JP2904619B2 - 試料捕集用フィルター及びその製造方法並びに試料測定装置 - Google Patents
試料捕集用フィルター及びその製造方法並びに試料測定装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気中に存在する極微
量物質を検出・測定する際、例えば、コンテナ等の搬送
装置内に存する粉塵等の試料を吸引してフィルターで捕
集した後、フィルターに付着した試料を検出する際にお
いて、使用する試料捕集用フィルター及びその製造方法
並びに試料測定装置に関するものであり、環境汚染物質
や危険物等の検出・分析、有害物質の除去又は健康管理
等の分野で有用なものである。
量物質を検出・測定する際、例えば、コンテナ等の搬送
装置内に存する粉塵等の試料を吸引してフィルターで捕
集した後、フィルターに付着した試料を検出する際にお
いて、使用する試料捕集用フィルター及びその製造方法
並びに試料測定装置に関するものであり、環境汚染物質
や危険物等の検出・分析、有害物質の除去又は健康管理
等の分野で有用なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大気中や貨物・荷物類に極微量に
存在する爆薬類、農薬類、公害物質などを分析・測定す
るための大気中試料の溶液中への捕集技術の開発が要請
されている。特に、最近増加傾向にある特殊薬物類の不
法国内持込みを防止・抑制すること、爆薬類の不法機内
持込みの抑制、更に環境問題としての農薬類測定、公害
物質測定などで大気中の微量成分の捕集技術や抽出技術
が重要視されている。
存在する爆薬類、農薬類、公害物質などを分析・測定す
るための大気中試料の溶液中への捕集技術の開発が要請
されている。特に、最近増加傾向にある特殊薬物類の不
法国内持込みを防止・抑制すること、爆薬類の不法機内
持込みの抑制、更に環境問題としての農薬類測定、公害
物質測定などで大気中の微量成分の捕集技術や抽出技術
が重要視されている。
【0003】一般に、爆薬や薬物等は他の貨物類や手荷
物類に隠されて運ばれることが多く、これらの貨物や荷
物を個別に全数検査することは不可能に近い。また、麻
薬等の薬物は麻薬検査犬が使用されているが、これも全
数検査は困難である。
物類に隠されて運ばれることが多く、これらの貨物や荷
物を個別に全数検査することは不可能に近い。また、麻
薬等の薬物は麻薬検査犬が使用されているが、これも全
数検査は困難である。
【0004】そこで、多くの貨物類や荷物類が収められ
ている大型コンテナ等の運搬容器の内部を調査すること
により、爆薬や薬物等の存在を分析できれば、不法持ち
込み等の検査を効率的に行うことができる。
ている大型コンテナ等の運搬容器の内部を調査すること
により、爆薬や薬物等の存在を分析できれば、不法持ち
込み等の検査を効率的に行うことができる。
【0005】従来、コンテナ内の微量粉塵を捕集する方
法として、吸引用柔軟性パイプをコンテナの入口からコ
ンテナ上部の隙間及び内壁面凹部の空間に通して挿入
し、コンテナ床面や貨物等の内容物の表面に付着してい
る粉塵を捕集する方法が考えられている。その際に、空
気中に存在する微量物質を捕集するフィルターとして
は、金属、高分子、紙、繊維などの材質に多数の微細孔
やメッシュを施したフィルターを無処理の状態でそのま
ま使用することが多い。
法として、吸引用柔軟性パイプをコンテナの入口からコ
ンテナ上部の隙間及び内壁面凹部の空間に通して挿入
し、コンテナ床面や貨物等の内容物の表面に付着してい
る粉塵を捕集する方法が考えられている。その際に、空
気中に存在する微量物質を捕集するフィルターとして
は、金属、高分子、紙、繊維などの材質に多数の微細孔
やメッシュを施したフィルターを無処理の状態でそのま
ま使用することが多い。
【0006】特に、試料をフィルターに捕集した後、フ
ィルターを溶媒で洗浄し、洗浄液中の成分を検出・測定
する装置において、そのフィルターには、機械的強度が
大きいステンレス等の金属製メッシュをそのまま試料捕
集用フィルターとして使用していた。
ィルターを溶媒で洗浄し、洗浄液中の成分を検出・測定
する装置において、そのフィルターには、機械的強度が
大きいステンレス等の金属製メッシュをそのまま試料捕
集用フィルターとして使用していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空気中
