JP6069748B2 - 携帯型キー - Google Patents

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Description

本発明は、建物の扉の錠前の施・解錠に使用することができる携帯型キーに関する。
特許文献1は、携帯型キーに関するものである。この携帯型キーの請求項1の前提部分には、「シリンダ錠(24)に差し込み可能なキープレート(15)の一端部に円形の支持孔(48)が設けられるキーヘッド(16)が結合されて成るメカニカルキー(12)と、前記支持孔(48)に嵌合される支軸(27b)を有する支持部材(27)並びに前記キーヘッド(16)を前記支持部材(27)との間に挟んで前記支持部材(27)に締結される挟持部材(28)とを構成要素の一部として有するとともに前記メカニカルキー(12)の全体を格納する格納位置並びに前記キープレート(15)を突出させる突出位置間で前記メカニカルキー(12)を回動させることを可能として前記キーヘッド(16)を支持する把持ケース(13)と、前記キープレート(15)を突出させる側に前記メカニカルキー(12)を付勢する弾発力を発揮するようにして一端が前記キーヘッド(16)に係合されるとともに他端が前記挟持部材(28)に設けられたばね係止部(28c)に係合されるねじりばね(50)とを備えるキーユニット」が記載されている(符号は特許文献1のもの)。
そこで、特許文献1の図7を参照にすると、携帯型キーのベース体(図面の一番下方の長板)29の左側の先端部上面に筒状の支持部材(筒状固定支軸)27が設けられ、該筒状固定支軸に組み込まれる操作ボタン41用の付勢バネ42が垂直状態に描かれている。前記付勢バネ42は操作ボタン41を図9で示す初期位置へ戻すための復帰バネの機能だけを有するもので、図9で示すようにキャップ状の操作ボタン41に内装されている。一方、ねじりばね50は、キーヘッド16と蓋体側の挟持部材28との間に描かれ、このねじりばね50は、その上端部が前記挟持部材28のバネ係止部28cに係止され、一方、その下端部は前記キーヘッド16に形成された係止溝に係止されている。そして、前記ねじりばね50は、請求項1で記載しているように、把持ケース13から外方向へ自動的に飛び出すように付勢している。
すなわち、図9の初期状態に於いて、今仮に操作ボタン41を下方へとプッシュすると、該操作ボタン41の内端部に形成した突出部分がキーヘッド16の支持孔48に形成した拘束溝60から外れ、その結果、ねじりばね50の弾発力(復帰力)がメカニカルキー12に作用し、該メカニカルキーはねじりばね50の弾発力により格納位置から突出方向へと飛び出す。
しかしながら、この特許文献1の携帯型キーは、把手ケース13の先端面と略直交する使用位置(中立位置)に於いて、使用時、把手ケースを介してキープレート15に過度の荷重がかかった場合に、荷重を逃がす工夫が施されていないので、筒状の支持部材(筒状固定支軸)27とメカニカルキー12のキーヘッド16の支持孔48を形成する内周壁の接触部分に無理な力が掛かり、該接合部分が破損するという問題点がある。
付言すると、使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれるキーブレードを備える携帯型キーに於いては、比較的、デッドボルトを施錠方向に付勢するバネ力が強い建具用錠前に使用する場合があるので、このような場合には、携帯型キーの「使用位置(中立位置)」を保持しながら、把手を介してキーブレードに掛かる過度の荷重を逃がしてやることが望まれる。それは、大きな操作力が把手を介してキーブレードに加わった時、キーの基端部の嵌合内周面(接合面)と把手の内面に形成された筒状支軸の外周面(接合面)や、合成樹脂材に成形された把手の先端部のキーが接触する先端縁が破損し、或いは破損する恐れがあるからである。そこで、このような問題点を解決するために本発明が出現した。
なお、特許文献1は、「ポップアップ式携帯キー」に関する一例で、この特許文献1は、ねじりばね50と操作ボタン41用の付勢バネ42はそれぞれ別個のバネ部材なので、部品点数が多い、ねじりばね50を簡単に取付けるための挟持部材28が必要である等の問題点がある。
特許第4673776号
本願発明の所期の目的は、建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込み、解錠操作しても、把手とキーブレードとの接合部分が破損しない携帯型キーを提供することである。第2の目的は、キーブレードが中立位置からさらに回転する方向に位置変位した時に、該キーブレードを傾倒状態で確実に受け止めることである。第3の目的は、キーブレードが把手の収納位置にある場合に、不用意にキーブレードが把手の外に飛び出さないよう確実に係止することである。第4の目的は、操作ボタン用の付勢バネに特許文献1に記載のねじりばね50の機能を持たせ、部品点数を減少させることである。その他、電気部品を収納するスペースを多く取ることができることである。
本発明の携帯型キーは、把手1の先端部1aに固定支軸5を介して該把手1のキー収納部15から前記先端部1aの先端面と略直交する中立位置bまで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタン12と共働するキーブレード2を備える携帯型キーXに於いて、前記把手1の先端部1aに前記キーブレード2の中立位置bを保持する中立保持手段8を設け、この中立保持手段8は、前記把手1の先端部1aに形成した嵌合孔18に嵌合すると共に、その係合部分12bが前記嵌合孔18の周壁部位19に形成した被係合部分21に係合する前記操作ボタン12と、この操作ボタン12を前記把手1に係合する方向へ常時付勢するように前記固定支軸5に設けられた付勢バネ11とから成り、前記中立保持手段8が前記キーブレード2の中立位置bを保持している状態に於いて、前記把手1を介して前記キーブレード2に前記中立位置bを超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレード2は前記被係合部分21の案内傾斜面21bに案内される前記操作ボタン12が前記付勢バネ11のバネ力に抗して下降するのに対応して中立位置bからさらに傾倒状態に回転することを特徴とする。
