JP2002067623A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
れについても確立するのは困難であったのを、確立でき
たリブ基調パターンのタイヤを提供する。 【解決手段】 周溝で隔てられたリブ基調のトレッド1
を有し、前記周溝は、トレッド1の左右ショルダ部位に
て周方向に延伸した左右のショルダ周溝7L、7Rを広
幅溝として備え、このショルダ周溝7L、7Rを介して
左右のサイドリブ8L、8Rと左右のショルダリブ9
L、9Rを左右組として隔離しており、この左右のショ
ルダリブ9L、9Rのそれぞれにショルダ周溝7L、7
Rに連なるサイプ10L、10Rを周方向の間隔を有し
て形成しているとともに、このサイプ10L、10Rに
連なる横溝11L、11Rをトレッド外方端に開口して
形成している。
Description
調パターンで構成した空気入りタイヤに係り、ハイドロ
性能、ドライ性能および静粛性能を兼備させた空気入り
タイヤに関するものである。
走行性能を高めるためにはタイヤの扁平化及びトレッド
部の強度アップ等が有効とされているが、このタイヤに
ウェット路面での操縦安定性をも持たせるためには、扁
平化に伴って幅広化されているトレッド部での排水性を
高めておくことが必要になってくる。そこで、この場合
の方策のひとつとしてハイドロ性能を上げるために、接
地比率を下げ、またグリップを保つためトレッドゴムに
ソフトコンパウドゴムを採用すると摩耗ライフが悪くな
り、又、溝体積(面積)を増やしてハイドロ性能を上げ
ると静粛性能(静音性能又は低騒音性)を損なう原因と
なる。
部の幅方向中央部に周溝を設けると共に、この周溝の両
側域に対して、周溝寄りの溝端を回転方向の先流側へ傾
けるようなかたちで幅方向に延びる斜め方向の溝(即
ち、正面視した状態ではV字状パターンとなる)を、周
方向に所定間隔で複数設けるといったことが行われてい
る(例えば、特開昭62−214004号公報、特開平
6−19910号公報、特開平9−164813号公報
等参照)。ところで、空気入りラジアルタイヤに関する
一般論としては、ドライ路面を高速走行する場合等のグ
リップ力および操縦安定性を発現させるためには、トレ
ッド部にあまり溝等を設けないリブ基調のトレッドパタ
ーンが好適であり、反対に、ウェット路面での操縦安定
性及び走行性能を高めるためには、トレッド部に多くの
溝を設ける方が好適である。
溝を設けるうえでは、上記一般論として与えられる二律
背反した要請を両立させる必要があり、これは非常に複
雑で困難なものとなっている。のみならず、トレッド部
に溝を多く設けすぎた場合には、この溝が路面から蹴り
上げられるときに生ずる空気放出音が騒音となる問題
や、溝の開口縁に伴って発生する振動で乗り心地が低下
するという問題等があるし、更に、溝によってトレッド
部が過剰な剛性低下を起こし、これが原因となってヒー
ルアンドトウ摩耗(偏摩耗)が発生し易くなり、このヒ
ールアンドトウ摩耗が発生したときには、またこれが原
因となって騒音を益々大きくさせてしまうといった問題
等があった。
下、従来例1という)においては、以下のことが開示さ
れている。騒音は、空気の振動(主要周波数:800〜
2000Hz)により発生し、特に1000Hz前後の
周波数の範囲が騒音の発生量として最も多いことから、
この音域での音圧レベルを低減することが低騒音性につ
ながる。この騒音の発生原因には、タイヤが凹凸のある
路面を走行する時にトレッド接地面を形成するが、この
際、接地面内の溝に空気が流入し、この流入空気を放出
する際に発生する気柱共鳴音によるものがある。
気入りタイヤの場合、通常路面を走行する場合には気柱
共鳴音が発生し、周溝の溝容積が大きいほど大きな気柱
共鳴音を発生する。この気柱共鳴音は、トレッド接地長
によりその音域が変化するものの、騒音としての音の範
