JP4812245B2 - 湿気硬化型1液型樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、湿気硬化型1液型樹脂組成物およびその製造方法に関し、より詳細には、貯蔵安定性に優れ、また、塗膜の柔軟性や光沢性等の各種物性が改良された湿気硬化型1液型樹脂組成物およびその製造方法に関する。
従来、湿気硬化型1液型樹脂組成物として、エポキシ系樹脂組成物が知られている。このような湿気硬化型の1液型エポキシ系樹脂組成物は、物理的強度や接着性に優れ、接着剤、パテ材、塗料等のコーティング材、ポッティング材などとして、広く利用されている。湿気硬化型の1液型エポキシ系樹脂組成物では、潜在性硬化剤(特に、湿気分解型の潜在性硬化剤)としてケチミン系化合物などのイミン系化合物が用いられている(特許文献1〜特許文献3参照)。例えば、ケチミン系化合物を潜在性硬化剤として用いた1液型エポキシ樹脂組成物としては、通常、エポキシ樹脂と、ケチミン系化合物とを混合することにより調製されている。
なお、ケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物は、エポキシ樹脂や、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーなどの潜在性硬化剤として、広く知られており、空気中の湿気と反応して分解(加水分解)することにより、活性水素を有するアミン系化合物が生成し、このアミン系化合物が、エポキシ樹脂や、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーなどと反応して、硬化が生じる。
このような湿気硬化型1液型樹脂組成物では、その物性を改善する目的で、重合性不飽和単量体による重合体(例えば、アクリル系ポリマーなど)を配合する場合がある(特許文献4〜特許文献6参照)。特に、アクリル系ポリマーは、柔軟性や耐候性が優れており、物性改質剤として広く用いられている。例えば、重合性不飽和単量体による重合体として、アクリル系ポリマーを用いる場合、通常、アクリル系単量体と、必要に応じてアクリル系単量体に対して共重合性を有している単量体とを、酢酸エチル等の非反応性の溶剤中で重合して得られる重合体を用いている。すなわち、重合性不飽和単量体による重合体を調製した後、この重合体と、湿気硬化型1液型樹脂組成物の他の成分(エポキシ樹脂など)とを混合して、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製している。しかしながら、このように、重合性不飽和単量体を溶剤中で重合した場合、溶剤を多量に使用しているために、重合後には、溶剤の除去を行う必要があり、非常に手間がかかっていた。また、完全に溶剤を除去することは困難であり、環境への対応という面でも、問題となっていた。
特開平10−139849号公報 特開2000−265121号公報 特開2001−302769号公報 特開平8−48748号公報 特開2000−345055号公報 特開2002−088300号公報
しかしながら、無溶剤の条件では、ゲル化してしまうため、溶剤中で重合しており、事実上、アクリル系ポリマー等の重合体に、溶剤が混在してしまうのは回避することが難しく、未だ解決する手段が見出されていないのが現状である。
しかも、湿気硬化型の1液型エポキシ系樹脂組成物中に、アクリル系ポリマーを配合した場合、貯蔵安定性が低下してしまう場合があった。これは、エポキシ樹脂と、アクリル系ポリマーとの相溶性が低いために生じていると思われる。
なお、例えば、特開平8−48748号公報、特開2000−345055号公報、特開2002−088300号公報などでは、エポキシ樹脂と、アクリル系ポリマー又はアクリル系モノマーと、ケチミン系化合物とからなる1液型樹脂組成物が開示されているが、従来の1液型樹脂組成物では、アクリル系ポリマーを調製する際に、ケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物を溶剤として利用することは全く考慮されていない。すなわち、従来の1液型樹脂組成物では、ケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物は、エポキシ樹脂等のアミン反応性化合物に対する潜在性硬化剤として利用されているのみであり、前記アミン反応性化合物による硬化物の物性を改善する目的で配合される、重合性不飽和単量体による重合体を、調製する際の溶剤として利用されていなかった。
具体的には、特開平8−48748号公報では、「(A)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体、(B)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、及び(C)エポキシ樹脂、を含有してなる硬化性組成物」が開示されており、また「ケチミン類を使用することにより、一液型の配合物を作製することが可能である」と記載されている。この硬化性組成物では、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体(A)としては、シリル基等の反応性珪素基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が用いられており、「通常の溶液重合法や塊重合法等により得ることができる」との記載がある。また、「溶剤は、使用しても、使用しなくてもよいが、溶剤を用いる場合には、エーテル類、炭化水素類、酢酸エステル類等の非反応性溶剤が望ましい」と記載されており、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体(A)を調製する際に、溶剤としてケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物を用いることは全く記載されていない。
また、特開2000−345055号公報では、「少なくとも下記成分を含有する硬化性樹脂組成物;c)加水分解性の潜在性硬化剤[潜在性硬化剤(c)]、b)水との混合系において下限臨界共溶温度を持ち、かつ、相転移温度が0℃以上100℃未満であるポリマーと、水との混合物[混合物(b)]、d)加水分解性の潜在性硬化剤と反応しうる官能基を分子内に2個以上有する化合物[化合物(d)]」が開示されている。該文献では、潜在性硬化剤(c)として、ケチミンが例示されている。また、混合物(b)におけるポリマー(ポリマーb)として、ポリアクリルアミド誘導体が例示されている。さらに、化合物(d)における官能基として、エポキシ基が例示されている。この文献では、「混合物(b)を、いわゆる水分キャリヤーとして用いる」との記載があり、混合物(b)中のポリマーをいわゆる吸水性ポリマーとして利用している。そのため、硬化性樹脂組成物は、加熱によって硬化させることができる構成を有している。また、「上記それぞれの必須の成分と、必要に応じてその他の添加剤を、混合物(b)中のポリマーbが親水性から疎水性へと変化する温度よりも低い温度で、通常の混合装置(櫂型攪拌翼等)で混合することによって得る方法が例示される」と記載されており、前記混合物(b)中のポリマーbを調製する際に、溶剤としてケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物を用いることは全く記載されていない。
さらにまた、特開2002−088300号公報では、「(A)1分子中にエポキシ基を1個以上有し、かつ下記有機溶剤(E)に溶解可能なエポキシ樹脂、(B)カルボニル化合物でブロック化された第1級アミノ基を2個以上有し、該ブロック化されたアミノ基以外のアミノ基を有さないケチミン類化合物、(C)1分子中に不飽和基を2個以上有する多官能アクリレート、(D)脱水剤、及び(E)有機溶剤を含有する塗料であって、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基と該ケチミン類化合物(B)から再生される第1級アミノ基に結合する活性水素の合計との当量比が1:0.5〜2.0であり、且つ該第1級アミノ基と多官能アクリレート(C)中の不飽和基との当量比が1:0.03〜0.3であって、該有機溶剤(E)が、脂肪族炭化水素系及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を、該有機溶剤(E)中、95重量%以上含有するものであることを特徴とする一液型エポキシ樹脂塗料組成物」が開示されている。この一液型エポキシ樹脂塗料組成物中には、ケチミン類化合物(B)と、多官能アクリレート(C)とが含まれており、該多官能アクリレート(C)は、「低温での初期硬化性を向上させるために配合されるものであり、成膜時に上記ケチミン類化合物(B)中の第1級アミノ基と反応し、該硬化剤成分を高分子量化することにより、硬化性を確保するものである」との記載がある。すなわち、ケチミン類化合物(B)から生成するアミン(アミノ基)と、多官能アクリレート(C)の不飽和基とのマイケル付加反応を利用して、ケチミン類化合物(B)による硬化剤成分を重合させて、硬化性を発揮する構成を有している。従って、アクリル系ポリマーを重合する際の溶剤としてケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物を用いることは全く記載されていない。
このように、エポキシ樹脂やウレタン系プレポリマーなどのアミン反応性化合物と、ケチミン系化合物やアルジミン系化合物などのイミン系化合物とを用いた湿気硬化型1液型樹脂組成物において、その硬化物の物性を各種物性にコントロールするために、アクリル系ポリマーなどの重合性不飽和単量体による重合体を用いると、アミン反応性化合物と、重合性不飽和単量体による重合体との相溶性が低いために、湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性が低下し、実質的に、湿気硬化型1液型樹脂組成物として製品を販売することが不可能となってしまう問題があった。なお、硬化物の物性の改良を行う際には、本来の硬化性を損なわないことも重要である。
従って、本発明の目的は、硬化物の物性を各種物性にコントロールすることができるとともに、貯蔵安定性が優れている湿気硬化型1液型樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、硬化物の柔軟性や光沢性が改良され、しかも優れた硬化性を保持しつつ、貯蔵安定性が向上されている湿気硬化型1液型樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、エポキシ樹脂やウレタン系プレポリマーとアクリル系ポリマーとが組み合わされていても、溶剤の除去を必要とせず、しかも、長期間にわたり優れた貯蔵安定性を発揮できる湿気硬化型1液型樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、エポキシ樹脂又はウレタン系プレポリマーと、ケチミン系化合物又はアルジミン系化合物と、アクリル系ポリマーとからなる湿気硬化型1液型樹脂組成物において、潜在性硬化剤として用いられているケチミン系化合物やアルジミン系化合物を、アクリル系ポリマーの調製の際の溶剤としても利用すると、アクリル系ポリマーを調製した後、溶剤の除去を必要とせず、しかも、得られた湿気硬化型1液型樹脂組成物は貯蔵安定性が劇的に向上しており、さらに、湿気硬化型1液型樹脂組成物の本来の硬化性を損なうことなく、硬化物の物性の改良を行うことができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、フェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂又はその水添化物若しくは臭素化物、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、及びイソシアネート基末端ウレタン系ポリマーから選択されるアミン反応性化合物(A)(但し、下記の重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有する湿気硬化型1液型樹脂組成物であって、前記重合体(C)が、下記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であることを特徴とする湿気硬化型1液型樹脂組成物である。
Figure 0004812245
前記重合性不飽和単量体としては、アクリル系単量体を含んでいることが好ましく、また、下記式(2)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体を含んでいることが好ましい。
Figure 0004812245
(式(2)において、R5は水素原子又は炭化水素基を示す。)
本発明では、湿気硬化型1液型樹脂組成物において、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基1モルに対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基が反応することが可能なモル数をnモルとした場合、イミン系化合物(B)が、該イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基のモル数/アミン反応性化合物(A)における反応性官能基のモル数が0.5n〜2nとなるような割合で含まれていることが好適である。
前記湿気硬化型1液型樹脂組成物は、さらに、下記式(3d)、又は下記式(3e)で表されるシラン系化合物(D)(但し、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)を含有していてもよい。
Figure 0004812245
(式(3d)において、R 9 、R 10 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R 7 、R 8 は前記に同じ。式(3e)において、R 11 はOR 7 又はR 8 を示し、R 12 は有機基を示す。jは1以上の整数である。R 7 、R 8 、hは前記に同じ。)
前記湿気硬化型1液型樹脂組成物は、さらに、硬化触媒(E)を含有していてもよい。前記硬化触媒(E)としては、スズ系硬化触媒を好適に用いることができる。
前記重合体(C)としては、イミン系化合物(B)およびシラン系化合物(D)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であってもよく、また、イミン系化合物(B)、シラン系化合物(D)およびアミン反応性化合物(A)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であってもよい。
前記イミン系化合物(B)としては、下記式(1c)で表される基を有するケチミン系化合物を好適に用いることができる。
Figure 0004812245
(式(1c)において、R1a、R2aは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキル基を示す。)
前記イミン系化合物(B)としては、特に、下記式(1d)で表される基を有するケチミン系化合物が好適である。
Figure 0004812245
本発明は、また、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂又はその水添化物若しくは臭素化物、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、及びイソシアネート基末端ウレタン系ポリマーから選択されるアミン反応性化合物(A)(但し、下記の重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有する湿気硬化型1液型樹脂組成物を製造する方法であって、下記の工程(X)を具備することを特徴とする湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法である。
工程(X):下記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程
Figure 0004812245
前記製造方法では、さらに、下記工程(Y)を具備していてもよい。
工程(Y):工程(X)により得られたイミン系化合物(B)および重合体(C)を含む混合物と、アミン反応性化合物(A)とを混合する工程
前記工程(X)としては、イミン系化合物(B)、および下記式(3d)、又は下記式(3e)
Figure 0004812245
(式(3d)において、R 9 、R 10 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R 7 、R 8 は前記に同じ。式(3e)において、R 11 はOR 7 又はR 8 を示し、R 12 は有機基を示す。jは1以上の整数である。R 7 、R 8 、hは前記に同じ。)
で表されるシラン系化合物(D)(但し、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程であってもよく、また、イミン系化合物(B)、下記式(3d)、又は下記式(3e)
Figure 0004812245
(式(3d)において、R 9 、R 10 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R 7 、R 8 は前記に同じ。式(3e)において、R 11 はOR 7 又はR 8 を示し、R 12 は有機基を示す。jは1以上の整数である。R 7 、R 8 、hは前記に同じ。)
で表されるシラン系化合物(D)(但し、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)およびアミン反応性化合物(A)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程であってもよい。
尚、本明細書には、上記発明の他に、アミン系化合物に対する反応性官能基を含有するアミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有する湿気硬化型1液型樹脂組成物であって、前記重合体(C)が、下記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であることを特徴とする湿気硬化型1液型樹脂組成物、重合性不飽和単量体が、アクリル系単量体を含んでいる前記湿気硬化型1液型樹脂組成物、重合性不飽和単量体が、上記式(2)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体を含んでいる前記湿気硬化型1液型樹脂組成物、アミン反応性化合物(A)が、エポキシ基含有化合物又はイソシアネート基含有化合物である前記湿気硬化型1液型樹脂組成物、湿気硬化型1液型樹脂組成物において、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基1モルに対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基が反応することが可能なモル数をnモルとした場合、イミン系化合物(B)が、該イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基のモル数/アミン反応性化合物(A)における反応性官能基のモル数が0.5n〜2nとなるような割合で含まれている前記湿気硬化型1液型樹脂組成物、さらに、下記式(3)で表される加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)を含有している前記湿気硬化型1液型樹脂組成物についても記載する。
Figure 0004812245
(式(3)において、R 7 は水素原子又は炭化水素基を示す。)
本発明において、「1液型樹脂組成物」等の「1液型」とは、例えば、エポキシ系接着剤の分野で一般的にいわれている「1液型エポキシ系接着剤や2液型エポキシ系接着剤」における「1液型」のことを意味している。具体的には、1液型樹脂組成物とは、例えば、エポキシ樹脂等のポリマー硬化成分(主剤)と、ケチミン系化合物等の硬化剤とが1つの容器に入れられた状態(例えば、混合している状態)で、実質的に販売可能なものを意味し、室温で長期間貯蔵(又は保管)されても、ゲル化や硬化がほとんど又は全く生じず、実質的に初期状態(初期の分散状態)を長期間保持することができるものを意味している。従って、1液型樹脂組成物は、使用する際に、ポリマー硬化成分(エポキシ樹脂成分など)を、他の成分(硬化剤など)と混合する必要がなく、そのまま所定部位に塗布することにより、用いることができる。なお、貯蔵に係る長期間としては、例えば、6ヶ月以上、1年以上、1年6ヶ月以上など適宜選択可能であるが、少なくとも6ヶ月以上であることが好ましい。
一方、2液型樹脂組成物とは、ポリマー硬化成分と、硬化剤又は助剤等の他の成分とが、それぞれ異なる容器に入れられている状態で販売され、使用する際に、これらのポリマー硬化成分と、該ポリマー硬化成分と異なる容器に入れられた硬化剤又は助剤等の他の成分とを混合し、この混合物を所定の部位に塗布して、使用されるものを意味している。従って、2液型樹脂組成物は、使用する際に2液を混合して1液としているだけであって、1液にすると硬化又はゲル化が生じるため、実質的な貯蔵安定性がなく、1液型としては実質的に販売は不可能なものである。
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物によれば、硬化物の物性を各種物性にコントロールすることができるとともに、貯蔵安定性が優れている。特に、硬化物の柔軟性や光沢性が改良され、しかも優れた硬化性を保持しつつ、貯蔵安定性が向上されている。
さらには、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物によれば、エポキシ樹脂やウレタン系プレポリマーとアクリル系ポリマーとが組み合わされていても、溶剤の除去を必要とせず、しかも、長期間にわたり優れた貯蔵安定性を発揮できる。
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、アミン系化合物に対する反応性官能基を含有するアミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有しており、前記重合体(C)が、前記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であることを特徴としている。