に存在する微量物質を捕集するフィルターとして、多数
の微細孔やメッシュを施したフィルターを無処理の状態
でそのまま使用するだけでは、フィルターの細孔径より
小さな直径を有する粒子はそのままフィルターを通り抜
けてしまうため、試料の捕集効率が低くなるという課題
があった。
に存在する微量物質を捕集するフィルターとして、多数
の微細孔やメッシュを施したフィルターを無処理の状態
でそのまま使用するだけでは、フィルターの細孔径より
小さな直径を有する粒子はそのままフィルターを通り抜
けてしまうため、試料の捕集効率が低くなるという課題
があった。
【0008】一方、細かい孔のメッシュを有するフィル
ターを使用することが考えられるが、例えば金属製フィ
ルターではメッシュが細孔のものほど、価格がより高価
になるという課題があった。
ターを使用することが考えられるが、例えば金属製フィ
ルターではメッシュが細孔のものほど、価格がより高価
になるという課題があった。
【0009】また、メッシュが細孔のものほど、短時間
でメッシュが目詰まりを生じて、捕集効率が低下すると
共に、空気流れ抵抗が大きいことにより、空気圧損によ
る空気流量の減少が生ずるため、捕集効率を維持するに
はフィルターの大面積化や吸引装置のパワーアップとい
った新たな技術的課題が浮上してくるという課題があっ
た。
でメッシュが目詰まりを生じて、捕集効率が低下すると
共に、空気流れ抵抗が大きいことにより、空気圧損によ
る空気流量の減少が生ずるため、捕集効率を維持するに
はフィルターの大面積化や吸引装置のパワーアップとい
った新たな技術的課題が浮上してくるという課題があっ
た。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するため、飛
躍的に捕集効率が上がる捕集用フィルターを提供するこ
とを目的とし、且つその捕集用フィルターを容易に得る
ための製造方法、及びその捕集用フィルターを用いるこ
とにより試料検出感度が向上した試料測定装置を提供す
ることを目的とする。
躍的に捕集効率が上がる捕集用フィルターを提供するこ
とを目的とし、且つその捕集用フィルターを容易に得る
ための製造方法、及びその捕集用フィルターを用いるこ
とにより試料検出感度が向上した試料測定装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の試料捕集用フィルターは、粉末状の試料を
捕集して免疫的測定法を用いて試料の成分測定するため
の試料捕集用フィルターであって、前記試料捕集用フィ
ルターの表面が、揮発し難く、水に易溶性で、且つ常温
で液状である化学物質で被着されていることを特徴とす
る。
め、本発明の試料捕集用フィルターは、粉末状の試料を
捕集して免疫的測定法を用いて試料の成分測定するため
の試料捕集用フィルターであって、前記試料捕集用フィ
ルターの表面が、揮発し難く、水に易溶性で、且つ常温
で液状である化学物質で被着されていることを特徴とす
る。
【0012】また、本発明の試料捕集用フィルターの製
造方法は、粉末状の試料を捕集して免疫的測定法を用い
て試料の成分測定するための試料捕集用フィルターの製
造方法であって、揮発し難く、水に易溶性で、且つ常温
で液状である化学物質が溶媒に溶解している溶液をフィ
ルター表面に付着させた後、前記フィルター表面に存す
る溶媒を蒸発することにより、前記フィルター表面に前
記化学物質が被着された試料捕集用フィルターを得るこ
とを特徴とする。
造方法は、粉末状の試料を捕集して免疫的測定法を用い
て試料の成分測定するための試料捕集用フィルターの製
造方法であって、揮発し難く、水に易溶性で、且つ常温
で液状である化学物質が溶媒に溶解している溶液をフィ
ルター表面に付着させた後、前記フィルター表面に存す
る溶媒を蒸発することにより、前記フィルター表面に前
記化学物質が被着された試料捕集用フィルターを得るこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の試料測定装置は、粉末状の
試料をフィルター上に捕集した後、水を主成分とする溶
媒を用いて前記フィルターを洗浄し、洗浄液中の成分を
免疫的に測定する試料測定装置において、前記フィルタ
ーの表面が、揮発し難く、水に易溶性で、且つ常温で液
