JP2015163668A - 樹脂組成物及びその製造方法、並びに共縮合物を含有するゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】補強材とゴムとの接着剤として有用であり、混練時にゴムに効率よく分散し、かつ、揮発成分が少ないため臭気の少ない新規な樹脂組成物及びその製造方法の提供。【解決手段】アルカリ存在下、p−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの混合物をホルムアルデヒドと反応させて得られるレゾール型縮合物に、さらにレゾルシンを混合し、反応させることで得られる共縮合物とクマロン樹脂を含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物中のクマロン樹脂の含有量が5〜70重量%とすることにより、前記課題が解決可能であることを見出した。【選択図】なし
Description
本発明は、アルキルフェノール等から得られる樹脂組成物の改良に関する。
タイヤ、ベルト、ホースなどのように、スチールコード類や有機繊維類等の補強材で補強する必要のあるゴム製品においては、ゴムと補強材との強固な接着が求められている。ゴムとの接着を行うため、補強材を種々の接着剤で処理する方法や、ゴムの加工工程において接着剤を他の各種配合剤とともに配合する方法が知られている。これらの中でも、ゴムの加工工程において接着剤を配合する方法は、補強材の接着剤処理の有無に関わらず、強固に加硫接着することが可能であるため広く採用されている。このようなゴムの加工工程において使用される接着剤として、p−tert−オクチルフェノールやp−ノニルフェノール等のアルキルフェノールとホルマリン類を反応させ共縮合物を得、その共縮合物にレゾルシンを反応させた共縮合物が知られている。(例えば特許文献1)。
しかしながら、しかしながら、p−tert−オクチルフェノールやp−ノニルフェノールは昨今、EU域内の規制であるREACH規則に定められるSVHCの候補物質とされ、EU域内においてその使用が今後制限される可能性が高くなっている。
一方、ゴムの加工工程において使用される接着剤はゴム加工工程にて軟化することが求められ、また、接着剤として共縮合物(フェノール樹脂)が良く用いられるタイヤ用ゴム分野においては、ゴム加工工程を通常170℃前後で実施することが知られている(例えば非特許文献1)。従って、ゴムの加工工程において使用される接着剤として用いられる樹脂については、その軟化点はゴム加工時の最大温度より十分低く、150℃以下であることが必要であり、更には、該樹脂の分散性向上の観点からは、該樹脂が保存中にブロッキングしない程度に、軟化点は出来るだけ低くすることが好ましいとされている。
日本ゴム協会紙 Vol.73(2000)、No.9、p488−493
本発明は補強材で補強するゴム製品の分野に用いられる接着剤用の共縮合物であって、法規制による使用の制限が為される可能性のあるp−tert−オクチルフェノールやp−ノニルフェノールといった特定のフェノール類を含まず、かつ軟化点が従来公知の共縮合物と同程度あるいはそれ以下であるので混練時にゴムに効率よく分散し、更には安価に入手可能なp−tert−ブチルフェノールを含む新規な共縮合物を含む樹脂組成物及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、課題解決に向けて鋭意検討した結果、p−tert−ブチルフェノールとレゾルシンとを含む共縮合物の構成単位に、更にo−フェニルフェノールを含む共縮合物とすることにより軟化点が大幅に低下し、補強材で補強するゴム製品の分野に用いられる接着剤として好適に用いることが可能なp−tert−ブチルフェノールを含む新規な共縮合物となること、更には、該共縮合物の軟化点を更に低下させるため、該共縮合物と相溶性が良好で軟化剤として使用可能な材料を鋭意検討した結果、通常ゴムの加工用途に使用されるプロセスオイルを軟化剤として使用した場合、当該共縮合物との相溶性が悪いため混合すると樹脂層とオイル層の分離が起こり、軟化剤としての効果を十分に得ることができず、さらには、相溶性が悪いことにより製造が困難になるという問題点があることを見出す一方で、クマロン樹脂が特異的に軟化剤として使用可能であること、さらにはその使用により得られる樹脂組成物の軟化点が効果的に低下し、混練時のゴムへの分散性が改善可能であることを見出した。具体的には、下記〔1〕〜〔3〕記載の発明を含む。
〔1〕
以下式(1)
以下式(1)
〔2〕
遊離レゾルシンの含有量が5重量%以下であることを特徴とする〔1〕記載の樹脂組成物。
遊離レゾルシンの含有量が5重量%以下であることを特徴とする〔1〕記載の樹脂組成物。
〔3〕
