JP2006249875A - 折りたたみ式収納具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 収納具としての利便性を維持しながら機能部材の突出時の衝撃を抑えることができる商品性の高い機能部材用収納具を提供する。
【解決手段】 外方側へ開口し、メカニカルキー4を出没可能に収納する溝部14を設けた収納具本体2と、メカニカルキー4を回転させて収納具本体2から突出させる回転機構3と、収納具本体2に対する回転機構3によるメカニカルキー4の回転を規制及び規制解除する操作ボタンとを設けた折りたたみ式収納具1において、回転機構3によるメカニカルキー4の回転速度を可変させる摩擦板及び摩擦パッドを設け、摩擦板及び摩擦パッドは、回転機構3によるメカニカルキー4の回転速度を回転の終期に減速する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、折りたたみ式収納具に関するものである。
従来、車両の盗難を防止するものとして、電子キーのIDからIDコードを読み出し、予め車両側に記憶されているIDコードと一致しなければエンジンが作動しないというイモビライザーシステムが広く採用されている。
最近では、車両に備えられた受信機側に別途の送信機からIDコードを送信して車両ドアの開閉動作及びエンジンの作動を行うことが知られており、IDコードを送信するための送信機を内蔵した携帯用の収納具が提案されている。このような収納具内には、送信機のバッテリが切れてしまった場合に用いるメカニカルキーがともに内蔵されている。
例えば、ID信号発信機及びバッテリを内蔵した携帯機本体内にメカニカルキーを回動自在に設け、携帯機本体を覆うキャップを取り外すことによって収納されたメカニカルキーを携帯機本体内から突出させ、キャップの装着により、メカニカルキーを携帯機本体内に収納させるものが開示されている。(特許文献1参照)
特開2003−307054号公報
このような電子キー用の携帯機では、携帯機本体に対するメカニカルキーの飛び出し及び収納を携帯機本体へのキャップの脱着により行っているが、キャップの脱着を両手で行う必要があるとともに装脱したキャップを別に所持しておく必要があるため、紛失してしまう虞があった。また、メカニカルキーを携帯機本体から回転させて飛び出させるため、その回転速度によってはメカニカルキーを迅速に突出させることができる反面、その素早さゆえにメカニカルキーが携帯機本体に衝突して停止する際の衝撃が大きく、商品性を損なう可能性があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、収納具としての利便性を維持しながら機能部材の突出時の衝撃を抑えることができる商品性の高い機能部材用収納具を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、外方側へ開口し、機能部材を出没可能に収納する溝部を設けた収納具本体と、機能部材を回転させて収納具本体から突出させる回転機構と、収納具本体に対する回転機構による機能部材の回転を規制及び規制解除する規制手段とを設けた折りたたみ式収納具において、回転機構による機能部材の回転速度を可変させる可変手段を設け、可変手段は、回転機構による機能部材の回転速度を回転の終期に減速することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、回転機構は、機能部材を前記収納具本体に対して回転可能に支持する回転部と、この回転部の回転を支持すべく収納具本体に固定される固定部とを有し、可変手段は、固定部と回転部とが回転する際、相互の接触面積の大きさを変えることによって回転機構による機能部材の回転速度を可変させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、規制手段を回転機構の回転を規制する状態に維持するスプリングで、回転部と固定部とに接触方向の付勢力を与えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、機能部材が鍵であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、鍵が車両用の鍵であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