JP2005281529A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体の優れた耐候性、耐熱性、耐油性等を維持しつつ、特定の被着体に対する接着性を向上させた硬化性組成物の提供。
【解決手段】主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、
エポキシ樹脂(B)2〜80質量部と、
オキサゾリジン化合物(C1)および/またはケチミン化合物(C2)0.1〜40質量部と、
スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)と、
を含有する硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、改良された硬化速度、貯蔵安定性および物性と優れた接着性とを有する、加水分解性ケイ素含有基を有するアクリル系重合体を用いた硬化性組成物に関する。
加水分解性ケイ素含有基を有する有機重合体は、室温での優れた硬化性、配合設計の容易さ等から、シーリング材、接着剤等の用途の硬化性組成物に用いられている。特に、有機重合体が飽和炭化水素系のものである場合は、その優れた特性から、防水材、シーラントとして好適に用いられる。
しかし、前記飽和炭化水素系有機重合体は接着発現性に劣り、加えて耐候性に改良の余地があった。これらの課題を克服するために、種々の手法が検討されているが、それらの中で、イソブチレン系の主鎖や、ポリエーテルおよび/またはポリエステルの主鎖を有する加水分解性ケイ素含有基を有する重合体に、エポキシ樹脂と、オキサゾリジン化合物と、シラノール縮合物触媒と、アミン系助触媒とを添加した硬化性組成物が、難接着性鋼板等に対しても十分な接着性を発現することが見出されている(特許文献1参照)。
しかし、特定の被着体、具体的にはアルミニウムおよびステンレスに対する接着性が十分ではなく、耐候性に関しても未だ改良の余地があった。
この耐候性を改良することを目的としたものに、アクリル系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体(例えば、特許文献2〜6参照)がある。これは、耐候性に優れ、加えて耐熱性、耐油性に優れるため、過酷な環境下において、シーリング材、シール材、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、接着剤等の用途に好適に用いられる。
しかし、特定の被着体、具体的にはアルミニウム、ステンレスに対する接着性は、未だ十分ではなかった。
特開2002−20458号公報 特開平9−272714号公報 特開平11−43512号公報 特開平11−80249号公報 特開2000−154205号公報 特開2003−96106号公報
本発明は、アクリル系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体の優れた耐候性、耐熱性、耐油性を維持しつつ、特定の被着体、具体的にはアルミニウムおよびステンレスに対する接着性を向上させる硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、アクリル系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体と、エポキシ樹脂と、オキサゾリジン化合物および/またはケチミン化合物と、スズ触媒および/またはチタン触媒とを含有する組成物が、優れた耐候性、耐熱性、耐油性を維持しつつ、特定の被着体、具体的にはアルミニウムおよびステンレスに対する接着性も良好であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1)主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、
エポキシ樹脂(B)2〜80質量部と、
オキサゾリジン化合物(C1)および/またはケチミン化合物(C2)0.1〜40質量部と、
スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)と、
を含有する硬化性組成物。
(2)更に、前記重合体(A)100質量部に対し、50〜400質量部の炭酸カルシウムを含有する上記(1)に記載の硬化性組成物。
(3)更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部の分子量1000以下の加水分解性化合物を含有する上記(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(4)更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部のシランカップリング剤を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(5)前記シランカップリング剤が、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物である上記(4)に記載の硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、アクリル系の主鎖を有する重合体の優れた耐候性、耐熱性、耐油性等を維持しつつ、硬化特性、貯蔵安定性、硬化後の物性および各種被着体に対する接着性が向上している。従って、本発明の硬化性組成物は、過酷な環境下において、シーリング材、シール剤、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、接着剤等の用途に好適に用いられる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、重合体(A)と、エポキシ樹脂(B)と、オキサゾリジン化合物(C1)および/またはケチミン化合物(C2)と、スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)とを含有する。
初めに、重合体(A)について説明する。
重合体(A)は、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体である。
アクリル酸アルキルエステル単量体単位としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニルが挙げられる。
また、メタクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニルが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体(A)の主鎖は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むものであれば特に限定されないが、これらの単量体単位の割合が50質量%を超えるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
