JP3683824B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビード部の耐久性能を向上させた重荷重用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤは、カーカスをビードコアの周りで半径方向外側にビードエイペックスのタイヤ軸方向外側に沿って折り返して前記ビードコアに係止するビード構造を採用してきたが、特開平11−321244号公報は、かかるビード構造とは異なり、ビードコアの周りを実質的に1周巻きして終端する巻付け部を設けることにより、カーカスの端部を起点とする損傷を防止しつつ係止するビードの巻付け構造を提案している。
【0003】
他方、本発明者はビードコアをラッピングすることにより、カーカスコードと鋼製のビードコアとの接触によるカーカスコードの摩損を防止するビードラッピングの技術を、特願平11−251967号によって提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの提案はそれぞれ従来構造のビード部に比してその耐久性を向上でき、かつ前記した2つの提案を組み合わせたビード部構造の重荷重用空気入りタイヤは、大幅にタイヤのビード部性能を向上したが、テストタイヤの内には、ビード部に損傷が生じるものがあった。
【0005】
このため、この原因について、開発、研究を行った結果、タイヤ内圧充填状態においてカーカスコードにかかる張力が最も大きくなる部位はビードコア付近であって、これによりビードコアとビードコア付近のカーカスコード間にせん断応力が生じ、このせん断力は、タイヤ走行に伴うタイヤの変形により、走行中はさらに大きなものとなりしかも繰り返し力として作用する。
【0006】
特に前記特開平11−321244号公報の前記カーカスプライの巻付け構造を有するタイヤでは、従来のビードエイペックスに沿ってカーカスを折り返えすビード構造に比べて、ビード部の曲げ剛性が低下するため、荷重によるビード部の曲げ変形が大きくなる結果、前記したせん断力自体は、むしろ増加する傾向にあることが判明した。
【0007】
さらにビードコアとカーカスコードが接触しないときにはカーカスコードの摩滅による破断がないとはいえ、せん断力が繰り返し加わることにより、特に、使用条件の厳しい重荷重用ラジアルタイヤにおいては、カーカスコードと、そのトッピングゴムとの接着の破壊が生じる場合があることが見出された。
【0008】
このような機械的な接着破壊部分は微少であるが、タイヤ走行中の繰り返されるせん断力により成長しがちであり、とはいえ通常ではタイヤ全体の耐久性を低下させるほどには至らない程度であることも判明した。しかしながら、従来タイヤのように、インナーライナーがビードコアのタイヤ内腔面側を十分に覆わずビードコアの半径方向下端よりも上方位置で途切れて終端するビード構造においては、途切れ部分から洩れる空気が、タイヤの内圧維持に影響しない程度としても、この部分を経てタイヤ内腔からビード部内に僅かに洩れる空気に含まれる水分が接着破壊部分からカーカスコード表面に到達する。この部分に到達した空気及び水分は、カーカスコードが金属の場合、それに錆を生じさせ、他方、カーカスコードが有機繊維からなる場合は、コードが水分を吸収して強力を低下させる。
【0009】
かかる理由によるビード部の耐久性の低下現象は、高内圧、高荷重で使用されるトラック・バス用の重荷重用空気入りタイヤ、特に、カーカスコードにスチールコードを使用したものに散見される。
【0010】
なお、本発明者はビード構造のさらなる改善のためにビードベースを含むビード部に配置されることのあるチェーファについて開発、研究を重ねた。その結果、カーカスのタイヤ半径方向最内位置においては、走行による繰り返し変形のため、大きなせん断応力と圧縮応力が作用し、タイヤの負荷が大きくなればその応力も増幅され、走行速度の増加とともに繰り返しの変形の回数が増すことによって、カーカスコード又はカーカスのタイヤ半径方向内側に位置する補強層コード/チェーファゴム間の接着破壊が生じる場合があることを見出すとともに、その防止のためには、チェーファに補強性の高いゴムの採用、及びその厚さを考慮することが重要であることも見出した。
【0011】