上記構成に於いて、キーブレード2が中立位置bからさらに回転する方向に位置変位した時に、該キーブレード2を傾倒状態に受け止める単数又は複数のストッパー部分(22、16a)が把手1の先端部1aに形成されていることを特徴とする。また嵌合孔18の周壁部位19には、被係合部分21に対して所定角度で対向する拘束溝20が形成され、該拘束溝20は、キーブレード2がキー収納部15に位置した時に、付勢バネ11のバネ力で復帰する操作ボタン12の係合部分12bを係止することを特徴とする。また付勢バネ11は、その上端部11aがキャップ状の操作ボタン12の内部に設けられたバネ端支持部12aに係止され、一方、その下端部11bは固定支軸5に設けたバネ端支持部7aに係止され、操作ボタン12をプッシュすることにより該操作ボタン12の係合部分12bが把手1の拘束溝20から外れると、該操作ボタン12と共働するキーブレード2は、前記付勢バネ11の復帰力により把手1から飛び出ることを特徴とする。さらに、把手1はトランスポータを内蔵し、また前記固定支軸5は、携帯型把手1の中心を通る中心線Oに対して偏心する位置に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の携帯型キーは、把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部に組み込まれた内装バネのバネ力により、その突出先端部が該筒状基端部の一側面から常に突出する可動係合片と、この可動係合片の前記突出先端部を終端部で受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に所定角度を有して半弧状に形成された可動係合片用案内溝とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記可動係合片が前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら前記終端部を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする。
上記構成に於いて、把手の先端部に可動係合片用案内溝の終端部に連続するブレーキ傾斜状か又はキーブレードを停止させるストッパー部分のいずれかが形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の携帯型キーは、把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部の一側面から所定量突出する係合部分と、この係合部分を終端部で受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に所定角度を有して半弧状に形成された係合部分用案内溝と、この係合部分用案内溝の終端部に形成された嵌合部に進退動自在に設けられ、かつ内装バネのバネ力により、その突出先端部が該係合部分用案内溝の内壁底面から常に突出する可動係合片とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記係合部分が前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら前記可動係合片の上面を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする。
上記構成に於いて、把手の先端部には係合部分用案内溝に可動係合片を介して連続する凹所状逃がし溝、又はブレーキ傾斜面又はキーブレードを停止させるストッパー部分のいずれかが形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の携帯型キーは、把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部に組み込まれた内装バネのバネ力により、その突出先端部が該筒状基端部の一側面から常に突出する可動係合片と、この可動係合片の前記突出先端部を中立位置(キーの使用位置)受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に突設された係合突起とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記係合突起を前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする。
加えて、本発明の携帯型キーは、把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部の一側面から突出する係合突起と、その接続端部が前記把手に一体的或いは固定手段を介して設けられ、かつ前記係合突起を中立位置(キーの使用位置)で受け止めることができる隆起状受け部分を有する弾性変位復帰片とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは前記隆起状受け部分を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする。
