JP2009096418A - 高荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

高荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ゴムチェーファー、特に正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分のゴムチェーファーの耐リム擦れ性、耐クラック性及び耐候性を大きく向上させて、見映えの低下及び耐久性の低下を防止した高荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【解決手段】リムフランジに接触する部分に配設するゴムチェーファーの最外層表面の弾性率を11MPaとする。また、該ゴムチェーファーに使用するゴム組成物中に所定の樹脂を配合することによって、該ゴムチェーファーの最外面から内面にかけて動的弾性率を小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴムチェーファー、特に正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分のゴムチェーファーの耐リム擦れ性、耐クラック性及び耐候性を大きく向上させて、見映えの低下及び耐久性の低下を防止した高荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
タイヤの用途に応じて要求される運動性能と耐久性能を満足するために、タイヤのビード部構造に関して様々な検討がなされている。高速道路網の発達や車両の高速化に伴い、タイヤの高速走行性等の性能も要求されるようになってきており、リムとビードの間に配置されるゴムチェーファーにはより大きな力が負荷されるため、更に高い耐久性を備えたゴムチェーファーを配設する必要性が高まっている。
ゴムチェーファーに要求される性能としては、耐リム擦れ性、耐リムすべり性、エアシール性、空気バリア性、耐へたり性、耐クラック性等がある。これらの中には二律背反の関係にある性能もあることから、通常、これらのそれぞれの性能を中庸に発揮し得る一又は二種類のゴム材料を選択してゴムチェーファーを構成する。そのため、無負荷時から200%荷重の負荷時に至るまでの間に、こうしたタイヤのゴムチェーファーのリムフランジと接触する部分にリム擦れ及びクラック等が比較的早期に発生し易く、また、耐候性が低いためタイヤの見映えを損ね、耐久性の低下をもたらすという問題があった。
かかる問題に対応するため、ゴムチェーファーにジエン系ゴム100質量部に対してカーボンブラック0〜100質量部と、窒素吸着表面積(NSA)が210〜300m/gのシリカ20〜120質量部とを配合してなり、カーボンブラックとシリカの総量が50〜130質量部であり、且つ有機シラン化合物がシリカに対して5〜25質量%配合されているゴム組成物を用いることにより該ゴムチェーファーの高弾性率化と耐破壊性及び耐摩耗性との両立を図り、該ゴムチェーファーを使用することにより運動性能、耐トゥ欠け性及び耐リムずれ性に優れた空気入りタイヤが特許文献1に開示されている。
また、航空機用ラジアルタイヤの中には、ビード部の曲げ剛性をできるだけ高めるために、第2スティフナーゴムの100%伸長時の弾性率を、ゴムチェーファーゴムの100%伸長時の弾性率より大きくしたものがある。しかしながら、この場合には第2スティフナーゴムが硬過ぎるため、高い発熱を生じる走行条件において第2スティフナーゴムがブローするおそれや、長期走行において第2スティフナーゴムが剥離するおそれがある。かかる問題点を考慮し、サイドゴムとゴムチェーファーに異種のゴムを使用し、また第2スティフナーゴムの100%伸長時の弾性率をゴムチェーファーの100%伸長時の弾性率より小さく設定するなどして、上述のリムずれ、ブロー、剥離等のビード部の故障防止を図った航空機用ラジアルタイヤが特許文献2に報告されている。
特開平9−302149号公報 特開平7−172118号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示のタイヤであっても依然として改良の余地があり、更に高い耐リム擦れ性、耐クラック性及び耐候性を有するゴムチェーファーをビード部に具えたタイヤが求められている。
そこで、本発明は、ゴムチェーファーの適正空気圧を充填した状態において無負荷時から200%加重の荷重時に至る間でリムフランジに接触する部分の耐リム擦れ性、耐クラック性及び耐候性を大きく向上させて、見映え及び耐久性の低下を防止した高荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、トレッド部の両端から半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部のタイヤ半径方向内端に連なり、リムに着座されるビード部において、タイヤを正規リムに組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分に、(1)最外面表層における動的弾性率が11MPa以上であるゴムチェーファー、あるいは(2)樹脂を配合したゴム組成物からなるゴムチェーファーを具えることにより、適正空気圧を充填した状態において無負荷時から200%加重の荷重時に至る間でリムフランジに接触するゴム部分の耐リム擦れ性、耐クラック性及び耐候性を大きく向上させて、見映えの低下及び耐久性の低下を防止した高荷重用空気入りラジアルタイヤが提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部の両端から半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部のタイヤ半径方向内端に連なり、リムに着座されるビード部において、タイヤを正規リムに組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分にゴムチェーファーを具える高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ゴムチェーファーの最外面表層の動的弾性率が11MPa以上であることを特徴とする。