JPH09234129A - 家具用抽斗ロック装置 - Google Patents

家具用抽斗ロック装置

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JPH09234129A
JPH09234129A JP8071294A JP7129496A JPH09234129A JP H09234129 A JPH09234129 A JP H09234129A JP 8071294 A JP8071294 A JP 8071294A JP 7129496 A JP7129496 A JP 7129496A JP H09234129 A JPH09234129 A JP H09234129A
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JP
Japan
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drawer
latch
key
lock
stopper
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JP8071294A
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English (en)
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Chiyou Ri
丁 李
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Kyoei Kogyo Co Ltd
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Kyoei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施錠装置のロック部材をなすラッチとカム部
を鍵棒の前後に振り分けることにより、鍵棒の円滑な回
動操作性を確保すると共に、ロック機構の収容スペース
を小さくして、抽斗の収納力を増大させる。 【解決手段】 キャビネット本体1の内側に鍵棒8を回
動可能に縦設し、鍵棒8の中途部には前側にラッチ10
aを配置し、後側にカム部10bを配置して前後に振り
分け、ラッチ10aとカム部10bとを一体且つ上下に
高低差をもって形成しロック部材を構成する。収納状態
の抽斗2の外側面にラッチ10aに対峙するストッパ9
を設け、鍵棒8がロック状態にてラッチ10aがストッ
パ9に係合する如く配置し、一方、収納状態にある抽斗
2の上記カム部10bが対峙する外側面の僅か後方に操
作ブロック12を設け、1つの抽斗2が引き出された場
合に該操作ブロック12がカム部10bを押圧操作し、
鍵棒8を回動し他の抽斗2のストッパ9にラッチ10a
を係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具用抽斗ロック
装置に関し、更に詳しくは、施錠キーにより全ての抽斗
をキーロックできると共に、1つの抽斗が引き出された
ときに他の抽斗を収納位置にロックすることのできる安
全ロックの機能を兼ね備えたロック装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、事務書類等を整理、保管する
ことに利用されるファイルキャビネット等の家具は、矩
形状に形成されたキャビネット本体の前面が開口され、
左右内側面に上下に間隔を開けて複数条のレール体が設
けられ、各レール体に抽斗が出し入れ自在に支持されて
いる。この種の家具は、一般的に施錠装置が設けられて
おり、その具体的な構造は、各抽斗の外側面にストッパ
が突設され、一方、キャビネット本体の内側には鍵棒が
回動可能に縦設され、各ストッパに対応して鍵棒には複
数のラッチが設けられ、キャビネット本体に設けられた
施錠装置により鍵棒を回動させることで、各ラッチを対
応するストッパに係脱するように構成されている。した
がって、施錠装置をキーで操作して鍵棒をロック方向に
回動させると、全てのラッチが対応するストッパに係合
するので、全ての抽斗を収納位置にロックすることがで
きる。また、施錠装置をキーで操作して鍵棒をロック解
除方向に回動させると全てのラッチが対応するストッパ
から離脱するので、全ての抽斗が引き出し自在となるも
のである。
【0003】さらに、本出願人による特開平7−197
719号公報には、1つの抽斗が引き出されたときにラ
ッチを備えた鍵棒をロック方向に回動させることによ
り、他の抽斗を収納位置にロックするロック機構が開示
