JP2012052377A - 引出し収納庫の施錠装置 - Google Patents

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JP2012052377A JP2010196903A JP2010196903A JP2012052377A JP 2012052377 A JP2012052377 A JP 2012052377A JP 2010196903 A JP2010196903 A JP 2010196903A JP 2010196903 A JP2010196903 A JP 2010196903A JP 2012052377 A JP2012052377 A JP 2012052377A
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Abstract

【課題】
筐体内の上下に複数の引出しを設け、筐体の上部框あるいは引出しの前板に内蔵した錠体の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆によって、筐体の側框内に設けた作動板を回転させ、作動板に設けた複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することで同時に施錠、解錠し得る引出し収納庫の施錠装置において、共通の作動板を用いて引出しの段数が2段と3段のタイプに応じて構成でき、組立後に施錠が不要な引出しが生じた場合にも簡単な作業で対応できる引出し収納庫の施錠装置を提供する。
【解決手段】
作動板5の上下方向の複数箇所に係合穴14を設け、合成樹脂製の係止具6の一端部に係止爪12を形成し、他端部に作動板を挟持する挟持片15,16を形成し且つ少なくとも一方の挟持片に係合穴に抜止め状態で係合する爪部17を突設し、作動板5に係止具6を着脱可能に取付けた。
【選択図】 図10

Description

本発明は、引出し収納庫の施錠装置に係わり、更に詳しくは袖ワゴンやキャビネット等の引出し収納庫に適用し、引出しをロックするための施錠装置に関するものである。
従来から、袖ワゴンやキャビネット等の引出し収納庫において、筐体内の上下に複数の引出しを設け、筐体の上部框あるいは引出しの前板に内蔵した錠体の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆によって、筐体の側框内に設けた作動板を回転させ、該作動板に突設した複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することにより同時に施錠、解錠し得る引出しの施錠装置は、各種提供されている。
特許文献1には、筐体内の上下に設けた複数の引出しを、作動板を回転させ、該作動板に突設した複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することにより同時に施錠、解錠し得る引出しの施錠装置において、特定の引出し前板に施錠、解錠操作に伴って側方へ出没する施錠杆を有する錠体を設け、筐体の側板と側補強板で形成される中空の側かまち内には、前片と後片とを段違い状で断面略Z字形に形成した作動板を配するとともに、該前片の後部上下端に側板と側補強板に摺接して回転する上下回転体を取付け、更に該下回転体の下方に突設したピンを側かまち内の下部に横設した支持板の受孔に回転可能に挿入するとともに、上回転体の後部に側補強板の上端に切り起こし形成した突片を摺接し且つ前片の前縁を側かまち内前壁で前方移動規制してなる引出しの施錠装置が開示されている。
しかし、袖ワゴンやキャビネット等の引出し収納庫には、使用目的に応じて引出しの段数が2段と3段のタイプがあり、各タイプ毎に引出しのストッパーの位置に応じて係止爪を突設した作動板を用意する必要がある。
それを改善するために、特許文献2には、ワゴン筐体の側壁内に、上、下両端央に軸部を有した板状の作動板を、その軸部を中心にして厚み方向に回動し得るように収容しておき、この作動板の一方の回動縁に、引出しの段数に対応する数の係止爪を突設するとともに、前記側壁の内面にこれら係止爪が通過可能な爪突出口を設け、この作動板を弾性付勢機構により各係止爪が側壁内に没入する方向に回動付勢しておくとともに、この作動板の他方の回動縁を錠の施錠杆により押圧した場合に前記係止爪が爪突出口から一斉に突出するように構成し、突出した係止爪により各引出しをそれぞれロックし得るようにしたものであって、軸部が、板金素材を断面部分円弧状にプレス成形してなるものであり、係止爪が作動板から一体に切り起こしたものであるワゴンの引出し装置が開示されている。
