JP5290016B2 - 反応性ホットメルト樹脂組成物及び反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents

反応性ホットメルト樹脂組成物及び反応性ホットメルト接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、反応性ホットメルト樹脂組成物及びこれを用いた反応性ホットメルト接着剤に関し、特に、加水分解性ケイ素基を有する硬化性樹脂と特定の有機金属塩とを用いて調製され、加熱溶融して被着材に塗布・貼り合わせ、その後室温で急速に硬化する反応性ホットメルト接着剤に関する。
接着・接合形成に用いられる硬化性樹脂には様々なものがあり、その硬化形態も樹脂の分子構成によって異なり、熱硬化するものや、触媒、雰囲気の湿分等との接触によって反応・硬化するものなどの種々のものから、用途に応じて適した硬化形態のものが使い分けられる。
ホットメルト接着剤は、室温で固体状の熱可塑性樹脂を加熱溶融して接着面に塗布した後に冷却固化させることによって被着材を接着する。これに対し、反応性ホットメルト接着剤は、上記ホットメルト接着剤と同様の冷却固化による接着(一次接着)の後、さらに接着剤層を構成する樹脂中で硬化触媒が作用して架橋等の反応が進行しながら硬化し、被着体をさらに強固に接着し、同時に接着剤層の耐熱性も向上させる(二次接着)。従って、反応性ホットメルト接着剤では、溶融・塗布・貼り合わせの段階(一次接着段階)には樹脂の硬化反応は進行せず、二次接着段階すなわち被着面上に塗布された樹脂において硬化を進行させるために、熱供給がなく温度が降下した(典型的には常温に近い)状態で硬化触媒が作用する必要がある。
従来の反応性ホットメルト接着剤では、硬化性樹脂として、末端イソシアネート基を有する樹脂が汎用的に採用されているが、接着強さが分単位で立ち上がり急速に発現するような硬化速度が速いものは無い。
また、汎用ではないが、加水分解性ケイ素基を有する樹脂の耐熱性、耐候性、電気絶縁性等の特性に着目し、加水分解性ケイ素基等の加水分解性ケイ素基を有する樹脂を用いた反応性ホットメルト接着剤が市販されている。この反応性ホットメルト接着剤は、硬化触媒としてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物が用いており、例えば、下記特許文献1には、硬化性樹脂としてシリル化ウレタン樹脂を用い、硬化触媒として有機スズ化合物を配合するものが記載されている。しかし、このような加水分解性ケイ素基を有する樹脂を用いた反応性ホットメルト接着剤も、反応速度が極めて遅く、硬化に1日以上を要する。また、有機スズ化合物以外には、有機酸及びアミン化合物がよく知られている。しかし、これらの硬化触媒を用いた場合も、硬化速度の点で不十分であるため、反応性ホットメルト接着剤としての汎用化には至っていなかった。
そこで、本発明者らは、加水分解性ケイ素基を有する樹脂を用いた速硬化性の反応性ホットメルト樹脂組成物及びこれを用いた反応性ホットメルト接着剤等を提供することを目的として研究し、加水分解性ケイ素基を分子内に有する硬化性樹脂と、ハロゲン化ホウ素及び/又はハロゲン化ホウ素錯体からなる群より選ばれる少なくとも一種のホウ素化合物とを含有する反応性ホットメルト樹脂組成物が所期の目的を達することを発明し特許出願した(特許文献2)。
特開2003−055555号公報 WO2006/016568号公報
本発明者らが上述のように所期の目的を達し、上述の速硬化性の反応性ホットメルト樹脂組成物を用いた反応性ホットメルト接着剤を市場に導入したところ、さらに新たな課題が見出された。
近年の化学物質に関する法規制等の動向により、業界によっては塩素、臭素、フッ素等を含有するハロゲン化合物が敬遠される傾向があり、いわゆる「ハロゲンフリー」の製品が求められることがある。このような業界事情から、上述の速硬化性反応性ホットメルト樹脂組成物において硬化触媒的作用を示す成分であるハロゲン化ホウ素及び/又はハロゲン化ホウ素錯体が例え微量であっても気になるというユーザーが存在したのである。
本発明が解決しようとする課題は、上述のハロゲン化ホウ素及び/又はハロゲン化ホウ素錯体を用いたときと同様の耐熱性を有する、実質的にハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含まない、反応性ホットメルト樹脂組成物及びそれを含有する反応性ホットメルト接着剤等を提供することにある。
このような問題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究の結果、加水分解性ケイ素基を有する硬化性樹脂と特定の有機金属塩とを用いて調製された反応性ホットメルト接着剤組成物によって上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は次の第1〜11の発明から構成される。