、可変手段によって、回転機構による機能部材の回転速度を回転の終期に減速するので、機能部材が収納具本体に衝突して停止する際の衝撃を抑えることができ、商品性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、固定部と回転部とが回転する際、互いに接触する面積を変えているので、相互間に生じる摩擦量が変化して回転機構による機能部材の回転速度を簡易な構成で可変させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、回転部及び固定部に対する回転方向及び接触方向への付勢を一つのスプリングで行うことができるので、同時に双方への付勢を行うことができるとともに構成が簡単なため組み立てやすい。しかもコストを低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、機能部材が常に携帯を要することの多い鍵なので、鍵の差込部が収納されることによって、より携帯し易いものとなる。
請求項5に記載の発明によれば、鍵が車両用の鍵なので、例えば収納具本体内に電子キーの装置を内蔵すると、車両用の鍵と電子キーとを収納具本体内に一体的に配置させることができるので、双方での操作が可能となり車両用の鍵としての操作性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
この実施形態は、車両用のメカニカルキーを本発明の折りたたみ式収納具1に適用した場合を示す。
図1及び図2に示すように、この折りたたみ式収納具1は、平面視長方形状を成した収納具本体2と、この収納具本体2内に回転可能に内蔵された回転機構3とを有して構成されており、回転機構3には、回転機構3の半径方向に沿った状態でメカニカルキー4が基部において固定され保持されている。
収納具本体2は、図3及び図4に示すように、互いに係合可能であって略対称的な形状を成す第一躯体5と第二躯体6とから構成される。厚肉板状の第一躯体5には、図3に示すように、長手方向一側のどちらか一方の角部側に配置され外方へと開口する略扇形の回転機構収納溝(溝部)8と、この回転機構収納溝8の底部9の中心部に設けられる円形状の円型溝部(溝部)10と、さらにその円型溝部10の底部16の中心部に配置される略矩形状の係止溝部(溝部)11とが、第二躯体6との係合面12から厚さ方向に段状を成すべく連続して形成されている。
回転機構収納溝8は、第一躯体5の長手方向における一方の側壁部23の所定位置から内方側へと円弧状を成す円弧部13と、この円弧部13の先端から幅方向における一方の側壁部22まで側壁部23に対して平行な直線を成す直線部20とにより構成されており、係合面12から厚さ方向に凹むようにして形成されている。
円形状の円型溝部10は、回転機構収納溝8の円弧部13の中心と略同心を成すようにして回転機構収納溝8の底部9の中央部に配置され、回転機構収納溝8の底部9から厚さ方向に凹むようにして形成されている。
略矩形状の係止溝部11は、その長手方向を第一躯体5の長手方向に沿わせた状態で円型溝部10の中央部に配置され、両端側は円弧状に形成されている。
そして、図3に示すように、側壁部22側には、回転機構収納溝8に並設するようにして外方へ開口するキー収納溝(溝部)14と開口溝15とが設けられている。これらキー収納溝14及び開口溝15は、側壁部22に沿って所定の長さを有し、互いに平行して配置されている。このとき、内方側からキー収納溝14,開口溝15の順で配置されており、外方側へと行くにしたがって厚さ方向に凹むように段差を成して連続形成されている。これらキー収納溝14及び開口溝15の一端側は、回転機構収納溝8の直線部20へと繋がっており、外方へ開口するだけでなく回転機構収納溝8へも開口している。
なお、開口溝15は、回転機構収納溝8よりも浅く形成されており、言い換えれば、開口溝15の底部7は回転機構収納溝8の底部9よりも上方に位置している。
また、キー収納溝14及び開口溝15の他端側に隣接するようにして、側壁部22と側壁部39との境界の角部50には係合面12から凹むようにして係合穴17が形成されている。さらに、側壁部22とは幅方向反対側の側壁部19に沿うようにして、互いに長手方向に所定間隔をおいた一対の係合穴18,18が側壁部19よりも側壁部22側に形成されている。これら一対の係合穴18,18よりもさらに側壁部22側であって、斜め下方には、キー収納溝14に沿うようにして互いに所定間隔をおいた一対のネジ穴21,21が形成されている。