囲内(周波数:1000Hz前後)にあるためこの気柱
共鳴音の発生量の低減が騒音の抑制に大きく影響する。
したがって、騒音を低減するためには、周溝の溝容積を
小さくする方が望ましい。しかし、排水性については、
溝容積が大きいほど有利となる。したがって、高排水性
と低騒音性の両立は、溝容積、すなわち溝幅や溝深さの
適正化だけでは困難な状況にあった。
とともに周溝の配設位置の適正化をも図ることにより、
気柱共鳴音による騒音を低減し、かつ十分な排水性を確
保すべく検討を行った。具体的には、二種類の異なる溝
幅の周溝をそれぞれトレッドに配設し、それらの配設位
置を、トレッド中央域と側方域とに配設した場合の騒音
性と排水性についての検討を行った。その結果、以下の
知見を得た。 1.周溝をトレッド側方域よりも、中央域に設ける方が
騒音発生量が大きい。 2.溝容積の大きい周溝は中央域よりも側方域に配設す
る方がより好ましい。
両立を図るには、トレッドの中央域では特に騒音の低減
を、側方域では特に排水性の向上を主とするような周溝
を配設すればよいことがわかった。そこで、本考案は、
トレッドに、タイヤ赤道面に対し平行に延びる二本の広
幅周溝と、これら広幅周溝間でやはりタイヤ赤道面に対
し平行に延びる狭幅周溝とを備える空気入りタイヤにお
いて、広幅周溝は、その溝幅中心がタイヤ赤道からそれ
ぞれトレッド接地半幅の40〜70%の範囲内の隔たり
をおいて位置し、各広幅周溝の溝幅がトレッド接地幅の
8〜14%の範囲であることを特徴とする空気入りタイ
ヤが提案されたのである(従来例の1)。
いては、広幅周溝と狭幅周溝の位置および溝幅を規定す
ることにより、「トレッドに周溝を備え、かつ上記適正
ネガティブ率の範囲内で一定とした空気入りタイヤにお
いて、各側方域に広幅周溝を設けることにより十分な排
水性を確保できるとともに、中央域には狭幅周溝を配設
することで、中央域の排水性を低下させずに騒音となる
気柱共鳴音の発生量の大幅な低減が図れる。」というも
のであった。
平空気入りラジアルタイヤは、ハイドロ性能(高排水
性)と静音性能(低騒音性)とともに、ドライ性能が要
望され、特に、高速時の操縦安定性(操安性)が重視さ
れ、この操安性が劣化しては高排水性および低騒音性を
満足してもタイヤとしての本来の性能が犠牲になってい
た。また、高排水性(ハイドロ性能)についても直線ハ
イドロ性能は良好であるものの、ラテラルハイドロ性能
(コーナリング時の横方向排水性)についてはこの性能
が余り期待できないものであった(従来例の1ではそも
そもラテラルハイドロ性能についての認識がないもので
あった)。
(課題解決の思想)を共通とするも、これを更に一歩進
めた発想の下で、ハイドロ性能(直進ハイドロ性能およ
びラテラルハイドロ性能をいう)、ドライ性能、静粛性
能のいずれについても満足できるところの空気入りタイ
ヤ、特に、偏平空気入りラジアルタイヤを提供すること
が目的である。
によって隔離されたリブを有するリブ基調のパターンで
構成されたトレッドを備えている空気入りタイヤ、特
に、偏平空気入りラジアルタイヤにおいて、前述の目的
を達成するために以下の技術的手段を講じたのである。
すなわち、前記周溝は、トレッド1の左右ショルダ部位
にて周方向に延伸した左右のショルダ周溝7L、7Rを
広幅溝として備え、このショルダ周溝7L、7Rを介し
て左右のサイドリブ8L、8Rと左右のショルダリブ9
L、9Rを左右組として隔離しており、この左右のショ
ルダリブ9L、9Rのそれぞれにショルダ周溝7L、7
Rに連なるサイプ10L、10Rを周方向の間隔を有し
て形成しているとともに、このサイプ10L、10Rに
連なる横溝11L、11Rをトレッド外方端に開口して
形成していることを特徴とするものである(請求項
1)。
右のショルダリブ9L、9Rにおいては、サイプ10
L、10Rとこれに連なる横溝11L、11Rを形成し