重合体(A)の主鎖は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位のほかに、これらと共重合性を有する単量体単位を含んでいてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基を含有する単量体単位;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基を含有する単量体単位;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を含有する単量体単位;ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含有する単量体単位;ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート等は、湿分硬化性および内部硬化性の点で共重合効果を期待することもできる。
そのほかに、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
重合体(A)の単量体組成は、用途、目的等により適宜選択される。
例えば、単量体のアルキルエステル部分のアルキル鎖が長い場合には、ガラス転移温度が低くなり、硬化物の物性は軟らかいゴム状弾性体となる。逆に、短い場合には、ガラス転移温度が高くなり、硬化物の物性も硬くなる。
一方、硬化後の物性は、重合体(A)の分子量にも大きく依存する。
したがって、重合体(A)の単量体組成は、分子量を考慮しつつ、所望の粘度、硬化後の物性等に応じて、適宜選択すればよい。
重合体(A)の主鎖は、制御されたビニル重合の方法等によって得ることができる。例えば、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法等によって、溶液重合法、塊重合法等を行って得ることができるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
連鎖移動剤法においては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより、末端に官能基を有する重合体が得られる。
リビングラジカル重合法においては、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することにより、ほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる。
連鎖移動剤法は、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないが、リビングラジカル重合法は、停止反応が起こりにくいため分子量分布が狭く(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)、粘度が低い重合体を得ることができ、特定の官能基を有する単量体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるので好ましい。本発明においては、特開2003−313397号公報に記載されている方法が好適に用いられる。
反応は、通常、上述した単量体単位、ラジカル開始剤、連鎖移動剤、溶剤等を混合させて50〜150℃で反応させることにより行われる。
ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類;含ハロゲン化合物が挙げられる。
溶剤としては、例えば、エーテル類、炭化水素類、エステル類等の非反応性の溶剤が好適に挙げられる。
加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
Figure 2005281529
中でも、取扱いが容易である点で、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
重合体(A)が有する加水分解性ケイ素含有基の数は、1分子あたり少なくとも1個である。また、加水分解性ケイ素含有基の結合位置は、主鎖の末端であるのが好ましく、主鎖の末端のみであるのがより好ましい。
重合体(A)の主鎖に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法は、特に限定されず、例えば、(i)連鎖移動剤として加水分解性ケイ素含有基を含有するメルカプタンの存在下、上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(ii)連鎖移動剤としてメルカプト基と加水分解性ケイ素含有基以外の反応性官能基とを有する化合物(例えば、アクリル酸)の存在下、上記単量体単位を重合させ、生成した共重合体を加水分解性ケイ素含有基とY基と反応しうる官能基とを有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH33基とを有する化合物)と反応させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(iii)加水分解性ケイ素含有基を含有する化合物(例えば、アゾビスニトリル化合物、ジスルフィド化合物)を開始剤として上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(iv)リビングラジカル重合法によって上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(v)重合性不飽和結合と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物と上記単量体単位とを、加水分解性ケイ素含有基が1分子あたり少なくとも1個導入されるように単量体単位の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方法が挙げられる。
中でも、重合体(A)が、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体に加水分解性ケイ素含有基を有するヒドロシランをハイドロシリルレーションにより付加することによる製造されるのが好ましい態様の一つである。
末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、有機ハロゲン化合物またはハロゲン化スルホニル化合物を、開始剤と、触媒として周期表の第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体とを用いて、重合することにより得られる、(メタ)アクリル系重合体の末端ハロゲン基を、アルケニル基に変換することにより製造することができる。
ここで、末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル系重合体は、従来、連鎖移動剤として、四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化合物を用いて重合する方法により製造されてきた。