ところが、特許文献2のものは、予め多数の係止爪になる部分をプレス加工しておき、引出しの段数に応じて該当する係止爪を直角に折り曲げて突出させるものであり、異なるタイプの収納庫に共用できるものであるが、前記係止爪の折曲加工を組立時に行うことは煩雑であり、非効率である。また、組立後に施錠が不要な引出しが生じた場合には、該当する係止爪を作動板の板面と面一になるように延ばさなければならない。この作業をユーザーが行うには無理があるので、事実上、そのような変更はできない。また、特許文献1及び特許文献2とも、前記作動板は、回転中心よりも後方の後片に係止爪を切り起こし形成しているため、該係止爪の強度を確保する必要性から奥行幅が広いスチール板を用いて作製している。従って、従来の作動板は材料面積が広く、しかも寸法も大きくなっていたので、コスト低減の妨げになっていた。また、前記係止爪の板面は、引出しのストッパーを当止するために水平方向を向け、衝撃力に耐えるように切り起こしているが、係止爪の切断縁がストッパーに食い込むカジリが生じることもあった。カジリの問題は、係止爪を切り起こして形成する以上、避けることができないものである。
実用新案登録第2541200号公報 特許第2508242号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、筐体内の上下に複数の引出しを設け、筐体の上部框あるいは引出しの前板に内蔵した錠体の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆によって、筐体の側框内に設けた作動板を回転させ、該作動板に設けた複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することにより同時に施錠、解錠し得る引出し収納庫の施錠装置において、共通の作動板を用いて引出しの段数が2段と3段のタイプに応じて構成でき、また組立後に施錠が不要な引出しが生じた場合にも簡単な作業で対応することが可能な引出し収納庫の施錠装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、筐体内の上下に複数の引出しを設け、筐体の上部框あるいは引出しの前板に内蔵した錠体の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆によって、筐体の側框内に設けた作動板を回転させ、該作動板に設けた複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することにより同時に施錠、解錠し得る引出し収納庫の施錠装置において、前記作動板の上下方向の複数箇所に、前記係止爪を設けた合成樹脂製の係止具を着脱可能に取付けたことを特徴とする引出し収納庫の施錠装置を構成した(請求項1)。
ここで、前記作動板の上下方向の複数箇所に係合穴を設け、前記係止具の一端部に前記係止爪を形成するとともに、他端部に前記作動板を挟持する挟持片を形成し且つ少なくとも一方の挟持片に前記係合穴に抜止め状態で係合する爪部を突設してなることが好ましい(請求項2)。
そして、前記筐体内に引出しを2段又は3段に収容可能であり、前記作動板の各引出しのストッパーに対応する全ての位置に、前記係止具を取付けるための係合穴を形成しておき、前記筐体内に収容する引出しの段数に応じて前記作動板の係合穴を選択して前記係止具を取付けてなることがより好ましい(請求項3)。
更に具体的には、前記作動板の後縁部に沿った複数箇所に、上下一対の係合穴を形成するとともに、その中間に後方へ開放した上下非対称の凹部を形成する一方、前記係止具の後端部に前記係止爪を形成し、前端部に前記作動板を挟持する挟持片を形成し、一方の挟持片の上下部に前記両係合穴にそれぞれ抜止め状態で係合する爪部を形成するとともに、両挟持片で形成される凹溝の奥部に前記凹部の形状に合致した上下非対称の凸部を形成してなることがより好ましい(請求項4)。
以上にしてなる請求項1に係る発明の引出し収納庫の施錠装置は、筐体内の上下に複数の引出しを設け、筐体の上部框あるいは引出しの前板に内蔵した錠体の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆によって、筐体の側框内に設けた作動板を回転させ、該作動板に設けた複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することにより同時に施錠、解錠し得る引出し収納庫の施錠装置において、前記作動板の上下方向の複数箇所に、前記係止爪を設けた合成樹脂製の係止具を着脱可能に取付けたので、共通の作動板に係止爪が必要な箇所に係止具を取付けるだけで、各種の異なるタイプの引出し収納庫に適用することができ、部品の種類を減らすことができ、部品管理も容易であり、大幅なコスト低減化を図れるのである。
