JP2005281519A - プライマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材をはじめとする種々のシーリング材に適用されうるプライマー組成物を提供する。
【解決手段】主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、シランカップリング剤(B)と、溶剤(C)とを含有するプライマー組成物。
【選択図】なし
【解決手段】主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、シランカップリング剤(B)と、溶剤(C)とを含有するプライマー組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、種々のシーリング材に適用されうるプライマー組成物に関する。
建築用シーリング材として、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系およびポリウレタン系等の重合体を含有する組成物が用いられている。これらのシーリング材は、ガラス、アルミ、モルタル等の種々の材料よりなる基材(被着体)に応じて使い分けられている。しかしながら、シーリング材のみを用いた場合には、十分な接着力が得られない場合があった。特に、建築物のガラスまわりのシーリング材として使用された場合には、直射日光や雨風に長期間さらされるので、シーリング材に亀裂が生じたり、接着力が低下するという問題があった。そこで、建築物のガラスまわりのシーリング材としては、シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系シーリング材等の耐候性に優れるものが用いられているが、十分な接着性を維持するために、プライマーの使用が必須となっていることが多い。
ガラスまわりに用いられる各種シーリング材のプライマー組成物としては、ウレタン系、アクリル系、塩素化ポリオレフィン系、ポリエステル系重合体を樹脂成分とするプライマーが、シーリング材の種類に応じて用いられている。
例えば、特許文献1には、各種基材に対する接着性に優れることを目的とした、ヒドロキシ基末端イソブチレン系重合体および/または末端ヒドロキシ基とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるイソシアネート末端イソブチレン系重合体を含有することを特徴とするプライマー組成物が記載されている。また、このプライマー組成物は、ポリイソブチレン系シーリング材に適用した場合に特に有用である旨記載されている。
例えば、特許文献1には、各種基材に対する接着性に優れることを目的とした、ヒドロキシ基末端イソブチレン系重合体および/または末端ヒドロキシ基とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるイソシアネート末端イソブチレン系重合体を含有することを特徴とするプライマー組成物が記載されている。また、このプライマー組成物は、ポリイソブチレン系シーリング材に適用した場合に特に有用である旨記載されている。
しかしながら、特許文献1のプライマー組成物は、例えば、シリコーン系シーリング材やアクリル系シーリング材では、必ずしも十分な接着性が得られず、これらのシーリング材に対しても十分な接着性を有する汎用プライマー組成物が必要とされている。
したがって、本発明は、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材をはじめとする種々のシーリング材に適用されうるプライマー組成物を提供することを目的とする。
なお、本明細書において、ガラス耐候接着性とは、直射日光や雨風に長期間さらされた場合でも、ガラスに対する十分な接着性を維持できることを言う。
したがって、本発明は、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材をはじめとする種々のシーリング材に適用されうるプライマー組成物を提供することを目的とする。
なお、本明細書において、ガラス耐候接着性とは、直射日光や雨風に長期間さらされた場合でも、ガラスに対する十分な接着性を維持できることを言う。
本発明者は、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する(メタ)アクリル系重合体と、シランカップリング剤と、溶剤とを用いることにより、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材をはじめとする種々のシーリング材に対しても使用できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(2)を提供する。
(1)主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、
シランカップリング剤(B)と、
溶剤(C)と
を含有するプライマー組成物。
シランカップリング剤(B)と、
溶剤(C)と
を含有するプライマー組成物。
(2)更に、ウレタン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、塩素化ポリオレフィン系重合体およびポリエステル系重合体からなる群より選択される少なくとも1つの重合体(D)を含有する上記(1)に記載のプライマー組成物。
本発明のプライマー組成物は、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材をはじめとする種々のシーリング材に適用されうる。
以下、本発明のプライマー組成物を詳細に説明する。
本発明のプライマー組成物は、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)(以下、「重合体(A)」と言う。)と、シランカップリング剤(B)と、溶剤(C)とを含有する。
本発明のプライマー組成物は、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)(以下、「重合体(A)」と言う。)と、シランカップリング剤(B)と、溶剤(C)とを含有する。
<重合体(A)>
本発明に用いられる重合体(A)は、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体である。
本発明のプライマー組成物は、耐候性に優れる重合体(A)を樹脂成分とするため、ガラス耐候接着性に優れ、アクリル系シーリング材の他、イソブチレン系シーリング材に対しても好適に用いることができる。
本発明に用いられる重合体(A)は、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体である。
本発明のプライマー組成物は、耐候性に優れる重合体(A)を樹脂成分とするため、ガラス耐候接着性に優れ、アクリル系シーリング材の他、イソブチレン系シーリング材に対しても好適に用いることができる。
アクリル酸アルキルエステル単量体単位としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニルが挙げられる。
