JP2001113921A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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- B60C15/06—Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
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Abstract
の接着不良を改善し、リム組時のビード・トウ部のゴム
欠けを防止した空気入りタイヤを得る。 【解決手段】 ブタジエンゴム30〜70重量部ならび
に天然ゴムおよびイソプレンゴムの1種以上30〜70
重量部からなる合計100重量部に対し、シリカ1〜2
0重量部およびポリエチレングリコール1〜10重量部
を配合し、シランカップリング剤を配合しないゴム組成
物からなる外層部およびブタジエンゴム20〜60重量
部および天然ゴム40〜80重量部(合計100重量
部)を配合したゴム組成物からなり、チェーファーの上
端部からビードコアの横まで配置された内層部からなる
2層構造のチェーファーをビード部に有する空気入りタ
イヤ。
Description
関する。さらに詳しくは、高弾性のチェーファー(外層
部)と低弾性のISW(インナーサイドウォール)との
間にチェーファーとしての役割を備えた中間的な弾性の
ゴム層(内層部)を介在させることにより、ISWとチ
ェーファーとの剥離を防止した空気入りタイヤに関す
る。
来、タイヤのビード部の補強構造としては、カーカスプ
ライの巻きあげエッジ部の外側にISWと単一層のチェ
ーファーを配置している。
部の動きに対し、緩衝層、補強層としての役割を果たす
もので、ゴムとして天然ゴム100重量%(以下、%と
いう)(100NR)を使用した低モジュラスで粘着性
の強い配合が用いられている。
荷を大きくうけるため、ブタジエンゴム(以下、BRと
もいう)などを配合した高硬度、高弾性のゴムが用いら
れている。
は、立体障害が小さく、鎖状の分子構造をしているた
め、走行による歪みをうけると周方向に再配列するとい
う性質がある。ゴムが再配列すると、チェーファーとチ
ェーファー層の下にあるISWとの剛性差がさらに大き
くなる。そのため、たとえばリムフランジがあたる部分
でリムチェーフィングによるクラックが発生すると、チ
ェーファーゴム内部にクラックが成長して、チェーファ
ー層の下にあるISWとの界面付近で剥離が生じるとい
う問題がある。
部のゴム欠けを防止するため、リムチェーフィングがお
こらない程度に破断伸びの大きなゴムを使用する必要が
ある。
は、たとえば特開平3−197209号公報および特開
平9−302146号公報において、タイヤ走行中の発
熱を抑えつつ剛性を高めたビードフィラーおよび特定の
窒素吸着比表面積を有するシリカを配合したビードフィ
ラーを用いる技術がそれぞれ開示されている。
び特願平10−193023号明細書には、特定配合の
高弾性で耐破壊性、耐摩耗性に優れたゴム組成物をチェ
ーファーに用いたタイヤおよびチェーファーに好適に用
いることができる走行後の硬度変化が小さく、永久変形
の小さいゴム組成物についてそれぞれ記載されている。
ファーとの剥離やリム組時におけるビード部のゴム欠け
の問題を同時に解決するには不充分である。
ているチェーファーとISWとの接着不良対策やリム組
時のビード・トウ部のゴム欠けを防止するためになされ
たものである。
〜70重量部(以下、部という)ならびに天然ゴムおよ
びイソプレンゴムの1種以上30〜70部からなる合計
100部に対し、シリカ1〜20部およびポリエチレン
グリコール1〜10部を配合し、シランカップリング剤
を配合しないゴム組成物からなる外層部およびブタジエ
ンゴム20〜60部および天然ゴム40〜80部(合計
100部)を配合したゴム組成物からなり、チェーファ
ーの上端部(サイドウォール側端部)からビードコアの
横まで配置された内層部からなる2層構造のチェーファ
ーをビード部に有する空気入りタイヤ(請求項1)に関
する。
ド部に、外層部および内層部からなる2層構造のチェー
ファーを有する。
0〜70部、好ましくは40〜60部ならびに天然ゴム
(NR)およびイソプレンゴム(IR)の1種以上30
