JP3733173B2 - 扉の係止装置及びこれを用いた両開き扉の係止装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
家具その他のキャビネット等に用いられる扉を閉じ状態に係止する扉の係止装置及びこれを用いた両開き扉の係止装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、戸棚、本棚、食器棚その他のキャビネットにおいて、両開き扉を採用したものがある。
このような両開き扉では、スプリングキャッチ、ローラーキャッチ又はマグネットキャッチを両開き扉の戸先に取り付けて、所定の係止力で扉を仮係止することが行われている。人手によりつまみやハンドルを引けば、容易に仮係止が外れて扉を開放でき、内容物の収納や取り出しができるようになっている。使用には便利であるが、扉を固定することができないので、例えば地震などで強い振動を受けると、扉が開放するおそれがある。
【0003】
そこで、両扉をキャビネット本体に対して個別に又は一括してロックする機構を備えたものがあるが(例えば、特公昭59−22873号公報、実公昭59−26065号公報参照)、開閉のたびにいちいちロック操作やロック解除操作をしなければならず、取り扱いが非常に面倒であった。
また、使用者がロック操作を忘れる場合もあり、このような場合には、両扉ともがロックされていないので、地震による振動を受けると、両扉は簡単に開いてしまう。
【0004】
他方、片開き扉においても、両開き扉の場合と同様の問題があった。即ち、ロック機構を備えておらず仮係止する機構のみを備えている場合には、地震などで強い振動を受けると、扉が開放するおそれがある一方、ロック機構を備えている場合では、ロック操作やロック解除操作が面倒であった。
そこで、扉を閉じると自動的に扉をロックすると共に、ノブを引っ張ることによりロックが解除されるようにしたロック機構が提供されている。
【0005】
従来、この種のロック機構では、進退自在なノブを引っ張ることにより、揺動レバーを傾倒させ、傾倒させた揺動レバーによって、扉をロックするためのロック部材をばねに抗して押し、これによりロック部材をロック解除位置へ移動させるようにしていた。
ところが、揺動レバーを、いわゆるてこのようにして働かせるものであるから、ノブの進退ストロークに対してロック部材の移動ストロークが安定せず、したがって、ロックやロック解除が不完全になる場合があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、操作性が良いと共にロック及びロック解除が確実である扉の係止装置、並びにこれを用いた両開き扉の係止装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の扉の係止装置は、引っ張り方向に進退自在であって後退方向に弾性付勢された扉開放用のノブと、固定側部材に係止してロックするロック位置とこのロックを解除するロック解除位置とに変位すると共にロック位置に弾性付勢されたロック部材と、ノブの進退に伴ってロック部材をロック位置及びロック解除位置に変位させる連動機構とを備え、
この連動機構は、ノブの進出運動を入力して回転運動を出力するカム機構と、このカム機構を介して回転駆動されるピニオンと、このピニオンと噛み合い上記ロック部材をロック解除位置に変位させるラックと、上記ノブと一体に進退する軸体と、上記ロック部材に形成され、上記軸体を貫通させると共に内面に上記ラックを形成した貫通孔と、この貫通孔内に少なくとも一部が導入され、外周面に上記ピニオンを形成した筒体とを含み、
上記カム機構は、上記筒体の内周面と軸体の外周面との間に形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