されている。この開示構成によれば、1つの抽斗を引き
出したときに、自動的に他の抽斗を収納位置でロックで
きるので、不用意に複数の抽斗が引き出されて、家具の
重量バランスが崩れ、家具が転倒する虞れを無くし、安
全性の高いファイルキャビネット等の家具を提供するこ
とができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た家具においては、施錠装置のロック部材をなすラッチ
とカム部が鍵棒の前側に揃えて配置されているため、引
き出しの外側面と、キャビネット本体の内側面との間の
空間寸法を大きく設定することが必要となり、結果とし
て、キャビネット本体の大きさに比較して、抽斗の収納
力が低下してしまうという難点があった。
【0005】また、ラッチとカム部が同方向に向けて設
けられているため、鍵棒の円滑な回動を確保することが
難しく、鍵棒の変形や鍵棒の軸支部に偏摩耗が生じやす
いと言う難点があった。
【0006】したがって、本発明の目的は、施錠装置の
ロック部材をなすラッチとカム部を鍵棒の前後に振り分
けることにより、鍵棒の円滑な回動操作性を確保すると
共に、ロック機構の収容スペースを小さくし、抽斗の収
納力を増大することのできる家具用抽斗ロック装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係る家具用抽斗ロック装置
は、家具本体に出し入れ自在に収容された複数の抽斗を
備え、各抽斗の高さ位置に対応して、家具本体の内側に
回動可能に縦設された鍵棒にそれぞれロック部材が固着
され、該ロック部材は鍵棒の前側に位置するラッチと、
鍵棒の後側に位置するカム部とを上下に高低差をもって
配してなり、各抽斗の外側面には、鍵棒がロック状態の
ときラッチと係合するストッパと、該ストッパより後方
に位置して、1つの抽斗が引き出された場合にカム部を
介して鍵棒を回動し他の抽斗のストッパにラッチを係合
する操作片とが設けられていることを特徴としている。
【0008】請求項1記載の構成によれば、ロック機構
のラッチ及びカム部とが鍵棒の前後に振り分けた状態に
設けられているので、鍵棒を中心とする梃子の作用を理
想的な配置とバランスをもって実現することができる。
したがって、鍵棒の変形や鍵棒支持部の偏摩耗を防止し
て鍵棒の円滑な回転操作性を維持することができる。ま
た、ロック部材をなすカム部とラッチとを鍵棒の前後に
振り分けた構造としたことにより、抽斗の外側面と家具
本体の内側面との間の収容スペースを削減することが可
能となり、抽斗の収納力を高めることができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の家具用
抽斗ロック装置において、鍵棒が家具本体の後部寄りに
配置され、ロック部材のカム部がラッチの下側に配置さ
れ、抽斗を完全に引き出した場合に、カム部を操作する
操作片が、該レール体の前端部に設けられた係合部に係
合して抽斗の脱落を阻止する如く配置されていることを
特徴とする。
【0010】請求項2記載の構成によれば、カム部を操
作する操作片を抽斗の脱落防止のための係合部として兼
用することができるので、部品点数を減少することがで
きる。しかも、ロック部材のカム部がラッチの下側に配
置されているので、抽斗の上下方向における部品配置空
間を削減して、上下寸法の小さな薄型の抽斗にも、抽斗
のロック機構を装備させることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につき
説明する。
【0012】図1から図9までは本発明をファイルキャ
ビネットに適用した場合の第1実施例を示したものであ
り、図1はキャビネットの全体斜視図、図2は抽斗とレ
ール手段とロック機構の構成を示す要部斜視図、図3は
施錠装置の要部を示す側断面図、図4は抽斗とレール手
段とロック機構の構成を示す正断面図、図5はロック部
材の組み立て状態を示す分解斜視図、図6はロック機構
の構成を示す斜視図、図7は抽斗のロック機構を示す平
断面図、図8は施錠状態にあるロック機構を示す平断面
図、図9は1つの抽斗を引き出したときのロック機構の
状態を示す平断面図である。
【0013】はじめに図1を参照すると、前面が開口し
たキャビネット本体1には上下3段の抽斗2が出し入れ
自在に収納されている。図2に示すように、各抽斗2を
支持するレール手段は、キャビネット本体1の左右内側
面(片側内側面のみ図示)に固定した断面略コ字形の本
体固定レール3と、この本体固定レール3内に挿入され
て支持される断面略コ字形の中間移動レール4と、抽斗
2の外側面に固定された抽斗固定レール7とを有してい
る。中間移動レール4の後端には本体固定レール3の上
