JP2002089541A - ボールジョイントおよびその組立方法 - Google Patents
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Abstract
十分に確保することとボールジョイントのコンパクト化
とを両立させる。 【解決手段】 ボールシート30の底面および外周面
に、底溝34および外周溝33をそれぞれ形成し、ボー
ルシート30が収容されるハウジング40の内周面に内
周溝42を形成し、さらに、ハウジング40の底部に孔
43a,43bを形成する。ボールシート30をハウジ
ング40に収容した状態で、外周溝33、底溝34、内
周溝42、孔43a,43bは相互に連通する。一方の
孔43aから各溝33,34,42に樹脂50を充填し
て硬化させる。硬化した樹脂50が、ボールシート30
とハウジング40の相対移動を拘束するキーの機能を果
たす。
Description
ビライザの接続部に用いられるボールジョイントおよび
その組立方法に関する。
従来例を示している。このボールジョイントは、ボール
スタッド2の端部に形成されている球状頭部2aが円筒
状のハウジング4内に収容された樹脂製ボールシート3
に摺動自在に嵌合された構成である。ボールスタッド2
はボールシート3に対し、球状頭部2aを中心としてユ
ニバーサルに、すなわち首振り回転および軸回り回転自
在に軸支されている。ボールシート3は、その底部に形
成されたリベット状の係合部3bがハウジング4の底部
を貫通して係合していることによりハウジング4に拘束
され、軸回りの回転やハウジング4からの抜けが防止さ
れている。なお、符合6は笠状のダストカバー、7はハ
ウジング4に一体に固着されたサポートバーである。
で組み立てられている。図5に示すように、組立前のボ
ールシート3の底部には複数の突起3aが一体成形され
ており、一方、ハウジング4の底部には、図6に示すよ
うに、突起3aが挿入される孔4aが形成されている。
実際の組み立ては、まず、ボールスタッド2の球状頭部
2aをボールシート3内に嵌合させ、続いて、突起3a
を孔4aに挿入しながらボールシート3をハウジング4
内に収容する。次に、孔4aから突出する突起3aをヒ
ータ等で加熱した状態から加圧して潰し、図6に示すよ
うに係合部3bを形成する。
にあっては、ボールシート3の係合部3bがハウジング
4の底面に突出しているので、高さ方向(ハウジング4
の軸方向)の寸法の短縮が妨げられる欠点があった。ま
た、ボールシート3には、回転したりハウジング4から
抜けたりする力がボールスタッド2を介して入力される
が、その力がきわめて大きいと、そのような挙動を防止
する係合部3bの拘束力が不足がちになる場合があっ
た。これに対処するには、ボールシート3の突起3aお
よび係合部3bの径を大きくしたり係合部3bの厚さを
大きくしたりする方策が考えられるものの、そのような
方策ではハウジング4が大きくなる上、係合部3bの突
出量も増えるといった欠点が生じる。すなわち、ハウジ
ング4に対するボールシート3の拘束力の十分な確保と
ボールジョイント自体のコンパクト化が両立しにくかっ
た。
てボールシートの回り止めおよび抜け止めの作用をなす
部分の拘束力を十分に確保することができるとともに、
コンパクト化が図られるボールジョイントおよびその組
立方法を提供することを目的としている。
トは、端部に球状頭部を有するボールスタッドと、球状
頭部が摺動自在に嵌合され、これによりボールスタッド
をユニバーサルに軸支するボールシートと、このボール
シートを収容するハウジングとを備えたボールジョイン
トにおいて、ボールシートとハウジングの互いの対向面
に、互いに連通する凹部がそれぞれ形成されており、こ
れら凹部に充填された樹脂により、ボールシートとハウ
ジングの相対移動が拘束されていることを特徴としてい
る。
ルシートとハウジングの相対移動が拘束されていること
により、ボールシートの回転やハウジングからの抜けが
防止される。樹脂はハウジングの内部に充填されている
ので、樹脂によって寸法が増大するおそれはない。そし
て、凹部の大きさ、深さあるいは形状、さらには樹脂の
材質等を任意に設定することにより、相対移動の拘束力
