JP6705667B2 - ラッチ錠 - Google Patents

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Description

本発明は、ラッチ錠に関するものであり、特に施錠機能を備えたラッチ錠に関するものである。
ラッチ錠は、開き戸等の扉の自由端側の端面に取り付けられ、ハンドルを操作することにより、錠ケースからラッチが出没して、扉の開閉を可能とするものである。
近年、コスト等の観点から、錠ケースを樹脂で形成するラッチ錠が開発されている。例えば、特許文献1に記載のラッチ錠は、錠ケースが樹脂製の第1錠ケースと第2錠ケースによって形成されている。そして、この特許文献1に記載のラッチ錠は、第1錠ケースと第2錠ケースには、それぞれ係合部が設けられており、互いに係合部が係合することによって一体となっている。
特開2014−105516号公報
ところで、使用者によっては、扉を開ける際にハンドルを過剰に回転させて操作してしまう場合がある。このような場合、錠ケースが樹脂で形成されているため、ラッチの出没に連動する駆動機構の一部が錠ケースを押圧し、第1錠ケースと第2錠ケースが離反する方向に変形してしまう場合があり得る。そのため、このような錠ケースの変形が起こると、第1錠ケースと第2錠ケースの間隔が広がり、施錠用挿入部材が施錠用ハブ部材から抜け落ちて、ラッチボルトの後端部と錠ケースとの間に落下してしまい、施錠していないにもかかわらず、施錠状態となるおそれがあった。このような状態に陥ると、ハンドル操作を行っても扉を開けることができないため、場合によっては使用者が部屋に閉じ込められてしまう事態も生じ得る。
そこで、本発明は、鍵連動部材(施錠用挿入部材)の第1錠ケースと第2錠ケースの離反による鍵受部材(施錠ハブ部材)からの落下を防止できるラッチ錠を提供することを目的とする。
上記した課題を解消するための請求項1に記載の発明は、錠ケースにラッチボルトと施錠部材が内蔵され、ハンドルに連動させて前記錠ケースから前記ラッチボルトの一部が出没するラッチ錠であり、鍵部材を用いて施解錠可能なラッチ錠において、前記錠ケースは、第1錠ケースと、第2錠ケースを有し、前記施錠部材は、前記鍵部材と係合可能な鍵受部材と、前記鍵受部材と連動して移動する鍵連動部材を有し、前記ラッチボルトの出没方向において前記鍵連動部材が前記ラッチボルトと前記錠ケースの間に進入することによって施錠可能であり、前記鍵受部材は、前記第1錠ケース及び前記第2錠ケースによって回転可能に保持されており、施錠状態及び解錠状態において前記鍵連動部材と不可分一体となっていることを特徴とするラッチ錠である。
ここでいう「不可分一体」とは、単純に2部材間のみの関係において、破壊等を行わない限り外れない関係をいう。すなわち、「鍵受部材は鍵連動部材と不可分一体となっている」とは、鍵受部材と鍵連動部材との関係のみを考えた場合に、破壊等を行わない限り外れない状態をいう。
本発明の構成によれば、鍵受部材と鍵連動部材が不可分一体となっているので、仮に第1錠ケースと第2錠ケースが離反したとしても、鍵受部材から鍵連動部材が抜け落ちることを防止できる。そのため、施錠していないにもかかわらず、施錠状態となってしまうという問題が生じず、使用者が部屋に閉じ込められてしまう事態を防止できる。
請求項2に記載の発明は、前記鍵受部材及び前記鍵連動部材のうち、一方の部材に係合突起が設けられ、他方の部材に係合穴が設けられており、前記鍵受部材と前記鍵連動部材は、前記一方の部材の係合突起が前記他方の部材の係合穴に挿通されて一体となっており、前記係合突起は、前記施錠状態及び解錠状態において、前記係合穴の開口縁から外側に張り出した抜け落ち防止片を備えていることを特徴とする請求項1に記載のラッチ錠である。
本発明の構成によれば、係合突起に施錠状態及び解錠状態において係合穴の開口縁から外側に張り出した抜け落ち防止片が設けられている。そのため、抜け落ち防止片によって係合突起の係合穴への挿脱方向の移動が制限され、鍵受部材と鍵連動部材が施錠状態及び解錠状態において分解されない。
ところで、鍵連動部材の第1錠ケースと第2錠ケースの離反による鍵受部材からの落下を防ぐためには、ハンドル操作に伴う第1錠ケースと第2錠ケースが離反する方向への変形自体を防止することも有効である。
そこで、請求項3に記載の発明は、ハンドルの回転によって、前記ラッチボルトの一部が前記錠ケースから突出した突出姿勢と、前記ラッチボルトが前記錠ケース内に退避した退避姿勢とに切り替えることが可能であり、動力伝達部材と、押圧部材を有し、前記動力伝達部材は、ハンドルの回転力を前記ラッチボルトに伝えるものであって、前記押圧部材によって、前記突出姿勢になるように常に押圧されるものであり、前記押圧部材は、前記突出姿勢又は前記退避姿勢において、前記第1錠ケースと前記第2錠ケースの少なくとも一方の錠ケースと係合し、前記一方の錠ケースの他方の錠ケースから離反する方向への移動を規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチ錠である。
本発明の構成によれば、押圧部材は、一方の錠ケースと係合し、他方の錠ケースから離反する方向への一方の錠ケースの移動を規制する規制部を備えているため、突出姿勢又は退避姿勢において第1錠ケースと第2錠ケースの一体化強度が補強され、第1錠ケースが第2錠ケースから分離することを防止できる。
