JP6738620B2 - ラッチ錠装置及びこれを備えた扉装置 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、樹脂製の第1錠ケース及び第2錠ケースの互いの係合部を係合させて組み立てられる錠ケース内に、ラッチボルトやこのラッチボルトの移動を制限する施錠姿勢に切り替えられる施錠部材を組み込んだ錠が開示されている。この錠は、ラッチボルトと第1錠ケース及び第2錠ケースの後面側立壁部との間に、下方側に移動された施錠部材の施錠用挿入部材が位置し、この施錠用挿入部材によってラッチボルトの退避が防止され、施錠状態となる構成とされている。また、この錠は、第1錠ケース及び第2錠ケースの後面側立壁部の内側に、内側に向かって突出した突出部を設け、施錠用挿入部材の後端部に、施錠時にこれら突出部が重なった状態で挿入可能なように間隔を空けて施錠用係合片を設けた構成とされている。
図1〜図7は、本実施形態に係るラッチ錠装置及びこれを備えた扉装置の一例を模式的に示す図である。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、ラッチ錠装置を戸体に組み込んだ状態を基準として、戸幅方向や戸厚方向を説明し、また、ラッチ錠装置を組み込んだ戸体が建て付けられた状態を基準として、上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る扉装置1は、図7に示すように、本実施形態に係るラッチ錠装置10と、このラッチ錠装置10が組み込まれる収容凹所3が戸先側端部に設けられた戸体2と、を備えている。また、扉装置1は、戸体2を開閉する際に操作されるハンドル6,6を備えている。
また、戸体2には、この収容凹所3に連通するように、かつ戸厚方向両面において開口するようにハンドル取付開口4,4(図7では、一方は不図示)が設けられている。これらハンドル取付開口4,4は、ラッチ錠装置10が組み付けられた状態で、ラッチ錠装置10の後記する軸挿通孔35に戸厚方向に見て重なり合う位置となるように設けられている。
これらハンドル6,6は、ラッチ錠装置10の軸挿通孔35に挿通され、他方のハンドル6Bの嵌合凹所8に嵌め入れられた一方のハンドル6Aの連結軸7の先端部に他方のハンドル6Bの基部を介して止着された(捩じ込まれた)ねじ等の止具によって組み付けられる構成としてもよい。
また、これらハンドル6,6の回転基部を受け入れ、戸体2の戸厚方向両面に固定されるハンドル用台座(取付座)を備えた構成としてもよい。この場合は、後記する施解錠部材9もハンドル用台座に取り付けられる構成としてもよい。なお、ハンドル6,6としては、レバーハンドルに限られず、丸ノブ(握玉)等、その他の形状のハンドルとしてもよい。
戸体2には、戸厚方向両側の施解錠部材9,9(図7では、一方は不図示)が取り付けられる施解錠部材取付開口5,5(図7では、一方は不図示)が収容凹所3に連通するように、かつ戸厚方向両面において開口するように設けられている。これら施解錠部材取付開口5,5は、ラッチ錠装置10が組み付けられた状態で、ラッチ錠装置10の後記する施解錠連結部42,42に戸厚方向に見て重なり合う位置となるように設けられている。
また、戸厚方向に分割された第1ケース11と第2ケース21とは、戸厚方向に沿う方向となる互いに向き合う方向に向けて開口する薄型箱状とされ、これらの内方空間がラッチ部材30やハブ部材34、ロック機構40等の後記する種々の部材の収容空間を構成する。本実施形態では、第1ケース11の戸厚方向に沿う寸法(深さ寸法)を、第2ケース21よりも大としている。
また、これら第1ケース11及び第2ケース21は、収容空間の戸厚方向両側を区画し、戸厚方向に厚さ方向を沿わせて配される薄板状のベース板部12,22を備えている。後記するラッチ部材30やハブ部材34、ロック機構40は、これら戸厚方向両側のベース板部12,22によって戸厚方向両側から挟まれるように保持される。これらベース板部12,22は、戸厚方向に見て、略方形状とされている。
