JP2013035771A - 沈香葉組成物、及びその製造方法、並びに沈香葉抽出物の製造方法 - Google Patents

沈香葉組成物、及びその製造方法、並びに沈香葉抽出物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効成分であるゲンクワニン配糖体の溶出効率を向上できる沈香葉組成物及びその製造方法を提供する。また、ゲンクワニン配糖体の抽出量を増加させることができる沈香葉抽出物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の沈香葉組成物は、焙煎された沈香葉を含有することを特徴とする。また、沈香葉組成物の製造方法において、沈香葉を130〜170℃で焙煎することを特徴とする。また、沈香葉抽出物の製造方法において、沈香葉組成物に水、有機溶媒、又は水/有機溶媒の混合液を添加することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体に容易に適用可能なゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドを含有する沈香葉組成物、及びその製造方法に関する。さらに、その沈香葉組成物の使用方法について、沈香葉組成物から沈香葉抽出物を得るための沈香葉抽出物の製造方法に関する。
一般に、ヒト又はその他の動物において、便の排泄が困難になっている消化器の状態として便秘が知られている。便秘は、種々の原因、例えば過度の脱水症状、食事の偏り、腸の蠕動運動の低下、及び精神的ストレスが関係することにより発生することが知られている。今日、過度のストレスから生じる過敏性腸症により便秘になる人が増加傾向にある。さらに高齢者は、腸の蠕動運動の低下及び筋力の低下により慢性的な便秘になる人が多い。特に将来、高齢化社会の到来により便秘に悩まされる人の大幅な増加を招くことが予想され、老人介護の上でも大きな問題となる可能性がある。
一般に、便秘の予防及び解消方法として、食生活の改善、例えば食物繊維の摂取、水分の十分な補給、適度な運動、腹部のマッサージ等が挙げられる。しかしながら、緩下剤を服用することが最も一般的で確実な方法として実行されている。従来より、安全性の高い植物由来の天然成分からなる緩下剤として特許文献1〜3に開示される組成物が知られている。特許文献1に開示される緩下剤は、有効成分としてセンナエキスを配合している。
また、特許文献2,3は、ジンチョウゲ科沈香の乾燥葉から有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合液を用いて抽出されるゲンクワニン配糖体(ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシド)を有効成分として含有する緩下剤について開示する。
特開平11−180884号公報 特開2007−217398号公報 特開2008−303198号公報
ところが、特許文献1に開示される緩下剤は、有効成分として配合されるセンナエキスが副作用、例えば下痢症状を伴う場合があるといった問題があった。そのため、栄養補助食品のように毎日常用することが困難であるといった問題が生じていた。また、引用文献2,3は、有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの副作用は少ないが、沈香からのゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの抽出効率が悪く、有効量の摂取が容易でないという問題があった。
本発明は、沈香葉より有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドを抽出する際、焙煎された沈香葉を用いて抽出することにより、有効成分の溶出効率を向上できることを見出したことに基づくものである。
本発明の目的とするところは、有効成分であるゲンクワニン配糖体の溶出効率を向上できる沈香葉組成物及びその製造方法を提供することにある。また、ゲンクワニン配糖体の抽出量を増加させることができる沈香葉抽出物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の沈香葉組成物は、焙煎された沈香葉を含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の沈香葉組成物の製造方法において、前記焙煎は、130〜170℃で行われることを特徴とする。
請求項3に記載の発明の沈香葉抽出物の製造方法は、請求項1に記載の沈香葉組成物に水、有機溶媒、又は水/有機溶媒の混合液を添加することを特徴とする。
