JP6297900B2 - タイヤ金属コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤ金属コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ベルトのような金属コードに対して良好な接着性を有するとともに、硬度およびモジュラスを維持したまま、補強性および発熱性を改善できるタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
乗用車やトラック、バスなどの空気入りタイヤにおいては、カーカス層の外側にベルト層がタイヤ1周に亘って配置されている。ベルト層は、例えばスチールコードのような金属コードと、該金属コードを被覆するゴムとからなる。このような金属コードを被覆するゴムは、優れた操縦安定性、補強性、低転がり性を付与するために高硬度、高破断物性、低発熱性であることが必要である。また、タイヤの使用期間が長期化する中で、破壊寿命特性を得るために金属コードとの良好な接着性も求められる。
一方、操縦安定性、低燃費性、接着性を改善するために、ゴム組成物にフェノール系樹脂とその硬化剤を配合する技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物では、前記各特性が依然として十分なレベルに到達していない。
特開2013−122038号公報
したがって本発明の目的は、ベルトのような金属コードに対して良好な接着性を有するとともに、硬度およびモジュラスを維持したまま、補強性および発熱性を改善できるタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、特定のフェノール樹脂の特定量、硫黄の特定量および有機酸コバルト塩の特定量を配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム90質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(NSA)が40〜120m/gであるカーボンブラックを30〜80質量部、
下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を0.5〜10質量部、
硫黄を3〜10質量部、および
有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部
配合してなることを特徴とするタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物。
[化1]
Figure 0006297900
(式(1)中、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはSO基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。)
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、メチレンドナー化合物を0.1〜10質量部さらに配合することを特徴とする前記1に記載のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をベルト層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
本発明によれば、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、特定のフェノール樹脂の特定量、硫黄の特定量および有機酸コバルト塩の特定量を配合することにより、ベルトのような金属コードに対して良好な接着性を有するとともに、硬度およびモジュラスを維持したまま、補強性および発熱性を改善できるタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/または(IR)の配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、90質量部以上が好ましい。なお、NR、IR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)等を0〜5質量部程度配合することができる。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が40〜120m/gである必要がある。40m/g未満であると、補強性、強度が悪化する。逆に120m/gを超えると、加工性や発熱性が悪化する。なお、窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。さらに好ましい窒素吸着比表面積(NSA)は、70〜90m/gである。
(フェノール樹脂)
本発明で使用されるフェノール樹脂は、下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%、好ましくは1〜10質量%含むフェノール樹脂である(以下、特定フェノール樹脂と言うことがある)。
[化2]
Figure 0006297900
(式(1)中、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはSO基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。)
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂、オイル変性フェノール樹脂等が挙げられ、本発明の効果が向上するという観点から、オイル変性フェノール樹脂、とくにカシュー変性フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の重量平均分子量は2000〜50000g/molが好ましく、3000〜10000g/molがさらに好ましい。また、フェノール樹脂の軟化点は、70〜120℃が好ましく、80〜100℃がさらに好ましい。なお重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
前記式(1)で表される二核体フェノールとしては、例えば次の各種化合物が挙げられる。
[化3]

Figure 0006297900
[化4]
Figure 0006297900
[化5]

Figure 0006297900