本実施形態では、この第1ケース11の前壁部14を、第2ケース21の前壁部としても機能するものとしている。つまり、第2ケース21には、前壁部を設けずに、ベース板部22の上下及び奥側縁部に、上側を区画する天壁部25と下側を区画する底壁部26と吊元側(奥側)を区画する奥側壁部27とを設けた構成としている。これら天壁部25、底壁部26及び奥側壁部27は、ベース板部22の上縁部、下縁部及び奥側縁部から戸厚方向に向けて突出するように一連状に設けられている。これら錠ケース11,21の天壁部15,25同士、底壁部16,26同士及び奥側壁部17,27同士は、錠ケース11,21が組み付けられた状態で、突出方向先端面同士が概ね全体に亘って突き合わせられる(当接される)。
また、前壁部14の上下方向途中部位(図例では、上下方向略中央部位)には、板厚方向(戸幅方向)に貫通するように、ラッチ部材30のラッチ頭部31が挿通されるラッチ挿通孔14aが前カバー20のラッチ挿通孔20aに整合するように設けられている。また、この前壁部14の上下方向両端部には、前カバー20の上下の挿通孔にそれぞれ整合するように、板厚方向に貫通する挿通孔が設けられている。
第2ケース21のベース板部22の戸先側端部には、係合部を構成する差込片部24,24が設けられている。これら差込片部24,24は、ベース板部22の戸先側端面から戸先側に向けて突出するように、かつ第1ケース11の前壁部14の係合凹部14b,14bに差し込み可能なように設けられている。この第2ケース21のベース板部22の戸先側端部の差込片部24,24を第1ケース11の前壁部14の係合凹部14b,14bに差し込むことで、これら錠ケース11,21の戸先側端部同士の戸厚方向への分解が抑制される。
第2ケース21の天壁部25、底壁部26及び奥側壁部27には、係合部を構成する係止凹部25a,26a,27a,27aが設けられている。これら係止凹部25a,26a,27a,27aは、第1ケース11に設けられた係止突起15a,16a,17a,17aにそれぞれ係止可能なように、これら係止突起15a,16a,17a,17aに対応する位置となるように設けられている。
これら第1ケース11の係止突起15a,16a,17a,17aと第2ケース21の係止凹部25a,26a,27a,27aとを互いに係止させることで、錠ケース11,21の上端部同士、下端部同士及び吊元側端部同士の戸厚方向への分解が抑制される。
これら突部18a,28aは、奥側内壁18,28の上下方向の全体に亘って設けてもよいが、本実施形態では、奥側内壁18,28の上下方向途中部位(図例では、上下方向略中央部)のみに設けた構成としている。これら突部18a,28aは、後記するラッチ部材30の他端部32の吊元側に位置するように設けられている。つまり、これら突部18a,28aは、戸幅方向に見て、ラッチ部材30の他端部32に重なり合う位置となるように設けられている。
また、これら突部18a,28aを、各奥側壁部17,27の突き合わせ側となる先端部に設けた構成としている。つまり、ベース板部12,22との間に戸厚方向に沿う隙間を設けるように、これら突部18a,28aを設けた構成としている。つまりは、これら突部18a,28a、ベース板部12,22及び奥側壁部17,27によって戸先側に向けて開口する係合凹所が区画される。
また、本実施形態では、各ケース11,21の奥側壁部17,27における突部18a,28aが設けられた部位のベース板部12,22からの戸厚方向に沿う寸法を、互いに略同寸法としている。つまり、図4に示すように、第1ケース11の奥側壁部17の上下方向略中央部の戸厚方向に沿う寸法を、その上下両側部位よりも小とし、第2ケース21の奥側壁部27の上下方向略中央部の戸厚方向に沿う寸法を、その上下両側部位よりも大としている。
また、各ケース11,21の奥側壁部17,27における突部18a,28aが設けられた部位の厚さ寸法を、互いに略同寸法とし、かつベース板部12,22の厚さ寸法よりも大としている。
また、これら突部18a,28aの戸厚方向両側面は、戸体2の戸厚方向両面に略平行な平坦面状とされている。また、各ケース11,21の突部18a,28aの戸厚方向に沿う幅寸法を、互いに略同寸法としている。また、各ケース11,21の突部18a,28aの上下寸法を、互いに略同寸法としている。これら突部18a,28aの突出寸法D1、幅寸法及び上下寸法は、これら自体の強度や、後記するロック片部45の受入凹所49に対する係合強度等の観点、薄型化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。