しかしながら、この方法では、重合体の両末端に確実にハロゲンを導入することが困難であった。
これに対して、特開平1−247403号公報には、アルケニル基を有するジチオカーパメートまたはジアリルジスルフィドを連鎖移動剤として用いることにより、両末端にアルケニル基を有するアクリル系重合体の製造方法が記載されている。また、特開平6−211922号公報には、水酸基含有ポリスルフィドまたはアルコール系化合物を連鎖移動剤として、末端に水酸基を有するアクリル系重合体を製造し、更に、水酸基の反応を利用して末端にアルケニル基を有するアクリル系重合体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法では、重合体末端に確実にアルケニル基を導入することは困難である。
一方、アルケニル基を経ないで加水分解性ケイ素含有基を有する(メタ)アクリル系重合体を得る方法として、特公平3−14068号公報には、(メタ)アクリル系モノマーを加水分解性ケイ素含有基含有メルカプタン、加水分解性ケイ素含有基含有ジスルフィドおよび加水分解性ケイ素含有基を有するラジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法が記載されている。また、特公平4−55444号公報には、アクリル系モノマーを加水分解性ケイ素含有基含有ヒドロシラン化合物またはテトラハロシラン化合物の存在下に重合させる方法が記載されている。更に、特開平5−97921号公報には、加水分解性ケイ素含有基を有する安定カルバニオンを開始剤としてアクリル系モノマーをアニオン重合させ、重合末端を2官能性の求電子化合物と反応させて、末端に加水分解性ケイ素含有基を有するアクリル系重合体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法では、側鎖に官能基が導入されるなどの問題があった。即ち、末端に確実に加水分解性ケイ素含有基を導入することは困難であった。また、これらのラジカル重合で得られる重合体は、分子量分布が広く、粘度が高いという問題もあった。
一方、近年、アクリル系重合体の末端に官能基が確実に導入される方法として、リビングラジカル重合が注目されている。リビングラジカル重合は、特開平9−272714号公報等に記載されている。
特に、特開2000−154205号公報および特開2000−178456号公報には、リビングラジカル重合法の中でも、原子移動ラジカル重合法について詳しく記載されている。ここでは、開始剤として、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が用いられ、触媒として、周期表第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体が用いられる。また、末端に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。
また、特開2003−96106号公報には、(メタ)アクリル酸エステル単量体のラジカル重合を、開始剤として、2,2′−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)を用い、連鎖移動剤として、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等を用いて行うことが記載されている。ここでは、重合溶媒として2−プロパノール、イソブタノール等を用いられると、第三級炭素原子に結合した水素原子を有するため、連鎖移動剤としても作用し、連鎖移動剤の使用量を低減することができるなどの点で好ましいこと、および、芳香族溶剤を用いる場合よりも分子量分布を狭く制御することができることのため有用であると記載されている。
以上のような、いずれかの重合法により得られる(メタ)アクリル系重合体から製造される重合体(A)は、分子量分布が、通常のラジカル重合により得られる(メタ)アクリル系重合体が通常2.0以上であるのに対し、1.5以下と極めて狭いため、低粘度である。また、末端への官能基導入率も極めて高い。
重合体(A)の分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000であるものが、重合時の難易度、相溶性、取扱い粘度の点で好ましい。中でも、数平均分子量1,000〜50,000のものが強度と粘度とのバランスの点で好ましく、2,000〜30,000のものが、作業性等取扱いの容易さ、接着性等の点で、より好ましい。
重合体(A)は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
重合体(A)としては、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、鐘淵化学工業社製のSMAP(カネカテレケリックポリアクリレート) SA100S、SA110S、SA120SおよびSA200SX、鐘淵化学工業社製のカネカMSポリマーS943が挙げられる。
次に、エポキシ樹脂(B)について説明する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂(B)は、1分子内に平均1個以上のエポキシ基を有する未硬化のエポキシプレポリマーである。ここで1分子内のエポキシ基の平均値とは、エポキシ樹脂の分子量の合計をエポキシ当量の合計で割った値を指す。
具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。
また、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート828(油化シェルエポキシ社製)が挙げられる。
更に下記式
−(C24 OCH2 OC24n)−
(式中、nは1〜5の整数である。)
で表されるポリサルファイド骨格を主鎖とするポリサルファイド変性エポキシ樹脂も好適に用いられる。このポリサルファイド変性エポキシ樹脂の具体例は、東レチオコール社製のフレップ50、フレップ60、フレップ65等が挙げられる。
本発明においては、上述の各種エポキシ樹脂を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。後述するように、重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との相溶性・分離性は、接着発現性の優劣に関与するので、2種以上のエポキシ樹脂を併用することにより、両者の相溶性・分離性を適切な程度に調整することも有用である。
本発明の硬化性組成物におけるエポキシ樹脂(B)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、2〜80質量部であり、5〜50質量部であるのが好ましい。この範囲であると重合体(A)の特性を損なわない。
次に、オキサゾリジン化合物(C1)およびケチミン化合物(C2)について説明する。
