押圧されることにより、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bに抗して、第1の他端側の係合部(凸部)208aから離れ、第1の一端側のシート400aに近づく。クラッチハブ200は相対的に静止しているため、第1の一端側の係合部(凸部)208aに支持された第1の一端側のシート400aも摺動しない。したがって、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bは圧縮変形し、かつ、ディスクプレート100の一端面104aは、第1の一端側のシート400a(の基部402)に対する支持を解消して、第1の一端側のシート400aから離間する。この後、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bが元の状態に戻るべく伸長することにより、両スプリングにより付勢された第1の一端側のシート400a(の基部402)が、第1の一端側の係合部(凸部)208aを紙面上反時計回りの方向に押圧する。これにより、クラッチハブ200が反時計回りに回転し、ひいては、図示しない変速機の入力軸が回転する。
この場合において、第1の他端側のシート400aが第1の一端側のシート400aに近づくように摺動することによって、第1の他端側のシート400aにおける挟持面412が浮動ストッパ1000の側面1010に当接する。その後、さらに相対回転が進み、捩れ角が大きくなると、浮動ストッパ1000は、第1の他端側のシート400aにおける挟持面412に押されるようにして、第1コイルスプリング500A内を周方向に移動して、最終的には図5等に示すように、第1の一端側のシート400aにおける挟持面412にも当接して、第1の一端側のシート400aと第1の他端側のシート400aに挟まれて、ストッパトルクを発揮することとなる。
前述のようにディスクプレート100とクラッチハブ200との間の相対回転が進むと、浮動ストッパ1000に対して遠心力がかかることとなり、その結果、浮動ストッパ1000は、図3(a)において設けられたクリアランスCL内において、径方向外側へと移動する。図3(b)における浮動ストッパ1000は、図3(a)の状態から、径方向外側へと移動することによって、第1コイルスプリング500Aとの内周部との間において、径方向内側にクリアランスCLaを形成し、径方向外側にクリアランスCLbを形成する。なお、CLaとCLbの和はCL(CLa+CLb=CL)となる。このように遠心力の作用(場合によっては、第1コイルスプリング500Aの弾性変形の作用)によって浮動ストッパ1000が径方向外側へ移動することができるため、第1コイルスプリング500Aが弾性変形する場合において、浮動ストッパ1000と第1コイルスプリング500Aが干渉することはない。つまり、浮動ストッパ1000自体が径方向へ適時移動することで、捩れ角の大きさに応じて、浮動ストッパ1000と第1コイルスプリング500Aの内周部とのクリアランスCLの位置を適時に移動又は分散(CLをCLaとCLbに分散)させることで、浮動ストッパ1000と第1コイルスプリング500Aとの干渉を回避することができる。
浮動ストッパ1000の厚みは、前述した通り、第1コイルスプリング500Aの内径よりも小さく設定される。より具体的には、第1コイルスプリング500Aも遠心力等の影響を受けて、直線的ではなく曲線的に弾性変形するため、浮動ストッパ1000の厚みは、かかる第1コイルスプリング500Aの弾性変形にかかる曲率(特に、捩れ角が最も大きくなる場合における最大曲率)も考慮した上で、第1コイルスプリング500Aと干渉することのない厚みを設定することができる。したがって、換言すれば、浮動ストッパ1000の厚みとしては、第1コイルスプリング500A内において径方向に移動可能であって、第1コイルスプリング500Aの弾性変形方向を考慮した最大の厚みとすることが好ましい。これにより、ストッパトルクも確実に発揮することが可能となる。
次に、クラッチディスク10に伝達されるトルクが負である状態(例えば、車両においては減速時の状態)が、図3(c)に示されている。図3(c)に示すように、ディスクプレート100がクラッチハブ200に対して相対的に紙面上時計回りに回転する。これにより、第1の一端側のシート400aは、その基部402が第1の一端面104aにより第1の他端側のシート400aに向かって押圧されることにより、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bに抗して、第1の一端側の係合部(凸部)208aから離れ、第1の他端側のシート400aに近づく。クラッチハブ200はディスクプレート100に対して反時計回りに回転しているため、第1の他端側の係合部(凸部)208aに支持された第1の他端側のシート400aも摺動しない。よって、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bは圧縮変形し、ディスクプレート100の他端面104aは、第1の他端側のシート400a(の基部402)に対する支持を解消して、第1の他端側のシート400aから離間する。この後、第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500Bが元の状態に戻るべく伸長することにより、両スプリングにより付勢された第1の他端側のシート400a(の基部402)が、第1の他端側の係合部(凸部)208aを紙面上時計回りの方向に押圧する。これにより、反時計回りに回転するクラッチハブ200が減速し、ひいては、図示しない変速機の入力軸が減速する。
