JP2015205969A - タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤリムクッション用ゴムの耐摩耗性および硬度を高める手段の一つとしてカーボンブラックの増量が挙げられるが、耐クラック性や発熱性の悪化を招いてしまう。これとは別に、熱硬化性樹脂を配合する技術も知られている。しかし、単に熱硬化性樹脂を配合しただけでは硬度は高くなるものの、耐クラック性が悪化するという問題点があった。
【解決手段】NR30〜70質量部およびBR30〜70質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、例えばビスフェノールFを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を3〜10質量部、メチレンドナー化合物を0.1〜5質量部配合してなるタイヤリムクッション用ゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
【解決手段】NR30〜70質量部およびBR30〜70質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、例えばビスフェノールFを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を3〜10質量部、メチレンドナー化合物を0.1〜5質量部配合してなるタイヤリムクッション用ゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関し、詳しくは、高い硬度を有し、かつ、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性に優れるタイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤリムクッション用ゴムは、リムと直接接するため、優れた耐摩耗性や耐クラック性が要求される。またどじにタイヤの操縦安定性や低転がり性を満足すべく、高硬度化並びに低発熱化が要求されている。
タイヤリムクッション用ゴムの耐摩耗性および硬度を高める手段の一つとしてカーボンブラックの増量が挙げられるが、耐クラック性や発熱性の悪化を招いてしまう。これとは別に、熱硬化性樹脂を配合する技術(例えば特許文献1参照)も知られている。しかし、単に熱硬化性樹脂を配合しただけでは硬度は高くなるものの、耐クラック性が悪化するという問題点があった。
タイヤリムクッション用ゴムの耐摩耗性および硬度を高める手段の一つとしてカーボンブラックの増量が挙げられるが、耐クラック性や発熱性の悪化を招いてしまう。これとは別に、熱硬化性樹脂を配合する技術(例えば特許文献1参照)も知られている。しかし、単に熱硬化性樹脂を配合しただけでは硬度は高くなるものの、耐クラック性が悪化するという問題点があった。
したがって本発明の目的は、高い硬度を有し、かつ、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性に優れるタイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、特定のフェノール樹脂の特定量およびメチレンドナー化合物の特定量を配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.天然ゴム30〜70質量部およびブタジエンゴム30〜70質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、
下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を3〜10質量部、および
メチレンドナー化合物を0.1〜5質量部
配合してなることを特徴とするタイヤリムクッション用ゴム組成物。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.天然ゴム30〜70質量部およびブタジエンゴム30〜70質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、
下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を3〜10質量部、および
メチレンドナー化合物を0.1〜5質量部
配合してなることを特徴とするタイヤリムクッション用ゴム組成物。
(式(1)中、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはSO2基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。)
2.前記メチレンドナー化合物が、ヘキサメチレンテトラミンまたはメトキシメチロールメラミン誘導体であることを特徴とする前記1に記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をタイヤリムクッションに使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.前記メチレンドナー化合物が、ヘキサメチレンテトラミンまたはメトキシメチロールメラミン誘導体であることを特徴とする前記1に記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をタイヤリムクッションに使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
本発明によれば、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、特定のフェノール樹脂の特定量およびメチレンドナー化合物の特定量を配合することにより、高い硬度を有し、かつ、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性に優れるタイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)を必須成分とする。NRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、30〜70質量部が好ましく、30〜50質量部がさらに好ましい。またBRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、30〜70質量部が好ましく、50〜70質量部がさらに好ましい。
なお、NRおよびBR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等の公知のジエン系ゴムを配合することができる。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)を必須成分とする。NRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、30〜70質量部が好ましく、30〜50質量部がさらに好ましい。またBRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、30〜70質量部が好ましく、50〜70質量部がさらに好ましい。