面部3aの下面に当接するローラ5が軸支されており、
また、中間移動レール4の前端近傍及び後端近傍にはそ
れぞれ本体固定レール3の底面部3bの上面に当接する
ローラ6が軸支されている。一方抽斗2の抽斗固定レー
ル7はローラ6の上面で支持されるようになっている。
【0014】上述したレール手段によれば、、中間移動
レール4を介して抽斗2をキャビネット本体1の前方に
大きく引き出すことができるが、中間移動レール4を省
略したいわゆるシングルサスペンション形態のレール手
段を用いてもよい。
【0015】キャビネット本体1の片側の内側には、鍵
棒8が軸回りに回動可能に縦設されており、各抽斗2の
外側面に突設したストッパ9に対応する鍵棒8にはロッ
ク部材10が設けられている。ロック部材10は鍵棒8
の周壁をプレス加工されることによって形成された係合
片8cに上下動及び回動が不能に一体的に嵌着された合
成樹脂製のラッチ10aと、これに一体的に形成された
カム部10bとを備えている。
【0016】該ロック部材10は、例えばPP,AB
S,またはポリカーボネート等の比較的強度の高い合成
樹脂成形品から成り、鍵棒8の中途部に装着される、装
着部10cは、一側の周壁を開放した縦割筒状に形成さ
れて鍵棒8の外周壁に接合し、鍵棒8の上記係合片8c
に嵌合して軸回り及び軸方向の移動を規制する嵌合凹部
10dを備え、合成樹脂の弾性変形を利用したヒンジ1
0eを介して一体に設けられた閉止部10fを上記装着
部10cと共に、鍵棒8を挟み込み状態に閉止して遊端
側に設けられた係合爪をラッチ10aの基部側に嵌合す
ることにより、固着されている。
【0017】さらに、装着部10cの上側にはカム部1
0bの基部が一体に設けられ、ラッチ10aとは反対の
後方に向けて水平に延長され、抽斗2の側面に対峙して
山形突状に形成されたカム面の裏面側には、剛性を高め
るための補強リブが形成されている。
【0018】一方、ラッチ10aに対峙する抽斗2の側
壁面には金属板をプレス加工して形成されたストッパ9
が溶接により固着され、さらに、カム部10bの僅か後
方に位置する抽斗2の側壁面には、金属板をプレス成形
して形成された操作片としての操作ブロック12が溶接
によって固着されている。
【0019】以上の如く形成されたロック部材10は、
1つの抽斗2を引き出すと、移動した抽斗2に設けられ
た操作ブロック12がカム部10bを押し動かし、鍵棒
8を閉鎖方向に回動する。これにより全てのラッチ10
aが閉鎖状態に回動し、他の全ての抽斗2のストッパ9
に係合して、他の抽斗2を収納状態でロックするように
構成されている。このとき、上記ロック部材10はラッ
チ10aとカム部10bとが鍵棒8を挟んで略直線的に
配置されているので、梃子の原理が理想的に働き、ラッ
チ10aやカム部10bの基部等に局部的な応力の集中
を招くことなく、且つ、スムーズに、ラッチ10aをス
トッパ9に係合させることができる。
【0020】また、図1〜図4に示されるようにキャビ
ネット本体1には施錠装置11が設けられている。この
施錠装置11はキャビネット本体1の天板1aの上前面
部と天板1aの内側に固設された前補強板1bとに支持
されて前後に進退移動可能となっている。図3および図
7はこの施錠装置11がキャビネット本体1の前方に突
出した解錠状態を示している。この施錠装置11を後方
に押し、施錠装置11のキーシリンダー部11aに差し
込んだ図示しないキーを回すと、施錠装置11はその押
し込まれた施錠位置にロックされるように成っている。
施錠装置11には後方に延びる作動板13が一体に設け
られており、該作動板13は金属製のフレーム14とそ
の後端部に取り付けられた樹脂製のブロック片15とか
らなっており、ブロック片15に設けられたばね係合部
15cとキャビネット本体1の前補強板1bとの間に作
動板13および施錠装置11を前方に付勢する引張ばね
16が取り付けられている。
【0021】図3および図6に示すように、作動板13
のブロック片15には係合孔15aが形成されており、
鍵棒8はその上端より略水平に延びてブロック片15の
係合孔15aに係合するアーム8aを有する。係合孔1
5aは、作動板13が解錠位置(前進位置)にあるとき
アーム8aが該係合孔15a内を前後に進退移動して鍵
棒8のラッチ10がストッパ9に対し係脱し得るように
前後方向に長穴状に形成されている。係合孔15aの中
央部にはアーム8aを該係合孔15aの前端又は後端に
係止するための屈曲部15bが形成されている。また、
屈曲部15bと対向する係合孔15aの壁部15dは撓
み変形し得るように薄肉に形成されている。したがっ
て、アーム8aに適度の力が加えられると、ブロック片