このように、重合体(C)が、前記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であり、この重合により得られる混合物(重合混合物、または反応混合物)中には、イミン系化合物(B)および重合体(C)が含まれている。従って、本発明では、重合体(C)の調製の際に得られ、且つイミン系化合物(B)および重合体(C)を含む混合物(反応混合物)をそのまま利用することができるので、重合体(C)の調製の際に用いられた溶剤を、従来のように除去する必要がない。
特に、湿気硬化型1液型樹脂組成物の調製の際には、重合体(C)として、イミン系化合物(B)中で重合された状態で用いているために、湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性が顕著に改善されている。この理由は定かではないが次のように考えられる。例えば、重合体(C)を重合する際に溶媒として利用したイミン系化合物(B)は、分子中に、炭素−窒素二重結合(C=N結合)を有しているので、この部分は比較的極性が高くなっているので、比較的、種々の物質(ポリマー成分など)を溶解させることが可能であると思われる。したがって、イミン系化合物(B)中では、重合体(C)は分子が伸びた状態で溶解されていると考えられる。そのためか、重合体(C)の調製の際に得られる反応混合物[すなわち、イミン系化合物(B)及び重合体(C)の混合物]と、前記重合体(C)に対して相溶性が低いアミン反応性化合物(A)とを混合しても、イミン系化合物(B)及びアミン反応性化合物(A)中で重合体(C)の分子は縮こまらず、伸びた状態を保持することができると思われる。このように、分子が伸びて表面積が大きくなった重合体(C)が、アミン反応性化合物(A)とイミン系化合物(B)との反応をドラスティックに阻害しているために、湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性が顕著に改善されていると思われる。
なお、酢酸エチル等の溶剤中で重合性不飽和単量体を重合させて、重合体(C)を調製した場合、湿気硬化型1液型樹脂組成物の調製の際には、酢酸エチル等の溶剤を除去する必要があり、重合混合物(反応混合物)中の溶剤(酢酸エチルなど)を除去した後の重合体(C)を、イミン系化合物(B)中に添加して、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製しても、湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性は、実際、さほど高まってはいない。これは、溶剤を除去した後の重合体(C)は縮こまった状態となって、分子がほぐれ難くなっているためか、この一旦縮こまった状態の重合体(C)をイミン系化合物(B)中に添加しても、重合体(C)は縮こまった状態を保持して伸びた状態になり難く、その表面積が小さくなっていると思われる。これにより、アミン反応性化合物(A)とイミン系化合物(B)との反応の阻害効果を高いレベルで発揮できなくなっているために、酢酸エチル等の溶剤中で重合性不飽和単量体を重合させて、重合体(C)を用いた場合は、貯蔵安定性が低いと思われる。
また、アミン反応性化合物(A)中で重合性不飽和単量体を重合させても、重合体(C)は、アミン反応性化合物(A)に対して低い相溶性を有しているので、縮こまった状態となっていると思われる。
このように、潜在性硬化剤として用いられるイミン系化合物(B)の存在下で重合して得られる重合体(C)を用いた場合のみ、1液型樹脂組成物の貯蔵安定性を劇的に向上させることができる。すなわち、前記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる混合物(反応混合物)を、イミン系化合物(B)および重合体(C)として用いることにより、アミン系化合物に対する反応性官能基を含有するアミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有する湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性を、予想だにできなかったほど顕著に高めることができる。しかも、本来の硬化性を阻害せずに、重合体(C)により、湿気硬化型1液型樹脂組成物による硬化物の物性を改良することができる。従って、湿気硬化型1液型樹脂組成物による硬化物の物性を、貯蔵安定性を低下させることなく、種々に物性に容易に改良することができる。
このような湿気硬化型1液型樹脂組成物による硬化物の物性は、重合体(C)の種類やその配合割合などに応じて、目的とする各種物性に調整することができる。なお、湿気硬化型1液型樹脂組成物による硬化物の改良する物性としては、例えば、柔軟性、光沢性、塗り継ぎ性、表面白化防止性、密着性(付着性や接着性等)などが挙げられる。
[アミン反応性化合物(A)]
アミン反応性化合物(A)としては、アミン系化合物に対して反応性を有している官能基(反応性官能基)を含有する化合物(アミン反応性化合物)であれば特に制限されず、特に、潜在性硬化剤としてのイミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミン系化合物に対する反応性官能基を含有するアミン反応性化合物が好適に用いられる。すなわち、アミン反応性化合物(A)は、アミン系化合物(特に、潜在性硬化剤としてのイミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミン系化合物)と反応することができる。該アミン反応性化合物(A)としては、分子内に、アミン系化合物に対する反応性官能基を少なくとも2つ有するアミン反応性化合物を好適に用いることができる。このようなアミン系化合物に対する反応性官能基(アミン反応性官能基)としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、ジチオカーボネート結合(チオオキシ−チオカルボニル−オキシ結合)を有する基[ジチオカーボネート基;特に、環内にジチオカーボネート結合を有する環状の基(さらには5員環の環状の基)]、チイラン環を有する基(チイラン基)、電子吸引基含有ビニル基[2−カルボキシビニル基、2−(アルコキシカルボニル)ビニル基、2−シアノビニル基、2−カルボキシ−2−メチルビニル基、2−(アルコキシカルボニル)−2−メチルビニル基、2−シアノ−2−メチルビニル基など]、ビニルエステル部を有する基[2−(アシルオキシ)ビニル基、2−(アシルオキシ)−2−メチルビニル基など]などが挙げられる。アミン反応性化合物(A)は、アミン反応性官能基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。また、アミン反応性化合物(A)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アミン反応性化合物(A)としては、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を好適に用いることができ、特にエポキシ基含有化合物が好適である。エポキシ基含有化合物としては、エポキシ樹脂が好適であり、該エポキシ樹脂としては、特に制限されず、公知乃至慣用のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、エポキシ樹脂は、イミン系化合物(B)(特に、ケチミン系化合物)の加水分解により生成するアミン系化合物(アミン)と反応し得るエポキシ基を有していることが重要である。
具体的には、エポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂やこれらの誘導体(例えば、水添化物や臭素化物など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂の他、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂(例えば、メタキシレンジアミンやヒダントイン等のアミンのエポキシ化物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンやトリグリシジルパラアミノフェノール等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂など)、ゴム変性エポキシ樹脂(例えば、ゴム成分としてポリブタジエン等の合成ゴムや天然ゴムを含有するエポキシ樹脂など)、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂などが挙げられる。
なお、イソシアネート基含有化合物としては、ウレタン系プレポリマーを好適に用いることができる。このようなウレタン系プレポリマーとしては、ポリウレタンの原料として公知乃至慣用のウレタン系プレポリマー(特に、イソシアネート基末端ウレタン系ポリマー)を用いることができる。
[イミン系化合物(B)]
イミン系化合物(B)は、下記式(1)で表される基を有しているイミン系化合物を用いることができる。
Figure 0004812245
イミン系化合物(B)としては、前記式(1)で表される基を有している化合物であれば特に制限されないが、例えば、下記式(1a)で表される基を有するケチミン系化合物やアルジミン系化合物を好適に用いることができる。
Figure 0004812245
(式(1a)において、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基を示す。)
式(1a)において、R1、R2の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。
1、R2の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜20程度のアルキル基などが挙げられる。アルキル基としては、炭素数が2以上(例えば、2〜6)のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が2〜4のアルキル基が挙げられる。本発明では、R1、R2のアルキル基としては、特に炭素数が2又は3のアルキル基が好適であり、なかでも炭素数が2のアルキル基が最適である。
また、脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基などの環を構成する炭素数が5〜10程度のシクロアルキル基の他、多環式炭化水素環(例えば、ノルボルナンにおける炭化水素環等の橋かけ環など)を有する基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基やナフチル基などのアリール基などが挙げられる。なお、芳香族炭化水素基における芳香族性環としては、ベンゼン環や縮合炭素環(例えば、ナフタレン環等の2〜10個の4〜7員炭素環が縮合した縮合炭素環など)が挙げられる。
なお、R1、R2の炭化水素基は、置換基(例えば、炭化水素基など)を有していてもよい。なお、このような置換基としては、アミン反応性化合物(A)との反応性を有しておらず、また、イミン系化合物(B)の加水分解性や、イミン系化合物(B)の加水分解により生成したアミンとアミン反応性化合物(A)との反応性を損なわないものであることが重要である。
1、R2としては、少なくとも一方が炭化水素基であることが好ましく、このような炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(特に、アルキル基)や芳香族炭化水素基(特にフェニル基)が好ましい。R1、R2は、同一であっても異なっていてもよい。なお、R1、R2のうちいずれか一方が脂肪族炭化水素基(特にアルキル基)である場合、他方も脂肪族炭化水素基(特にアルキル基)であることが好ましく、また、R1、R2のうちいずれか一方が芳香族炭化水素基(特にフェニル基)である場合、他方は水素原子であることが好ましい。
イミン系化合物(B)は、分子中に、前記式(1)で表される基を少なくとも1つ有していればよい。従って、イミン系化合物(B)としては、例えば、下記式(1b)で表されるイミン系化合物(ケチミン系化合物やアルジミン系化合物など)を用いることができる。
Figure 0004812245
(式(1b)において、R3は1価若しくは多価の炭化水素基を示す。nは1以上の整数である。R1、R2は前記に同じ。)
式(1b)において、R3の1価の炭化水素基としては、前記R1、R2の炭化水素基と同様の炭化水素基(例えば、アルキル基などの脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基などの脂環式炭化水素基、アリール基などの芳香族炭化水素基など)を用いることができる。
また、R3の多価の炭化水素基としては、多価の脂肪族炭化水素基、多価の脂環式炭化水素基、多価の芳香族炭化水素基の他、これらの多価の炭化水素基が組み合わされた多価の基(「多価の複合炭化水素基」と称する場合がある)などが挙げられる。多価の脂肪族炭化水素基としては、アルキレン基などの2価の脂肪族炭化水素基を用いることができる。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の直鎖状のアルキレン基の他、分岐鎖又は置換基を有するアルキレン基(例えば、プロピレン基など)などが挙げられる。
多価の脂環式炭化水素基としては、単環式炭化水素環を有する多価の脂環式炭化水素基であってもよく、多環式炭化水素環を有する多価の脂環式炭化水素基であってもよい。多価の脂環式炭化水素基としては、2価の脂環式炭化水素基を好適に用いることができる。なお、前記単環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などの環を構成する炭素数が5〜10程度のシクロアルキレン環が挙げられる。また、多環式炭化水素環としては、例えば、橋かけ環などが挙げられる。該橋かけ環としては、例えば、二環式炭化水素環(例えば、ピナン、ピネン、ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカンなどにおける炭化水素環など)、三環式炭化水素環(例えば、アダマンタン、エキソトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、エンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンなどにおける炭化水素環など)、四環式炭化水素環(例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカンなどにおける炭化水素環など)などが例示できる。このような橋かけ環としては、環を構成する炭素数が6〜16程度(特に炭素数6〜14程度)の二環式ないし四環式炭化水素環(例えば、ピナン、ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネン、アダマンタンなどにおける炭化水素環など)を好適に用いることができる。
具体的には、シクロヘキサン環を有する2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基が挙げられる。また、ノルボルナンにおける二環式炭化水素環を有する2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、ノルボルナン−2,3−ジイル、ノルボルナン−2,5−ジイル、ノルボルナン−2,6−ジイルなどのノルボルナン−ジイル基などが挙げられる。
多価の芳香族炭化水素基としては、アリレン基などの2価の芳香族炭化水素基を用いることができる。アリレン基としては、例えば、フェニレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基など)などのベンゼン環を有する2価の芳香族炭化水素基や、ナフチレン基などのナフタレン環を有する2価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。なお、多価の芳香族炭化水素基における芳香族性環としては、ベンゼン環やナフタレン環の他、アズレン、インダセン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレンなどの2〜10個の4〜7員炭素環が縮合した縮合炭素環なども挙げられる。
さらにまた、これらの多価の炭化水素基が組み合わされた多価の基(多価の複合炭化水素基)としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(アルキレン基など)、単環式炭化水素環又は多環式炭化水素環を有する2価の脂環式炭化水素基(シクロアルキレン基やノルボルナン−ジイル基など)、ベンゼン環又は縮合炭素環を有する2価の芳香族炭化水素基(フェニレン基やナフチレン基など)が適宜組み合わされた2価の基(2価の複合炭化水素基)を好適に用いることができる。2価の複合炭化水素基としては、例えば、アルキレン−フェニレン基、アルキレン−フェニレン−アルキレン基などの脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが組み合わされた2価の複合炭化水素基;アルキレン−シクロアルキレン基、アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン基、アルキレン−ノルボルナン−ジイル基、アルキレン−ノルボルナン−ジイル−アルキレン基などの脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが組み合わされた2価の複合炭化水素基などが挙げられる。これらの多価の複合炭化水素基が組み合わされた基において、アルキレン部位、フェニレン部位、シクロアルキレン部位、ノルボルナン−ジイル部位としては、前記例示のアルキレン基、フェニレン基、シクロアルキレン基、ノルボルナン−ジイル基などを用いることができる。従って、アルキレン部位としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレンなどが挙げられる。フェニレン部位としては、例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンなどが挙げられる。シクロアルキレン部位としては、例えば、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレンなどが挙げられる。ノルボルナン−ジイル部位としては、例えば、ノルボルナン−2,3−ジイル、ノルボルナン−2,5−ジイル、ノルボルナン−2,6−ジイル等のノルボルナン−ジイルなどが挙げられる。
具体的には、多価の複合炭化水素基としては、例えば、メチレン−1,3−フェニレン−メチレン(m−キシリレン)基、メチレン−1,3−シクロヘキシレン−メチレン基、メチレン−ノルボルナン−2,5−ジイル−メチレン基、メチレン−ノルボルナン−2,6−ジイル−メチレン基や、これらの基においてメチレン部位が他のアルキレン部位(例えば、エチレン部位、トリメチレン部位、プロピレン部位など)となっている基などが挙げられる。
なお、R3の炭化水素基は、置換基(例えば、炭化水素基など)を有していてもよく、該置換基としては、アミン反応性化合物(A)(例えば、エポキシ樹脂やウレタン系プレポリマーなど)との反応性を有しておらず、また、イミン系化合物(B)の加水分解性や、イミン系化合物(B)の加水分解により生成したアミン系化合物とアミン反応性化合物(A)との反応性を損なわないものであることが重要である。
また、前記式(1b)において、nは1以上の整数である。nとしては、1以上の整数であれば特に制限されないが、例えば、1〜10(好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3)の整数から選択することができる。なお、nとしては、1又は2である場合が多い。
このようなイミン系化合物(B)としては、特にアミン反応性化合物(A)がエポキシ基含有化合物(エポキシ樹脂など)である場合、下記式(1c)で表される基を有するケチミン系化合物を好適に用いることができる。
Figure 0004812245
(式(1c)において、R1a、R2aは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキル基を示す。)
1a、R2aの炭素数2〜6のアルキル基としては、前記R1a、R2aのアルキル基として例示したアルキル基の中から炭素数が2〜6のアルキル基を適宜選択して用いることができる。R1a、R2aのアルキル基としては、前記R1、R2のアルキル基の項で例示したように、炭素数が2のアルキル基が最適である。すなわち、イミン系化合物(B)としては、下記式(1d)で表される基を有するケチミン系化合物が特に好ましい。
Figure 0004812245
このようにイミン系化合物(B)が前記式(1c)又は(1d)で表される基を有するケチミン系化合物であると[すなわち、前記式(1a)におけるR1およびR2が、それぞれ、炭素数が2〜6のアルキル基(例えば、エチル基やプロピル基など)であると]、イミン系化合物(B)の加水分解速度が速くなる場合がある。そのため、該加水分解により、アミン系化合物の生成速度が速まり、その結果、該アミン系化合物と、アミン反応性化合物(A)(例えば、エポキシ基含有化合物など)との反応による架橋構造の形成速度も速まり、優れた速硬化性、すなわち優れた初期密着性(初期接着性または初期付着性など)を発揮させることができるようになる。
特に、前記式(1a)におけるR1およびR2が、炭素数が2以上のアルキル基(特に、炭素数が2〜6のアルキル基)であると、R1及びR2のうちいずれか一方がメチル基である場合よりも、イミン系化合物(B)としてのケチミン系化合物の加水分解速度が速い場合があり、R1及びR2のうちいずれか一方がメチル基である必要性は全くない。なお、イミン系化合物(B)の加水分解[特に、前記式(1c)又は(1d)で表される基を有するケチミン系化合物の加水分解]は、空気中の湿気によって容易に生じる。
本発明では、前記式(1c)又は(1d)で表される基を有するケチミン系化合物としては、なかでも、炭化水素基に、前記式(1c)又は(1d)で表される基が1つ結合しているケチミン化合物や、炭化水素基に、前記式(1c)又は(1d)で表される基が2つ結合しているケチミン化合物が好ましく、特に、炭化水素基に、前記式(1c)又は(1d)で表される基が2つ結合しているケチミン化合物が最適である。
