JP2002097449A - シーリング剤組成物 - Google Patents

シーリング剤組成物

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JP2002097449A JP2000291348A JP2000291348A JP2002097449A JP 2002097449 A JP2002097449 A JP 2002097449A JP 2000291348 A JP2000291348 A JP 2000291348A JP 2000291348 A JP2000291348 A JP 2000291348A JP 2002097449 A JP2002097449 A JP 2002097449A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐汚染性および耐水接着性に優れる
シーリング剤の提供。 【解決手段】 (a)アクリル酸エステル単量体単位を
主たる構成単位とする重合体であって、エステル部分に
シクロヘキシル構造を有するアクリル酸エステル単量体
単位を、全構成単位の合計量を基準にして5〜50質量
%の割合で有し、かつ架橋剤と反応する反応基または自
己架橋し得る反応基を有するアクリル酸エステル共重合
体および(b)充填剤からなるシーリング剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れる常
温硬化型シーリング剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シーリング剤は建築や土木等において欠
かせない材料であり、従来シーリング剤としては、シリ
コーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポ
リウレタン系、アクリルウレタン系などが知られてい
る。しかしながら、例えば変成シリコーン系、ポリサル
ファイド系やポリウレタン系は耐候性が不十分であり、
またシリコーン系は耐候性はあるものの周辺汚染性が悪
いというように、各シーリング剤には問題があった。ア
クリルウレタン系シーリング剤は、耐候性、耐汚染性お
よび耐水接着性が不十分であり、その耐汚染性の改良の
ために、特開平7−10957号では、アクリル重合体
の分子末端に水酸基を導入するという手段が採用されて
いるが、なお性能は今一歩であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、優
れた耐候性、耐汚染性および耐水接着性を有するシーリ
ング剤組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(a)アクリル酸エス
テル単量体単位を主たる構成単位とする重合体であっ
て、エステル部分にシクロヘキシル構造を有するアクリ
ル酸エステル単量体単位を、全構成単位の合計量を基準
にして5〜50質量%の割合で有し、かつ架橋剤と反応
する反応基または自己架橋し得る反応基を有するアクリ
ル酸エステル共重合体および(b)充填剤からなるシー
リング剤組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるアクリル酸エステ
ル共重合体は、上記のとおり、アクリル酸エステル単量
体単位を主たる構成単位とし、エステル部分にシクロヘ
キシル構造を有するアクリル酸エステル単量体単位を全
構成単位の合計量を基準にして5〜50質量%有する。
エステル部分にシクロヘキシル構造を有するアクリル酸
エステル単量体(以下耐候性単量体ということがある)
としては、例えばアクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸4−メチルシクロヘキシル、アクリル酸4−メトキシ
シクロヘキシルおよびアクリル酸4−tert−ブチルシク
ロヘキシル等が挙げられる。好ましくは、他の単量体と
の共重合性に優れる点でアクリル酸シクロヘキシルであ
る。上記耐候性単量体は、それを共重合して得られる共
重合体に耐候性を付与する。アクリル酸エステル共重合
体における耐候性単量体単位の好ましい含有量は、5〜5
0質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%であ
る。耐候性単量体単位の割合が、5質量%未満であると
共重合体に十分な耐候性・耐汚染性を付与できなく、50
重量%を越えると共重合体のガラス転移温度が高くな
り、作業性に劣る。
【0006】アクリル酸エステル共重合体を構成する上
記耐候性単量体以外のアクリル酸エステル単量体(以下
その他のアクリル酸エステル単量体という)としては、
炭素数が2〜20のアルキル基を有するアクリル酸アル
キルおよびエステル部分に酸素原子、窒素原子またはハ
ロゲン原子等が含まれるアクリル酸エステル等が好まし
い。アクリル酸エステル共重合体におけるその他のアク
リル酸エステル単量体単位の好ましい含有量は、全単量
体単位の合計量を基準にして、20〜90質量%であり、さ
らに好ましくは30〜80質量%である。その他のアクリル