従って、本発明は、ビード部においてカーカスコードの損傷を防ぎ、ビード部の耐久性を向上しうる重荷重用空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0012】
さらに、チェーファの物性、厚さを改善し、さらにビード部の耐久性を向上しうる重荷重用空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、
トレッド部(T)からサイドウォール部(S)を経てビード部(B)のビードコア(C)に至る本体部を有するカーカス(2)と、このカーカス(2)のタイヤ内腔面に配された空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナー(3)とを配した重荷重用空気入りタイヤであって、
(a) カーカス(2)は、ビードコア(C)のタイヤ半径方向の外向き面に沿って巻き 付く巻付け部を有してビードコアを折り返されていること、
(b) 巻付け部は、その端部(2e)が、前記カーカス(2)の本体部(2a)のタイ ヤ軸方向外面、かつ前記ビードコア(C)の外向き面に位置すること、
(c) 前記インナーライナー(3)のタイヤ半径方向最内端(3d)は、前記カーカス (2)のタイヤ半径方向最内端(2d)よりタイヤ半径方向内側に位置すること、
(d) 前記カーカス(2)のタイヤ半径方向最内端(2d)と、前記ビードコア(C) のタイヤ半径方向最外端(Cp)との間の領域(A)における前記インナーライナー (3)は、その厚さ(Tb)が、カーカスコードの断面径の0.3倍以上かつ4.0 倍以下の厚みを有すること、
を充たすとともに
前記ビード部(B)は、前記ビードコア(C)のタイヤ半径方向内側に配されビードベース(Bs)に露出する基部(4a)有するチェーファ(4)を含み
かつ該チェーファ(4)の前記カーカス(2)のタイヤ半径方向最内端(2d)からビードベースまでの最小ゴム厚さ(Tc)がカーカスコードの断面径に対し、1.7倍以上かつ6.0倍以下の範囲とし
しかも、前記カーカス(2)の折返し部(2b)の外側で立ち上がる外側部(7a)と、ビードコアCの半径方向内方の下側部(7b)とからなりスチールコードを用いた補強層(7)を配し
かつ前記下側部(7b)は、前記折返し部(2b)のタイヤ軸方向外方かつ斜め下の部分に接してビードコアCのタイヤ軸方向内方端位置でカーカス(2)と離れ、この離れた領域に硬質の枕状ゴム(9)を配置したことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤである。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記チェーファ(4)は、前記基部(4a)に連なりかつビードトウ(t)からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部(4b)と、前記基部(4a)に連なりかつビードヒール(h)からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部(4c)とを具え、かつこのチェーファ(4)は、100%モジュラス(M100)が440〜830N/cm2 の物性を有するゴムからなることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記ビードトウ(t)において前記ビードベース(Bs)に接する直線(X1)と、タイヤ内腔面に接する直線(X2)とがなす角度(α)は、38度以上かつ90度以下であることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態の一部構成を図1、図2に基づき説明する(なお、本発明は図4に具体的に示されるが、図1,2は、その一部構成の説明のために用いられる)。
図1は、重荷重用空気入りタイヤ1が、例えばトラック、バス、その他これらに類似する重車両に用いられるチューブレス重荷重用重荷重用空気入りタイヤであって、15°深底の正規のリムJに装着しかつ正規内圧を充填した標準状態における子午断面を示し、また図2はリム組み前のビード部Bの自由状態を示している。
【0017】