上記構成では、扉を開放するためにノブを引っ張ってノブを進出させると、この進出に伴ってカム機構によりピニオンが回転され、ラックが駆動されてロック部材がロック解除位置となる結果、ロックが解除される。一方、ノブが後退した状態で扉を閉じると、ロック部材がロック位置に弾性付勢され、自動的にロックされる。ノブの進退にロック部材を連動させる機構として、カム機構及びラックアンドピニオン機構を用いたので、確実にロック部材を動作させることができる結果、ロック及びロック解除が確実である。
【0009】
また、通常の扉の開閉動作で自動的にロック及びロック解除を達成でき、扉を閉じていれば地震による振動を受けても開くことがない。
なお、本係止装置は、片開き扉に使用でき、また、両開き扉において後閉じ扉に又は双方の扉に使用することができる。片開き扉に適用する場合において、上記固定側部材は、戸枠となる。また、両開き扉に適用する場合において、上記固定側部材は、キャビネットの上板、下板及び相手方の扉の少なくとも一方となる。
【0010】
また、上記ロック部材としては、上記固定側部材に対して係止する係止面と、この係止面の反対側に形成され、上記固定側部材と干渉してロック部材をロック解除位置へ一旦促す案内面とを含んでいれば好ましい。この場合、扉を閉じる際に、ロック部材が係止する相手部材である固定側部材に、ロック部材の案内面が当接することにより、ロック位置に弾性付勢されているロック部材がロック解除位置に一旦促された後、再びロック位置へ移動される結果、扉が自動的にロックされる
【0011】
また、ロック部材の貫通孔内に筒体を導入すると共に、この筒体に軸体を貫通させてあり、筒体の外周側にラックアンドピニオン機構を配置し、筒体の内周側にカム機構を配置したので、全体を非常にコンパクトにできる。また、カム機構とラックアンドピニオン機構が近接して配置されるので、作動性も良い。
【0012】
求項記載の両開き扉の係止装置は、請求項1記載の扉の係止装置により構成される後閉じ扉ロック機構と、後閉じ扉を閉じると、これに連動して、先閉じ扉を上板又は下板に仮係止する状態からロックする状態に切り換わる先閉じ扉ロック機構とを備えたことを特徴とするものである。
上記構成では、先閉じ扉を閉じると、この先閉じ扉は先閉じ扉ロック機構によって仮係止状態となる。次いで、後閉じ扉を閉じると、後閉じ扉が自動的にロックされる一方、後閉じ扉の閉じ動作に連動して先閉じ扉ロック機構がロック状態に切り換わり、先閉じ扉が自動的にロックされる。他方、扉を開放する際には、まず、ノブを引っ張りながら後閉じ扉のロックを解除して後閉じ扉を開放すると、これにより、先閉じ扉のロックが自動的に解除されるので、先閉じ扉を開放することができる。このように、簡便に両扉のロック状態を確保できて地震に対処できると共に、ロック解除が非常に容易である。
【0013】
上記の先閉じ扉ロック機構は、先閉じ扉を上板又は下板に所定の係止力で係止する仮係止部材と、後閉じ扉の閉じ動作に連動して上記仮係止部材を係止状態にロックするロック部材と、このロック部材を所定の付勢力でロック解除姿勢に付勢する付勢部材とを備えたものであれば好ましい。
この場合、後閉じ扉を閉じると、この後閉じ扉に係合されたロック部材が仮係止部材を係止状態にロックする結果、先閉じ扉が閉じ状態に自動的にロックされることになる。また、後閉じ扉をロックするだけで、両扉をロックできる機能を容易に達成することができる。一方、後閉じ扉を開放すると、この後閉じ扉とロック部材との係合が解かれることにより、ロック部材が付勢部材によってロック解除姿勢に変位される結果、自動的に先閉じ扉のロックが解除され、仮係止状態となる。ここで、所定の係止力で仮係止するとは、人間が手により扉を容易に開放することができる程度の係止力であって、しかも、通常の扉の取付精度において扉が自動的に開いてしまうことがない程度の係止力で係止することを意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る両開き扉の係止装置を含む扉構造の分解斜視図であり、同図を参照して、本両開き扉の係止装置(以下、単に係止装置という)は、両開き扉1,2のうち、先に閉じられる先閉じ扉1をロックするための先閉じ扉ロック機構Aと、後に閉じられる後閉じ扉2をロックするための後閉じ扉ロック機構Bとを備えている。