〜70部、好ましくは40〜60部からなる合計100
部のゴム成分に対し、シリカ1〜20部、好ましくは1
〜10部およびポリエチレングリコール1〜10部、好
ましくは1〜5部を配合し、シランカップリング剤を配
合しないゴム組成物からなる。
制、低発熱性、ビード変形の抑制などのメリットが大き
いためである。前記BRの配合量が、30部より少ない
と、耐カット性に不利となり、70部より多いと、ロー
ルバギングが生じ、加工が困難となり、粘着性も低下す
る。
伸びがでる、永久変形が小さい、走行による経時変化が
小さい、押出特性が良好であるという点から、その一部
が1,2−シンジオタクチックポリブタジエンであるこ
とが好ましい。この場合、1,2−シンジオタクチック
ポリブタジエンの使用量は、BR中6〜17%、さらに
は10〜15%であることが好ましい。1,2−シンジ
オタクチックポリブタジエンの量が6%より少ないと、
硬度が低下する傾向が生じやすく、17%より多いと、
加工性が低下する傾向が生じやすい。
ジエンを含むBRの好適例としては、たとえば宇部興産
(株)製のVCR−303、VCR−412、VCR−
617などがあげられる。
ン−ブタジエンゴム(SBR)などと異なり発熱性が低
く、永久変型や硬度変化も小さいため好ましく用いられ
る。
低下させ、破断伸びを向上させ、リム組時のレバーカッ
トやトウ部のゴム欠け性を改善する効果がある。前記シ
リカの配合量が1部未満になると、前記効果が得られ
ず、20部をこえると、発熱が高くなり、リムチェーフ
ィングの点で不利であり、粘度が高くなって加工性も低
下する。
野で用いられているものであればとくに限定はないが、
シリカの分散性の点から、BET比表面積が60〜25
0m 2/g、さらには60〜200m2/gのものや、D
BP吸油量が100〜300ml/100g、さらには
100〜250ml/100gのものが好ましい。シリ
カの好適例としては、たとえば日本シリカ工業(株)製
のニプシルVN3、ニプシルAQ、トクシールUR、デ
グッサ社製のウルトラシルVN3、ウルトラシルVN2
などがあげられる。
進剤などがシリカ表面に吸着されて加硫阻害が生じるの
を防ぐ効果がある。前記ポリエチレングリコールの配合
量が1部未満になると、加硫促進剤などがシリカ表面に
吸着されて加硫阻害が生じるのを防ぐ効果が充分得られ
ず、10部より多いと、走行による硬度上昇が大きくな
り、また、オリジナル(新品時)のモジュラスが低下し
てしまう。
式:HO(CH2CH2O)nHで表わされ、nは、タイ
ヤ製造時の作業性やコストの点から、5〜100が好ま
しい。
シランカップリング剤を配合しない。シランカップリン
グ剤を配合すると、破断伸びが低下し、期待どおりの耐
ゴム欠け性能が得られにくくなる。
部のいずれとも接着性がよく、かつチェーファーとして
の各種性能を備えたゴム組成物から形成される。ISW
は粘着性が強いソフトなゴム組成物からなり、チェーフ
ァー外層部は粘着性の低い硬いゴム組成物からなるた
め、このような内層部がないと、接着不良をおこしやす
くなる。そのため内層部は、前記外層部とISWとの中
間の粘着性を有し、かつこれら両者との密着性がよいこ
とが必要である。ゴム同士の密着性がわるいと、ゴム/
ゴム間にエアーだまりが生じやすく、製造したタイヤが
不良であったり、未接着部分を起点としてセパレーショ
ンが発生するなどの問題を生じる。
部、好ましくは30〜50部および天然ゴム40〜80
部、好ましくは50〜70部(合計100部)を配合し
たゴム組成物からなる。前記ブタジエンゴムの配合量が
20部未満になる(すなわち天然ゴムが80部をこえ
る)と、発熱が大きくなり、リムチェーフィングの点で
不利になるのと同時に粘着性が高くなり、チェーファー
との密着性がわるくなる。一方、60部をこえる(すな
わち天然ゴムが40部未満になる)と、粘着しにくくな
り、ISWとの密着性がわるくなる。
ついて、図1を用いて説明する。本発明の空気入りタイ
ヤは、サイドウォール5の内側にあるビード部に、外層
部1およびチェーファーの上端部からビードコア8の横
まで配置された内層部2からなる2層構造のチェーファ
ー3を有する。また、内層部2のタイヤ内側の面は、イ
ンナーサイドウォール(ISW)4に密着しており、さ
らに、インナーサイドウォール(ISW)4は、ビード