を大きくすることができる。したがって、ボールシート
の回転や抜けを防止するためのハウジングに対するボー
ルシートの拘束力を十分に確保することができるととも
に、コンパクト化が図られる。
端部に球状頭部を有するボールスタッドと、球状頭部が
摺動自在に嵌合され、これによりボールスタッドをユニ
バーサルに軸支するボールシートと、このボールシート
を収容するハウジングとを備えたボールジョイントの組
立方法であって、ボールシートとハウジングの互いの対
向面に、互いに連通し、かつ、樹脂が充填されることに
より両者の相対移動を拘束し得る凹部をそれぞれ形成し
ておくとともに、ハウジングに、凹部に樹脂を充填する
ための樹脂注入口を形成しておき、球状頭部をボールシ
ートに嵌合し、次いで、ボールシートをハウジングに収
容し、次いで、樹脂注入口より流体状の樹脂を凹部に流
入させて充填し、この後、樹脂を硬化させることを特徴
としている。本方法により、上記本発明のボールジョイ
ントを好適に組み立てることができる。
実施形態を説明する。図1は、車両用スタビライザの接
続部に用いられるボールジョイント1を示している。一
実施形態に係るこのボールジョイント1は、端部に球状
頭部20aを有するボールスタッド20と、球状頭部2
0aが摺動自在に嵌合されたボールシート30と、ボー
ルシート30が圧入されてこのボールシート30を収容
するハウジング40と、ボールシート30のハウジング
40に対する軸回りの回転やハウジング40からの抜け
を防止する樹脂50とを備えている。ボールスタッド2
0はボールシート30に対し、球状頭部20aを中心と
してユニバーサルに、すなわち首振り回転および軸回り
回転自在に軸支されている。ボールスタッド20および
ボールシート30に形成されている各鍔部21,31の
間には、笠状のダストカバー60が設けられている。ま
た、ハウジング40にはサポートバー70の一端が固着
されている。
いる。このボールシート30は、上端縁に前記鍔部31
を有する有底円筒状であり、その内部には、球状頭部2
0aが嵌合する球面座32が形成されている。ボールシ
ート30の外周面における底部近傍には、外周溝(凹
部)33が全周にわたって形成されている。また、ボー
ルシート30の下面には、外周溝33に連通する矩形状
の底溝(凹部)34が、図中左右一対の状態で形成され
ている。ボールシート30は、例えば、ポリアセタール
やポリブチレンテレフタレート等の樹脂で成形されてい
る。
る。このハウジング40は、上端縁に鍔部41を有する
有底円筒状であり、その内部がボールシート30の収容
部とされている。ハウジング40の内周面には、底面に
連続する矩形状の内周溝(凹部)42が、この場合円周
等分4箇所に形成されている。これら内周溝42は、ボ
ールシート30がハウジング40に収容された状態で、
ボールシート30の外周溝33に連通する位置に配され
ている。また、ハウジング40の底部には、図中左右一
対の孔43a,43bが形成されている。これら孔43
a,43bは、対向する一対の内周溝42を結ぶ線上に
沿って、かつ、ハウジング40の軸心から等距離に配さ
れている。さらに、これら孔43a,43bは、ボール
シート30を、各底溝34と孔43a,43bが並ぶ方
向を一致させてハウジング40に収容すると、各底溝3
4に対応して連通する位置に配されている。
を説明する。はじめに、ボールスタッド20の球状頭部
20aを、ボールシート30の球面座32に嵌合する。
次に、ボールシート30をハウジング40に圧入して収
容する。このとき、ボールシート30の底溝34とハウ
ジング40の孔43a,43bとが対応するように配慮
する。この状態で、対応した一方の底溝34と孔43
a、他方の底溝34と孔43bは、それぞれ互いに連通
し、さらに、各底溝34とハウジング40の各内周溝4
2とは、ボールシート30の外周溝33を介して連通す
る。
樹脂注入口としてその孔43aから流体状の樹脂50を
所定量注入する。他方の孔43bは、排気口となる。樹
脂50の充満が確認されたら、樹脂50を硬化させる。
なお、樹脂50の注入は、各溝33,34,42内の空
気がスムーズに排気されて樹脂が確実に充満されるよう