また、メタクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニルが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、メタクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニルが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体(A)の主鎖は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むものであれば特に限定されないが、これらの単量体単位の割合が50質量%を超えるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
重合体(A)の主鎖は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位のほかに、これらと共重合性を有する単量体単位を含んでいてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基を含有する単量体単位;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基を含有する単量体単位;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を含有する単量体単位;ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含有する単量体単位;ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート等は、湿分硬化性および内部硬化性の点で共重合効果を期待することができる。
そのほかに、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
そのほかに、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
重合体(A)の単量体組成は、用途、目的等により適宜選択される。
例えば、単量体のアルキルエステル部分のアルキル鎖が長い場合には、ガラス転移温度が低くなり、硬化物の物性は軟らかいゴム状弾性体となる。逆に、短い場合には、ガラス転移温度が高くなり、硬化物の物性も硬くなる。
一方、硬化後の物性は、重合体の分子量にも大きく依存する。
したがって、重合体の単量体組成は、分子量を考慮しつつ、所望の粘度、硬化後の物性等に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、単量体のアルキルエステル部分のアルキル鎖が長い場合には、ガラス転移温度が低くなり、硬化物の物性は軟らかいゴム状弾性体となる。逆に、短い場合には、ガラス転移温度が高くなり、硬化物の物性も硬くなる。
一方、硬化後の物性は、重合体の分子量にも大きく依存する。
したがって、重合体の単量体組成は、分子量を考慮しつつ、所望の粘度、硬化後の物性等に応じて、適宜選択すればよい。
重合体(A)の主鎖は、制御されたビニル重合の方法等によって得ることができる。例えば、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法等によって、溶液重合法、塊重合法等を行って得ることができるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
連鎖移動剤法においては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより、末端に官能基を有する重合体が得られる。
リビングラジカル重合法においては、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長することにより、ほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる。
連鎖移動剤法は、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないが、リビングラジカル重合法は、停止反応が起こりにくいため分子量分布が狭く(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)、粘度が低い重合体を得ることができ、特定の官能基を有する単量体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるので好ましい。本発明においては、特開2003−313397号公報に記載されている方法が好適に用いられる。
反応は、通常、上述した単量体単位、ラジカル開始剤、連鎖移動剤、溶剤等を混合させて50〜150℃で反応させることにより行われる。
連鎖移動剤法においては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより、末端に官能基を有する重合体が得られる。
リビングラジカル重合法においては、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長することにより、ほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる。
連鎖移動剤法は、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないが、リビングラジカル重合法は、停止反応が起こりにくいため分子量分布が狭く(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)、粘度が低い重合体を得ることができ、特定の官能基を有する単量体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるので好ましい。本発明においては、特開2003−313397号公報に記載されている方法が好適に用いられる。
反応は、通常、上述した単量体単位、ラジカル開始剤、連鎖移動剤、溶剤等を混合させて50〜150℃で反応させることにより行われる。
ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類;含ハロゲン化合物が挙げられる。
溶剤としては、例えば、エーテル類、炭化水素類、エステル類等の非反応性の溶剤が好適に挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類;含ハロゲン化合物が挙げられる。
溶剤としては、例えば、エーテル類、炭化水素類、エステル類等の非反応性の溶剤が好適に挙げられる。
加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
中でも、取扱いが容易である点で、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
重合体(A)が有する加水分解性ケイ素含有基の数は、1分子あたり少なくとも1個である。また、加水分解性ケイ素含有基の結合位置は、主鎖の末端であるのが好ましく、主鎖の末端のみであるのがより好ましい。また、主鎖の両末端にそれぞれ加水分解性シリル基を有するのが、接着性、耐候性の点から好ましい。