なお本明細書において、「正規リム」とは、JATMAで規定する標準リム、TRAで規定する ”Design Rim”、或いはETRTOで規定する”Measuring Rim” のいずれかに従って定め、また「正規内圧」とは、JATMAで規定する最高空気圧、TRAの表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、或いはETRTOで規定する ”INFLATION PRESSURE”のいずれかに従って定められる。
【0018】
重荷重用空気入りタイヤ1は、カーカス2と、タイヤ内腔面Qを形成するトロイダル状のインナーライナ3とを具えるとともに、ビード部Bにはチェーファ4と、ビードエイペックス6とを用いるとともに、図4に示すように、補強層7と、枕状ゴム9とを包含する
【0019】
前記カーカス2は、カーカスコードをタイヤ赤道に対して70〜90°の角度で配列したいわゆるラジアル構造をなし、本形態ではスチールコードからなるカーカスコードを用いた1枚のプライを採用している。必要に応じて、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードのプライを使用することができる。
【0020】
前記カーカス2は、トレッド部Tからサイドウォール部Sを経てビード部BのビードコアCのタイヤ軸方向内側に至る本体部2aと、この本体部2aに連なりかつ前記ビードコアCの回りで折り返される折返し部2bとからなり、前記折返し部2bは、前記本体部2aに連なり、ビードコアCのタイヤ半径方向内側を通ってタイヤ軸方向外側に巻き込まれ、かつビードコアCのタイヤ半径方向外向き面Cuに沿って巻付けられる巻付け部2rを有することによってカーカス2は前記ビードコアCに固定、係止される。
【0021】
本態様においては、巻付け部2rの端部2eは、本体部2aに達することなくカーカスコードの断面径(使用サイズのカーカスコードの各外側素線の外接円直径(但しラッピング素線を除く))の0.3〜2.0倍程度の小間隙gを隔てて前記ビードコアCの外向き面Cuに位置する。これによりカーカスコードの切断端が本体部2aに接触することを防ぎ、かつビードコアCによる係止効果を維持しうる。
【0022】
またカーカスプライは、巻付け部2rからタイヤ半径方向外方にのびかつJISA硬度が70〜100度の硬質ゴムからなる前記ビードエイペックス6と、前記外向き面Cuとの間に前記巻付け部2rが介在して挟持されることとなることにより、該ビードコアCに係止、固定され、かつカーカスの端部2eは、最も歪みの少ない場所の固定されることとなり、損傷の起点となることが抑制される。
【0023】
ビードコアCは、剛性の高いスチールコードからなるカーカスプライの巻き付けを容易とするために、1本のスチールワイヤcwを、最大巾位置を高さ中央よりも半径方向外側とした変形6角形断面形状に螺旋巻きして形成される。本例では、前記スチールワイヤcwの螺旋巻き層の重ね体であり、タイヤ半径方向内方からスチールワイヤcwの巻き数を1つずつ最大巾まで増やす下層と、巻き数を1つ減じる上層とからなり、本形態では、巻き数4、5、6の第1〜3層からなる下層と、巻き数7の最大巾層と、巻き数6の第5層である上層とから形成される。その巻き数、層数はタイヤサイズ、スチールワイヤcwサイズによって選択できる。
【0024】
またビードコアCは、その周囲を有機繊維コードを含むラッピング保護層Laにより包まれ、形状を保持されるとともに、カーカスコードとビードコアCのスチールワイヤcwとの直接接触を防止している。
【0025】
さらにタイヤ内腔面Qには、前記のごとくトロイダル状にインナーライナー3を配している。インナーライナー3として空気を透過しにくいゴム、例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどを好ましく採用でき、本形態では、加硫速度の早い臭素化ブチルゴムからなるゴムポリマーを採用している。このようなブチルゴムは、60重量部以上含有することが必要であり、60未満であれば空気透過性能が著しく低下する。
【0026】