また、本発明では、イミン系化合物(B)としては、特にアミン反応性化合物(A)がイソシアネート基含有化合物(ウレタン系プレポリマーなど)である場合、下記式(1e)で表される基を有するアルジミン系化合物を好適に用いることができる。
Figure 0004812245
(式(1e)において、R1bはアリール基を示す。)
1bのアリール基としては、前記R1、R2のアリール基として例示したアリール基の中から適宜選択することができ、フェニル基が最適である。もちろん、R1bのアリール基(フェニル基など)は、前述のように、置換基(例えば、アルキル基などの炭化水素基など)を有していてもよい。
本発明では、イミン系化合物(B)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、イミン系化合物(B)は、例えば、カルボニル化合物(ケトンやアルデヒド)とアミンとを反応させることにより調製することができる。具体的には、前記式(1b)で表されるイミン系化合物(B)は、下記式(1b1)で表されるカルボニル化合物と、下記式(1b2)で表される第1級アミン系化合物とを反応させることにより得ることができる。
Figure 0004812245
(式(1b1)において、R1、R2は前記に同じ。)
Figure 0004812245
(式(1b2)において、R3、nは前記に同じ。)
より具体的には、前記式(1b)で表されるイミン系化合物(B)は、前記式(1b1)で表されるカルボニル化合物と、前記式(1b2)で表される第1級アミン系化合物とを無溶剤下、または非極性溶剤(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼンなど)の存在下で混合し、その後、加熱環流し、必要に応じて生成する水を共沸により除去することにより調製することができる。なお、カルボニル化合物や第1級アミン系化合物は、それぞれ、単独で又は2種以上組み合わせて使用されていてもよい。なお、反応速度を速くするため、必要に応じて、酸触媒などの触媒を用いてもよい。
このようなイミン系化合物(B)の調製に際しては、カルボニル化合物およびアミン系化合物のうちいずれか一方の成分(特に、カルボニル化合物)が過剰に用いられていてもよく、反応終了後に残存するカルボニル化合物又はアミン系化合物は、蒸留等により反応中や反応後に除去することができる。
また、イミン系化合物(B)の調製において、すべてのアミノ基がカルボニル化合物と反応せずに、アミノ基が残存する場合があり、例えば、アミン系化合物として多価のアミン(ポリアミン)を用いた場合では、イミン系化合物(B)中にアミノ基が残存したり、また、未反応のアミン系化合物が残存したりする場合がある。このように、イミン系化合物(B)の調製により得られた反応混合物中にアミノ基が残存している場合、アミン反応性基を有する化合物(「アミノ基ブロック化合物」と称する場合がある)を用いて、前記アミノ基をブロックさせて失活させてもよく、このブロックするタイミングは、重合体(C)を調製する際の重合前や重合後のいずれであってもよいが、好ましくは重合前である。なお、アミノ基ブロック化合物におけるアミン反応性基としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カーボネート基、ジチオカーボネート基[特に、環内にジチオカーボネート結合を有する環状の基(さらには5員環の環状の基)]、チイラン基、電子吸引基含有ビニル基[2−カルボキシビニル基、2−(アルコキシカルボニル)ビニル基、2−シアノビニル基、2−カルボキシ−2−メチルビニル基、2−(アルコキシカルボニル)−2−メチルビニル基、2−シアノ−2−メチルビニル基など]、ビニルエステル部を有する基[2−(アシルオキシ)ビニル基、2−(アシルオキシ)−2−メチルビニル基など]などが挙げられる。
なお、前記式(1b1)で表されるカルボニル化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソプロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、t−ブチルアルデヒド、s−ブチルアルデヒド等の脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド等の芳香族アルデヒドなどのアルデヒド類;ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルケトン、メチルs−ブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチルブチルケトン、エチルイソブチルケトン、エチルt−ブチルケトン、エチルs−ブチルケトン、エチルペンチルケトン、エチルヘキシルケトン、エチルヘプチルケトン、エチルオクチルケトン、エチル2−エチルヘキシルケトン、ジプロピルケトン、プロピルイソプロピルケトン、プロピルブチルケトン、プロピルイソブチルケトン、プロピルt−ブチルケトン、プロピルs−ブチルケトン、プロピルペンチルケトン、プロピルヘキシルケトン、プロピルヘプチルケトン、プロピルオクチルケトン、プロピル2−エチルヘキシルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジt−ブチルケトン、ジs−ブチルケトン、ジペンチルケトン、ジヘキシルケトン等の脂肪族ケトン(例えば、C1-20アルキル−C1-20アルキルケトン)などのケトン類などが挙げられる。
また、前記式(1b2)で表される第1級アミン系化合物には、1価のアミン(モノアミン)や多価のアミン(ポリアミン)などが含まれる。モノアミンには、脂肪族モノアミン、脂環式モノアミン、芳香族モノアミンなどが含まれる。具体的には、脂肪族モノアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、s−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン等のモノC1-20アルキルアミンの他、ジC1-20アルキルアミン(2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)、トリC1-20アルキルアミン(3つのアルキル基は部分的に又は全体的に同一であっても異なっていてもよい)などが挙げられる。脂環式モノアミンとしては、例えば、シクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミン、ノルボルナン−2−アミンなどの橋かけ環を有するアミンなどが挙げられる。芳香族モノアミンとしては、例えば、アニリンなどが挙げられる。また、脂肪族モノアミンとして、ポリオキシアルキレン骨格を有するモノアミンや、アミノシランカップリング剤(例えば、3−アミノプロピルトリアルコキシシランなど)を用いることもできる。なお、この場合、前記式(1b)で表されるイミン系化合物(B)としては、前記式(1b)におけるR3が、ポリオキシアルキレン骨格を有する1価の基[例えば、「H−(R4 m1−O)m2−」(R4はアルキレン基を示す。m1は1以上の整数である。また、m2は1以上の整数である。)など]や、アルコキシシラン基を有するアルキル基などであるイミン系化合物(ケチミン化合物やアルジミン系化合物)に相当する。
また、ポリアミンには、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミンなどが含まれる。脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,3−ペンタメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンの他、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどが挙げられる。また、脂肪族ポリアミンとして、ポリオキシアルキレン骨格を有するジアミンなどのポリオキシアルキレン骨格を有するポリアミンを用いることもできる。なお、この場合、前記式(1b)で表されるイミン系化合物(B)としては、前記式(1b)におけるR3が、多価のポリオキシアルキレン基[例えば、「−(R4 m1−O)m2−」(R4はアルキレン基を示す。m1は1以上の整数である。また、m2は1以上の整数である。)など]であるイミン系化合物(ケチミン化合物やアルジミン系化合物)に相当する。
脂環式ポリアミンとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−4−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−3−アミノメチルシクロヘキサン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3−メチル−シクロヘキシルアミン)、メチル−2,3−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン{例えば、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンなど}等の脂環式ジアミンなどが挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ナフチレン−1,4−ジアミン、ナフチレン−1,5−ジアミン、4,4´−ジフェニルジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、2,4´−ジフェニルメタンジアミン、4,4´−ジフェニルエ−テルジアミン、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジアミン、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジアミン、4,4´−ジフェニルプロパンジアミン、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジアミン等の芳香族ジアミンなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,3−キシリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,4−キシリレンジアミン、ω,ω´−ジアミノ−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルアミノメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
従って、前記式(1b)で表されるイミン系化合物(B)におけるR3は、アミンの残基に相当する。
なお、イミン系化合物(B)(特に、ケチミン系化合物)は互変異性を有している場合がある。そのため、本発明では、イミン系化合物(B)には、ケチミン系化合物の互変異構造を有する化合物に相当するエナミン形の化合物も含まれる場合がある。
[重合性不飽和単量体による重合体(C)]
重合性不飽和単量体による重合体(C)において、重合性不飽和単量体としては、例えば、重合性不飽和結合(特に、エチレン性の炭素−炭素二重結合)を有する単量体であれば特に制限されない。重合性不飽和単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
重合性不飽和単量体としては、アクリル系単量体、カルボキシル基含有単量体、酸無水物基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、エポキシ基含有単量体、アミノ基含有単量体、シアノ基含有単量体、スチレン系単量体、オレフィン系単量体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系単量体、(N−置換)アクリルアミド系単量体、N−ビニルラクタム類、複素環含有ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸アルキレングリコール系単量体、スルホン酸基含有ビニル系単量体、リン酸基含有ビニル系単量体、ハロゲン原子含有ビニル系単量体、多官能系単量体や、珪素原子含有基を有する重合性不飽和単量体など各種の重合性不飽和単量体を用いることができる。なお、これらの重合性不飽和単量体としては、下記に具体例が例示されている。
このように、重合性不飽和単量体としては、エチレン性の炭素−炭素二重結合を有する基(ビニル基など)とともに、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボキシル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基など)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミノアルキルカルボニル基、シアノ基、炭化水素基(アリール基、シクロアルキル基など)、アシルオキシ基、置換オキシ基(アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基など)、置換アミノカルボニル基(ジアルキルアミノ−カルボニル基など)、複素環含有基、スルホン酸基、リン酸基の他、イソシアネート基、ジチオカーボネート結合を有する基[特に、環内にジチオカーボネート結合を有する環状の基(さらには5員環の環状の基)]、チイラン環を有する基、ケチミン結合を有する基(ケチミン基;N−(1−アルキル−アルキリデン)−アミノ基など)、アルジミン結合を有する基(アルジミン基;アルキリデンアミノ基など)、オキサゾリジン環を有する基などの反応性・非反応性の各種の基を有していてもよい。
本発明では、重合性不飽和単量体としては、アクリル系単量体を好適に用いることができる。すなわち、重合性不飽和単量体には、少なくともアクリル系単量体が含まれていることが好ましい。
具体的には、アクリル系単量体としては、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸エステル]などが挙げられる。該(メタ)アクリル酸エステルには、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが含まれる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステル]などが挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルには、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが含まれる。(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルエステルなどが挙げられる。
本発明では、重合性不飽和単量体としては、アクリル系単量体とともに、アクリル系単量体と共重合が可能な重合性不飽和単量体(共重合性不飽和単量体)を用いることが望ましい。このような共重合性不飽和単量体としては、公知乃至慣用の共重合性不飽和単量体を用いることができる。具体的には、共重合性不飽和単量体には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸の他、カルボキシアルキル(メタ)アクリレート(カルボキシエチルアクリレート等)などのカルボキシル基含有単量体;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチルなどのヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アクリルアミド系単量体;N−ビニルカルボン酸アミド類;N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニルラクタム類;N−ビニルピリジン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、N−(1−メチルビニル)ピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリンなどの複素環含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどの(メタ)アクリル酸アルキレングリコール系単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸などのスルホン酸基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有ビニル系単量体;塩化ビニルなどのハロゲン原子含有ビニル系単量体の他、下記に具体例が示されている珪素原子含有基を有する重合性不飽和単量体などが含まれる。
また、共重合性不飽和単量体としては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの各種の多官能系単量体も適宜選択して用いることができる。
もちろん、共重合性不飽和単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、アミン反応性化合物(A)として、エポキシ基含有化合物(特に、エポキシ樹脂)が用いられている場合、重合性不飽和単量体として、珪素原子含有基を有する重合性不飽和単量体を用いることにより、アミン反応性化合物(A)と、重合性不飽和単量体による重合体(C)との相溶性を高めることができる。そのため、重合性不飽和単量体としては、珪素原子含有基を有する重合性不飽和単量体を好適に用いることができる。このような珪素原子含有基を有する重合性不飽和単量体としては、例えば、下記式(2)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体(「反応性シリル基含有単量体」と称する場合がある)が挙げられる。従って、重合性不飽和単量体には、少なくとも反応性シリル基含有単量体が含まれていることが好ましい。もちろん、重合性不飽和単量体は、分子中に重合性不飽和結合を少なくとも1つ有していることが重要である。
Figure 0004812245
(式(2)において、R5は水素原子又は炭化水素基を示す。)
前記式(2)において、R5の炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。R5における脂肪族炭化水素基には、前記R1やR2の脂肪族炭化水素基などの項で例示の脂肪族炭化水素基などが含まれ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜20程度のアルキル基などが含まれる。また、R5の脂肪族炭化水素基としては、前記アルキル基に対応するアルケニル基、アルカジエニル基、アルキニル基なども用いることができ、不飽和結合の位置は特に制限されない。
また、R5の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基としては、前記R1やR2の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基などの項で例示の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基などが挙げられる。
5としては、脂肪族炭化水素基等の炭化水素基(特に、アルキル基)が好適であり、なかでも炭素数1〜10(さらに好ましくは1〜6、特に1〜4)程度のアルキル基が好ましい。
なお、R5の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。また、該置換基等を介して、R5の炭化水素基は、他の炭化水素基と結合して環(芳香族性環や非芳香族性環)を形成していてもよい。
このような反応性シリル基含有単量体としては、1つの珪素原子に、反応性を発揮する「−OR5」基を少なくとも1つ有していればよい。なお、1つの珪素原子に結合可能な「−OR5」基の数は1個、2個又は3個である。また、1つの珪素原子に複数の「−OR5」基が結合している場合、「−OR5」基は、すべて同一であってもよく、すべて又は部分的に異なっていてもよい。
なお、1つの珪素原子に、「−OR5」基が1個又は2個結合している場合、1個又は2個の水素原子又は炭化水素基などの基が珪素原子に結合していてもよい。具体的には、反応性シリル基含有単量体としては、下記式(2a)や(2b)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体を用いることができる。
Figure 0004812245
(式(2a)、(2b)において、R6は水素原子又は炭化水素基を示す。R5は前記に同じである。p1は1又は2である。p2は1、2又は3である。なお、R5、R6は、それぞれ、同一又は異なる珪素原子に結合しているR5又はR6と結合していてもよい。)
前記式(2a)や(2b)において、R6の炭化水素基としては、R5の炭化水素基と同様の炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基など)を用いることができる。具体的には、R6における脂肪族炭化水素基には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜20程度のアルキル基や、前記アルキル基に対応するアルケニル基、アルカジエニル基、アルキニル基などが含まれる。なお、R6の脂肪族炭化水素基が、例えば、アルケニル基である場合、末端に炭素−炭素二重結合(エチレン性の炭素−炭素二重結合)を有するアルケニル基であってもよく、分子内部に炭素−炭素二重結合(非エチレン性の炭素−炭素二重結合)を有するアルケニル基であってもよい。このように、R6が脂肪族不飽和炭化水素基である場合、不飽和結合の位置は特に制限されない。
また、R6の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基としては、前記R5と同様に、R1やR2の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基などの項で例示の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基などが挙げられる。
6としては、脂肪族炭化水素基等の炭化水素基(特に、アルキル基)が好適であり、なかでも炭素数1〜10(さらに好ましくは1〜6、特に1〜4)程度のアルキル基が好ましい。