重合体(A)の主鎖に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法は、特に限定されず、例えば、(i)連鎖移動剤として加水分解性ケイ素含有基を含有するメルカプタンの存在下、上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(ii)連鎖移動剤としてメルカプト基と加水分解性ケイ素含有基以外の反応性官能基とを有する化合物(例えば、アクリル酸)の存在下、上記単量体単位を重合させ、生成した共重合体を加水分解性ケイ素含有基とY基と反応しうる官能基とを有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH3)3基とを有する化合物)と反応させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(iii)加水分解性ケイ素含有基を含有する化合物(例えば、アゾビスニトリル化合物、ジスルフィド化合物)を開始剤として上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(iv)リビングラジカル重合法によって上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(v)重合性不飽和結合と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物と上記単量体単位とを、加水分解性ケイ素含有基が1分子あたり少なくとも1個導入されるように単量体単位の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方法が挙げられる。
中でも、重合体(A)が、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体に加水分解性ケイ素含有基を有するヒドロシランをハイドロシリルレーションにより付加することにより製造されるのが好ましい態様の一つである。
末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、有機ハロゲン化合物またはハロゲン化スルホニル化合物を、開始剤と、触媒として周期表の第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体とを用いて、重合することにより得られる、(メタ)アクリル系重合体の末端ハロゲン基を、アルケニル基に変換することにより製造することができる。
ここで、末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル系重合体は、従来、連鎖移動剤として、四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化合物を用いて重合する方法により製造されてきた。
しかしながら、この方法では、重合体の両末端に確実にハロゲンを導入することが困難であった。
ここで、末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル系重合体は、従来、連鎖移動剤として、四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化合物を用いて重合する方法により製造されてきた。
しかしながら、この方法では、重合体の両末端に確実にハロゲンを導入することが困難であった。
これに対して、特開平1−247403号公報には、アルケニル基を有するジチオカーパメートまたはジアリルジスルフィドを連鎖移動剤として用いることにより、両末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法が記載されている。また、特開平6−211922号公報には、ヒドロキシ基含有ポリスルフィドまたはアルコール系化合物を連鎖移動剤として、末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系重合体を製造し、更に、ヒドロキシ基の反応を利用して末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法では、通常、重合体末端に確実にアルケニル基を導入することは困難である。
しかしながら、これらの方法では、通常、重合体末端に確実にアルケニル基を導入することは困難である。
一方、アルケニル基を経ないで加水分解性ケイ素含有基を有する(メタ)アクリル系重合体を得る方法として、特公平3−14068号公報には、(メタ)アクリル系モノマーを加水分解性ケイ素含有基含有メルカプタン、加水分解性ケイ素含有基含有ジスルフィドおよび加水分解性ケイ素含有基を有するラジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法が記載されている。また、特公平4−55444号公報には、アクリル系モノマーを加水分解性ケイ素含有基含有ヒドロシラン化合物またはテトラハロシラン化合物の存在下に重合させる方法が記載されている。更に、特開平5−97921号公報には、加水分解性ケイ素含有基を有する安定カルバニオンを開始剤としてアクリル系モノマーをアニオン重合させ、重合末端を2官能性の求電子化合物と反応させて、末端に加水分解性ケイ素含有基を有する(メタ)アクリル系重合体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法では、側鎖に官能基が導入される等の問題があった。即ち、末端に確実に加水分解性ケイ素含有基を導入することは困難であった。また、これらのラジカル重合で得られる重合体は、分子量分布が広く、粘度が高いという問題もあった。
しかしながら、これらの方法では、側鎖に官能基が導入される等の問題があった。即ち、末端に確実に加水分解性ケイ素含有基を導入することは困難であった。また、これらのラジカル重合で得られる重合体は、分子量分布が広く、粘度が高いという問題もあった。
そこで、近年、(メタ)アクリル系重合体の末端に官能基が確実に導入される方法として、リビングラジカル重合が注目されている。リビングラジカル重合は、特開平9−272714号公報等に記載されている。
特に、特開2000−154205号公報および特開2000−178456号公報には、リビングラジカル重合法の中でも、原子移動ラジカル重合法について詳しく記載されている。ここでは、開始剤として、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が用いられ、触媒として、周期表第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体が用いられる。また、末端に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。