請求項4に記載の発明は、前記第1錠ケースと第2錠ケースの少なくとも一方の錠ケースは、前記押圧部材の移動を規制するガイド溝を有し、前記押圧部材は、前記突出姿勢と前記退避姿勢との間で姿勢を変更する際に前記ガイド溝に沿って移動するものであり、前記押圧部材は、前記ガイド溝内での移動方向端部に傾斜面を有しており、前記ガイド溝は、前記押圧部材の傾斜面と面接触可能な傾斜面を備えていることを特徴とする請求項3に記載のラッチ錠である。
本発明の構成によれば、突出姿勢又は退避姿勢において、押圧部材の傾斜面と一方の錠ケースの傾斜面とが面接触するため、第1錠ケースが第2錠ケースから分離することをより防止できる。
ところで、第1錠ケースと第2錠ケースの変形は、強引に退避姿勢に変更する際に生じることが多い。
そこで、請求項5に記載の発明は、ハンドルの回転によって、前記ラッチボルトの一部が前記錠ケースから突出した突出姿勢と、前記ラッチボルトが前記錠ケース内に退避した退避姿勢とに切り替えることが可能であり、動力伝達部材と、押圧部材を有し、前記動力伝達部材は、ハンドルの回転力を前記ラッチボルトに伝えるものであって、前記押圧部材によって、前記突出姿勢になるように常に押圧されるものであり、前記押圧部材は、前記突出姿勢から前記退避姿勢への姿勢変更に伴って、前記第1錠ケースと係合する第1規制部と、前記第2錠ケースと係合する第2規制部を備え、前記退避姿勢において、前記第1錠ケースと前記第2錠ケースは、前記第1規制部と前記第2規制部によって挟持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラッチ錠である。
本発明の構成によれば、退避姿勢において、第1錠ケースと第2錠ケースが第1規制部と第2規制部によって挟持されているため、互いに離反しにくい。
請求項6に記載の発明は、前記錠ケースは、樹脂製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラッチ錠である。
本発明の構成によれば、錠ケースが樹脂製であるため、金属製の錠ケースに比べて変形しやすいが、このような場合であっても鍵受部材から鍵連動部材が抜け落ちることを防止できる。
本発明のラッチ錠によれば、鍵連動部材の第1錠ケースと第2錠ケースの離反による鍵受部材からの落下を防止できる。
本発明の第1実施形態におけるラッチ錠を使用した扉部材を示す分解斜視図である。 図1のラッチ錠が突出姿勢であってかつ解錠状態を取る際の分解斜視図である。 図2の第1錠ケースの説明図であり、(a)は図2とは別の角度からみた斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図2の第2錠ケースの説明図であり、(a)は図2とは別の角度からみた斜視図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 図2の付勢部材をさらに分解した斜視図である。 図5を別の角度からみた分解斜視図である。 図6のスライダー部材の平面図である。 図2の施錠部材をさらに分解した斜視図である。 図8を別の角度からみた分解斜視図である。 図8の施錠用ハブ部材の側面図である。 図8の施錠用挿入部材の要部の側面図である。 図1のラッチ錠が突出姿勢であってかつ解錠状態を取る際の説明図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)の状態から第2錠ケースを外した状態を示す。 図1のラッチ錠が退避姿勢であってかつ解錠状態を取る際の説明図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)の状態から第2錠ケースを外した状態を示す。 図13の退避姿勢であってかつ解錠状態を取る際のラッチ錠の断面図である。 図1のラッチ錠が突出姿勢であってかつ施錠状態を取る際の説明図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)の状態から第2錠ケースを外した状態を示す。 本発明の他の実施形態のラッチ錠のスライダー部材周囲の断面図である。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下の位置関係は、通常の設置位置(図1)を基準に説明する。すなわち、フロント8側が前であり、錠ケース2側が後である。
本発明の第1実施形態のラッチ錠1は、扉部材の一部を構成し、図1のように扉200の自由端側の端面に縦姿勢で取り付けられるものである。
第1実施形態のラッチ錠1は、扉200の開閉に寄与する開閉機構と、扉200の施解錠に寄与する施解錠機構を内蔵している。すなわち、ラッチ錠1は、扉200の厚み方向(幅方向X)に一対のハンドル201,202が取り付けられ、ハンドル201,202の回転に伴ってラッチボルト3がフロント8から出没する開閉動作が可能でなっている。また、ラッチ錠1は、鍵部材205によってラッチボルト3が移動可能となる解錠状態と、ラッチボルト3が移動を制限される施錠状態とを切り替える施解錠動作が可能となっている。
ラッチ錠1は、図2に示されるように、錠ケース2内に、ラッチボルト3、ハブ部材5、付勢部材6、及び施錠部材7が収納され、錠ケース2の前方側(図2の図面奥側)の端面にフロント8が取り付けられたものである。
錠ケース2は、上記したように、ラッチボルト3、ハブ部材5、付勢部材6、及び施錠部材7を内蔵可能な筐体であり、第1錠ケース10と、第2錠ケース11から構成されている。
第1錠ケース10と第2錠ケース11は、ともに樹脂製の部材であり、射出成形によって成形されている。第1錠ケース10及び第2錠ケース11は、例えば、ポリアセタール(POM)で形成できる。