本発明に用いられるオキサゾリジン化合物(C1)は、酸素と窒素を含む飽和5員環の複素環を有する化合物で、湿気(水)の存在下で開環するオキサゾリジン環を有する化合物である。具体的には、N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン、およびそのポリイソシアネート付加物、オキサゾリジンシリルエーテル、カーボネートオキサゾリジン、エステルオキサゾリジン等が挙げられる。
N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、例えば、アルカノールアミンとケトン又はアルデヒドとの脱水縮合反応によって調製することができる。N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンには、2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)とする)、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(2)とする)、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(3)とする)、2−(p−メトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(4)とする)、2−(2−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルオキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(5)とする)等が包含される。
Figure 2005281529
オキサゾリジンシリルエーテルは、上述のN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンと、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランとの反応により得られる。
この反応はチタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシドあるいは2価のSnを触媒として40℃〜160℃で、特に好ましくは80℃〜140℃で行う。
オキサゾリジンシリルエーテルの具体例を以下に示す。
Figure 2005281529
カーボネートオキサゾリジンは、例えば、特開平5−117252号公報の方法で得られるカーボネートオキサゾリジン等が挙げられる。カーボネートオキサゾリジンは、例えば上述のヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)等のヒドロキシアルキルオキサゾリジンとジアリルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピレンカーボネート等のカーボネートとを、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを用いて反応させることによって得ることができる。この反応は、例えばナトリウムメチラート等のエステル交換触媒の存在下で、60〜160℃、好ましくは100〜140℃の範囲の温度で行われる。触媒の添加量は、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン、カーボネート、多価アルコールの合計量に対して50〜1000ppmであるのが好ましい。
こうして調製されるカーボネートオキサゾリジンは、下記式1で表される。
Figure 2005281529

(式中、nは、1〜10の整数で、R4 およびR5 は各々独立に炭素数1〜8個の有機基である。R6 およびR7 は各々独立に水素原子又は炭素数1〜8個の有機基である。)
式1で表される化合物の一具体例には、下記カーボネートオキサゾリジン(1)がある。
Figure 2005281529
エステルオキサゾリジンとしては、例えば、米国特許第3661923号明細書および米国特許第4138545号明細書の方法で得られるエステルオキサゾリジン等の種々のエステルオキサゾリジンを用いることができ、例えば上述のヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)とジカルボン酸もしくはポリカルボン酸の低級アルキルエーテルとの反応によって得ることができる。具体的には、下記エステルオキサゾリジン(1)が挙げられる。さらに、下記エステルオキサゾリジン(2)で示されるバイエル社製のハードナーOZ等の市販品を使用することもできる。
Figure 2005281529
1分子中に3個以上のオキサゾリジン環を有するオキサゾリジン化合物を用いてもよく、この化合物は、下記式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物とを反応することによって1分子中に3個以上のオキサゾリジン環を有する化合物として合成する。
Figure 2005281529
ここでR8 は炭素数2〜3の直鎖状または分岐鎖を有する2価の脂肪族炭化水素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を示す。また、R9およびR10は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。
上記式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、相当するアルデヒドまたはケトンとN−ヒドロキシアルキルアミンより、公知の方法により合成される。
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、3−メチルブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2−メチルペンチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、3,5,5−トリメチルヘキシルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド;ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、トリメチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、イソプロピルベンズアルデヒド、イソブチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ジメトキシベンズアルデヒド、トリメトキシベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒド;等が好適である。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が好適である。
N−ヒドロキシアルキルアミンとしては、ビス−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、ビス−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンが好適である。