この場合において、第1の一端側のシート400aが第1の他端側のシート400aに近づくように摺動することによって、第1の一端側のシート400aにおける挟持面412が浮動ストッパ1000の側面1010に当接する。その後、さらに相対回転が進み、捩れ角が大きくなると、浮動ストッパ1000は、第1の一端側のシート400aにおける挟持面412に押されるようにして、第1コイルスプリング500A内を周方向に移動して、最終的には図5等に示すように、第1の一端側のシート400aにおける挟持面412にも当接して、第1の一端側のシート400aと第1の他端側のシート400aに挟まれて、ストッパトルクを発揮することとなる。なお、浮動ストッパ1000の動き、及びクリアランスCLについては、図3(b)に基づいて前述の通り説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。但し、図3(c)におけるクリアランスCLcは図3(b)におけるクリアランスCLaに相当し、図3(c)におけるクリアランスCLdは図3(b)におけるクリアランスCLbに相当する。
このように、エンジン等の駆動源からの駆動力は、加速時及び減速時のいずれの状態であっても、ディスクプレート100、各一端側のシート(例えば、一端側のシート400a)、各他端側のシート(例えば、他端側のシート400a)、コイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500B)、クラッチハブ200、及び図示しない変速機の入力軸に対して順次伝達される。
3.クラッチハブ200の係合部と対応するシートとの間で行われる動作
図8(a)〜図8(c)は、クラッチハブ200に形成された係合部とこれに対応するシートとの間において行われる動作を説明する模式図である。
図8(a)に示すように、クラッチハブ200のフランジ206に形成された各係合部(凸部)(図8(a)〜図8(c)においては、凸部208aが例示されているが他の凸部も同様である。)は、以下に説明する形状を有するように形成され得る。
凸部208aに対応して設けられた第1の一端側のシート400aは、第1の他端側のシート400aとの間に配置されたコイルスプリング500(第1コイルスプリング500A及び第2コイルスプリング500B)がクラッチディスク10の径方向外側に向かう遠心力を受けると、中心Oを中心軸として紙面上反時計回りに回転させられる。ここで、中心Oとは、第1の一端側のシート400aが遠心力を受けて一端側の凸部208aに対して回転する際に回転中心として接する一端側の凸部208a(又は凸部208a〜凸部208a)の外縁である。
ここで、中心Oと、クラッチディスク10(クラッチハブ200又はディスクプレート100)の回転中心と、を結ぶ線を「境界線L」とする。
本実施形態では、凸部208aが、境界線Lに関して、(第1の一端側のシート400aに対向する)第1の他端側のシート400aの存する側にまで延在するように、すなわち、境界線Lに関してクラッチディスク10の周方向に沿って両側に延在するように構成されている。別言すれば、凸部208aと第1の一端側のシート400aの凹部408を囲む側壁408A(クラッチディスク10の回転中心と同心である円弧に沿った側壁)との第1の接触点C1が、境界線L((中心Oを通る前記円弧に対する法線に相当する)に関して、第1の他端側のシート400aの存する側に存在するように、凸部208aが形成されている。これにより、第1の一端側のシート400aが遠心力を受けて中心Oの周りに紙面上反時計回りに回転しようとしても、図8(b)及び図8(b)の一部を拡大して示す図8(c)に示すように、凸部208aが第1の一端側のシート400aの凹部408を囲む側壁408Aに対して第1の接触点C1において当接して食い込むため、第1の一端側のシート400aは、それ以上回転することができない。これにより、第1の一端側のシート400aの基部402(特に保持部406)が、クラッチディスク10の径方向外側に飛び出すことにより、ディスクプレート100(における第1の収容領域102aを囲む側壁)に当接して摩耗する、という事態を抑えることができる。
これに対して、仮に、凸部208aが、境界線Lに関して、(第1の一端側のシート400aに対向する)第1の他端側のシート400aの存する側にまで延在しない場合、すなわち、境界線Lに関して、第1の他端側のシート400aとは反対の側にのみ延在する場合には、凸部208aが第1の一端側のシート400aの凹部408を囲む側壁408Aに対して食い込まないため、第1の一端側のシート400aは、さらに回転することができてしまう。これにより、第1の一端側のシート400aの基部402(特に保持部406)が、クラッチディスク10の径方向外側に飛び出すことにより、ディスクプレート100(における第1の収容領域102aを囲む側壁)に当接して摩耗する、という可能性が残されてしまう。
以上のように、本実施形態に係るダンパ装置が組み込まれたクラッチディスク10にあっては、凸部208a(又は凸部208a)は、境界線Lに関して、クラッチディスク10の周方向に沿って両側に存するように形成されている。これにより、かかる凸部208aは、対応する第1の一端側のシート400a(又は第1の他端側のシート400a)に形成された凹部408を囲む側壁408Aに対して食い込むため、対応する第1の一端側のシート400a(又は第1の他端側のシート400a)が遠心力を受けてそれ以上回転することを抑えることができる。