コア8で折り返され、巻きあげられたカーカスプライ9
のエッジ部と接している。さらに該カーカスプライ9の
エッジ部はビードエイペックス6と密着している。な
お、図1において、7はタイヤのインナーライナーを示
す。
たカーカスプライエッジ部の動きに対し、緩衝層、補強
層としての役割を果たすもので、内層部2は、ISW4
と外層部1との剛性の差を小さくする。剛性の差を小さ
くすることにより、外傷をうけて外層部1にクラックが
走ったときに、これら2層の間にセパレーションが発生
するのを防ぐことができる。内層部2のゲージは、あま
りに厚いと外層部1の占める割合が小さくなり、リムチ
ェーフィングに対して不利になるため、厚すぎない方が
よく、加工が容易な範囲であればよい。
ァー3の厚さは、一般的な厚さでよいが、外層部1の厚
さと内層部2の厚さとの比は、10:1〜4:1である
ことが、前記理由から好ましい。
なものでよい。たとえばNR100部に対し、N234
(LI(ローストラクチャーISAF:比表面積が大き
く(微粒子で)吸油量も大きな(ストラクチャーが大き
い)カーボンブラック))などのカーボンブラック35
〜55部、N220(ISAF)30〜50部などを配
合したものが好ましい。
前記2層構造のチェーファーを設けること以外にとくに
限定はなく、当業者であれば製造することができる。
基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。なお、以下の実施例および比較例で
用いた原料のうち、説明の必要なものについて、以下に
説明する。
(1,2−シンジオタクチックポリブタジエンを12%
含有) SBR:住友化学工業(株)製のSBR1712 シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3 PEG:日本油脂(株)製のポリエチレングリコール、
重合度分布がn=5〜100のもの N330:カーボンブラック、昭和キャボット(株)製
のショーブラックN330 N234:カーボンブラック、昭和キャボット(株)製
のショーブラックN234 老化防止剤1:フレキシス社製の6C 老化防止剤2:精工化学(株)製のノンフレックスRD FR:耐熱性老化防止剤、住友化学工業(株)製のアン
チゲンFR ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸桐 酸化亜鉛:東亜亜鉛(株)製の銀嶺R 硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄 加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製の促進剤NS 加硫促進剤2:三新化学工業(株)製のサンセラーCM 加硫遅延剤:フレキシス社製のリターダーPVI Si69:デグッサ社製のシランカップリング剤(ビス
(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィ
ド) プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセス
AH40
く)を表1に示す組成になるように配合し(変量の部分
については表2、表3を参照)、(株)神戸製鋼所製
1.7Lバンバリーを用いて約150℃で4分間混練り
した。そののち、得られた混練り物に硫黄および加硫促
進剤を加えて二軸ローラーにて80℃で約4分間練り込
んだ混合物(未加硫ゴム組成物)を得たのち、150℃
で35分間加硫することにより、外層部用の加硫チェー
ファー用ゴム組成物A−1〜A−4およびB−1〜B−
7、内層部用の加硫チェーファー用ゴム組成物A−5〜
A−6およびB−8〜B−10を製造した。
いて、外層部用については、ムーニー粘度、Hs、EB
(%)および永久変形率(%)を、内層部用について
は、永久変形率(%)を測定した。結果を、外層部用に
ついては表2に、内層部用については表3に示す。
よび永久変形率(%)の測定方法については以下に示
す。
たがって、130℃における未加硫ゴム組成物のムーニ
ー粘度(ML1+4、130℃)を測定した。
て、所定の加硫ゴム組成物のスプリング硬さ(JIS−
A)を測定した。
て、所定の加硫ゴム組成物からJIS 3号ダンベル形
状のサンプルを作製して引張試験における伸び(EB)