このような第一躯体5に係合する第二躯体6は、図2及び図4に示すように、第一躯体5と同様、厚肉板状に形成されており、上記した第一躯体5の回転機構収納溝8、キー収納溝14および開口溝15と対応すべく、これらと対称的な回転機構収納溝26、キー収納溝24及び開口溝25が形成されている。
回転機構収納溝26は、その中央部分に操作ボタン挿通孔27が第一躯体5の円型溝部10と同軸を成すように形成されている。この操作ボタン挿通孔27には、その外周における所定の位置から径方向外側に凹む一対の係止溝28,28が直径上に対称的に設けられ、回転機構収納溝26の底部40から凹むようにして形成されている。また、回転機構収納溝26に含まれる第二躯体6の角部33には、その厚さ方向に貫通する貫通孔30が形成されている。
そして、この貫通孔30と長手方向反対側の角部31に、上記係合穴17に係合する係合突起34が形成され、さらに、キー収納溝24及び開口溝25とは幅方向反対側の側壁部56側に、上記一対の係合穴18,18に係合する一対の係合突起35,35が形成されている。これら係合突起35,35は、第一躯体5に対する第二躯体6の位置合わせを行うものである。
また、図4に示すように、これら一対の係合突起35,35よりもキー収納溝24側であって、これら係合突起35,35の斜め下方には、上記一対のネジ穴21,21と同軸を成すネジ挿通孔36,36と、このネジ挿通孔36,36と同軸を成すとともにネジ挿通孔36,36よりも大径で第二躯体6の表面側に配置されるネジ穴部38,38とが第二躯体6の厚さ方向に形成されている。
そして、第二躯体6の表面側からネジ穴部38,38、ネジ挿通孔36内に図示略のネジを挿入させ、第一躯体5のネジ穴21,21へと螺合させることによって第一躯体5及び第二躯体6が互いに固定され、収納具本体2として構成されることになる。
回転機構3は、図5に示すように、メカニカルキー4を保持するケース43を備えており、第二躯体6との係合によりメカニカルキー4の回転の規制及び規制解除を行う操作ボタン(規制手段)44と、この操作ボタン44に一端が係合されメカニカルキー4の回転方向に回転部41を付勢するスプリング45と、このスプリング45の他端を係合させる摩擦板(可変手段)46と、スプリング45の付勢力に抗して摩擦板46を押さえつけるカバー47と、カバー47に設けられ且つ摩擦板46と接触する高摩擦係数の摩擦パッド(可変手段)48と、第一躯体5に固定され回転機構3の回転許容範囲を規制する軸受け49とから構成されている。
なお、図2及び図5に示すように、メカニカルキー4を収納具本体2に対して回転可能に支持する回転部41は、ケース43,操作ボタン44,スプリング45,カバー47及び摩擦パッド48から構成され、この回転部41の回転を支持するべく収納具本体2に固定状態とされる固定部42は、摩擦板46及び軸受け49から構成され、固定部42は回転部41の回転の軸心部分となっている。
ケース43は、図5〜図7に示すように、断面視長方形を呈し収納具本体2に対する回転前後の状態において収納具本体2から突出しないものとするために、対称となる一対の角部64,64は曲面とされ、その曲面は、上記第一躯体5及び第二躯体6の四隅の形状に沿っている。このケース43の中央部には、その厚さ方向一側に開口する操作ボタン係止孔52が配置され、上記第二躯体6に形成される操作ボタン挿通孔27と同軸を成すとともに、その周方向における所定の位置から径方向両側に凹む一対の係合溝53,53を設けて形成されている。
これら操作ボタン係止孔52及び係合溝53,53よりもケース43の厚さ方向内方側には、図6及び図7に示すように、操作ボタン係止孔52及び係合溝53,53を含む大きさの略正方形状のスプリング保持穴54がケース43の厚さ方向中央部分に配設されている。このとき、一対の係合溝53,53は、スプリング保持穴54の線対称となる両角部55,55内にそれぞれ位置されている。また、このような操作ボタン係止孔52及びスプリング保持穴54を含む大きさで形成された円形状の摩擦板保持穴58が、スプリング保持穴54の一側に配置されている。さらに、摩擦板保持穴58の一側に配置され操作ボタン係止孔52とは反対側に開口するカバー保持穴59は、ケース43の外形に沿うようにして形成され、その底部68の四隅にはネジ穴60が例えば4つ穿設されている。