請求項2によれば、前記作動板の上下方向の複数箇所に係合穴を設け、前記係止具の一端部に前記係止爪を形成するとともに、他端部に前記作動板を挟持する挟持片を形成し且つ少なくとも一方の挟持片に前記係合穴に抜止め状態で係合する爪部を突設してなるので、作動板の所定位置に係止具を嵌合作業のみで容易に取付けることができる。
請求項3によれば、前記筐体内に引出しを2段又は3段に収容可能であり、前記作動板の各引出しのストッパーに対応する全ての位置に、前記係止具を取付けるための係合穴を形成しておき、前記筐体内に収容する引出しの段数に応じて前記作動板の係合穴を選択して前記係止具を取付けてなるので、2段タイプの引出し収納庫と3段タイプの引出し収納庫に、同じ作動板を用いて係止具の個数とそれを取付ける位置を選択するだけで、オールロック構造の施錠装置を構成できる。
請求項4によれば、前記作動板の後縁部に沿った複数箇所に、上下一対の係合穴を形成するとともに、その中間に後方へ開放した上下非対称の凹部を形成する一方、前記係止具の後端部に前記係止爪を形成し、前端部に前記作動板を挟持する挟持片を形成し、一方の挟持片の上下部に前記両係合穴にそれぞれ抜止め状態で係合する爪部を形成するとともに、両挟持片で形成される凹溝の奥部に前記凹部の形状に合致した上下非対称の凸部を形成してなるので、作動板の所定位置に上下を間違うことなく係止具を嵌合作業のみで容易に取付けることができ、しかも取付状態が強固である。
本発明を適用した3段タイプの引出し収納庫を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明を適用した2段タイプの引出し収納庫を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 3段タイプの引出し収納庫の側框部の一部省略側面図である。 同じく側框部の一部省略拡大側面図である。 側框部の要部を示す一部省略横断平面図である。 同じく側框部の要部を示し、(a)は引出しを閉じた状態の一部省略横断平面図、(b)は施錠状態を示す一部省略横断平面図である。 側框と作動板の上部構造を示す部分斜視図である。 側框と作動板の下部構造を示す部分斜視図である。 作動板と係止具及び上下軸受具との関係を示す分解斜視図である。 作動板に係止具及び上下軸受具を装着した状態を示し、(a)は3段タイプの引出し収納庫に用いる場合の側面図、(b)は2段タイプの引出し収納庫に用いる場合を一部破断して示した側面図である。 作動板の上部に上軸受具を装着した状態の部分斜視図である。 係止具を示し,(a)は正面図、(b)は横断面図、(c)は斜視図である。 上軸受具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は縦断面図、(d)は斜視図である。 下軸受具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は縦断面図、(d)は斜視図である。 規制具を示し、(a)は分解縦断面図、(b)は側框に取付けた状態の縦断面図、(c)は分解斜視図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る引出し収納庫を示し、図3〜図11は施錠装置の詳細を示し、図12〜図15は各部品の詳細を示し、図中符号1は筐体、2は引出し、3は錠体、4は側框、5は作動板、6は係止具、7は上軸受具、8は下軸受具、9は規制具をそれぞれ示している。
本発明に係る引出し収納庫の施錠装置は、図3〜図6に示すように、筐体1内の上下に複数の引出し2(2A〜2C)を設け、筐体1の上部框あるいは引出し2の前板10に内蔵した錠体3の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆11によって、筐体1の側框4内に設けた作動板5を回転させ、該作動板5に設けた複数の係止爪12,…を各引出し2,…に設けたストッパー13に係脱することにより同時に施錠、解錠し得ることを基本構成としている。前記係止爪12は、前記ストッパー13に面接触して、応力が集中しないように十分広い当接面を備えている。