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記ゴムチェーファーは、該ゴムチェーファー内において動的弾性率が変化している。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記ゴムチェーファーは、該ゴムチェーファーの最外面から内面にかけて動的弾性率が小さくなる。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記ゴムチェーファーの破壊強力が、該ゴムチェーファー内のいずれの部位においても20MPa以上である。
また、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部の両端から半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部のタイヤ半径方向内端に連なり、リムに着座されるビード部において、タイヤを正規リムに組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分にゴムチェーファーを具える高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ゴムチェーファーに樹脂を配合したゴム組成物を用いることを特徴とする。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、前記樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましい。
また、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、前記熱硬化性樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、ポリマレイミド樹脂及び変性ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることが好適である。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記樹脂の総配合量が、前記ゴムチェーファーに用いるゴム組成物のゴム成分100質量部に対して1〜25質量部である。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、請求項1〜8の何れかに記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤが航空機用ラジアルタイヤである。
本発明によれば、所定の物性のゴムチェーファー、又は樹脂を配合したゴム組成物からなるゴムチェーファーを使用することによって見映えの低下及び耐久性の低下を防止した高荷重用空気入りラジアルタイヤが提供できる。
以下に、図を参照しながら、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤを詳細に説明する。図1は正規リムに組み付けた本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの正規空気圧を充填した状態での無荷重時のビード部の部分断面図であり、図2は正規リムに組み付けた本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの正規空気圧を充填した状態での正規荷重の200%荷重時におけるビード部の部分断面図であり、図3は本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤのゴムチェーファーの一例の部分断面図である。
図1及び2に示すように、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部(図示しない)の両端からタイヤ半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部2のタイヤ半径方向内端に連なり正規リム3に着座されるビード部1と、該ビード部1に埋設されたビードコア4の周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されたカーカス5を具え、また、タイヤをビード部1で正規リム3に組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リム3と接触する部分(ビードベース部6及びビード背面部の内の無荷重時においてもリムフランジ10に接する部分7A)から、無荷重時(図1)から正規荷重の200%荷重時(図2)に至る間にリムフランジ10と接触する部分7Bに、最外面表層における動的弾性率(E’)が11MPa以上であるゴムチェーファー8及び9を具える。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、走行時にリムとの間に発生する圧縮せん断入力の歪みによってタイヤにクラックが生じる問題を解決するため、ビード背面部に位置するゴムチェーファー8及びビードベース部に位置するゴムチェーファー9の最外面表層の動的弾性率が11MPa以上であることを特徴とする。