JP2002052909A - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents
重荷重用ラジアルタイヤInfo
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Abstract
ム外し時のビード部のトウ欠けを抑制する。 【解決手段】 カーカス6の折返し部6bのタイヤ軸方
向外側からビードコア5の下方にのびるインナーサイド
ウォールゴム層15、ビード外側面S2とビード底面S
1とをなすチェーファ9、及びこのチェーファ9のビー
ドトウ部分4tでの終端面9Sに接しインナーライナ7
の内側面7Sに沿って半径方向外方に厚さを減じてのび
るトウ内側ゴム層16を設ける。トウ内側ゴム層16
は、ゴム硬度が60゜以下、かつ破断時の伸びが500
%以上である。
Description
ス用として好適であり、ビード耐久性を維持しながら、
リム組み及びリム外しする際のビードトウ部分における
ゴム欠け(トウ欠け)を抑制しうる重荷重用ラジアルタ
イヤに関する。
イヤでは、高内圧かつ高荷重下で使用されるため、ビー
ド部はきわめて高い嵌合圧でリムと接触する。そのため
にビード部aには、図3(A)に示すように、トウ部分
atからヒール部分ahを経てビード外側面aoに至る
リムとの接触領域に、ゴム外皮をなす硬質ゴムからなる
チェーファbが設けられている。
は、一般に、空気不透過性のインナーライナゴムcの内
方端c1を被覆して半径方向外方に立上がる立片部b1
を有する構造(便宜上、被覆構造とよぶ)が広く採用さ
れている。これは、インナーライナゴムcの成形フォー
マとの粘着性が高いことに原因するものであり、もし図
3(B)の如く、インナーライナゴムcの内方端c1が
タイヤ内腔面で露出する構造(便宜上、露出構造とよ
ぶ)を採用した場合には、グリーンタイヤを成形フォー
マから取外す際にインナーライナゴムcの前記内方端c
1がチェーファbから剥離しやすくなる傾向となり、こ
れを防ぐためにグリーンタイヤの取外し作業に時間を要
するなど生産効率を損ねるからである。このような観点
から前記被覆構造が広く採用されている。
ム組み/リム外しする際、前記トウ部分atがリムフラ
ンジrfに引掛かって図4(A)、(B)に示す如く変
形するが、この時、前記被覆構造の場合には、タイヤ内
腔面側となる硬質の立片部b1に最大の伸びが作用し、
その結果、ビードコアeの半径方向内方端の高さ位置近
傍において、前記立片部b1に亀裂損傷等のトウ欠けk
が発生しやすくなる。
合のため、押出し成形時の配向性が強く接着性に劣る。
そのため、図4(C)の如く、トウ欠け部から前記チェ
ーファbの界面bsに沿って亀裂が進行し易く、補強コ
ードフィラj(補強コードフィラjがない場合にはカー
カス)に達した場合、錆からコード切れを起こしタイヤ
のバーストに至る恐れもある。
おいて、前記立片部に代わり、ゴム硬度が低くかつ破断
時の伸びが大きい所定ゴム物性の内側ゴム層を形成する
ことを基本として、ビード耐久性を損ねることなくトウ
欠けを効果的に抑制しうる重荷重用ラジアルタイヤの提
供を目的としている。
に、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォ
ール部をへてビード部のビードコアに至る本体部にこの
ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返
す折返し部を一連に設けたカーカスと、タイヤ内腔面を
なし空気不透過性ゴム材からなるインナーライナとを具
える重荷重用ラジアルタイヤであって、前記本体部と前
記インナーライナとの間に半径方向内外にのびかつ内端
部が前記ビードコアの下方に位置するインスレーション
ゴム層、前記折返し部のタイヤ軸方向外側でタイヤ半径
方向内方にかつビードコアの下方にのびるインナーサイ
ドウォールゴム層、このインナーサイドウォールゴム層
のタイヤ軸方向外側に配されかつビードトウ部分に達し
て終端することによりビード外側面とビード底面とをな
すチェーファ、及びこのチェーファが終端する終端面に
接しかつ前記インナーライナのタイヤ軸方向内側面に沿
って半径方向外方に厚さを減じてのびるトウ内側ゴム層
を設けるとともに、前記トウ内側ゴム層は、ゴム硬度が
60゜(デュロメータA硬さ)以下、しかも破断時の伸
びが500%以上であることを特徴としている。
部のゴム硬度が インナーライナ<トウ内側ゴム層≒インナーサイドウォ
ールゴム層<インスレーションゴム層<チェーファ の関係にあることを特徴としている。
ム層は、インナーサイドウォールゴム層と連続すること