(a)請求項1に記載の発明は、建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込み、解錠操作しても、把手1とキーブレード2との接合部分が破損しない。付言すると、キーブレードに掛かる過度の荷重に対して、キーブレードは、把手(例えば蓋体の嵌合孔の周壁部位に形成された)の被係合部分に案内される操作ボタンが、中立保持手段を構成する付勢バネのバネ力に抗して下降するのに対応して中立位置からさらに傾倒状態に回転する(使用位置からさらに回転する方向に位置変位する)ことから、中立保持手段8は、いわば緩衝機能を発揮する。
(b)請求項2に記載の発明は、使用位置からさらに回転する方向に位置変位した場合に於いて、キーブレード2は、単数又は複数のストッパー部分22、16aに受け止められるので、その状態でも携帯型キーを操作することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、キーブレードが把手の収納位置aにある場合に、不用意にキーブレード2が把手1の外に飛び出さないよう確実に係止することができる。
(d)請求項4に記載の発明は、操作ボタン用の付勢バネ11に特許文献1に記載のねじりばね50の機能を持たせ、部品点数を減少させることができる。
(e)請求項5に記載の発明は、把手1の先端部1aのスペースを有効的に活用することができる。したがって、電気部品を収納するスペースを多く取ることができる。
(f)請求項6に記載の発明は、第1実施形態に対して、中立保持手段は、キーブレードの筒状基端部に組み込まれた内装バネのバネ力により、その突出先端部が該筒状基端部の一側面から常に突出する可動係合片と、この可動係合片の前記突出先端部を終端部で受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に略180度を有して半弧状に形成された可動係合片用案内溝とから成るものの、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記可動係合片が前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら前記終端部を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転するので、(a)と同様の効果がある。
(g)請求項7に記載の発明は、緩衝機能を具体的に発揮することができる。
(h)請求項8に記載の発明は、第1実施形態に対して、中立保持手段は、キーブレードの筒状基端部の一側面から所定量突出する係合部分と、この係合部分を終端部で受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に略180度を有して半弧状に形成された係合部分用案内溝と、この係合部分用案内溝の終端部に形成された嵌合部に進退動自在に設けられ、かつ内装バネのバネ力により、その突出先端部が該係合部分用案内溝の内壁底面から常に突出する可動係合片とから成るものの、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記係合部分が前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら前記可動係合片の上面を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転するので、(a)と同様の効果がある。
(i)請求項9に記載の発明は、緩衝機能を具体的に発揮することができる。
(J)請求項10又は請求項11に記載の発明も、簡単な構成により、他の実施形態と同様に緩衝機能を発揮することができる。
図1乃至図13は本発明の第1実施形態を示す各説明図、図14乃至図18は本発明の第2実施形態を示す各説明図、図19至図22は本発明の第3実施形態を示す各説明図、図23至図27は本発明の第4実施形態を示す各説明図、図28至図30は本発明の第5実施形態を示す各説明図。
携帯型キーを構成するキーブレードが使用(中立)位置まで回転した状態の斜視図。 キーブレードが収納位置に収まっている状態の右側面図。 携帯型把手の先端部側から見た説明図。 キーブレードを収納した状態の斜視図。 図4の5−5線の概略断面拡大説明図。 全体の分解斜視図。 要部(固定支軸、中立保持手段、蓋体の嵌合孔等)の斜視からの概略説明図。 要部(蓋体の嵌合孔、周壁部位の被係合部分及び拘束溝、操作ボタン、付勢バネ)の概略説明図。 キーブレードの各位置の説明図(収納位置、中立位置、位置変位した場合)。 蓋体の嵌合孔の周壁部位を展開状態で示した概略説明図。 キー2の回転に伴う中立保持手段8の作動態様を示す概略説明図。 キーブレードが使用位置まで回転した状態と、位置変位した場合の説明図。 建物の扉の錠前の施・解錠に使用する説明図。 本発明の第2実施形態を示す図2と同様の説明図 把手からキーブレードを外した要部の説明図(キーブレードの平面図と底面図を含む)。 キーブレードを斜視(底面側)で示した要部(内装バネ、可動係合片等)の概略説明図。 キーブレードの要部の概略断面説明図。 (a)収納位置、(b)及び(c)は可動係合片が終端部を乗り越えるときの概略説明図。 本発明の第3実施形態を示すキーブレードの説明図。 係合部分用案内溝と可動係合片の概略説明図。 中立保持手段の概略断面説明図(中立位置) 中立保持手段の概略断面説明図(中立位置から位置変位する状態)で、(a)は係合部分が可動係合片に衝突した中立位置、(b)は中立位置からさらに移行し始め、係合部分が可動係合片を押し付けた状態、(c)は係合部分が可動係合片を乗り越えた状態をそれぞれ示す概略説明図である。 第4実施形態の把手からキーブレードを外した要部の説明図(キーブレードの平面図と底面図を含む)。 キーブレードを斜視(底面側)で示した要部(内装バネ、可動係合片等)の概略説明図。 ベース体の固定支軸の説明図。 ベース体の係合突起とキーホルダーの可動係合片との位置を示す概略説明図。 (a)収納位置、(b)及び(c)は可動係合片が係合突起を乗り越えるときの概略説明図。 第5実施形態の中立保持手段の概略断面説明図(中立位置)。 中立保持手段の斜視からの概略説明図。 (a)、(b)及び(c)は作用の説明図である。