また、インナーライナー3のタイヤ半径方向最内端3dは、前記カーカス2のタイヤ半径方向最内端2dよりもタイヤ半径方向内側、本形態ではビード部Bのビードトウt付近に位置している。これにより、少なくともビードコアCのタイヤ半径方向最外端Cpから、カーカス2のタイヤ半径方向最内端2dまでの領域Aにおいてタイヤ内腔面Qを覆う。その結果、前述のように、せん断力による接着破壊、剥離が生じがちな前記領域Aを被覆でき、空気及び水分によるカーカスコードの錆及び強力低下を予防でき、従来構造のビード部に比して、ビード耐久性を向上できる。
【0027】
さらに、前記領域A内にある前記インナーライナー3の厚さTbは、カーカスコードの断面径(図示せず)に対し、0.3倍以上かつ4.0倍以下とする。0.3倍未満であれば、空気及び水分の透過を十分に小となしえず、カーカスコードの錆及び強力低下率の低下防止効果を減じる。4.0倍を越えても前記効果のさらなる増大はなく、タイヤコストを増加させるに止まる。
【0028】
インナーライナー3に含有されるブチルゴム組成物は、一般に他の部材との接着性に劣る。特に、本例のようにカーカスがスチールコードからなる場合は、インナーライナー3は剥離が生じやすく、そのため、本例では、インナーライナー3とカーカス2の本体部2aとの間に、好ましくは天然ゴムまたはイソプレンゴムを主体とするゴム組成物からなるインスレーション5を配置している。このインスレーション5は、本例では前記インナーライナー3のタイヤ軸方向外面に沿って前記タイヤ半径方向最内端3dまで、前記チェーファ4のタイヤ軸方向内面に沿い延在している。
【0029】
前記チェーファ4は、図1、図2に示すように、ビードコアCのタイヤ半径方向内側に配されビードベースBsで露出する基部4aと、基部4aに連なりかつビードトウtからタイヤ内腔面Q側を半径方向外側にのびる内の立上げ部4bと、前記基部4aに連なりかつビードヒール部hからタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部4cとを有し、本例では、前記インスレーション5は、前記内の立上げ部4bのタイヤ軸方向内面に接している。
【0030】
このゴムチェーファは、100%モジュラス(M100)が440〜830N/cm2 の物性を有するゴムからなり、440N/cm2 未満では、補強性が低くチェーファゴムの破壊が生じやすく、又830N/cm2 を越えると、ゴム硬度が過大となり加工性を損なうとともに、タイヤ使用に伴う経年変化による硬度の漸増とともに弾性を減じ脆性化して変形性を低下させ、またに発熱を大とするとともに、他の部材との接着力も低下しやすい。
【0031】
又チェーファ4は、カーカス2のタイヤ半径方向最内端2dにおけるタイヤ外面までの最小ゴム厚さTcをカーカスコードの断面径に対し、1.7倍以上かつ6.0倍以下の範囲とするのが望ましい。最小ゴム厚さTcが前記1.7倍未満の仕上がり厚さであるときにはチェーファゴムによる弾性を減じてそのゴム自体に作用する応力を増加して破壊しやすくし、カーカスコード(又はその外側に配されることのある補強層のコード)が直接、リムJと接触して、擦れ、摩損によるコードの破断に至りやすい。
【0032】
最小ゴム厚さTcがカーカスコードの断面径に対し、6.0倍を越える仕上がり厚さであるときには、タイヤ/リム間の締めつけ力が弱くなるとともに、タイヤ走行中のビード部の動きが大きくなり、ビード部のゴムの発熱が上昇し,カーカスコード(又は前記補強層のコード)とチェーファゴムとの間での熱による接着破壊が発生しやすくなる。
【0033】
さらに図2に示すように、リムに組み込む前の自由状態において、ビードトウtにおいて、前記ビードベースBsの主部に接する直線X1と、ビード部Bのタイヤ内腔面Qに接する直線X2とがなす角度αを38度以上かつ90度以下となるように形状を決めている。これはチェーファ4は前述の物性を有するため、ビードトウt付近のビードベースBsの角度αが38度未満であればトウの補強性が下がり、リム組時にゴムの欠けやゴム割れが発生しやすく、90度より大とすることはタイヤの製造を困難とする。
【0034】
図3は、インナーライナー3が、前記インスレーション5とともに、チェーファ4の内の立上げ部4bのタイヤ軸方向外側面に沿ってのび、インナーライナー3の前記タイヤ半径方向最内端3dが、前記領域Aの半径方向内方、かつ前記ビードトウtに達しない状態でビード部B内に位置する他の実施例を示している。
【0035】