第1錠ケース10は、図2,図3から読み取れるように、ベース部15と、フロント取付部16と、後面側壁部17と、天面側壁部18と、底面側壁部19を備えており、これらによって囲繞された囲繞空間20が形成されている。
ベース部15は、錠ケース2の厚み方向Xの側面を構成する壁部であり、略長方形状の板状部位である。ベース部15は、各辺がフロント取付部16、後面側壁部17、天面側壁部18、及び底面側壁部19と接続されている。
フロント取付部16は、フロント8を取り付け可能な部位であり、フロント8とともに公知の締結要素によって扉200に固定される部材である。
後面側壁部17は、第1錠ケース10の後面を形成する後面形成部であり、囲繞空間20を挟んで、フロント取付部16と前後方向Zに対向する壁部である。
後面側壁部17は、図2のように、ベース部15の後方側端部から幅方向X(扉200の厚み方向X)に立設された壁部であり、第1係合部21a,21bと、固定穴22を備えている。
第1係合部21a,21bは、第2錠ケース11のベース部50の第2係合部61a,61bと対をなす係合部である。具体的には、第1係合部21a,21bは、後面側壁部17の後端面から後方に向かって突出した係合突起である。
第1係合部21a,21bは、後面側壁部17の上下方向Yの中間部にそれぞれ設けられ、上下方向Yに所定の間隔を空けて配されている。
なお、ここでいう「中間部」とは、端部以外の部位をいう。
固定穴22は、第2錠ケース11の後面側壁部51の固定用突起53を挿入可能な挿入穴であり、後面側壁部17の端面から延びて立設方向(幅方向X)に深さをもった有底穴又は貫通孔である。
固定穴22は、後面側壁部17の上下方向Y(縦方向)の中間部に設けられ、上下方向Yにおいて、第1係合部21a,21bの間に配されている。
天面側壁部18は、第1錠ケース10の天面を形成する天面形成部であり、ベース部15の上方側端部から立設された壁部である。
天面側壁部18は、前後方向Xの中間部に第1係合部25を備えている。
第1係合部25は、第2錠ケース11の第2係合部65と対をなす係合部であり、具体的には、天面側壁部18の天面から上方に向かって突出した突出片である。
底面側壁部19は、第1錠ケース10の底面を形成する底面形成部であり、囲繞空間20を挟んで天面側壁部18と対向する壁部である。
底面側壁部19は、ベース部15の下方側端部から立設されており、前後方向Zの中間部に第1係合部26を備えている。
第1係合部26は、第2錠ケース11の第2係合部66と対をなす係合部であり、具体的には、底面側壁部19の底面から下方に向かって突出した突出片である。
第1錠ケース10の内部に注目すると、第1錠ケース10は、図2,図3から読み取れるように、ラッチボルト収容部30と、第1取付部31と、鍵受用保持穴32と、施錠用ガイド溝33と、ハブ用保持穴35と、スライダー用ガイド溝36と、第2取付部37を備えている。
ラッチボルト収容部30は、ラッチボルト3の退出路を形成する部位であり、ラッチボルト3の大部分を収容可能な収容空間40を備えた部位である。
収容空間40は、フロント取付部16、立壁部41、立壁部42、及び立壁部43によって囲まれた空間である。
立壁部41,42,43は、いずれもベース部15から立ち上がった壁部である。
上方側立壁部41は、下方側立壁部42と収容空間40を挟んで対向しており、後方側立壁部43は、フロント取付部16と収容空間40を挟んで対向している。
ラッチボルト収容部30は、上下方向Yの中央に位置しており、前後方向Zにおいても略中央まで延びている。
第1取付部31は、施錠部材7の姿勢保持部材120を固定する部位であり、ベース部15から厚み方向Xに突出した突出片である。第1取付部31は、円柱状をしており、施錠用バネ部材を挿着可能となっている。第1取付部31は、第2錠ケース11と連結可能となっている。
鍵受用保持穴32は、施錠部材7の鍵受本体125を保持する部位である。具体的には、鍵受用保持穴32は、ベース部15を部材厚方向Zに貫通した貫通孔であって、鍵受本体125の一部を挿着することで保持可能な保持孔である。鍵受用保持穴32は、開口形状が円形状をしている。
施錠用ガイド溝33は、施錠部材7の施錠用挿入部材122の移動方向を規制する部位であり、上下方向Yに延びた溝である。
ハブ用保持穴35は、ハブ部材5を保持する部位である。具体的には、ハブ用保持穴35は、ベース部15を部材厚方向に貫通した貫通孔であって、ハブ部材5の一部を挿着することで保持可能な保持孔である。ハブ用保持穴35は、開口形状が円形状をしている。
スライダー用ガイド溝36は、付勢部材6の移動方向を一方向に規制する溝であり、前後方向Zに延びた溝である。スライダー用ガイド溝36は、部材厚方向においてテーパー状となっており、外側に向かって傾斜している。具体的には、スライダー用ガイド溝36は、延び方向の端面を形成する内壁部の一部又は全部に傾斜面52が形成されている。
傾斜面52は、図3(b)に示されるようにベース部15の内壁面から外壁面に向けて所定の角度θ1で傾斜した傾斜面である。
傾斜面52のベース部15の内壁面に対する傾斜角度θ1は、1度以上3度以下であることが好ましい。
第2取付部37は、付勢部材6の圧縮ばねを取り付け可能な部位であり、底面側壁部19と下方側立壁部42を接続した壁部であって、バネ部材100の端部を装着可能な突起を備えた壁部である。