なお、図例では、これら突部18a,28aの下端側を、他の部位よりも厚さが大とされた係合凹部17b及び係合突起27bが設けられた部位に一連状に設けた例を示しているが、このような態様に限られない。
また、各ケース11,21における後記するラッチ部材30やハブ部材34、ロック機構40に関連する他の具体的構成については、これらの説明とともに後記する。
また、ラッチ錠装置10には、このラッチ部材30を突出方向に付勢するラッチ付勢部材33が設けられている。図例では、ラッチ付勢部材33を、ラッチ頭部31の基端側の棒状部に外装された圧縮コイルばねとしている。錠ケース11,21には、ラッチ部材30の棒状部を挿通させるように受け入れる一方、ラッチ付勢部材33の吊元側端部の吊元側への移動を抑止する当接壁部12e,22eが設けられている(図1等も参照)。このように吊元側への移動が抑止されたラッチ付勢部材33は、その戸先側端部がラッチ頭部31の基端側に当接してラッチ頭部31を突出させる方向にラッチ部材30を付勢する構成とされている。
また、ラッチ部材30は、図1に示すように、突出状態とされたラッチ頭部31の係止面が、戸先側縦枠のラッチ受の内壁に係止して戸体2の開放側への回転を抑制する構成とされている。
また、ラッチ部材30は、ハンドル6,6が開放側に回転されたり、没入方向への外力等が作用すれば、図2に示すように、ラッチ付勢部材33の付勢に抗して(圧縮変形を伴い)ラッチ頭部31が没入する構成とされている。図例では、没入状態において、ラッチ頭部31の先端部が前カバー20の戸先側面から僅かに突出しているような例を示しているが、ラッチ頭部31の全体が没入する構成とされたものでもよい。また、このラッチ部材30を、ラッチ部材30の長手方向に沿う軸回りに回転させることで、係止面の向きの変更が可能とされたものとしてもよい。
また、ハブ部材34には、ラッチ部材30の被係合部32に係合する係合部36が設けられている。係合部36は、ラッチ部材30の棒状部を受け入れるように戸厚方向に間隔を空けて対状に設けられており、鍔状とされたラッチ部材30の被係合部32に係合し、この被係合部32を吊元側となる退入方向に変位させる構成とされている。図例では、係合部36を、ラッチ部材30の下方側に位置するように設けられたハブ部材34の軸挿通孔35が設けられた部位(基部)から上方側に向けて突出するように設けられたアーム状としている。
また、ロック機構40には、ロック片部45を上下方向に変位させる施解錠部41が設けられている。本実施形態では、施解錠部41とロック片部45とを別体としている。また、施解錠部41が戸厚方向に沿う軸回りに回転されてロック片部45が上下方向に変位する構成としている。
また、これら施解錠連結部42,42には、施解錠部材9が連結される連結凹所が設けられている。
なお、これら施解錠連結部42,42を、錠ケース11,21の戸厚方向両面と略同一平面状となるように設けた構成としてもよく、錠ケース11,21の戸厚方向両面よりも僅かに戸厚方向外側に突出するように設けた構成としてもよい。また、図例では、これら施解錠連結部42,42を、戸厚方向に見て、ハブ部材34の軸挿通孔35の略直上に位置するように設けた例を示している。
このロック保持片部は、図1(a)に示すように、解錠状態において、施解錠部41の基部から吊元側に突出するように配される構成とされている。このように、施解錠部41が解錠状態とされれば、ロック保持片部は、錠ケース11,21内の上端かつ吊元側の入隅部に位置付けられる構成とされている。また、ロック保持片部は、図3(a)に示すように、施錠状態において、施解錠部41の基部から下方側に突出するように配される構成とされている。つまり、このロック保持片部は、施解錠部41が解錠状態から施錠状態とされれば、錠ケース11,21内の上端かつ吊元側の入隅部から戸先側の斜め下方側に向けて施解錠連結部42,42回りに円弧を描くように変位する。