上述のアルデヒドまたはケトンと、ヒドロキシアルキルアミンとは、アルデヒドまたはケトンのモル数に対応する窒素の当モル量で反応するが、アルデヒドまたはケトンを1.01〜1.5の範囲で過剰に用いることが好ましい。特に好ましくは、1.01〜1.1の範囲である。この理由は、未反応のN−ヒドロキシアルキルアミンは生成物との分離が困難で、イソシアネートと反応するため、貯蔵安定性の低下の原因となるからである。
反応温度は、トルエン、キシレン等の溶媒中で、還流条件下で行うことが望ましい。
反応時間は、6〜24時間とすることが望ましく、特に8〜12時間とすることが望ましい。反応時間をこの範囲とした理由は、6時間未満では反応が不完全だからであり、24時間を超えると反応混合物が着色するからである。また、反応は通常の雰囲気で行うことが好ましい。反応終了後に、過剰のアルデヒドまたはケトンを減圧下で留去して、上述の式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンを得る。
ポリイソシアネート化合物は、有機基を有するポリイソシアネートであって、例えば、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、あるいはポリプロピレングリコール等の多価アルコール類と、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらの変性品等との反応生成物、あるいはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート化合物を、触媒の存在下で三量化させてイソシアヌレート環を形成させることによって得ることができる。式2のN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとの反応に際しては、これらのポリイソシアネート化合物を、単独で使用することができ、また、2種以上を併用してもよい。
式2で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物を、反応温度50℃〜100℃程度で、常圧下で反応させることで、1分子に3個以上のオキサゾリジン環を有するオキサゾリジン化合物が合成される。合成の際に、粘度を下げる目的でトルエン、キシレン等の溶剤を使用してもよい。
N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物との量比は、N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンのヒドロキシル基1モルあたりポリイソシアネート化合物が1モルで反応させるのがよい。
このような1分子に3個以上のオキサゾリジン環を有する化合物の具体例としては、下記式で表される多官能オキサゾリジン化合物(1)、(2)等が挙げられる。
Figure 2005281529
また、N-ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物との反応で得られるイソシアネートオキサゾリジン化合物の他の例としては、下記式3で表される化合物を示すことができる。
Figure 2005281529
ここで、R11は炭素数2〜6の、好ましくは炭素数2〜3の、より好ましくは炭素数2のアルキレン基である。
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数5〜7の脂環式アルキル基、または炭素数6〜10のアリール基である。
14は炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、またはウレタン結合を含む炭素数2〜6のアルキレン基またはウレタン結合を含むアリール基であり、ウレタン結合を有する炭素数1〜5のアルキル基またはアリール基であることが好ましい。
15はn個のポリイソシアネートからイソシアネート基を除去することによって得られる基で、イソシアネート化合物の骨格を形成するものであれば良い。ジイソシアネートまたはトリイソシアネート化合物の骨格となる化合物であることが好ましい。
nは、1〜4の整数であり、2または3であることが好ましい。特に、nが2または3であると、引張強度と引張伸び率のバランスがとれた硬化物が得られる。
イソシアネートオキサゾリジン化合物の具体例としては、
Figure 2005281529

などのTDIベース、MDIベース、XDIベース、HDIベースなどの多官能オキサゾリジン等が挙げられ、バイエルン社製のハードナーOZなどの市販品を使用することができる。
イソシアネートオキサゾリジン化合物の好ましい他の例は、下記式4:
Figure 2005281529

(式中、R16は、炭素原子数5以上の脂肪族炭化水素基、R17は、有機のポリイソシアネートからイソシアネート基を除いて得られる残基、mは1〜6の整数、nは0〜4の整数である。)
で示されるオキサゾリジン化合物である。
上記式中、R16は、炭素原子数5以上、好ましくは炭素原子数5〜15の脂肪族炭化水素基であって、例えば、n−ペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、3,5,5−トリメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デカニル、n−ウンデカニル、n−ドデカニル、n−トリデカニル、n−テトラデカニルなどが挙げられる。なかでも、炭素原子数5〜10の場合が好ましい。そして、R16の位置の置換基が、2置換基とも脂肪族炭化水素では加水分解が速すぎて、貯蔵安定性が悪い。また、R16が、芳香族基であると加水分解が遅く、硬化性が悪い。さらに、炭素原子数4以下では比較的加水分解が速くて、貯蔵安定性が悪い。
17は、有機のポリイソシアネートからイソシアネート基を除いて得られる残基であって、脂肪族、脂環式、芳香族のいずれでもよい。たとえば、トリレン、ジフェニルメタン、フェニレン、ポリメチレンポリフェニレンなどの芳香族基、ヘキサメチレンなどの脂肪族基、イソホロンなどの脂環式炭化水素基、キシレンなどの芳香族脂肪族基、さらに、これらのカルボジイミド変性基またはイソシアヌレート変性基などが挙げられ、これらの1種または2種以上の組み合わせとして使用される。
mは、1〜6の整数、特に、2〜3であるのが、硬化性、硬化物の物性の点で好ましい。また、nは、0〜4の整数、特に、0〜2であるのが、硬化性の点で好ましい。
式3で示されるイソシアネートオキサゾリジン化合物の製造方法は、
(a)ジエタノールアミンと相当するアルデヒドより下記式5で示されるN−ヒドロキシエチルオキサゾリジンを合成し、
Figure 2005281529

(式中、R18は、炭素原子数5以上の脂肪族炭化水素である。)
(b)得られた式5で示されるN−ヒドロキシエチルオキサゾリジンと有機ポリイソシアネートとを反応させて合成することができる。予め、N−ヒドロキシエチルオキサゾリジンが入手できている場合は、上記の工程(b)のみで、所期のイソシアネートオキサゾリジン化合物を得ることができる。