なお、前記式(2a)や(2b)において、R5、R6の炭化水素基は、それぞれ、置換基を有していてもよい。また、該置換基等を介して、R5やR6の炭化水素基は、他の炭化水素基(例えば、他の珪素原子に結合しているR5やR6の炭化水素基など)と結合して環(芳香族性環や非芳香族性環)を形成していてもよい。
また、R5は、同一又は異なる珪素原子に結合しているR5又はR6と結合していてもよく、R6は、同一又は異なる珪素原子に結合しているR5又はR6と結合していてもよい。R5やR6が、異なる珪素原子に結合しているR5又はR6と結合している場合、前記珪素原子は、同一の分子中の珪素原子であってもよく、異なる分子中の珪素原子であってもよい。互いに結合しているR5やR6の珪素原子が、同一の分子中にある場合は、環を構成することになり、異なる分子中にある場合は、架橋構造を構成することになる。
1は1又は2であり、好ましくは2である。なお、p1が2の場合は、R6が存在せず、式(2a)中の珪素原子に2つの「−OR5」基が結合していることを意味している。
また、p2は1、2又は3であり、好ましくは2又は3である。なお、p2が3の場合は、R6が存在せず、式(2b)中の珪素原子に3つの「−OR5」基が結合していることを意味している。
なお、反応性シリル基含有単量体としては、その反応性シリル基が、前記式(2a)で表される反応性シリル基である場合、前記式(2a)で表される反応性シリル基を繰り返し単位又は繰り返し単位の一部として含有していてもよく、あるいは、繰り返し単位(又は繰り返し単位の一部)ではなく、単一の2価の基として含有していてもよい。
このような前記式(2a)で表される反応性シリル基における一方の端部には、前記式(2b)で表される反応性シリル基が結合していてもよく、他の基が結合していてもよい。
反応性シリル基としては、前記式(2b)で表される反応性シリル基が好適である。前記式(2b)で表される反応性シリル基としては、具体的には、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基、トリイソブトキシシリル基、トリs−ブトキシシリル基、トリt−ブトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、メチルジプロポキシシリル基、メチルジブトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、エチルジプロポキシシリル基、エチルジブトキシシリル基、プロピルジメトキシシリル基、プロピルジエトキシシリル基、プロピルジプロポキシシリル基、プロピルジブトキシシリル基等のアルキルジアルコキシシリル基やこれらに対応するジアルキル(モノ)アルコキシシリル基などが挙げられる。また、これらのアルキルジアルコキシシリル基やジアルキル(モノ)アルコキシシリル基のアルキル基が水素原子となっているものに相当するジアルコキシシリル基やアルコキシシリル基などが挙げられる。さらにまた、前記トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基やジアルキル(モノ)アルコキシシリル基が加水分解されて、少なくとも1つのアルコキシル基がヒドロキシル基となっているものに相当するヒドロキシル基含有シリル基などが挙げられる。
前記反応性シリル基含有単量体としては、分子中に、重合性不飽和結合を少なくとも1つ有しているとともに、前記式(2)で表される反応性シリル基を少なくとも1つ有していればよい。このような反応性シリル基含有単量体としては、前記式(2a)や(2b)で表される反応性シリル基が、2価の有機基を介して又は介さずに、重合性不飽和結合を含有する基(「重合性不飽和基」と称する場合がある)と結合している反応性シリル基含有単量体などが挙げられる。
重合性不飽和基としては、エチレン性の炭素−炭素二重結合を有する基であれば特に制限されないが、例えば、ビニル基や、1−メチルビニル基(イソプロペニル基)、1−エチルビニル基などの1−アルキルビニル基などが挙げられる。重合性不飽和基としては、ビニル基やイソプロペニル基が好適であり、特にビニル基が好ましい。
一方、前記2価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アリレン基、アルキレン−アリレン基、アルキレン−アリレン−アルキレン基等の炭化水素基のみにより構成される2価の炭化水素基;2価の炭化水素基と2価の他の基[例えば、オキシ基、カルボニル基、カルボニル−オキシ基、オキシ−カルボニル基、オキシ−カルボニル−オキシ基、チオオキシ基、チオカルボニル基、チオカルボニル−オキシ基、カルボニル−チオオキシ基、オキシ−チオカルボニル−オキシ基、チオオキシ−カルボニル−チオオキシ基、アミド結合含有基(−NHCO−基や−CONH−基など)、イミド結合含有基(−CONHCO−基)、ウレタン結合含有基(−NHCOO−基や−OCONH−基など)、ウレア結合含有基(−NHCONH−基;尿素結合含有基)など]との種々の組み合わせにより構成される各種の2価の有機基(例えば、アルキレン−オキシ−アルキレン基、アルキレン−カルボニル−オキシ−アルキレン基、アルキレン−オキシ−カルボニル−アルキレン基、オキシ−アルキレン基、カルボニル−オキシ−アルキレン基、オキシ−カルボニル−アルキレン基、オキシ−アリレン基、カルボニル−オキシ−アリレン基、オキシ−カルボニル−アリレン基、アルキレン−オキシ−カルボニル−アリレン−カルボニル−オキシ−アルキレン基等)などが挙げられる。
具体的には、重合性不飽和基が2価の基を介して結合した形態として、例えば、ビニル基が2価の基を介して結合した形態としては、例えば、アリル基(2−プロペニル基)等のビニル−アルキル基;ビニル−フェニル基、アリル−フェニル基等のビニル−(アルキル)−アリール基;ビニル−シクロヘキシル基、アリル−シクロヘキシル基等のビニル−(アルキル)−シクロアルキル基;(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基、メタクリロイル基);(メタ)アクリロイルオキシエチル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基;(メタ)アクリロイルオキシフェニル基等の(メタ)アクリロイルオキシアリール基;ビニル−オキシカルボニル−フェニレン−カルボニルオキシ−エチル基、ビニル−オキシカルボニル−フェニレン−カルボニルオキシ−プロピル基、アリル−オキシカルボニル−フェニレン−カルボニルオキシ−エチル基、アリル−オキシカルボニル−フェニレン−カルボニルオキシ−プロピル基等のビニル−(アルキル)−オキシカルボニル−フェニレン−カルボニルオキシ−アルキル基などが挙げられる。もちろん、重合性不飽和基が2価の基を介して結合した形態として、1−アルキルビニル基(1−メチルビニル基など)が2価の基を介して結合した形態としては、前述のような、ビニル基が2価の基を介して結合した形態に対応した結合形態を例示できる。
本発明では、反応性シリル基含有単量体としては、ビニル基が、2価の有機基を介して又は介さずに、前記式(2b)で表される反応性シリル基における珪素原子に結合している重合性不飽和単量体(ビニル基含有シランカップリング剤)を好適に用いることができる。ビニル基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基が、2価の有機基を介さずに、直接、反応性シリル基における珪素原子に結合している場合、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン;ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルメチルジイソプロポキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビニルエチルジエトキシシラン、ビニルエチルジプロポキシシラン、ビニルエチルジイソプロポキシシラン、ビニルエチルジブトキシシラン、ビニルプロピルジメトキシシラン、ビニルプロピルジエトキシシラン、ビニルプロピルジプロポキシシラン、ビニルプロピルジイソプロポキシシラン、ビニルプロピルジブトキシシラン等の(ビニル)アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(ビニル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
また、ビニル基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基が、2価の有機基を介して、反応性シリル基における珪素原子に結合している場合、2価の有機基の種類に応じて、前述のような、ビニル基が、2価の有機基を介さずに、直接、反応性シリル基における珪素原子に結合している場合に対応したものが挙げられる。具体的には、ビニル基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基が、2価の有機基を介して、反応性シリル基における珪素原子に結合しており、且つ前記2価の有機基がアルキレン基である場合、ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリエトキシシラン、β−ビニルエチルトリメトキシシラン、β−ビニルエチルトリエトキシシラン、β−ビニルエチルトリプロポキシシラン、β−ビニルエチルトリイソプロポキシシラン、β−ビニルエチルトリブトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリブトキシシラン等のビニルアルキルトリアルコキシシラン;β−ビニルエチルメチルジメトキシシラン、β−ビニルエチルメチルジエトキシシラン、γ−ビニルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ビニルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ビニルプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルメチルジイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルメチルジブトキシシラン、γ−ビニルプロピルエチルジメトキシシラン、γ−ビニルプロピルエチルジエトキシシラン、γ−ビニルプロピルエチルジプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルエチルジイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルエチルジブトキシシラン等の(ビニルアルキル)アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(ビニルアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
さらにまた、ビニル基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基が、2価の有機基を介して、反応性シリル基における珪素原子に結合しており、且つ前記2価の有機基がカルボニルオキシアルキレン基である場合、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリプロポキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリイソプロポキシシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリブトキシシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリブトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン;(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジプロポキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジイソプロポキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジブトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
なお、前記式(2a)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体と、前記式(2b)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体とに、同一の反応性シリル基含有単量体が包含される場合があるが、その場合は、式(2a)又は式(2b)のうちいずれか一方の式で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体に適宜分類することができる。
反応性シリル基含有単量体は、アクリル系単量体に対する共重合性不飽和単量体(アクリル系単量体と共重合が可能な重合性不飽和単量体)として好適に用いることができる。すなわち、反応性シリル基含有単量体は、前記アクリル系単量体と、必要に応じて他の共重合性単量体とともに用いることができる。
重合体(C)は、このような重合性不飽和単量体が用いられた重合体であり、特に、重合性不飽和単量体として、アクリル系単量体と、共重合性不飽和単量体とが用いられ、且つ前記共重合性不飽和単量体として少なくとも反応性シリル基含有単量体が用いられた重合体(反応性シリル基を含有するアクリル系重合体)が好適である。
本発明では、重合体(C)としては、前記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、前述のような重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であることが重要である。このような重合体(C)の調製方法としては、イミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる方法であれば特に制限されず、例えば、イミン系化合物(B)と、必要に応じて、下記に示されるような、下記式(3)で表される加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)、及び/又は、前記アミン反応性化合物(A)との存在下、重合性不飽和単量体を重合させる方法であってもよい。なお、イミン系化合物(B)として、カルボニル化合物とアミン系化合物との反応により得られた反応混合物がそのまま用いられていてもよく、該反応混合物には、残存により、カルボニル化合物(ケトン類やアルデヒド類など)などの反応原料が含まれていてもよい。
具体的には、重合体(C)の調製方法としては、重合時に溶媒として利用されている溶媒系に、重合性不飽和単量体を滴下する方法を好適に採用することができる。この際、イミン系化合物(B)は、溶媒系に予め含まれていてもよく、滴下する重合性不飽和単量体とともに、溶媒系に滴下されてもよい。従って、重合体(C)の調製方法としては、下記の重合体(C)の調製方法(1)〜(3)などが挙げられる。
重合体(C)の調製方法(1):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体を滴下して重合を行う方法
重合体(C)の調製方法(2):アミン反応性化合物(A)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下して重合を行う方法
重合体(C)の調製方法(3):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下して重合を行う方法
前記重合体(C)の調製方法(1)では、重合時の溶媒(特に、溶媒の主成分)として、少なくともイミン系化合物(B)が用いられている。なお、重合体(C)の調製方法(1)では、イミン系化合物(B)を含む溶媒系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)が含まれていてもよく、あるいは、重合性不飽和単量体を含む滴下物系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)が含まれていてもよい。すなわち、前記重合体(C)の調製方法(1)には、下記の調製方法(1a)や(1b)などが含まれる。
調製方法(1a):イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)とを含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体を滴下して重合を行う方法
調製方法(1b):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)とを滴下して重合を行う方法
また、前記重合体(C)の調製方法(2)では、重合時の溶媒(特に、溶媒の主成分)として、少なくともアミン反応性化合物(A)が用いられている。一方、イミン系化合物(B)は溶媒の主成分として用いず、重合性不飽和単量体とともに滴下している。なお、重合体(C)の調製方法(2)では、アミン反応性化合物(A)を含む溶媒系に、必要に応じてシラン系化合物(D)が含まれていてもよく、あるいは、重合性不飽和単量体およびイミン系化合物(B)を含む滴下物系に、必要に応じてシラン系化合物(D)が含まれていてもよい。すなわち、前記重合体(C)の調製方法(2)には、下記の調製方法(2a)や(2b)などが含まれる。
調製方法(2a):アミン反応性化合物(A)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)とを含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下して重合を行う方法
調製方法(2b):アミン反応性化合物(A)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)とを滴下して重合を行う方法
さらにまた、前記重合体(C)の調製方法(3)では、重合時の溶媒(特に、溶媒の主成分)として、少なくともイミン系化合物(B)を用いているが、イミン系化合物(B)としては、その1部は溶媒として用いていない。すなわち、該調製方法(3)では、湿気硬化型1液型樹脂組成物全体として用いるイミン系化合物(B)のうち1部を溶媒系に用い、残部を滴下物系に用いている。なお、重合体(C)の調製方法(3)では、イミン系化合物(B)を含む溶媒系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)が含まれていてもよく、あるいは、重合性不飽和単量体およびイミン系化合物(B)を含む滴下物系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)が含まれていてもよい。すなわち、前記重合体(C)の調製方法(3)には、下記の調製方法(3a)や(3b)などが含まれる。
調製方法(3a):イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)とを含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下して重合を行う方法
調製方法(3b):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)とを滴下して重合を行う方法
重合体(C)の調製時の重合に際しては、公知乃至慣用の重合開始剤を用いることができる。このような重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチル−4−トリメトキシシリルペントニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチル−4−メチルジメトキシシリルペントニトリル)等のアゾ化合物系重合開始剤、ベンゾイルパーオキシド、t−アルキルパーオキシエステル、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。
また、前記重合の際には、安定性に影響を及ぼさない範囲で、連鎖移動剤、希釈剤等の添加剤などが含まれていてもよい。なお、前記希釈剤としては、イミン系化合物(B)の調製時に得られる反応混合物中のカルボニル化合物(特にケトン類)などが挙げられ、該希釈剤は、重合体(C)の重合中や重合後に除去することができる。該重合後としては、例えば、重合体(C)を他の成分[アミン反応性化合物(A)やシラン系化合物(D)など]と混合する前や混合した後のいずれであってもよい。
なお、重合の際の温度としては、モノマーの種類に応じて適宜選択することができ、例えば、20〜200℃(特に50〜150℃)程度であってもよい。また重合の際の反応時間は、特に制限されず、例えば、数時間〜数十時間であってもよい。
また、重合性不飽和単量体を滴下する際の滴下方法としては、特に制限されず、例えば、連続的な滴下方法や、間欠的な滴下方法などいずれの滴下方法であってもよい。
本発明では、このような重合体の調製方法[前記重合体(C)の調製方法(1)〜(3)などの方法]により得られた反応混合物(重合混合物)は、そのままの状態で、湿気硬化型1液型樹脂組成物の調製の際に用いることができる。すなわち、湿気硬化型1液型樹脂組成物の調製に際しては、前述のような、イミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて重合体(C)を調製する方法[前記重合体(C)の調製方法(1)〜(3)などの方法]により得られた反応混合物から、重合体(C)を単離せず、そのままの反応混合物[重合体(C)及びイミン系化合物(B)を含有している反応混合物]を用いることができる。
[シラン系化合物(D)]