また、施解錠部41とロック片部45とは、別体とされた軸部材によって互いに回転自在に連結されたものとしてもよいが、本実施形態では、一方に一体的に連結軸部46を設け、他方にこれを受け入れる軸受孔43を設けた構成としている。また、本実施形態では、施解錠部41のロック保持片部に、後記するロック片部45に設けられた連結軸部46が回転自在に挿通される軸受孔43を設けた構成としている。また、図5(a)に示すように、この軸受孔43を、ロック保持片部に戸厚方向に貫通するように設け、戸厚方向に見て、略円形孔状とした構成としている。また、この軸受孔43の内周壁に、軸心(孔中心)側に向けて開口するように、戸厚方向に延びるキー溝状の細溝43aを軸受孔43の軸方向の全体に亘って設けた構成としている。
このばね連結片部は、図1(a)に示すように、解錠状態において、施解錠部41の基部から下方側に突出するように配される構成とされている。また、ばね連結片部は、図3(a)に示すように、施錠状態において、施解錠部41の基部から戸先側に突出するように配される構成とされている。このように、施解錠部41が施錠状態とされれば、ばね連結片部は、錠ケース11,21内の上端に位置付けられる構成とされている。つまり、このばね連結片部は、施解錠部41が解錠状態から施錠状態とされれば、施解錠部41の基部の下方側位置から戸先側の斜め上方側に向けて施解錠連結部42,42回りに円弧を描くように変位する。
上記のように錠ケース11,21及び施解錠部41に連結された姿勢維持部材19は、図1(a)に示すように、解錠状態とされた施解錠部41を解錠状態に維持するように、施解錠部41のばね連結片部を概ね吊元側となる方向に向けて付勢する構成とされている。また、姿勢維持部材19は、図3(a)に示すように、施錠状態とされた施解錠部41を施錠状態に維持するように、施解錠部41のばね連結片部を概ね上方側となる方向に向けて付勢する構成とされている。
また、姿勢維持部材19の両アーム端に、錠ケース11,21及び施解錠部41の連結突起12d,44が挿通される挿通孔を設けた態様に代えて、姿勢維持部材19の両アーム端に、戸厚方向に突出する連結突起を設けた態様としてもよい。この場合は、錠ケース11,21及び施解錠部41に、挿通凹部や挿通孔等を設けた構成としてもよい。また、姿勢維持部材19としては、ねじりコイルばねに限られず、板ばね等の他のばね部材や、ばね部材に限られず、弾性的に変形可能とされたその他の部材からなるものとしてもよい。
また、このロック片部45の連結軸部46の抜止突起46aと施解錠部41の軸受孔43の細溝43aとは、解錠状態と施錠状態との間をロック機構40が変位する際に、戸厚方向に見て整合しないように設けられている(図1(a)及び図3(a)参照)。
また、ロック片部45の連結軸部46の戸厚方向一方側面となる先端面からロック片部45の上端部の戸厚方向他方側面までの戸厚方向に沿う寸法は、錠ケース11,21のベース板部12,22の戸厚方向に向く両内面間の寸法に応じた寸法とされている。
また、これらガイド溝13,23は、ロック片部45の係合突起47,47を上下方向にガイドするように、上下方向に延びるように設けられている。これらガイド溝13,23の溝幅(受入溝13a,23aが設けられた部位以外の戸幅方向に沿う寸法)は、ロック片部45の係合突起47,47の径に応じた寸法とされている。
また、これらガイド溝13,23の受入溝13a,23aは、施錠状態(下方側位置)とされたロック片部45の係合突起47,47と同高さに位置するように設けられている(図3(a)参照)。つまり、これら受入溝13a,23aは、各ガイド溝13,23の下端に一連状に設けられている。本実施形態では、これらガイド溝13,23の受入溝13a,23aを、ラッチ部材30の軸心と上下方向で略一致した位置となるように設けた構成としている。また、これらガイド溝13,23の受入溝13a,23aを、奥側内壁18,28の突部18a,28aと上下方向で略一致した位置となるように設けた構成としている。
図例では、ロック片部45の戸先側に向く面の概ね全体を、施錠状態においてラッチ部材30の被係合部32の吊元側に向く面に略平行とされる平坦面状とした例を示している。また、ロック片部45の吊元側に向く面(後記する突片部48,48が設けられた部位を除く面)の概ね全体を、解錠状態においてこれらが対面される奥側内壁18,28に略平行とされる平坦面状とした例を示している(図1(a)参照)。