たことで、ラテラルハイドロ性能を確保しているのであ
り、このときサイプ10L、10Rはその切込目が非常
に細かいことから、左右のショルダリブ9L、9Rの剛
性は確保されて直進時はもとよりコーナリング時の操安
性は約束されるし、サイプ10L、10Rであることか
ら、路面蹴出し時の騒音発生は防止できるのであり、こ
こに、ハイドロ性能、ドライ性能、静音性能のすべてを
満足できるのである。
ルダ部位にて周方向に延伸した左右のショルダ周溝7
L、7Rとトレッド1の中央部位の左右にて周方向に延
伸した左右のサイド周溝12L、12Rとで構成され、
前記左右のショルダ周溝7L、7Rは広幅溝で一方前記
左右のサイド周溝12L、12Rは狭幅溝とされ、この
左右のサイド周溝12L、12Rを介してトレッド1の
赤道上にセンターリブ13を形成し、前記左右のサイド
周溝12L、12Rと左右のショルダ周溝7L、7Rを
介して左右のサイドリブ8L、8Rを形成し、前記セン
ターリブ13に対して左右のサイドリブ8L、8Rが広
幅リブとされているとともに、左右のショルダ周溝7
L、7Rを介して形成した左右のショルダリブ9L、9
Rが前記サイドリブ8L、8Rと同幅か若しくは広幅リ
ブとされていることを特徴とするものである(請求項
2)。
位に広幅の左右ショルダ周溝7L、7Rを設けるととも
に、トレッド1の中央部位(クラウン部位又は赤道部
位)に狭幅の左右のサイド溝12L、12Rを形成する
ことによって、トレッド1を全体に亘ってのハイドロ性
能を確保しながら、トレッド1の中央部位にセンターリ
ブ13と左右のサイドリブ8L、8Rを形成することに
よってドライ性能、特に、ドライ路面を高速走行すると
きの操安性は約束されて自動車の横振れ等を防止できる
のである。
地幅をWとしたとき、請求項1および2に記載の左右の
ショルダ周溝7L、7Rの中心はタイヤ赤道線よりW比
20%〜40%の範囲内に、W比8%〜14%の幅とし
て形成され、請求項2に記載の左右のサイド周溝12
L、12Rの中心はタイヤ赤道よりW比3%〜10%の
範囲内に、W比1.5%〜6%の幅として形成されてい
ることが推奨される(請求項3)。このように、トレッ
ド1の接地幅Wとの間で左右のショルダ周溝7L、7R
および左右のサイド周溝12L、12Rの位置および溝
幅の規制(特定)することによって、ハイドロ性能、ド
ライ性能、静音性を約束できたのである。
て、左右のサイドリブ8L、8Rのそれぞれにはタイヤ
回転方向の先着側にて左右のサイド周溝12L、12R
に連なり後着側にて左右のショルダ周溝7L、7Rに連
なる周方向傾斜溝14L、14Rが形成されていること
が推奨される(請求項4)。このように左右のサイド周
溝12L、12Rと左右のショルダ周溝7L、7Rに連
なる周方向傾斜溝14L、14Rを左右のサイドリブ8
L、8Rに形成することによって、トレッド1の中央部
位の排水を、左右の広幅なショルダ周溝7L、7Rに排
流(集合)することができてハイドロ性能を確保してい
るのである。
溝14L、14Rのそれぞれはこの溝長手方向の中途に
折曲部14L−1、14R−1を有し、この折曲部14
L−1、14R−1から先着側が細溝でかつ周方向に対
する角度が大きな第1溝14L−2、14R−2であ
り、折曲部14L−1、14R−1から後着側が太溝で
かつ周方向に対する角度が小さな第2溝14L−3、1
4R−3として形成されていることが推奨される(請求
項5)。また、左右の周方向傾斜溝14L、14Rのそ
れぞれは折曲部14L−1、14R−1と交差して延び
る部分をもつ延長溝Bと交差部分で止まって(終って)
延びない部分とを周方向で交互に配設されている(請求
項6)。
4Rの先着側を細溝の第1溝14L−2、14R−2と
し、後着側を太溝の第2溝14L−3,14R−3で構
成することによって、トレッドの中央部位におけるリブ