図1乃至図13は、本発明の一実施形態の携帯型キーXである。これらの図に於いて、1は把手で、この把手1は、ベース体13と、このベース体13に固定される蓋体17とから成る(図6参照)。図1を基準にすると、1aは把手1の先端部、一方1bは把手1の後端部である。把手1の手前側の一側壁には横向き凹所のキー収納部15が形成されている。キー2は、キー用収納部15から図1で示す使用位置(中立位置)まで略180度回転し、前記先端部1aに設けられた中立保持手段8に保持された状態で停止する。前記中立保持手段8は、ベース体13の短軸状の固定支軸5に設けられた付勢バネ11と、この付勢バネ11の弾発力によって常時蓋板17側(例えば蓋板の被係合部分に係合する方向)に付勢された操作ボタン12から成る。付言すると、キー2は、中立保持手段8を構成する操作ボタン12が蓋板17の先端部の嵌合孔(円形貫通孔)18の周壁部位19に形成した案内傾斜面21bを有する被係合部分21(例えば断面形状が杯を逆様にした外形形状と同一の凹所)に、その突片状の係合部分12bの上端部が付勢バネ11に付勢された状態で係合している。
そして、後述するように、本実施形態では、把手1を介してキー2に中立位置bを超えるような荷重が掛かったとき、該キー2は前記蓋板17の被係合部分21の案内傾斜面21bに案内される前記操作ボタン12が前記付勢バネ11のバネ力に抗して下降するのに対応して中立位置bからさらに傾倒状態に回転する。
前記キー2は、図6で示すように、筒状基端部3a及び該筒状基端部3aに連設する接続部分3bを有するキーホルダー3と、このキーホルダー3の前記接続部分3bに差し込み固定されるキー本体(ブレード部分)4とから成る。
ここで、図5、図6を参照にして、要部(ベース体13、蓋体17、固定支軸5、中立保持手段8等)を説明する。前述したように、把手1は、例えばベース体(下ケース)13と、図示しない固定手段(例えば単数又は複数個の固着具)を介して該ベース体13に重なるように合体する蓋体(上ケース)17とから成る。
まず、ベース体13の構成を説明する。5はベース体13の中心Oから離れた位置、すなわち、把手1の先端部1aの偏心部位に設けられた固定支軸で、この固定支軸5は、ベース体13の上面に突出形成された円形又は多角形状の盤状部分5aと、この盤状部分5aの中央部に短軸状にその基端部が固定された大径部分6と、この大径部分の上端部に連設する短い小径部分7とから成り、実施形態では、前記短い小径部分7に操作ボタン用の付勢バネ11の下端部を保持するバネ端用係止部分7a(例えば係止溝、係止穴)が形成されている。
しかして、把手1は、単なる扁平型基盤であっても良く、望ましくは、図13で示すドア38側の錠前39の錠制御装置に対する電子認証用の交換手段を含む電子回路(トランスポーター)をベース体13の凹所14に内蔵する扁平状のケースである。
本実施形態では、図示しないトランスポータを内蔵するために、ベース体13の内面に形成された突壁状周壁13aで囲まれた凹所14に電子回路が収納される。そのために、固定支軸5をベース体13の先端部内面の偏心位置に突出形成している。そして、実施形態では、前記突壁状周壁13aの固定支軸5側には、凹所状のキー収納部15に連通するやや弧状のストッパー面16が形成され、該弧状ストッパー面(ストッパー部分)16は先端部にベース体13の先端面と交差するキー本体用の受面16aを含み、使用時、前記キー2が付勢バネ11のバネ力に抗して使用位置bからさらに傾く方向に回転した場合にストッパー位置cで、それ以上過度に回転しないように受け止める。
次に、蓋体17の構成を説明する。ここでは、特に図7及び図10を参照にする。図7の上方に仮想線で示したものが蓋体17の先端部で、環状の円形断面部分が、前述した操作ボタン12の上端部が遊嵌合する嵌合孔18を形成する周壁部位(短筒状部分)19である。嵌合孔18は固定支軸5と同軸上に形成されている。ここでは、説明の便宜上、前記周壁部位(短筒状部分)19の外側を三本の線a、b、cで示し、線aがキー2の収納位置、線bがキー2の使用位置(中立位置)、線cがキー2が前記中立位置からさらに回転して位置変位し、単数又は複数のストッパー部分に受け止められたストッパー位置とする。
また図10は蓋体17の嵌合孔18を形成する周壁部位19を展開状態で示した概略説明図で、図面上一番左側の断面矩形状の拘束溝20が上述した線a側に形成されている。この拘束溝20は、少なくとも蓋体17の周壁部位(短筒状部分)19の下面に相当する境界面19aから該周壁部位19の上面19bに相当する側に向かって所要の深さ(例えば操作ボタン12の係合部分12bの山形状上端部が係合する程度)まで形成されている。そして、拘束溝20は、実施形態では断面チャンネル形状に形成されているので、その開口端の右側は操作ボタン12に対する係止機能を高めるために傾斜面を有しない直角部分20aとなっており、一方、左側に相当する周壁部位19の下面は、前記境界面19aよりも下方に若干突出した突出面19cとなっている。したがって、前記突出面19cは操作ボタン12に対するストッパーの役割を果たす。