本発明によれば、沈香葉組成物及びその製造方法において、有効成分であるゲンクワニン配糖体の溶出効率を向上できる。また、沈香葉抽出物の製造方法において、ゲンクワニン配糖体の抽出量を増加できる。
(第1実施形態)
以下、本発明の沈香葉組成物を具体化した第1実施形態を説明する。
本実施形態の沈香葉組成物は、焙煎された沈香の葉から構成される。沈香葉には、緩やかな瀉下作用を有するゲンクワニン5−O−β−プリメベロシド(Genkwanin5-O-β-primeveroside)が含有される。ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドは、下記一般式(1)で示される構造を有するフラボノイド配糖体である。尚、一般式(1)中の「Me」はメチル基を示す。
Figure 2013035771
沈香は、主としてタイ、ベトナム、カンボジア、及びマレーシア等の東南アジアに生息するジンチョウゲ科アクイラリア属(Aquilaria)の植物である。沈香の幹等から得られる油及び樹脂は「沈香」と呼ばれる天然香料として線香等に利用されている。ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドは、沈香木の葉(沈香葉)に多く含有されている。ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドは、緩やかな瀉下作用を有し、また、下痢となる副作用も少ないという特徴を有する。
焙煎は、沈香葉を乾煎りすることにより行われる。具体的には、容器に沈香葉を入れ、水分は加えず、容器の外から所定の温度に加熱することにより行われる。沈香葉の焙煎温度は、好ましくは130〜170℃、より好ましくは140〜160℃で行われる。焙煎温度が130℃未満の場合、沈香葉組成物からの有効成分の溶出量が減少するおそれがある。また、沈香由来の青臭い香りが残り、後味が苦くなる場合がある。一方、焙煎温度が170℃を超える場合、沈香葉組成物からの有効成分の溶出量が減少するおそれがある。また、沈香葉組成物に強い焦げ臭が発生する場合がある。
沈香葉の焙煎時間は、特に限定されないが、高温である焙煎温度を長時間維持すると沈香葉が炭化するおそれがあるため、好ましくは、加熱した容器に沈香葉を投入してさらに加熱を続け、所定の温度に到達したと同時に加熱を停止し、速やかに沈香葉を取り出し、送風して強制冷却を行う。
本実施形態の沈香葉組成物は、緩やかな瀉下作用を得ることを目的とした健康食品、サプリメントとして適用してもよい。また、緩下剤として各種医薬品、医薬部外品に適用してもよい。本実施形態の沈香葉組成物は、直接摂取されてもよく、溶媒、例えば水、有機溶媒、又は水/有機溶媒の混合液を介し、有効成分を溶媒中に溶出させてから摂取してもよい。
本実施形態の沈香葉組成物を飲食品に適用する場合、そのままの形態で、又は種々の食品素材に添加することによって使用することができる。好ましくは、例えばティーバッグ等に包装した形態で茶剤として適用される。また、沈香葉組成物を錠剤、カプセル剤、顆粒剤、及び粉末剤の形態として直接摂取する構成を適用してもよい。前記飲食品としては、その他の食品添加物として糖類、香料、甘味料、油脂、基材、賦形剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。
本実施形態の沈香葉組成物を医薬品として使用する場合は、経口摂取により投与されることが望ましい。剤形としては、特に限定されないが、例えば、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、坐剤等が挙げられる。また、添加剤として賦形剤、基剤等を配合してもよい。
本実施形態の沈香葉組成物を飲食品又は医薬品として摂取する場合、摂取量は、摂取者の年齢、性別、体重、便秘の症状等を考慮して適宜設定することができる。好ましくは、成人1日当たり上記有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの配合量として0.1mg〜100mg/日である。
(作用)
次に、上記のように構成された沈香葉組成物の作用を説明する。
上記実施形態の沈香葉組成物は、沈香葉が焙煎処理されている。したがって、沈香葉からの有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの溶媒に対する溶出効率が向上する。よって、沈香葉組成物を、例えばお茶として適用した場合に、有効成分の抽出効率が向上し、有効成分がより多く抽出された抽出物が得られる。また、短時間に有効成分が溶出した抽出物が得られる。さらに、本実施形態の沈香葉組成物を直接摂取した場合、消化液に対する有効成分の沈香葉組成物からの溶出量の増加により、有効成分の摂取効率の向上が期待される。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の沈香葉組成物は、焙煎処理されている。したがって、沈香葉組成物からの有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの溶媒に対する溶出効率を向上させることができる。