なお、NRおよびBR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等の公知のジエン系ゴムを配合することができる。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gである必要がある。30m2/g未満であると、モジュラスが悪化する。逆に125m2/gを超えると、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化する。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。さらに好ましい窒素吸着比表面積(N2SA)は、30〜60m2/gである。
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gである必要がある。30m2/g未満であると、モジュラスが悪化する。逆に125m2/gを超えると、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化する。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。さらに好ましい窒素吸着比表面積(N2SA)は、30〜60m2/gである。
(フェノール樹脂)
本発明で使用されるフェノール樹脂は、下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%、好ましくは1〜10質量%含むフェノール樹脂である(以下、特定フェノール樹脂と言うことがある)。
本発明で使用されるフェノール樹脂は、下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%、好ましくは1〜10質量%含むフェノール樹脂である(以下、特定フェノール樹脂と言うことがある)。
(式(1)中、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはSO2基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。)
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂、オイル変性フェノール樹脂等が挙げられ、本発明の効果が向上するという観点から、オイル変性フェノール樹脂、とくにカシュー変性フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の重量平均分子量は2000〜20000g/molが好ましく、5000〜10000g/molがさらに好ましい。また、フェノール樹脂の軟化点は、70〜120℃が好ましく、80〜100℃がさらに好ましい。なお重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
前記式(1)で表される二核体フェノールとしては、例えば次の各種化合物が挙げられる。
本発明で使用される特定フェノール樹脂の調製方法としては、フェノール樹脂に前記式(1)で表される二核体フェノールを溶融混合する方法が挙げられる。溶融混合温度は例えば120℃〜240℃、好ましくは140〜220℃であり、溶融混合時間は、例えば攪拌下、1分〜120分である。また、必要に応じて溶剤を添加して均一に溶解させた後、脱溶剤して得てもよい。このようにして、本発明で使用される特定フェノール樹脂が得られる。本発明で使用される特定フェノール樹脂は、前記二核体フェノールとフェノール樹脂とが水素結合のような弱い化学結合により結合しているものと推測される。また、二核体フェノールは樹脂に対する異物となり、樹脂の架橋配列を乱すことにより、硬度、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性等の物性を改善するものと推測される。
(メチレンドナー化合物)
本発明のゴム組成物は、硬化剤としてメチレンドナー化合物を配合する。メチレンドナー化合物としては、例えば本発明の効果の観点から、ヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)のようなメトキシメチロールメラミン誘導体、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマーおよびメラミンのN−メチロール誘導体等が好ましく、中でもヘキサメチレンテトラミン、HMMM、PMMMのようなメトキシメチロールメラミン誘導体がさらに好ましい。
本発明のゴム組成物は、硬化剤としてメチレンドナー化合物を配合する。メチレンドナー化合物としては、例えば本発明の効果の観点から、ヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)のようなメトキシメチロールメラミン誘導体、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマーおよびメラミンのN−メチロール誘導体等が好ましく、中でもヘキサメチレンテトラミン、HMMM、PMMMのようなメトキシメチロールメラミン誘導体がさらに好ましい。
(充填剤)
本発明のゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、適宜選択すればよいが、例えばシリカ、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、適宜選択すればよいが、例えばシリカ、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
(タイヤリムクッション用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、前記特定フェノール樹脂を3〜10質量部、およびメチレンドナー化合物を0.1〜5質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が不足する。
前記カーボンブラックの配合量が100質量部を超えると、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化する。
前記特定フェノール樹脂の配合量が3質量部未満であると、添加量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
前記特定フェノール樹脂の配合量が10質量部を超えると、耐クラック性、耐摩耗性が悪化する。
前記メチレンドナー化合物の配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
前記メチレンドナー化合物の配合量が10質量部を超えると、発熱性が悪化する。
本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、前記特定フェノール樹脂を3〜10質量部、およびメチレンドナー化合物を0.1〜5質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が不足する。