(a)の反応は、反応温度70〜150℃、溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒の存在下で反応させる。反応終了後、油浴下で、反応混合物を5〜10時間還流させる。
また、(b)の反応は、N−ヒドロキシエチルオキサゾリジンと有機ポリイソシアネートとを混合し、60〜90℃で、5〜10時間反応させる。また、必要に応じて、反応の途中で温度を変化させてもよい。
使用されるアルデヒドとしては、n−ヘキサナール、2−メチルペンタナール、2−メチルヘプタナール、n−オクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、n−デカナール、n−ウンデカナール、n−ドデカナール、n−トリデカナール、n−テトラデカナール、n−ペンタデカナールなどが挙げられ、これらのアルデヒドは、市販品として入手可能である。
また、イソシアネートオキサゾリジン化合物を合成するために使用される有機ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式、芳香族のいずれも使用可能である。
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;キシレンジイソシアネートなどの芳香族脂肪族ポリイソシアネート;およびこれらのカルボジイミド変性またはイソシアヌレート変性ポリイソシアネートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の組み合わせとして使用される。
上述のようにして得られたイソシアネートオキサゾリジン化合物は、さまざまに物性を調整できる等の特性がある。
成分(C1)の好ましい他の例は、オキサゾリジンシリルエーテルであり、例えば、(i)水酸基を含有するオキサゾリジンとアルコキシシランとの反応により得られるか、あるいは(ii)水酸基を有するオキサゾリジンとハロゲン化シリル化合物との反応等によって合成することができる。
この内(i)の反応はチタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシドあるいは2価の錫化合物(Sn2+)を触媒として40〜160℃で、特に好ましくは80〜140℃で行う。触媒は、そのまま添加しても、あるいはキシレン等の有機溶媒の溶液中に溶かして使用してもよい。このような触媒の使用量は、オキサゾリジン100質量部に対して、0.01〜5質量部、特に0.1〜2質量部であるのが、反応時間、生成物の純度の点で好ましい。
このようなオキサゾリジンシリルエーテルは、下記式6で示される化合物であるのが好ましい。
Figure 2005281529

式中、nは、0〜3の整数である。
19は、水素原子、炭素原子数1〜12個を有するアルキル基、アルコキシアルキル基、脂環基、アルコキシ基、アクリロキシアルキル基、アミノアルキル基またはメルカプトアルキル基、;ビニル基、フェニル基、アミノ基等が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、メタアクリロキシプロピル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシプロピル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、フェニル基、アミノ基、メルカプトプロピル基が例示される。nが、2以上の場合、R19基は、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。
20は炭素数2または3のアルキル基、特に、エチル基、イソプロピル基であるのが好ましい。
21は水素原子またはメチル基であるのが好ましい。
22、R23は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。さらに、炭素原子数3〜12であるのが好ましく、具体的には、イソプロピル基、イソペンチル基、フェニル基、例えばメトキシフェニル基などのアルコキシフェニル基が挙げられ、中でもR22、R23の内の一方が、水素原子であるのが、貯蔵安定性、硬化性の点で好ましい。
具体例は、下記式で示されるオキサゾリジンシリルエーテル化合物(1)〜(7)等が挙げられる。
Figure 2005281529
Figure 2005281529
さらに本発明の成分(C1)として好適に用いられるオキサゾリジン化合物は、下記式7で示される化合物である。
Figure 2005281529
ここでR24は炭素数1以上の直鎖状または分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基を示す。
また、R25およびR26は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
これらの好ましい具体例を以下に示す。
Figure 2005281529
本発明で用いられるケチミン化合物(C2)とは、アルデヒドまたはケトン化合物とアミン化合物とから導かれるケチミン(C=N)結合を有し、加水分解により1級アミノ基を顕現させる化合物であれば、特に限定されない。
このようなケチミン化合物の合成に用いられるアルデヒドまたはケトン化合物としては、広く公知のものを使用することができる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルt−ブチルケトン(MTBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、ジイソプロピルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ピバルアルデヒド等が挙げられる。
また、上記ケチミン化合物合成の原料として用いることができるアミン化合物としては、広く公知のものを使用することができる。具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ポリアミドアミン、イソホロンジアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、末端に1級アミノ基が結合したポリエーテルポリオール(PPG)、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、メタキシレンジアミン(MXDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジアミンなどが挙げられる。
このようなアミン化合物から誘導されるケチミン化合物として、上市されているものを使用することもできる。例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社製のエピキュアH−30、東洋合成工業株式会社製のHOK−01、チッソ株式会社製のケチミン化合物C:S−340、サンテクノケミカル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD400、ジェファーミンD2000、ジェファーミンEDR148等;デュポン・ジャパン社製のMPMD、三和化学社製のX2000、三菱ガス化学社製の1,3BAC、三井化学社製のNBDA等である。