を特徴としている。
イドウォールゴム層は、ビードコアの下方において、前
記インスレーションゴム層の下面に接することを特徴と
している。
は、前記インナーサイドウォールゴム層との間に、この
インナーサイドウォールゴム層のゴム硬度より15〜2
5゜大きいゴム硬度のゴムストリップ層を介在したこと
を特徴としている。
図示例とともに説明する。図1は、本発明の重荷重用ラ
ジアルタイヤが、トラック・バス用タイヤとして形成さ
れた場合の子午断面を例示している。
(以下タイヤ1という)は、トレッド部2からサイドウ
ォール部3をへてビード部4のビードコア5で折返され
て係止されるカーカス6と、タイヤ内腔面をなすインナ
ーライナ7とを具える。
跨る本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタ
イヤ軸方向内側から外側に折返す折返し部6bを設けた
1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成
されるものを例示している。このカーカスプライ6A
は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して70〜90
°の角度で配列したいわゆるラジアル構造をなし、カー
カスコードとしてナイロン、レーヨン、ポリエステル、
芳香族ポリアミド等の有機繊維コード、或いはスチール
コードが好適に使用される。
トレッド部2の内方には、ベルト層11を配置してい
る。このベルト層11は、本例では、スチールコードを
用いたベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば60
±10°程度の角度で配列した最内のベルトプライ11
Aと、タイヤ赤道Cに対して30°以下の小角度で配列
したベルトプライ11B、11C、11Dとの4層構造
をなし、例えばベルトコードがプライ間で互いに交差す
る箇所を1箇所以上設けて重置している。ベルトコード
として、必要に応じてナイロン、ポリエステル、レーヨ
ン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードを用いること
ができる。
6bとの間には、ビードコア5から半径方向外方に向か
って先細状にのびるビードエーペックスゴム12が設け
られる。前記ビードコア5は、例えばスチール製のビー
ドワイヤを巻回してなるリング状をなし、本例では、断
面横長の偏平六角形のものを例示するとともに、その半
径方向内辺5Sがビード底面S1と略平行にのびること
によって、リムとの嵌合力を広範囲に亘って高めてい
る。
は、タイヤ内腔面の略全体を形成するインナーライナ7
が、インスレーションゴム層10を介して配される。こ
のインナーライナ7は、例えばブチル系ゴム等を主体と
した空気不透過性ゴムからなり、その半径方向内方端7
Eは、図2に示すように、前記ビードコア5の半径方向
内方端をタイヤ軸方向に通る基準線Xよりも半径方向内
方で終端している。これにより、充填空気を気密に保持
する。
ンナーライナ7と本体部6aとの間に介在して半径方向
内外にのびることにより、両者の接着力を高める高接着
性ゴムであって、天然ゴムが好適に使用される。このイ
ンスレーションゴム層10の内端部10Eは、前記ビー
ドコア5の下方に位置し、詳しくは、該内端部10E
は、インナーライナ7の前記内方端7Eからのびかつカ
ーカス6にビードコア下で接する(或いは交わる)略直
線状の下面10Sを有して終端している。
ス6に隣接し、前記本体部6aと折返し部6bとを包む
ようにビードコア5の廻りでU字に折り返す補強コード
フィラ13を設けた好ましい場合を例示している。この
補強コードフィラ13は、例えばスチールコード又は有
機繊維コードを並列したプライからなり、前記ビード部
4を補強しかつビード剛性を向上させる。
記補強コードフィラ13にビードコア下で接する(或い
は交わる)略直線状に形成されている。なお本例の如
く、前記下面10Sを、ビードコア5の前記内辺5Sと
略平行に形成することが、ビードコア下でのコンプレッ
ションの安定化のために好ましい。
らにインナーサイドウォールゴム層15と、チェーファ
9と、トウ内側ゴム層16とを設けている。
は、前記折返し部6b及び前記補強コードフィラ13の
外巻き上げ部13oと、チェーファ9との間の歪みを緩
衝することを主目的としたものであって、例えばゴム硬
度が57゜±3゜の範囲の軟質ゴムが好適に使用され
る。
−K6253に基づきデュロメータータイプAによって
測定したデュロメータA硬さを意味する。
は、前記折返し部6bのタイヤ軸方向外側でタイヤ半径