そして、図9に示すように、前記作動板5の上下方向の複数箇所に、前記係止爪12を設けた合成樹脂製の係止具6を着脱可能に取付けたことを特徴とする。更に詳しくは、図9及び図12に示すように、前記作動板5の上下方向の複数箇所に係合穴14,…を設け、前記係止具6の一端部に前記係止爪12を形成するとともに、他端部に前記作動板5を挟持する挟持片15,16を形成し且つ少なくとも一方の挟持片16に前記係合穴14に抜止め状態で係合する爪部17を突設している。
更に具体的には、板厚の厚い金属板をプレス加工した前記作動板5の後縁部に沿った複数箇所に、上下一対の係合穴14,14を形成するとともに、その中間に後方へ開放した上下非対称の凹部18を形成する一方、前記係止具6の後端部に前記係止爪12を形成し、前端部に前記作動板5を挟持する挟持片15,16を形成し、一方の挟持片16の上下部に前記両係合穴14,14にそれぞれ抜止め状態で係合する爪部17,17を形成するとともに、両挟持片15,16で形成される凹溝の奥部に前記凹部18の形状に合致した上下非対称の凸部19を形成している。前記凹部18と凸部19が係合したときのみ、前記係合穴14に爪部17が係合するので、前記係止具6の付け間違いが生じない。
そして、図1及び図2に示すように、前記筐体1内に引出し2,…を2段又は3段に収容可能であり、図9及び図10に示すように、前記作動板5の各引出し2のストッパー13に対応する全ての位置に、前記係止具6を取付けるための係合穴14,…を形成しておき、前記筐体1内に収容する引出し2の段数に応じて前記作動板5の係合穴14,…を選択して前記係止具6を取付ける。通常、下段の引出し2Cは大型のファイル等を収容するため深さが最も深くなっており、どのようなタイプの引出し収納庫でも下段の引出し2Cは共通である。つまり、図2の2段タイプの収納庫における下段の引出し2Eは、図1の3段タイプの収納庫の下段の引出し2Cと共通である。また、2段タイプの収納庫の上段引出し2Dと下段引出し2Eも共通である。また、3段タイプの収納庫では、下段引出し2Cよりも中段引出し2Bと上段引出し2Aの上下寸法はだんだん小さくなるように設定している。前記引出し2A,2Bと引出し2Dの取付位置はそれぞれ異なるため、前記作動板5には上下4箇所に係合穴14,14と凹部18を設けている。つまり、図10(a)に示した3段タイプの収納庫に用いる作動板5には、最下段と下から2番目と最上段に前記係止具6,…を取付け、図10(b)に示した2段タイプの収納庫に用いる作動板5には、最下段と上から2番目に前記係止具6,…を取付ける。
次に、前記作動板5を回動可能に側框4内に装着する構造を図3〜図11、図13及び図14に基づいて説明する。前記側框4は筐体1の側面板20に対して略平行に所定間隔を有するとともに、後方へ開放した収納空間21を形成する前側内面板22を有する構造であり、前記前側内面板22の上下部に後方へ開放した上部切欠部23と下部切欠部24をそれぞれ形成し、前記作動板5の上下端部に垂直な支軸25,26で回動可能に合成樹脂製の上軸受具7と下軸受具8をそれぞれ装着し、その状態で上軸受具7と下軸受具8をそれぞれ上部切欠部23と下部切欠部24に後方から抜止め係合して前記収納空間21に前記作動板5を配置するとともに、前記前側内面板22の後方空間27から前記係止爪12を出没可能としてなる。
更に詳しくは、前記作動板5は、金属板をプレス加工して作製したものであり、上下端部にそれぞれ支軸25,26を上下方向に形成するとともに、抜止めのための側方へ突出した突片28,29を適所に設け、前記上軸受具7と下軸受具8には、前記支軸25,26を回動可能に受け入れる円筒部30,31と前記突片28,29を摺動可能に係止する摺接部32,33を設けている。
具体的には、前記上軸受具7は、図9及び図11に示すように、中空ブロック状の本体34内に円筒部30を形成し、該円筒部30にキックばね35のコイル部35Aを巻回するとともに、該キックばね35の一方の弾片35Bを前記本体34内面に当接するとともに、他方の弾片35Cを前記作動板5の上端に前記支軸25と離れた位置に突設した係止片36に係止し、前記作動板5の係止爪12が前記後方空間27内で筐体1の側面板20に接近する方向に弾性付勢している。
また、前記前側内面板22の切欠部23,24の前側に係合孔37,38を形成するとともに、前記上軸受具7と下軸受具8の本体34側面に前記切欠部23,24に係合する係合部39,40と前記係合孔37,38に抜止め係合する爪部41,42を突設している。ここで、前記上軸受具7の係合部39と上部切欠部23との係合構造と、前記下軸家具8の係合部40と下部切欠部24との係合構造とは、互いに異なり、他方へは係合しない構造となっている。つまり、前記上軸受具7と下軸受具8は、前側内面板22の上下部に形成した切欠部23,24に間違いなく嵌着できるようにしている。