【0015】
本実施形態では、両開き扉の係止装置に則して説明するが、本実施形態における後閉じ扉ロック機構Bと同様の扉ロック機構B’を図11(a)〜(c)に示すように、片開き扉100をロックするものとして単独で使用することもできる。この場合、後閉じ扉ロック機構Bの後述するロック部材26は戸枠(上枠、下枠及び縦枠の何れであっても良い)又は戸枠(上枠、下枠及び縦枠の何れであっても良い)に固定された係止部材にロックされることになる。また、本実施形態において、図11(d),(e)に示すように、先閉じ扉ロック機構Aを廃止し、キャビネットの上板又は下板に係止する後閉じ扉ロック機構Bのみで両開き扉の係止装置とすることもできる。さらに、本実施形態において、図11(f),(g)に示すように、先閉じ扉ロック機構Aに代えて、キャビネットの上板又は下板に係止する上記後閉じ扉ロック機構Bと同様の扉ロック機構B’を適用して両開き扉の係止装置とすることもできる。
【0016】
先閉じ扉ロック機構Aは、先閉じ扉1の内面1aの上部及び下部の少なくとも一方に取り付けられるユニット3と、扉が取り付けられるキャビネット4の上板5及び下板6の少なくとも一方に取り付けられる係合部材7とを備えている。また、後閉じ扉ロック機構Bは、後閉じ扉2の内面に取り付けられノブ20に連結されたユニット21と、上板5、下板6及び先閉じ扉1の縁部の何れかに取り付けられる係止部材22とを備えている。
【0017】
本実施形態では、ユニット3が先閉じ扉1の内面1aの下部に取り付けられ、且つ係合部材7が下板6に取り付けられ、また、受け部材22が先閉じ扉1の縁部に取り付けられる場合に則して説明する。
先閉じ扉ロック機構
図2を参照して、上記ユニット3は、裏面の開放した箱体81と、この箱体81の裏面を覆うように組み合わされる蓋体82とで構成された、支持体としてのユニット本体8を備えている。このユニット本体8は、その四隅を貫通するねじ14によって先閉じ扉1の内面1aに固定される。箱体81及び蓋体82は合成樹脂製である。
【0018】
図2及び図4(a)〜(c)に示すように、上記ユニット本体8は、上記係合部材7と所定の係止力で係合可能な合成樹脂製の仮係止部材9を、上下動自在に支持している。この仮係止部材9は、箱体81と蓋板82とを組み合わせたユニット本体8の下面に形成された開口(図示せず)を通して、一部を下方へ露出させている。仮係止部材9は矩形板状をしており、その下端9aは、丸みを帯びた先細り状とされている。また、仮係止部材9の段部9dが箱体81の段部81cと係合することにより、仮係止部材9がユニット本体8から下方へ脱落するのを阻止するストッパ機能が達成されている。
【0019】
上記係合部材7は、合成樹脂製であり、仮係止部材9の下端9aを嵌めることのできる溝7aと、この溝7aの両側に配置される一対の凸部7b,7cとを有している。係合部材7は一対のねじ15によって下板6に固定されている。仮係止部材9は、図4(c)に示すように係合部材7の溝7aに係合する下方姿勢(仮係止姿勢)と、図4(b)に示すように係合を解除するための上方姿勢とに変位自在である。
【0020】
上記ユニット本体8は、仮係止部材9を上記の下方姿勢に付勢する弾性付勢部材としての圧縮コイルばね10を収容している。この圧縮コイルばね10は、仮係止部材9の上端面に形成された凹部9bとユニット本体8の上面部との間に介在して、仮係止部材9を係合部材7側へ弾性付勢し、その付勢力によって図4(c)に示すように仮係止部材9と係合部材7とを係合させ、仮係止状態とする。このように、圧縮コイルばね10、仮係止部材9及び係合部材7が協働して、先閉じ扉1を閉じ状態に所定の係止力で仮係止することができる。ここで、所定の係止力とは、人間が手により扉を容易に開放することができる程度の係止力であって、しかも、通常の扉の取付精度において扉1,2が自動的に開いてしまうことがない程度の係止力であり、圧縮コイルばね10の付勢力を所要に設定することにより得られる。