図9(a)及び図9(b)は、別の実施形態に係るダンパ装置が組み込まれたクラッチディスクにおける各係合部材(各凸部)と対応するシートとの関係を示す模式図である。
図9(a)に示すように、第1の一端側のシート400aは、凹部408の開口部において角部408Bを有することができる。角部408Bは、第1の一端側のシート400aが中心Oの周りに紙面上反時計回りに回転しようとするときに、一端側の係合部(凸部)208aに対して第2の接触点C2において当接して第1の一端側のシート400aの回転を規制するように機能する。
図9(b)に示すように、凸部208aと凹部408との間の隙間δとし、第1の一端側のシート400aが中心Oの周りを回転した場合における凸部208aと凹部408との干渉量θとすると、このような角部408Bは、干渉量θ>隙間δという関係が満たされるように形成され得る。
以上のように説明した角部408Bは、第1の一端側のシート400aのみに用いられるのではなく、他の一端側のシート及び/又は他の他端側のシートにも同様に採用することができる。
このように図9(a)及び図9(b)に例示した実施形態によれば、各凸部が、対応するシートの凹部408に対して第1の接触点C1及び第2の接触点C2の2点において接触することにより、対応するシートを2点間で保持して固定する。これにより、各凸部は、対応するシートの回転をより効果的に規制することができる。
以上、前述の通り、様々な実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数等は適宜変更して実施することができる。
10 クラッチディスク
100 ディスクプレート(第1回転体)
100A 第1ディスクプレート
100B 第2ディスクプレート
200 クラッチハブ(第2回転体)
400 シート部材
400a、400a 一対のシート部材(第1の一端側のシート、第1の他端側のシート)
404 突出部
410 座面
412 挟持面
414 第1規制面
415 第2規制面
416 伝達面
500 コイルスプリング
500A 第1コイルスプリング
500B 第2コイルスプリング
1000 浮動ストッパ
1100 溝部
1200a、1200b、1300a、1300b 非弾性体
1250、1350 弾性体
400、500、1000 弾性機構部
CL、CLa、CLb、CLc、CLd クリアランス

Claims (8)

  1. 第1回転体と、
    前記第1回転体に対して相対回転する第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に収容され、前記第1回転体及び前記第2回転体を回転方向に弾性連結させる弾性機構部と、
    を具備し、
    前記弾性機構部は、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間で動力が伝達される際に、少なくとも前記第1回転体及び前記第2回転体のいずれか一方に当接するシート部材と、
    両端を一対の前記シート部材によって支持されるコイルスプリングと、
    前記コイルスプリング内に収容され、前記コイルスプリング内において前記回転方向及び径方向に移動し、両端を一対の前記シート部材に挟持させることで、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を停止させる浮動ストッパと、
    を有するダンパ装置。
  2. 前記浮動ストッパの少なくとも一部は、非弾性体により形成される、請求項1に記載のダンパ装置。
  3. 前記浮動ストッパの一部は、少なくとも前記回転方向に弾性変形する弾性体により形成され、その他の部分は前記非弾性体により形成される、請求項2に記載のダンパ装置。
  4. 前記浮動ストッパは、前記コイルスプリングの内周部との間に所定のクリアランスを有して、前記コイルスプリング内に収容される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダンパ装置。
  5. 前記コイルスプリングは、内部に前記浮動ストッパを収容する第1コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングの外側で巻回し、内部に前記第1コイルスプリングを収容する第2コイルスプリングと、を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダンパ装置。
  6. 前記シート部材は、前記コイルスプリングに当接して前記コイルスプリングを支持し、前記第1回転体と前記第2回転体とが相対回転する際に前記コイルスプリングを圧縮させる座面と、前記第1回転体及び前記第2回転体に当接して動力を伝達する伝達面と、前記第1回転体と前記第2回転体とが相対回転すると前記浮動ストッパに当接して挟持する挟持面と、前記コイルスプリングの前記径方向への移動を規制する規制面と、を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のダンパ装置。
  7. 前記規制面は、前記第1コイルスプリングの前記径方向への移動を規制する第1規制面と、前記第2コイルスプリングの前記径方向への移動を規制する第2規制面と、を有する請求項6に記載のダンパ装置。
  8. 前記第1規制面は、頂部を前記挟持面とする突出部上に形成され、前記突出部は、前記第1コイルスプリングの内部に向かって突出する、請求項7に記載のダンパ装置。
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