方向内方にかつビードコア5の下方にのびる。詳しく
は、インナーサイドウォールゴム層15は、前記折返し
部6b及び外巻き上げ部13oを覆ってビードヒール部
分4hまで半径方向内方にのびる主部15Aと、この主
部15Aに連なりかつビードコア5の下方においてはイ
ンスレーションゴム層10の前記下面10Sに接しての
びる薄厚の副部15Bとを具える。なお副部15Bは、
前記下面10Sよりタイヤ軸方向外側では、前記補強コ
ードフィラ13と接している。
ンゴム層10及び補強コードフィラ13(補強コードフ
ィラ13がない場合はカーカス6)と、チェーファ9と
の間の歪みを緩衝することにより相互の接着強度を向上
せしめ、チェーファ9の界面に沿った亀裂進行を抑制す
る。しかし、この副部15Bのゴム厚さは、1.0mm
以下であることが好ましく、もし1.0mmを越える
と、リムとの嵌合力が低下するとともに、チェーファ自
身のゴム厚さの不足から該チェーファ9に亀裂損傷を誘
発させる恐れを招く。
3oの巻き上げ端および折返し部6bの折返し端を越え
て半径方向外方にのび、本例では、ビードエーペックス
ゴム12のタイヤ軸方向外側面に接して終端している。
この主部15Aのゴム厚さは、前記副部15Bのゴム厚
さより大であることが必要であり、特に1〜2mmとす
ることが、前記緩衝効果を充分に発揮せしめ、前記巻き
上げ端及び折返し端での剥離損傷を防止する上で好まし
い。
ルゴム層15と折返し部6bとの間に、ゴムストリップ
層17を配した場合を例示している。このゴムストリッ
プ層17は、前記外巻き上げ部13oおよび折返し部6
bを囲んでその動きを阻止することによって前記巻き上
げ端及び折返し端での剥離損傷をさらに抑制する。従っ
て、このゴムストリップ層17は、前記インナーサイド
ウォールゴム層15よりもゴム硬度が大であって、特に
インナーサイドウォールゴム層15のゴム硬度より15
〜25゜大きい硬質のゴムが好適に使用される。
ム外皮を形成するリムずれ防止用の硬質ゴムからなり、
ビード外側面S2を形成する立上り部9Aと、この立上
り部9Aに連なりビード底面S1を形成するベース部9
Bとを一体に設けている。なお前記立上り部9Aは、前
記インナーサイドウォールゴム層15のタイヤ軸方向外
側に配され前記ビードヒール部分4hまで半径方向内方
にのびる。また前記ベース部9Bは、前記ビードヒール
部分4hをへてビードトウ部分4tに達して終端する。
ド底面S1及びビード外側面S2は、ビード部4がリム
と接触するリム接触領域を少なくとも含み、これによっ
てリムずれによる損傷を防止する。なお前記立上り部9
Aは、インナーサイドウォールゴム層15の前記主部1
5Aと隣接し、又ベース部9Bは前記副部15Bと隣接
している。
三角形状をなすトウ欠け防止用の軟質ゴムからなり、前
記チェーファ9が終端する終端面9Sに接するととも
に、この終端面9Sから前記インナーライナ7のタイヤ
軸方向内側面7Sに沿って半径方向外方に向かって厚さ
を漸減しながら延在する。なお本例では、前記終端面9
Sが、ビードトウ部分4tの先端Pと前記インナーライ
ナ7の内方端7Eとを継ぐ略直線状をなす場合を例示し
ている。
16Eは、前記基準線Xよりも半径方向外方かつタイヤ
内腔面上で終端し、従って、本願のタイヤ1は、前記イ
ンナーライナ7の内方端7Eを被覆した前述の被覆構造
を構成している。これによって、ビード部4では、前記
基準線X上において、タイヤ内腔面からビードコア5ま
で、タイヤ軸方向外側に向かって、トウ内側ゴム層1
6、インナーライナ7、インスレーションゴム層10、
補強コードフィラ13、カーカス6の順に配置される。
前記インナーサイドウォールゴム層15と連続する一体
のゴムで形成される場合を例示している。これによっ
て、押し出し成形及びフォーマ上でのタイヤ形成が効率
化でき、生産性の維持が図られる。
欠け防止効果を確実に達成するためには、このトウ内側
ゴム層16のゴム硬度を60゜以下、しかも破断時の伸
びを500%以上に規制することが必要である。もし前
記ゴム硬度が60゜より大、或いは破断時の伸びが50
0%未満では、リム組み/リム外し時に前記基準線X下
で集中する局部的歪みに追従できず、トウ欠けが発生す
る傾向となる。
ーサイドウォールゴム層15とを同じ組成のゴムで形成
することが、押し出し成形をさらに効率化するだけでな
く、トウ欠けからの亀裂の進行を促進すること、並びに
カーカス6の折返し端での剥離損傷を抑制するためによ
り好ましい。
下限値は、前述の被覆構造による利点をうるために、イ
ンナーライナ7のゴム硬度より大であることが必要であ
る。特に、耐久性やリム嵌合性等とのバランス良も考慮