さらにケース43には、図6及び図7に示すように、その側壁における厚さ方向所定の位置から内部へと凹む長方形状の機能部材保持部61が設けられており、この機能部材保持部61は、メカニカルキー4を保持するものである。さらに、この機能部材保持部61の中央部には、ケース43の厚さ方向に貫通する固定ネジ孔62が形成されており、一端側はカバー保持穴59の底部68に開口し、他端側には、固定ネジ孔62に螺入される図示略のネジの頭部を当接させるための座ぐり63が設けられている。このようなケース43に保持されるメカニカルキー4は、その厚さ方向をケース43の厚さ方向に平行させるようにし、基部側を機能部材保持部61内へ挿入して図示略のネジによってケース43へと固定される。
操作ボタン44は、図8及び図9に示すように、同一軸心を成す円柱状の頭部65と、頭部65の一側に配置され頭部65よりも小径を成す円柱状の円柱部69と、円柱部69の一側であって頭部65とは反対側に配置され、円柱部69よりも小径の細長棒状を成す軸部70とを有して構成されている。
頭部65は、所定の長さを有するとともに一端側が丸みを帯びて形成され、ケース43の外方へと突出するものである。この頭部65の他端側には、径方向外側に一定の幅を有して突出する帯状の係止部67,67が一対設けられており、頭部65の直径上に対称的に配置されている。また、これら両係止部67,67同士の間には、頭部65及び係止部67,67の径方向外側へ突出する突起部(規制手段)66,66がそれぞれ設けられている。これらの突起部66,66は、図8に示すように、平面視略矩形状を呈し、その基端側は係止部67,67の一側と軸方向位置を揃えて設けられている。
なお、一対の突起部66,66のどちらか一方には、図5,図8及び図9に示すように、操作ボタン44の軸方向に沿って溝部71が形成されている。この溝部71は、径方向外側に開口するとともに突起部66の基端側にも開口する形状となっている。
円柱部69は、頭部65の一側、詳しくは、上記突起部66,66の基端側及び係止部67,67の一端に設けられ、頭部65とは軸方向反対側に突出している。その軸方向長さは、頭部65の軸方向長さよりも短い。
軸部70は、円柱部69の一側に上記頭部65とは軸方向反対側に突出するようにして設けられ、円柱部69の長手方向長さよりも長い長さを有して形成されている。さらに、この軸部70の先端には、図8に示すように面取りが施されている。
このような操作ボタン44がケース43の操作ボタン係止孔52内に挿入される際、図5に示すように、頭部65の先端が操作ボタン係止孔52から外側へと突出して設けられる。このとき、係止部67が図6に示す操作ボタン係止孔52の底部57に当接することによって、両突起部66,66がケース43の係合溝53,53から軸方向外側へと若干突出した状態で保持される。
図5に示すように、スプリング45は、その両端部に、旋回方向の所定の点からコイルの直径に関して略延長上であって、且つ同じ側に伸びるアーム部72,72を備えている。これらアーム部72,72は、互いに相反するようにして軸方向外側に屈曲形成されており、ケース43のスプリング保持穴54内に保持される場合には、一方が上記した操作ボタン44の突起部66に形成された溝部71内に係止された状態となる。
摩擦板46は、図5に示すように、上記摩擦板保持穴58内に嵌合保持され、その形状は、図10に示すように、全体を構成する円板部75の軸心部分に略矩形状の軸受係合孔76が形成されており、この軸受係合孔76の長手方向両端部は円弧状となっている。また、円板部75の厚さ方向一側には、軸受係合孔76の周囲が環状に突出して形成される環状部77が設けられており、軸受係合孔76の長手方向どちらか一方の端部から周方向に所定間隔をおいて複数ここでは4つのスプリング係止孔78が形成されている。これらスプリング係止孔78は、環状部77だけでなく円板部75も貫通する貫通孔となっている。一方、円板部75の他側には、環状部77とは逆側に突出する一対の摩擦部79,79を設けており、一定の幅を有して軸受係合孔76の長手方向に直交するとともに円板部75及び環状部77の直径に沿った状態で設けられている。
このような摩擦板46がケース43の摩擦板保持穴58内に保持される場合、図5に示すように、スプリング保持穴54内に環状部77を若干挿入させ、複数のスプリング係止孔78うち所定のスプリング係止孔78内に、上記スプリング45のアーム部72の他方が係止された状態となる。
