JP2002053474A - 新規摂食抑制剤 - Google Patents
新規摂食抑制剤Info
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Abstract
題とする。 【解決手段】 アボガドから無極性有機溶媒を用いて摂
食抑制剤の有効成分を抽出する。
Description
食抑制作用を有する物質を有効成分として含有する摂食
抑制剤に関するものである。
め、様々な方法が考えられている。上記目的を達成する
ための方法として、例えば食事制限をすることが挙げら
れる。ここで食事制限を容易に行うため、食欲抑制作用
を有する薬剤を利用することがある。かかる薬剤として
は、テトラヒドロピリジン化合物(特開昭57−159
714)、デオキシ−D−グルコース誘導体(特開昭6
0−81127)、キチン等のアミノ多糖類(特開昭6
2−123122)、トリグリセリド誘導体(特開平3
−220123)等が挙げられる。
があることが報告されており(特開平11−24642
5)、肥満防止あるいは解消に対する効果が期待される
が、かかるアボガド植物に食事制限を容易にする、摂食
抑制作用を有する成分が含まれていることは知られてい
なかった。
製が容易な摂食抑制剤を提供することを課題とする。
を解決するため精鋭探索したところ、アボガド植物の抽
出物に優れた摂食抑制作用があること見出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、以下に示すも
のである。
理物から有機溶媒を用いて抽出することによって得られ
る摂食抑制作用を有する物質を、有効成分として含有す
る摂食抑制剤。 (2)アボガド植物および/またはその処理物から有機
溶媒を用いて抽出された抽出物をクロマトグラフ分画
し、かかる分画によって得られる摂食抑制作用を有する
物質を有効成分として含有する摂食抑制剤であって、該
摂食抑制作用を有する物質は、ヘキサン/酢酸エチルの
混合比が4/1の有機溶媒を展開溶媒として、メルク社
製シリカゲル60を用いて薄層クロマトグラフィーを行
った時、Rf値が0.19〜0.25の範囲にある、摂
食抑制剤。 (3)前記有機溶媒は無極性有機溶媒である(1)また
は(2)記載の摂食抑制剤。 (4)前記有機溶媒は、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、および四塩化炭素からなる群から選択さ
れる1種または2種以上である、(1)〜(3)の何れ
か一に記載の摂食抑制剤。
る、(1)〜(3)の何れか一に記載の摂食抑制剤。 (6)前記クロマトグラフ分画はシリカゲルカラムを用
いて行われる、(2)〜(5)のいずれか一に記載の摂
食抑制剤。 (7)前記(1)〜(6)の何れか一に記載の摂食抑制
剤を含有する、摂食抑制用医薬用組成物。 (8)前記(1)〜(6)の何れか一に記載の摂食抑制
剤を含有する、摂食抑制用食品用組成物。
有する物質を有効成分として含有する。本発明において
用いるアボガド植物はクスノキ科ワニナシ、アボガド属
(M. shearei, Persea)に属する植物である。ワニナ
シ、アボガド属としては、アメリカナ(P. american
a)、メキシコ系(Mexican race)、ガテマラ系(Guate
malan race)、西インド諸島系(Indian race)等が挙
げられ、特にアメリカナ(P. americana)が好ましい。
ボガド植物の果肉、果皮、種子、葉、葉柄、枝等、並び
にそれらを粉砕、乾燥、濃縮等を行った処理物に含まれ
ているが、特に該物質は果肉、果皮に多く含まれている
ため、それら組織およびそれら組織の処理物が好まし
い。
摂食抑制剤の有効成分とすることも可能であるが、さら
にこれらから抽出を行い、摂食抑制作用を有する物質を
含む抽出物を本発明の摂食抑制剤の成分とすることが好
ましい。
チ式等の方法で、常法により冷浸または温浸にて任意の
時間行う。例えば、アボガド植物の乾燥粉末を、細かく
粉砕し、抽出溶媒に、室温で1〜48時間、浸漬及び又
は振とうして行う。その後、抽出液から抽出残渣を除い
て、減圧または限外濾過を行い抽出物を濃縮する。さら
に、必要に応じて溶媒を留去する。
機溶媒が好ましく、より好ましくは無極性有機溶媒であ