【0021】
仮係止部材9の下端9aを先細り状として形成される傾斜面は、図4(a)及び(b)に示すように手前側の凸部7bと接触することにより、仮係止部材9を押し上げるためのカム面として機能している。係合部材7としては、扉の開き方向への移動を抑制するように仮係止部材9の下端9aと係合すれば十分であるので、手前側の凸部7bのみを残して反対側の凸部7cを廃止しても良い(即ち、溝部7aを廃止しても良い)が、地震等では扉の開き方向及び閉じ方向の双方向の揺れを止めることが扉の開放を阻止するうえで効果的であるので、溝部7aを有していることが好ましい。
【0022】
図2、図3(a)〜(c)並びに図5(a)及び(b)を参照して、仮係止部材9は、その蓋体82側の面に、後述するロック部材12のロック板12bを係合させるための凹部9cを有している。
ロック部材12は、後閉じ扉2の閉じ動作に連動して上記仮係止部材9を係止状態にロックするべく、ユニット本体8に取り付けられている。具体的には、ロック部材12は、箱体81の一対の軸支持部81aと蓋体82の一対の軸支持部82aとによって支持される、上下方向に沿う回転軸線としての軸16の回りに、回転自在に支持されている。また、このロック部材12は、付勢手段としてのねじりコイルばね13によって、ロックを解除する姿勢に付勢されている。ロック部材12は、合成樹脂からなり、上記軸16を貫通させる筒状部12aと、この筒状部12aから径方向に延びる一対の羽根状のロック板12b及び操作板12cとを有している。ロック板12bと操作板12cは、互いに略直交している。
【0023】
ロック部材12は、図5(a)に示すように、ロック部12bが仮係止部材9の凹部9cに進入して仮係止部材9の上下動を阻止するロック姿勢と、図5(b)に示すように、ロック部12bが凹部9cから退避して仮係止部材9の上下動を許容するロック解除姿勢に変位自在である。
ロック部材12の筒状部12aの途中部には、図2に示すように、切欠部12dが形成され、上記のねじりコイルばね13のコイル状部分は、図5(a)及び(b)に示すように、軸16を挿通させた状態でこの切欠部12dに収容される。そして、ねじりコイルばね13の一端部13aは、ロック板12bに形成した凹溝12eに収容されると共に、他端部13bは、箱体81の凹溝81bに収容され、ロック部材12をロック解除姿勢に(図5(a)において時計回りに)回転付勢する。
【0024】
ロック部材12のロック姿勢では、図5(a)に示すように、操作板12cが先閉じ扉1の内面1aよりも外側に突出するようになっており、この突出した操作板12cが、次いで閉じられる後閉じ扉2の内面2aと図5(b)に示すように係合して、ロック部材12がロック姿勢に回転変位され、仮係止部材9がロックされるようになっている。
【0025】
次いで、先閉じ扉ロック機構Aの動作について説明する。まず、先閉じ扉1を閉じると、この仮係止部材9が、圧縮コイルばね10を撓ませながら図3(a)及び図4(b)に示すように一旦上方へ退避した後、図3(b)及び図4(c)に示すように下方へ進出して、溝部7aに係合する。これにより、先閉じ扉1は、圧縮コイルばね10による所定の係止力で、閉じ状態に仮係止される。この状態では、図3(b)に示すように、ロック部材12はねじりコイルばね13によって付勢されてロック解除姿勢にある。
【0026】
次いで、図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態へと、後閉じ扉2を閉じると、この閉じ動作の完了直前に、後閉じ扉2の戸先がロック部材12の操作板12cを押してロック部材12を回動させ、これに伴い、図3(c)及び図5(b)に示すように、ロック部材12のロック板12bが仮係止部材9の凹部9cに嵌め合わされる。これにより、仮係止部材12の上方への移動が確実に阻止され、先閉じ扉1が閉じ状態にロックされる。
【0027】