カバー47は、図11に示すように、平面視においてその四隅は曲面を成しており、対称となる角部81,81は隣り合う角部82,82の曲面よりも緩やかな曲面で形成されている。さらに、これら角部81,82にはそれぞれネジ穴83が形成されており、これらネジ穴83内にネジを挿入し、ケース43に設けられたネジ穴60へと螺合させることによってカバー47がケース43に固定される。
そして、カバー47の軸心部分に厚さ方向を貫通して形成される軸受挿通孔84の周囲には、径方向両外側に対称的に広がる円弧状幅部85,85を持つパッド係止部86が設けられている。このパッド係止部86は、カバー47の幅方向に対して両円弧状幅部85,85の各円弧の頂点と軸心を通る直線が傾斜した状態となっている。
また、このパッド係止部86の径方向外側には、厚さ方向に凹むパッド保持部88が形成されており、図11に示すように、その内側に摩擦パッド48が嵌合される。この摩擦パッド48は、半径方向に一定幅を成し、相反する位置に配置された一対の円弧状の接触部89と、これら一対の接触部89の相互近接側同士を連結させるように設けられ、パッド係止部86の両円弧状幅部85,85と軸心を通る直線に対して垂直方向に配置され、且つ接触部89よりも径方向の内外に突出する幅を有する一対の接触幅部87,87とを備えており、このような摩擦パッド48を保持すべく摩擦パッド48の形状に沿ってパッド保持部88は形成されている。
さらに、このパッド保持部88よりも径方向外側には、パッド保持部88を含む大きさの環状凹部90が形成されている。この環状凹部90は、その底部がパッド保持部88に保持された摩擦パッド48の表面と面一となる深さで形成されている。
さらに、カバー47の裏面側には、四角柱状の当接凸部94が裏面から垂直に突出した状態で設けられている。
このように摩擦パッド48を保持したカバー47は、図5に示すように、上記スプリング45をスプリング保持穴54内に縮設させるべく、摩擦板46を押圧しながら上記カバー保持穴59内に設けられる。このとき、スプリング45をその旋回方向へ適宜旋回させながら配置される。これにより、メカニカルキー4の回転方向への回転トルクが生じて回転部41をその回転方向へと付勢する。同時に、縮設されているスプリング45の復元力により、操作ボタン44を軸方向外方側へと付勢すると同時に摩擦板46を摩擦パッド48側へと付勢する。そして、この状態において摩擦板46の摩擦部79,79と摩擦パッド48の接触幅部87,87とは互いに接触した状態となる。
軸受け49は、図12〜図14に示すように、回転機構3の回転許容範囲を規制する許容部96と、上記操作ボタン44の軸部70を受容する軸受部95と、第一躯体5の係止溝部11に係合する係合凸部97とからなり、これらの中心には軸部挿通孔98が形成されている。
軸受け49の中心部分を構成する許容部96は、図12及び図14に示すように、その中央部分に半円形状の回転支持部91と扇形の回転許容部100とを有している。これらは同一軸心を成し、回転支持部91よりも回転許容部100の方が半径方向外側に広がりを持って形成されている。
係合凸部97は、図12及び図13に示すように、上記許容部96の一側に設けられ、全体的に略長方形状を呈し、その長手方向両側が円弧状に形成されている。この係合凸部97は、その長手方向が上記回転許容部100の円弧の頂点と軸心部分とを結ぶ直線に対して略垂直になるよう設けられている。
軸受部95は、図13及び図14に示すように、上記許容部96の係合凸部97とは反対側の一側に設けられ、略円筒状を呈し、その先端の外周部には面取りが施されている。さらに軸受部95の径方向両側の周壁には、先端から軸方向所定の位置まで略正方形状の平面部99が形成されており、上記摩擦板46の軸受係合孔76の形状に則している。
このような軸受け49は、図5に示すように、軸受部95を上記したスプリング45、摩擦板46の軸受係合孔76及びカバー47の軸受挿通孔84内に挿入させながら摩擦板46及びカバー47を外装するとともに、軸部挿通孔98内に上記操作ボタン44の軸部70を挿入させながらケース43へと設けられる。
このとき、カバー47は、軸受部95の円筒部分に外装されるので軸受け49に対して回転可能に保持されるが、摩擦板46は、軸受部95の平面部99に係合するので軸受け49に対して回転不能に保持される。また、許容部96の回転許容部100の円周方向の一端が上記カバー47の当接凸部94に当接した状態にある。