り、具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、四塩化炭素等が挙げられ、中でもn−ヘキサンが
好ましい。
例を以下に例示するが、本発明はこの抽出例に限定され
るものではない。まず、アボガド植物を凍結乾燥し、こ
の乾燥粉末に非水溶性の無極性有機溶媒を加え、この溶
媒に可溶性の成分を抽出する。この際に用いる非水溶性
の無極性有機溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキ
サン等が好ましくは例示できる。アボガド植物に加える
溶媒の量は、乾燥粉末1g当たり、1〜200mlであ
るのが好ましく、5〜50mlであるのが更に好まし
い。操作はアボガド植物にこの溶媒を加えた後、スター
ラー等でよく攪拌し、無極性有機溶媒に可溶性の画分を
抽出する。この操作は、通常2回〜5回繰り返すのが好
ましい。この様にして得られた抽出画分の溶媒を除去す
ることにより油状の抽出物が得られる。溶媒の除去方法
としては、常圧または減圧条件下で溶媒を蒸発させる等
の、通常に用いられる各種の除去方法により行うことが
できる。
ラフィー、分配クロマトグラフィー等の各種クロマトグ
ラフィーを単独あるいは組み合わせて使用してクロマト
グラフ分画することによりさらに分離・精製を行い、か
かる分画により得られた摂食抑制作用を有する物質を含
む分画物を本発明の摂食抑制剤の成分とすることが好ま
しい。ここで、摂食抑制作用を有する物質を含む分画物
は、薄層クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル6
0、展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)におけ
るRf値が0.19〜0.25の範囲内の値であるとい
った特徴を有しているため、これを指標として分画物の
選別を行うことができる。
マトグラフ分画の例を以下に例示するが、これらに限定
されるものではない。上述した抽出物を溶出力の低い溶
出液に溶解し、吸着クロマトグラフィーとしてシリカゲ
ルカラムに供する。溶出力を段階的に高くした溶出液で
溶出させ、経時的に溶出液を採取することにより分画し
て分離・精製する。この分画した画分中の溶媒を除去
し、摂食抑制作用を有する物質を含む分画物を得ること
ができる。溶媒の除去方法としては、常圧または減圧条
件下で溶媒を蒸発させる等の、通常に用いられる各種の
除去方法により行うことができる。また、分画物の選別
は上述した方法により行うことができる。
抑制作用を有する物質が含まれているか否かを判断する
方法としては、特に限定されるものではないが、例えば
マウス等のモデル動物に、かかる抽出物または分画物を
添加した飼料を摂取させる群と、添加しなかった飼料を
摂取させる群とを作製し、一定期間の後にこれら各群の
飼料摂取量および体重の変化等を測定することにより、
摂食抑制作用を有する物質含まれているか否かを判断す
ることができる。
抑制用医薬用組成物 本発明の医薬用組成物は、上記の摂食抑制剤を、常法に
したがって配合したものであり、摂食抑制作用が期待で
きるものであれば特に限定されるものではない。本発明
の医薬組成物の剤型は、特に限定されないが、一般に製
剤上許容される1または2種類以上の担体、賦形剤、統
合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混合して、錠
剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリンク剤等の内服剤
型とすることが好ましい。このような製剤化は、通常、
医薬の製造に用いられる方法にしたがって製剤化するこ
とができる。
の種類、症状、患者の年齢、体重等に異なるが、成人1
日当たり、アボガド植物の無極性有機溶媒抽出物として
100〜5000mgを、また該抽出物をクロマトグラ
フ分画を行うことにより得られた分画物として10〜5
00mgを、1回ないし数回に分けて経口投与するのが
好ましい。
抑制用食品用組成物 本発明の食品用組成物は、上記の摂食抑制剤を、常法に
したがって配合したものである。本発明の食品用組成物
としては、上記の摂食抑制剤を含有するものであれば特