一方、後閉じ扉2を開放すると、この後閉じ扉2とロック部材12との係合が解かれることにより、ロック部材12がねじりコイルばね10によってロック解除姿勢に変位される結果、自動的に先閉じ扉1のロックが解除され、再び仮係止状態となる。
本実施形態では、特に、上記仮係止部材9、ロック部材12及びねじりコイルばね13を、先閉じ扉1に一体的に取付可能なユニット3として構成したので、取付作業が非常に簡単になり、また、既存の扉にも後付けでより容易に取り付けることができる。
【0028】
また、上下動自在な仮係止部材9を、上下方向に沿う軸16の回りに回動自在なロック部材12によってロックするようにしたので、ロック部材12が仮係止部材9から受ける上方への力は、ロック部材12の回転軸線である軸16に平行な方向に作用する結果、この上方への力は、ロック部材12をロック解除方向へ回動させるモーメントを発生させない。したがって、ロックが確実である。これに対して、仮に、ロック部材の回動軸線が水平方向に沿う場合には、ロック部材が仮係止部材から受ける力が、ロック部材を回動させるモーメントを発生させ、ロックが不確実となるおそれがある。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、係合部材7をなくして、仮係止部材9と係合する溝を上板5や下板6に直接設けても良いが、係合部材7であれば、既存の設備に容易に後付けで設置できる。
上記ロック部材12は、後閉じ扉2と直接係合しても良いし、後閉じ扉2に設けた当て部材(図示せず)を介して間接的に係合しても良い。
【0030】
また、上記ロック部材12は一つの部材で構成されることが、構造を簡単にし且つ製造コストを安価にするうえで好ましいが、これに限られるものではなく、仮係止部材をロックする部分と、後閉じ扉に係合する部分とを別部材としてロック部材を構成することもできる。この場合、上記係合する部分が、後閉じ扉に係合して上記ロックする部分をロック位置に変位させるための操作部材として機能することになる。
【0031】
後閉じ扉ロック機構
図6〜図9を参照して、後閉じ扉ロック機構Bについて説明する。本後閉じ扉ロック機構Bでは、後閉じ扉2を閉じると、図7に示すようにユニット21のロック部材26が係止部材22に係止し、自動的にロックが達成されるようになっている。また、後閉じ扉2に対してノブ20が引っ張り方向に移動できるようになっており、後閉じ扉2を開放するためにノブ20を引っ張ると、ロック部材26が係止部材22との係合を解き、自動的に後閉じ扉2のロックが解除されるようになっている。
【0032】
図6及び図7を参照して、上記ユニット21では、互いに組み合わされる第1ケース23と第2ケース24によってユニット本体25を構成している。このユニット本体25には、▲1▼ロック位置(図7参照)とロック解除位置(図8参照)に変位する、ラック26eを有するロック部材26と、▲2▼このロック部材26をロック位置へ付勢する付勢部材としての圧縮コイルばね27と、▲3▼上記ロック部材26をロック解除位置へ駆動するピニオン28aを有する回動自在な駆動体28と、▲4▼この駆動体28を回動操作する操作体29と、▲5▼この操作体29とノブ20の間にこれらと同軸に介在しねじ31によってこれらと一体に連結された中間体30と、▲6▼この中間体30を介してノブ20を後退方向に付勢する圧縮コイルばね32とが収容されている。
【0033】
上記のノブ20は、一端に大径の握り部20aを有し、他端にねじ31をねじ込むためのねじ孔20bを有している。ノブ20は、中間体30及び操作体29と共に一体的にノブ20の引っ張り方向に進退されるようになっている。上記の圧縮コイルばね27、駆動体28、操作体29、中間体30及び圧縮コイルばね32によって、ノブ20の進退にロック部材26のロック及びロック解除を連動させる連動機構40が構成されている。
【0034】
上記の駆動体40により筒体が構成されており、上記の操作体29と中間体30とにより軸体が構成されている。また、操作体29の外周面と中間体30の内周面との間にノブ20の進出運動を筒体としての駆動体40の回転運動に変換するためのカム機構が形成されている。