次に、図面上略中央部の下向き凹所21は、上述した中立位置の線b側に形成されている。線bの下向き凹所21は、線aの拘束溝20に対して略180度の位置に存在する。また該下向き凹所21は、断面形状が「杯」を逆様にした外形形状と同一の凹所で、少なくともキー2の回転方向である右側に案内傾斜面21bを有している。実施形態では、操作ボタン12の係合部分12bの山形状上端部が該下向き凹所21に容易に入り込むことができるようにその左側も案内傾斜面21aとなっている。ここでは、嵌合孔18の周壁部位に形成した断面杯形状の下向き凹所21を「被係合部分」と言う。この被係合部分21の開口端の左右は前述した境界面19a上に位置する。また被係合部分21の内壁底面(図面上では凹所の上面)21cは、前述した拘束溝20の内壁底面20cと同一の水平ラインL1上に位置する。
最後に、図面上一番右側の断面富士山形状の下向き凹所22は、上述したストッパー位置の線c側に形成されている。この下向き凹所22は、キー2が荷重により中立位置bからさらに回転する方向に位置変位した時に、該キー2を傾倒状態に受け止めるストッパー部分の一例である。望ましくは、被係合部分21の右側の案内傾斜面21bに境界面19aを介して連続する下向き凹所22の左側の受け入れ面22aは傾斜状に形成されている。一方、係合部分12bの山形状上端部を受け止める内壁底面22cに連続する右側のストッパー面22bも、衝撃を緩和する観点から傾斜状に形成されている。そして、右側に相当する周壁部位19の下面は、前記境界面19aよりも下方に若干突出した突出面19cとなっている。したがって、この突出面19cも操作ボタン12に対するストッパーの役割を果たす。
なお、実施形態では、断面富士山形状の下向き凹所22の内壁底面22cは、拘束溝20や被係合部分21の内壁底面(20c、21c)よりも若干浅い水平ラインL2上に位置する。
図11は、図10のキー2が拘束溝20(収納位置a)から下向き凹所21(中立位置b)を経過して下向き凹所22(ストッパー位置c)まで回転した場合における中立保持手段8(付勢バネ11、操作ボタン12)の作動態様を示す。この図から明らかなように、中立保持手段8を構成する操作ボタン12は、固定支軸5の軸線上Vに配設された付勢バネ11の付勢力により、常時、拘束溝20、被係合部分21、下向き凹所22の各内壁底面(20c、21c、22c)に係合する方向に付勢され、これらの各内壁底面に操作ボタン12の係合部分12bの山形状上端部が受け止められた場合には、それなりに付勢バネ11は伸長し、一方、前記各内壁底面から離れて境界面19aに至った場合には収縮する。
図5、図7、図8を参照にして中立保持手段8(付勢バネ11、操作ボタン12)に配設態様を説明する。付勢バネ11は、圧縮コイルバネが採用され、その上端部11aはキャップ状操作ボタン12の内部に形成された係止部分12aに係止され、一方、下端部側に相当する他端部11bは、前述したように固定支軸5のバネ端用係止溝7aに係止固定されている。
また、キャップ状操作ボタン12の外周面の適宜箇所には単数又は複数の、実施形態では単数の突片状係合部分12bが設けられ、該係合部分12bはキーホルダー3の筒状基端部3aの内周面に形成した単数又は複数の係合溝3cに常に係合していると共に、その山形状上端部は、前述した蓋体側の周壁部位19に形成した拘束溝20、下向き凹所21及び下向き凹所22にそれぞれ選択的に係脱する。なお、実施形態のキー2は、把手1に対して、交換可能な鍵部品である。キー2の筒状基端部3aは、組合せの際、ベース体13の固定支軸5に、幾つかのStepを経た後に固定支軸5に外嵌合する。キー2組合せ態様は本発明の特定事項ではないので割愛する。なお、設計如何によっては、キャップ状操作ボタン12の突片状係合部分12bは、複数個形成することができる。この実施形態の場合には、蓋板17の嵌合孔18の周壁部位に前記複数の突片状係合部分12bに対応して複数の拘束溝20等を適宜に形成する。
図9はキー2の各位置の説明図で、aはキー2の収納位置、bはキー2の中立位置、cはキー2位置変位したストッパー位置である。この図から明らかなように、キー2が収納位置aから略180度回転すると、中立位置bで操作ボタン12の係合部分12bが拘束溝20から下向き凹所21へと移行し、中立保持手段8が前記キー2の中立位置bを保持する。
そして、今仮に、前記中立保持手段8が前記キー2の中立位置を保持している状態に於いて、把手1を介して前記キー2に前記中立位置bを超えるような荷重が掛かったとき、該キー2は被係合部分としての下向き凹所21の案内傾斜面21bに案内される操作ボタン12が付勢バネ11のバネ力に抗して下降するのに対応して中立位置からさらに傾倒状態に回転し、その時、中立保持手段8が回転中のキー2に対して緩衝的機能を果たす。そして、前記操作ボタン12が付勢バネ11のバネ力に抗して下降してストッパー位置cに至り、その係合部分12bが下向き凹所22に係合すると、実施形態では、複数のストッパー部分(22b、16a)で受け止められる。
実施形態では、嵌合孔18の周壁部位に形成した被係合部分21は案内傾斜面21bを有する(例えば図10参照)が、この案内傾斜面21bは、段差状、曲面状等の形状に任意に設計変更することができる。
付勢バネ11の下端部11bは、実施形態では、短軸状(実施形態) 又は短筒状の固定支軸5の上端部に形成した係止部分7aに係止されているが、これに限定するものではなく、例えばベース体13の上面に形成したバネ端支持部であっても良い。また付勢バネ11の下端部11bは、固定支軸5の上端部に支持されているが、固定支軸5に巻装するように配設しても良い。また、本実施形態はポップアップ式携帯キー」であるが、必ずしもポップアップ式携帯キーである必要はない。また、ドア38側の錠前39の錠制御装置に対する電子認証用の交換手段を含む電子回路(トランスポーター)を内蔵するか否かを問わず適用することができる。
次に、図14乃至図22を参照にして、本発明の他の実施形態を説明する。なお、他の実施形態の説明に当って、第1実施形態と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