酸エステル単量体単位の割合が、20質量%未満であると
共重合体のガラス転移温度が高くなり、ゴム弾性が低下
し、一方90質量%を越えると耐水接着性が劣る。具体的
には、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸トリデシルおよびアクリル酸ステアリル等の
アクリル酸アルキル;アクリル酸シクロヘキシル、アク
リル酸イソボルニル、アクリル酸トリシクロデシニルお
よびアクリル酸テトラヒドロフルフリル等のアクリル酸
脂環式アルキル;アクリル酸2−メトキシエチル、アク
リル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸クロロエチル
およびアクリル酸トリフルオロエチル等のヘテロ原子含
有アクリル酸エステルが挙げられ、これらのうち1種、
または2種以上が用いられる。なお、アクリル酸メチル
を使用しても良いが、これを使用した共重合体は耐候性
に劣る。上記単量体の中でも、ガラス転移温度が低いこ
と、耐候性がよいことから、エステル部分が炭素数4〜
12のアルキル基であるアクリル酸エステル単量体がよ
り好ましい。さらに好ましくは、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸ラウリル
である。
【0007】本発明におけるアクリル酸エステル共重合
体は、シーリング剤の成分として塗工された後、架橋す
る必要があり、そのために架橋剤と反応する反応基また
は自己架橋する反応基を有することが必要である。かか
る反応基を有する単量体(以下反応性単量体という)単
位のアクリル酸エステル共重合体における含有量は、0.
1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜15質量%
である。反応性単量体単位の割合が、0.1質量%未満で
あると、共重合体の架橋が不十分になり、十分に硬化せ
ず、一方20質量%を越えると架橋密度が高くなり、柔軟
性が低下する恐れがある。架橋剤としてポリイソシアネ
ートを使用でき、その場合アクリル酸エステル共重合体
は水酸基を有するものであることが好ましい。水酸基を
アクリル酸エステル共重合体に与える単量体としては、
アクリル酸ヒドロキシエチル、 アクリル酸ヒドロキシブ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒド
ロキシエチルのε−カプロラクトン付加反応物およびト
リアクリル酸ペンタエリスリトール等のアクリル酸ヒド
ロキシアルキル類;メタクリル酸ヒドロキシエチルおよ
びメタクリル酸ヒドロキシブチル等のメタクリル酸ヒド
ロキシアルキル類;ヒドロキシエチルビニルエーテル、
ヒドロキシブチルビニルエーテルおよびヒドロキシプロ
ピルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエー
テル類;ヒドロキシエチルアリルエーテルおよびヒドロ
キシブチルアリルエーテル等のヒドロキシル基含有アリ
ルエーテル類;クロトン酸ヒドロキシエチルおよびクロ
トン酸ヒドロキシプロピル等のクロトン酸ヒドロキシア
ルキル類が挙げられる。これらの中でも、ガラス転移温
度が低いことおよび硬化剤との反応性の点から、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチルお
よびアクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトン
付加反応物が好ましく、特に好ましくはアクリル酸ヒド
ロキシエチルである。
【0008】架橋剤を併用しない場合、アクリル酸エス
テル共重合体は自己架橋する反応基(以下自己架橋性基
という)を有することが必要であり、自己架橋性基とし
ては、加水分解性基含有シリル基およびイソシアネート
基等が挙げられる。加水分解性基含有シリル基を有する
単量体は、一般的に次の化学式で表すことができる。 R1 −SiR2 n 1 3-n (1) (式中、R1 はオレフィン性不飽和結合を有する基、R
2 はオレフィン結合を有しない炭素数1〜20のアルキ
ル基、Y1 はハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ
基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、イミノオ
キシ基またはアルケニルオキシ基等の加水分解性基、Y
1 は同一分子内で同じでも異なってもよい、nは0〜2
までの整数)
【0009】具体的な化合物としては、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチル
ジメトキシシラン、ビニルメトキシジメチルシランおよ
びビニルトリクロロシラン等のビニルシラン類;アクリ
ル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリエト
キシシリルプロピルおよびアクリル酸メチルジメトキシ
シリルプロピル等のシリル基含有アクリル酸エステル
類;メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタク
リル酸トリエトキシシリルプロピルおよびメタクリル酸
メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有メタ
クリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニ
ルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメ
トキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニ
ルエステル類等が挙げられる。好ましい単量体は、アク
リル酸アルキルエステルとの共重合性や共重合体の柔軟
性より、メトキシ基またはエトキシ基を有するビニルシ
ランまたはシリル基含有アクリル酸エステルである。
【0010】イソシアネート基を有する単量体として
は、アリルイソシアネート、アクリロキシプロピルイソ
シアネートおよびメタクリロキシプロピルイソシアネー
ト等が挙げられる。また、前述した水酸基含有単量体と
イソシアネート基を2個有する化合物(例えば、2,4
−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートなど)を反応させて得られる、イ
ソシアネート基含有単量体も使用できる。アクリル酸エ
ステル共重合体中にイソシアネート基または加水分解性
基含有シリル基を導入するには、前記した単量体を使用
する以外に、例えば水酸基含有アクリル酸エステル共重
合体にγ−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート
等の加水分解性基含有シリル基とイソシアネート基の双
方を有する化合物を反応させる方法等も採用できる。
【0011】本発明におけるアクリル酸エステル共重合
体は、所望により上記した単量体以外の単量体(以下所
望単量体という)単位が含まれていてもよい。アクリル
酸エステル共重合体における所望単量体単位の好ましい
割合は、前記と同じ基準で0〜30質量%である。所望
単量体単位の割合が30質量%を越えるとと共重合体の
耐候性が不十分になる。所望単量体としては、メタクリ
ル酸エステル類、クロトン酸エステル類、α−オレフィ
ン類、クロロエチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエ
ステル類、イソプロペニルエーテル類、イソプロペニル
エステル類、アリルエーテル類およびアリルエステル類
などが挙げられる。具体的な化合物としては、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチルおよびメタクリル酸2−エ
チルヘキシル等のメタクリル酸アルキル;メタクリル酸
シクロヘキシルおよびメタクリル酸イソボルニル等のア
クリル酸脂環式アルキル;クロトン酸エチル、クロトン
酸ブチルおよびクロトン酸シクロヘキシル等のクロトン
酸エステル類;エチレン、プロピレン、1−ブテンおよ
びイソブチレンなどのα−オレフィン類;メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ルイソブチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリ
ル酸ビニル、ベオバ9、ベオバ10(シェル化学製、炭
素数が9および10の脂肪酸ビニル)およびラウリン酸
ビニル等のビニルエステル類;エチルアリルエーテルお
よびブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類が挙げ
られる。
【0012】上記単量体以外に、紫外線吸収能を有する
単量体、光安定性を有する単量体、各種の官能基を有す
る単量体を用いることも可能である。紫外線吸収能を有
する単量体としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール、メタクリロキシヒドロキシプロピル−3−〔3
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−ター
シャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネ
ートおよび2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシエト
キシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。また、光安定性
を有する単量体としては、1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジルメタクリレートおよび2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート
等が挙げられる。官能基含有単量体としては、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびビニルグ
リシジルエーテル等;アクリル酸およびメタクリル酸