前記上軸受具7は、図13に示すように、上下貫通した前記円筒部30の一部に軸方向のスリット孔43を形成し、前記作動板5の上端に形成した前記支軸25の先端部側方に突設した前記突片28を通過できるとうにするとともに、前記円筒部30の先端円周面が前記摺接部32となっている。また、前記上軸受具7の本体34の一側面には、外向きに断面L字形の突条44,44を突設し、該突条44,44の外側に形成した嵌合溝45,45で前記係合部39を構成している。そして、前記上部切欠部23の両側縁を前記嵌合溝45,45に受け入れて係合する。また、前記上軸受具7の本体34の挿入側端面には、前記キックばね35の弾片35B,35Cを突出させる切欠46を形成している。そして、図7、図9〜図11に示すように、前記上軸受具7の円筒部30に前記キックばね35のコイル部35Aを巻回し、両側の弾片35B,35Cを前記本体34内面に当接した状態で、前記作動板5の支軸25を、突片28が上軸受具7のスリット孔43に対応する向きで円筒部30に挿入し、突片28が円筒部30を通過後に若干回転させて該突片28を円筒部30の上端円周面の摺接部32に係止する。それから、前記弾片35Cを強制的に変形させて前記作動板5の上端の係止片36に係止する。
また、前記下軸受具8は、図14に示すように、下端が閉鎖した前記円筒部31に隣接して該円筒部31と同心の平面視円弧状の円弧板47を突設し、該円弧板47の先端外周縁に爪状の前記摺接部33を突設し、本体34の一側面には前記下部切欠部24に内嵌する突縁48を上下部に突設し、前記係合部40を構成している。尚、前記上部軸受具7及び下軸受具8の本体34の他側面は、前記収納空間21の内壁面に当接するような寸法になっている。また、前記作動板5の下端の支軸26と離れた位置に係止片49を突設し、該係止片49の下端部で支軸26の側に前記突片29となる突起を形成している。そして、図8〜図10に示すように、前記作動板5の下端の支軸26を、前記下軸受具8の円筒部30に上方から挿入すると、前記係止片49の先端に設けた突片29が前記摺接部33に弾性的に抜止め係合する。
そして、図10に示したように、前記作動板5の上下端部に上軸受具7と下軸受具8をそれぞれ装着した状態で、図7及び図8に示すように、前記後方空間27から前方へ移動させて、上軸受具7と下軸受具8のそれぞれの係合部39,40を上部切欠部23と下部切欠部24にスライド係合させるとともに、前記係合孔37,38に爪部41,42が抜止め係合する。この状態で、前記作動板5は側框4の収納空間21に正確に弾性付勢状態で回動可能に装着される。また、前記前側内面板22には、引出し2Aに設けた錠体3の施錠杆11に対応する位置に挿入孔50を形成し、該挿入孔50に臨む前記作動板5の前縁部には当接部51を段状に突設している。
通常、前記作動板5は、キックばね35の弾性付勢力によって、図5に示すように、係止爪12が後方空間27内の位置し、前記引出し2のストッパー13が側方を自由に通過できるようになっている。そして、引出し2を筐体1内に押し込み格納した際に、前記錠体3の施錠杆11が前記挿入孔50の側方に位置し(図6(a)参照)、施錠操作に伴って該施錠杆11が側方へ突出し、その先端が挿入孔50内に進入して前記作動板5の前側の当接部51を押すと、弾性付勢力に抗して作動板5が回動し、前記係止具6の係止爪12が引出し2側に突出し、前記ストッパー13の前方移動を当止して規制する(図6(b)参照)。即ち、引出し2がロック状態になるのである。全ての引出し2,…を押し込み格納状態にして錠体3を施錠状態にすると、同時に全ての引出し2,…の引き出しを規制するオールロック状態となるのである。
ここで、前記側框4の構造を図3〜図5、図7及び図8に基づき簡単に説明する。前記筐体1の側面板20の前縁を内方へ直角に折曲して前面板52を形成し、更に前面板52の内縁を後方へ短く直角に折曲した内板53を形成している。そして、前記側框4には側補強部材54が溶接固定されている。前記側補強部材54は、筐体1よりもやや厚い金属板で作製し、断面略C字形の上下方向に延びた部材である。前記側補強部材54は、前記筐体1の側面板20の内面に接合する基板55の前後縁に内側へ直角に前面板56と後面板57を折曲形成し、前記前面板56の内側縁から後方へ直角に折曲して前記前側内面板22を形成し、更に前記後面板57の内側縁から前方へ直角に折曲して後側内面板58を形成している。そして、前記側補強部材54の基板55を側面板20に当接し、前記前側内面板22の前部を前記内板53の内面に当接し、前記前面板52と前面板56との間に若干の隙間を設けた状態で、両部材を溶接して固定し、前記側框4を構成している。ここで、前記側補強部材54の基板55と、前面板56と、前側内面板22とで、前記収納空間21が形成され、前記前側内面板22と後側内面板58との間の空間が前記後方空間27となっている。