このように構成された回転機構3は、収納具本体2に収められる。
まず、回転機構3における軸受け49の係合凸部97を第一躯体5の係止溝部11へと係合させると、第一躯体5に対する回転機構3の位置決めが成される。このとき、図1の二点鎖線で示すように、メカニカルキー4を第一躯体5の外側に突出させた状態にしておく。この状態で、操作ボタン44の頭部65を第二躯体6の操作ボタン挿通孔27へと挿入させながら、第二躯体6の係合突起34及び一対の係合突起35,35を第一躯体5の係合穴17及び一対の係合穴18,18へと係合させる。すると、操作ボタン44の頭部65が外方へ突出するとともに操作ボタン44の突起部66,66が第二躯体6の係止溝28,28内に自ずと係合される。そして、第二躯体6のネジ穴部38,38及びネジ挿通孔36,36内にネジを挿入し、第一躯体5のネジ穴21,21へと螺合させて、第一躯体5と第二躯体6とを固定する。
収納具本体2から突出した状態となっているメカニカルキー4を収納具本体2内へと収納させるには、第二躯体6から突出している操作ボタン44の頭部65を押圧してスプリング45を押し縮めながら、メカニカルキー4の収納方向へ回転部41を回転させる。
つまり、操作ボタン44の突起部66,66を第二躯体6の係止溝28,28への係合から外し、メカニカルキー4の回転方向へのスプリング45の付勢力に抗してメカニカルキー4を収納具本体2の開口溝14,24側へと旋回させると、収縮されたスプリング45により操作ボタン44が第二躯体6側へと常に付勢されているので、操作ボタン44の突起部66,66が係止溝28,28との係合位置へくると、突起部66,66が再び係止溝28,28へ係合する。これにより、図1の実線で示すとともに図2に示すように、メカニカルキー4は収納状態となる。このとき、固定部42は収納具本体2に対して固定状態となっているので、回転部41の回転を支持している。
このようなメカニカルキー4の収納状態において、摩擦板46と摩擦パッド48との接触状態は、摩擦パッド48の接触幅部87,87の一部が、摩擦板46の一対の摩擦部79,79の一部と接触した状態となっている。
次に、図1の実線で示すような収納状態にあるメカニカルキー4を、図1の二点鎖線で示すような使用状態にするには、図2に示すように、第二躯体6から突出した操作ボタン44の頭部65を押圧すると、操作ボタン44がスプリング45の付勢力に抗してケース43内へと進入して、第二躯体6の係止溝28,28と操作ボタン44の突起部66,66との係合状態が外れる。すると、スプリング45のトーションによってメカニカルキー4の回転方向へと付勢されていた回転機構3の回転部41が回動し、メカニカルキー4を収納具本体2の外方へと突出させる。
このとき、固定部42である軸受け49と摩擦板46とは、収納具本体2に対して固定状態となっているため動かない。これに対して摩擦パッド48を保持するカバー47は、メカニカルキー4と一体に回転する。そのため、接触している回転部41の摩擦パッド48と固定部42の摩擦板46との間には、回転機構3の回転部41の回転に伴って摩擦が生じることになる。
つまり、回転部41の回転規制が解除されると、摩擦板46の摩擦部79,79が摩擦パッド48の接触部89,89と接触し始める。この場合、図10及び図11に示すように、摩擦部79,79に対して接触部89,89の径方向の幅は短く、互いの接触面積は小さいため相互間にそれ程大きな摩擦力は生じない。そのため、初期においては、回転部41は迅速に回転する。
回転部41の回転がさらに進んでいくと、その終期において、摩擦部79,79と接触幅部87,87同士が接触し始め、固定部42に対する回転部41の回転は徐々に減速し始める。つまり、図10及び図11に示すように、接触部89,89の径方向の幅よりも接触幅部87,87の径方向の幅の方が広いため、摩擦板46に対する摩擦パッド48の接触面積が大きくなり、相互間の摩擦力が増加してスプリング45による回転トルクが抑制されたからである。このようにして、メカニカルキー4は収納具本体2から突出する。
尚、軸受け49において、第一躯体5の円型溝部10内に位置する回転許容部100の一側に当接していたカバー47の当接凸部94が回転許容部100の他側に当接することにより回転部41の回転が規制される。このとき、メカニカルキー4は、図1の二点差線で示すように、収納具本体2の長手方向に沿って突出して使用時の姿勢となる。