したとき、各部のゴム硬度は、以下の関係にあることが
好ましい。 インナーライナ<トウ内側ゴム層≒インナーサイドウォ
ールゴム層<インスレーションゴム層<チェーファ
ションゴム層10、及びチェーファ9は、特に規制され
ることがなく、従来用いられているゴム硬度のものが好
適に使用できる。すなわちインナーライナ7では45゜
±3゜、インスレーションゴム層10では68゜±3
゜、チェーファ9では79゜±3°のゴム硬度のゴムが
好適である。
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
つ図1、2に示す構造のタイヤを、表1の仕様に基づき
試作するとともに、各試供タイヤのトウ欠け性、ビード
耐久性を測定し、その結果を表1に記載した。
ト) 試供タイヤを、リム組み機械(油圧式タイヤチエンジャ
ー)を用いて、サイズ8.25×22.5のアルミホイ
ールリムにリム組みし、トウ欠けの有無を検査した。な
おアルミホイールリムは、フランジの先端が削れフラン
ジ乗越し時にビードトウ部分が引っかかり易いものを使
用した。又タイヤをできるだけ徐々に回すことで、フラ
ンジ乗越し時のダメージを促進させた。 (2)トウ欠け性:(ロードテスト) 走行距離が100,000km以上の1stライフ終了
時点で、ユーザによるリムの取外しを行い、トウ欠けの
有無を検査した。 (3)ビード耐久性:ドラム試験器を用い、内圧(10
00kPa)、荷重(5000kgf)、速度(20k
m/h)で走行させ、ビード損傷が発生するまでの走行
距離(完走は9000km)を、従来例を100とした
指数で表示している。値が大なほど耐久性に優れてい
る。
維持しながら耐トウ欠け性を大巾に向上しているのが確
認できる。なお比較例1では、インスレーションゴム層
とチェーファとの接着性はまだ保たれ、補強コードフィ
ラに達する亀裂には至らないが、カーカスの折返し端で
の緩衝性が減じ、耐久性が低下した。
ビード耐久性を損ねることなくトウ欠けを効果的に抑制
しうる。。
る断面図である。
る線図である。
Claims (5)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアに至る本体部にこのビードコアの廻
りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一
連に設けたカーカスと、タイヤ内腔面をなし空気不透過
性ゴム材からなるインナーライナとを具える重荷重用ラ
ジアルタイヤであって、 前記本体部と前記インナーライナとの間に半径方向内外
にのびかつ内端部が前記ビードコアの下方に位置するイ
ンスレーションゴム層、 前記折返し部のタイヤ軸方向外側でタイヤ半径方向内方
にかつビードコアの下方にのびるインナーサイドウォー
ルゴム層、 このインナーサイドウォールゴム層のタイヤ軸方向外側
に配されかつビードトウ部分に達して終端することによ
りビード外側面とビード底面とをなすチェーファ、 及びこのチェーファが終端する終端面に接しかつ前記イ
ンナーライナのタイヤ軸方向内側面に沿って半径方向外
方に厚さを減じてのびるトウ内側ゴム層を設けるととも
に、 前記トウ内側ゴム層は、ゴム硬度が60゜(デュロメー
タA硬さ)以下、しかも破断時の伸びが500%以上で
あることを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。 - 【請求項2】ゴム硬度は、各部のゴム硬度が以下の関係
にあることを特徴とする請求項1記載の重荷重用ラジア
ルタイヤ。インナーライナ<トウ内側ゴム層≒インナー
サイドウォールゴム層<インスレーションゴム層<チェ
ーファ - 【請求項3】前記トウ内側ゴム層は、インナーサイドウ
ォールゴム層と連続することを特徴とする請求項1又は
2記載の重荷重用ラジアルタイヤ。 - 【請求項4】前記インナーサイドウォールゴム層は、ビ
ードコアの下方において、前記インスレーションゴム層
の下面に接することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の重荷重用ラジアルタイヤ。 - 【請求項5】前記折返し部は、前記インナーサイドウォ
ールゴム層との間に、このインナーサイドウォールゴム
層のゴム硬度より15〜25゜大きいゴム硬度のゴムス
トリップ層を介在したことを特徴とする請求項1〜4の
いずれかに記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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