特に、特開2000−154205号公報および特開2000−178456号公報には、リビングラジカル重合法の中でも、原子移動ラジカル重合法について詳しく記載されている。ここでは、開始剤として、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が用いられ、触媒として、周期表第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体が用いられる。また、末端に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。
また、特開2003−96106号公報には、(メタ)アクリル酸エステル単量体のラジカル重合を、開始剤として、2,2’−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)を用い、連鎖移動剤として、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等を用いて行うことが記載されている。ここでは、重合溶媒として2−プロパノール、イソブタノール等を用いると、第三級炭素原子に結合した水素原子を有するため、連鎖移動剤としても作用し、連鎖移動剤の使用量を低減することができる等の点で好ましいこと、および、芳香族溶剤を用いる場合よりも分子量分布を狭く制御することができることのため有用であると記載されている。
以上のような、いずれかの重合法により得られる(メタ)アクリル系重合体から製造される重合体(A)は、分子量分布が、通常のラジカル重合により得られる(メタ)アクリル系重合体が通常2.0以上であるのに対し、1.5以下と極めて狭いため、低粘度である。また、末端への官能基導入率も極めて高い。
重合体(A)の分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000であるものが、重合時の難易度、相溶性、取扱い粘度の点で好ましい。中でも、数平均分子量1,000〜50,000のものが強度と粘度とのバランスの点で好ましく、2,000〜30,000のものが、作業性等取扱いの容易さ、接着性等の点で、より好ましい。
重合体(A)は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
重合体(A)としては、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、鐘淵化学工業社製のSMAP(カネカテレケリックポリアクリレート) SA100S、SA110S、SA120SおよびSA200SX、鐘淵化学工業社製のカネカMSポリマーS943が挙げられる。
<シランカップリング剤(B)>
本発明のプライマー組成物は、シランカップリング剤を含有するので、種々のシーリング材に対する接着性およびガラスに対する接着性に優れ、その結果として重合体(A)に起因する優れたガラス耐候接着性を更に向上させることができる。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、特に限定されず、例えば、エポキシ基、アミノ基(ウレイド基)、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、ビニル基、メタクリロキシ基、カルボキシ基、イソシアネート基、ハロゲンおよびシクロプロピル基からなる群より選択される少なくとも1つの有機官能基を持つシランカップリング剤が挙げられる。
本発明のプライマー組成物は、シランカップリング剤を含有するので、種々のシーリング材に対する接着性およびガラスに対する接着性に優れ、その結果として重合体(A)に起因する優れたガラス耐候接着性を更に向上させることができる。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、特に限定されず、例えば、エポキシ基、アミノ基(ウレイド基)、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、ビニル基、メタクリロキシ基、カルボキシ基、イソシアネート基、ハロゲンおよびシクロプロピル基からなる群より選択される少なくとも1つの有機官能基を持つシランカップリング剤が挙げられる。
より具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン化合物;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等の(ポリ)スルフィド基含有シラン化合物;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニル基含有シラン化合物;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ基含有シラン化合物;
β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン化合物;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートエチルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートエチルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートエチルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートエチルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン化合物;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン化合物;メチルシリルエステル等のシリルエステル;オルソケイ酸エステル等のシラン化合物等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、接着性をより向上できるという点で、メルカプト基含有シラン化合物、アミノ基含有シラン化合物が好ましい。
上記シランカップリング剤は、市販品を用いてもよく、製造してもよい。製造条件は特に限定されず、公知の方法、条件で行うことができる。
シランカップリング剤は、上記重合体(A)100質量部に対して、1〜100質量部含有されるのが好ましい。この範囲であれば、耐候性等に悪影響を及ぼすことなく、接着性およびガラス耐候接着性を向上できる。この特性により優れる点から、シランカップリング剤の含有量は、1〜50質量部がより好ましく、1〜20質量部が更に好ましい。
<溶剤(C)>
本発明に用いられる溶剤としては、他の成分に対して不活性であればよく、各種の溶剤を用いることができる。具体的には、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、2種以上を混合して用いてもよい。なお、上記溶剤は、充分に乾燥または脱水してから用いることが好ましい。これらのうち、酢酸エチルやトルエンが、沸点が低く、乾きが速い等の点から好ましい。
本発明に用いられる溶剤としては、他の成分に対して不活性であればよく、各種の溶剤を用いることができる。具体的には、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、2種以上を混合して用いてもよい。なお、上記溶剤は、充分に乾燥または脱水してから用いることが好ましい。これらのうち、酢酸エチルやトルエンが、沸点が低く、乾きが速い等の点から好ましい。