図7を参照して、上記第1ケース23は、外面23eを後閉じ扉2の内面2aに沿わせた状態で取り付けられる。第1ケース23は、突出部23aを有しており、この突出部23aを貫通する貫通孔23bが形成されており、この貫通孔23bを通して中間体30の後述する胴部30aが進退される。また、図6及び図7を参照して、上記貫通孔23bに連続して、この貫通孔23bより大径の角孔部23cが形成されており、この角孔部23cは、中間体30の後述する四角フランジ30bを回動不能な状態でスライド移動させる。また、この角孔部23cに連続して角孔部23cよりも大径の円孔部23dが形成されており、この円孔部23dは、駆動体28を回動自在に支持する。また、円孔部23dの底部によって駆動体28の軸方向移動が止められている。
【0035】
図6を参照して、第1ケース23の内面23f側には、肉抜きのため複数のリブが形成されている。また、第1ケース23の内面23fの両縁部には、半円状の突起が複数それぞれ形成され、各突起に位置決め用孔23gが形成されている。
上記第2ケース24は、チャンネル状の主体部24aと一対のフランジ部24bとを有している。各フランジ部24bには、本ユニット21を、後閉じ扉2の内面2aにねじ止めするためのねじを挿通させる複数のねじ挿通孔24cが形成されている。また、主体部24aのウェブを貫通する貫通孔24dが設けられており、この貫通孔24dは、ねじ31をノブ20にねじ込む際に、ねじ31を操作するドライバを導入するのに用いられる。また、図示していないが、第2ケース24は、第1ケース23の位置決め用孔23gにそれぞれ導入されて両ケース23,24を互いに位置決めする位置決めピンを設けている。
【0036】
図6及び図7を参照して、中間体30は、細長筒状をしており、第1ケース23の貫通孔23bを裏側から貫通する胴部30aと、この胴部30aの端部に形成された四角フランジ30bと、この四角フランジ30bに立設されたスプライン30cとを有している。四角フランジ30bは、第1ケース23の角孔部23cに遊嵌されており、これにより、中間体23は、回動不能な状態でノブ20の引っ張り方向(図8において白抜き矢符で示す方向)に進退できるようになっている。
【0037】
また、胴部30aには圧縮コイルばね32が嵌められ、この圧縮コイルばね32は四角フランジ30bと第1ケース23の突出部23aの端面部との間に介在している。
上記ロック部材26は、一端側に延びるラッチ部26aを有し、このラッチ部26aの一の面が係止部材22に係止する係止面26bを構成しており、係止面26bの裏側の面が傾斜状の案内面26cとなっている。この案内面26cは、後閉じ扉2を閉じるに際してロック部材26が係止部材22に干渉したときに、ロック部材26をロック解除位置(図8参照)へ一旦促すためのものである。また、ロック部材26には、ロック部材26の移動方向に沿って長い、貫通する長孔26dが形成されており、この長孔26dの内面に上記ラック26eが形成されている。上記圧縮コイルばね27は、第2ケース24の内面とロック部材26との間に介在している。ロック部材26は、両ケース23,24の内側面によってスライド自在に案内されて、ロック位置とロック解除位置に変位されるようになっている。
【0038】
上記操作体29は上記ねじ31を貫通させる筒状をしており、一端部に形成されたスプライン29aが中間体30の端部のスプライン30aに嵌合されて一体化されている。中間体30が回動不能であるので、操作体29も回動不能となっている。また、操作体29の他端側外周面には、一対の互いに対向する操作突起29bが形成されている。
【0039】
上記駆動体28は、円筒体の外周面の一部に上記ラック26eと噛み合うピニオン28aを形成しており、また、内周面に螺旋状の一対のリブ28b(図では一つのみ示す)を形成している。各リブ28bの一方の面によって上記操作突起29bが係合するカム面28cが形成されている。上記一対の操作突起29bとカム面28cとにより上記カム機構が形成されている。ノブ20の引っ張り時に操作突起29bによってカム面28cが押されることにより、駆動体28が回転され、この回転に伴ってロック部材26がロック解除位置へ移動されるようになっている。