等;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミドおよびN,N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げ
られる。
【0013】アクリル酸エステル共重合体のガラス転移
温度は−10℃以下が好ましく、−20℃以下がより好
ましい。ガラス転移温度が−10℃以上であると、冬期
にゴム弾性が不足し易く、また作業性も悪くなる。アク
リル酸エステル共重合体のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)による好ましい数平均分子量
(ポリスチレン換算)は、500〜10,000であ
り、さらに好ましくは700〜7,000である。共重
合体の数平均分子量が、500に満たないと充分な耐候
性が得られ難く、一方10,000を越えると、粘度が
高くなり、作業性に劣る。
【0014】アクリル酸エステル共重合体は、通常のラ
ジカル重合により製造される。ラジカル重合開始剤を用
いる場合は、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エトキシエチルオキシジカーボネート、タ
ーシャリーブチルパーオキシピバレート等の過酸化物;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等
が使用できる。重合開始剤の使用量は単量体100質量
部当たり2重量部以下が好ましい。重合においてメルカ
プトエタノール、2−ヒドロキシエチルジスルフィドお
よび2−ヒドロキシブチルジスルフィド等の連鎖移動剤
を使用してもよい。
【0015】上記重合に際し、重合溶剤を用いる溶液重
合およびと無溶媒で行う塊状重合のいずれも採用でき
る。重合溶剤を用いる場合、例えばテトラヒドロフラン
およびジオキサン等の環状エーテル類;ベンゼン、トル
エンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エ
チル、酢酸ブチルおよびエトキシプロピオン酸エチル等
のエステル類;アセトン、メチルエチルケトンおよびシ
クロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールおよびブタノール等のアルコール
類等が好ましい。重合温度は30〜300℃でよく、好
ましくは50℃〜270℃である。重合圧力は常圧から
5.0MPa程度で行うことができる。単量体の添加方
法は、全単量体を初期にバッチ仕込みしてもよいし、重
合の進行と共に一部の単量体を逐次添加または連続添加
するバッチ重合、或いは連続重合でもよい。特開昭57
−502171号および同59−6207号に開示され
ている高温連続重合も採用できる。
【0016】本発明において、水酸基を反応基とするア
クリル酸エステル共重合体を使用する場合、硬化剤を用
いる必要がある。硬化剤としては、多価イソシアネート
化合物、多価ブロックイソシアネート化合物およびアミ
ノプラスト樹脂等が好適である。具体的には、1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネートおよびキシリレ
ンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物、な
らびにこれらのイソシアヌレート系、ビウレット系およ
びポリオール変性系化合物が挙げられる。また、ブロッ
クイソシアネート化合物のブロック剤としては、フェノ
ール類、オキシム類およびアルコール類等が挙げられ
る。本発明においては、常温硬化可能な多価イソシアネ
ートが好ましく、さらに好ましくは、得られるシーリン
グ剤を柔軟にできる点でポリオキシアルキレン変性イソ
シアネートが好ましい。その中でも、主鎖骨格が、一部
ポリオキシエチレンでもよいポリオキシプロピレンであ
るものが好ましい。アクリル酸エステル共重合体に対す
る多価イソシアネートの添加量は、アクリル酸エステル
共重合体の水酸基のモル数と多価イソシアネートのモル
数の比が1:0.8〜1:1.3が好ましく、さらに好
ましくは1:0.9〜1:1.2になるような量であ
る。
【0017】加水分解性基含有シリル基を有するアクリ
ル酸エステル共重合体を使用する場合には、該アクリル
酸エステル共重合体以外の加水分解性基含有シリル基を
有する重合体をブレンドすることが可能である。かかる
重合体としては格別に制限はないが、引張特性を向上さ
せる点で、ポリアルキレンオキシドの末端にシリル基を
有するものが好ましい。ポリプロピレングリコールの末
端にシリル基を有するものがさらに好ましく、具体例と
してMSポリマー(商品名、鐘淵化学製)やエクセスタ
ー(商品名、旭硝子製)等が挙げられる。イソシアネー
ト基を有するアクリル酸エステル共重合体を使用する場
合も、その他のイソシアネート基を有する重合体をブレ
ンドすることが可能である。かかる重合体としては、ポ
リアルキレンオキシドの末端にイソシアネート基を有す
る重合体等が好ましい。上記したとおり、本発明におい
ては、水酸基、加水分解性基含有シリル基またはイソシ
アネート基のいずれの反応基を有するアクリル酸エステ