上記溶剤(C)の含有量は、用途によっても異なるが、プライマー組成物の固形分濃度を、10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%であることが、プライマー組成物の塗布性および接着性が良好である点から好ましい。
<重合体(D)>
本発明のプライマー組成物は、更に、ウレタン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、塩素化ポリオレフィン系重合体およびポリエステル系重合体からなる群より選択される少なくとも1つの重合体(D)(以下、「重合体(D)」と言う。)を含有するのが好ましい。
このような重合体(D)を含有することにより、得られるプライマー組成物は硬化したときの強度が向上し物理的に安定なプライマー層を形成することができる。また、用いる基材およびシーリング材と、プライマーとの極性を合わせるように添加することにより、接着性が向上するので種々の基材およびシーリング材に対して用いることができる。また、重合体(D)は造膜性を有することから接着性の膜を形成し、接着性を向上させてプライマー組成物の接着性の安定性を向上させる。具体的には、本発明のプライマー組成物を用いて、建築部材を接着させた場合に、接着の失敗回数が減少し、接着に対する信頼性が向上する。
これらの重合体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。混合して用いる場合の各重合体の混合比は、特に限定されず、本発明のプライマー組成物が用いられる用途、要求される性質等を考慮して任意の値とすることができる。
本発明のプライマー組成物は、更に、ウレタン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、塩素化ポリオレフィン系重合体およびポリエステル系重合体からなる群より選択される少なくとも1つの重合体(D)(以下、「重合体(D)」と言う。)を含有するのが好ましい。
このような重合体(D)を含有することにより、得られるプライマー組成物は硬化したときの強度が向上し物理的に安定なプライマー層を形成することができる。また、用いる基材およびシーリング材と、プライマーとの極性を合わせるように添加することにより、接着性が向上するので種々の基材およびシーリング材に対して用いることができる。また、重合体(D)は造膜性を有することから接着性の膜を形成し、接着性を向上させてプライマー組成物の接着性の安定性を向上させる。具体的には、本発明のプライマー組成物を用いて、建築部材を接着させた場合に、接着の失敗回数が減少し、接着に対する信頼性が向上する。
これらの重合体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。混合して用いる場合の各重合体の混合比は、特に限定されず、本発明のプライマー組成物が用いられる用途、要求される性質等を考慮して任意の値とすることができる。
上記ウレタン系重合体としては、主鎖にウレタン結合を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、後述するポリイソシアネートとポリオールを反応して得られるものを用いることができる。
ウレタン系重合体の製造に用いられるポリイソシアネートは、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、またはこれらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。また、これらのポリイソシアネートとアミノシランやメルカプトシラン等を反応させた物を用いてもよい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のプライマー組成物は、上記ポリイソシアネートを含有していてもよい。本発明のプライマー組成物にポリイソシアネートを含めた場合、プライマー組成物の接着性の安定性が向上する。
ウレタン系重合体の製造に用いられるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールその他のポリオールおよびこれらの混合ポリオール等を使用することができる。
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種以上を付加して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種以上を付加して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
その他のポリオールとしては、ポリマーポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合比は、通常用いられる混合比を任意に選択できる。
ウレタン系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜500,000であることが好ましく、5,000〜100,000であることがより好ましい。
ウレタン系重合体の含有量は、0.1〜80質量%が好ましい。含有量がこの範囲であると、ウレタン系重合体同士が接着して分離した層が形成されることに起因する界面剥離を引き起こすおそれがなく、接着性の安定性を向上させる効果を発揮することができる。この特性により優れる点で、10〜60質量%がより好ましい。
ウレタン系重合体の製造方法は、通常のウレタン系重合体の製造方法と同様の方法を用いることができる。例えば、過剰量のポリオールと、ポリイソシアネートを、50〜100℃で加熱撹拌することにより得られる。必要に応じて、有機スズ化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いてもよい。
これらのウレタン系重合体は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、ウレタン系重合体は市販品を使用することもでき、例えば、三井武田ケミカル社製のタケネートN−165N、タケネートN−170等が好適に挙げられる。
これらのウレタン系重合体は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、ウレタン系重合体は市販品を使用することもでき、例えば、三井武田ケミカル社製のタケネートN−165N、タケネートN−170等が好適に挙げられる。