【0040】
次いで、後閉じ扉ロック機構Bの動作について説明する。まず、後閉じ扉2を閉じる際に、図9に示すようにロック部材26の案内面26cが係止部材22と干渉することにより、ロック部材26は圧縮コイルばね27を撓ませながら、図8に示すロック解除位置に一旦移動された後、図7に示すように圧縮コイルばね27により付勢されてロック位置に戻り、係止面26bを係止部材22に係止させる。このようにして、後閉じ扉2を閉じるだけで、自動的にロック状態が達成される。
【0041】
一方、後閉じ扉2を開放するために、ノブ20を引っ張ると、これに伴って、操作体29もノブ20の引っ張り方向へ移動し、操作突起29bがカム面28cを押すので、駆動体28が回動される。この駆動体28の回動に伴って、ピニオン28aとラック26eの働きで、図8に示すようにロック部材26がロック解除位置に移動されるので、自動的にロックが解除される。したがって、ノブ20を引っ張りながら、そのまま後閉じ扉2を開放することができる。
【0042】
そして、このように後閉じ扉2が開放されると、この後閉じ扉2と先閉じ扉ロック機構Aのロック部材12との係合が解かれることにより、図5(a)に示すように自動的に先閉じ扉1のロックが解除され、先閉じ扉1は仮係止状態となるので、容易に開放することができることになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、後閉じ扉2を閉じると、自動的に先閉じ扉1が閉じ状態にロックされる一方、後閉じ扉2も自動的にロックされるので、地震による振動での開放を確実に防止できる。しかも、後閉じ扉2のノブ20を引っ張るという通常の開放動作だけで、後閉じ扉2のロックが自動的に解除され、この状態で後閉じ扉2を開放すると、先閉じ扉1のロックが自動的に解除される。このように、単なる開閉動作で両扉1,2のロック及びロック解除を達成できて、非常に操作性が良い。
【0043】
また、ノブ20の進退にロック部材26を連動させる機構として、カム機構29b,28c及びラックアンドピニオン機構26e,28aを用いたので、確実にロック部材26を動作させることができる結果、ロック及びロック解除が確実である。
さらに、ロック部材26の貫通孔26d内に筒体としての駆動体28を導入すると共に、この筒体28に軸体としての操作体29及び中間体30を貫通させてあり、筒体としての駆動体28の外周側にラックアンドピニオン機構26e,28aを配置し、筒体としての駆動体28の内周側にカム機構29b,28cを配置したので、全体を非常にコンパクトにできる。また、カム機構29b,28cとラックアンドピニオン機構26e,28aが近接して配置されるので、作動性も良い。
【0044】
本実施形態では、操作体29に設けた一対の操作突起29bが駆動体28の一対のカム面28cをなぞるようにしたが、操作体29の外周面と駆動体28の内周面とが粗いピッチでねじ結合されるようにしても良い。即ち、図10に示すように、操作体29の外周面に螺旋状に設けた突条29cが、駆動体28の内周面に螺旋状に設けた凹条(図示せず)に嵌め合わされるものであっても良い。
【0045】
なお、本実施形態では、先閉じ扉1に係止部材22を取り付けたが、これに限らず、上板5又は下板6に係止部材22を取り付け、これに後閉じ扉ロック機構Bが係止するようにすることもできる。
また、先閉じ扉1に取り付ける係止部材は、通常の召し合わせ縁を流用しても良い。
【0046】
その他、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の扉の係止装置では、ノブの進退にロック部材を連動させる機構として、カム機構及びラックアンドピニオン機構を用いたので、確実にロック部材を動作させることができる結果、ロック及びロック解除が確実である。また、通常の扉の開閉動作で自動的にロック及びロック解除を達成でき、扉を閉じていれば地震による振動を受けても開くことがない。