に、底部側を上にするとよい。
1を得る。このボールジョイント1によれば、各溝3
3,34,42に充填されて硬化した樹脂50がキーの
機能を果たし、これによってボールシート30とハウジ
ング40の相対移動が拘束されている。すなわち、ハウ
ジング40の内周溝42は周方向に分割して形成されて
いるので、これら内周溝42に充填された樹脂50は軸
回りに回転不能であり、軸方向への移動も不可能であ
る。また、各孔43a,43bに充填された樹脂50に
よっても、樹脂50の軸回りの回転が規制される。一
方、その樹脂50はボールシート30の一対の底溝34
に充填されているので、ボールシート30は樹脂50に
対して軸回りに回転不能であり、さらに、外周溝33に
樹脂50が充填されているので軸方向への移動も不可能
である。
を介して、ボールシート30とハウジング40は相対移
動が拘束されている。その結果、ボールスタッド20を
介して入力される力によってボールシート30が回転し
たりハウジング40から抜けようとする挙動が、樹脂5
0により防止される。樹脂50はハウジング40の内部
に充填されるので、樹脂50によって外形寸法が増大す
るおそれはない。そして、各溝33,34,42の大き
さ、深さあるいは形状、さらには樹脂50の材質等を任
意に設定することにより、相対移動の拘束力を大きくす
ることができる。したがって、ボールシート30の回転
や抜けを防止するためのハウジング40に対するボール
シート30の拘束力を十分に確保することができるとと
もに、ボールジョイント1自体のコンパクト化が図られ
る。
一実施形態であり、本発明の形態はこれに限定されるも
のではない。例えば、樹脂50が充填される凹部(上記
一実施形態では溝)の形状や数等は、設計に応じて任意
に設定される。
ボールシートとハウジングに形成した互いに連通する凹
部に樹脂を充填し、この樹脂により、ボールシートの回
転や抜けを防止するためのハウジングに対するボールシ
ートの拘束力を得るので、その拘束力を十分に確保する
ことができるとともに、ボールジョイント自体のコンパ
クト化が図られるといった効果を奏する。
を示す図であって、(a)は図1(b)のA−A線矢視
断面図、(b)は下面図である。
す図であって、(a)は図2(b)のA−A線矢視断面
図、(b)は下面図である。
図であって、(a)は平面図、(b)は図3(a)のB
−B線矢視断面図である。
図である。
ートを示す図であって、(a)は図5(b)のA−A線
矢視断面図、(b)は下面図である。
るボールシートの締結構造を示す図であって、(a)は
図6(b)のA−A線矢視断面図、(b)は下面図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 端部に球状頭部を有するボールスタッド
と、前記球状頭部が摺動自在に嵌合され、これにより前
記ボールスタッドをユニバーサルに軸支するボールシー
トと、このボールシートを収容するハウジングとを備え
たボールジョイントにおいて、 前記ボールシートと前記ハウジングの互いの対向面に、
互いに連通する凹部がそれぞれ形成されており、これら
凹部に充填された樹脂により、ボールシートとハウジン
グの相対移動が拘束されていることを特徴とするボール
ジョイント。 - 【請求項2】 端部に球状頭部を有するボールスタッド
と、 前記球状頭部が摺動自在に嵌合され、これにより前記ボ
ールスタッドをユニバーサルに軸支するボールシート
と、 このボールシートを収容するハウジングとを備えたボー
ルジョイントの組立方法であって、 前記ボールシートと前記ハウジングの互いの対向面に、
互いに連通し、かつ、樹脂が充填されることにより両者
の相対移動を拘束し得る凹部をそれぞれ形成しておくと
ともに、ハウジングに、前記凹部に樹脂を充填するため
の樹脂注入口を形成しておき、 前記球状頭部をボールシートに嵌合し、 次いで、ボールシートをハウジングに収容し、 次いで、前記樹脂注入口より流体状の樹脂を前記凹部に
流入させて充填し、 この後、樹脂を硬化させることを特徴とするボールジョ
イントの組立方法。
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