まず、図14乃至図18は本発明の第2実施形態を示す各説明図である。この第2実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、第1実施形態の中立保持手段8は、把手1の蓋板17の嵌合孔18の周壁部位19に形成された凹所状の被係合部分21に係合する突片状の係合部分12bを有する操作ボタン12と、該操作ボタン12を前記被係合部分21に係合するように付勢する付勢バネ11とから成るのに対して、第2実施形態の中立保持手段8Aは、キーブレード2Aの筒状基端部3aに組み込まれた内装バネ25のバネ力により、その突出先端部26aが該筒状基端部3aの一側面(実施形態では下面)から常に突出する可動係合片26と、この可動係合片の前記突出先端部26aを終端部27bで受け止めることができるように短筒状固定支軸5Aの同心円上に略180度を有して半弧状に形成された可動係合片用案内溝27とから成ることである。
ここで図16及び図17を参照にすると、24はキーブレード2Aの筒状基端部3aの付勢バネ用嵌合孔23に対して偏心部位に形成されたバネ収納部で、このバネ収納部24の裏面側の内端部は環状係止部分24aが内設され、この環状係止部分24aに内端部の鍔部分26bが係止された状態で可動係合片26が設けられている。28はバネ収納部24の外端部に固定的に嵌め込まれた止め栓で、この止め栓28は例えば適宜にカシメ固定、螺着等の手段により固定されている。そして、前述した内装バネ25は前記止め栓28と鍔部分26bの間に組み込まれ、可動係合片26を常に突出方向へ付勢している。
そこで、図14及び図18で示すように、中立保持手段8Aがキーブレード2Aの中立位置を保持している状態に於いて、把手1を介して前記キーブレード2Aに中立位置bを超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレード2Aは、可動係合片26が内装バネ25のバネ力に抗して後退動しながら可動係合片用案内溝27の終端部27bを乗り越えることにより、中立位置bからさらに傾倒状態に回転する。
図18の(a)、(b)及び(c)は、可動係合片26が中立位置bの終端部27bから該終端部を乗り越えたときの概略説明図で、この実施形態では、把手1の先端部1aに可動係合片用案内溝27の終端部27bにやや段差状に連続する傾斜状逃がし面29を形成しているが、この傾斜状逃がし面29に代えて、又は傾斜状逃がし面29と共にキーブレード2Aを所定位置で停止させるストッパー部分(第1実施形態と同様の受面16a、上向き凹所22)を適宜に設けても良い。
なお、可動係合片26の突出先端部26aは、終端部27bを乗り越えることができるように弾頭状、円錐状、弧状、傾斜状、円錐状等曲面や傾斜面を有する適宜形状に形成するのが望ましい。また符号27aは、可動係合片用案内溝27の始端部であり、その余の細部的事項の説明は割愛する。
ところで、第2実施形態では、キーブレード2Aのバネ収納部24に内装バネ25と可動係合片26をそれぞれ配設したが、逆の発想により、前記内装バネ25と可動係合片26をベース体13の始端部27aと終端部27bを有する半円弧状案内溝27側に配設しても良い。
すなわち、図19至図22は、中立保持手段8Bを構成する内装バネ25と可動係合片26を把手1のベース体13に設けた本発明の第3実施形態を示す各説明図である。なお、説明の便宜上、中立保持手段8Bを構成部材は、上記第2実施形態と同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
この第3実施形態の中立保持手段8Bは、キーブレード(キー)2Bの筒状基端部3aの一側面から所定量突出する係合部分(係合小突起)30と、この係合部分30を終端部27bに設けた可動係合片26Aで受け止めることができるように短筒状固定支軸5Aの同心円上に略180度を有して半弧状に形成された係合部分30用案内溝27Aと、この係合部分用案内溝27Aの終端部27bに形成された収納部24Aに進退動自在に設けられ、かつ内装バネ25Aのバネ力により、その突出先端部26aが該係合部分用案内溝27Aの内壁底面から常に突出する前記可動係合片26Aとから成る。
そして、中立保持手段8Bがキーブレード2Bの中立位置bを保持している状態に於いて、把手1を介して前記キーブレード2Bに前記中立位置bを超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレード2Bは、前記係合部分30が前記内装バネ25Aのバネ力に抗して後退動しながら前記可動係合片26Aの曲面状上面を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転する。
なお、この第3実施形態に於いて、把手1の先端部1aに係合部分用案内溝27Aに可動係合片26Aを介して連続する凹所状ストッパー部分(実施形態)22A又はブレーキ傾斜面又はキーブレード2Bを停止させるストッパー部分16aのいずれか1つ以上を形成しても良い。
さらに、図23至図27は、本発明の第4実施例を示す各説明図である。なお、説明の便宜上、中立保持手段等の構成について、第2実施形態と同一の部分には同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