(%)を測定した。
ダンベル形状のサンプルに20mmの標線をつけ、18
kg/cm2の定応力で伸長し、100℃のオーブンで
24時間放置し、応力を取り除いたのち室温で30分間
放置し、標線間距離の変化率を求めた。永久変形率が大
きいほどリムチェーフィング性能がわるくなる。
と比較して、A−2はシリカおよびPEGの使用量が多
いために、ムーニー粘度があがって焼けが生じやすくな
り、加工性が低下している。また、永久変形率も大きく
なっている。A−4も、PEGの使用量が多いため、永
久変形率が大きくなっている。A−3は、NRの使用量
が多いため、永久変形率がA−1より大きくなってい
る。
B−1〜B−7、内層部用のチェーファー用ゴム組成物
A−5〜A−6およびB−8〜B−10を表5の組み合
わせで用いて、ビード部に図1に示すような2層構造の
チェーファーを有する11R22.5サイズ空気入りタ
イヤを手作りで試作した。
ファー用ゴム組成物から厚さ1mmゴムストリップを作
製して外層部用のチェーファー用ゴム組成物からのゴム
ストリップ内部に張り付けたものを製造して用いた。
4を45部、プロセスオイルを6部、6C(老化防止剤
1)を1.5部、FR(耐熱性老化防止剤)を3部、ス
テアリン酸を2部、酸化亜鉛を6部、硫黄を2.5部、
加硫促進剤2(サンセラーCM)を0.7部配合したゴ
ム組成物を用いて試作した。
った。結果を表5に示す。
とISWとの接着性)タイヤから、外層部と内層部とが
接着した部分のサンプル、内層部とISWとが接着した
部分のサンプルを切り出して剥離テストを行ない(タイ
ヤから周方向に幅250mmのサンプルを約20cm切
り出して東洋精機(株)製STROGRAPH−Tにて
50mm/minのスピードで剥離テストを実施し)、
以下の基準で評価した。 ◎:剥離抗力が高く、ゴム中で凝集破壊したもの ○:ゴム中で凝集破壊したもの ×:ゴム/ゴム界面近辺で剥離が発生し、一部ツルツル
と剥離が生じたもの
を行ない、欠けの程度を以下の基準で評価した。 ◎:欠け、割れが未発生のもの ○:スジが入る程度のもの △:微小なクラック、欠けが発生したもの ×:トウ部の欠け、めくれが発生したもの
として、以下に示すテスト条件でビード耐久テスト(市
場走行を想定したビード部の迅速耐久テスト)を行な
い、テスト後のチェーファー部のゴムのへたり(リムフ
ランジが接する部分のチェーファーゴムゲージ圧の保持
率)を以下の基準で評価した。
入れることでISWとの接着不良が改善されることがわ
かる。また、本発明にかかる外層部を使用することで、
欠けについても改善されることがわかる。
ェーファーとISWとの接着不良を改善し、リム組時の
ビード・トウ部のゴム欠けを防止した空気入りタイヤを
得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ブタジエンゴム30〜70重量部ならび
に天然ゴムおよびイソプレンゴムの1種以上30〜70
重量部からなる合計100重量部に対し、シリカ1〜2
0重量部およびポリエチレングリコール1〜10重量部
を配合し、シランカップリング剤を配合しないゴム組成
物からなる外層部およびブタジエンゴム20〜60重量
部および天然ゴム40〜80重量部(合計100重量
部)を配合したゴム組成物からなり、チェーファーの上
端部からビードコアの横まで配置された内層部からなる
2層構造のチェーファーをビード部に有する空気入りタ
イヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29575799A JP4535536B2 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP29575799A JP4535536B2 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | 空気入りタイヤ |
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- 1999-10-18 JP JP29575799A patent/JP4535536B2/ja not_active Expired - Fee Related
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