第2錠ケース11は、図2,図4から読み取れるように、ベース部50と、後面側壁部51を備えている。
ベース部50は、第1錠ケース10のベース部15と対をなし、錠ケース2の厚み方向Xの側面を構成する壁部であり、略長方形状の板状部位である。
ベース部50は、第1錠ケース10の第1係合部21a,21b,25,26のそれぞれに係合可能な第2係合部61a,61b,65,66を有している。すなわち、第2係合部61a,61b,65,66は、錠ケース2を組み立てたときに第1係合部21a,21b,25,26と対応するように設けられている。すなわち、ベース部50は、後面側の辺に第2係合部61a,61bが設けられており、天面側の辺に第2係合部65が設けられており、底面側の辺に第2係合部66が設けられている。
第2係合部61a,61b,65,66は、第1係合部20a,20b,25,26を個々に囲むように係合可能な部位である。
後面側壁部51は、ベース部50の後方側の端部から幅方向Xに立設された立壁部であり、立設方向端部に固定用突起53を備えている。
固定用突起53は、第1錠ケース10の固定穴22に嵌挿可能な突起であり、外観形状が円柱状の突起である。
第2錠ケース11は、図2,図3に示されるように、第1錠ケース10の鍵受用保持穴32、施錠用ガイド溝33、ハブ用保持穴35、及びスライダー用ガイド溝36と対をなす鍵受用保持穴72、施錠用ガイド溝73、ハブ用保持穴75、及びスライダー用ガイド溝76を備えている。
鍵受用保持穴72は、第1錠ケース10の鍵受用保持穴32とともに、施錠部材7の鍵受本体125を保持する保持穴であり、部材厚方向に貫通した貫通孔である。
施錠用ガイド溝73は、第1錠ケース10の施錠用ガイド溝33とともに、施錠部材7の移動を規制する長穴であり、部材厚方向に貫通した貫通溝である。
ハブ用保持穴75は、第1錠ケース10のハブ用保持穴35とともに、ハブ部材5を保持する穴であり、部材厚方向に貫通した貫通孔である。
スライダー用ガイド溝76は、第1錠ケース10のスライダー用ガイド溝36とともに、付勢部材6の移動方向を一方向に規制する溝であり、前後方向Zに延びた溝である。スライダー用ガイド溝76は、部材厚方向においてテーパー状となっており、外側に向かって傾斜している。具体的には、スライダー用ガイド溝76は、延び方向の端面を形成する内壁部の一部又は全部に傾斜面77が形成されている。
傾斜面77は、図4(b)に示されるように、ベース部50の内壁面から外壁面に向けて所定の角度θ2で傾斜した傾斜面である。傾斜面77のベース部50の内壁面に対する傾斜角度θ2は、1度以上3度以下であることが好ましい。
ラッチボルト3は、図2に示されるように、ラッチヘッド部80と、ラッチ軸部81と、ラッチ側係合部82と、バネ部材83を備えている。
ラッチヘッド部80は、その一部が錠ケース2から出没する部位であり、他の扉に設けられたラッチ受部(図示しない)と係合可能な部位である。
ラッチヘッド部80は、ラッチ軸部81の前方側端部に接続され、ラッチ軸部81に対して周方向に回転可能となっている。そのため、ラッチヘッド部80を回転させることによって勝手違いに対応可能となっている。
ラッチ軸部81は、ラッチヘッド部80とラッチ側係合部82を繋ぐ部位であり、ラッチボルト3の出没方向に直線状に延びた棒状部位である。
ラッチ側係合部82は、ハブ部材5のハブ側係合部91と係合可能な部位であり、ラッチ軸部81の後端部に設けられ、ラッチ軸部81からラッチ軸部81の径方向に張り出したフランジ状の部位である。
バネ部材83は、公知の圧縮コイルばねであり、ラッチヘッド部80に対して、ラッチヘッド部80の突出方向に付勢する付勢手段である。
ハブ部材5は、図1,図2から読み取れるように、ハンドル201の芯部203が取り付けられ、ハンドル201,202の動きに合わせて、ラッチボルト3にハンドル201,202に加わる動力を伝達する動力伝達部材である。すなわち、ハブ部材5は、ハンドル201,202から受ける回転力をラッチボルト3の出没の駆動力に変換する部材である。
ハブ部材5は、図2のように、ハブ本体90と、ハブ側係合部91と、ハブ側受部92を備えている。
ハブ本体90は、側面視略円形状の部位であり、その中央にハンドル用挿入孔93を備えている。
ハンドル用挿入孔93は、ハンドル201の芯部203(図1参照)を挿入可能な挿入孔であり、部材厚方向に貫通した貫通孔である。ハンドル用挿入孔93は、開口形状が四角形状となっている。
ハブ側係合部91は、ラッチボルト3のラッチ側係合部82と係合可能な部位である。
ハブ側係合部91は、複数の腕部95,96を備えており、これらの腕部95,96がラッチ側係合部82と係合可能となっている。
腕部95,96は、ハンドル用挿入孔93から離れる方向にハブ本体90から張り出した張出片である。
腕部95,96は、幅方向Xに所定の間隔を空けて離間しており、互いに平行となっている。そして、腕部95,96の間には、ラッチボルト3のラッチ軸部81を挿通可能となっている。
付勢部材6は、図2,図5,図6から読み取れるように、バネ部材100と、スライダー部材101(押圧部材)から構成されている。
バネ部材100は、公知の圧縮ばねであり、スライダー部材101を後方に向けて付勢する部材である。
スライダー部材101は、ハブ部材5のハブ側受部92を後方に向けて押圧する押圧部材であり、スライダー本体102と、第1規制部103と、第2規制部104を備えている。スライダー本体102は、バネ部材100の付勢力を受けるバネ受部105を備えている。