に限定されるものではないが、種々の食品に、食品とし
て通常用いられている任意成分とともに、食品原料に抽
出物を所要量配合することができる。この抽出物を配合
する際に特に留意するすることはなく、通常の製造方法
により加工製造することにより、健康食品、機能性食品
を製造することができる。配合量は、食品の種類のより
異なるが、食品の味を損なわず、且つ十分な摂食抑制効
果を得るためには、食品全量に対して、0.01〜10
重量%の割合で配合するのが好ましい。
明する。
肉部分を凍結乾燥し、乾燥粉末を得た。この乾燥粉末
を、以下の図1に示す流れに従って分画し、後の評価に
使用した。
gに1Lのn−ヘキサンを加え十分に攪拌後、残渣を取
り除いた上清をヘキサン抽出液として得た。この操作を
更に2回繰り返し、計3回の操作により、3000ml
のヘキサン抽出液を得た。この抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮させることにより、58.6gの油状濃縮
物がヘキサン画分から得られた。
Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を酢酸エ
チル抽出液として得た。この操作を更に2回繰り返し、
計3回の操作により、3000mlの酢酸エチル抽出液
を得た。この抽出液をエバポレーターを用いて濃縮乾固
させることにより、0.8gの固形物が酢酸エチル画分
から得られた。
ール1Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を
70%エタノール抽出液として得た。この操作を更に4
回繰り返し、計5回の操作により、5000mlの70
%エタノール抽出液を得た。この抽出液をエバポレータ
ーを用いて濃縮乾固させることにより16.0gの固形
物が70%エタノール画分から得られた。また、操作
(c)により、24.6gのエタノール残渣が得られ
た。
よる分画 次に上記の操作(c)による濃縮乾固物16.0gを5
00mlの蒸留水に溶解させた。そして、この溶液に5
00mlのn−ブタノールを加え十分に攪拌後、分液ロ
ートを用いた向流分配によりブタノール層を抽出した。
残った水層には、更に500mlのn−ブチルアルコー
ルを加え十分に攪拌後、n−ブチルアルコールによる抽
出を行った。この抽出を更に3回繰り返し、計5回の抽
出操作により、2500mlのブチルアルコール抽出液
を得た。このブチルアルコール抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させることにより2.8gの固形物が
ブチルアルコール画分から得られた。
乾燥装置を用いて濃縮乾固させることにより13.2g
の固形物が水溶性画分から得られた。上記の操作による
分画により得られた各分画への分配率(重量%)を表1
に示す。ここで、分配率とは、各分画から得られた固形
物の重量を、分画開始前の重量(100g)で除した値
に100を乗じて%表示したものである。
よる分画 再び操作(a)と同様の操作を規模拡大して行い、ヘキ
サン画分の油状濃縮物を得た。得られた乾燥固形物10
0gを、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(5/1)50
0mlに再溶解し、シリカゲルカラム(メルク社製シリ
カゲル60、8×73cm)に供し、組成を変化させた
溶媒をにより溶出させた。ここで使用した溶出溶媒は、
ヘキサン/酢酸エチル(5/1)、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)、ヘキサン/酢
酸エチル(3/2)、ヘキサン/酢酸エチル(2/3)、酢酸エチル、メタノ
ールであり、この順にカラムに供し、溶出液を経時的に
採取することにより分画した。これらの溶出物について
薄層クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60、
展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を行い、紫外吸収を有
するバンドが確認できなくなった時点で、次の溶出溶媒
に変更した。これら分画された溶出液の分画物について