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物には、さらに、シラン系化合物(D)が含まれていてもよい。シラン系化合物(D)は、反応性希釈剤や、イミン系化合物(B)の安定化剤としての機能を有している。具体的には、シラン系化合物(D)は、イミン系化合物(B)(ケチミン系化合物やアルジミン系化合物)よりも水との反応性が高いため、例えば、系内に水分が極少量侵入しても、該水分をシラン系化合物(D)が自身の加水分解反応に利用して、イミン系化合物(B)の加水分解を抑制または防止することができる。そのため、イミン系化合物(B)の安定性を向上させることができ、湿気硬化型1液型樹脂組成物が、1液型の組成物であっても、貯蔵安定性を高めることができる。一方、系内に多量の水分が侵入した際には、イミン系化合物(B)の加水分解反応が容易に素速く生じて、アミンが生成し、アミン反応性化合物(A)の硬化反応を進行させることができる。このように、シラン系化合物(D)を用いることにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物は、貯蔵安定性をより一層高いレベルで有することができる。
また、シラン系化合物(D)は、必要に応じて、重合体(C)の重合時の溶媒としても利用可能である。シラン系化合物(D)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
このようなシラン系化合物(D)としては、下記式(3)で表される加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)を用いることができる。
Figure 0004812245
(式(3)において、R7は水素原子又は炭化水素基を示す。)
前記式(3)におけるR7としての炭化水素基としては、前記式(2)におけるR5の炭化水素基と同様の炭化水素基(脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基など)が挙げられる。R7としては、脂肪族炭化水素基等の炭化水素基(特に、アルキル基)が好適である。
なお、R7の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。また、該置換基等を介して、R7の炭化水素基は、他の炭化水素基と結合して環(芳香族性環や非芳香族性環)を形成していてもよい。
このようなシラン系化合物(D)としては、1つの珪素原子に、加水分解性を発揮する「−OR7」基を少なくとも1つ有していればよい。なお、1つの珪素原子に結合可能な「−OR7」基の数は1個、2個、3個又は4個である。また、1つの珪素原子に複数の「−OR7」基が結合している場合、「−OR7」基は、すべて同一であってもよく、すべて又は部分的に異なっていてもよい。
なお、1つの珪素原子に、「−OR7」基が1個、2個又は3個結合している場合、1個、2個又は3個の水素原子又は炭化水素基などが珪素原子に結合していてもよい。具体的には、シラン系化合物(D)としては、下記式(3a)、(3b)や(3c)で表される加水分解性珪素原子含有基を含有するシラン系化合物(D)を用いることができる。
Figure 0004812245
(式(3a)、(3b)、(3c)において、R8は水素原子又は炭化水素基を示す。R7は前記に同じである。q1は1又は2である。q2は1、2又は3である。q3は1、2、3又は4である。なお、R7、R8は、それぞれ、同一又は異なる珪素原子に結合しているR7又はR8と結合していてもよい。)
前記式(3a)、(3b)や(3c)において、R8の炭化水素基としては、R6の炭化水素基と同様の炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基など)を用いることができる。R8としては、脂肪族炭化水素基等の炭化水素基(特に、アルキル基)が好適である。
なお、R8の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。もちろん、R7も前述のように置換基を有していてもよい。また、該置換基等を介して、R7やR8の炭化水素基は、他の炭化水素基(例えば、他の珪素原子に結合しているR7やR8の炭化水素基など)と結合して環(芳香族性環や非芳香族性環)を形成していてもよい。
また、R7は、同一又は異なる珪素原子に結合しているR7又はR8と結合していてもよく、R8は、同一又は異なる珪素原子に結合しているR7又はR8と結合していてもよい。R7やR8が、異なる珪素原子に結合しているR7又はR8と結合している場合、前記珪素原子は、同一の分子中の珪素原子であってもよく、異なる分子中の珪素原子であってもよい。互いに結合しているR7やR8の珪素原子が、同一の分子中にある場合は、環を構成することになり、異なる分子中にある場合は、架橋構造を構成することになる。
1は1又は2であり、好ましくは2である。なお、q1が2の場合は、R8が存在せず、式(3a)中の珪素原子に2つの「−OR7」基が結合していることを意味している。
また、q2は1、2又は3であり、好ましくは2又は3である。なお、q2が3の場合は、R8が存在せず、式(3b)中の珪素原子に3つの「−OR7」基が結合していることを意味している。
さらにまた、q3は1、2、3又は4であり、好ましくは2、3又は4である。なお、q3が4の場合は、R8が存在せず、式(3c)中の珪素原子に4つの「−OR7」基が結合していることを意味している。
なお、シラン系化合物(D)としては、その加水分解性珪素原子含有基が、前記式(3a)で表される加水分解性珪素原子含有基である場合、前記式(3a)で表される加水分解性珪素原子含有基を繰り返し単位又は繰り返し単位の一部として含有していてもよく、あるいは、繰り返し単位(又は繰り返し単位の一部)ではなく、単一の2価の基として含有していてもよい。
なお、前記式(3a)で表される加水分解性珪素原子含有基を含有するシラン系化合物(D)と、前記式(3b)で表される加水分解性珪素原子含有基を含有するシラン系化合物(D)と、前記式(3c)で表される加水分解性珪素原子含有基を含有するシラン系化合物(D)とに、同一のシラン系化合物(D)が包含される場合があるが、その場合は、式(3a)、(3b)又は式(3c)のうちいずれか一方の式で表される加水分解性珪素原子含有基を含有するシラン系化合物(D)に適宜分類することができる。
このように、シラン系化合物(D)は、分子中に、前記式(3)で表される加水分解性珪素原子含有基を少なくとも1つ有していればよい。シラン系化合物(D)としては、例えば、下記式(3d)で表されるシラン系化合物、下記式(3e)で表されるシラン系化合物を好適に用いることができる。
Figure 0004812245
(式(3d)において、R9、R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R7、R8は前記に同じ。)
Figure 0004812245
(式(3e)において、R11はOR7又はR8を示し、R12は有機基を示す。jは1以上の整数である。R7、R8、hは前記に同じ。)
前記式(3d)において、R9、R10の炭化水素基としては、R7の炭化水素基と同様の炭化水素基が挙げられ、R9、R10の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好適であり、さらに好ましくはR9、R10とは、同一の又は異なるアルキル基が挙げられる。また、R9やR10は、R7と同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。
hは1又は2であり、好ましくは2である。なお、hが2の場合は、R8が存在せず、式(3d)中の珪素原子に2つの「−OR7」基が結合していることを意味している。
iは1以上の整数である。前記式(3d)で表されるシラン系化合物は、iが1の場合は、単量体であることを意味しており、iが2以上の整数の場合は、オリゴマー又はポリマー等の多量体であることを意味している。
前記式(3d)で表されるシラン系化合物において、単量体の形態のシラン系化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシランや、メトキシトリエトキシシラン等のアルコキシトリアルコキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のジアルコキシジアルコキシシランなどが挙げられる。また、多量体の形態のシラン系化合物としては、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエトキシシラン、ポリテトラプロポキシシラン、ポリテトライソプロポキシシラン、ポリテトラブトキシシラン等のポリテトラアルコキシシラン;ポリ(メトキシエトキシシラン)等のポリ(アルコキシアルコキシシラン);ポリ(メトキシシラン)、ポリ(エトキシシラン)、ポリ(プロポキシシラン)、ポリ(イソプロポキシシラン)、ポリ(ブトキシシラン)等のポリ(アルコキシシラン);ポリ(メトキシメチルシラン)、ポリ(メトキシエチルシラン)、ポリ(エトキシメチルシラン)等のポリ(アルコキシアルキルシラン)などが挙げられる。
一方、前記式(3e)において、R11はOR7又はR8であり、同一の珪素原子に結合している複数のOR7やR8は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
12の有機基としては、例えば、炭化水素基や、該炭化水素基の主鎖中に炭素原子以外の原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子など)を有するヘテロ原子含有基などが挙げられる。R12に係る炭化水素基やヘテロ原子含有基は、1価又は多価のいずれの形態を有していてもよい。
12の有機基としては、1価の炭化水素基を好適に用いることができる。該炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基などの脂肪族炭化水素基;シクロアルキル基などの脂環式炭化水素基;アリール基などの芳香族炭化水素基などが挙げられ、脂肪族炭化水素基が好ましい。具体的には、R12に係る脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、特に1〜4)程度のアルキル基や、該アルキル基に対応するアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜20程度のアルケニル基)、アルカジエニル基、アルキニル基などが挙げられる。また、R12に係る脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基としては、前記R1やR2などで例示の脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、R12に係る炭化水素基やヘテロ原子含有基は、単数又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、エポキシ基、エポキシ−オキシ基(グリシドキシ基)、エポキシ−アルコキシ基、エポキシ−アリールオキシ基、エポキシ−シクロアルキルオキシ基、イソシアネート基、ケチミン結合を有する基(ケチミン基)、ジチオカーボネート結合を有する基[ジチオカーボネート基;特に、環内にジチオカーボネート結合を有する環状の基(さらには5員環の環状の基)]、チイラン環を有する基(チイラン基)、電子吸引基含有ビニル基[2−カルボキシビニル基、2−(アルコキシカルボニル)ビニル基、2−シアノビニル基、2−カルボキシ−2−メチルビニル基、2−(アルコキシカルボニル)−2−メチルビニル基、2−シアノ−2−メチルビニル基など]、ビニルエステル部を有する基[2−(アシルオキシ)ビニル基、2−(アシルオキシ)−2−メチルビニル基など]、他の炭化水素基、アルコキシカルボニル基、カルボニル基などが挙げられる。置換基は、1種のみであってもよく、2種以上組み合わせられていてもよい。なお、2種以上の置換基が組み合わされている場合は、該2種以上の置換基は、それぞれ、同一又は異なる原子(炭素原子など)に結合していてもよく、また、いずれか1つの置換基が必要に応じて他の基を介して他の置換基に結合していてもよい。
jは1以上の整数であれば特に制限されないが、好ましくは1〜4の整数(さらに好ましくは1又は2、特に1)である。なお、jが2以上の整数である場合、R12の有機基に、2つ以上の加水分解性珪素原子含有基が結合していることを意味している。なお、R12が多価の有機基である場合、通常、pは2以上の整数であり、例えば、R12が多価の有機基で且つpが2の場合は、R12の多価の有機基の両末端に、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物が挙げられる。
前記式(3e)で表されるシラン系化合物としては、具体的には、R12がアルキル基である場合は、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランや、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン等のジアルキルジアルコキシシランの他、これらに対応するトリアルキルアルコキシシランなどが挙げられ、ビニル基である場合は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン等のビニルトリアルコキシシランの他、これらに対応するビニルアルキルジアルコキシシランや、ビニルジアルキルアルコキシシランなどが挙げられる。
また、R12が置換基を有するアルキル基である場合、具体的には、置換基がグリシドキシ基である場合は、例えば、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン等のグリシドキシアルキルトリアルコキシシランや、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン等のグリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシランの他、これらに対応するグリシドキシアルキルジアルキルアルコキシシランが挙げられる。また、イソシアネート基である場合は、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリプロポキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリブトキシシラン等のイソシアネートアルキルトリアルコキシシランや、これらに対応するイソシアネートアルキルアルキルジアルコキシシランやイソシアネートアルキルジアルキルアルコキシシランが挙げられる。さらにまた、アミノ基である場合は、例えば、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、β−アミノエチルトリメトキシシラン、β−アミノエチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリブトキシシラン等のアミノアルキルトリアルコキシシランや、β−アミノエチルメチルジメトキシシラン、β−アミノエチルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジプロポキシシラン等の(アミノアルキル)アルキルジアルコキシシランの他、これらに対応するアミノアルキルジアルキルアルコキシシランなどが挙げられる。また、他の置換基(ヒドロキシル基、アルコキシ基、エポキシ基、ケチミン基、ジチオカーボネート基、チイラン基、電子吸引基含有ビニル基、ビニルエステル部を有する基、他の炭化水素基、アルコキシカルボニル基、カルボニル基など)を有するシラン系化合物としては、前記例示のシラン系化合物に対応するものが挙げられる。
なお、前記式(3d)や(3e)で表されるシラン系化合物には、前記例示のアルコキシ基含有シラン系化合物のアルコキシ基がヒドロキシル基に変換されたものに相当するヒドロキシル基含有シラン系化合物も含まれる。
また、前記式(3d)で表されるシラン系化合物と、前記式(3e)で表されるシラン系化合物とに、同一のシラン系化合物が包含される場合があるが、その場合は、式(3d)又は式(3e)のうちいずれか一方の式で表されるシラン系化合物に適宜分類することができる。
シラン系化合物(D)としては、エポキシ基を含有するシラン系化合物(例えば、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシランやグリシドキシアルキルジアルキルアルコキシシラン等のエポキシ基を含有するシラン系化合物など)が好適である。
[硬化触媒(E)]
本発明には、さらに、硬化触媒(E)が含まれていてもよい。硬化触媒(E)としては、例えば、重合体(C)が、前記式(2)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体(反応性シリル基含有単量体)などの珪素原子含有基を有する重合性不飽和単量体を、モノマー成分として含んでいる場合、前記式(2)で表される反応性シリル基による硬化反応(縮合反応など)を促進させることができる硬化触媒や、アミン反応性化合物(A)における反応性官能基(例えば、エポキシ基含有化合物におけるエポキシ基など)を活性化させることができる硬化触媒などを用いることができる。なお、前記式(2)で表される反応性シリル基による硬化反応(縮合反応など)を促進させることができる硬化触媒は、アミン反応性化合物(A)における反応性官能基(例えば、エポキシ基含有化合物におけるエポキシ基など)を活性化させることもできる場合がある。
湿気硬化型1液型樹脂組成物において、硬化触媒(E)が用いられていると、湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性は、通常、低下するが、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物では、硬化触媒(E)が用いられていても、アミン反応性化合物(A)の反応(例えば、エポキシ樹脂等のエポキシ基含有化合物の反応など)は抑制され、湿気硬化型1液型樹脂組成物は優れた貯蔵安定性を保持することができる。これは、反応性シリル基含有単量体が少なくともモノマー成分として用いられている重合体(C)は、イミン系化合物(B)の存在下、反応性シリル基含有単量体が少なくとも含まれている重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であるので、湿気硬化型1液型樹脂組成物中では、前記重合体(C)は、前述のように、分子が伸びて表面積が大きくなった状態を有しており、この重合体(C)により、組成物中に硬化触媒(E)が含まれていても、アミン反応性化合物(A)とイミン系化合物(B)との反応がドラスティックに阻害されているためであると思われる。
また、アミン反応性化合物(A)を反応させて硬化反応を進行させる際には、例えば、アミン反応性化合物(A)における反応性官能基(例えば、エポキシ基含有化合物におけるエポキシ基など)が、硬化触媒(E)により活性化されているので、前記エポキシ基含有化合物による硬化反応がより一層促進され、硬化に要する時間をより一層短縮させることができ、速硬化性をより一層高めることができる。そのため、例えば、被着体どうしを接着させた際に、固定をしなくても被着体どうしがずれずに接着されている状態を保持する(収まる)までに要する時間をより一層短縮させることができ、接着した際の収まり性をより一層良好にすることができる。
さらに、硬化触媒(E)として、前記式(2)で表される反応性シリル基による硬化反応を促進させることができる硬化触媒が用いられていると、湿気硬化型1液型樹脂組成物による塗膜の光沢性がより一層良好になっており、特に、低温(例えば、0〜10℃程度)で硬化した場合であっても、塗膜の光沢性を非常に良好にすることができる。これは、硬化触媒により、重合体(C)(反応性シリル基含有単量体が少なくとも用いられている重合体)の架橋反応が進行しやすくなっているので、塗膜表面に重合体(C)の膜が綺麗に形成されるためであると思われる。なお、反応性シリル基含有単量体が少なくとも用いられている重合体としては、例えば、反応性シリル基含有単量体とアクリル系単量体とを少なくとも用いて重合して得られる反応性シリル基含有アクリル系重合体などが挙げられる。
従って、硬化触媒(E)を用いることにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物の優れた貯蔵安定性を低下させることなく、柔軟性、密着性(付着性や接着性など)、光沢性等の各種物性をより一層向上させることができるだけでなく、良好な速硬化性を効果的に発揮させることができる。
なお、従来、エポキシ基含有化合物(エポキシ樹脂など)と、イミン系化合物(ケチミン系化合物など)と、シリコーン系化合物(反応性シリル基を含有している変性シリコーン系樹脂など)とを含有する1液型樹脂組成物において、シリコーン系化合物の方がエポキシ基含有化合物よりも配合割合が多い場合(特に、かなり多い場合)、前記シリコーン系化合物の硬化反応を促進させる硬化触媒が用いられている場合があるが、エポキシ基含有化合物の方がシリコーン系化合物よりも配合割合が多い場合では、硬化触媒は用いられていない。これは、シリコーン系化合物の方がエポキシ基含有化合物よりも配合割合が多い場合、硬化触媒が含まれていても、シリコーン系化合物が希釈剤的な効果を発揮させるため、エポキシ基含有化合物の反応が抑制され、前記1液型樹脂組成物の安定性を確保することが可能となっているが、一方、エポキシ基含有化合物の方がシリコーン系化合物よりも配合割合が多い場合、硬化触媒が含まれていると、該硬化触媒が、エポキシ基含有化合物のエポキシ基を活性化するため、エポキシ基含有化合物の反応性が高められ、前記1液型樹脂組成物の安定性を確保することが困難になるためである。このように、従来、エポキシ基含有化合物がシリコーン系化合物よりもリッチな(配合割合が多い)系の1液型樹脂組成物では、シリコーン系化合物の硬化触媒は、エポキシ基含有化合物の反応性の制御の観点などから、用いられていない。
なお、アミン反応性化合物(A)による反応に際して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミン系化合物は、該アミン系化合物とアミン反応性化合物(A)との反応における反応成分であるとともに、触媒としての機能も有している。