剛性を確保して操安性を約束しながら、静音性を維持し
ているとともに、ハイドロ性能、特に、ラテラルハイド
ロ性能を確保しているのである。更に、前記周溝は、ト
レッド1の左右のショルダ部位にて周方向に延伸した左
右のショルダ周溝7L、7Rを広幅溝として備え、この
ショルダ周溝7L、7Rを介して左右のサイドリブ8
L、8Rと左右のショルダリブ9L、9Rを左右組とし
て隔離しており、左右のショルダ周溝7L、7Rの両立
上り溝壁17L、18L、17R、18Rは、ショルダ
リブ9L、9Rに対して急傾斜でそそり立ってサイドリ
ブ8L、8Rに対して緩傾斜でそそり立っていることを
特徴とするものである(請求項7)。
溝壁17L、18L、17R、18Rをいずれも急傾斜
(鉛直線に対しては低角度)でそそり立たせると、この
周溝7L、7Rの横溝が狭くなってハイドロ性能が劣る
し、また、左右のサイドリブ8L、8Rの側縁がシャー
プ(鋭角)となって横力に対する剛性が不足し片摩耗の
要因となるのを、サイドリブ8L、8Rに対しては緩傾
斜(鉛直線に対しては高角度)でそそり立たせることに
よって、ハイドロ性能を確保しつつ操縦性能、グリップ
性能を向上できてドライ性能を約束したのである。
ルダ部位にて周方向に延伸した左右のショルダ周溝7
L、7Rを広幅溝として備え、このショルダ周溝7L、
7Rを介して左右のサイドリブ8L、8Rと左右のショ
ルダリブ9L、9Rを左右組として備え、前記左右のサ
イドリブ8L、8Rが周方向で2つのブロック要素にて
構成され、前記左右のショルダリブ9L、9Rは周方向
で3つのブロック要素にて構成されていて周方向に繰り
返されるパターンであり、この3つのブロック要素を1
ピッチとしたとき、赤道線を中心に左右が0.5ピッチ
ずらされていることを特徴とするものである(請求項
8)。
に関して0.5ピッチずらされていることにより、ノイ
ズが共鳴せず分散されることとなって静音性能が維持さ
れているのである。更に、前述した請求項1〜3および
請求項7および8に記載の左右のショルダ周溝7L、7
Rには、その溝壁に微細な凹凸模様15L、15Rが形
成されていることが推奨され(請求項9)、前記微細な
凹凸模様15L、15Rはこの断面高さが0.3〜3.
0mm好ましくは1.0〜2.0mmであり、溝側面お
よび/又は溝底面に形成されていることが推奨される
(請求項10)。
を形成することにより、左右の広幅溝であるショルダ周
溝7L、7Rに接地面内において空気が流入し、これを
放出するとき気柱共鳴音の発生が前記凹凸模様15L、
15Rによって分散されて、静音性能を確かにするので
ある。
空気入りタイヤT、特に、偏平空気入りラジアルタイヤ
の実施の形態を説明する。図1は、複数本の周溝によっ
て隔離されたリブを有するリブ基調のパターンで構成さ
れたトレッド1を備えている空気入りタイヤTの要部平
面図を示しており、図2はこのタイヤTの断面図を示し
ている。図2において、左右のビード部2には環状のビ
ードコア3が埋設されており、この左右のビードコア3
はトロイド形状のカーカス4によって跨設され、トレッ
ド1は左右のショルダ5および左右のサイドウォール6
を介してビード部2に連接されている。
位(ショルダ部位よりやや内方側寄)にて周方向に直線
形態(ストレート)で延伸した左右のショルダ周溝7
L、7Rを広幅溝として備え、このショルダ周溝7L、
7Rを介して左右のサイドリブ8L、8Rと左右のショ
ルダリブ9L、9Rを左右組として隔離して備えてお
り、左右のショルダ周溝7L、7Rはタイヤ赤道線Oに
対して互いに平行とされている。前記左右のショルダリ
ブ9L、9Rのそれぞれにショルダ周溝7L、7Rに連
なるサイプ10L、10Rを周方向の間隔を有して形成
しているとともに、このサイプ10L、10Rに連なる
横溝11L、11Rをトレッド外方端に開口して形成し
ている。
したとき、サイプ10L、10Rは横溝11L、11R