〔1〕または〔2〕記載の樹脂組成物を含むゴム組成物。
〔1〕または〔2〕記載の樹脂組成物を含むゴム組成物。
本発明によれば、軟化点が従来公知の共縮合物と同程度あるいはそれ以下であるので、混練時にゴムに効率よく分散し、それを加硫して得られるゴムと補強材との接着を強固にすることが可能な樹脂組成物が提供可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物に含まれる共縮合物は主鎖中に以下式(1)
これら構成単位の内、o−フェニルフェノール由来の構成単位が含まれていない場合、軟化点が高くなり混練時にゴムに配合した際に分散性不良の問題が発生する結果、混練時にゴムに配合して使用するゴムと補強材との接着剤として不適となる。また、レゾルシン由来の構成単位が含まれていない場合、混練時にゴムに配合して使用するゴムと補強材との接着剤としての能力を十分に発揮しない。更には、p−tert−ブチルフェノール由来の構成単位を含まない場合、共縮合物としての価格が非常に高くなり、工業的有利に本願発明の共縮合物を得ることが出来なくなる。
これら構成単位は通常、p−tert−ブチルフェノール由来の構成単位(1)の1モルに対し、o−フェニルフェノール由来の構成単位(2)を0.5〜15倍モルとすることが好ましく、1.5〜10倍モルとすることがより好ましく、1.5〜6倍モルとすることが特に好ましい。0.5倍モルより少ない場合、軟化点が高くなりすぎて前述のような問題が発生する場合があり、15倍モルより多い場合、混練時にゴムに配合して使用するゴムと補強材との接着剤としての性能には影響は与えないものの、共縮合物の原料コストが高くなり工業上有利に本願記載の共縮合物を製造することができなくなる場合がある。
レゾルシン由来の構成単位(3)はp−tert−ブチルフェノール由来の構成単位(1)及びo−フェニルフェノール由来の構成単位(2)の合計量1モルに対し通常0.5〜2.0倍モル含まれる。0.5倍モルより少ない場合、混練時にゴムに配合して使用するゴムと補強材との接着剤としての能力を十分に発揮しない場合があり、2.0倍モルより多く含まれるものは工業上製造が困難である場合がある。
これら構成単位は通常、反応で使用するアルデヒド由来のアルキル基及び/又はアルキルエーテル基のような結合基によって結合される。中でも結合基は、ホルムアルデヒド由来のメチレン基及び/又はジメチレンエーテル基であることが好ましい。結合基は、p−tert−ブチルフェノール由来の構成単位(1)及びo−フェニルフェノール由来の構成単位(2)の合計量1モルに対して、通常1〜2倍モル含まれる。
これら構成単位の比率は、例えば共縮合物を1H−NMRを用い分析することにより決定可能である。具体的には、共縮合物を1H−NMRにて分析し、得られた分析結果の内、各構成単位に由来するプロトン積分値からその比率を決定する方法が例示される。
本発明の樹脂組成物に含まれる共縮合物中には、必要に応じp−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール及びレゾルシン由来の構成単位以外を含むことができる。このような構成単位の例として、一般的にゴムの加工工程において使用される接着剤として用いられる共縮合物の原料として用いられる各種アルキルフェノール由来の構成単位が例示される。
本発明の樹脂組成物に含まれる共縮合物の軟化点は通常、150℃以下であり、80〜150℃であることが好ましく、80〜140℃であることがより好ましく、中でも90〜130℃であることが特に好ましい。軟化点が150℃より高いとクマロン樹脂と混合し樹脂組成物とする際に、十分な量のクマロン樹脂と混合できないため軟化点が十分に低下しない結果、前述の問題と同様の問題が発生する場合がある。軟化点が80℃より低いと保存中にブロッキングする場合がある。
本発明におけるクマロン樹脂とは、その骨格構造にクマロン残基を含む平均重合度4〜8の共重合体のことを示し、クマロン残基の他にインデン、スチレン残基を有しているものが一般的である。本発明で使用されるクマロン樹脂としては、通常軟化点が120℃以下であるものを使用し、好ましくは100℃以下のものを使用する。120℃よりも高いものを使用した場合、樹脂組成物の軟化点を効果的に下げることができない。このようなクマロン樹脂の具体例としては、Rutgers社製 ノバレスCシリーズ(ノバレスC10、C30、C70、C80、C90、C100、C120)、ノバレスCAシリーズ(ノバレスCA80、CA100、CA120)、日塗化学株式会社製 ニットレジンクマロン(G−90、L−5、L−20)、神戸油化学工業株式会社製 プロセスレジンなどが挙げられる。これらのクマロン樹脂は単独で使用してもよいし、必要に応じて2種類以上を混合して使用することも可能である。