これら突片部48,48は、ロック片部45の下端部から吊元側に向けて突出するように、かつ受入凹所49を形成するように互いに戸厚方向に間隔を空けて設けられている。また、ロック片部45が施錠状態とされれば、これら突片部48,48が上記した各ケース11,21の突部18a,28aのベース板部12,22側に設けられた係合凹所にそれぞれ嵌め込まれるように挿入される構成とされている。つまり、ロック片部45が施錠状態とされれば、これら突片部48,48によって錠ケース11,21の突部18a,28aの互いに離れる方向となる戸厚方向外側への移動が抑止される。
また、これら突片部48,48の突出方向の先端面48a,48aは、ロック片部45が施錠状態で、前カバー20の戸先側面に略平行とされる平坦面状とされている。ロック片部45が施錠状態とされれば、これら突片部48,48の先端面48a,48aが各ケース11,21の係合凹所の底面を構成する奥側内壁18,28に当接または近接して対面される。図例では、突片部48,48の先端面48a,48aの上端部に、ロック片部45が施錠状態で、吊元側の斜め上方側を向く面取り部を設けた例を示している。
また、図例では、この落下防止壁29を、戸厚方向に見て、戸幅方向に長尺な略矩形状とした例を示しているが、このような態様に限られない。また、図例では、落下防止壁29の吊元側端部の上下両側縁に、吊元側に向けて突出するような突部を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。また、図例では、この落下防止壁29を、略四角筒状とした例を示しているが、このような態様に限られない。
なお、上記したラッチ部材30やハブ部材34、スライド体38、ロック機構40は、樹脂製でもよく、金属製でもよく、樹脂と金属とを組み合わせた構成とされたものでもよい。また、上記のように別体とされて回転自在に連結されたロック機構40の施解錠部41及びロック片部45は、それぞれ樹脂成形品としてもよい。
つまり、錠ケース11,21を、ロック機構40を戸厚方向両側から挟むように保持する戸厚方向に分割された樹脂製の第1ケース11と第2ケース21とが互いに係合されて組み合わされた構成としている。従って、金属製の錠ケースとした場合と比べて、多くの締結要素を必要とせず、第1ケース11と第2ケース21とを組み合わせることができ、部品点数を少なくすることができ、また、軽量化を図ることができる。また、ロック機構40を備えているので、施錠することができる。また、上記のように、第1ケース11と第2ケース21とを締結要素を用いずに組み付けられる構成とすれば、より省部品化を図ることができる。なお、このような態様に代えて、補助的にビス等の締結要素を用いて第1ケース11と第2ケース21とが組み付けられる構成としてもよい。
また、上記のような施解錠部材9が施解錠部41の施解錠連結部42,42に連結されていれば、ロック機構40が下方側に移動し難くなるが、錠ケース11,21等の変形に伴い連結解除された場合にもロック機構40の下方側への移動を抑止することができる。また、例えば、当該ラッチ錠装置10を、施解錠部材9が設けられない戸体2に組み込んだ場合には、錠ケース11,21が変形すれば、ロック機構40の保持がより解除され易くなることが考えられるが、ロック機構40の下方側への移動を抑止することができる。つまり、例えば、ラッチ錠装置10を、施錠機能を有した戸体2に組み込む場合と施錠機能を有さない戸体2に組み込む場合とで共通部品とした場合にも、ロック機構40の下方側への移動を抑止することができる。
また、本実施形態では、落下防止壁29を設けた構成と、ロック片部45の受入凹所49の深さ寸法D2を突部18a,28aの突出寸法D1よりも大とした構成と、を採用したが、いずれか一方のみの構成を採用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1ケース11及び第2ケース21の両方に、天壁部15,25や底壁部16,26を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、第2ケース21に天壁部25や底壁部26を設けずに、第2ケース21を蓋状とされたものとしてもよい。また、錠ケース11,21や、これに組み込まれるラッチ部材30やハブ部材34、ロック機構40等の具体的構成は、上記したような態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
2 戸体
3 収容凹所