すなわち、第1の発明は、加水分解性ケイ素基を分子内に有する硬化性樹脂(A)と、カルボン酸金属塩(B)とを含有し、ハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含まない反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤であって、カルボン酸金属塩(B)が、カルボン酸カルシウム塩、カルボン酸バナジウム塩、カルボン酸鉄塩、カルボン酸チタン塩、カルボン酸ジルコニウム塩、カルボン酸セリウム塩、カルボン酸アルミニウム塩、カルボン酸カリウム塩、カルボン酸ビスマス塩、カルボン酸バリウム塩、カルボン酸亜鉛塩から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
また、第2の発明は、カルボン酸金属塩(B)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部の割合で含有する、第1の発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
の発明は、更に、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する粘着付与樹脂(C)を含有する第1又は第2の発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
また、第の発明は、粘着付与樹脂(C)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して5質量部〜1000質量部の割合で含有する第の発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する粘着付与樹脂(C)を配合することによって、反応性ホットメルト樹脂組成物の冷却固化特性を調整したり、溶融時の粘度調整や、接着剤として使用した際の接着性を調整したりすることができる。
の発明は、更に、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂(D)を含有する第1〜第の何れかの発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
また、第の発明は、熱可塑性樹脂(D)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して5質量部〜1000質量部の割合で含有する第の発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
また、第の発明は、熱可塑性樹脂(D)がポリエチレンワックスである第又は第の発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂(D)を配合することによって、反応性ホットメルト樹脂組成物の冷却固化特性を調整したり、溶融時の粘度調整や、接着剤として使用した際の接着性を調整したりすることができる。また、熱可塑性樹脂(D)はポリエチレンワックスであると、硬化物のポリエチレンに対する接着強さが大幅に向上するので、ポリエチレンの接着を要する用途に好適な樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤が得られる。
の発明は、更に、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有し加水分解性ケイ素基を有する常温で液体の反応性希釈剤(E)を含有する第1〜の何れかの発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
また、第の発明は、反応性希釈剤(E)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して3〜75質量部の割合で含有する第9の発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有し加水分解性ケイ素基を有する常温で液体の反応性希釈剤(E)を配合することによって、反応性ホットメルト樹脂の冷却固化特性を調整したり、溶融時の粘度調整ができたりするとともに、二次接着段階で反応硬化後の皮膜の耐熱性能を高く維持することができる。
第10の発明は、硬化性樹脂(A)の主鎖が、ポリオレフィンである第1〜9の何れかの発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
第11の発明は、硬化性樹脂(A)が有する加水分解性ケイ素基は、式:−SiR、又は、式:−SiX(式中、X、X及びXは、各々、ハイドライド基、アルコキシル基、アシルオキシル基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシル基、メルカプト基及びアルケニルオキシル基からなる群より選択される加水分解性基を示し、同一でも異なっていてもよく、Rは、炭素数1〜6個の置換若しくは非置換の有機基を示す)で表される加水分解性ケイ素基である第1〜10の何れかの発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤に関するものである。
前記硬化性樹脂は、特定の主鎖骨格を持つものであることが好ましく、また加水分解性ケイ素基についても特定のものであることが好ましい。
本発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物及びそれを含有する反応性ホットメルト接着剤を用いれば、ハロゲン化ホウ素及び/又はハロゲン化ホウ素錯体を用いたときと同様の耐熱性を有しつつ、実質的にハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含まない、反応性ホットメルト樹脂組成物及びそれを含有する反応性ホットメルト接着剤等が得られるという効果を奏するものである。