上記(メタ)アクリル系重合体としては、上記重合体(A)以外の(メタ)アクリル系重合体であれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、トリデシル、セチル、ステアリル、ドコサニル、ベヘニルエステル等が挙げられ、これらの1種または2種以上]の重合体、または、これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の共重合可能な単量体[例えば、(メタ)アクリル酸のベンジル、シクロヘキシル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、パーフルオロシクロヘキシル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルエステル;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロイルモルホリン;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸またはその塩;無水マレイン酸等の酸無水物または該酸無水物とアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレート等のビニルエステルまたはアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基含有ビニル化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基含有ビニル化合物;その他のビニル系化合物(2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸等)等が挙げられ、これらの1種または2種以上]との共重合体が挙げられる。特に、他の共重合可能な単量体として酢酸ビニルを用いたものが好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜200,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の含有量は、0.1〜80質量%が好ましい。含有量がこの範囲であると、(メタ)アクリル系重合体同士が接着して分離した層が形成されることに起因する界面剥離を引き起こすおそれがなく、接着性の安定性を向上させる効果を発揮することができる。この特性により優れる点で、10〜60質量%がより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体は市販品を用いてもよく製造してもよい。市販品として、例えば、鐘淵化学工業社製のゼムラック、同じく鐘淵化学工業社製のカネカテレケリックポリアクリレート SA100A、SA120A等が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体の製造方法は特に限定されず、公知の方法で行えばよい。例えば、メチルエチルケトンまたは酢酸エチル等の揮発性溶媒に、モノマー、必要に応じて他の単量体、および、過酸化物またはアゾ化合物等の重合開始剤を加え入れ、50〜90℃で6〜48時間反応させてラジカル重合させる方法が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体の製造方法は特に限定されず、公知の方法で行えばよい。例えば、メチルエチルケトンまたは酢酸エチル等の揮発性溶媒に、モノマー、必要に応じて他の単量体、および、過酸化物またはアゾ化合物等の重合開始剤を加え入れ、50〜90℃で6〜48時間反応させてラジカル重合させる方法が挙げられる。
上記塩素化ポリオレフィン系重合体としては、特に限定されないが、例えば、公知の塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン樹脂、ウレタン変性塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらのうち、塩素化ポリプロピレン樹脂を用いることが、得られるプライマー組成物の接着性が良好となるため好ましい。
また、上記塩素化ポリオレフィン系重合体の塩素含有率は、目的とする種々の塗膜性能(例えば、接着性)を考慮して適宜定められ、塗膜性能が著しく低下しない限り制限されるものではないが、ポリオレフィン系素材に対するプライマー組成物の接着性に優れるという点から、10〜80質量%とすることが好ましい。この特性により優れる点から20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が更に好ましい。
なお、上記塩素含有率は燃焼法によって測定された値である。
なお、上記塩素含有率は燃焼法によって測定された値である。
上記塩素化ポリオレフィン系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜250,000であることがより好ましい。
塩素化ポリオレフィン系重合体の含有量は、0.1〜80質量%が好ましい。含有量がこの範囲であると、塩素化ポリオレフィン系重合体同士が接着して分離した層が形成されることに起因する界面剥離を引き起こすおそれがなく、接着性の安定性を向上させる効果を発揮することができる。この特性により優れる点で、10〜60質量%がより好ましい。
上記塩素化ポリオレフィン系重合体は、市販品を用いてもよく製造してもよい。市販品としては、例えば、日本製紙社製のスーパークロン、東洋化成工業社製のハードレン、大阪曹達社製のダイソラック、三井化学社製のユニストール等が挙げられる。
上記ポリエステル系重合体としては、特に限定されないが、二塩基酸とグリコールとの縮合またはラクトン類等の環状エステルの開環重合等で得られるものが挙げられる。
上記二塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸等の芳香族二塩基酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸等の脂肪族二塩基酸等が挙げられる。中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸が好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記二塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸等の芳香族二塩基酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸等の脂肪族二塩基酸等が挙げられる。中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸が好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル系重合体を合成するのに用いるグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系グリコール;1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.0]−2,6−デカンジメタノール等の脂環族系グリコール等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
上記ポリエステル系重合体としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜50,000であることがより好ましい。