次に、図3〜図7及び図15に基づいて、鍵閉込み防止のための機構を説明する。鍵閉込み防止機構は、前記筐体1の側框4の前面であって押し込み格納状態を監視する引出し2の前板10が当接する位置に規制具9を設け、該規制具9には前記側框4内に設けた前記作動板5に当止するように出没する当止部59を有し、前記引出し2が引き出された状態では、前記当止部59が側框4内に突出して前記作動板5がロック状態に変位するのを阻止し、一方、前記引出し2が押し込み格納された状態では、前記当止部59が前記作動板5の変位を許容する位置に退避するようにしたものである。
具体的には、前記規制具9は、図15に示すように、前記筐体1の側框4の前面に形成した開口60に嵌着する本体部61と、該本体部61には内外に貫通した空間部62を有するとともに、該空間部62内に中央部を水平な支軸63で枢支された規制部材64を設け、該規制部材64の一端部を当接部65として前記本体部61から前方へ突出し、且つ他端部を前記当止部59として前記本体部61から後方へ突出するように弾性付勢し、前記引出し2が押し込み格納状態になって、該引出し2の前板10に前記規制部材64の当接部65が当接して本体部61内に押し込まれると同時に、前記当止部59が本体部61内に退避するようにしている。
前記規制具9の本体部61には、周囲に鍔部66を形成するとともに、上下面に前記開口60の口縁に抜止め係合する係合爪67,67を突設し、前記空間部62の両側壁には前記規制部材64の中央部両側に突設した前記支軸63,63を回動可能に受け入れる軸穴68,68を形成している。また、前記本体部61の前面側の上部約2/3の範囲に前記空間部62に連通した角孔69が形成され、該角孔69の下方の前側壁面の内面に、弾性付勢手段としての圧縮コイルばね70の一端を係止する係止凸部71を形成するとともに、前記規制部材64の当止部59の前側面には前記圧縮コイルばね70の他端を受け入れる係合凹部72を形成している。前記支軸63,63を軸穴68,68に係合させ、前記圧縮コイルばね70を圧縮状態で、本体部61の係止凸部71と規制部材64の係合凹部72に両端を係止し、前記当止部59が本体部61から後方へ突出するように弾性付勢する。この際に、前記規制部材64の可動範囲を制限するために、前記本体部61の空間部62の一側壁にガイド溝73を形成するとともに、前記規制部材64の当接部65側の側面に前記ガイド溝73に案内されるガイドピン74を突設している。
また、前記側框4の前面板52に形成した開口60の上縁一側に凹部75を形成し、前記本体部61に該凹部75に係合する凸部76を形成しておくことにより、前記規制具9を上下正しい向きに装着することができる。尚、前記前面板52の開口60に対応する前記側補強部材54の前面板56には、前記規制具9の本体部61を受け入れる角孔77を形成している。前記規制具9の本体部61の鍔部66は、前記開口60の口縁を隠す作用以外にも、前記引出し2を押し込み格納した際に、前板10を当止する緩衝部材の作用をする。
そして、前記規制具9は、前記筐体1の側框4の前面であって、少なくとも前記錠体3を設けてない各引出し2,…の前板10に対応する位置にそれぞれ設ける。勿論、前記規制具9は、前記筐体の側框の前面であって、各段の引出し2,…の前板10に対応する位置にそれぞれ設けることも好ましいのである。
前記規制具9の作用を図5及び図6に基づいて簡単に説明する。図5に示すように、引出し2を引き出した状態では、前記規制具9の規制部材64は弾性付勢力によって、前記当接部65が本体部61から前方へ突出し、且つ前記当止部59として本体部61から後方へ突出している。この状態で、前記作動板5の前縁で外側に前記当止部59が位置し、前記作動板5は回動不能な状態となっている。つまり、前記錠体3を設けた引出し2を押し込み格納しても、他の何れかの引出し2が半開き状態であると、施錠操作して施錠杆11が側方へ突出させ、前記挿入孔50内に進入して前記作動板5の当接部51に当接した後、それ以上の施錠杆11の変位が規制されるので、鍵を回しても途中で回らなくなる。従って、このような状況では、施錠状態にすることができず、錠体3から鍵を抜き去ることができない。当然、施錠状態の引出し2に鍵を閉じ込める可能性は皆無である。