薄層クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60、
展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を行い、このRf値の
結果を指標として、最終的に7画分に分けた。それぞれ
の画分の収量は、画分は84.1g、画分は1.2
g、画分は1.8g、画分は7.1g、画分は
1.9g、画分は1.5g、画分は2.4gであっ
た。各画分の薄層クロマトグラフィーにおけるRf値、
分配率および溶出溶媒の組成は表2に示す通りである。
の雄性ウィスター系ラットを用いた。4〜5日間の予備
飼育の後、各群の平均体重がほぼ等しくなるように各群
7匹として群分けを行い、それぞれに各試験飼料を2週
間摂取させた。試験飼料の摂取期間を通じて、毎日、飼
料摂取量および体重を測定した。
た、実施例1における各画分を試験添加物として使用し
ており、かかる試験添加物の添加量を表4および5に示
す。ここで表3における各組成物の量は、飼料1kg当
たりのg量で示されている。また、表3における試験添
加物およびコーンスターチは、それぞれ表4および表5
に記載の添加量の試験添加物にコーンスターチを加え、
合計して401g/kgとなるように調製している。な
お、対照群に摂取させた飼料は、試験添加物を含まずコ
ーンスターチのみで401g/kgとなるように調製し
ている。尚、表4における各試験添加物の添加量は、共
にアボガド果肉部分乾燥粉末の5重量%添加に相当する
添加量となっており、表5における各試験添加物の添加
量は、共にヘキサン画分の3.8重量%添加に相当する
添加量となっている。
増加量と飼料摂取量とを表6および表7に示す。ヘキサ
ン画分において、飼料摂取量および体重増加量が他の群
よりも有意に少なく、3日間の摂取により減少している
ことが観察され、ヘキサン抽出画分が摂食抑制作用を有
することが明かとなった。さらにヘキサン画分をクロマ
トグラフ分画することによって得られた画分におい
て、飼料摂取量および体重増加量が他の群よりも有意に
少なく、3日間の摂取により減少していることが観察さ
れ、画分が摂食抑制作用を有することが明かとなっ
た。
して含有する摂食抑制剤は、優れた摂食抑制効果を有す
る。また、本発明の摂食抑制剤は植物由来であるため安
全であり、且つその抽出が容易であるため、処方が容易
な、該摂食抑制剤を含む医薬用または食品用組成物を提
供することができる。
る一例を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 アボガド植物および/またはその処理物
から有機溶媒を用いて抽出することによって得られる摂
食抑制作用を有する物質を、有効成分として含有する摂
食抑制剤。 - 【請求項2】 アボガド植物および/またはその処理物
から有機溶媒を用いて抽出された抽出物をクロマトグラ
フ分画し、かかる分画によって得られる摂食抑制作用を
有する物質を有効成分として含有する摂食抑制剤であっ
て、該摂食抑制作用を有する物質は、ヘキサン/酢酸エ
チルの混合比が4/1の有機溶媒を展開溶媒として、メ
ルク社製シリカゲル60を用いて薄層クロマトグラフィ
ーを行った時、Rf値が0.19〜0.25の範囲にあ
る、摂食抑制剤。 - 【請求項3】 前記有機溶媒は無極性有機溶媒である請
求項1または2記載の摂食抑制剤。 - 【請求項4】 前記有機溶媒は、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、および四塩化炭素からなる群から
選択される1種または2種以上である、請求項1〜3の
何れか一項に記載の摂食抑制剤。 - 【請求項5】 前記有機溶媒はn−ヘキサンである、請
求項1〜3の何れか一項に記載の摂食抑制剤。 - 【請求項6】 前記クロマトグラフ分画はシリカゲルカ
ラムを用いて行われる、請求項2〜5のいずれか一項に
記載の摂食抑制剤。 - 【請求項7】 前記請求項1〜6の何れか一項に記載の
摂食抑制剤を含有する、摂食抑制用医薬用組成物。 - 【請求項8】 前記請求項1〜6の何れか一項に記載の
摂食抑制剤を含有する、摂食抑制用食品用組成物。
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