硬化触媒(E)としては、前記式(2)で表される反応性シリル基による硬化反応を促進させることができる硬化触媒を好適に用いることができる。このような硬化触媒(E)としては、例えば、ポリオルガノシロキサンの硬化触媒として公知の硬化触媒などを用いることができる。具体的には、硬化触媒(E)としては、例えば、スズ系硬化触媒、チタン系硬化触媒(例えば、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブチルチタネート、テトラアミルチタネート、テトラヘキシルチタネート等のチタン酸エステル系化合物など)、鉄系硬化触媒(鉄アセチルアセトネート、塩化第2鉄、オクチル酸鉄など)、亜鉛系硬化触媒(オクチル酸亜鉛など)、ジルコニウム系硬化触媒、ビスマス系硬化触媒、ホウ素系硬化触媒などが挙げられる。硬化触媒(E)としては、スズ系硬化触媒、チタン系硬化触媒が好ましく、特にスズ系硬化触媒が好適である。なお、硬化触媒(E)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記スズ系硬化触媒としては、例えば、アルキルスズ系化合物(例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジブチルスズジベンゾエート、ジフェニルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズジバーサテート、ジブチルスズジバーサテート、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)、ジブチルスズビス(ベンゾイルアセトネート)、ジエチルスズビス(ラウロイルアセトネート)、ジメチルスズビス(ピバロイルアセトネート)、ジオクチルスズビス(アセチルアセトネート)、ジプロピルスズビス(1,1,1−トリフルオロアセチルアセトネート)、ジブチルスズビス(エチルアセトアセテート)、ジブチルスズ(アセトネート)(エチルアセトアセテート)、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシ)スズ、ジブチルスズジオキシドなど)、スズエステル系化合物(例えば、スズテトラアセテートなど)、スタノキサン系化合物(例えば、テトラブチル−1,3−ジアセトキシスタノキサンなど)の他、有機酸スズ塩(例えば、酪酸第1スズ、イソ酪酸第1スズ、オクタン酸第1スズ、エチルヘキサン酸第1スズ、デカン酸第1スズ、ラウリン酸第1スズ、ステアリン酸第1スズ、ナフテン酸第1スズ、オクテン酸第1スズ、オレイン酸第1スズ等のカルボン酸のスズ塩など)や、スズ系無機化合物(例えば、塩化第1スズ、塩化第2スズなど)が挙げられる。また、スズ系硬化触媒としては、珪素原子を含有するスズ系硬化触媒、窒素原子を含有するスズ系硬化触媒、イオウ原子を含有するスズ系硬化触媒などを用いることもできる。
スズ系硬化触媒としては、アルキルスズ系化合物[なかでも、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)]が好適である。
なお、前記硬化触媒(E)とともに、酸触媒(例えば、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸;塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸など)や、窒素原子含有触媒[例えば、トリエタノールアミン等の有機アミン;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノアルキルシラン;オルガノシリコン第4アンモニウム塩等の第4アンモニウム塩など]などの触媒や、助触媒などが用いられていてもよい。
[湿気硬化型1液型樹脂組成物]
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、前述のように、アミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)と、必要に応じてシラン系化合物(D)や硬化触媒(E)とを含有しており、前記重合体(C)として、前記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体が用いられている。すなわち、湿気硬化型1液型樹脂組成物は、重合体(C)の調製を、少なくともイミン系化合物(B)が存在する条件下で行っていればよく、イミン系化合物(B)とともに、シラン系化合物(D)やアミン反応性化合物(A)などが存在していてもよい。具体的には、重合体(C)として、(i)イミン系化合物(B)の存在下[且つシラン系化合物(D)及びアミン反応性化合物(A)の非存在下]、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体、(ii)イミン系化合物(B)及びシラン系化合物(D)の存在下[且つアミン反応性化合物(A)の非存在下]、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体、(iii)イミン系化合物(B)及びアミン反応性化合物(A)の存在下[且つシラン系化合物(D)の非存在下]、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体、(iv)イミン系化合物(B)、シラン系化合物(D)及びアミン反応性化合物(A)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体を用いることができる。
すなわち、本発明では、湿気硬化型1液型樹脂組成物の調製の際には、イミン系化合物(B)と、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)との存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる混合物(反応混合物)が用いられている。
なお、イミン系化合物(B)自体は、アミン反応性化合物(A)に対する反応性を有していないので、湿気が遮断されている容器中では、湿気硬化型1液型樹脂組成物は、通常、安定的に存在しており、硬化反応が生じない。しかし、湿気硬化型1液型樹脂組成物が一旦容器から取り出されると、空気中の湿気によって、イミン系化合物(B)の加水分解が生じてアミン(アミン系化合物)が生成し、該アミンがアミン反応性化合物(A)と反応して架橋構造が形成されて硬化が進行し、優れた機械的強度及び接着性が発現される。しかも、イミン系化合物(B)として適宜選択することにより、空気中の湿気によって容易に加水分解を進行させてアミンを生成させて、このアミンをアミン反応性化合物(A)(特に、エポキシ基含有化合物)と反応させることができるので、接着性を極めて迅速に発現させ、しかも優れた機械的強度を発現させることも可能である。このように、本発明における湿気硬化型1液型樹脂組成物は、実質的に1液型の湿気硬化型樹脂組成物であり、接着剤やコーティング剤等として利用する際には、優れた初期密着性(初期接着性や初期付着性など)を発揮させることができる。特に、重合体(C)が用いられているので、湿気硬化型1液型樹脂組成物による硬化物の物性を、目的とする各種物性に調整することができる。しかも、イミン系化合物(B)および重合体(C)として、イミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる混合物が用いられているので、貯蔵安定性が極めて優れている。従って、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、実用的に極めて優れた硬化特性を発揮することができるだけでなく、極めて優れた貯蔵安定性を有している。
アミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)との配合割合としては、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基の種類などに応じて適宜選択することができる。これは、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基の種類により、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基に対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基(無置換アミノ基)が反応する割合が異なるからである。例えば、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基1モルに対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基がnモル反応することが可能な場合は、アミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)との配合割合としては、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基のモル数/アミン反応性化合物(A)における反応性官能基のモル数が0.5n〜2nとなるような割合の範囲から選択することができ、特に0.8n〜1.2nとなるような割合であると、理想的な架橋構造を形成することができ、接着剤組成物又はコーティング剤組成物として優れた機械的強度を発揮させることができるようになる。
具体的には、例えば、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基がエポキシ基である場合、アミン反応性化合物(A)におけるエポキシ基1モルに対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基は0.5モルの割合で反応することが可能である。従って、この場合、アミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)との配合割合としては、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基のモル数/アミン反応性化合物(A)におけるエポキシ基のモル数が0.25〜1.0(好ましくは0.4〜0.6)となるような割合の範囲から選択することができる。
また、例えば、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基がイソシアネート基である場合、アミン反応性化合物(A)におけるイソシアネート基1モルに対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基は1モルの割合で反応することが可能である。従って、この場合、アミン反応性化合物(A)と、イミン系化合物(B)との配合割合としては、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基のモル数/アミン反応性化合物(A)におけるイソシアネート基のモル数が0.5〜2.0(好ましくは0.8〜1.2)となるような割合の範囲から選択することができる。
また、重合体(C)の配合割合としては、特に制限されず、重合体(C)の種類や、目的とする硬化物の物性などに応じて適宜選択することができ、例えば、アミン反応性化合物(A)100質量部に対して1〜150質量部(好ましくは5〜100質量部、さらに好ましくは40〜80質量部)程度の範囲から選択することができる。
さらにまた、シラン系化合物(D)の配合割合としては、特に制限されず、シラン系化合物(D)の種類の他、アミン反応性化合物(A)やイミン系化合物(B)等の種類などに応じて適宜選択することができる。シラン系化合物(D)との配合割合としては、例えば、アミン反応性化合物(A)100質量部に対して50質量部以下(例えば、1〜50質量部、好ましくは5〜45質量部、さらに好ましくは10〜40質量部)程度の範囲から選択することができる。
なお、硬化触媒(E)を用いる場合、硬化触媒(E)は、重合体(C)の調製前、調製時、調製後のいずれで用いられていてもよい。硬化触媒(E)の使用量(配合割合)としては、特に制限されないが、例えば、アミン反応性化合物(A)100質量部に対して0.001〜10質量部(好ましくは0.01〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜2質量部)の範囲から選択することができる。
本発明では、湿気硬化型1液型樹脂組成物には、添加剤[例えば、充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、シリカや珪砂など)、可塑剤、顔料(酸化チタン、カーボンブラックなど)、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、揺変剤(又はチクソトロピー付与剤)(例えば、ヒュームドシリカ、アマイドワックス、植物油誘導体、ヒィブリル化繊維など)、反応性希釈剤、増量剤、改質剤など]の他、他の潜在性硬化剤(例えば、他のケチミン系化合物、アルジミン系化合物、オキサゾリジン系化合物など)や粘度調整剤(例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類等の溶剤など)などが含まれていてもよい。また、これらの配合割合は、公知乃至慣用の割合の中から適宜選択することができる。なお、これらの添加剤などによる水分の影響を可能な限り除去することが、湿気硬化型1液型樹脂組成物の貯蔵安定性に好結果を与えるため好ましい。
また、湿気硬化型1液型樹脂組成物には、接着性や付着性を損なわない範囲で、例えば、変性シリコーン、シリル基末端ウレタンポリマー、シリル基を有し且つ主鎖がポリオキシアルキレン骨格を有しているポリマー、カルボン酸ビニルエステル系化合物等が添加されていてもよい。
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法としては、下記の工程(X)を具備していることを特徴としている。
工程(X):前記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下[イミン系化合物(B)が少なくとも存在する条件下]、重合性不飽和単量体を重合させる工程
前記工程(X)としては、イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)との存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程であってもよい。すなわち、工程(X)では、前記重合体(C)の調製方法(1)〜(3)により、イミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させている。従って、工程(X)には、具体的には、下記の工程(X1)〜(X3)などが含まれる。
工程(X1):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体を滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
工程(X2):アミン反応性化合物(A)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
工程(X3):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
前記工程(X1)や前記工程(X3)では、イミン系化合物(B)を溶媒(特に、溶媒の主成分)として用いることにより、イミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させており、一方、前記工程(X2)では、イミン系化合物(B)は溶媒(特に、溶媒の主成分)として用いず、重合性不飽和単量体とともに、滴下することにより、イミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させている。なお、前記工程(X1)は、重合体(C)の調製方法(1)に対応しており、前記工程(X2)は、重合体(C)の調製方法(2)に対応しており、前記工程(X3)は、重合体(C)の調製方法(3)に対応している。
前記工程(X1)では、重合体(C)の調製方法(1)と同様に、イミン系化合物(B)を含む溶媒系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)や、硬化触媒(E)が含まれていてもよく、あるいは、重合性不飽和単量体を含む滴下物系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)や、硬化触媒(E)が含まれていてもよい。すなわち、前記工程(X1)には、下記の工程(X1a)や(X1b)などが含まれる。
工程(X1a):イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)とを含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体を滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
工程(X1b):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
また、前記工程(X2)では、重合体(C)の調製方法(2)と同様に、アミン反応性化合物(A)を含む溶媒系に、必要に応じてシラン系化合物(D)や、硬化触媒(E)が含まれていてもよく、あるいは、重合性不飽和単量体およびイミン系化合物(B)を含む滴下物系に、必要に応じてシラン系化合物(D)や、硬化触媒(E)が含まれていてもよい。すなわち、前記工程(X2)には、下記の工程(X2a)や(X2b)などが含まれる。
工程(X2a):アミン反応性化合物(A)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)とを含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
工程(X2b):アミン反応性化合物(A)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
さらにまた、前記工程(X3)では、重合体(C)の調製方法(3)と同様に、イミン系化合物(B)を含む溶媒系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)や、硬化触媒(E)が含まれていてもよく、あるいは、重合性不飽和単量体およびイミン系化合物(B)を含む滴下物系に、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)や、硬化触媒(E)が含まれていてもよい。すなわち、前記工程(X3)には、下記の工程(X3a)や(X3b)などが含まれる。
工程(X3a):イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)とを含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
工程(X3b):イミン系化合物(B)を含んでいる溶媒系に、重合性不飽和単量体と、イミン系化合物(B)と、必要に応じて、シラン系化合物(D)及び/又はアミン反応性化合物(A)と、さらにまた必要に応じて、硬化触媒(E)とを滴下することにより、重合性不飽和単量体を重合させる工程
なお、重合性不飽和単量体の重合時に、アミン反応性化合物(A)を用いる場合、アミン反応性化合物(A)とともに、シラン系化合物(D)を用いることが好ましい。
このような工程(X)を経て得られた反応混合物(重合混合物)は、そのままの状態で[すなわち、重合体(C)及びイミン系化合物(B)を少なくとも含有している反応混合物の状態で]、湿気硬化型1液型樹脂組成物の調製の際に用いることが重要である。例えば、工程(X)において、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)が含まれている場合、湿気硬化型1液型樹脂組成物として、工程(X)により得られた反応混合物をそのまま用いることができる。
なお、さらに、シラン系化合物(D)が用いられる場合は、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)とともにシラン系化合物(D)が含まれている場合、湿気硬化型1液型樹脂組成物として、工程(X)により得られた反応混合物をそのまま用いることができ、一方、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)が含まれているが、シラン系化合物(D)が含まれていない場合は、工程(X)により得られた反応混合物と、シラン系化合物(D)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。
また、さらに、硬化触媒(E)が用いられる場合は、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)とともに硬化触媒(E)が含まれている場合、湿気硬化型1液型樹脂組成物として、工程(X)により得られた反応混合物をそのまま用いることができ、一方、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)が含まれているが、硬化触媒(E)が含まれていない場合は、工程(X)により得られた反応混合物と、硬化触媒(E)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。
もちろん、さらに、シラン系化合物(D)および硬化触媒(E)が用いられる場合は、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)とともに、シラン系化合物(D)および硬化触媒(E)が含まれている場合、湿気硬化型1液型樹脂組成物として、工程(X)により得られた反応混合物をそのまま用いることができ、一方、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)が含まれているが、シラン系化合物(D)と硬化触媒(E)との成分のうちいずれか一方又は両方が含まれていない場合は、工程(X)により得られた反応混合物と、溶媒系や滴下物系に含まれていない成分[シラン系化合物(D)及び/又は硬化触媒(E)]とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。
一方、工程(X)において、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)が含まれていない場合、工程(X)により得られた反応混合物[イミン系化合物(B)および重合体(C)を少なくとも含む混合物]と、アミン反応性化合物(A)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。すなわち、溶媒系や滴下物系にアミン反応性化合物(A)が含まれていない場合、湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法としては、さらに、下記工程(Y)を具備していることが重要である。