まず、第2実施形態の図15と第4実施例の図23を対比すると、キーブレード2Cの基本的構成は同じであるが、把手1を構成するベース体13の円形の盤状部分5aの上面に乗っかるように、キーブレード2Cの嵌合孔23以外の部分が平坦面となっている点である。この点に関して、第2実施形態の図16と第4実施例の図24を対比すると理解し易いが、第2実施形態の嵌合孔23の回りには、ベース体13の円形の盤状部分5aに外嵌合する環状凹所が形成されているが、第4実施例のキーブレード2Cのキーホルダー3の筒状基端部3aの裏面Bは、図26で示すようにベース体13の円形の盤状部分5aの上面に乗っかるので、第2実施形態の如く嵌合孔23に連通する環状凹所が形成されていない。
そこで、第2実施形態と同一構成の可動係合片26が、内装バネ25のバネ力によって、キーホルダー3の筒状基端部3aの表面Fから常に突出している。
しかして、この実施形態の中立保持手段8Cは、キーブレード2C側の内装バネ25及び可動係合片26と、前記該可動係合片26を中立位置で一時的に受け止めるために把手1のベース体13に設けられ係合突起27Bとから成る。そして、前記係合突起27Bは、キーブレード2Cを中立位置で一時的停止させるストッパー機能兼緩衝的機能の両方を有する。
したがって、この実施形態の中立保持手段8Cは、キーブレード2Cの筒状基端部3aに組み込まれた内装バネ25のバネ力により、その突出先端部が該筒状基端部の一側面から常に突出する可動係合片26と、この可動係合片26の前記突出先端部を中立位置(キーの使用位置)受け止めることができるように固定支軸5の同心円上に突設された係合突起27Bとから成り、前記中立保持手段8Cが前記キーブレード2Cの中立位置を保持している状態に於いて、把手1を介して前記キーブレード2Cに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレード2Cは、前記係合突起27Bを前記内装バネ25のバネ力に抗して後退動しながら乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転する。このように構成しても、第1実施形態或いは第2実施形態と同様の効果がある。
最後に、図28至図30は本発明の第5実施形態を示す各説明図である。この第5実施形態は図19至図22に示した第3実施形態の設計変更例である。すなわち、第3実施形態の中立保持手段8Bは、可動係合片26Aと内装バネ25Aの「二物品」から成るのに対して、この第5実施形態の中立保持手段8Dは「一物品」で構成されている点が相違する。したがって、第5実施形態の構成部分と第3実施形態のそれとが同一の構成には、説明の便宜上、同様の符号を付して重複する説明を省略する。
しかして、この中立保持手段8Dは、キーブレード2Bの筒状基端部3aの一側面から突出する係合突起30と、その接続端部26cが前記把手に一体的或いは固定手段を介して設けられ、かつ前記係合突起30を中立位置(キーの使用位置)で受け止めることができる隆起状受け部分26aを有する弾性変位復帰片26Dとから成り、前記中立保持手段8Dが前記キーブレード2Bの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手1を介して前記キーブレード2Bに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレード2Bは、前記弾性変位復帰片26Dが弾性変位することにより前記隆起状受け部分26aを乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転する。なお、弾性変位復帰片26Dの接続端部26cは、図面ではベース体13に一体成形され、かつ、該弾性変位復帰片26Dは不番のスリットを形成することにより構成されているが、もちろん、前記接続端部26cを図示しない固着具等の固定手段を介して一体的に取付けても良い。
図30は作用を示す説明図である。(a)は係合突起30が中立位置にて弾性変位復帰片26Dの隆起状受け部分26aに衝突した所、(b)は係合突起30に押圧された弾性変位復帰片26Dが不番の空間部方向へ弾性変位することに伴い隆起状受け部分26aが一瞬下降し、該隆起状受け部分26aの傾斜面を乗り越える途中、(c)は係合突起30が隆起状受け部分26aを乗り越えた状態をそれぞれ示す。このように構成すると、簡単に構成により、本発明の所期の目的を達成することができる。
なお、実施形態の構成部材の位置の変更(例えば係合突起と弾性変位復帰片との位置変更)は、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜に設計変更をすることができる。
本発明は、建物の扉の錠前を機械式に施・解錠する際に使用することができる。
X…携帯型キー、1…把手、1a…先端部、2、2A、2B、2C…キーブレード(キー)、3…キーホルダー、3a…筒状基端部、3b…接続部分、4…キー本体、5、5A…固定支軸、6…大径部分、7…小径部分、7a…バネ端用係止溝、8、8A、8B、8C、8D…中立保持手段、11…付勢バネ、12…操作ボタン、12b…係合部分、13…ベース体、15…キー収納部、17…蓋体、18…嵌合孔、19…周壁部位、19a…境界面、20…拘束溝、21…被係合部分、21b…案内傾斜面、16、22、22A…ストッパー部分、23…キーブレード(キー)の嵌合孔、24,24A…収納部、25,25A…内装バネ、26、26A…可動係合片、27、27A…半円弧状の案内溝、27B…係合突起、28…止め栓、30…係合部分(係合小突起)、38…ドア、O…中心線、a…収納位置、b…中立位置、c…ストッパー位置、39…錠前。

Claims (11)