ここで、ゴムチェーファーの「最外面表層」とは、ゴムチェーファー表面から深さ1mmまでの部分を指す。ゴムチェーファー8及び9の最外面表層の動的弾性率を11MPa以上にすることにより、走行時にリムとの間に発生する圧縮せん断入力の歪みを低減し、走行による発熱及び疲労劣化を抑え、更に耐リム擦れ性及び耐クラック性を大きく向上させて、タイヤの見映えの低下を防止し耐久性を飛躍的に向上させることができる。かかる動的弾性率が11MPa未満であると歪み低減の効果が得られない。また、走行時、タイヤのビード部にかかるタイヤ周方向のせん断歪みによるリムずれを抑えるため、かかる動的弾性率が13MPa以上であることがより好ましい。ここで、動的弾性率の値は、スペクトロメーター(TOYOSEKI(株)製)を用いて、室温、周波数52Hzにて振幅歪が2%で測定した。
また、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、前記ゴムチェーファーの破壊強力が、該ゴムチェーファー内のいずれの部位においても20MPa以上であることが好ましい。前記ゴムチェーファーの破壊強力が20MPa未満であるとゴムチェーファーの耐クラック性が低下する。なお、前記破断強力は、JIS K6301に準拠して測定した値である。
一方、ゴムチェーファー全体の動的弾性率が11MPa以上であると、該ゴムチェーファーの歪みを低減する効果は得られるものの、ゴムチェーファー全体が硬くなることによりビード部内側の方に歪みの負担がかかるため、ビード背面部にセパレーション等の故障が生じ易くなる。従って、ゴムチェーファーは最外面から内面にかけての動的弾性率が小さくなり、適当に歪みうることが好ましい。それ故、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ゴムチェーファーは、該ゴムチェーファー内において動的弾性率が変化していることが好ましく、該ゴムチェーファーの最外面から内面にかけて動的弾性率が小さくなることが更に好ましい。
また、本発明の他の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部の両端から半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部のタイヤ半径方向内端に連なり、リムに着座されるビード部において、タイヤを正規リムに組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分にゴムチェーファーを具える高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ゴムチェーファーに樹脂を配合したゴム組成物を用いることを特徴とする。ゴムチェーファーに樹脂を配合したゴム組成物を用いると、ゴムチェーファーの動的弾性率が向上し、走行時にリムとの間で発生する圧縮せん断入力による歪みを低減できる。特に、ゴム成分とのSP値の差が2.5以上である樹脂を配合して該ゴム組成物を調製すると、樹脂が自然にゴム組成物の最外面にブリードするため、最外面から内面にかけて動的弾性率が小さくなるゴムチェーファーを作製できるため好ましい。すなわち、該ゴム組成物を用いたゴムチェーファーは、例えば図3の部分断面図に示すように、動的弾性率がEa’>Eb’>Ec’>Ed’であるa、b、c及びdの各層を最外面から順に有し、内面ほどやわらかくなる。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、前記樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましく、該熱硬化性樹脂としてはノボラック型フェノール樹脂、ポリマレイミド樹脂及び変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、これら樹脂を一種又は二種以上使用してもよい。かかる熱硬化性樹脂は、該ゴム組成物の硬度を高める補強用樹脂として働く。ゴムチェーファーに用いるゴム組成物に熱硬化性樹脂を配合しないと、荷重によりタイヤが歪み、無荷重時にリムフランジと接触していない部位にリムが接触するようになるため、かかる部分にクラックが発生し易くなる。
前記ノボラック型フェノール樹脂としては、ノボラック型未変性フェノール樹脂、及びロジン油、トール油、カシューナッツ油、アマニ油等よりなる動植物油やリノール酸油、オレイン酸油、リノレン酸油等よりなる不飽和油、キシレン、メシチレンよりなる芳香族炭化水素樹脂等のいずれかによって変性されたノボラック型変性フェノール樹脂等からなる群から選択される一種又は二種以上の樹脂が挙げられる。かかるノボラック型フェノール樹脂をゴム組成物に配合する場合には、更に硬化剤としてメチレン供与体を使用することが好ましい。かかるメチレン供与体としてはヘキサメチレンテトラミン、並びにヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジ(メトキシメチル)メラミン、及びN,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン等のメチロール化メラミン誘導体が挙げられる。
なお、前記ノボラック型フェノール樹脂をゴム組成物に配合し、硬化剤としてメチレン供与体を用いる場合、該メチレン供与体の使用量はノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して1.0〜10質量部程度が好ましい。