図4は、本発明で用いられる前記補強層7及び枕状ゴム9を示している。図4において、ビードコアCに巻付けられて係止される前記カーカス2の折返し部2bの外側に、タイヤ軸方向外側で立ち上がる外側部7aと、ビードコアCの半径方向内方の下側部7bとからなる前記補強層7が配される。前記下側部7bは、カーカス2の折返し部2bのタイヤ軸方向外方かつ斜め下の部分に接するとともにビードコアCの半径方向内方を通ってビードコアCのタイヤ軸方向内方端位置の付近(内方端位置からビードコアの最大巾の20%以内の範囲)でカーカス2と離れて終端している。前記カーカス2の折返し部2bと接する領域では、カーカス2とチェーファ4との間で挟持され、かつ離れた領域では、カーカス2と該下側部7bとの間にチェーファ4と同程度乃至より硬質の前記枕状ゴム9を配置している。なおこの枕状ゴム9はタイヤ軸方向内側部分がチェーファ4の内の立上げ部4bに接している。また外側部7aは、カーカス2とチェーファ4の外の立上げ部4cとの間から、タイヤ半径方向外方にビードエイペックス6のタイヤ軸方向外面に沿って延在している。
【0036】
なお本例では、補強層7は、多数のスチールコード(図示せず)を平行に配置したスチールプライからなり、かつ本例では、タイヤ子午線断面に対して、15〜45°に傾斜させている。これにより、ビード部Bの曲げ剛性が高め負荷荷重による曲げ変形が抑制しビード耐久性が向上する。かかる構成は、ダンプカーなどの高荷重で使用されるトラック用空気入りタイヤ、即ち重荷重用空気入りタイヤとして用いうる。
【0037】
さらに図4の形態では、ビードエイペックス6は、内のエーペックス部6a、外のエーペックス部6bとの2層で形成される。内のエーペックス部6aは前記カーカス2の巻付け部2rから半径方向外側に厚さの減じて延びる先細テーパ状をなしかつJISA硬度が80〜100゜の硬質ゴムからなるとともに、前記補強層7の外側部7aの外端7eを越える位置で途切れている。
【0038】
また外のエーペックス部6bは、JISA硬度が40〜60゜の軟質ゴムからなり、前記ビードコアCの外向き面Cu高さ近傍を起点として前記内のエーペックス6aのタイヤ軸方向外面に沿い、かつその上端を越える高さで終端している。またこの外のエーペックス部6bは、前記補強層7の外側部7aの上端をも越えることにより、金属コードからなる補強層7の外側部7aの前記外端7eでの歪の集中、固いビードエイペックスと接することにより生じる大きなせん断力を抑制し、補強層7に起因するビード耐久性の低下を抑止する。
【0039】
図5は、カーカス2の折返し部2bの前記巻付け部2rのタイヤ軸方向内端部分が半径方向外側に折り曲げられてなる折曲げ部2fを具える。この折曲げ部2fは、本体部2aのタイヤ軸方向外面に沿うことによって、該本体部2aと前記ビードエーペックス6との間に介在し、その結果、カーカス2はより強固に係止される。なお折曲げ部2fは、前記外端2eを、リムJのリムフランジのタイヤ半径方向外方端Jeよりもタイヤ半径方向内方に位置させ、外端2eを起点とする損傷を防止するのが好ましい。
【0040】
【実施例】
タイヤサイズが11R22.5で、図4に示すビード構造を有する本発明タイヤを試作し、参考例タイヤ、比較例タイヤと比較評価した。
その結果を表1、表2に示す。
なお、試験条件は以下の通りである。
<水入り耐久テスト>
・リムサイズ:8.25×22.5
・荷重:88kN
・内圧:1000kPa
・速度:20km/h
・完走距離:10,000km走行後タイヤを解体し錆の有無を確認
10,000km走行中に損傷が外観で発見されるまでの距離を比較
・2000kmごとに水をタイヤ内に200cc入れ、水分の透過を促進させる。
以上の条件で、室内ドラム試験機上で走行させる。
【0041】
<耐久テスト>
・リムサイズ:8.25×22.5
・荷重:88kN
・内圧:1000kPa
・速度:20km/h
・完走距離:10,000km
以上の条件で、室内ドラム試験機上で走行させる。
完走した場合を100で示している。
【0042】
<トウ欠けテスト>
・潤滑剤の塗布をせず、10回リム組を繰り返した後のチェーファゴム欠け程度を比較した。無傷の場合を100で示している。
【0043】
【表1】
Figure 0003683824
【0044】
【表2】
Figure 0003683824