状である化学物質で被着されている試料捕集用フィルタ
ーを用いることを特徴とする。
試料をフィルター上に捕集した後、水を主成分とする溶
媒を用いて前記フィルターを洗浄し、洗浄液中の成分を
免疫的に測定する試料測定装置において、前記フィルタ
ーの表面が、揮発し難く、水に易溶性で、且つ常温で液
状である化学物質で被着されている試料捕集用フィルタ
ーを用いることを特徴とする。
【0014】前記各構成において、化学物質が、多価ア
ルコール、ポリエチレングリコール、ブチロラクトン又
はプロピレンカーボネイトであることが好ましい。ま
た、前記各構成において、フィルターの材質が金属製で
あって、フィルター上に金属酸化膜が形成されているこ
とが好ましい。
ルコール、ポリエチレングリコール、ブチロラクトン又
はプロピレンカーボネイトであることが好ましい。ま
た、前記各構成において、フィルターの材質が金属製で
あって、フィルター上に金属酸化膜が形成されているこ
とが好ましい。
【0015】また、前記本発明の製造方法において、化
学物質の溶解濃度が、5から15%の範囲であることが
好ましい。
学物質の溶解濃度が、5から15%の範囲であることが
好ましい。
【0016】
【作用】前記構成によれば、フィルターの表面が、揮発
し難く、水に易溶性で、且つ常温で液状である化学物質
で被着されていることにより、フィルターの孔径の大き
さが実質的に小さくなり、これまでフィルターを通り抜
けていた捕集物が付着し易くなる。また、一度付着した
捕集物は液状の化学物質に付着するため、再び遊離する
ことが無くなり、更に、水に易溶性の化学物質に付着す
ると親水性の捕集物は化学物質中に溶解してしまうため
に、試料の捕集効率が格段に向上する。このような化学
物質として難揮発性のものを用いることにより、捕集作
用が長く持続しフィルター寿命を延ばすことができる。
し難く、水に易溶性で、且つ常温で液状である化学物質
で被着されていることにより、フィルターの孔径の大き
さが実質的に小さくなり、これまでフィルターを通り抜
けていた捕集物が付着し易くなる。また、一度付着した
捕集物は液状の化学物質に付着するため、再び遊離する
ことが無くなり、更に、水に易溶性の化学物質に付着す
ると親水性の捕集物は化学物質中に溶解してしまうため
に、試料の捕集効率が格段に向上する。このような化学
物質として難揮発性のものを用いることにより、捕集作
用が長く持続しフィルター寿命を延ばすことができる。
【0017】また、フィルターに被着させる化学物質
が、多価アルコール、ポリエチレングリコール、ブチロ
ラクトン又はプロピレンカーボネイトであるという好ま
しい構成によれば、これらはいずれも揮発し難く、水に
易溶性で、且つ常温で液状であって、試料捕集能力が高
く、安価で且つ入手が容易であり、更に、フィルター表
面に均一に被着することが容易である。
が、多価アルコール、ポリエチレングリコール、ブチロ
ラクトン又はプロピレンカーボネイトであるという好ま
しい構成によれば、これらはいずれも揮発し難く、水に
易溶性で、且つ常温で液状であって、試料捕集能力が高
く、安価で且つ入手が容易であり、更に、フィルター表
面に均一に被着することが容易である。
【0018】また、フィルターの材質が金属製であっ
て、フィルター上に金属酸化膜が形成されていることに
より、水溶性の化学物質が金属酸化膜になじみ易いた
め、フィルター表面に均一に広がり易く、均質な被着層
を得ることができる。
て、フィルター上に金属酸化膜が形成されていることに
より、水溶性の化学物質が金属酸化膜になじみ易いた
め、フィルター表面に均一に広がり易く、均質な被着層
を得ることができる。
【0019】また、前述の化学物質が溶媒に溶解してい
る溶液をフィルター表面に付着させた後、前記フィルタ
ー表面に存する溶媒を蒸発することによる試料捕集用フ
ィルターの製造方法によれば、フィルター表面に均一な
被着層を簡単に作成することが可能であり、更に化学物
質の溶解濃度や蒸発速度を制御することにより、被着層
の濃度、厚さや被着分布等が様々の試料捕集用フィルタ
ーを容易に製造することができる。また、前述の化学物
質が溶媒に溶解している濃度が、5から15%の範囲で
あることにより、高効率の捕集効率を有する試料捕集用
フィルターを得ることができる。
る溶液をフィルター表面に付着させた後、前記フィルタ
ー表面に存する溶媒を蒸発することによる試料捕集用フ