樹脂組成物中のクマロン樹脂の含有量は、通常、樹脂組成物の総量に対し5〜70重量%であり、好ましくは10〜60重量%である。含有量が70重量%を超えた場合、樹脂組成物のブロッキングや、ゴム用接着剤としての性能の低下が起こる場合がある。5重量%を下回る場合、軟化点が十分に下がらず、クマロン樹脂を混合させる意義が見いだせない場合がある。また、軟化点が40℃以下の油状のクマロン樹脂を使用する場合、その使用量は40重量%以下であることが好ましい。40重量%を超えた場合、ブロッキングが起こりやすい傾向にある。したがって、ブロッキングを避けながらクマロン樹脂の含有量を増やし軟化点を大きく低下させる為には、軟化点が40℃以下の油状のクマロン樹脂を40重量%を超えない範囲で使用した上、更に軟化点70℃以上の固体のクマロン樹脂を併用することが好ましい。
樹脂組成物の軟化点は150℃以下が好ましく、中でも80℃〜140℃であることが好ましく、90℃〜120℃であることが特に好ましい。本発明の樹脂組成物を通常の混練温度である170℃程度でゴムへ混練する場合、軟化点は150℃以下であれば十分であるが、混練中のレゾルシンの蒸散を抑制する目的で100〜130℃の低温で混練を行う場合、軟化点を混練温度より低い120℃以下としなければ分散性不良の問題が発生する場合があり、ゴムと補強材との接着剤としての性能が十分に発現されない場合がある。また、80℃より低いと、保存中にブロッキングする場合がある。
樹脂組成物中に含まれる遊離レゾルシンの含有量は5重量%以下であることが好ましい。5重量%以下とすることで、ゴム混練時のレゾルシンの蒸散を抑えることが可能であり、作業環境上好ましい。
本発明の樹脂組成物中に含まれる、遊離レゾルシン以外の未反応モノマーであるp−tert−ブチルフェノールやo−フェニルフェノール、反応で使用した残存溶媒の総量は特に限定されないが、5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。5重量%以下とすることで未反応モノマーや残存溶媒に由来する臭気が低減可能であり、併せて揮発性有機化合物が低減されるため環境上好ましい。
本発明の樹脂組成物は例えば、アルカリ存在下、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノールの混合物とホルムアルデヒドを反応させレゾール型縮合物を得、そのレゾール型縮合物にレゾルシンを反応させてp−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール及びレゾルシン由来の構成単位並びにホルムアルデヒド由来のメチレン基を含む共縮合物を得ることが可能であるが、その製造工程において後述するように適宜クマロン樹脂を添加することにより、本願発明のクマロン樹脂の含有量が5〜70重量%である樹脂組成物を得ることが可能となる。以下、この製造方法について詳述する。
本発明で用いるp−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの混合物(以下、フェノール誘導体と称することがある)におけるo−フェニルフェノールの比率は、p−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの総量に対し35%〜94モル%であることが好ましく、40〜91モル%であることがより好ましく、60モル%〜85モル%であることが特に好ましい。35モル%より少ないと得られる共縮合物の軟化点が高くなり、ゴム成分と混練するときに分散不良となる場合がある。94モル%より多いと、混練時にゴムに配合して使用するゴムと補強材との接着剤としての性能には影響は与えないものの、高価なo−フェニルフェノールが多量に必要となり、工業上有利に本願記載の共縮合物を製造できなくなる場合がある。なお、本発明におけるp−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの混合物とは、反応器に投入する前に事前に混合したものの他、それぞれ別個に反応器に投入し、結果として反応器内で混合物となったものも含まれる。
本発明で用いるホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド自体のほか、水溶液であるホルマリン、及びパラホルムアルデヒドやトリオキサンのような、容易にホルムアルデヒドを発生する化合物を使用することができる。ホルムアルデヒドの仕込みモル比はフェノール誘導体の総量(物質量基準)に対し通常1〜3倍モルであり、好ましくは1.5〜2.5倍モルである。1倍モルより少ない場合、未反応モノマーが多くなり臭気が増加する場合がある。また、3倍モルより多い場合、ホルムアルデヒドが未反応のまま多く残存するため、樹脂が三次元構造化して軟化点が高くなる場合がある。
アルカリとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、アンモニア、アミンのような、通常のレゾール型縮合物を製造する際に用いられるものを使用することができる。アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。この中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。これらのアルカリは固体状のものでも、水溶液状のものでも使用可能であるが、反応性、取扱いの面から水溶液のものを使用することが好ましい。水溶液状のものを使用する場合、その濃度は通常、10重量%〜50重量%のものを使用する。アルカリの使用量としてはフェノール誘導体の総量(物質量基準)に対し、通常0.03〜0.6倍モル、好ましくは0.03〜0.3倍モルである。
アルカリ存在下、p−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの混合物をホルムアルデヒドと反応させる(以下、レゾール型縮合物を得る反応と称する。また、こうして得られる縮合物をレゾール型縮合物と称する。)際は、有機溶媒を用いず反応を行うことも可能であるし、有機溶媒中で行うことも可能である。有機溶媒を用いる場合、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン等の炭素数1〜5のケトン類を用いることができるが、この中でもトルエン、キシレンが好ましい。これらの溶媒は単独あるいは2種類以上を混合して用いることも可能である。有機溶媒を使用する場合、通常、p−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの総量に対し0.4〜4.0重量倍使用する。有機溶媒を用いず反応を行う場合、水を有機溶媒の代わりとして使用することも可能である。レゾール型縮合物を得る反応は通常、反応温度40〜100℃、1〜48時間で実施される。
かかる反応により得られたレゾール型縮合物は、使用したアルカリを中和せずにそのままレゾルシンとの反応に使用してもよいし、酸を加えアルカリを中和した後に使用してもよい。中和を行う際に使用する酸の種類は特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などが例として挙げられる。これらの酸は1種類のみを単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。この際、使用される酸の総量は特に限定されないが、通常使用したアルカリに対し等量(物質量基準)の酸を使用することが好ましい。また、未反応のホルムアルデヒドや中和で生成した無機塩類等を除去するために、必要に応じて水と混和しない有機溶媒を用いてレゾール型縮合物を抽出し、洗浄する処理を追加してもよい。
レゾール型縮合物とレゾルシンを反応させる際のレゾルシンの使用量は通常、フェノール誘導体の総量に対し、0.5〜4.0倍モル使用し、好ましくは0.9〜2倍モル、特に0.9〜1.6倍モルが好ましい。4.0倍モルより多い場合、未反応のレゾルシンが多く残存し、共縮合物からのレゾルシンの揮発が問題となる場合がある。0.5倍モルより低い場合、反応が完結せず混練時にゴムに配合して使用するゴムと補強材との接着剤としての性能が出ない場合がある。
レゾール型縮合物とレゾルシンとの反応は、有機溶媒中で行うことも可能である。使用可能な溶媒として例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン等の炭素数1〜5のケトン類を用いることができるが、この中でも炭素数1〜5のケトン類、芳香族炭化水素類が好ましく、更にはメチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンが好ましい。これらの有機溶媒は必要に応じ単独あるいは2種類以上を混合して用いることも可能である。また、有機溶媒はレゾール型縮合物を製造する際に使用した溶媒をそのまま使用しても良いし、適宜新たな有機溶媒を加えても良い。なお、有機溶媒を使用する場合、通常、p−tert−ブチルフェノールとo−フェニルフェノールの総量に対し0.4〜4.0重量倍使用する。
レゾール型縮合物とレゾルシンとの反応は通常、反応温度40〜150℃、1〜48時間で実施される。また、レゾール型縮合物とレゾルシンとの反応では、系内に水が存在すると反応速度が遅くなる傾向がある。レゾール型縮合物とレゾルシンとの反応で生成した水により反応速度が低下する場合があるため、反応を促進する目的で脱水しながら反応を行うことが好ましい。