以下、本発明を実施するための形態を、詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明の反応性ホットメルト樹脂組成物は、加水分解性ケイ素基を分子内に有する硬化性樹脂(A)と、硬化触媒とを含有し、硬化触媒としてカルボン酸金属塩(B)を用いる。硬化性樹脂の加水分解性ケイ素基は、加水分解性ケイ素基又はシラノール基であり、硬化触媒は、シリル基の加水分解及びシラノール基の脱水・架橋反応の触媒として作用する。硬化触媒がカルボン酸金属塩(B)であることにより、塗布後の樹脂の硬化が極めて速く、接着初期において極めて早く樹脂が安定化して接合状態が維持可能となるので、組立て、貼付け等の作業効率が格段に改善される。
硬化触媒としてカルボン酸金属塩(B)を用いた時に硬化性樹脂(A)が著しく速く硬化することは、様々な化合物を用いた試行錯誤から見出された事実であり、その理由は定かではないが、硬化性樹脂組成物中においてカルボン酸金属塩(B)が加水分解性ケイ素基近傍に局在し易いことが1つの要因と考えられる。すなわち、カルボン酸金属塩はカルボニル基の酸素原子の電子吸引性により、分子内分極していること、及び、カルボン酸と塩を形成している金属原子は無機性が高いこと等に起因するものであると考察しているが詳細は定かではない。
以下、本発明における反応性ホットメルト樹脂組成物を構成する各要素について詳細に説明する。
[硬化性樹脂(A)について]
本発明における、加水分解性ケイ素基を有する硬化性樹脂(A)とは、その分子内に加水分解性基を有する硬化性樹脂であれば基本的には限定されないが、反応性ホットメルト樹脂組成物を得るということから、未硬化の状態で常温固体であるものが好ましい。このような常温固体の硬化性樹脂(A)の主鎖は実質的にポリオレフィンであると、ABSやPET、硬質塩ビ等の比較的接着しやすい被着体だけでなく、PPやPEといった難接着被着体にも優れた接着性を示すという観点からさらに好ましい。
また、硬化性樹脂(A)が有する加水分解性ケイ素基は、式:−SiR、又は、式:−SiX(式中、X、X及びXは、各々、ハイドライド基、アルコキシル基、アシルオキシル基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシル基、メルカプト基及びアルケニルオキシル基からなる群より選択される加水分解性基を示し、同一でも異なっていてもよく、Rは、炭素数1〜6個の置換若しくは非置換の有機基を示す)で表される基であることが好ましい。中でも、加水分解性基がアルコキシル基である加水分解性ケイ素基が、高反応性及び低臭性などの点から好ましい。
また、2官能性の加水分解性ケイ素基よりも3官能性の加水分解性ケイ素基の方が、硬化触媒(B)との反応性が高いので、3官能性加水分解性ケイ素基を有する樹脂を用いた方が硬化速度はより速くなる。2官能性加水分解性ケイ素基は、3官能性加水分解性ケイ素基が共存すると、2官能性加水分解性ケイ素基単独の場合より反応性が向上するので、分子内に含まれる加水分解性ケイ素基の一部が2官能性であり他の部分が3官能性である硬化性樹脂(A)は、好ましい形態の1つであり、2官能性加水分解性ケイ素基を有する樹脂と3官能性加水分解性ケイ素基を有する樹脂とを混合して用いてもよい。
上記加水分解性ケイ素基を有する硬化性樹脂(A)が、更に、ウレタン結合(−NHC(=O)O−)、尿素結合(−NHC(=O)NH−)、置換尿素結合(−NHC(=O)NR−/ここでRは1価の有機基)、第2級アミノ基(−NRH)及び第3級アミノ基(−NRR′)等のような極性要素を分子内に有すると、硬化触媒(B)による硬化の速度はより速くなる傾向があるので、上記結合及び基から選ばれる少なくとも一種の極性要素を有する硬化性樹脂であると好ましい。このような極性要素が硬化速度の向上に有効な理由は定かではないが、これらの結合又は基、とりわけ孤立電子対を有する窒素原子又は酸素原子との電子的配位等との関連によって加水分解性ケイ素基の反応が活性化されるためと推測される。上記極性要素の中でも、特に置換尿素結合が有効である。極性要素の導入による硬化速度の向上は、加水分解性ケイ素基が3官能性の場合の方が2官能性の場合より大きい。
極性要素を有していない硬化性樹脂(A)は、その主鎖骨格によって、オキシアルキレン重合体、飽和炭化水素系重合体、ビニル重合体等に分類することができ、このような重合体から適宜選択して用いることができる。
主鎖骨格がオキシアルキレン重合体である硬化性樹脂(A)としては、例えば、特公昭45−36319号、同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同55−137129号の各公報等に提案されている樹脂(一般に、変成シリコーンと呼ばれる樹脂)が挙げられる。
上記オキシアルキレン重合体タイプの硬化性樹脂(A)を製造する方法としては、アルケニル基を有するポリオキシアルキレンのアルケニル基に、分子内に上記加水分解性ケイ素基を有する水素化シリコン化合物を付加反応させる方法、あるいは、アルケニル基を有するポリオキシアルキレンに、分子内にメルカプト基と上記加水分解性ケイ素基とを有するメルカプトシラン化合物を反応させて、アルケニル基にメルカプト基をラジカル付加する方法がよく知られている。