工程(Y):工程(X)により得られたイミン系化合物(B)および重合体(C)を含む混合物(反応混合物)と、アミン反応性化合物(A)とを混合する工程
なお、さらに、シラン系化合物(D)が用いられる場合は、工程(X)により得られた反応混合物中にシラン系化合物(D)が含まれている場合、工程(X)により得られた反応混合物と、アミン反応性化合物(A)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができ、一方、工程(X)により得られた反応混合物中にシラン系化合物(D)が含まれていない場合は、工程(X)により得られた反応混合物と、アミン反応性化合物(A)と、シラン系化合物(D)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。
また、さらに、硬化触媒(E)が用いられる場合は、工程(X)により得られた反応混合物中に硬化触媒(E)が含まれている場合、工程(X)により得られた反応混合物と、アミン反応性化合物(A)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができ、一方、工程(X)により得られた反応混合物中に硬化触媒(E)が含まれていない場合は、工程(X)により得られた反応混合物と、アミン反応性化合物(A)と、硬化触媒(E)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。
もちろん、さらに、シラン系化合物(D)および硬化触媒(E)が用いられる場合は、工程(X)により得られた反応混合物中にシラン系化合物(D)および硬化触媒(E)が含まれている場合、工程(X)により得られた反応混合物と、アミン反応性化合物(A)とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができ、一方、工程(X)により得られた反応混合物中にシラン系化合物(D)と硬化触媒(E)との成分のうちいずれか一方又は両方が含まれていない場合は、工程(X)により得られた反応混合物と、アミン反応性化合物(A)と、工程(X)により得られた反応混合物中に含まれていない成分[シラン系化合物(D)及び/又は硬化触媒(E)]とを混合することにより、湿気硬化型1液型樹脂組成物を調製することができる。
従って、工程(Y)は、「工程(X)により得られたイミン系化合物(B)および重合体(C)を含む混合物(反応混合物)と、アミン反応性化合物(A)と、必要に応じてシラン系化合物(D)及び/又は硬化触媒(E)とを混合する工程」であってもよい。
イミン系化合物(B)及び重合体(C)を含有する反応混合物と、アミン反応性化合物(A)、シラン系化合物(D)や硬化触媒(E)の他、他の成分(添加剤など)などとの混合(混練)は、窒素雰囲気下及び/又は減圧下で行うことが好ましい。また、脱水を行いながら、混合することが望ましい。
なお、添加剤などに水分が含まれている場合には、貯蔵中に硬化が生じて貯蔵安定性が低下する場合があるので、添加剤の水分を脱水除去していることが好ましく、該水分の脱水処理は、添加剤を配合する前に行っていてもよく、アミン反応性化合物(A)などに添加剤を配合した後に行ってもよい。このような水分の脱水処理方法としては、例えば、加熱及び/又は減圧による脱水処理方法などが挙げられる。
また、窒素置換を施した容器に、前記湿気硬化型1液型樹脂組成物を収納することにより、製品(市販品)としての湿気硬化型1液型樹脂組成物を含有する各種処理剤(接着剤やコーティング剤など)を製造することができる。
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、また、塗膜の柔軟性や光沢性等の各種物性が改良されており、さらにまた、優れた速硬化性を発揮させることができ、各種処理剤として利用することができる。具体的には、湿気硬化型1液型樹脂組成物は、接着剤[例えば、自動車内装用接着剤、各種車両用接着剤(例えば、電車等の車両に用いられる接着剤)、建築内装工事用接着剤、建材用接着剤、電気・電子部品用接着剤、家具用接着剤、家庭用接着剤など]、コーティング剤[例えば、塗料(例えば、コンクリート用塗料、金属用塗料、木材用塗料、タイル用塗料、プラスチック用塗料、重防食塗料など)、トップコート剤、フロアポリッシュなど]、アンダーコート剤(下塗り剤)の他、バインダ(例えば、インキ、顔料プリント、セラミック材料、不織布、繊維収束剤、ゴム、木粉等におけるバインダ)、シーリング材、封止材(シーラー)、ポッティング材、パテ材、プライマー材、ラミネート材、サイジング剤等として用いることができる。
このように、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、アミン系化合物(A)(エポキシ基含有化合物など)、イミン系化合物(B)および重合体(C)を含んでいる1液型の樹脂組成物であるにもかかわらず、貯蔵安定性が優れており、使用時に他の液(硬化剤など)と混合する必要がなく、そのままの状態で塗布して用いることができる。この際、1液型であるので、2液型とは異なり、使用に際して配合や混合、計量などを行う必要がないので、配合ぶれや混合不良などの人為的なミスを効果的に防止することができ、優れた再現性を発揮させることができる。
従って、樹脂成分と硬化剤とによる2液型の樹脂組成物に比べて、優れた作業性で使用することができるとともに、作業時間を大幅に短縮することができる。さらに、硬化の際には、加熱を必要とせず、常温であっても硬化させることができ、また、加熱により硬化を促進させることも可能である。
また、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、前述のように、幅広い用途で利用することができ、しかも、幅広い基材に対して密着性(付着性や接着性など)を発揮させることができるとともに、各種物性(柔軟性、接着性、光沢性など)を向上させることができ、各種用途において優れた作業性で用いることができる。特に、硬化触媒(E)を用いることにより、優れた速硬化性も発揮させることができ、例えば、接着剤として用いた場合、収まり性を良好にすることができるので、接着に際しての養生や仮押さえに要する時間が短く、被着体同士を接着させる作業性が良好であり、作業時間を大幅に短縮することができ、一方、コーティング剤として用いた場合、塗布層(塗膜)の形成に際しての養生に要する時間が短く、この場合も、被塗布体に塗布層を形成させる作業性が良好であり、作業時間を大幅に短縮することができる。
本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、1液型の接着剤や1液型のコーティング剤(1液型の塗料など)として好適に用いることができる。なお、湿気硬化型1液型樹脂組成物を1液型の接着剤として利用する場合は、被着体(適用基材)としては、両被着体は多孔質、非多孔質のいずれであってもよいが、少なくとも一方が多孔質であることが好ましい。なお、このような被着体としては、同一の素材からなる被着体同士であってもよく、異なる素材からなる被着体であってもよい。また、1液型のコーティング剤として利用する場合は、塗布層を形成させる被塗布体(適用基材)は、特に制限されず、多孔質、非多孔質のいずれであってもよい。
より具体的には、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、2液型ではなく、1液型であるので、アミン反応性化合物(A)がエポキシ基含有化合物(エポキシ樹脂など)であっても、無機材料(コンクリート等)や金属材料(アルミニウム、ステンレス等)の他、各種プラスチック材料などに対しても良好な密着性(付着性や接着性等)を発揮することができる。特に、重合体(C)として、少なくともアクリル系単量体が用いられているアクリル系重合体が用いられていると、より一層、プラスチック材料等に対する密着性(付着性や接着性等)を向上させることができる。したがって、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物は、種々の用途(接着や塗膜形成など)において、例えば、無機材料(例えば、コンクリート、モルタル、タイル、石など)、金属材料(例えば、アルミニウム、銅、鉄、ステンレスなど)、木質材料(例えば、木材、チップボード、パーチクルボード、ハードボード、MDFなどの木質ボード、合板など)、紙質材料(例えば、段ボール紙、板紙、クラフト紙等の紙や、紙類似物質、防湿紙等の加工紙など)、繊維材料(例えば、不織布、織布など)、革材料、ガラス材料、磁器材料、各種プラスチック材料[例えば、ポリ塩化ビニル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体等)、ポリウレタン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等)、アクリル系樹脂(ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等)、ポリカーボネート系樹脂など]、ゴム材料[例えば、天然ゴム;オレフィン系ゴム(エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等)、スチレン系ゴム(スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム等)、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコンゴム等の合成ゴムなど]などの各種の基材に対して適用することができる。これらの基材の形状は、特に制限されず、フィルム又はシート状、板状、角柱状、円柱状などどのような形状であってもよい。また、基材が、プラスチック材料により形成されている場合は、発泡体等であってもよい。
なお、これら基材に適用する際には、刷毛やローラー等による塗布、噴霧、浸漬等の公知乃至慣用の方法を採用することができる。また、本発明の湿気硬化型1液型樹脂組成物を、基材(被着体や被塗布体など)に塗布した後は、各種乾燥条件(自然乾燥、強制乾燥等)で乾燥を行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
実施例及び比較例で用いた材料は下記の通りである。
[アミン反応性化合物(A)]
(1)商品名「エピコート828」(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ樹脂;「アミン反応性化合物(A1)」と称する場合がある)
(2)下記のウレタンプレポリマーの調製例1により得られたウレタンプレポリマー(「アミン反応性化合物(A2)」と称する場合がある)
(ウレタンプレポリマーの調製例1)
商品名「スミフェン3700K」(住友バイエルウレタン社製;ポリオール化合物):1300gと、商品名「アデカポリエーテルG700」(旭電化工業社製;ポリオール化合物):130gとを、100℃、減圧下(約10mmHg)で2時間加熱脱水した。前記加熱脱水後、80℃まで冷却し、商品名「G412」(住友バイエルウレタン社製;ポリイソシアネート化合物)を246g添加し、2時間加熱しながら攪拌した、その後、乾燥した重質炭酸カルシウム(商品名「NS100」日東粉化社製)120gと、希釈剤(商品名「ペガソール3040」モービル石油社製)90gとを添加し、減圧下(約10mmHg)で混合することにより、ウレタン系プレポリマーを得た。
[イミン系化合物(B)]
(1)下記のイミン系化合物の調製例1により得られたケチミン系化合物(「イミン系化合物(B1)」と称する場合がある)
(イミン系化合物の調製例1)
アミンとしての1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(商品名「1,3−BAC」三菱ガス化学社製):142部と、カルボニル化合物としてのジエチルケトン:258部(ジエチルケトン/1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(モル比)=3/1)と、トルエン:200部とをフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら、トルエンとジエチルケトンとが環流する温度(120〜150℃)で20時間環流して反応を行った。その後、過剰のジエチルケトンとトルエンとを蒸留により取り除き、ケチミン系化合物を得た。
(2)下記のイミン系化合物の調製例2により得られたケチミン系化合物(「イミン系化合物(B2)」と称する場合がある)
(イミン系化合物の調製例2)
アミンとしてのイソホロンジアミン(商品名「IPDA」ピィー・ティー・アイジャパン社製):170部(ジエチルケトン/イソホロンジアミン(モル比)=3/1)を用いたこと以外は、前記イミン系化合物の調製例1と同様にしてケチミン系化合物を調製した。
(3)商品名「ALD−1」(三井化学社製;アルジミン系化合物)(「イミン系化合物(B3)」と称する場合がある)
[重合体(C)の重合性不飽和単量体]
(1)アクリル酸n−ブチル(「モノマー(C1)」と称する場合がある)
(2)メタクリル酸メチル(「モノマー(C2)」と称する場合がある)
(3)商品名「KBM503」(信越化学工業社製、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;「モノマー(C3)」と称する場合がある)
(4)アクリル酸エチル(「モノマー(C4)」と称する場合がある)
(5)メタクリル酸n−ブチル(「モノマー(C5)」と称する場合がある)
(6)アクリル酸(「モノマー(C6)」と称する場合がある)
(7)スチレン(「モノマー(C7)」と称する場合がある)
[シラン系化合物(D)]
(1)商品名「KBM403」(信越化学工業社製;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;「シラン系化合物(D1)」と称する場合がある)
(2)商品名「TSL−8124」(GE東芝シリコーン社製;テトラエトキシシラン;「シラン系化合物(D2)」と称する場合がある)
[硬化触媒(E)]
(1)商品名「#918」(三共有機合成社製;スズ系触媒;「硬化触媒(E1)」と称する場合がある)
(実施例1)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部と、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部とを混合して混合溶液(「溶媒系A」と称する場合がある)を調製した。
また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、モノマー(C5):57.6部に、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):1.68部を配合して、モノマー液(「滴下物系A」と称する場合がある)を調製した。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Aを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Aを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得て、該反応混合物をそのまま樹脂組成物とした。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例2〜8)
重合体(C)を調製する際の溶媒、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表1に示す組成の溶媒、モノマー滴下物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、反応混合物を得て、該反応混合物をそのまま樹脂組成物とした。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例9)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部(「溶媒系B」と称する場合がある)を用いた。また重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表1に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系B」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Bを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Bを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部とを配合して、樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例10)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部と、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部とを混合して混合溶液(「溶媒系C」と称する場合がある)を調製した。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表1に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系C」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Cを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Cを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部を配合して、樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例11)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部(「溶媒系D」と称する場合がある)を用いた。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、モノマー(C1):28.8部、モノマー(C2):23部、モノマー(C3):5.8部、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部、およびイミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部の混合物に、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:1.68部を配合して、モノマー液(「滴下物系D」と称する場合がある)を調製した。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Dを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Dを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得て、該反応混合物をそのまま樹脂組成物とした。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例12〜13)
重合体(C)を調製する際の溶媒、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表1に示す組成の溶媒、モノマー滴下物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、反応混合物を得て、該反応混合物をそのまま樹脂組成物とした。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例14)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B3):6部(「溶媒系E」と称する場合がある)を用いた。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表1に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系E」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Eを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Eを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A2):100部を配合して、樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。
(実施例15)
重合体(C)を調製する際の溶媒、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表1に示す組成の溶媒、モノマー滴下物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、反応混合物を得て、該反応混合物に、硬化触媒(E1)を、アミン反応性化合物(A1)100重量部に対して2重量部となる割合で添加し、混合して樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物と、硬化触媒とが含まれている。また、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、イミン系化合物の存在下で重合させて得られている。したがって、実施例15に係る樹脂組成物は、実施例8に係る樹脂組成物中に、硬化触媒(E1)が、アミン反応性化合物(A1)100質量部に対して2質量部となる割合で添加されたものに相当している。