レゾール型縮合物とレゾルシンとの反応終了後、反応で使用した溶媒や未反応のフェノール誘導体、レゾルシン等を必要に応じて濃縮除去することができる。濃縮による除去は、除去したい物質の沸点に応じて一般的に行われる方法で実施することが可能である。この際、反応器内を減圧して濃縮することで除去したい物質の除去効率を高めることも可能である。除去工程の終点は共縮合物中の除去したい物質の残存量により決定する。なお、これら除去したい物質の内、特に反応で使用した溶媒の残存量は通常3重量%以下とし、1%重量以下とすることが好ましい。残存溶媒が3重量%より多く含まれる場合、臭気や揮発性有機化合物(VOC)として環境に影響を及ぼす可能性がある。
クマロン樹脂はアルキルフェノールとホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下で反応させる前から本発明の樹脂組成物を得る工程の間の任意の工程で加えることが可能である。この中でも、レゾール型縮合物とレゾルシンとの反応終了後、反応器にクマロン樹脂を添加し、必要に応じて前述の濃縮除去工程を行い樹脂組成物とするか、上述した方法にて一旦共縮合物を製造した後、得られた共縮合物とクマロン樹脂とを任意の比率で反応器に添加し、その後撹拌・混合することにより均一化した樹脂組成物とする方法が好ましい。
以上のようにして得られた本発明の共縮合物及び樹脂組成物は、ゴム組成物への練り込みによりゴムと各種補強材との接着剤として利用可能である。特に補強材との加硫接着において有効である。かかる補強材としては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アラミド等の有機繊維類、真鍮メッキしたスチールコード、亜鉛メッキしたスチールコード等のスチールコード類が例示される。中でも真鍮メッキしたスチールコードとの加硫接着において特に有効である。なお、本発明の共縮合物及び樹脂組成物は単独、あるいは必要に応じこれらを混合し上述した用途に使用することができる。
続いて、本発明の樹脂組成物を含むゴム組成物について詳述する。
本発明のゴム組成物は上記の樹脂組成物とゴム成分と充填剤とイオウとを混練して得られる。これらとともに加硫促進剤、酸化亜鉛、メチレンドナー化合物や有機コバルト化合物を混練することが好ましい。
上記の樹脂組成物の使用量は通常、ゴム成分100重量部あたり0.5〜10重量部の範囲で用いられる。中でも1〜5重量部の範囲が好ましい。0.5重量部より少ない場合補強材とゴムとの接着剤として有用に作用せず、10重量部より多い場合、前記作用に問題はないが添加量に見合う作用が発現せず経済的に好ましくない。
ゴム成分としては、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴムおよびその他の変性天然ゴムのほか、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ハロゲン化ブチルゴム(HR)等の各種の合成ゴムが例示されるが、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム等の高不飽和性ゴムが好ましく用いられる。特に好ましくは天然ゴムである。また、天然ゴムとスチレン・ブタジエン共重合ゴムの併用、天然ゴムとポリブタジエンゴムの併用等、数種のゴム成分を組み合わせることも有効である。
天然ゴムの例としては、RSS#1、RSS#3、TSR20、SIR20等のグレードの天然ゴムを挙げることができる。エポキシ化天然ゴムとしては、エポキシ化度10〜60モル%のものが好ましく、例えばクンプーラン ガスリー社製ENR25やENR50が例示できる。脱蛋白天然ゴムとしては、総窒素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムが好ましい。変性天然ゴムとしては天然ゴムにあらかじめ4−ビニルピリジン、N,N,−ジアルキルアミノエチルアクリレート(例えばN,N,−ジエチルアミノエチルアクリレート)、2−ヒドロキシアクリレート等を反応させた極性基を含有する変性天然ゴムが好ましく用いられる。
SBRの例としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の210〜211頁に記載されている乳化重合SBRおよび溶液重合SBRを挙げることができる。とりわけ溶液重合SBRが好ましく用いられ、更には日本ゼオン社製「ニッポール(登録商標)NS116」等の4,4’−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンを用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、JSR社製「SL574」等のハロゲン化スズ化合物を用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、旭化成社製「E10」、「E15」等シラン変性溶液重合SBRの市販品や、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、前記記載の異なった複数の化合物を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合SBRが、特に好ましく用いられる。