あるいは、上記オキシアルキレン重合体タイプの硬化性樹脂(A)として、市販のオキシアルキレン重合体から適したものを選択して用いてもよく、使用可能な樹脂製品として、例えば、鐘淵化学工業社製製品(商品名:S203、S303、S810、SAT010、SAT030、SAT070、SAT200、SAT350、SAT400、MA903、MA904、MAX923、S911、S943、EST200、EST250、ESX280、SAX720、SAX725、SAX770、MA430、MA440、MA440A、MA447、MAX610)、旭硝子社製製品(商品名:ES−S2410、ES−S2420、ES−S3430、ES−S3630、ES−GX3440ST)等が挙げられる。
主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体である硬化性樹脂(A)としては、例えば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特許公報第2512468号、特開昭64−22904号、特許公報第2539445号等に記載される反応性シリル基含有飽和炭化水素重合体が挙げられる。また、飽和炭化水素重合体タイプの硬化性樹脂(A)として、市販の飽和炭化水素重合体から適したものを選択して用いてもよく、例えば、鐘淵化学工業社製製品(商品名:エピオンシリーズ)、エボニックデグサジャパン社製製品(商品名:VESTOPLAST206、VESTOPLAST EP204,VESTOPLAST EP2303、VESTPLAST EP2403、VESTOPLAST EP2606、VESTPLAST EP2412、VESTPLAST EP2315)、クラリアントジャパン社製(商品名:PP SI 1362)等が挙げられる。
主鎖骨格がビニル重合体である硬化性樹脂(A)としては、例えば、特開平9−272715号、特開平9−272714号、特開平11−080249等、特開平11−080250等、特開平11−005815等、特開平11−116617等、特開平11−116606等、特開平11−080571等、特開平11−080570等、特開平11−130931等、特開平11−100433等、特開平11−116763等、特開2003−82192等、特開2003−119339号、特開2003−171416号、特開2003−246861号、特開2003−327852号、特開2003−327620号、特開2004−002835号等に記載の反応性シリル基含有ビニル重合体が挙げられる。
前記極性要素を分子内に有する硬化性樹脂(A)は、公知の方法を利用して製造することができ、複数の原料を化学反応させる際に生成する連結基として上記極性要素を導入しても良いし、既に上記極性要素を有する化合物を反応させて硬化性樹脂を製造してもよい。また、両方法を利用して極性要素を複数種含む硬化性樹脂(A)を調製してもよい。加水分解性ケイ素基の導入も、公知の方法を利用することができ、例えば、末端がアルケニル化された重合体にヒドロシラン化合物の付加またはメルカプトシラン化合物のラジカル付加を行う方法、加水分解性ケイ素基を有する共重合性モノマーを用いて重合と共に加水分解性ケイ素基を導入する方法、アルケニル基を有するビニル重合体を合成してヒドロシリル化によって加水分解性ケイ素基を導入する方法、アミノシラン化合物を用いてウレタンプレポリマーに加水分解性ケイ素基を導入する方法等が挙げられる。調製方法については、特許第3313360号公報、特表2004−518801号公報、特表2004−536957号公報、特表2005−501146号公報等の記載を参照すればよい。
ホットメルト塗布が可能な物性を有するために、硬化性樹脂(A)の数平均分子量は、1000〜50000程度であることが好ましい。
この他、本願出願人の先願である国際出願番号PCT/JP2004/010549の明細書に加水分解性ケイ素基を有する硬化性樹脂として記載される化合物を、本願における硬化性樹脂(A)として適宜用いることができる。但し、上記国際出願に記載する樹脂は常温で液状であるので、主鎖骨格の分子量を大きくして固形状のものを用いるか、あるいは、本願で後述する粘着付与樹脂(C)及び/又は熱可塑性成分(D)を加えてホットメルトとして扱える性状を示す常温で固体の組成物が得られる処方を適用する等の工夫を施す必要がある。
[カルボン酸金属塩(B)について]
本発明では、雰囲気中の湿分による加水分解性ケイ素基の加水分解及びこれに続く縮合架橋反応を進行させるための硬化触媒として、カルボン酸金属塩(B)を用いる。カルボン酸金属塩(B)は、一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。カルボン酸金属塩(B)としては、カルボン酸カルシウム塩、カルボン酸バナジウム塩、カルボン酸鉄塩、カルボン酸チタン塩、カルボン酸ジルコニウム塩、カルボン酸セリウム塩、カルボン酸アルミニウム塩、カルボン酸カリウム塩、カルボン酸バリウム塩、カルボン酸ビスマス塩、カルボン酸亜鉛塩から選ばれる1種以上の化合物であることが、良好な硬化性が確保できることから好ましい。これらのなかでも、カルボン酸カリウム塩、カルボン酸バリウム塩、カルボン酸ビスマス塩がより良好な硬化性を与えることから特に好ましい。