【0045】
【発明の効果】
このように本発明の重荷重用空気入りタイヤは、ビードコアのタイヤ軸方向内側での内圧空気のビード部内への洩れを効果的に防止し、その水分によるのカーカスコードの損傷を防ぎ、ビード部の耐久性能を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成の一部を説明する断面図である。
【図2】 そのリム組前のビード部の拡大断面図である。
【図3】 他の形態を単に例示する断面図である。
【図4】 本発明のビード部についての構造を例示する断面図である。
【図5】 他の形態を単に例示する断面図である。
【符号の説明】
B ビード部
T トレッド部
S サイドウォール部
C ビードコア
2 カーカス
3 インナーライナー
4 チェーファ
5 インスレーション
6 ビードエーペックス
7 補強層

Claims (3)

  1. トレッド部(T)からサイドウォール部(S)を経てビード部(B)のビードコア(C)に至る本体部を有するカーカス(2)と、このカーカス(2)のタイヤ内腔面に配された空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナー(3)とを配した重荷重用空気入りタイヤであって、
    (a) カーカス(2)は、ビードコア(C)のタイヤ半径方向の外向き面に沿って巻き 付く巻付け部を有してビードコアを折り返されていること、
    (b) 巻付け部は、その端部(2e)が、前記カーカス(2)の本体部(2a)のタイ ヤ軸方向外面、かつ前記ビードコア(C)の外向き面に位置すること、
    (c) 前記インナーライナー(3)のタイヤ半径方向最内端(3d)は、前記カーカス (2)のタイヤ半径方向最内端(2d)よりタイヤ半径方向内側に位置すること、
    (d) 前記カーカス(2)のタイヤ半径方向最内端(2d)と、前記ビードコア(C) のタイヤ半径方向最外端(Cp)との間の領域(A)における前記インナーライナー (3)は、その厚さ(Tb)が、カーカスコードの断面径の0.3倍以上かつ4.0 倍以下の厚みを有すること、
    を充たすとともに
    前記ビード部(B)は、前記ビードコア(C)のタイヤ半径方向内側に配されビードベース(Bs)に露出する基部(4a)有するチェーファ(4)を含み
    かつ該チェーファ(4)の前記カーカス(2)のタイヤ半径方向最内端(2d)からビードベースまでの最小ゴム厚さ(Tc)がカーカスコードの断面径に対し、1.7倍以上かつ6.0倍以下の範囲とし
    しかも、前記カーカス(2)の折返し部(2b)の外側で立ち上がる外側部(7a)と、ビードコアCの半径方向内方の下側部(7b)とからなりスチールコードを用いた補強層(7)を配し
    かつ前記下側部(7b)は、前記折返し部(2b)のタイヤ軸方向外方かつ斜め下の部分に接してビードコアCのタイヤ軸方向内方端位置でカーカス(2)と離れ、この離れた領域に硬質の枕状ゴム(9)を配置したことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記チェーファ(4)は、前記基部(4a)に連なりかつビードトウ(t)からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部(4b)と、前記基部(4a)に連なりかつビードヒール(h)からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部(4c)とを具え、かつこのチェーファ(4)は、100%モジュラス(M100)が440〜830N/cm2 の物性を有するゴムからなることを特徴とする請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ
  3. 前記ビードトウ(t)において前記ビードベース(Bs)に接する直線(X1)と、タイヤ内腔面に接する直線(X2)とがなす角度(α)は、38度以上かつ90度以下であることを特徴とする請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ
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