そして、全ての引出し2,…を正確な位置まで押し込み格納すると、全ての規制具9,…の当接部65が引出し2の前板10で本体部61内に押し込められ、それによって規制部材64が回動して当止部59が本体部61内に引き込まれ、前記作動板5の自由な回動が可能になる(図6(a)参照)。そこで、前記錠体3に差し込んだ鍵を回転させ施錠状態にすると、前記施錠杆11が前記作動板5の前縁部を外側方へ押すので、該作動板5は支軸25,26を中心に回動し、後縁に設けた係止具6,…の係止爪12,…が後方空間27から内側方へ突出し、各引出し2の側面に突設した前記ストッパー13を当止できるようになる(図6(b)参照)。この状態が全ての引出し2,…が引き出せないオールロック状態である。
本実施形態では、前記錠体3を何れかの引出し2の前板10に設けたが、前記筐体1の上框部に設けても同様である。また、前記引出し2,…のうち、常にロック状態にならないようにするためには、該引出し2に対応する段の係止具6を作動板5から外すだけでよい。前記係止具6、上軸受具7及び下軸受具8は、それぞれの爪部17、爪部41及び爪部42をドライバーの先端で押し込むことによって、簡単に外すことができる。
1 筐体、 2 引出し、
2A〜2E 引出し、
3 錠体、 4 側框、
5 作動板、 6 係止具、
7 上軸受具、 8 下軸受具、
9 規制具、 10 前板、
11 施錠杆、 12 係止爪、
13 ストッパー、 14 係合穴、
15 挟持片、 16 挟持片、
17 爪部、 18 凹部、
19 凸部、 20 側面板、
21 収納空間、 22 前側内面板、
23 上部切欠部、 24 下部切欠部、
25 支軸、 26 支軸、
27 後方空間、 28 突片、
29 突片、 30 円筒部、
31 円筒部、 32 摺接部、
33 摺接部、 34 本体、
35 キックばね、 35A コイル部、
35B 弾片、 35C 弾片、
36 係止片、 37 係合孔、
38 係合孔、 39 係合部、
40 係合部、 41 爪部、
42 爪部、 43 スリット孔、
44 突条、 45 嵌合溝
46 切欠、 47 円弧板、
48 突縁、 49 係止片、
50 挿入孔、 51 当接部、
52 前面板、 53 内板、
54 側補強部材、 55 基板、
56 前面板、 57 後面板、
58 後側内面板、 59 当止部、
60 開口、 61 本体部、
62 空間部、 63 支軸、
64 規制部材、 65 当接部、
66 鍔部、 67 係合爪、
68 軸穴、 69 角孔、
70 圧縮コイルばね、 71 係止凸部、
72 係合凹部、 73 ガイド溝、
74 ガイドピン、 75 凹部、
76 凸部、 77 角孔。

Claims (4)

  1. 筐体内の上下に複数の引出しを設け、筐体の上部框あるいは引出しの前板に内蔵した錠体の施錠操作に伴って側方へ突出する施錠杆によって、筐体の側框内に設けた作動板を回転させ、該作動板に設けた複数の係止爪を各引出しに設けたストッパーに係脱することにより同時に施錠、解錠し得る引出し収納庫の施錠装置において、前記作動板の上下方向の複数箇所に、前記係止爪を設けた合成樹脂製の係止具を着脱可能に取付けたことを特徴とする引出し収納庫の施錠装置。
  2. 前記作動板の上下方向の複数箇所に係合穴を設け、前記係止具の一端部に前記係止爪を形成するとともに、他端部に前記作動板を挟持する挟持片を形成し且つ少なくとも一方の挟持片に前記係合穴に抜止め状態で係合する爪部を突設してなる請求項1記載の引出し収納庫の施錠装置。
  3. 前記筐体内に引出しを2段又は3段に収容可能であり、前記作動板の各引出しのストッパーに対応する全ての位置に、前記係止具を取付けるための係合穴を形成しておき、前記筐体内に収容する引出しの段数に応じて前記作動板の係合穴を選択して前記係止具を取付けてなる請求項2記載の引出し収納庫の施錠装置。
  4. 前記作動板の後縁部に沿った複数箇所に、上下一対の係合穴を形成するとともに、その中間に後方へ開放した上下非対称の凹部を形成する一方、前記係止具の後端部に前記係止爪を形成し、前端部に前記作動板を挟持する挟持片を形成し、一方の挟持片の上下部に前記両係合穴にそれぞれ抜止め状態で係合する爪部を形成するとともに、両挟持片で形成される凹溝の奥部に前記凹部の形状に合致した上下非対称の凸部を形成してなる請求項1〜3何れか1項に記載の引出し収納庫の施錠装置。
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