カルボン酸金属塩(B)の配合割合は、硬化性樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、特に0.1〜2質量部が最適である。二種以上の化合物を併用する場合は、その合計量が上記範囲であることが好ましい。カルボン酸金属塩(B)の配合割合が0.01質量部を下回ると硬化性が著しく低下する等の不都合が生じやすくなり、10質量部を上回ると反応後の硬化物に十分な凝集力が得られない等の不都合が生じやすくなる。
本発明の反応性ホットメルト樹脂組成物は、硬化性樹脂(A)及びカルボン酸金属塩(B)に加えて、必要に応じて、粘着付与樹脂(C)、熱可塑性成分(D)、反応性希釈剤(E)などを配合してもよい。粘着付与樹脂(C)、熱可塑性成分(D)及び反応性希釈剤(E)は、硬化性樹脂(A)と相溶性を有するものが用いられる。
[粘着付与樹脂(C)について]
粘着付与樹脂(C)は、反応性ホットメルト樹脂組成物の冷却固化特性を調整したり、溶融時の粘度調整や、接着剤として使用した際の接着性を調整したりすることができる。従って、組立、接合等の作業時間の短縮・作業性の確保等に貢献する。粘着付与樹脂(C)は、硬化性樹脂(A)と相溶すれば、特に限定することなく通常使用されるものを使用することができ、常温で固体であるか液体であるかは問われない。具体例としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂、重合ロジン、重合ロジンエステル、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、DCPD樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5・C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
粘着付与樹脂(C)の配合割合は、硬化性樹脂(A)100質量部に対して、5〜1000質量部が好ましく、特に硬化性樹脂(A)100重量部に対して20〜200質量部の割合が好適である。
[熱可塑性樹脂(D)について]
熱可塑性樹脂(D)としては、上記硬化性樹脂(A)に対する相溶性を有する熱可塑性の樹脂又はエラストマーが用いられ、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂、プロピレン系共重合樹脂、アクリル系共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合樹脂、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ブチルゴム、イソブチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ワックス(PEワックス,PPワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックス)等が挙げられる。これらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用可能である。この他にも、スチレンを主体とする重合体ブロックとブタジエンやイソプレン等の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとのブロック共重合体及びその水素添加物のようなスチレン系エラストマーや、エチレンとα−オレフィンとの共重合又はこの後に更にジエン化合物との共重合を重ねて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム等の熱可塑性エラストマーが使用可能である。熱可塑性樹脂(D)としてPE(ポリエチレン)ワックスを用いると、硬化物のポリエチレンに対する接着強さが大幅に向上するので、ポリエチレンの接着を要する用途に好適な樹脂組成物が得られる。
熱可塑性樹脂(D)の配合割合は、上記硬化性樹脂(A)100質量部に対して、3〜1000重量部であることが好ましく、特に硬化性樹脂(A)100質量部に対して5〜200質量部の範囲が好適である。
[反応性希釈剤(E)について]
反応性希釈剤(E)は、反応型ホットメルト樹脂組成物のオープンタイムの延長・調節を目的として好適に用いられ、具体的には、反応性基として前述の加水分解性ケイ素基(2又は3官能性)を有し、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する常温で液体の化合物が使用される。反応性基がない希釈剤を用いると、オープンタイムの延長は可能であっても硬化後の樹脂組成物の耐熱性が低下する。上述のような硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する化合物としてはアクリル化合物等が挙げられ、特に、分子量が1000〜5000のものが好ましく、二種以上の化合物の組み合わせや重合組成物を用いても良い(重合物の場合の分子量は重量平均による)。反応性希釈剤(E)の実用的な例として、ガラス転移温度Tgが0℃以下、好ましくは−20℃以下であり加水分解性ケイ素基を有するアクリル系重合物が挙げられる。反応性希釈剤(E)を用いる場合、その配合割合は、上記硬化性樹脂(A)100質量部に対して3〜70質量部が好ましく、5〜40質量部が最適であり、耐熱性や接着特性等を低下させることなく好適にオープンタイムを10〜90秒程度延長することができ、配合割合によってオープンタイムを調節できる。複数種の化合物を用いる場合は、その合計量によって配合割合を規定する。