(比較例1)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部とを混合して混合溶液(「溶媒系F」と称する場合がある)を調製した。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表2に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系F」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Fを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Fを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部を配合して、樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。しかし、重合性不飽和単量体を重合させる際には、イミン系化合物が用いられておらず、イミン系化合物の非存在下で重合性不飽和単量体の重合を行っている。
(比較例2)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、酢酸エチル:136部(「溶媒系G」と称する場合がある)を用いた。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表2に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系G」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Gを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Gを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部と、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部とを配合して樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。しかし、重合性不飽和単量体を重合させる際には、イミン系化合物が用いられておらず、イミン系化合物の非存在下で、酢酸エチルを溶媒として重合性不飽和単量体の重合を行っている。
(比較例3)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部(「溶媒系H」と称する場合がある)を用いた。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表2に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系H」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Hを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Hを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部とを配合して、樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。しかし、重合性不飽和単量体を重合させる際には、イミン系化合物が用いられておらず、イミン系化合物の非存在下で重合性不飽和単量体の重合を行っている。
(比較例4)
アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部と、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部とを、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら配合して、樹脂組成物を得た。すなわち、該樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物とが含まれている。しかし、重合体(C)が含まれていない。
(比較例5)
重合体(C)を調製する際の溶媒として、アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A1):71部と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物としてのシラン系化合物(D1):29部とを混合して混合溶液(「溶媒系I」と称する場合がある)を調製した。また、重合体(C)を調製する際の重合性不飽和単量体を含むモノマー滴下物として、表2に示す組成のモノマー滴下物(「滴下物系I」と称する場合がある)を用いた。
窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、窒素を容器内に導入して、窒素雰囲気下、前記溶媒系Iを仕込み、攪拌しながら85℃に昇温させた。その後、窒素雰囲気下、同温度(85℃)を保持させながら攪拌下、前記滴下物系Iを1時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行った。その後、さらに、重合開始剤を反応容器内に、モノマー液中の量に対して0.2倍(1/5倍)の量を追加し、さらに2時間、同温度(85℃)を保持させながら攪拌を行って重合を進行させた後、室温まで冷却して、反応混合物を得た。
得られた反応混合物に、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B1):36部を配合して、樹脂組成物を得た。
なお、前記樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物と、イミン系化合物とが含まれているが、イミン系化合物は、重合性不飽和単量体を重合させる際に用いられておらず、重合性不飽和単量体を重合させた後に用いられている。すなわち、イミン系化合物の非存在下で重合性不飽和単量体の重合を行っている。
(比較例6)
アミン反応性化合物としてのアミン反応性化合物(A2):100部と、イミン系化合物としてのイミン系化合物(B3):6部とからなる樹脂組成物を調製した。すなわち、該樹脂組成物には、アミン反応性化合物と、イミン系化合物とが含まれており、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体が含まれていない。
(評価)
実施例1〜14および比較例1〜6において得られた樹脂組成物について、下記の安定性試験方法、皮膜物性試験方法により、樹脂組成物の安定性、皮膜物性を評価した。評価結果は、表1〜3に併記した。
(安定性試験方法)
各樹脂組成物についての粘度をそれぞれ調製直後に測定し、さらに、それぞれをカートリッジに充填密封して、40℃且つ65%RHの環境下で60日間放置した後に、それぞれの粘度を測定した。放置前後での粘度の値を比較して、下記の評価基準により、樹脂組成物の安定性(貯蔵安定性)をそれぞれ評価した。評価結果は、表1〜3の「安定性」の欄に示した。なお、粘度測定は、23℃且つ65%RHの環境下で、BH型粘度計(10r/min)の条件で行った。
(評価基準)
◎:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が2未満である。
○:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が2以上4未満である。
△:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が4以上6未満である。
×:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が6以上である。
(皮膜物性試験方法)
各樹脂組成物を、それぞれ、0.5mmの厚さで注型し、23℃且つ65%RHの環境下で、7日間養生する。その後、型枠から取り外し、40℃且つ90%RHの環境下で、さらに養生を7日間行った後、長さ14cm、幅2cmの大きさに切断して、硬化物を作製する。該硬化物に、ポリ塩化ビニル製のタブを、図1に示すように、タブ間の距離を4cmに調整して接着剤により取り付けて、試験片とする。この試験片を、引張試験機を用いて、タブ部をエアチャックで固定して、23℃且つ65%RHの条件下で、引張速度5mm/minで引張、破断時の強度とそのときの伸びとを測定した。この破断時の強度と伸びにより、皮膜物性を評価した。評価結果は、それぞれ、表1〜3の「皮膜物性」における「強度(N/mm2)」、「伸び(mm)」の欄に示した。
なお、図1は皮膜物性試験で用いられる試験片を示す概略図である。図1において、1は試験片、2は樹脂組成物による硬化物、3はポリ塩化ビニル製タブを示す。硬化物2の形状は、長さが14cm、幅が2cm、厚みが0.5mmである。
Figure 0004812245
Figure 0004812245
Figure 0004812245
表1〜3より、実施例1〜14に係る樹脂組成物は貯蔵安定性が優れており、特に、実施例1〜7に係る樹脂組成物は極めて貯蔵安定性が優れている。また、重合体(C)(重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体)を調製する際に用いられる重合性不飽和単量体の種類やその配合割合などにより、硬化物の物性が各種物性にコントロールされている。また、樹脂組成物の調製に際しては、重合体(C)の調製により得られた反応混合物をそのまま利用しており、溶剤の除去を行っていない。
特に、実施例15に係る樹脂組成物中には、硬化触媒が含まれているにもかかわらず、貯蔵安定性が優れており、硬化触媒を含んでいない場合(例えば、実施例8に係る樹脂組成物)と同等の貯蔵安定性を保持している。
一方、比較例1〜3に係る樹脂組成物は、重合性不飽和単量体を重合させる際には、イミン系化合物が用いられておらず、イミン系化合物の非存在下で重合性不飽和単量体の重合を行っているために、いずれも貯蔵安定性が低く、1液型の樹脂組成物として、製品化するには適していない。
比較例4や比較例6に係る樹脂組成物は、重合性不飽和単量体に重合体(C)が用いられておらず、安定性が悪く、皮膜に強靱性がない。
(接着性の評価)
また、実施例8および比較例4において得られた樹脂組成物について、下記の接着性試験方法により、各種被着体に対する接着性を評価した。評価結果は表4に示した。
(接着性試験方法)
被着体として、木材(木製基材)と、木材以外の各種基材(ポリスチレン製基材、ポリエチレンテレフタレート製基材、アルミニウム製基材、ステンレス製基材)とを用いた。具体的には、木材(厚み:5mm)と、各種基材[プラスチック製基材(ポリスチレン製基材、ポリエチレンテレフタレート製基材)の厚み:5mm、金属製基材(アルミニウム製基材、ステンレス製基材)の厚み:1.6mm]とを、各樹脂組成物を用いて貼り合わせ(貼り合わせ部の面積:2.5×2.5cm2)、常温(23℃)で1週間養生を行った後、引張せん断試験機を用いて、23℃且つ65%RHの環境下で、引張速度:5mm/minでせん断試験を行って、接着強度(N/mm2)を測定し、接着性を評価した。評価結果は、表4に示した。なお、表4において、上段は接着強度(N/mm2)を示し、下段は破壊状態を示している。下段の破壊状態において、「プラ材破」は、被着体(木材および各種基材)のうち、プラスチック製基材(ポリスチレン製基材、またはポリエチレンテレフタレート製基材)中で破壊が生じている状態を意味しており、「木材破」は、被着体(木材および各種基材)のうち、木材中で破壊が生じている状態を意味している。また、「プラ界面」は、樹脂組成物による硬化物層と、被着体のうち、プラスチック製基材(ポリスチレン製基材、またはポリエチレンテレフタレート製基材)との界面で剥離が生じている状態を意味しており、「凝集破壊」とは、樹脂組成物による硬化物層中で破壊が生じている状態を意味している。
Figure 0004812245
表4より、実施例8や比較例4に係る樹脂組成物は、1液型エポキシ系樹脂組成物であるので、プラスチック製基材に対しても良好な接着性を有している。特に、実施例8に係る樹脂組成物は、アクリル系重合体を含有する1液型エポキシ系樹脂組成物であるので、引張せん断試験では、プラスチック製基材の方に破壊が生じるほど、プラスチック製基材に対して優れた接着性を有していることが確認された。
(硬化触媒の効果についての評価)
さらに、実施例8、実施例15および比較例4において得られた樹脂組成物について、下記の光沢性評価方法、収まり性評価方法により、塗膜の光沢性と、被着体どうしを接着させた際の初期の収まり性とを評価した。
(光沢性評価方法)
木材(木製基材)の表面に、各温度(10℃、23℃)の条件下、各樹脂組成物を塗布(塗布量:200g/m2)し、且つ同一の各温度(10℃、23℃)で1日間(24時間)養生した後、形成された塗膜を目視で観察し、塗膜の光沢性を下記の評価基準により評価した。評価結果は表5に示した。
<塗膜の光沢性の評価基準>
◎:10℃および23℃の条件下で塗布、養生した塗膜の両方とも、良好な光沢性を有していた
○:23℃の条件下で塗布、養生した塗膜のみ、良好な光沢性を有していた
×:10℃および23℃の条件下で塗布、養生した塗膜の両方とも、表面に曇りが見られた
(収まり性評価方法)
木材(木製基材)と、ポリスチレン製基材とを、常温(23℃)で、各樹脂組成物を用いて貼り合わせ(塗布量:200g/m2)、常温(23℃)で5時間養生させた後、指で触って、両被着体どうしがずれないかを確認した。また、指で触ってずれた際には、樹脂組成物部分の硬化性を指触により、硬化状態を確認し、収まり性を下記の評価基準により評価した。評価結果は表5に示した。
<収まり性の評価基準>
◎:ずれない(樹脂組成物は完全硬化状態である)
○:ずれる(樹脂組成物は半硬化状態である)
×:ずれる(樹脂組成物は未硬化状態である)
Figure 0004812245
表5より、実施例15に係る樹脂組成物は、硬化触媒を含有しているので、10℃という低温で硬化させた際でも、優れた光沢性を有するとともに、初期の収まり性が良好となっている。また、実施例8に係る樹脂組成物は、硬化触媒を含有していないので、低温で塗布・養生させた際の光沢性や収まり性は良好であるとはいえないが、常温(23℃)で塗布・養生させた際の光沢性および収まり性は良好である。一方、比較例4に係る樹脂組成物は、光沢性および収まり性は、ともに低い。
皮膜物性試験で用いられる試験片を示す概略図である。
符号の説明
1 試験片
2 樹脂組成物による硬化物
3 ポリ塩化ビニル製タブ

Claims (15)

  1. ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂又はその水添化物若しくは臭素化物、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、及びイソシアネート基末端ウレタン系ポリマーから選択されるアミン反応性化合物(A)(但し、下記の重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有する湿気硬化型1液型樹脂組成物であって、前記重合体(C)が、下記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体であることを特徴とする湿気硬化型1液型樹脂組成物。
    Figure 0004812245
  2. 重合性不飽和単量体が、アクリル系単量体を含んでいる請求項1記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
  3. 重合性不飽和単量体が、下記式(2)で表される反応性シリル基を含有する重合性不飽和単量体を含んでいる請求項1又は2記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
    Figure 0004812245
    (式(2)において、R5は水素原子又は炭化水素基を示す。)
  4. 湿気硬化型1液型樹脂組成物において、アミン反応性化合物(A)におけるアミン系化合物に対する反応性官能基1モルに対して、イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基が反応することが可能なモル数をnモルとした場合、イミン系化合物(B)が、該イミン系化合物(B)の加水分解により生成するアミンのアミノ基のモル数/アミン反応性化合物(A)における反応性官能基のモル数が0.5n〜2nとなるような割合で含まれている請求項1〜の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
  5. さらに、下記式(3d)、又は下記式(3e)で表されるシラン系化合物(D)(但し、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)を含有している請求項1〜の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
    Figure 0004812245
    (式(3d)において、R 9 、R 10 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R 7 、R 8 は前記に同じ。式(3e)において、R 11 はOR 7 又はR 8 を示し、R 12 は有機基を示す。jは1以上の整数である。R 7 、R 8 、hは前記に同じ。)
  6. さらに、硬化触媒(E)を含有している請求項1〜の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
  7. 硬化触媒(E)が、スズ系硬化触媒である請求項記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
  8. 重合体(C)が、イミン系化合物(B)およびシラン系化合物(D)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体である請求項1〜の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
  9. 重合体(C)が、イミン系化合物(B)、シラン系化合物(D)およびアミン反応性化合物(A)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体である請求項1〜の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
  10. イミン系化合物(B)が、下記式(1c)で表される基を有するケチミン系化合物である請求項1〜の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
    Figure 0004812245
    (式(1c)において、R1a、R2aは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキル基を示す。)
  11. イミン系化合物(B)が、下記式(1d)で表される基を有するケチミン系化合物である請求項1〜10の何れかの項に記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物。
    Figure 0004812245
  12. ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂又はその水添化物若しくは臭素化物、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、及びイソシアネート基末端ウレタン系ポリマーから選択されるアミン反応性化合物(A)(但し、下記の重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)と、イミン系化合物(B)と、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)とを含有する湿気硬化型1液型樹脂組成物を製造する方法であって、下記の工程(X)を具備することを特徴とする湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法。
    工程(X):下記式(1)で表される基を有するイミン系化合物(B)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程
    Figure 0004812245
  13. さらに、下記工程(Y)を具備している請求項12記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法。
    工程(Y):工程(X)により得られたイミン系化合物(B)および重合体(C)を含む混合物と、アミン反応性化合物(A)とを混合する工程
  14. 工程(X)が、イミン系化合物(B)、および下記式(3d)、又は下記式(3e)で表されるシラン系化合物(D)(但し、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程である請求項12又は13記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0004812245
    (式(3d)において、R 9 、R 10 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R 7 、R 8 は前記に同じ。式(3e)において、R 11 はOR 7 又はR 8 を示し、R 12 は有機基を示す。jは1以上の整数である。R 7 、R 8 、hは前記に同じ。)
  15. 工程(X)が、イミン系化合物(B)、下記式(3d)、又は下記式(3e)で表されるシラン系化合物(D)(但し、重合性不飽和単量体を重合させて得られる重合体(C)に含まれるものを除く)およびアミン反応性化合物(A)の存在下、重合性不飽和単量体を重合させる工程である請求項12記載の湿気硬化型1液型樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0004812245
    (式(3d)において、R 9 、R 10 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を示す。hは1又は2である。iは1以上の整数である。R 7 、R 8 は前記に同じ。式(3e)において、R 11 はOR 7 又はR 8 を示し、R 12 は有機基を示す。jは1以上の整数である。R 7 、R 8 、hは前記に同じ。)
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