このようなケチミン化合物の製造方法は、広く公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、ケトン化合物とアミン化合物とを、無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒存在下で加熱還流させ、副生成物の水を除去しながら反応させる方法等が挙げられる。ケチミン化合物の合成に用いられるアミン化合物がポリアミンである場合、そのアミノ基と結合するアルデヒドまたはケトン化合物は、同一のものであっても互いに異なるものであってもよい。
これらのオキサゾリジン化合物(C1)および/またはケチミン化合物(C2)は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の硬化性組成物におけるオキサゾリジン化合物(C1)および/またはケチミン化合物(C2)の含有量は、エポキシ樹脂(B)100質量部に対して、5〜50質量部であり、10〜30質量部であるのが好ましい。この範囲であると有機重合体の特性や硬化性を損なわない。
更に、スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)について説明する。
スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)は、従来公知のものを用いることができる。
スズ触媒(D1)としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナートが挙げられる。
チタン触媒(D2)としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類が挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)の含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、0.01〜5.0質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、炭酸カルシウムを含有するのが好ましい態様の一つである。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定されず、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、コロイダル炭酸カルシウムが挙げられる。
また、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理された表面処理炭酸カルシウムも用いることができる。具体的には、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとして、カルファイン200(丸尾カルシウム社製)、ホワイトン305(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)、ライトンA4(重質炭酸カルシウム、備北粉化工業株式会社)、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムとして、シーレッツ200(丸尾カルシウム社製)、スノーライトSS(重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製)等が好適に用いられる。中でも、脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等で表面処理されたものが、特に好ましい。表面処理炭酸カルシウムは、粘度を高くするため形状保持性および作業性に寄与し、また、表面が疎水性であるため貯蔵安定性に寄与する。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭酸カルシウムの含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、50〜400質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、分子量1000以下の加水分解性化合物を含有するのが好ましい態様の一つである。加水分解性化合物は、重合体(A)または炭酸カルシウム等が持つ水分を吸収し、貯蔵安定性を向上させるために効果的に用いられる。
このような加水分解性化合物としては、例えば、ビニルシラン、メルカプトシラン等の比較的低分子量のシランカップリング剤やオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等の加水分解性化合物が挙げられる。
分子量1000以下の加水分解性化合物の含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい態様の一つである。シランカップリング剤は、本発明の硬化性組成物の接着性を向上させる。
シランカップリング剤は、特に限定されないが、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物であるのが好ましい。
アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランが挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシランが挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の硬化剤を含有することができる。
例えば、アミン系硬化剤、酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、イミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系硬化剤、潜在性硬化剤、紫外線硬化剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム以外の充填剤、可塑剤、軟化剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤が挙げられる。
炭酸カルシウム以外の充填剤としては、各種形状のものを使用することができる。例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