に対して先着側におり、このサイプと横溝は周方向に対
して60度〜90度の比較的高角度θ1とされていると
ともに、周溝7L、7Rの深さに対して30〜95%の
溝深さとされている。左右のショルダリブ9L、9Rに
おいて、サイプ10L、10Rの部位を横溝11L、1
1Rで構成すると溝開口が広いことからハイドロ性能は
向上できるものの、路面と接触して蹴り出すとき気柱共
鳴の要因となって静音性が劣るとともにリブがブロック
化されて剛性が低下し、操安性、特に、コーナリング時
の操縦安定性の低下要因となるし、一方、横溝11L、
11Rの部分をサイプ10L、10Rとしてリブ9L、
9Rを全サイプとすると開口が狭くなって静音性、操安
性は向上するもののハイドロ性能、特に、ラテラルハイ
ドロ性能の低下要因となるのである。
部分を開口が狭いサイプ10L、10Rとし、このサイ
プ10L、10Rの形成部分においては実質的にリブと
構成して操安性、静音性を確保してこのサイプ10L、
10Rに連なる部分を横溝11L、11Rに形成するこ
とでハイドロ性能を確保しているのである。ここで、左
右の横溝11L、11Rにあっては、左右の接地幅Wの
両端部近傍において溝底に隆起する帯状の補強帯11L
−1、11R−1を形成することによって横溝11L、
11Rの形成部分の剛性を向上することが偏摩耗等を防
止する観点からも有利である。
7L、7Rとトレッド1の中央部位の左右にて周方向に
直線形態(ストレート)に延伸した左右のサイド周溝1
2L、12Rとで構成され、前記左右のショルダ周溝7
L、7Rは広幅溝で一方前記左右のサイド周溝12L、
12Rは狭幅溝とされ、この左右のサイド周溝12L、
12Rを介してトレッド1の赤道上にセンターリブ13
を形成し、前記左右のサイド周溝12L、12Rと左右
のショルダ周溝7L、7Rを介して左右のサイドリブ8
L、8Rを形成し、前記センターリブ13に対して左右
のサイドリブ8L、8Rのそれぞれが広幅リブとされて
いるとともに、左右のショルダ周溝7L、7Rを介して
形成した左右のショルダリブ9L、9Rのそれぞれが前
記サイドリブ8L、8Rと同幅か若しくはやや広い広幅
リブとされている。
赤道上に直線形態のセンターリブ13が形成され、この
左右両側に直線形態のサイドリブ8L、8Rが形成され
ていることによってドライ路面およびウエット路面での
操安性、グリップ性、特に高速時の操向性、グリップ性
を確保している一方、サイド周溝12L、12Rを形成
することでハイドロ性能を確保し、左右の広幅なショル
ダ周溝7L、7Rによるラテラルハイドロ性能を向上し
ているのである。より具体的に説明すると、図1におい
てタイヤ接地幅Wに対してタイヤ赤道線O−OよりW比
20%〜40%の範囲内W1に中心をおく、W比8%〜
14%巾(W2)の左右のショルダ周溝7L、7Rを形
成しており、W比3%〜10%の範囲内W3に、W比
1.5%〜6%巾W4の左右のサイド周溝12L、12
Rを形成し、これら周方向溝によって隔てられた5本の
リブによるリブ基調パターンのトレッド1とされている
のである。
れには図1および図6で示すようにタイヤ回転方向Qの
先着側にて左右のサイド周溝12L、12Rにそれぞれ
連なり後着側にて左右のショルダ周溝7L、7Rにそれ
ぞれ連なる周方向傾斜溝14L、14Rおよび溝αが形
成されている。このように左右のサイドリブ8L、8R
のそれぞれに左右のサイド周溝12L、12Rと左右の
ショルダ周溝7L、7Rのそれぞれに連なる周方向傾斜
溝14L、14Rを形成することによって、トレッド1
の中央部位のハイドロ性能を確保しながら、この中央部
位から左右方向外方で後着側に向って拡大状として排水
等を流下させ左右の広幅なショルダ周溝7L、7Rに集
水(集合)させることによってハイドロ性能、特に、ラ
テラルハイドロ性能を約束しているのである。