ポリエステル系重合体の含有量は、0.1〜80質量%が好ましい。含有量がこの範囲であると、ポリエステル系重合体同士が接着して接着層中に分離層が形成することに起因する界面剥離を引き起こすおそれがなく、接着性の安定性を向上させる効果を発揮することができる。この特性により優れる点で、10〜60質量%がより好ましい。
上記ポリエステル系重合体は、市販品を用いてもよく製造してもよい。市販品としては、例えば、東洋紡績社製のバイロン等が挙げられる。
<硬化触媒>
本発明のプライマー組成物は、更に、重合体(A)の硬化触媒を含有することが好ましい。硬化触媒を含有することにより、硬化反応の進行を促進して硬化に到る作業時間の短縮を図ることができ、これによりタックフリータイムも短縮され、実用上優れる。
本発明のプライマー組成物は、更に、重合体(A)の硬化触媒を含有することが好ましい。硬化触媒を含有することにより、硬化反応の進行を促進して硬化に到る作業時間の短縮を図ることができ、これによりタックフリータイムも短縮され、実用上優れる。
硬化触媒としては、特に限定されず、例えば、オクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉄、ブタン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫のようなカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジフェニル錫ジアセテート、酸化ジブチル錫、酸化ジブチル錫とフタル酸エステルとの反応生成物、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫(トリエトキシシロキシ)、ジブチル錫シリケートのような有機錫化合物;ジブチル錫ジアセチルアセトナートのような錫キレート化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−2−エチルヘキシルオキシチタン、テトライソプロペニルオキシチタンのようなチタン酸エステル;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(アセチルアセトナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタントリス(アセチルアセトナート)のようなチタンキレート化合物;テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムステアレートのようなジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)のようなジルコニウムキレート化合物;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウムのようなアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)のようなアルミニウムキレート化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンのような第1級アミン;ジブチルアミンのような第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミンのようなポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンのような環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのようなアミノフェノール化合物等のアミン化合物およびそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタートのような第4級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物等が挙げられる。
これらの硬化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの硬化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、保存中および作業中に揮発しにくいことから、金属化合物が好ましい。特に、微量の配合で優れた触媒能が得られることから、有機錫化合物、錫キレート化合物およびチタン酸エステルが好ましい。
硬化触媒の含有量は、硬化触媒の作用を十分に発揮でき、他の成分との相溶性に関しても問題がなく、硬化時に局所的な発熱や発泡が生じることもないという点で、0.1〜20質量部が好ましい。この特性により優れる点で、0.5〜10質量部が好ましく、1〜8質量部が更に好ましい。
本発明のプライマー組成物は、本発明の特性を損なわない範囲で、種々の充填剤、可塑剤、揺変剤、脱水剤、軟化剤、安定剤、着色剤、タレ防止剤、物性調整剤、難燃剤、補強剤、揺変剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料・顔料等の公知で種々の添加剤を配合することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機のものがあり、具体的には、例えば、塩素化ゴム、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;あるいはカーボンブラック、あるいはこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等を用いることができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機のものがあり、具体的には、例えば、塩素化ゴム、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;あるいはカーボンブラック、あるいはこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等を用いることができる。
本発明のプライマー組成物は、上記各成分を混合して得ることができる。混合する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ボールミルを用いる方法が挙げられる。
本発明のプライマー組成物の使用方法は、通常のプライマー組成物と同様である。即ち、本発明のプライマー組成物を基材に塗布し、適当な時間放置して乾燥させた後、シーリング材を塗布して、通常の方法で接着させればよい。
本発明のプライマー組成物は、樹脂成分として耐候性に優れる上記重合体(A)と、接着性を付与するシランカップリング剤(B)とを含有するため、ガラス基材との接着性およびガラス耐候接着性に優れ、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材をはじめとする種々のシーリング材に対しても使用できる。更に、上記重合体(D)を含有する場合、得られるプライマー組成物は硬化したときの強度が向上し物理的に安定なプライマー層を形成することができる。また、用いる基材およびシーリング材と、プライマーとの極性を合わせるように重合体(D)を添加することにより、接着性が向上するので種々の基材およびシーリング材に対して用いることができる。