前記変性ポリオレフィン樹脂としては、1個以上の官能基を含み、該官能基が無水マレイン酸、アクリル酸、エポキシド類などから誘導されるものが好ましく、例えばユニロイヤル・ケミカル・カンパニー社製の「POLYBOND3009」あるいは「POLYBOND3109」等が使用できる。変性ポリオレフィン樹脂は、前記ゴム組成物に前記樹脂として一種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
また、前記熱硬化性樹脂としては下記一般式(I):
Figure 2009096418
(式中、R及びRは、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、xは0〜5の整数を示す)で表されるポリマレイミド樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂を用いても良い。これらポリマレイミド樹脂をゴム組成物に配合することにより、ゴム組成物の良好な作業性を維持し、且つゴム組成物の弾性率を向上させることができる。
なお、前記ノボラック型フェノール樹脂、前記変性ポリオレフィン樹脂及び前記ポリマレイミド樹脂の二種以上を併用する場合、これら熱硬化性樹脂の総配合量がゴム成分100質量部に対して1〜25質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。ゴム組成物にかかる配合量で樹脂を加えると、該ゴム組成物はゴムとしての粘性を失わず、且つ弾性率が高くなる。
前記ゴムチェーファーに使用する動的弾性率が最外面から内面にかけて小さくなる部材は、動的弾性率の異なる厚さ1mmのシートを動的弾性率の高いものから順に貼り合わせることにより製造してもよい。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、リムベース11に接触するゴムチェーファー9とリムフランジ10に接触するゴムチェーファー8を分割形成してもよい。このように、ゴムチェーファーを分割形成することにより、ゴムチェーファーのビードベース部に要求される性能とビード背面部に要求される性能とを独立して設計することが可能になる。
本発明における「正規リム」とは、下記規格に夫々規定されている標準リム (または「Approved Rim」、「Recommended Rim」)のことをいう。この規格は、タイヤが生産または使用される地域において有効な産業規格により定められており、例えば、アメリカ合衆国では「The Tire and Rim Association Inc.のYEAR BOOK」であり、欧州では「The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual」であり、日本においては日本自動車タイヤ協会の「JATMA YEAR BOOK」である。
本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、荷重変動が大きくクラック等の故障の発生しやすい条件で使用されるタイヤとして使用することが好ましく、特に航空機用ラジアルタイヤとして使用することが好ましい。
実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(ビード背面部のゴムチェーファーの最外面表層の動的弾性率の測定)
新品タイヤを解剖してビード背面部のゴムチェーファーを切り出し、該ゴムチェーファーの背面部の最外面から深さ1mmまでの部分をスライスして、厚さ1mm、幅5mm、長さ40mmのシート状の試料とした。かかる試料について、スペクトロメーター(TOYOSEKI(株)製)を用い、室温、周波数52Hz,振幅歪2%の条件下で動的弾性率を測定した。
(ビード背面部のゴムチェーファーの内面部の動的弾性率の測定)
新品タイヤを解剖してゴムチェーファーを切り出し、ビード背面部のゴムチェーファーの最外面から深さ1mm〜2mmの部分(内面部)をスライスして、厚さ1mm、幅5mm、長さ40mmのシート状の試料とした。かかる試料について、スペクトロメーター(TOYOSEKI(株)製)を用い、室温、周波数52Hz,振幅歪2%の条件下で動的弾性率を測定した。
(破断強力の測定)
破断強力の値は、ゲージが2mmのシートを145℃で30分加硫し、JIS−3号のダンベルに打ち抜いた試料を、室温雰囲気下で、JIS K6301に従い引張試験を行い測定した。
(ビード背面部耐久性試験)
規定荷重の120%の荷重下、64.5km/hの速度でタイヤをドラム走行させ、リムと接触するゴムチェーファーが破壊に至るまでの時間を測定し、ドラム走行時間の累計について従来例1を100として他の値を指数化した。ここで、値が大きいほどリムずれ摩耗性及びクラック耐久性に優れることを示す。
本発明の効果を確かめるために、ゴム成分に表1に記載の樹脂を添加した実施例1〜3のゴムチェーファー、並びにゴム成分に樹脂を添加していない従来例1及び2のゴムチェーファーを表1に示す配合により調製し、これらのゴムチェーファーを用いて上記方法に従い破断強力を測定した。また、これらのゴムチェーファーを図1及び2のゴムチェーファー8及び9として使用して、サイズ:50×20.0R22 32PRの航空機用ラジアルタイヤを作製し、これらのタイヤを用いて上記方法により背面部最外面の動的弾性率、背面部内面の動的弾性率及びリム背面部耐久性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009096418
*1 JSR製、BR01