15の壁部15dを撓み変形させつつ屈曲部15bを通
過することができる。
【0022】なお、鍵棒8のアーム8aの先端部には該
アーム8aが係合孔15aから不用意に抜け出ることを
防止するための係合凸部8bが設けられている。
【0023】上記構成を有する施錠装置11のキーシリ
ンダー部11aを図示しないキーにより押し込み操作し
鍵棒8をロック方向に回動させると、図8に示すよう
に、全てのラッチ10aが抽斗2のストッパ9に係合す
るので、全ての抽斗2をキャビネット本体1内の収納位
置にロックすることができる。さらに、この状態におい
てキーを施錠方向に回動操作することにより、キーシリ
ンダー部11aがキャビネット本体1に没入した状態で
ロックされ、全ての抽斗2を引き出すことのできない施
錠(キーロック)状態が確保され、解錠キーが無ければ
抽斗2を引き出すことが出来ない状態となる。
【0024】また、図7に示すように施錠装置11をキ
ーにより解錠方向に回動操作し、引張ばね16の復元力
により、自動的にキーシリンダー部11aを突出させる
と、鍵棒8はロック解除方向に回動され、全てのラッチ
10aが抽斗2のストッパ9から離脱するので、全ての
抽斗2が引き出し自在となる。さらに、1つの抽斗2が
キャビネット本体1より引き出されると、図9から判る
ように、その抽斗2の外側面に設けられている操作ブロ
ック12がカム部10bの山形カム面に当接して鍵棒8
をロック方向に回動させるので、他の抽斗2を収納位置
に安全にロック(安全ロック)することができる。そし
て、抽斗2がキャビネット本体1より引き出されるとき
に、その抽斗2の外側面に設けられている操作ブロック
12がカム部10bに当接し鍵棒8をロック方向に回動
させる操作の前後には、カム部10bは抽斗2および操
作ブロック12に対して一切触れることが無いので、抽
斗2を軽い力で出し入れ操作することができる。また、
抽斗2或いは抽斗2を案内するレール手段にロック用の
窓部を開設する必要もないので、それらの強度低下を防
止することができると共に、抽斗2内の収納空間を安全
に最大限利用することができる。
【0025】さらに、ロック部材10は、ラッチ10a
とカム部10bとを一体的に構成すると共に、該ラッチ
10aを鍵棒8の前方に配置し、また、カム部10bを
鍵棒8の後方に配置する振り分け構造をとったことによ
り、鍵棒8を中心とした回動操作時の作動バランスが良
好となり、さらに、部品に掛る応力の集中を低減し、従
来金属部品を用いていたロック部材10の全てを合成樹
脂化することが可能となった。また、鍵棒8への固着構
造もまた、合成樹脂の弾性を利用した閉止部10fによ
るものであり、徹底した組立部品の簡素化がなされたも
のである。このような新規な構造により、部品点数を減
少し、且つ、部品の軽量化と低コスト化を進展させるこ
とができた。
【0026】また、ロック部材10の主要部を前後に振
り分けた構造としたことにより、抽斗2の外側面とキャ
ビネット本体1の内側面との間に形成されるロック部材
10の収容のための空間を減少させることが出来たるの
で、抽斗2の収納力を増加することができる等の利点が
生まれるものである。
【0027】上記構成のロック機構においては、施錠装
置11と一体に設けられた作動板13のブロック片15
には前後方向に長孔状の係合孔15aが形成され、該係
合孔15aの中央部には鍵棒8のアーム8aを該係合孔
15aの前端又は後端に係止するための屈曲部15bが
形成され、さらに、アーム8aは、該屈曲部15bまた
は該屈曲部15bと対向する係合孔15aの壁部15d
の弾性変形により該屈曲部15bを通過可能であるの
で、施錠装置11が解錠位置にあるとき、鍵棒8のアー
ム8aは係合孔15a内の屈曲部15bによって係合孔
15a内の前端または後端に安定に係止され得ると共
に、適度の外力を受けたときは屈曲部15bと対向する
係合孔15aの壁部15dを弾性変形させつつ該屈曲部
15bを通過することができる。したがって、作動板1
3の前後移動によるキーロックおよび解錠と、抽斗2の
出し入れに伴う他の抽斗2の安全ロックおよびロック解
除とをそれぞれ確実に行うことができる。すなわち、施
錠装置11の作動板13がロック解除のために解錠位置
へと移動されると、鍵棒8の一端のアーム8aは作動板
13のブロック片15の係合孔15aの前端に係止され
たままロック解除方向に回動変位される。そして、この
とき、アーム8aは屈曲部15bによって係合孔15a
の前端に係止されるので、アーム8aが不用意に係合孔
15aの後端側すなわちロック方向に移動することを防
止できる。また、その後何れかの抽斗2が引き出される