したがって、本発明のプライマー組成物は、各種建築用シーリング材に対して好適に使用することができる。
したがって、本発明のプライマー組成物は、各種建築用シーリング材に対して好適に使用することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
下記第1表に示す成分を、第1表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し分散させ、第1表に示される各プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、以下のようにしてガラス耐候接着性を評価した。 結果を第1表に示す。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
下記第1表に示す成分を、第1表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し分散させ、第1表に示される各プライマー組成物を得た。
得られたプライマー組成物について、以下のようにしてガラス耐候接着性を評価した。 結果を第1表に示す。
(ガラス耐候接着性試験)
得られたプライマー組成物を、フロートガラス製のガラス板表面に刷毛を用いて塗布し、室温で1時間乾燥した。その後、該組成物の塗布面に、イソブチレン系シーリング材(マイレックス−Z、横浜ゴム社製)、または、後述するアクリル系シーリング材のいずれかをビード状に打設し、試験片とした。この試験片を23℃、50%RHで7日間養生し、更に50℃で7日間養生した。その後、ガラス越しにサンシャインウェザーメーター(WEL−SUN−D、スガ試験機社製)を用いて第1表に示す時間照射を行った。次に、シーリング材をナイフでカットし該カット部を手剥離して(手で摘んで引張り)、その剥離状態を観察することで、被着体と組成物との接着界面の状態を評価した。
なお、上記アクリル系シーリング材は、下記第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し分散させて得た。
得られたプライマー組成物を、フロートガラス製のガラス板表面に刷毛を用いて塗布し、室温で1時間乾燥した。その後、該組成物の塗布面に、イソブチレン系シーリング材(マイレックス−Z、横浜ゴム社製)、または、後述するアクリル系シーリング材のいずれかをビード状に打設し、試験片とした。この試験片を23℃、50%RHで7日間養生し、更に50℃で7日間養生した。その後、ガラス越しにサンシャインウェザーメーター(WEL−SUN−D、スガ試験機社製)を用いて第1表に示す時間照射を行った。次に、シーリング材をナイフでカットし該カット部を手剥離して(手で摘んで引張り)、その剥離状態を観察することで、被着体と組成物との接着界面の状態を評価した。
なお、上記アクリル系シーリング材は、下記第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し分散させて得た。
表中、「CF」はシーリング材組成物の凝集破壊を、「TCF」はシーリング材組成物の薄層破壊を、「AF」はシーリング材組成物とガラス板との間の界面剥離を、「−」は、未測定を表す。
上記第1表に示される各成分は、以下のとおりである。
・重合体(A):SMAP SA−100S、鐘淵化学工業社製
・ウレタン系重合体1:タケネートN−165N、三井武田ケミカル社製
・ウレタン系重合体2:タケネートN−170、三井武田ケミカル社製
・アクリル系重合体:ゼムラックYC3623、鐘淵化学工業社製
・塩素化ポリオレフィン系重合体:スーパークロンHP−620(塩素含有率62〜65質量%)、日本製紙社製
・ポリエステル系重合体:バイロン500、東洋紡績社製
・メルカプトシラン:KBM803、信越化学工業社製
・アミノシラン:A1110、日本ユニカー社製
・塩素化イソプレン系ゴム重合体:ペルグートS−20、住化バイエルウレタン社製
・重合体(A):SMAP SA−100S、鐘淵化学工業社製
・ウレタン系重合体1:タケネートN−165N、三井武田ケミカル社製
・ウレタン系重合体2:タケネートN−170、三井武田ケミカル社製
・アクリル系重合体:ゼムラックYC3623、鐘淵化学工業社製
・塩素化ポリオレフィン系重合体:スーパークロンHP−620(塩素含有率62〜65質量%)、日本製紙社製
・ポリエステル系重合体:バイロン500、東洋紡績社製
・メルカプトシラン:KBM803、信越化学工業社製
・アミノシラン:A1110、日本ユニカー社製
・塩素化イソプレン系ゴム重合体:ペルグートS−20、住化バイエルウレタン社製
上記第2表に示される各成分は、以下のとおりである。
・重合体(A):SMAP SA−100S、鐘淵化学工業社製
・コロイダル炭酸カルシウム:CCR−B、白石工業社製
・重質炭酸カルシウム:スーパーS、丸尾カルシウム社製
・可塑剤:ARUFON UP100、東亞合成社製
・老化防止剤:チヌビン327、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・酸化防止剤:イルガノックス1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・老化防止剤:LS−726、三共社製
・エポキシ樹脂:YD128、東都化成社製
・硬化触媒:ニッカオクチックスズ(25%)、日本化学産業社製
・ラルリルアミン:ファーミン20D、花王社製
・重合体(A):SMAP SA−100S、鐘淵化学工業社製
・コロイダル炭酸カルシウム:CCR−B、白石工業社製
・重質炭酸カルシウム:スーパーS、丸尾カルシウム社製
・可塑剤:ARUFON UP100、東亞合成社製
・老化防止剤:チヌビン327、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・酸化防止剤:イルガノックス1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・老化防止剤:LS−726、三共社製
・エポキシ樹脂:YD128、東都化成社製
・硬化触媒:ニッカオクチックスズ(25%)、日本化学産業社製
・ラルリルアミン:ファーミン20D、花王社製
上記第1表から明らかなように、実施例1〜5のプライマー組成物を用いた場合は、重合体(A)を含まないプライマー組成物(比較例1〜4)に比べて、ガラス耐候接着性により優れており、イソブチレン系シーリング材およびアクリル系シーリング材の両方に用いることができる。
Claims (2)
- 主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、
シランカップリング剤(B)と、
溶剤(C)と
を含有するプライマー組成物。 - 更に、ウレタン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、塩素化ポリオレフィン系重合体およびポリエステル系重合体からなる群より選択される少なくとも1つの重合体(D)を含有する請求項1に記載のプライマー組成物。
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