ル共重合体を用いる場合にも、該共重合体と反応性のポ
リアルキレンオキシド(好ましくはポリプロピレンオキ
シド)を併用することが好ましい。アクリル酸エステル
共重合体とポリアルキレンオキシドが反応して得られる
重合体によれば、シーリング剤の引張特性(伸び)を向
上させることができる。アクリル酸エステル共重合体と
ポリアルキレンオキシドの好ましい重量割合は、90:
10〜30:70である。
【0018】本発明のシーリング剤組成物は、前記した
アクリル酸エステル共重合体および以下に述べる充填剤
を必須成分とする。充填剤を添加することにより、得ら
れるシーリング剤組成物は力学的な性質が改善され、強
度や伸度が向上する。充填剤としては、平均粒径0.0
2〜2.0μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1.0
〜5.0μmの重質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化
亜鉛、カーボンブラック、合成ケイ酸、タルク、ゼオラ
イト、マイカ、シリカ、焼成クレー、カオリン、ベント
ナイト、水酸化アルミニウムおよび硫酸バリウム等が例
示される。この中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウムおよび酸化チタンが
好ましい。充填剤の添加量は、アクリル酸エステル共重
合体100質量部当たり、10〜300質量部が好まし
く、さらに好ましくは20〜250質量部である。充填
剤の量が10重量部未満であるかまたは300重量部を
越えると、シーリング剤の力学的性質が損なわれる。
【0019】本発明においては、シーリング剤組成物に
硬化反応の触媒を添加することが好ましい。そうするこ
とによって、シーリング剤を塗工してから架橋・硬化す
るまでの所要時間が短縮できる。触媒として用いる具体
的な化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチ
ル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、
ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジ
ブチル錫ジアセトアセトナート、オクチル酸錫およびジ
オクチル錫ジマレエート等の有機錫化合物;オクテン酸
鉛、オクチル酸鉛などの有機鉛化合物、テトラブチルチ
タネート、テトラプロピルチタネートなどの有機チタン
化合物;トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘ
キシルアミン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレ
ンジアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチ
ルピペラジン、N−メチルモルホリンおよびジアザビシ
クロウンデセン等のアミン系化合物が例示される。これ
らの中でも、有機錫化合物が反応性に優れる点で好まし
い。触媒の好ましい使用量はアクリル酸エステル共重合
体に対し0.01重量%〜10重量%である。
【0020】上記成分に加えて、必要によりベンゾフェ
ノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物および蓚酸
アニリド系化合物などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系化合物などの光安定剤、ヒンダードフェノール系な
どの酸化防止剤、ジオクチルフタレート、ジイソノニル
フタレート、ジオクチルアジペート、塩素化パラフィ
ン、エポキシ化大豆油およびポリアルキレングリコール
系化合物などの可塑剤、密着増強剤、水添ひまし油など
の垂れ防止剤、オルト蟻酸メチルおよびオルト酢酸メチ
ルなどの脱水剤、着色剤および有機溶剤等の添加剤を加
えてもよい。また、シーリング剤が硬化後の表面のタッ
クを防止する添加剤を配合してもよい。かかるタック防
止剤としては、ポリエステルポリアクリレート等からな
る光硬化性組成物、桐油、亜麻仁油、ポリブタジエンお
よび不飽和ポリエステル等の空気硬化性化合物が挙げら
れる。以下、実施例を挙げて、具体的に説明する。
【0021】
【実施例】<合成例1>環流冷却器、温度計、滴下ロー
ト、窒素置換用ガラス管及び攪拌器を取り付けた4つ口
フラスコに、アクリル酸シクロヘキシル(以下CHAと
いう)2.0部、アクリル酸ブチル(以下BAという)
4.0部、およびアクリル酸2−エチルヘキシル(以下
HAという)3.5部、アクリル酸ヒドロキシエチル
(以下HEAという)0.5部、溶媒としてトルエンを
80部、およびイソプロパノールを20部、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリルを2部仕込み、窒素を吹
き込みながら80℃において重合反応を開始した。この
後、CHA18.0部、BA36.0部、HA31.5
部、HEA4.5部からなる溶液を6時間にわたり連続
滴下して重合反応を行った。得られた反応液を減圧で溶