(2)本実施形態の沈香葉組成物は、例えばティーバック及び急須等を用いたお茶の形態で適用される場合、沈香葉組成物からの有効成分の溶出量が多いため、有効成分のより効率的な摂取が可能となる。
(3)本実施形態の沈香葉組成物は、沈香葉の焙煎処理により、溶媒に対する有効成分の溶出効率がより向上する。したがって、沈香葉組成物を直接摂取した場合、消化液に対する有効成分の沈香葉組成物からの溶出量の増加により、有効成分の摂取効率をより向上させることができる。
(4)好ましくは、沈香葉の焙煎処理は、130〜170℃で行われる。したがって、有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの溶媒に対する抽出効率をより向上させることができる。また、沈香特有の苦味を軽減することができる。また、沈香葉組成物に対し、香ばしさを付与することができる。
(5)本実施形態の沈香葉組成物から抽出されるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドは、緩やかな瀉下作用を有する。したがって、沈香葉組成物は、緩やかな瀉下作用を得ることを目的とした飲食品、緩下剤としての医薬品等に好ましく適用することができる。
(6)本実施形態の沈香葉組成物から抽出されるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドは、緩やかな瀉下作用を有するとともに、下痢となる副作用が少ない。したがって、常用により、便秘の改善又は予防を円滑に行なうことができる。
(7)本実施形態の沈香葉組成物は、原料として沈香の葉部(沈香葉)が用いられる。したがって、沈香葉組成物は、他の原料部位から得られる組成物に比べて、より多くのゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドを入手することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態における沈香葉組成物は、ヒトが摂取する飲食品及び医薬品等に対して適用することができるのみならず、家畜の飼料にサプリメント、栄養補助食品、医薬品等として配合してもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明の沈香葉抽出物の製造方法を具体化した第2実施形態を説明する。
本実施形態の沈香葉抽出物の製造方法は、焙煎した沈香葉に溶出用溶媒としての水、有機溶媒、又はそれらの混合液を添加する工程からなる。
焙煎した沈香葉としては、第1実施形態における沈香葉組成物が適用される。溶出用溶媒としては、水、有機溶媒、及び水/有機溶媒の混合液が挙げられる。有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、及びヘキサンが挙げられる。これらの溶媒の中で、水、エタノール、又はエタノール/水の混合液を使用することにより、飲食品及び医薬品に安全且つ容易に適用することができる。エタノール/水の混合液中のエタノールの濃度は、好ましくは55〜95容量%、より好ましくは60〜80容量%である。エタノール濃度が55容量%未満の場合には、ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの抽出量が少ないので好ましくない。一方、エタノール濃度が95容量%を超える場合には、沈香葉組成物から溶媒溶解成分の抽出率が低下し、抽出効率が低下するため好ましくない。
溶出用溶媒の使用容量は、沈香葉の質量に対して好ましくは1〜500倍量、より好ましくは5〜200倍量、さらに好ましくは10〜150倍量である。溶出用溶媒の使用容量が1倍量未満の場合には、有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの抽出率が悪いので好ましくない。逆に溶出用溶媒の使用容量が500倍量を超える場合には、不必要に大きな装置が必要となるばかりでなく、濃縮等の工程に時間を要し、作業性が著しく低下するので好ましくない。また、溶出用溶媒中において、有効成分であるゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの濃度が低下し、有効量の摂取が困難となる。