市販品として入手可能な反応性希釈剤(E)として、液状のシリル基含有アクリル系オリゴマーである東亞合成社製の反応性可塑剤XPRシリーズ製品(商品名:XPR−15、XPR−22等)、綜研化学社製製品(商品名:アクトフローAS−300、アクトフローAS−301、アクトフローASM−4001)、カネカ社製製品(商品名:SA100S)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上述の成分を用いて調製される本発明の反応性ホットメルト樹脂組成物は、常温での速硬化性に優れ、接着剤、シーラント、塗料、コーティング剤、目止め剤(例えば、コンクリートのひび割れ補修において注入剤が洩れないようにひび割れを覆うためのもの)、注型材、被覆材などの多様な用途に好適に使用可能であり、特に自動車部品や建築・建設用構造部材等の接着において有用である。これらの用途に用いる場合、各用途において求められる性能に応じて、シランカップリング剤、充填材、各種添加剤等が適宜配合できる。特に、シランカップリング剤及び充填材がしばしば配合される。各種添加剤としては、脱水剤、可塑剤、老化防止剤又は紫外線吸収剤、顔料、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のいわゆるビニルシラン類、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン等のいわゆるエポキシシラン類、その他いわゆるメルカプトシラン類やイソシアネートシラン類等の公知のものを用いればよい。これらシランカップリング剤は、単独で用いても二種以上併用してもよい。
硬化性樹脂(A)、カルボン酸金属塩(B)、及び、必要に応じて配合される上記任意添加成分を、湿分を遮断した環境下で加熱し溶融混合することによって、本発明の反応性ホットメルト樹脂組成物が得られ、これは反応性ホットメルト接着剤等として好適に使用される。反応性ホットメルト樹脂組成物は、加熱溶融した硬化性樹脂(A)がカルボン酸金属塩(B)の存在下で雰囲気中の湿分と接触することにより、加水分解性ケイ素基の加水分解及び縮合、架橋反応が開始され、常温でも急速に硬化する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[原料の調達]
加水分解性ケイ素基を有する硬化性樹脂(A)として、VESTPLAST EP2412(エボニックデグサジャパン社製製品/主鎖がポリオレフィン骨格でありトリメトキシシリル基を側鎖に有する常温白色固体/硬化前において軟化点100℃である熱可塑性樹脂)を用意した。
カルボン酸金属塩(B)として、オクチル酸ビスマス塩、オクチル酸バリウム塩、オクチル酸カリウム塩、オクチル酸亜鉛塩、オクチル酸カルシウム塩を用意した。また、比較実験のために、三フッ化ホウ素錯体である三フッ化ホウ素ピペリジン錯体及び有機スズ化合物であるジオクチルスズジバーサテート(日東化成社製/4価ジオクチルスズ化合物/常温黄色液状物)を用意した。
粘着付与樹脂(C)として、アルコンM100(荒川化学工業社製/C9系部分水添炭化水素樹脂/軟化点100℃)を用意した。
熱可塑性樹脂(D)として、リコモントPE830(クラリアントジャパン社製/ポリエチレンワックス)を用意した。
反応性希釈剤(E)として、SA100S(カネカ社製/常温液状のシリル基含有アクリル系ポリマー)を用意した。
[反応性ホットメルト樹脂組成物の調製]
下記に従って樹脂組成物(1)〜(8)を調製した。
<実施例1:樹脂組成物(1)>
反応容器にシラン変性アモルファス−ポリ−α−オレフィン樹脂(商品名:VESTPLAST EP2412)100質量部を投入し、減圧下において、150℃に加熱して樹脂の脱水を30分間行った。樹脂にオクチル酸ビスマス塩0.2質量部を加えて150℃の温度で30分攪拌混合して、樹脂組成物(1)を得た。
<実施例2:樹脂組成物(2)>
オクチル酸ビスマス塩を同量のオクチル酸バリウム塩に変えたこと以外は樹脂組成物(1)と同様の操作を行って、樹脂組成物(2)を得た。
<実施例3:樹脂組成物(3)>
オクチル酸ビスマス塩を同量のオクチル酸カリウム塩に変えたこと以外は樹脂組成物(1)と同様の操作を行って、樹脂組成物(3)を得た。
<実施例4:樹脂組成物(4)>
オクチル酸ビスマス塩を同量のオクチル酸亜鉛塩に変えたこと以外は樹脂組成物(1)と同様の操作を行って、樹脂組成物(4)を得た。
<実施例5:樹脂組成物(5)>
オクチル酸ビスマス塩を同量のオクチル酸カルシウム塩に変えたこと以外は樹脂組成物(1)と同様の操作を行って、樹脂組成物(5)を得た。
<参考例1:樹脂組成物(6)>
オクチル酸ビスマス塩を同量の三フッ化ホウ素ピペリジン錯体に変えたこと以外は樹脂組成物(1)と同様の操作を行って、樹脂組成物(6)を得た。
<参考例2:樹脂組成物(7)>
オクチル酸ビスマス塩を同量のジオクチルスズジバーサテートに変えたこと以外は樹脂組成物(1)と同様の操作を行って、樹脂組成物(7)を得た。