バネ受部105は、図5,図6に示されるように、バネ部材100の後方側端部を挿着可能な有底穴である。
第1規制部103は、図5,図7,図14から読み取れるように、スライダー本体102から幅方向Xの外側に突出した突出片であり、前方側の面の一部又は全部に傾斜面106が形成されている。すなわち、第1規制部103は、前方側の面がテーパー面となっており、突出方向の基端側から先端側に向けて漸次断面積が増加している。
傾斜面106は、第1錠ケース10が第2錠ケース11から離反する方向への移動を規制する規制部位である。
図7に示されるスライダー本体102の側面に対する第1規制部103の傾斜面106の角度θ3は、スライダー用ガイド溝36の傾斜面52の傾斜角度θ1と同程度となっており、1度以上3度以下であることが好ましい。
第2規制部104は、第1規制部103と同様、スライダー本体102から幅方向Xの外側に突出した突出片であり、前方側の面の一部又は全部に傾斜面107が形成されている。すなわち、第2規制部104は、前方側の面がテーパー面となっており、突出方向の基端側から先端側に向けて漸次断面積が増加している。
傾斜面107は、第2錠ケース11が第1錠ケース10から離反する方向への移動を規制する規制部位である。
図7に示されるスライダー本体102の側面に対する第2規制部104の傾斜面107の角度θ4は、スライダー用ガイド溝76の傾斜面77の傾斜角度θ2と同程度となっており、1度以上3度以下であることが好ましい。
第2規制部104は、幅方向Xにおいて、第1規制部103とスライダー本体102を挟んで対向する位置に形成されている。
施錠部材7は、図8,図9から読み取れるように、姿勢保持部材120と、施錠用ハブ部材121(鍵受部材)と、施錠用挿入部材122(鍵連動部材)を備えている。
姿勢保持部材120は、施錠用ハブ部材121の姿勢を一定の姿勢に保持する部材である。姿勢保持部材120は、ねじりコイルばねで形成されており、具体的には、トーションばねである。すなわち、姿勢保持部材120は、線状体を折り曲げ加工されて形成されたものであり、その両端部に第1接続部123と、第2接続部124を備えている。
第1接続部123は、第1錠ケース10の第1取付部31(図3参照)を挿入して取り付け可能な部位である。
第2接続部124は、図9から読み取れるように、施錠用ハブ部材121のバネ用接続部126が挿入されて取り付け可能な部位である。
施錠用ハブ部材121(鍵受部材)は、鍵部材205(図1参照)が挿入されて係合し、鍵部材205の回転動作に合わせて施錠用挿入部材122に回転力を伝達する動力伝達部材である。すなわち、施錠用ハブ部材121は、鍵部材205から受ける回転力を施錠用挿入部材122の駆動力に変換する部材である。
施錠用ハブ部材121は、図8,図9,図10から読み取れるように、鍵受本体125と、バネ用接続部126と、挿入用接続部127を備えている。
鍵受本体125は、略円柱状の部位であり、その中央に鍵受穴128を備えている。
鍵受穴128は、所定の鍵部材を挿入可能な有底穴又は貫通孔である。
バネ用接続部126は、姿勢保持部材120の第2接続部124と接続される部位であり、鍵受本体125から径方向に張り出した第1張出部130と、第1張出部130の張出方向の略中央から幅方向に突出した固定軸131を備えている。
第1張出部130は、鍵受本体125の外周の一部から張り出した板状部位である。第1張出部130の厚みは、鍵受本体125の厚みよりも薄い。
固定軸131は、第1張出部130から幅方向に突出した突出片であり、姿勢保持部材120の第2接続部124を装着可能な部位である。
挿入用接続部127は、施錠用挿入部材122の接続部141と接続される部位であり、鍵受本体125から径方向に張り出した第2張出部132を備えている。
第2張出部132は、鍵受本体125の張出方向の中央に幅方向Xに深さをもった係合穴133を備えている。
係合穴133は、施錠用挿入部材122の接続部141の一部を挿入可能な挿入穴であり、部材厚方向に貫通した貫通孔である。
係合穴133は、開口形状が雪だるま状をしており、大きさの異なる2つの円が重なった形状をしている。すなわち、係合穴133は、2つの大きさの異なった円弧によって形成されており、大円弧部と、小円弧部から構成されている。
別の観点から視ると、係合穴133は、開口を正面視すると、その開口形状が略円形であり、その一部が外側に切り欠かれた形状となっている。すなわち、係合穴133は、円形穴部137と、切欠穴部138から構成されており、切欠穴部138が円形穴部137の一部から外側に向かって延びている。円形穴部137は大円弧部を形成し、切欠穴部138は小円弧部を形成している。
施錠用挿入部材122(鍵連動部材)は、図8,図11から読み取れるように、施錠用ハブ部材121に連動して移動する連動部材であり、施錠状態において、ラッチボルト3と第1錠ケース10の後面側壁部17との間に介在して、ラッチボルト3の退避を防止する部材である。
施錠用挿入部材122は、本体部140と、接続部141と、施錠用突起部142,143を備えている。
本体部140は、施錠用挿入部材122の骨格を形成する部位である。
接続部141は、施錠用ハブ部材121と接続する部位であり、接続本体145と、接続軸部146(係合突起)を備えている。
接続本体145は、本体部140の厚み方向の一部から外側に向かって張り出した部位であり、本体部140よりも厚みの薄い板状の部位である。