前記カーボンブラックの配合量が100質量部を超えると、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化する。
前記特定フェノール樹脂の配合量が3質量部未満であると、添加量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
前記特定フェノール樹脂の配合量が10質量部を超えると、耐クラック性、耐摩耗性が悪化する。
前記メチレンドナー化合物の配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
前記メチレンドナー化合物の配合量が10質量部を超えると、発熱性が悪化する。
本発明において、前記カーボンブラックのさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、40〜80質量部である。
本発明において、前記特定フェノール系樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、3〜8質量部である。
本発明において、前記メチレンドナー化合物のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜5質量部である。
本発明において、前記特定フェノール系樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、3〜8質量部である。
本発明において、前記メチレンドナー化合物のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜5質量部である。
本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤリムクッション用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
また本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
特定フェノール樹脂の調製
住友ベークライト(株)カシュー変性フェノール樹脂PR−NR−1(重量平均分子量=7550g/mol)に対し、ビスフェノールF、ビスフェノールAまたはビスフェノールSを所定の質量%で加え、180℃で5分間溶融混合し、各種特定フェノール樹脂を得た。
住友ベークライト(株)カシュー変性フェノール樹脂PR−NR−1(重量平均分子量=7550g/mol)に対し、ビスフェノールF、ビスフェノールAまたはビスフェノールSを所定の質量%で加え、180℃で5分間溶融混合し、各種特定フェノール樹脂を得た。
実施例1〜10および比較例1〜10
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)と硬化剤を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、タイヤリムクッション用ゴム組成物を得た。得られたタイヤリムクッション用ゴム組成物を170℃、10分の条件でプレス加硫し、以下に示す試験法で物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)と硬化剤を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、タイヤリムクッション用ゴム組成物を得た。得られたタイヤリムクッション用ゴム組成物を170℃、10分の条件でプレス加硫し、以下に示す試験法で物性を測定した。
硬度(20℃):JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
発熱性:(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、低発熱性であることを示す。
屈曲亀裂成長性(耐クラック性):JIS K6260に準拠して屈曲亀裂成長試験を行った。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど亀裂成長が小さく良好であることを示す。
耐摩耗性:ASTM−D2228に準拠して、ピコ摩耗試験機を使用して摩耗量を測定した。結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
結果を表1に併せて示す。
発熱性:(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、低発熱性であることを示す。
屈曲亀裂成長性(耐クラック性):JIS K6260に準拠して屈曲亀裂成長試験を行った。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど亀裂成長が小さく良好であることを示す。
耐摩耗性:ASTM−D2228に準拠して、ピコ摩耗試験機を使用して摩耗量を測定した。結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
結果を表1に併せて示す。
*1:NR(TSR20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック−1(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN550、窒素吸着比表面積(N2SA)=40m2/g)
*4:カーボンブラック−2(東海カーボン(株)製シースト9M、窒素吸着比表面積(N2SA)=150m2/g)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*7:老化防止剤(フレキシス(株)製SANTOFLEX 6PPD)
*8:比較フェノール樹脂(住友ベークライト(株)カシュー変性フェノール樹脂。重量平均分子量=7550g/mol)
*9:特定フェノール樹脂−1(前記のようにして調製したビスフェノールFを1質量%含むフェノール樹脂)
*10:特定フェノール樹脂−2(前記のようにして調製したビスフェノールFを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*11:特定フェノール樹脂−3(前記のようにして調製したビスフェノールFを5質量%含むフェノール樹脂)
*12:特定フェノール樹脂−4(前記のようにして調製したビスフェノールFを10質量%含むフェノール樹脂)
*13:特定フェノール樹脂−5(前記のようにして調製したビスフェノールAを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*14:特定フェノール樹脂−6(前記のようにして調製したビスフェノールAを5質量%含むフェノール樹脂)
*15:特定フェノール樹脂−7(前記のようにして調製したビスフェノールSを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*16:PMMM(住友化学(株)製スミカノール507A)
*17:硫黄(フレキシス(株)製クリステックスHS)
*18:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック−1(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN550、窒素吸着比表面積(N2SA)=40m2/g)