[硬化性の評価(硬化物皮膜の軟化温度測定)]
実施例1〜5及び比較例1、2において得られた反応性ホットメルト樹脂組成物の耐熱クリープ性を測定することによって、樹脂組成物の耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
耐熱クリープ性の測定方法は、23℃、相対湿度50%の雰囲気中で、2.5cm幅の帆布に溶融状態の樹脂組成物を塗布して直ちにもう一方の帆布を貼り合わせ(貼り合わせ面積:2.5cm×2.5cm)、1日又は7日放置した。この後、JIS K 6833に準じて、一方の帆布を固定して他方の帆布に500gfの重りを取り付けたものを昇温コントロール可能なオーブン中に吊し、雰囲気温度を徐々に上昇させ、重りが落下した温度を軟化温度とした。なお、測定は3回行い、その平均値を表に記載した。
評価基準としては、以下を一つの指標とした。
初期耐熱性の立ち上がり速度としては、耐熱クリープ性試験において1日後の値が50℃を超えていれば用途によっては十分使用可能である判断することができ、70℃以上であればほぼ実用上の問題はない。
また、最終硬化物の皮膜耐熱性としては、耐熱クリープ性試験において7日後の値が60℃を超えていれば用途によっては十分使用可能であると判断することができ、85℃以上であれば最終的な耐熱性として実用上問題はないと判断することができる。
Figure 0005290016
各樹脂組成物の耐熱クリープ性の測定結果を表1に示す。表の結果より、本発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物は、実用上十分な初期耐熱性の立ち上がりを示すとともに、最終的な皮膜耐熱性についても実用上問題はないことがわかる。なかでも、実施例1〜3のカルボン酸金属塩を用いたものについては、三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体と同等の耐熱性の立ち上がり及び最終的な耐熱性を発現し良好な結果を示した。
また、本発明に係る反応性ホットメルト樹脂組成物は、ハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含有しないため、これらの化合物が嫌われる用途や今後厳しくなる法規制に十分対応できるものである。
[反応性ホットメルト接着剤の調製]
下記に従って反応性ホットメルト接着剤(8)〜(11)を調製した。
<実施例6:反応性ホットメルト接着剤(8)>
反応容器にシラン変性アモルファス−ポリ−α−オレフィン樹脂(商品名:VESTPLAST EP2412)100質量部、C9系部分水添炭化水素樹脂である粘着付与樹脂(商品名:アルコンM100)30重量部、ポリエチレンワックスである熱可塑性樹脂(商品名:リコモントPE830)15質量部、常温液状のシリル基含有アクリル系ポリマーである反応性希釈剤(商品名:SA100S)30質量部を投入し、減圧下において、150℃に加熱して樹脂の脱水を30分間行った。その後、オクチル酸カリウム塩0.2質量部を加えて150℃の温度でさらに30分攪拌混合して、反応性ホットメルト接着剤(8)を得た。
<実施例7:反応性ホットメルト接着剤(9)>
実施例6において、ポリエチレンワックスである熱可塑性樹脂(商品名:リコモントPE830)を加えなかったこと以外は、反応性ホットメルト接着剤(8)の場合と同様の操作を行って、反応性ホットメルト接着剤(9)を得た。
<実施例8:反応性ホットメルト接着剤(10)>
実施例6において、C9系部分水添炭化水素樹脂である粘着付与樹脂(商品名:アルコンM100)を加えなかったこと以外は、反応性ホットメルト接着剤(8)の場合と同様の操作を行って、反応性ホットメルト接着剤(10)を得た。
<参考例3:反応性ホットメルト接着剤(11)>
オクチル酸カリウム塩を同量の三フッ化ホウ素ピペリジン錯体に変えたこと以外は反応性ホットメルト接着剤(8)の場合と同様の操作を行って、反応性ホットメルト接着剤(11)を得た。
[各性状および性能の評価(溶融粘度、軟化点、耐熱クリープ性、はく離接着強さ)]
実施例6〜8及び参考例3において得られた反応性ホットメルト接着剤の各性能を測定することによって、反応性ホットメルト接着剤の性能を評価した。結果を表2に示す。
溶融粘度の測定方法は、日本接着剤工業会規格(JAI−7)に準じ、ブルックフィールド型粘度計を用いて180℃での溶融粘度を測定した。
軟化点の測定方法は、日本接着剤工業会規格(JAI−7)に準じ、R&B法により測定した。なお、ここで測定される軟化点とは、未硬化時のホットメルト接着剤の軟化点を示すものである。
耐熱クリープ性の測定は、上述の樹脂組成物の耐熱クリープ性評価と同様の方法で貼り合わせ7日後に試験した。評価基準としては、最終的な耐熱性が85℃以上であれば実用上問題ないと判断することができる。
はく離接着強さの測定方法は、ポリエチレン製平板(厚さ3mm、幅25mm、長さ100mm)の一面全体に、各反応性ホットメルト接着剤1gを均一に塗布し、貼り合わせ部分の幅が25mm、長さが80mmとなるように帆布(幅25mm、長さ200mm)を直ちに貼り合わせて試験体とした。各試験体を温度23℃、相対湿度50±5%で7日間養生した後に180度はく離接着強さ(N/25mm)をJIS K 6854に準じて測定した。180度はく離接着強さの測定は、0℃、23℃、40℃の雰囲気下で行った。