傾斜溝14L、14Rのそれぞれはこの溝長手方向の中
途に折曲部14L−1、14R−1を有し、この折曲部
14L−1、14R−1から先着側が細溝でかつ周方向
に対する角度θ2が例えば30〜70度の大きな角度の
第1溝14L−2、14R−2であり、折曲部14L−
1、14R−1から後着側が太溝でかつ周方向に対する
角度θ3が例えば10〜50度の小さな角度の第2溝1
4L−3、14R−3として形成されているとともに、
これら溝14L、14Rの溝深さは周溝7L、7R、1
2L、12Rの深さに対して80〜100%とされてい
る。
着側としてその溝開口が狭いことから、静音性の極度な
低下要因となることは少なく、グリップ性を確保してサ
イド周溝12L、12Rからの排水を左右方向外方に分
流するのであり、この分流された排水は溝開口が比較的
大きな第2溝14L−3、14R−3を介して確実に左
右の広幅なショルダ周溝7L、7Rに集合させているの
である。この左右の周方向傾斜溝14L、14Rにおい
ては、第2溝14L−3、14R−3を図示のように後
着側に向って溝幅を徐々に拡大することが望ましく、こ
の傾斜溝14L、14Rについて周方向ひとつおきに、
第2溝14L−3、14R−3の溝幅を一定とし、かつ
折曲部(交叉部)14L−1、14R−1を弯曲に形成
したものを採用することが偏摩耗防止等の観点から望ま
しい。
ては、その交叉部14L−1、14R−1において第1
溝14L−2、14R−2および第2溝14L−3、1
4R−3の延長上に延長溝A、Bを周溝の深さに対して
5〜80%として形成するかしないかは自由であり、ま
た、延長溝Bを有するものと有しないものが周方向で交
互に配列され、更に、センターリブ13についても、第
1溝14L−2、14R−2の延長上に略V形の細溝C
を、周溝の深さに対して5〜50%として形成するかし
ないかは自由である。
は、前記左右のサイドリブ8L、8Rが周方向で2つの
ブロック要素にて構成され、前記左右のショルダリブ9
L、9Rは周方向で3つのブロック要素にて構成されて
いて周方向に繰り返されるパターンであり、この3つの
ブロックを1ピッチとした場合、赤道線を中心に左右が
0.5ピッチずらされている。このように赤道線を中心
に左右が0.5ピッチずらされて周方向に配列されてい
ることによって、接地面が刻々と変化することに(すな
わち、タイヤが回転するごとに)よってノイズが分散さ
れて静音性を確保するとともに偏摩耗が防止されてグリ
ップ性能を確保するのである。
を広幅溝と構成することによってハイドロ性能と静音性
をそれぞれ向上できるが、ショルダ周溝7L、7Rにつ
いては気柱共鳴音を物理的(機械的)な構造によってよ
り確実に防止している。すなわち、図1、図3、図6〜
図8で示すように左右のショルダ周溝7L、7Rには、
その溝壁に微細な凹凸模様15L、15Rが形成されて
いるのであり、この凹凸模様15L、15Rによってノ
イズの分散によって気柱共鳴音が減衰されるのである。
(2)で示すようにこの断面高さHが0.3〜3.0m
m好ましくは1.0〜2.0mmであり、溝側面および
/又は溝底面に形成されている。この凹凸模様15L、
15Rの形状は任意であり、梨地模様、図示したスリッ
ト模様、矢羽根模様等にすることも可能であり、溝底面
にこの模様を形成するときは、周溝7L、7Rが広幅で
あることから、タイヤ品名、サイズ、メーカー名等々を
形成することも可能である。
に、左右のショルダ周溝7L、7Rの両立上り溝壁17
L、18L、17R、18Rは、ショルダリブ9L、9
Rに対して急傾斜でそそり立ってサイドリブ8L、8R
に対して緩傾斜でそそり立っている。すなわち、図5に
おいては垂線を基準として角度α、βで示しており、α
≧βであり15度≦α≦60度好ましくは30度≦α≦
50度とされ、5度≦β≦40度好ましくは15度≦β
≦35度とされ、これによって操縦性能、グリップ性能