10 ラッチ錠装置
11 第1ケース(錠ケース)
13 ガイド溝
13a 受入溝
18 奥側内壁
18a 突部
21 第2ケース(錠ケース)
23 ガイド溝
23a 受入溝
28 奥側内壁
28a 突部
29 落下防止壁
30 ラッチ部材
31 ラッチ頭部(戸幅方向の一端部)
32 被係合部(戸幅方向の他端部)
40 ロック機構
45 ロック片部
47 係合突起
48a 先端面(ロック片部における奥側内壁に対面される部位)
49 受入凹所
D1 突出寸法(突部の戸幅方向に沿う突出寸法)
D2 深さ寸法(ロック片部の凹所の戸幅方向に沿う深さ寸法)
Claims (5)
- 戸体に組み込まれる錠ケースに、戸幅方向に変位自在とされ戸幅方向の一端部が出没されるラッチ部材と、施錠状態において、突出状態とされた前記ラッチ部材の没入方向への移動を抑止するロック機構と、が設けられたラッチ錠装置であって、
前記ロック機構は、前記突出状態における前記ラッチ部材の戸幅方向の他端部とこの他端部が対向する前記錠ケースの戸先側に向く奥側内壁との間に、上下方向に変位自在とされ下方側に移動されたロック片部が配されて前記施錠状態とされる構成とされ、かつ、前記ロック片部に連結され、該ロック片部を上下方向に変位させる際に操作される施解錠部を備えており、
前記錠ケースは、前記ロック機構を戸厚方向両側から挟むように保持する戸厚方向に分割された樹脂製の第1ケースと第2ケースとが互いに係合されて組み合わされた構成とされ、かつ、前記ロック機構の保持が解除されるように、これら第1ケースと第2ケースとが変形して下方側に移動する前記施解錠部の下方側への移動を抑止するように前記施解錠部の下方側に設けられた落下防止壁を備えていることを特徴とするラッチ錠装置。 - 戸体に組み込まれる錠ケースに、戸幅方向に変位自在とされ戸幅方向の一端部が出没されるラッチ部材と、施錠状態において、突出状態とされた前記ラッチ部材の没入方向への移動を抑止するロック機構と、が設けられたラッチ錠装置であって、
前記ロック機構は、前記突出状態における前記ラッチ部材の戸幅方向の他端部とこの他端部が対向する前記錠ケースの戸先側に向く奥側内壁との間に、上下方向に変位自在とされ下方側に移動されたロック片部が配されて前記施錠状態とされる構成とされ、
前記錠ケースは、前記ロック機構を戸厚方向両側から挟むように保持する戸厚方向に分割された樹脂製の第1ケースと第2ケースとが互いに係合されて組み合わされた構成とされ、かつ、これら第1ケース及び第2ケースにおける前記ラッチ部材の他端部が対向する前記奥側内壁に、戸先側に向けて突出する突部をそれぞれに設けた構成とされ、
前記ロック片部には、前記施錠状態において、前記第1ケース及び前記第2ケースの前記突部の戸厚方向への移動を抑止するように、これら突部を受け入れる受入凹所が設けられ、このロック片部の受入凹所の戸幅方向に沿う深さ寸法は、前記第1ケース及び前記第2ケースの前記突部の戸幅方向に沿う突出寸法よりも大とされていることを特徴とするラッチ錠装置。 - 請求項1または2において、
前記ロック片部の戸厚方向両側には、戸厚方向外側に向けて突出する係合突起が設けられ、前記第1ケース及び前記第2ケースには、前記ロック片部の各係合突起を受け入れ、上下方向に変位する前記ロック片部をガイドするガイド溝が設けられており、
これら第1ケース及び第2ケースのガイド溝には、前記施錠状態とされた前記ロック片部の各係合突起の前記奥側内壁側への移動を許容する受入溝が一連状に設けられていることを特徴とするラッチ錠装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記ロック片部における前記奥側内壁に対面される部位と前記奥側内壁とは、前記施錠状態とされた前記ロック片部に前記奥側内壁側に押し付ける外力が作用した際に、前記ロック片部の下方側への移動を抑制するように互いに当接される構成とされていることを特徴とするラッチ錠装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のラッチ錠装置と、このラッチ錠装置が組み込まれる収容凹所が戸先側端部に設けられた戸体と、を備えていることを特徴とする扉装置。
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