Figure 0005290016
各ホットメルト接着剤の性状および性能の測定結果を表2に示す。
表2の結果より、本発明に係る反応性ホットメルト樹脂は、良好な皮膜耐熱性を有し実用上問題はないことがわかる。また、はく離接着強さにおいても低温時(0℃)、高温時(40℃)においても十分な接着強さを示しており、実用上問題なく良好な結果を示した。
また、本発明に係る反応性ホットメルトは、ハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含有しないため、これらの化合物が敬遠される用途や今後ますます厳しくなることが予想される法規制にも十分対応できるものである。
加水分解性ケイ素基を有する樹脂の耐熱性、耐光性、電気絶縁性を活かし、ハロゲン化ホウ素及び/又はハロゲン化ホウ素錯体を用いたときと同様の耐熱性を有する、実質的にハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含まない、反応性ホットメルト樹脂組成物が提供でき、接着剤、シーリング材、コーティング材等の分野における有用性が高い。

Claims (11)

  1. 加水分解性ケイ素基を分子内に有する硬化性樹脂(A)と、カルボン酸金属塩(B)とを含有し、ハロゲン化合物及び有機スズ化合物を含まない反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤であって、カルボン酸金属塩(B)が、カルボン酸カルシウム塩、カルボン酸バナジウム塩、カルボン酸鉄塩、カルボン酸チタン塩、カルボン酸ジルコニウム塩、カルボン酸セリウム塩、カルボン酸アルミニウム塩、カルボン酸カリウム塩、カルボン酸ビスマス塩、カルボン酸バリウム塩、カルボン酸亜鉛塩から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  2. カルボン酸金属塩(B)を、前記硬化性樹脂100質量部に対して0.01質量部〜10質量部の割合で含有する請求項1記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  3. 更に、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する粘着付与樹脂(C)を含有する請求項1又は2に記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  4. 粘着付与樹脂(C)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して5質量部〜1000質量部の割合で含有する請求項3に記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  5. 更に、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂(D)を含有する請求項1〜4の何れかに記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  6. 熱可塑性樹脂(D)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して5質量部〜1000質量部の割合で含有する請求項5に記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  7. 熱可塑性樹脂(D)がポリエチレンワックスである請求項5又は6に記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  8. 更に、硬化性樹脂(A)に対して相溶性を有し加水分解性ケイ素基を有する常温で液体の反応性希釈剤(E)を含有する請求項1〜7の何れかに記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  9. 反応性希釈剤(E)を、硬化性樹脂(A)100質量部に対して3〜70質量部の割合で含有する請求項8記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  10. 硬化性樹脂(A)の主鎖が、ポリオレフィンである請求項1〜9の何れかに記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
  11. 硬化性樹脂(A)が有する加水分解性ケイ素基は、式:−SiR、又は、式:−SiX(式中、X、X及びXは、各々、ハイドライド基、アルコキシル基、アシルオキシル基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシル基、メルカプト基及びアルケニルオキシル基からなる群より選択される加水分解性基を示し、同一でも異なっていてもよく、Rは、炭素数1〜6個の置換若しくは非置換の有機基を示す)で表される加水分解性ケイ素基である請求項1〜1の何れかに記載の反応性ホットメルト樹脂組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
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