  1. 把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記把手の先端部に形成した嵌合孔に嵌合すると共に、その係合部分が前記嵌合孔の周壁部位に形成した被係合部分に係合する前記操作ボタンと、この操作ボタンを前記把手に係合する方向へ常時付勢するように設けられた付勢バネとから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは前記被係合部分の案内傾斜面に案内される前記操作ボタンが前記付勢バネのバネ力に抗して下降するのに対応して中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする携帯型キー。
  2. 請求項1に於いて、キーブレードが中立位置からさらに回転する方向に位置変位した時に、該キーブレードを傾倒状態に受け止める単数又は複数のいずれかのストッパー部分が把手の先端部に形成されていることを特徴とする携帯型キー。
  3. 請求項1に於いて、嵌合孔の周壁部位には、被係合部分に対して所定角度で対向する拘束溝が形成され、該拘束溝は、キーブレードがキー収納部に位置した時に、付勢バネのバネ力で復帰する操作ボタンの係合部分を係止することを特徴とする携帯型キー。
  4. 請求項1に於いて、付勢バネは、その上端部がキャップ状の操作ボタンの内部に設けられたバネ端支持部に係止され、一方、その下端部は固定支軸に設けたバネ端支持部に係止され、操作ボタンをプッシュすることにより該操作ボタンの係合部分が把手の拘束溝から外れると、キーブレードは前記付勢バネの復帰力により把手から飛び出ることを特徴とする携帯型キー。
  5. 請求項1に於いて、把手はトランスポータを内蔵し、また前記固定支軸は、携帯型把手の中心を通る中心線に対して偏心する位置に設けられていることを特徴とする携帯型キー。
  6. 把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部に組み込まれた内装バネのバネ力により、その突出先端部が該筒状基端部の一側面から常に突出する可動係合片と、この可動係合片の前記突出先端部を終端部で受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に所定角度を有して半弧状に形成された可動係合片用案内溝とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記可動係合片が前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら前記終端部を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする携帯型キー。
  7. 請求項6に於いて、把手の先端部には可動係合片用案内溝の終端部に連続するブレーキ傾斜状か又はキーブレードを停止させるストッパー部分のいずれかが形成されていることを特徴とする携帯型キー。
  8. 把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部の一側面から所定量突出する係合部分と、この係合部分を終端部で受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に所定角度を有して半弧状に形成された係合部分用案内溝と、この係合部分用案内溝の終端部に形成された収納部に進退動自在に設けられ、かつ内装バネのバネ力により、その突出先端部が該係合部分用案内溝の内壁底面から常に突出する可動係合片とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記係合部分が前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら前記可動係合片の上面を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする携帯型キー。
  9. 請求項8に於いて、把手の先端部には係合部分用案内溝に可動係合片を介して連続する凹所状ストッパー部分、又はブレーキ傾斜面、又はキーブレードを停止させるストッパー部分のいずれかが形成されていることを特徴とする携帯型キー。
  10. 把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部に組み込まれた内装バネのバネ力により、その突出先端部が該筒状基端部の一側面から常に突出する可動係合片と、この可動係合片の前記突出先端部を中立位置(キーの使用位置)受け止めることができるように前記固定支軸の同心円上に突設された係合突起とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは、前記係合突起を前記内装バネのバネ力に抗して後退動しながら乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする携帯型キー。
  11. 把手の先端部に短筒状或いは短軸状の固定支軸を介して該把手のキー収納部から前記先端部の先端面と略直交する中立位置まで回転可能に設けられ、かつ使用時に建具用錠前のシリンダ錠の鍵穴に差し込まれると共に、操作ボタンと共働するキーブレードを備える携帯型キーに於いて、前記把手の先端部に前記キーブレードの中立位置を保持する中立保持手段を設け、この中立保持手段は、前記キーブレードの筒状基端部の一側面から突出する係合突起と、その接続端部が前記把手に一体的或いは固定手段を介して設けられ、かつ前記係合突起を中立位置(キーの使用位置)で受け止めることができる隆起状受け部分を有する弾性変位復帰片とから成り、前記中立保持手段が前記キーブレードの中立位置を保持している状態に於いて、前記把手を介して前記キーブレードに前記中立位置を超えるような荷重が掛かったとき、該キーブレードは前記隆起状受け部分を乗り越えることにより、中立位置からさらに傾倒状態に回転することを特徴とする携帯型キー。
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