接続軸部146は、接続本体145から直立した軸部であり、施錠用ハブ部材121の係合穴133に挿入可能な軸部である。接続軸部146は、係合穴133と係合可能な係合突起でもある。
接続軸部146は、軸本体148と、係止片149(抜け落ち防止片)を備えている。
軸本体148は、断面形状が円形状の軸部であり、係合穴133の円形穴部137と対応する軸部である。軸本体148は、断面形状が円形状の棒状部であり、円形穴部137の開口形状と一致している。
係止片149(抜け落ち防止片)は、施錠状態及び解錠状態において施錠用挿入部材122が施錠用ハブ部材121から抜け落ちることを防止する抜け落ち防止部である。
係止片149は、切欠穴部138の開口形状と一致している。
係止片149は、軸本体148の接続本体145からの突出方向の先端部に設けられ、軸本体148から外側に張り出した板状部位である。
施錠用突起部142は、第1錠ケース10の施錠用ガイド溝33に挿入可能な円柱状の突起であり、施錠用ガイド溝33内をスライド可能となっている。
施錠用突起部143は、第2錠ケース11の施錠用ガイド溝73に挿入可能な円柱状の突起であり、施錠用ガイド溝73内をスライド可能となっている。
フロント8は、図1,図2から読み取れるように、扉200からの露出面を形成する化粧板であり、ラッチボルト3のラッチヘッド部80を出没可能な貫通孔150を有している。
続いて、扉200の開閉動作に伴うラッチ錠1の各姿勢における各部材の位置関係について説明する。すなわち、ラッチボルト3がフロント8から突出した姿勢(以下、突出姿勢ともいう)とラッチボルト3がフロント8から退避した姿勢(以下、退避姿勢ともいう)を切り替える開閉動作におけるラッチ錠1の各部材の位置関係について説明する。
まず、説明の都合上、図12に示される、解錠状態であって、かつ突出姿勢におけるラッチ錠1(通常の設置位置)の位置関係について説明する。
ラッチ錠1は、フロント取付部16にフロント8が取り付けられている。
まず、第1錠ケース10と第2錠ケース11の関係について注目すると、ラッチ錠1は、第1錠ケース10に第2錠ケース11が覆い被さって一体化されている。具体的には、第1錠ケース10の第1係合部21a,21b,25,26は、第2錠ケース11の第2係合部61a,61b,65,66と係合している。第2錠ケース11の後面側壁部51の固定用突起53は、第1錠ケース10の後面側壁部17の固定穴22に嵌挿されている。
このように、ラッチ錠1は、樹脂製の第1錠ケース10と第2錠ケース11がビス等の締結要素を用いずに一体化されている。そのため、安価であるとともに、容易に組み立てることができる。
扉200の開閉に寄与する開閉機構について注目すると、ラッチ錠1は、図12に示されるように、バネ部材100の一方の端部が第1錠ケース10の第2取付部37(図2参照)に取り付けられており、他方の端部がスライダー部材101のバネ受部105に接続されている。すなわち、スライダー部材101は、第1錠ケース10に対して相対的に後方側に向けて付勢されている。そして、スライダー部材101は、この後方側への付勢力を受けて、ハブ部材5のハブ側受部92を後方側に向けて押圧しており、ハブ部材5のハブ側受部92はスライダー部材101と後面側壁部17の間に位置している。ハブ部材5は、ハンドル用挿入孔93を回転中心とした周方向に付勢されている。
スライダー部材101の第1規制部103は、スライダー用ガイド溝36内に挿入されており、第2規制部104は、スライダー用ガイド溝76内に挿入されている。すなわち、スライダー部材101は、スライダー用ガイド溝36,76によって、上下方向Yの移動が規制されており、前後方向Zの移動のみが許容されている。
また、スライダー部材101の第1規制部103は、スライダー用ガイド溝36の後方側端部に位置しており、第2規制部104はスライダー用ガイド溝76の後方側端部に位置している。
ラッチボルト3のラッチ軸部81は、その周囲を巻回するようにバネ部材83が設けられている。バネ部材83は、収容空間40に配されており、一方の端部がラッチヘッド部80に接続されており、他方の端部が後方側立壁部43に接続されている。ラッチボルト3のラッチヘッド部80は、フロント取付部16を通過してフロント8の貫通孔150から露出している。すなわち、ラッチヘッド部80は、バネ部材83の復元力によって前方に向けて付勢されている。ラッチボルト3のラッチ側係合部82は、ハブ部材5の腕部95,96と係合している。ラッチボルト3のラッチ側係合部82と、錠ケース10,11の後面側壁部17,51の間には空間が形成されている。
施錠に寄与する施錠機構に注目すると、施錠部材7の姿勢保持部材120は、図12のように、第1接続部123に第1錠ケース10の第1取付部31を挿入されており、第2接続部124が施錠用ハブ部材121のバネ用接続部126が挿入されている。
施錠用ハブ部材121は、挿入用接続部127が施錠用挿入部材122の接続部141と接続されている。具体的には、挿入用接続部127の係合穴133に接続部141の接続軸部146が挿入されて係合している。さらに詳細には、軸本体148の大部分は、円形穴部137の内部に位置しており、係止片149は、円形穴部137の外部であって切欠穴部138から周方向にずれた位置に位置している。すなわち、円形穴部137の開口縁と係止片149とが係合している。そのため、単に施錠用ハブ部材121と施錠用挿入部材122の関係をみると、係止片149によって互いに離反する方向への移動が係止されており、解錠状態において不可分一体となっている。