このように、固定部42と回転部41とが回転する際、互いに接触する面積の大きさを変えているので、相互間に生じる摩擦量が変化して回転機構によるメカニカルキー4の回転速度を簡易な構成で可変させることができる。よって、回転機構3によるメカニカルキー4の回転速度を回転の終期に減速することができるので、メカニカルキー4が収納具本体2に衝突して停止する際の衝撃を抑えることができ、商品性を高めることができる。
回転部41及び固定部42に対する回転方向及び接触方向への付勢を一つのスプリング45で行うことができるので、同時に双方への付勢を行うことができるとともに構成が簡単なため組み立てやすい。しかもコストを低減することができる。
メカニカルキー4が常に携帯を要することの多い鍵なので、鍵の差込部が収納されることによって、より携帯し易いものとなる。
しかも、鍵が車両用の鍵なので、例えば、図1の二点鎖線で示すように、収納具本体2内に電子キーの装置102を内蔵すると、車両用の鍵と電子キーとを収納具本体内に一体的に配置させることができるので、双方での操作が可能となり車両用の鍵としての操作性が向上する。
尚、本発明では、車両用の鍵について説明したが、鍵であれば車両用の鍵に限らず、住宅用鍵、金庫用鍵等、収納及び携帯を必要とするものには何にでも適用することができる。
本発明における一実施形態のメカニカルキーの出没状態を示す平面図である。 本発明における一実施形態のメカニカルキーの収納具本体への収納状態を示す側面図である。 本発明における一実施形態の収納具本体の第一躯体を示す平面図である。 本発明における一実施形態の収納具本体の第二躯体を示す平面図である。 本発明における一実施形態の回転機構を示す側断面図である。 本発明における一実施形態のケースの平面図である。 本発明における一実施形態のケースの側断面図である。 本発明における一実施形態の操作ボタンを示す平面図である。 本発明における一実施形態の操作ボタンを示す側面図である。 本発明における一実施形態の摩擦板を示す平面図である。 本発明における一実施形態のカバー及びカバー内に保持されたパッドを示す平面図である。 本発明における一実施形態の軸受けを示す平面図である。 本発明における一実施形態の軸受けを示す側面図である。 本発明における一実施形態の軸受けを示す裏面図である。
符号の説明
1 折りたたみ式収納具
2 収納具本体
3 回転機構
4 メカニカルキー(機能部材)
8,26 回転機構収納溝(溝部)
14,24 キー収納溝(溝部)
41 回転部
42 固定部
44 操作ボタン(規制手段)
45 スプリング
46 摩擦板(可変手段)
48 パッド(可変手段)
66,66 突起部

Claims (5)

  1. 外方側へ開口し、機能部材を出没可能に収納する溝部を設けた収納具本体と、
    前記機能部材を回転させて前記収納具本体から突出させる回転機構と、
    前記収納具本体に対する前記回転機構による前記機能部材の回転を規制及び規制解除する規制手段とを設けた折りたたみ式収納具において、
    前記回転機構による前記機能部材の回転速度を可変させる可変手段を設け、
    前記可変手段は、前記回転機構による前記機能部材の回転速度を回転の終期に減速することを特徴とする折りたたみ式収納具。
  2. 前記回転機構は、前記機能部材を前記収納具本体に対して回転可能に支持する回転部と、
    該回転部の回転を支持すべく前記収納具本体に固定される固定部とを有し、
    前記可変手段は、前記固定部と前記回転部とが回転する際、相互の接触面積の大きさを変えることによって前記回転機構による前記機能部材の回転速度を可変させることを特徴とする請求項1記載の折りたたみ式収納具。
  3. 前記固定部に対し前記回転部を回転方向に付勢するスプリングで、前記回転部と前記固定部とに接触方向の付勢力を与えることを特徴とする請求項2記載の折りたたみ式収納具。
  4. 前記機能部材が鍵であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の折りたたみ式収納具。
  5. 前記鍵が車両用の鍵であることを特徴とする請求項4記載の折りたたみ式収納具。
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