が向上できるのである。
(1)は左右のサイド周溝12L、12Rが太く(広
く)、左右のショルダ周溝7L、7Rが細い従来一般の
リブパターンを示し、図4(2)は本発明に相当するリ
ブパターンを示している。以下、表1〜表5を参照して
操安性、通過騒音、車内騒音、直線ハイドロ性能、ラテ
ラルハイドロ性能について従来例A、比較例B、D、
E、本発明Cを対比して説明する。
ーンであり、この従来例Aを100として各指数を対比
している。
イド周溝を太く(広く)し、左右のショルダ周溝を細く
したものであり、操安性およびラテラルハイドロ性能に
おいて従来例Aよりも劣ることが解る。
進ハイドロ性能については従来例A[表1]と同じであ
るが、その他の項目においては、いずれも優れているこ
とが解る。
ショルダ周溝をややセンター側にずらして形成したもの
であり、操安性、直線ハイドロ性能については従来例A
よりも劣ることが解る(但し、比較例Dは本発明の範囲
内とする)。
して左右のショルダ周溝を形成したものであり、このタ
イヤEにおいて、左右のショルダリブに、サイプおよび
横溝を形成すると、本発明の範囲内となるのである。な
お、[表1]〜[表5]の各タイヤA〜Eにおいて、接
地巾(左右の破線間距離)は全て同一であり、図中にお
いて黒色部分が周溝、白抜き部分がリブを示している。
ハイドロ性能、ドライ性能、静音性のいずれにおいても
満足できるリブ基調パターンの空気入りタイヤを提供で
きる。
パターン)を示す平面図である。
(2)は拡大部分断面図である。
(2)は本発明である。
Claims (10)
- 【請求項1】 複数本の周溝によって隔離されたリブを
有するリブ基調のパターンで構成されたトレッドを備え
ている空気入りタイヤにおいて、 前記周溝は、トレッド(1)の左右ショルダ部位にて周
方向に延伸した左右のショルダ周溝(7L)(7R)を
広幅溝として備え、このショルダ周溝(7L)(7R)
を介して左右のサイドリブ(8L)(8R)と左右のシ
ョルダリブ(9L)(9R)を左右組として隔離してお
り、この左右のショルダリブ(9L)(9R)のそれぞ
れにショルダ周溝(7L)(7R)に連なるサイプ(1
0L)(10R)を周方向の間隔を有して形成している
とともに、このサイプ(10L)(10R)に連なる横
溝(11L)(11R)をトレッド外方端に開口して形
成していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 複数本の周溝によって隔離されたリブを
有するリブ基調のパターンで構成されたトレッドを備え
ている空気入りタイヤにおいて、 前記周溝は、トレッド(1)の左右ショルダ部位にて周
方向に延伸した左右のショルダ周溝(7L)(7R)と
トレッド(1)の中央部位の左右にて周方向に延伸した
左右のサイド周溝(12L)(12R)とで構成され、
前記左右のショルダ周溝(7L)(7R)は広幅溝で一
方前記左右のサイド周溝(12L)(12R)は狭幅溝
とされ、この左右のサイド周溝(12L)(12R)を
介してトレッド(1)の赤道上にセンターリブ(13)
を形成し、前記左右のサイド周溝(12L)(12R)
と左右のショルダ周溝(7L)(7R)を介して左右の
サイドリブ(8L)(8R)を形成し、前記センターリ
ブ(13)に対して左右のサイドリブ(8L)(8R)
が広幅リブとされているとともに、左右のショルダ周溝
(7L)(7R)を介して形成した左右のショルダリブ
(9L)(9R)が前記サイドリブ(8L)(8R)と
同幅か若しくは広幅リブとされていることを特徴とする
空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 トレッド(1)の接地幅を(W)とした
とき、請求項1および2に記載の左右のショルダ周溝
(7L)(7R)の中心はタイヤ赤道線よりW比20%