*2 三井化学(株)製、BMI−S、ポリマレイミド樹脂(N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド)
*3 住友デュレズ(株)製、PR50235、ノボラック型フェノール樹脂
*4 大内新興化学工業(株)製、ノクセラーH
*5 N330
*6 大内新興化学工業(株)製、ノクセラーNS
*7 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
表1から分かるとおり、ゴム成分に前記樹脂を前記規定の範囲内で配合し、最外面表層の動的弾性率が11MPa以上であり、ゴムチェーファーの内面よりもゴムチェーファー最外面の動的弾性率が高く、破壊強力がゴムチェーファー内のいずれの部位においても20MPa以上であるゴムチェーファーを適用した実施例1〜3は、ゴム成分に樹脂を配合していないためゴムチェーファーの背面部最外層と背面部内面との動的弾性率に差がないゴムチェーファーを適用した従来例1及び2のタイヤより、いずれもリム背面部耐久性が優れていた。これらのことから、本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤは、ゴム成分に前記樹脂を前記規定の範囲内で配合し、最外面表層の動的弾性率が11MPa以上であるとリム背面部耐久性が改善されることが分かる。
正規リムに組み付けた本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの正規空気圧を充填した状態での無荷重時のビード部の部分断面図である。 正規リムに組み付けた本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤの正規空気圧を充填した状態での正規荷重の200%荷重時におけるビード部の部分断面図である。 本発明の高荷重用空気入りラジアルタイヤのゴムチェーファーの一例の部分断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 正規リム
4 ビードコア
5 カーカス
6 ビードベース部
7 ビード背面部
7A ビード背面部の内、正規空気圧を充填した状態での無荷重時にリムフランジ10と接触する部分
7B ビード背面部の内、正規空気圧を充填した状態での無荷重時から正規荷重の200%荷重時までにリムフランジ10と接触する部分
8、9 ゴムチェーファー
10 リムフランジ
11 リムベース
12 ゴムチェーファーの最外面
13 ゴムチェーファーの内面
a、b、c、d ゴムチェーファーを構成する層

Claims (9)

  1. トレッド部の両端から半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部のタイヤ半径方向内端に連なり、リムに着座されるビード部において、タイヤを正規リムに組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分にゴムチェーファーを具える高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ゴムチェーファーの最外面表層の動的弾性率が11MPa以上であることを特徴とする高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ゴムチェーファーは、該ゴムチェーファー内において動的弾性率が変化していることを特徴とする請求項1に記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ゴムチェーファーは、該ゴムチェーファーの最外面から内面にかけて動的弾性率が小さくなることを特徴とする請求項2に記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ゴムチェーファーの破壊強力が、該ゴムチェーファー内のいずれの部位においても20MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. トレッド部の両端から半径方向内方に延びるそれぞれのサイドウォール部のタイヤ半径方向内端に連なり、リムに着座されるビード部において、タイヤを正規リムに組み付け、正規空気圧を充填した状態で少なくとも該正規リムと接触する部分から、無荷重時から正規荷重の200%荷重時に至る間にリムフランジに接触する部分にゴムチェーファーを具える高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ゴムチェーファーに樹脂を配合したゴム組成物を用いたことを特徴とする高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記熱硬化性樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、ポリマレイミド樹脂及び変性ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  8. 前記樹脂の総配合量が、前記ゴムチェーファーに用いるゴム組成物のゴム成分100質量部に対して1〜25質量部であることを特徴とする請求項5に記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  9. 航空機用ラジアルタイヤであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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