【0048】
また、筒体の内外にそれぞれカム機構とラックアンドピニオン機構を配置したので、作動性が良いと共に全体を非常にコンパクトにできる。
請求項記載の発明の両開き扉の係止装置では、先閉じ扉、後閉じ扉の順で閉じると、両扉が自動的にロックされる。また、後閉じ扉のノブを引っ張ると後閉じ扉のロックが自動的に解除されて後閉じ扉を開放でき、このようにして後閉じ扉を開放すると、先閉じ扉のロックが自動的に解除される。通常の開閉動作で両扉を自動的にロック及びロック解除することができ、非常に操作が簡便である。また、扉を閉じていれば地震による振動を受けても開くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての両開き扉の係止装置とこれが装着されたキャビネットとを示す概略斜視図である。
【図2】先閉じ扉ロック機構の分解斜視図である。
【図3】(a),(b)及び(c)はそれぞれ先閉じ扉ロック機構の動作を示すべく、ユニットの蓋体を取り去った状態の斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は仮係止部材が係合部材に係止される前後の状態を順次に示す先閉じ扉ロック機構の概略側面図である。
【図5】(a)及び(b)はロック解除状態とロック状態とをそれぞれ示す先閉じ扉ロック機構及び扉の断面図である。
【図6】後閉じ扉ロック機構の分解斜視図である。
【図7】ロック状態の後閉じ扉ロック機構と扉の断面図である。
【図8】ロック解除状態の後閉じ扉ロック機構と扉の断面図である。
【図9】後閉じ扉が閉じる直前の状態を示す扉構造の概略図である。
【図10】操作体の変更例を示す斜視図である。
【図11】(a)〜(g)は他の実施形態をそれぞれ示す扉の概略正面図である。
【符号の説明】
A 先閉じ扉ロック機構
B 後閉じ扉ロック機構
1 先閉じ扉
1a 内面
2 後閉じ扉
3 ユニット
5 上板
6 下板
7 係合部材
8 ユニット本体(支持体)
9 仮係止部材
12 ロック部材
13 ねじりコイルばね(付勢部材)
20 ノブ
21 ユニット
22 係止部材
23 第1ケース
24 第2ケース
25 ユニット本体
26 ロック部材
26b 係止面
26c 案内面
26e ラック
27 圧縮コイルばね(付勢部材)
28 駆動体
28a ピニオン
29 操作体
29b 操作突起
32 圧縮コイルばね

Claims (2)

  1. 引っ張り方向に進退自在であって後退方向に弾性付勢された扉開放用のノブと、固定側部材に係止してロックするロック位置とこのロックを解除するロック解除位置とに変位すると共にロック位置に弾性付勢されたロック部材と、ノブの進退に伴ってロック部材をロック位置及びロック解除位置に変位させる連動機構とを備え、
    この連動機構は、ノブの進出運動を入力して回転運動を出力するカム機構と、このカム機構を介して回転駆動されるピニオンと、このピニオンと噛み合い上記ロック部材をロック解除位置に変位させるラックと、上記ノブと一体に進退する軸体と、上記ロック部材に形成され、上記軸体を貫通させると共に内面に上記ラックを形成した貫通孔と、この貫通孔内に少なくとも一部が導入され、外周面に上記ピニオンを形成した筒体とを含み、
    上記カム機構は、上記筒体の内周面と軸体の外周面との間に形成されていることを特徴とする扉の係止装置。
  2. 両開き扉の係止装置であって、
    請求項1記載の扉の係止装置により構成される後閉じ扉ロック機構と、
    後閉じ扉を閉じると、これに連動して、先閉じ扉を上板又は下板に仮係止する状態からロックする状態に切り換わる先閉じ扉ロック機構とを備えたことを特徴とする両開き扉の係止装置。
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