ィルターの製造方法によれば、フィルター表面に均一な
被着層を簡単に作成することが可能であり、更に化学物
質の溶解濃度や蒸発速度を制御することにより、被着層
の濃度、厚さや被着分布等が様々の試料捕集用フィルタ
ーを容易に製造することができる。また、前述の化学物
質が溶媒に溶解している濃度が、5から15%の範囲で
あることにより、高効率の捕集効率を有する試料捕集用
フィルターを得ることができる。
【0020】また、このような試料捕集用フィルターを
用いた試料測定装置によれば、試料の捕集効率が向上す
るため、測定対象物の量が増加することにより、測定感
度の向上、測定限界値の低減、成分分解能の向上等を図
ることができる。また、捕集した試料を溶出する場合に
は、この化学物質は水に易溶性であるので、フィルター
洗浄液として安全で低価格の水を使用することができ
る。
用いた試料測定装置によれば、試料の捕集効率が向上す
るため、測定対象物の量が増加することにより、測定感
度の向上、測定限界値の低減、成分分解能の向上等を図
ることができる。また、捕集した試料を溶出する場合に
は、この化学物質は水に易溶性であるので、フィルター
洗浄液として安全で低価格の水を使用することができ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の試料捕集用フィルター及びそ
の製造方法並びに試料測定装置の実施例について詳細に
説明する。
の製造方法並びに試料測定装置の実施例について詳細に
説明する。
【0022】本実施例では、試料捕集用フィルターとし
て、ステンレス(SUS316)メッシュ(1450m
esh)の金属メッシュを用い、その表面に被着する化
学物質としてポリエチレングリコールの樹脂を用いた。
て、ステンレス(SUS316)メッシュ(1450m
esh)の金属メッシュを用い、その表面に被着する化
学物質としてポリエチレングリコールの樹脂を用いた。
【0023】試料捕集用フィルターは、次の手順で作成
した。まず、ステンレスメッシュをガスバーナー又は電
気炉等により加熱して、フィルター表面全体に金属酸化
膜を形成した。次に、このフィルターを水で希釈したポ
リエチレングリコール溶液に含浸した後、溶液から引き
上げて、40℃で乾燥して溶媒である水を蒸発させ、酸
化膜の表面にポリエチレングリコールの薄層を形成し
た。
した。まず、ステンレスメッシュをガスバーナー又は電
気炉等により加熱して、フィルター表面全体に金属酸化
膜を形成した。次に、このフィルターを水で希釈したポ
リエチレングリコール溶液に含浸した後、溶液から引き
上げて、40℃で乾燥して溶媒である水を蒸発させ、酸
化膜の表面にポリエチレングリコールの薄層を形成し
た。
【0024】そして、最適な被着量を調べるために、ポ
リエチレングリコール濃度を5%、10%、15%、2
0%、25%と各々変化させた試料捕集用フィルターを
作成した。
リエチレングリコール濃度を5%、10%、15%、2
0%、25%と各々変化させた試料捕集用フィルターを
作成した。
【0025】なお、測定対象物である試料として、30
0メッシュのフィルターを一度通過させたトリニトロト
ルエン(TNT)粉末を使用した。そして、小型吸引機
の先端部に上記フィルターを設置して、風量を1m3 /
分に制御しながら、TNT粉末1mgを約30秒間吸引
して、フィルター上に試料を捕集した。
0メッシュのフィルターを一度通過させたトリニトロト
ルエン(TNT)粉末を使用した。そして、小型吸引機
の先端部に上記フィルターを設置して、風量を1m3 /
分に制御しながら、TNT粉末1mgを約30秒間吸引
して、フィルター上に試料を捕集した。
【0026】その後、試料捕集を行ったフィルターを1
mlの水で溶出させ、この試料成分濃度及びフィルター
の試料捕集効率を免疫的測定機により測定した。なお、
使用した免疫的測定機は、溶出用ポンプ、抗体用ポン
プ、洗浄用ポンプ及び十六方バルブと蛍光検出器で構成
され、その測定原理は、溶出液と抗体を混合し、その蛍
光増強を測定することにより試料成分濃度を測定するも
のである。
mlの水で溶出させ、この試料成分濃度及びフィルター
の試料捕集効率を免疫的測定機により測定した。なお、
使用した免疫的測定機は、溶出用ポンプ、抗体用ポン
プ、洗浄用ポンプ及び十六方バルブと蛍光検出器で構成
され、その測定原理は、溶出液と抗体を混合し、その蛍