可塑剤または軟化剤としては、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジペンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等の石油系軟化剤が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤としては、例えば、乾式シリカ、ホワイトカーボン、水素添加ひまし油、炭酸カルシウム、テフロン(登録商標)が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
上記のような各成分から本発明の硬化性組成物を製造する方法は、特に限定されないが、好ましくは上記各成分を、減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練し、均一に分散させる方法が好ましい。
本発明の硬化性組成物は、湿気硬化型であり、1液型の硬化性組成物として使用することができる。また、必要に応じて、重合体(A)を主剤側とし、スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)を硬化剤側とした2液型として使用することもできる。
本発明の硬化性組成物は、湿気にさらすと、加水分解性ケイ素含有基の加水分解により、硬化反応が進行する。また、適宜水分を供給して、硬化反応を進行させることもできる。
本発明の硬化性組成物は、土木建築用、コンクリート用、木材用、金属用、ガラス用、プラスチック用等のシーリング材、シール剤、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、接着剤等の用途に好適に用いられる。また、本発明の硬化性組成物は、湿気硬化型一成分系組成物として好適に用いられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜3)
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し分散させ、第1表に示される各硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物について、以下のようにして粘性、硬化後の物性、接着性を評価した。
(1)粘性
硬化性組成物を調製した後、密閉容器中、常温で1日間貯蔵し、その後、BS型粘度計を用い、7号スピンダルを1rpmで回転させて粘度を測定した。得られた測定値を「初期粘度」とした。
また、硬化性組成物を調製した後、密閉容器中、常温で1日間貯蔵し、更に50℃で7日間保存した後に、「初期粘度」と同様の粘度測定を行なった。得られた測定値を「貯蔵後粘度」とした。
(2)硬化後の物性
硬化性組成物をシート状にし、23℃、55%RHの条件下で3日間放置し、更に、50℃で4日間放置した後、2号ダンベル試験片を打ち抜き、引張速度100mm/minで引張試験を行い、破断時の引張応力(TB)を「初期強度」とした。
また、同様にシート状にした硬化性組成物を、23℃の水に7日間浸漬した後に、前記と同様な引張試験を行い、破断時の引張応力(TB)を「耐水強度」とした。
更に、前記と同様に23℃および50℃で放置した後に、更に90℃で7日間放置し養生して、その後、前記と同様な引張試験を行い、破断時の引張応力(TB)を「90℃、7日間強度」とした。
(3)接着性
ステンレス板の表面に硬化性組成物をビード状に打設し、23℃、55%RHの条件下で3日間放置し、更に、50℃、55%RHの条件下で4日間放置して養生した後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、はく離の状態を目視で観察して「ステンレス接着性」を評価した。
また、ガラス板の表面に硬化性組成物をビード状に打設し、23℃、55%RHの条件下で3日間放置し、更に、50℃、55%RHの条件下で4日間放置して養生した後、硬化性組成物を打設していない面の側から、サンシャインウエザオメーターでの照射を3000時間行った。その後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、はく離の状態を目視で観察して「ガラス耐候接着性」を評価した。
結果を第1表に示す。第1表中、ステンレス接着性およびガラス耐候接着性は、はく離の状態をCF(凝集破壊)、TCF(薄層凝集破壊)で示した。
Figure 2005281529
上記第1表に示される各成分は、以下のとおりである。
・重合体(A):SMAP SA100S、鐘淵化学工業社製
・ポリオキシアルキレン系重合体:MSポリマーS303、鐘淵化学工業社製
・エポキシ樹脂:エピコート828、油化シェルエポキシ社製
・ケチミン化合物A:エピキュアH−30、ジャパンエポキシレンジン社製
・ケチミン化合物B:HOK−01、東洋合成工業社製
・ケチミン化合物C:S−340、チッソ社製
・オキサゾリジン化合物:ZOLDINE MS−PLUS、ANGUS CHEMICAL COMPANY製、上記式11で表される3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン
・ファーミン20D:ラウリルアミン、花王社製
・表面処理炭酸カルシウム:カルファイン200、丸尾カルシウム社製
・重質炭酸カルシウム:ライトンA4、備北粉化工業社製
・ビニルシラン:ビニルトリメトキシシラン(A−171)、日本ユニカー社製
・可塑剤:フタル酸ジイソノニル(DINP)、ジェイ・プラス社製
・有機錫:ネオスタンU−220、日東化成社製
・酸化チタン:タイペークR−820、石原産業社製
・老化防止剤:チヌビン327、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
第1表から明らかなように、本発明の硬化性組成物(実施例1〜5)は、本発明の構成を有していない組成物である比較例と比べ、粘度、強度は同レベル、もしくはやや良好なレベルを維持しつつ、ステンレス接着性およびガラス耐候接着性が改善した。

Claims (5)

  1. 主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、
    エポキシ樹脂(B)2〜80質量部と、
    オキサゾリジン化合物(C1)および/またはケチミン化合物(C2)0.1〜40質量部と、
    スズ触媒(D1)および/またはチタン触媒(D2)と、
    を含有する硬化性組成物。
  2. 更に、前記重合体(A)100質量部に対し、50〜400質量部の炭酸カルシウムを含有する請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部の分子量1000以下の加水分解性化合物を含有する請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部のシランカップリング剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記シランカップリング剤が、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物である請求項4に記載の硬化性組成物。
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