*4:カーボンブラック−2(東海カーボン(株)製シースト9M、窒素吸着比表面積(N2SA)=150m2/g)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*7:老化防止剤(フレキシス(株)製SANTOFLEX 6PPD)
*8:比較フェノール樹脂(住友ベークライト(株)カシュー変性フェノール樹脂。重量平均分子量=7550g/mol)
*9:特定フェノール樹脂−1(前記のようにして調製したビスフェノールFを1質量%含むフェノール樹脂)
*10:特定フェノール樹脂−2(前記のようにして調製したビスフェノールFを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*11:特定フェノール樹脂−3(前記のようにして調製したビスフェノールFを5質量%含むフェノール樹脂)
*12:特定フェノール樹脂−4(前記のようにして調製したビスフェノールFを10質量%含むフェノール樹脂)
*13:特定フェノール樹脂−5(前記のようにして調製したビスフェノールAを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*14:特定フェノール樹脂−6(前記のようにして調製したビスフェノールAを5質量%含むフェノール樹脂)
*15:特定フェノール樹脂−7(前記のようにして調製したビスフェノールSを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*16:PMMM(住友化学(株)製スミカノール507A)
*17:硫黄(フレキシス(株)製クリステックスHS)
*18:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
前記の表1から明らかなように、実施例1〜10で調製されたタイヤリムクッション用ゴム組成物は、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、特定のフェノール樹脂の特定量およびメチレンドナー化合物の特定量を配合しているので、従来の代表的な比較例1に対し、高い硬度を有し、かつ、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性に優れることが証明された。
これに対し、比較例2は、比較例1で使用したカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)を変更した例であるが、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、比較例1で使用したカーボンブラックを増量した例であるが、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化した。
比較例4は、比較例1で使用したフェノール樹脂を増量した例であるが、発熱性、耐クラック性が悪化した。
比較例5、7は、特定フェノール樹脂の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度、耐摩耗性が悪化した。
比較例6、8は、特定フェノール樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、耐クラック性、耐摩耗性、発熱性が悪化した。
比較例9は、フェノール樹脂を配合せず、二核体フェノール(ビスフェノールF)を配合した例であるので、硬度、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化した。
比較例10は、フェノール樹脂と二核体フェノールを溶融混合せずに、比較フェノール樹脂とビスフェノールFを個別に配合した例である。この場合、フェノール樹脂と二核体フェノールとの相互作用が発現せず、硬度、耐摩耗性が悪化した。
これに対し、比較例2は、比較例1で使用したカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)を変更した例であるが、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、比較例1で使用したカーボンブラックを増量した例であるが、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化した。
比較例4は、比較例1で使用したフェノール樹脂を増量した例であるが、発熱性、耐クラック性が悪化した。
比較例5、7は、特定フェノール樹脂の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度、耐摩耗性が悪化した。
比較例6、8は、特定フェノール樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、耐クラック性、耐摩耗性、発熱性が悪化した。
比較例9は、フェノール樹脂を配合せず、二核体フェノール(ビスフェノールF)を配合した例であるので、硬度、発熱性、耐クラック性、耐摩耗性が悪化した。
比較例10は、フェノール樹脂と二核体フェノールを溶融混合せずに、比較フェノール樹脂とビスフェノールFを個別に配合した例である。この場合、フェノール樹脂と二核体フェノールとの相互作用が発現せず、硬度、耐摩耗性が悪化した。
Claims (3)
- 天然ゴム30〜70質量部およびブタジエンゴム30〜70質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜125m2/gであるカーボンブラックを50〜100質量部、
下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を3〜10質量部、および
メチレンドナー化合物を0.1〜5質量部
配合してなることを特徴とするタイヤリムクッション用ゴム組成物。
[化1]
(式(1)中、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはSO2基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。) - 前記メチレンドナー化合物が、ヘキサメチレンテトラミンまたはメトキシメチロールメラミン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物をタイヤリムクッションに使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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JP2014086080A JP2015205969A (ja) | 2014-04-18 | 2014-04-18 | タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
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2014
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