光増強を測定することにより試料成分濃度を測定するも
のである。
【0027】その結果を図1に示す。図1は、ポリエチ
レングリコール濃度と得られた試料捕集効率の関係を示
すグラフである。この図から、ポリエチレングリコール
濃度が5〜15%の時が約65%以上という高効率の捕
集効率になった。なお、5%以下の濃度では樹脂塗着の
効果が低く、また20%以上の濃度では樹脂が多すぎて
細孔が目詰まりしているためと推察できる。
レングリコール濃度と得られた試料捕集効率の関係を示
すグラフである。この図から、ポリエチレングリコール
濃度が5〜15%の時が約65%以上という高効率の捕
集効率になった。なお、5%以下の濃度では樹脂塗着の
効果が低く、また20%以上の濃度では樹脂が多すぎて
細孔が目詰まりしているためと推察できる。
【0028】以上の実施例においては、試料としてトリ
ニトロトルエン(TNT)粉末を用いたが、その他の試
料として、ジニトロトルエン粉末、テトリル粉末、メチ
ルアンフェタミン粉末、メタンフェタミン粉末、モルヒ
ネ粉末、ヘロイン粉末、コカイン粉末、マリファナ粉末
などの爆薬類、農薬類、香料類、公害物質等の試料でも
捕集効率の向上が見られ、本実施例と同様の効果が得ら
れた。
ニトロトルエン(TNT)粉末を用いたが、その他の試
料として、ジニトロトルエン粉末、テトリル粉末、メチ
ルアンフェタミン粉末、メタンフェタミン粉末、モルヒ
ネ粉末、ヘロイン粉末、コカイン粉末、マリファナ粉末
などの爆薬類、農薬類、香料類、公害物質等の試料でも
捕集効率の向上が見られ、本実施例と同様の効果が得ら
れた。
【0029】また、以上の実施例では、ポリエチレング
リコールを液状物質として用いたが、グリセリン、エチ
レングリコール等の多価アルコール類やブチロラクト
ン、プロピレンカーボネイト等の溶媒をフィルター表面
に被着することによっても、捕集効率の向上が見られ、
本実施例と同様な効果が得られた。これらは全て蒸発し
難く、常温で液状であり、また水に比較的容易に溶ける
という共通の性質を有する。
リコールを液状物質として用いたが、グリセリン、エチ
レングリコール等の多価アルコール類やブチロラクト
ン、プロピレンカーボネイト等の溶媒をフィルター表面
に被着することによっても、捕集効率の向上が見られ、
本実施例と同様な効果が得られた。これらは全て蒸発し
難く、常温で液状であり、また水に比較的容易に溶ける
という共通の性質を有する。
【0030】なお、フィルター表面に被着した化学物質
は、試料溶出の際に溶け出して消失してしまうが、再び
本発明の試料捕集用フィルターの製造方法を使用するこ
とによって、フィルター表面に前述の化学物質を被着す
ることができる。
は、試料溶出の際に溶け出して消失してしまうが、再び
本発明の試料捕集用フィルターの製造方法を使用するこ
とによって、フィルター表面に前述の化学物質を被着す
ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料捕集効率が高いフィルターを容易に得ることができ
る。従って、本発明の試料捕集用フィルターを用いた試
料測定装置を使用することにより、空気中に存在する極
微量の物質を検出・測定するための装置の特性向上に役
立ち、爆薬類や薬物等の不法持ち込み等の検査を効率良
く行うことができ、検査数量や検査能率を向上させるこ
とができる。
試料捕集効率が高いフィルターを容易に得ることができ
る。従って、本発明の試料捕集用フィルターを用いた試
料測定装置を使用することにより、空気中に存在する極
微量の物質を検出・測定するための装置の特性向上に役
立ち、爆薬類や薬物等の不法持ち込み等の検査を効率良
く行うことができ、検査数量や検査能率を向上させるこ
とができる。
【図1】ポリエチレングリコール濃度と得られた試料捕
集効率の関係を示すグラフである。
集効率の関係を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 粉末状の試料を捕集して免疫的測定法を
用いて試料の成分測定するための試料捕集用フィルター
であって、前記試料捕集用フィルターの表面が、揮発し
難く、水に易溶性で、且つ常温で液状である化学物質で
被着されていることを特徴とする試料捕集用フィルタ
ー。 - 【請求項2】 化学物質が、多価アルコール、ポリエチ
レングリコール、ブチロラクトン又はプロピレンカーボ