本発明で使用される特定フェノール樹脂の調製方法としては、フェノール樹脂に前記式(1)で表される二核体フェノールを溶融混合する方法が挙げられる。溶融混合温度は例えば120℃〜240℃、好ましくは140〜220℃であり、溶融混合時間は、例えば攪拌下、1分〜120分である。また、必要に応じて溶剤を添加して均一に溶解させた後、脱溶剤して得てもよい。このようにして、本発明で使用される特定フェノール樹脂が得られる。本発明で使用される特定フェノール樹脂は、前記二核体フェノールとフェノール樹脂とが水素結合のような弱い化学結合により結合しているものと推測される。また、二核体フェノールは樹脂に対する異物となり、樹脂の架橋配列を乱すことにより、高度、引張強さ、破断伸び、発熱性等の物性を改善するものと推測される。
(有機酸コバルト塩)
本発明で使用される有機酸コバルト塩は、金属とゴムの耐水接着性をさらに高めるために用いることができる。有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、リノール酸コバルト、リノレイン酸コバルト、パルミチン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸三ネオデカン酸コバルト等が挙げられる。
(メチレンドナー化合物)
本発明のゴム組成物は、硬化剤としてメチレンドナー化合物を配合することができる。メチレンドナー化合物としては、例えば本発明の効果の観点から、ヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)のようなメトキシメチロールメラミン誘導体、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマーおよびメラミンのN−メチロール誘導体等が好ましく、中でもヘキサメチレンテトラミン、HMMM、PMMMのようなメトキシメチロールメラミン誘導体がさらに好ましい。メチレンドナー化合物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、例えば0.1〜10質量部配合することができる。
(充填剤)
本発明のゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、適宜選択すればよいが、例えばシリカ、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
(タイヤ金属コード被覆用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が40〜120m/gであるカーボンブラックを30〜80質量部、前記特定フェノール樹脂を0.5〜10質量部、硫黄を3〜10質量部、および有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が不足する。
前記カーボンブラックの配合量が80質量部を超えると、発熱性が悪化する。
前記特定フェノール樹脂の配合量が0.5質量部未満であると、添加量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
前記特定フェノール樹脂の配合量が10質量部を超えると、破断伸びおよび老化後の接着性が悪化する。
硫黄の配合量の配合量が3質量部未満であると、スチールコードとの接着性が悪化する。
硫黄の配合量の配合量が10質量部を超えると、破断伸びが悪化する。
有機酸コバルト塩の配合量が0.1質量部未満であると、添加量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
有機酸コバルト塩の配合量が10質量部を超えると、スチールコードとの接着性が悪化する。
本発明において、前記カーボンブラックのさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、40〜60質量部である。
本発明において、前記特定フェノール系樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜5質量部である。
本発明において、前記硫黄のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、4〜8質量部である。
本発明において、前記有機酸コバルト塩のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜3質量部である。
本発明のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物は、金属コードに対して良好な接着性を有するとともに、硬度およびモジュラスを維持したまま、補強性および発熱性を改善できることから、金属コードとしてベルトを採用するのがとくに好ましい。本発明のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物にベルトを埋設させる手段としては、例えば、前記の各種成分をバンバリーミキサーやロールミキサーなどの汎用の混合機を用いて混合しゴム組成物を調製し、これにベルトを構成する金属コードを埋設させ、常法にしたがって加硫すればよい。
また本発明のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
特定フェノール樹脂の調製
住友ベークライト(株)カシュー変性フェノール樹脂PR−NR−1(重量平均分子量=7550g/mol)に対し、ビスフェノールF、ビスフェノールAまたはビスフェノールSを所定の質量%で加え、180℃で5分間溶融混合し、各種特定フェノール樹脂を得た。
実施例1〜13および比較例1〜7
サンプルの調製
表1および2に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)と硬化剤を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、タイヤ金属コード被覆用ゴム組成物を得た。得られたタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物を160℃、20分の条件でプレス加硫し、以下に示す試験法で物性を測定した。
ムーニー粘度:前記ゴム組成物を用い、JIS K6300に従い、100℃における未加硫ゴムの粘度を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
硬度(20℃):JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
100%モジュラス(M100):JIS K6251に基づき、100℃での引張試験にて評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほどモジュラスが高いことを示す。
引張試験:JIS K6251(JIS 3号ダンベル)に基づき、100℃にて引張試験を実施し、引張強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。結果は比較例1を100として指数で示した。指数が大きいほど強度が高いことを示す。