施錠用突起部142は、第1錠ケース10の施錠用ガイド溝33内に挿入されており、施錠用突起部143は、第2錠ケース11の施錠用ガイド溝73内に挿入されている。そのため、施錠用挿入部材122は、施錠用ガイド溝33,73によって上下方向Y以外の移動が規制されている。
また、施錠用突起部142は、第1錠ケース10の施錠用ガイド溝33の最上部に位置しており、施錠用突起部143は、第2錠ケース11の施錠用ガイド溝73内の最上部に位置している。
続いて、ハンドル201,202を回転させて突出姿勢(図12)から退避姿勢(図13)に変更する。
具体的には、ハンドル201,202の回転力によって、ハンドル用挿入孔93を中心として周方向にハブ部材5を回動させる。
このとき、ラッチボルト3周りでは、ハブ部材5の回転により、ハブ側係合部91によって後方に向けてラッチボルト3のラッチ側係合部82が引っ張られ、ラッチヘッド部80がバネ部材83の復元力に反して後方に移動する。そして、ラッチヘッド部80は、フロント8の貫通孔150から錠ケース2の内部に退避する。
また、このとき、付勢部材6周りでは、ハブ部材5の回転により、ハブ側受部92によってスライダー本体102が前方側に押圧され、バネ部材100の復元力に反してスライダー本体102が前方側に移動する。
第1規制部103は、第1錠ケース10のスライダー用ガイド溝36の前方側端部に位置することになり、第2規制部104は、第2錠ケース11のスライダー用ガイド溝76の前方側端部に位置することになる。
第1規制部103の傾斜面106は、第1錠ケース10のスライダー用ガイド溝36の傾斜面52と面接触している。第2規制部104の傾斜面107は、第2錠ケース11のスライダー用ガイド溝76の傾斜面77と面接触している。
規制部103,104の移動方向端部に設けられた傾斜面106,107は、前方側に向けて間隔が広がるように傾斜しており、スライダー用ガイド溝36,76の傾斜面52,77は、前方側に向けて間隔が狭まるように傾斜している。そのため、図14のように規制部103,104によって錠ケース10,11が互いに近接する方向に挟持されることになり、退避姿勢において、錠ケース10,11の一体化強度がスライダー部材101によって補強されている。
退避姿勢から突出姿勢への変更動作については、逆動作であること以外は同様であるため、説明を省略する。
続いて、鍵部材の開閉動作に伴うラッチ錠1の各姿勢における各部材の位置関係について説明する。
説明の都合上、解錠状態(図12)から施錠状態(図15)に切り替える動作に伴う各部材の位置関係について説明する。
解錠状態のラッチ錠1は、上記した突出姿勢のラッチ錠1と同様の状態であるため、説明を省略する。
突出姿勢であって解錠状態のラッチ錠1の鍵受穴128に鍵部材を挿入し、回転させて施錠する。
このとき、鍵部材の回転に伴って、施錠用ハブ部材121が鍵受穴128を中心として周方向に回転する。すなわち、施錠用ハブ部材121は、解錠角度から施錠角度まで回動する。
このとき、施錠用ハブ部材121が姿勢保持部材120の復元力に逆らって回転し、姿勢保持部材120の姿勢変更に伴って、施錠用挿入部材122が錠ケース10,11の施錠用ガイド溝33,73に導かれて下方に移動する。そして、ラッチボルト3の後端部たるラッチ側係合部82と錠ケース10,11の後面側壁部17,51の間の空間に進入する。そのため、ラッチボルト3は、施錠用挿入部材122の存在によって後方側に移動できず、ラッチボルト3のラッチヘッド部80がフロント8から退避できない施錠状態となる。
またこのとき、挿入用接続部127の係合穴133に接続部141の接続軸部146が挿入されて係合している。具体的には、軸本体148の大部分は、円形穴部137の内部に位置しており、係止片149は、円形穴部137の外部であって切欠穴部138から周方向にずれた位置に位置している。すなわち、円形穴部137の開口縁と係止片149と係合している。そのため、単に施錠用ハブ部材121と施錠用挿入部材122の関係をみると、係止片149によって互いに離反する方向への移動が係止されており、施錠状態において不可分一体となっている。
本実施形態のラッチ錠1によれば、施錠状態及び解錠状態のいずれの状態においても、施錠用ハブ部材121と施錠用挿入部材122が不可分一体となっている。そのため、仮に、錠ケース10,11が互いに離反する方向に変形したとしても、施錠用ハブ部材121から施錠用挿入部材122が抜け落ちず、姿勢保持部材120によって施錠用ハブ部材121の姿勢が維持される。それ故に、施錠用挿入部材122がラッチボルト3と錠ケース10,11の後面側壁部17,51の間に進入しにくい。
本実施形態のラッチ錠1によれば、ハンドルを開方向に回転させた退避姿勢において、スライダー部材101の規制部103,104によって錠ケース10,11が互いに近接する方向に挟持されている。そのため、錠ケース10,11が分解されにくい。
上記した実施形態では、退避姿勢においてのみ、スライダー部材101の規制部103,104の前方側端部に傾斜面106,107が設けられ、これらが錠ケース10,11のスライダー用ガイド溝36,76の傾斜面52,77と面接触することによって錠ケース10,11がスライダー部材101によって挟持されて一体化強度が補強されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