ネイトである請求項1に記載の試料捕集用フィルター。 - 【請求項3】 フィルターの材質が金属製であって、フ
ィルター上に金属酸化膜が形成されている請求項1に記
載の試料捕集用フィルター。 - 【請求項4】 粉末状の試料を捕集して免疫的測定法を
用いて試料の成分測定するための試料捕集用フィルター
の製造方法であって、揮発し難く、水に易溶性で、且つ
常温で液状である化学物質が溶媒に溶解している溶液を
フィルター表面に付着させた後、前記フィルター表面に
存する溶媒を蒸発することにより、前記フィルター表面
に前記化学物質が被着された試料捕集用フィルターを得
ることを特徴とする試料捕集用フィルターの製造方法。 - 【請求項5】 化学物質が、多価アルコール、ポリエチ
レングリコール、ブチロラクトン又はプロピレンカーボ
ネイトである請求項4に記載の試料捕集用フィルターの
製造方法。 - 【請求項6】 フィルターの材質が金属製であって、フ
ィルター上に金属酸化膜が形成されている請求項4に記
載の試料捕集用フィルターの製造方法。 - 【請求項7】 化学物質の溶解濃度が、5から15%の
範囲である請求項4に記載の試料捕集用フィルターの製
造方法。 - 【請求項8】 粉末状の試料をフィルター上に捕集した
後、水を主成分とする溶媒を用いて前記記フィルターを
洗浄し、洗浄液中の成分を免疫的に測定する試料測定装
置において、前記フィルターの表面が、揮発し難く、水
に易溶性で、且つ常温で液状である化学物質で被着され
ている試料捕集用フィルターを用いることを特徴とする
試料測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20502591A JP2904619B2 (ja) | 1991-08-15 | 1991-08-15 | 試料捕集用フィルター及びその製造方法並びに試料測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20502591A JP2904619B2 (ja) | 1991-08-15 | 1991-08-15 | 試料捕集用フィルター及びその製造方法並びに試料測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0545259A JPH0545259A (ja) | 1993-02-23 |
JP2904619B2 true JP2904619B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=16500200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20502591A Expired - Fee Related JP2904619B2 (ja) | 1991-08-15 | 1991-08-15 | 試料捕集用フィルター及びその製造方法並びに試料測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2904619B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1394440B1 (en) * | 1995-07-24 | 2005-05-25 | Exedy Corporation | Damper disc assembly having a friction mechanism with improved friction elements |
JP3767733B2 (ja) | 2000-09-29 | 2006-04-19 | 株式会社エクセディ | ダンパー機構 |
JP2011227104A (ja) * | 2011-08-19 | 2011-11-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 検出システム |
-
1991
- 1991-08-15 JP JP20502591A patent/JP2904619B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0545259A (ja) | 1993-02-23 |
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