と、アーム8aは係合孔15aの屈曲部15bと対向す
る係合孔15aの壁部15dを弾性変形させることによ
って該屈曲部15bを通し、解錠位置に保たれている作
動板13の係合孔15aの前端から後端へと移動する
が、このとき、アーム8は屈曲部15bによって係合孔
14aの後端に係止されるので、アーム8aが不用意に
係合孔15aの前端側すなわちロック解除方向に移動す
ることを防止できる。
【0028】さらに、上記構成のロック機構において
は、操作ブロック12は、金属板から同部品の展開形状
を打ち抜き加工し、これを箱状にプレス加工した後に、
抽斗2の外側面に溶接により固着されたものであり、形
状が単純で、従前の複雑な構造のものに比較して、製造
を極めて容易にすることができた。
【0029】図10から図12までは本発明のロック機
構部の第2実施例を示したものであり、図10は、構造
を明示するために上下を分離して示したロック部材の鍵
棒への取り付け構造を示す分解斜視図、図11は鍵棒に
取り付けられた状態を示すロック部材の斜視図、図12
は操作ブロックの構造を示す分解斜視図である。
【0030】図10に示されるロック部材20は、第1
実施例において既に詳述したファイルキャビネットに使
用可能なものであり、本実施例では、構造の異なる部分
のみについて以下説明することとする。まず、ロック部
材20は、鍵棒8の周壁にプレス加工、または、切削加
工を施すことにより形成された一対の係合凹部である平
行面8dに上下動及び回動が不能に一体的に嵌着された
ラッチ20aと、これに一体的に形成されたカム部20
bとを備えて成る合成樹脂製の部品である。
【0031】上記ラッチ20aとカム部20bは上下に
位置をずらして配置されて、ラッチ20aにはストッパ
9が対応し、また、カム部20bには操作ブロック22
が対応するように構成されている。ロック部材20の鍵
棒8に対する装着部20cは、一側の周壁を開放した縦
割筒状に形成されて鍵棒8の外周壁に接合し、鍵棒8の
上記平行面8dに嵌合して軸回り方向の移動が規制さ
れ、さらに、平行面8dの上下に形成された円弧状の断
面部分にて軸方向の移動が規制される嵌合凸部20dを
備えている。そして、ラッチ20aの後方に対応する装
着部20cの更に後部には、上下に一対のヒンジ溝20
eが形成され、これらのヒンジ溝20eに対して、別体
に設けられた閉止片21の枢軸部21aを枢着し、鍵棒
8を挟み込む状態で、該閉止片21を回動し遊端側に形
成された係合爪21bをラッチ20aの基部側に形成さ
れた係着部に嵌合することで固着されている。該カム部
20bは装着部20cの上側に一体に設けられ、ラッチ
20aとは反対側の後側に配置され、山形に形成された
カム面は抽斗2の側面に対峙する如く形成され、同カム
面の裏面には、剛性を高めるための補強リブが形成され
ている。
【0032】そして、抽斗2を収納した状態にあっては
上記ラッチ20aに、図12に示す、抽斗2のストッパ
9が対峙され、且つ、カム部10bの僅か後方に位置す
る抽斗2の側壁面には、操作ブロック22が設けられて
いる。該操作ブロック22は、金属板をプレス成形して
形成され、抽斗2の側面に溶接等により固着された係接
片23と、この係合片23に装着される合成樹脂製のブ
ロック片24とから構成されており、該ブロック片24
は上記係接片23の内向きに対峙する左右の保持枠23
aと、抽斗2との接合面に形成された係合穴23bと
に、弾性的に圧入されて嵌合装着される非保持部24a
および係合凸部24bとを備え、さらに、上方から挿着
した際に保持枠23aの上端部に当接して落ち込みを阻
止する係止片24cとを備えて形成され、差し込み操作
するだけで、極めて簡単に取り付け作業を完了すること
ができるように形成されている。
【0033】図13は本発明に包含される家具用抽斗ロ
ック装置をファイルキャビネットに応用した第3実施例
を示したものであり、キャビネット本体に組み込まれた
ロック機構部の概略的構成を示す側断面図である。
【0034】本実施例において前述までの各実施例で説
明した家具と異なる構成について詳述すれば、鍵棒8を
キャビネット本体1の後方に配置し、さらに、鍵棒8の
前後に振り分けて設けられたロック部材30のラッチ3
0aとカム部30bとの上下関係を前述までの実施例と
は逆の配置とし、カム部30bを下側に配して中間移動
レール4側に近付け、抽斗2を引き出したときには、カ
ム部30bを操作する操作ブロック31が中間移動レー
ル4の先端の係合部4aに係合して、抽斗2の不用意な
脱落を防止するように構成したものである。
【0035】つまり、従来構造においては、中間移動レ
ール4の先端部に係合部4aが設けられ、抽斗2の後側