突出姿勢においても、錠ケース10,11がスライダー部材101によって挟持されて一体化強度が補強される構成としてもよい。例えば、図16のように、スライダー部材101の規制部103,104の前後方向の両端部に傾斜面106,107を設け、錠ケース10,11のスライダー用ガイド溝36,76の前後方向の両端部に傾斜面52,77を設ける。こうすることによって、突出姿勢及び退避姿勢のいずれの姿勢においても、錠ケース10,11の一体化強度を高めることができる。
上記した実施形態では、第1錠ケース10及び第2錠ケース11は樹脂によって形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1錠ケース10及び第2錠ケース11は金属等の他の材料によって形成されていてもよい。
上記した実施形態では、施錠用ハブ部材121に係合穴133を設け、施錠用挿入部材122に施錠用突起部142,143を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。施錠用ハブ部材121に施錠用突起部142,143を設け、施錠用挿入部材122に係合穴133を設けてもよい。
上記した実施形態では、施錠用ハブ部材121と施錠用挿入部材122が直接係合して不可分一体となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の部材を介して施錠用ハブ部材121と施錠用挿入部材122が不可分一体となっていてもよい。また、施錠用ハブ部材121と施錠用挿入部材122が少なくとも一部分で繋がっていてもよい。
1 ラッチ錠
2 錠ケース
3 ラッチボルト
52,77 傾斜面
101 スライダー部材(押圧部材)
103 第1規制部
104 第2規制部
106,107 傾斜面
121 施錠用ハブ部材(鍵受部材)
122 施錠用挿入部材(鍵連動部材)
146 接続軸部(係合突起)
149 係止片(抜け落ち防止片)

Claims (6)

  1. 錠ケースにラッチボルトと施錠部材が内蔵され、ハンドルに連動させて前記錠ケースから前記ラッチボルトの一部が出没するラッチ錠であり、鍵部材を用いて施解錠可能なラッチ錠において、
    前記錠ケースは、第1錠ケースと、第2錠ケースを有し、
    前記施錠部材は、前記鍵部材と係合可能な鍵受部材と、前記鍵受部材と連動して移動する鍵連動部材を有し、前記ラッチボルトの出没方向において前記鍵連動部材が前記ラッチボルトと前記錠ケースの間に進入することによって施錠可能であり、
    前記鍵受部材は、前記第1錠ケース及び前記第2錠ケースによって回転可能に保持されており、施錠状態及び解錠状態において前記鍵連動部材と不可分一体となっていることを特徴とするラッチ錠。
  2. 前記鍵受部材及び前記鍵連動部材のうち、一方の部材に係合突起が設けられ、他方の部材に係合穴が設けられており、
    前記鍵受部材と前記鍵連動部材は、前記一方の部材の係合突起が前記他方の部材の係合穴に挿通されて一体となっており、
    前記係合突起は、前記施錠状態及び解錠状態において、前記係合穴の開口縁から外側に張り出した抜け落ち防止片を備えていることを特徴とする請求項1に記載のラッチ錠。
  3. ハンドルの回転によって、前記ラッチボルトの一部が前記錠ケースから突出した突出姿勢と、前記ラッチボルトが前記錠ケース内に退避した退避姿勢とに切り替えることが可能であり、
    動力伝達部材と、押圧部材を有し、
    前記動力伝達部材は、ハンドルの回転力を前記ラッチボルトに伝えるものであって、前記押圧部材によって、前記突出姿勢になるように常に押圧されるものであり、
    前記押圧部材は、前記突出姿勢又は前記退避姿勢において、前記第1錠ケースと前記第2錠ケースの少なくとも一方の錠ケースと係合し、前記一方の錠ケースの他方の錠ケースから離反する方向への移動を規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチ錠。
  4. 前記第1錠ケースと第2錠ケースの少なくとも一方の錠ケースは、前記押圧部材の移動を規制するガイド溝を有し、
    前記押圧部材は、前記突出姿勢と前記退避姿勢との間で姿勢を変更する際に前記ガイド溝に沿って移動するものであり、
    前記押圧部材は、前記ガイド溝内での移動方向端部に傾斜面を有しており、
    前記ガイド溝は、前記押圧部材の傾斜面と面接触可能な傾斜面を備えていることを特徴とする請求項3に記載のラッチ錠。
  5. ハンドルの回転によって、前記ラッチボルトの一部が前記錠ケースから突出した突出姿勢と、前記ラッチボルトが前記錠ケース内に退避した退避姿勢とに切り替えることが可能であり、
    動力伝達部材と、押圧部材を有し、
    前記動力伝達部材は、ハンドルの回転力を前記ラッチボルトに伝えるものであって、前記押圧部材によって、前記突出姿勢になるように常に押圧されるものであり、
    前記押圧部材は、前記突出姿勢から前記退避姿勢への姿勢変更に伴って、前記第1錠ケースと係合する第1規制部と、前記第2錠ケースと係合する第2規制部を備え、
    前記退避姿勢において、前記第1錠ケースと前記第2錠ケースは、前記第1規制部と前記第2規制部によって挟持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラッチ錠。
  6. 前記錠ケースは、樹脂製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラッチ錠。
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