また、ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドの抽出効率を向上させるために、抽出処理前に採取時に混入するゴミ等の夾雑物を除去し、沈香葉組成物を粉砕することが好ましい。抽出温度は好ましくは30〜100℃の幅広い温度範囲において適用することができる。抽出温度が30℃未満の場合には、有効成分の抽出率が悪いので好ましくない。逆に抽出温度が100℃を超える場合には、抽出溶媒が蒸発するため好ましくない。なお、抽出操作は、前記抽出温度で攪拌又は静置しながら数十秒〜数時間行えばよい。そして、上記の抽出条件で有効成分を十分に抽出した後、濾紙濾過、珪藻土濾過などの濾過処理を行なうことにより沈香葉組成物からゲンクワニン5−O−β−プリメベロシドを含有する沈香葉抽出物を得ることができる。尚、ティーバッグに沈香葉組成物を入れ、常法により茶抽出物(沈香葉抽出物)を得てもよい。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の沈香葉抽出物の製造方法は、沈香葉を焙煎処理することにより得られる沈香葉組成物に溶出用溶媒としての水、有機溶媒、又は水/有機溶媒の混合液を添加する工程からなる。したがって、溶出用溶媒に対するゲンクワニン配糖体の抽出量を増加させることができる。
また、抽出用溶媒を用いた抽出処理について、比較的低温の領域(例えば30〜50℃)においても有効成分の抽出処理を行うことができる。
また、抽出用溶媒を用いた抽出処理について、例えば、ティーバッグ及び急須等を用いた数十秒〜数分の短時間の抽出条件においても有効成分の抽出処理を行うことができる。
(2)好ましくは、抽出用溶媒として、水、エタノール、又はエタノール/水の混合液が用いられる。したがって、飲食品及び医薬品に安全且つ容易に適用することができる。
(3)本実施形態の沈香葉抽出物の製造方法において、例えばティーバッグや急須等に沈香葉組成物を入れ、常法により茶抽出物(沈香葉抽出物)を得てもよい。かかる方法により、より簡便に沈香葉抽出物を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の製造方法により得られた沈香葉抽出物において、溶出用溶媒を用いて抽出した抽出液をそのまま飲食品、医薬品等に適用してもよい。また、溶媒を蒸発させて濃縮処理して適用してもよく、乾燥及び粉末化して適用してもよい。
・上記実施形態の製造方法により得られた沈香葉抽出物は、ヒトが摂取する飲食品及び医薬品等に対して適用することができるのみならず、家畜の飼料にサプリメント、栄養補助食品、医薬品等として配合してもよい。
・溶出用溶媒を用いた抽出方法は、コスト削減のために抽出後の固液分離処理後の抽出液を次の抽出処理に複数回用いてもよい。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<1:沈香葉の焙煎温度の検討>
原料としての沈香葉を下記表1に示す実施例1〜5の焙煎温度で処理を行った。焙煎は、容器に沈香葉を入れ、水分は加えず、容器の外から加熱する乾煎りにより行った。焙煎は、焙煎品の温度が下記表1に示す所定の温度に到達したと同時に、加熱を停止し、焙煎品を速やかに取り出し、送風して強制冷却を行う。比較例1(コントロール)として未焙煎の沈香葉を使用した。比較例1(コントロール)として未焙煎の沈香葉を使用した。
各沈香葉は、各5mm角程度に裁断した。裁断した葉2gに熱湯200mLを投入し、95℃の湯浴中で90秒間抽出した。抽出中は30秒毎に軽く攪拌した。
抽出液をろ過し、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて各々の抽出液中のゲンクワニン配糖体(ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシド)の濃度を求めた。ゲンクワニン配糖体の濃度は標準品を用いて検量線を作成することにより定量した。結果を表1に示す。
HPLCの条件を以下に示す。
装置:LC-20AT。
解析ソフト:LC solution。
カラム:Sunniest C18 内径4.6mm×長さ250mm(クロマニックテクノロジーズ社製)。
流速:1.0mL/分、カラム温度:40℃、分析時間:40分。
移動相:10%アセトニトリル(0分)→50%アセトニトリル(30分)→50%アセトニトリル(50分)の0.1%酢酸入りリニアグラジエント。
測定波長:UV200〜600nm(分析UV330nm)。
Figure 2013035771
焙煎温度が130〜170℃の実施例1〜5の焙煎した沈香葉は、いずれも比較例1の未焙煎の沈香葉に比べてゲンクワニン配糖体の溶出量が多いことが確認された。焙煎温度が150℃の場合が最もゲンクワニン配糖体の溶出量が多いことが確認された。未焙煎の沈香葉の場合、例えは急須で数分間抽出した程度では少量しか摂取できないが、焙煎することによりゲンクワニン配糖体を効率よく溶出できることが確認された。