発熱性:(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が低いほど、低発熱性であることを示す。
未老化接着性能試験:12.7mm間隔で平行に並べたブラスめっきスチールコードを上記ゴム組成物で被覆すると共に、埋め込み長さ12.7mmで埋め込み、160℃×20分間の加硫条件で加硫接着してサンプルを作製した。ASTM D−2229に準拠して前記サンプルからスチールコードを引き抜き、その表面を被覆するゴム付着量(%)により評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この値が大きいほどゴムに対する接着性が優れている。
老化後接着性能試験:上記の加硫後の接着サンプルを温度80℃、湿度96%、2週間の環境下におき、老化させた。このサンプルを上記の未老化接着性能試験と同様にして、引抜力とゴム付着量(%)を測定し、評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この値が大きいほどゴムに対する接着性が優れている。
結果を併せて表1および2に示す。
Figure 0006297900
Figure 0006297900
*1:NR(RSS#3)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シースト300、窒素吸着比表面積(NSA)=82m2/g)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*6:老化防止剤(住友化学(株)製アンチゲン6C)
*7:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*8:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*9:HMMM(CYTEC INDUSTRIES社製CYREZ964PRC)
*10:比較フェノール樹脂(住友ベークライト(株)カシュー変性フェノール樹脂。重量平均分子量=7550g/mol)
*11:特定フェノール樹脂−1(前記のようにして調製したビスフェノールFを1質量%含むフェノール樹脂)
*12:特定フェノール樹脂−2(前記のようにして調製したビスフェノールFを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*13:特定フェノール樹脂−3(前記のようにして調製したビスフェノールFを5質量%含むフェノール樹脂)
*14:特定フェノール樹脂−4(前記のようにして調製したビスフェノールFを10質量%含むフェノール樹脂)
*15:特定フェノール樹脂−5(前記のようにして調製したビスフェノールAを2.5質量%含むフェノール樹脂)
*16:特定フェノール樹脂−6(前記のようにして調製したビスフェノールAを5質量%含むフェノール樹脂)
*17:特定フェノール樹脂−7(前記のようにして調製したビスフェノールSを1質量%含むフェノール樹脂)
*18:特定フェノール樹脂−8(前記のようにして調製したビスフェノールSを2.5質量%含むフェノール樹脂)
前記の表1および2から明らかなように、実施例1〜13で調製されたタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、特定のフェノール樹脂の特定量、硫黄の特定量および有機酸コバルト塩の特定量を配合しているので、従来の代表的な比較例1に対し、ベルトのような金属コードに対して良好な接着性を有するとともに、硬度およびモジュラスを維持したまま、補強性および発熱性を改善できることが明らかになった。また、加工性の悪化も見られなかった。
これに対し、比較例2、6は、特定フェノール樹脂の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度、モジュラス、TB、EB、発熱性、接着性のいずれも改善が見られなかった。
比較例3、7は、特定フェノール樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、TBまたはEB、発熱性、接着性を同時に向上させることができなかった。
比較例4は、フェノール樹脂を配合せず、二核体フェノール(ビスフェノールF)を配合した例であるので、モジュラス、硬度、TB、EB、接着性が悪化した。
比較例5は、フェノール樹脂と二核体フェノールを溶融混合せずに、比較フェノール樹脂とビスフェノールFを個別に配合した例である。この場合、フェノール樹脂と二核体フェノールとの相互作用が発現せず、硬度と破断伸びのバランスが悪化した。

Claims (3)

  1. 天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム90質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、
    窒素吸着比表面積(NSA)が40〜120m/gであるカーボンブラックを30〜80質量部、
    下記式(1)で表される二核体フェノールとフェノール樹脂との溶融混合物であって、下記式(1)で表される二核体フェノールを0.5〜10質量%含むフェノール樹脂を0.5〜10質量部、
    硫黄を3〜10質量部、および
    有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部
    配合してなることを特徴とするタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物。
    Figure 0006297900
    (式(1)中、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはSO基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。)
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、メチレンドナー化合物を0.1〜10質量部さらに配合することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ金属コード被覆用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のゴム組成物をベルト層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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