媒を留去して共重合体を得た。溶媒としてテトラヒドロ
フランを使用し、GPCより求めた分子量をポリスチレ
ン換算した共重合体の数平均分子量(以下Mnという)
は5,000、重量平均分子量(以下Mwという)は1
3,100、多分散度は2.6であった。また、水酸基
価(以下OHVという)は31.8(mg−KOH/g
−レジン)であり、1 H−NMRよる共重合体の組成
は、CHA/BA/HA/HEA=19/42/34/
5重量%)であった。ガラス転移温度(以下Tgとい
う)はDSCによる測定で、−53℃であった。
【0022】<合成例2〜5、比較合成例1、2>表1
に記載の単量体を使用し、合成例1と同様に操作を行い
共重合体を合成した。得られた共重合体の物性も表1に
併記した。なお、表1中、BMAはメタクリル酸ブチ
ル、VMSはビニルトリメトキシシランであり、また数
字の単位は質量部である。
【0023】
【表1】
【0024】<実施例1〜5、比較例1〜2>合成例1
〜5および比較合成例1〜2で得られたアクリル酸エス
テル共重合体100重量部に対し、XL1031T−1
1(武田薬品製、イソシアネート変性ポリプロピレンオ
キシド)、S203(鐘淵化学製、加水分解性基含有シ
リル基を有するポリプロピレンオキシド)、軽質炭酸カ
ルシウム(丸尾カルシウム製、カルファイン500)、
重質炭酸カルシウム(白石工業製、ホワイトンSB)、
酸化チタン〔石原産業(株)製CR−97〕、可塑剤
(ジオクチルフタレート)、硬化触媒(ジブチル錫ジラ
ウレート)および老化防止剤〔チバスペシャリティケミ
カル(株)製チヌビンB75〕を表2に示す質量部配合
して、シーリング剤を製造した。
【0025】
【表2】
【0026】表2に記載した各シーリング剤について、
引張接着性試験(被着体はアルミ)および水浸漬後の引
張接着性試験(JIS・A1439,建築用シーリング
材の試験方法)を実施し、その結果を表3に示した。破
壊状況の判定結果は、CF:シーリング材の凝集破壊、
AF:界面からの剥離で表した。また、以下の方法によ
り促進耐候性試験および耐汚染性試験を行い、その結果
も表3に記載した。 ・促進耐候性試験;試料をJIS・1439記載のホル
ダーに取り付け、サンシャインウェザオメータ(スガ試
験機製)に4000時間入れた後の表面状態と伸度保持
率(%)を測定した。表面状態の外観については、○:
変化なし、△:微少クラックあり、×:深いクラックあ
りによって表した。また、伸度保持率(%)は、(促進
耐候性試験後の伸度/初期の伸度)×100の値を使用
した。 ・耐汚染性試験;7cm×15cmのガラス板の上面1
/2に、試料をへらで泡が入らないように塗って厚み1
mmの試験板を作製した。名古屋市船見町で6ヶ月の屋
外曝露を行い、汚れ具合を目視により次の判定基準で評
価した。 ○:塵埃の付着がほとんどない、△:塵埃が少し付着す
る、×:塵がかなり付着する
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、高耐候性、汚染性およ
び耐水接着性に優れるシーリング剤組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AA24 AA25 AA31 AB01 AC01 AC05 AC17 AD05 AE03 4J002 BG041 DA036 DE106 DE136 DE146 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 FD016 GJ02 4J100 AL03Q AL04Q AL05Q AL08P BA05P BA31Q BB01Q BB17Q BC02Q BC04P BC04Q BC07Q CA04 FA08 FA18 JA67

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アクリル酸エステル単量体単位を
    主たる構成単位とする重合体であって、エステル部分に
    シクロヘキシル構造を有するアクリル酸エステル単量体
    単位を、全構成単位の合計量を基準にして5〜50質量
    %の割合で有し、かつ架橋剤と反応する反応基または自
    己架橋し得る反応基を有するアクリル酸エステル共重合
    体および(b)充填剤からなるシーリング剤組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル酸エステル共重合体のTgが−
    10℃以下である請求項1記載のシーリング剤組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル酸エステル共重合体と充填剤の
    割合が、アクリル酸エステル共重合体100質量部あた
    り充填剤10〜300質量部である請求項1または2記
    載のシーリング剤組成物。
  4. 【請求項4】 架橋反応を促進させる触媒が添加されて
    いることを特徴とする請求項1〜3記載のシーリング剤
    組成物。
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