<2:溶出用溶媒として水を用いた場合の溶出時間及び溶出温度の検討>
(水抽出温度95℃)
上記実施例3の150℃で焙煎した沈香葉(沈香葉組成物)及び比較例1の未焙煎の沈香葉を用い、それぞれ5mm角程度に裁断した。裁断した葉2gに熱湯200mLを投入し、95℃の湯浴中で抽出時間90秒、10分、及び60分間の各条件で抽出した。得られた各々の抽出液中のゲンクワニン配糖体(ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシド)の濃度を上記測定条件に従い、HPLCにより求めた。結果を表2に示す。表2中の数値は、抽出液中のゲンクワニン配糖体の含有量(w/w)を示す。
Figure 2013035771
表2に示されるように、全ての抽出時間において実施例3の焙煎沈香葉は、比較例1の未焙煎沈香葉に対し、ゲンクワニン配糖体の抽出量が多いことが確認された。
(水抽出温度70,50,30℃)
上記実施例3の150℃で焙煎した沈香葉及び比較例1の未焙煎の沈香葉を用い、それぞれ5mm角程度に裁断した。裁断した葉2gに熱湯200mLを投入し、70,50,30℃の各湯浴中で抽出時間90秒、30分、及び60分間の各条件で抽出した。得られた各々の抽出液中のゲンクワニン配糖体(ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシド)の濃度を上記測定条件に従い、HPLCにより求めた。抽出時間70℃の結果を表3、抽出時間50℃の結果を表4、抽出時間30℃の結果を表5に示す。表3〜5中の数値は、抽出液中のゲンクワニン配糖体の含有量(w/w)を示す。
Figure 2013035771
Figure 2013035771
Figure 2013035771
表3〜5に示されるように、各抽出時間及び抽出温度において実施例3の焙煎沈香葉は、比較例1の未焙煎の沈香葉に比べて、ゲンクワニン配糖体の含有量が多いことが確認された。表4,5に示されるように、抽出温度が50℃及び30℃の比較的低温の場合、比較例1ではゲンクワニン配糖体を抽出することはできなかった。一方、実施例3は、抽出時間とともに溶出量が増加することが確認された。
<3:溶出用溶媒として60%含水エタノールを用いた場合の抽出処理の検討>
下記表6に示す実施例1〜5の各焙煎温度で焙煎した沈香葉、及び比較例1の未焙煎の沈香葉を用い、それぞれ5mm角程度に裁断した。裁断した葉2gに60%(v/v)含水エタノール200mLをそれぞれ投入し、常温で抽出時間24時間の条件で抽出した。得られた抽出液をフリーズドライにて粉末化し、50%メタノール溶液に溶解して各HPLC分析試料とした。得られた各々の粉末中のゲンクワニン配糖体(ゲンクワニン5−O−β−プリメベロシド)の濃度を上記測定条件に従い、HPLCにより求めた。結果を表6に示す。
Figure 2013035771
焙煎温度が130〜170℃の実施例1〜5の焙煎した沈香葉は、いずれも比較例1の未焙煎の沈香葉に比べてゲンクワニン配糖体の抽出量が多いことが確認された。
<4:焙煎温度と沈香葉の官能評価>
下記表7に示す実施例1〜5の各焙煎温度で焙煎した沈香葉、及び比較例1の未焙煎の沈香葉について、パネラーが風香味を官能評価した。結果を表7に示す。
Figure 2013035771
表7に示されるように、焙煎温度が130℃未満の場合、沈香由来の青臭い香りが残り、後味が苦くなるおそれがあることが確認された。一方、焙煎温度が170℃を超える場合、沈香葉に強い焦げ臭が生ずるおそれがあることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)沈香葉を焙煎し、溶出用溶媒として水、有機溶媒、又は水/有機溶媒の混合液を添加することにより得られる沈香葉抽出物。(b)沈香葉組成物の製造方法において、沈香葉を140〜160℃で焙煎することを特徴とする。(b)の構成によれば、ゲンクワニン配糖体の溶出量をより増加させることができ、風香味をより向上させることができる。

Claims (3)

  1. 焙煎された沈香葉を含有することを特徴とする沈香葉組成物。
  2. 請求項1に記載の沈香葉組成物の製造方法において、
    前記焙煎は、130〜170℃で行われることを特徴とする沈香葉組成物の製造方法。
  3. 請求項1に記載の沈香葉組成物に水、有機溶媒、又は水/有機溶媒の混合液を添加することを特徴とする沈香葉抽出物の製造方法。
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