の側面には該係合部4aに係合して不用意な抽斗2の脱
落を防止するための、専用の係合ブロックが設けられて
いた。そして、本実施例では該係合ブロックを廃止し、
カム部30bを操作するための操作ブロック31を、抽
斗2の脱落防止のための係合ブロックとしても兼用する
ように構成したものである。このように構成したことに
より、部品点数を減少し、且つ、従来はロック機構を省
略せざるを得なかった上下の厚み寸法が少ない薄型の抽
斗2等に対しても、同様のロック機構を採用することが
できるようになった。
【0036】なお、中間移動レール4を省略したいわゆ
るシングルサスペンション形態のレール手段を用いた場
合であっても、操作ブロック31を抽斗2の脱落防止の
係合ブロックに兼用する同様の構成が可能であることは
勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、キーロックによる収納状態での抽斗のロックと、1
つの抽斗を引き出した場合に、ロック機構が作動して、
他の抽斗が不用意に引き出されることを防止することが
できるものであり、上記ロック機構のロック部材の一部
を構成するラッチおよびカム部を、それぞれ、鍵棒の前
後に振り分けて配置したことにより、鍵棒をその軸心周
りにバランスよく回動させ、円滑な操作性を確保するこ
とができる。さらに、ラッチ及びカム部を鍵棒の前後に
振り分けたことにより、それらの収容に必要な抽斗の外
側面と家具本体の内側面との間の間隔を縮めることが可
能となり、従前の構造に比較して、抽斗の収納力を向上
することにも成功したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をファイルキャビネットに適用した場合
の第1実施例を示すキャビネットの全体斜視図である。
【図2】図1のキャビネットの抽斗とレール手段とロッ
ク機構の構成を示す要部斜視図である。
【図3】解錠位置にある施錠装置の要部横断面図であ
る。
【図4】抽斗とレール手段とロック機構の構成を示す要
部正断面図である。
【図5】第1実施例のロック部材の構成を示す分解斜視
図である。
【図6】第1実施例のロック部材と鍵棒のアーム部を示
す斜視図である。
【図7】解錠され抽斗を自由に引き出される状態を示す
要部の平断面図である。
【図8】施錠され抽斗がロックされた状態を示す要部の
平断面図である。
【図9】1つの抽斗を引き出し他の引き出しがロックさ
れた状態を示す要部の平断面図である。
【図10】第2実施例のロック部材を一部に切断面を設
けて示す分解斜視図である。
【図11】第2実施例のロック部材の構成を示す斜視図
である。
【図12】第2実施例の操作ブロックの要部構造を示す
分解斜視図である。
【図13】第3実施例における家具の概略的構成を示す
側断面図である。
【符号の説明】
1 キャビネット本体(家具本体) 2 抽斗 8 鍵棒 8b 係合凸部 8d 平行面(係合凹部) 9 ストッパ 10 ロック部材 10a ラッチ 10b カム部 10e ヒンジ(弾性変形可能な薄肉部) 10f 閉止部 11 施錠装置 12 操作ブロック(操作片) 21 閉止片 21b 係合爪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家具本体に出し入れ自在に収容された複
    数の抽斗を備え、各抽斗の高さ位置に対応して、家具本
    体の内側に回動可能に縦設された鍵棒にそれぞれロック
    部材が固着され、該ロック部材は鍵棒の前側に位置する
    ラッチと、鍵棒の後側に位置するカム部とを上下に高低
    差をもって配してなり、各抽斗の外側面には、鍵棒がロ
    ック状態のときラッチと係合するストッパと、該ストッ
    パより後方に位置して、1つの抽斗が引き出された場合
    にカム部を介して鍵棒を回動し他の抽斗のストッパにラ
    ッチを係合する操作片とが設けられていることを特徴と
    する家具用抽斗ロック装置。
  2. 【請求項2】 鍵棒が家具本体の後部寄りに配置され、
    ロック部材のカム部がラッチの下側に配置され、抽斗を
    完全に引き出した場合に、カム部を操作する操作片が、
    該レール体の前端部に設けられた係合部に係合して抽斗
    の脱落を阻止する如く配置されていることを特徴とする
    請求項1記載の家具用抽斗ロック装置。
JP8071294A 1996-02-29 1996-02-29 家具用抽斗ロック装置 Abandoned JPH09234129A (ja)

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