〜40%の範囲内に、W比8%〜14%の幅として形成
され、請求項2に記載の左右のサイド周溝(12L)
(12R)の中心はタイヤ赤道よりW比3%〜10%の
範囲内に、W比1.5%〜6%の幅として形成されてい
ることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 左右のサイドリブ(8L)(8R)のそ
れぞれにはタイヤ回転方向の先着側にて左右のサイド周
溝(12L)(12R)に連なり後着側にて左右のショ
ルダ周溝(7L)(7R)に連なる周方向傾斜溝(14
L)(14R)が形成されていることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 左右の周方向傾斜溝(14L)(14
R)のそれぞれはこの溝長手方向の中途に折曲部(14
L−1)(14R−1)を有し、この折曲部(14L−
1)(14R−1)から先着側が細溝でかつ周方向に対
する角度が大きな第1溝(14L−2)(14R−2)
であり、折曲部(14L−1)(14R−1)から後着
側が太溝でかつ周方向に対する角度が小さな第2溝(1
4L−3)(14R−3)として形成されていることを
特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項6】 周方向傾斜溝(14L)(14R)のそ
れぞれは、折曲部(14L−1)(14R−1)から延
びる延長溝(B)を有するものと有しないものが周方向
に交互に配列されていることを特徴とする請求項5記載
の空気入りタイヤ。 - 【請求項7】 複数本の周溝によって隔離されたリブを
有するリブ基調のパターンで構成されたトレッドを備え
ている空気入りタイヤにおいて、 前記周溝は、トレッド(1)の左右のショルダ部位にて
周方向に延伸した左右のショルダ周溝(7L)(7R)
を広幅溝として備え、このショルダ周溝(7L)(7
R)を介して左右のサイドリブ(8L)(8R)と左右
のショルダリブ(9L)(9R)を左右組として隔離し
ており、左右のショルダ周溝(7L)(7R)の両立上
り溝壁(17L)(18L)(17R)(18R)は、
ショルダリブ(9L)(9R)に対して急傾斜でそそり
立ってサイドリブ(8L)(8R)に対して緩傾斜でそ
そり立っていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項8】 複数本の前記周溝によって隔離されたリ
ブを有するリブ基調のパターンで構成されたトレッドを
備えている空気入りタイヤにおいて、 前記周溝は、トレッド(1)の左右ショルダ部位にて周
方向に延伸した左右のショルダ周溝(7L)(7R)を
広幅溝として備え、このショルダ周溝(7L)(7R)
を介して左右のサイドリブ(8L)(8R)と左右のシ
ョルダリブ(9L)(9R)を左右組として備え、前記
左右のサイドリブ(8L)(8R)が周方向で2つのブ
ロック要素にて構成され、前記左右のショルダリブ(9
L)(9R)は周方向で3つのブロック要素にて構成さ
れていて周方向に繰り返されるパターンであり、この3
つのブロック要素を1ピッチとしたとき、赤道線を中心
に左右が0.5ピッチずらされていることを特徴とする
空気入りタイヤ。 - 【請求項9】 請求項1〜3および請求項7および8に
記載の左右のショルダ周溝(7L)(7R)には、その
溝壁に微細な凹凸模様(15L)(15R)が形成され
ていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項10】 微細な凹凸模様(15L)(15R)
はこの断面高さが0.3〜3.0mm好ましくは1.0
〜2.0mmであり、溝側面および/又は溝底面に形成
されていることを特徴とする請求項9に記載の空気入り
タイヤ。
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