BRの例としては、シス1,4結合が90%以上の高シスBRやシス結合が35%前後の低シスBR等の溶液重合BRが例示され、高ビニル含量の低シスBRは好ましく用いられる。更には日本ゼオン製「Nipol(登録商標)BR 1250H」等スズ変性BRや、4,4‘−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ハロゲン化スズ化合物、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、前記記載の異なった複数の化合物を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合BRが、特に好ましく用いられる。これらBRは通常は天然ゴムとのブレンドで使用される。
ゴム成分としては天然ゴムが好ましく、ゴム成分に占める天然ゴムの割合は70重量%以上であることが好ましい。
充填剤としては、ゴム分野で通常使用されているカーボンブラック、シリカ、タルク、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示されるが、カーボンブラック及びシリカが好ましく用いられ、更にはカーボンブラックが特に好ましく使用される。カーボンブラックとしては、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の494頁に記載されるものが挙げられ、HAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、FEF(Fast Extrusion Furnace)、MAF、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)等のカーボンブラックが好ましい。タイヤトレッド用ゴム組成物にはCTAB表面積40〜250m2/g、窒素吸着比表面積20〜200m2/g、粒子径10〜50nmのカーボンブラックが好ましく用いられ、CTAB表面積70〜180m2/gであるカーボンブラックが更に好ましく、その例としてはASTMの規格において、N110、N220、N234、N299、N326、N330、N330T、N339、N343、N351等である。またカーボンブラックの表面にシリカを0.1〜50重量%付着させた表面処理カーボンブラックも好ましい。更には、カーボンブラックとシリカの併用等、数種の充填剤を組み合わせることも有効である。
シリカとしては、CTAB比表面積50〜180m2/gや、窒素吸着比表面積50〜300m2/gのシリカが例示され、東ソー・シリカ(株)社製「AQ」、「AQ−N」、デグッサ社製「ウルトラジル(登録商標)VN3」、「ウルトラジル(登録商標)360」、「ウルトラジル(登録商標)7000」、ローディア社製「ゼオシル(登録商標)115GR」、「ゼオシル(登録商標)1115MP」、「ゼオシル(登録商標)1205MP」、「ゼオシル(登録商標)Z85MP」、日本シリカ社製「ニップシール(登録商標)AQ」等の市販品が好ましく用いられる。また通常充填剤としてシリカを用いる場合にはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル(ジェネラルエレクトロニックシリコンズ社製「NXTシラン」)からなる群から選択される1種以上のシランカップリング剤等、シリカと結合可能なケイ素等の元素またはアルコシキシラン等の官能基を有する化合物を添加することが好ましい。
水酸化アルミニウムとしては、窒素吸着比表面積5〜250m2/g、DOP給油量50〜100ml/100gの水酸化アルミニウムが例示される。
かかる充填剤の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり10〜120重量部の範囲が好ましい。特に好ましいのは30〜70重量部である。
充填剤としてはカーボンブラックが好ましく、充填剤に占めるカーボンブラックの割合は70重量%以上であることが好ましい。
硫黄成分としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び高分散性硫黄等が挙げられる。通常は粉末硫黄が好ましく、タイヤのベルト用部材等の硫黄量が多いタイヤ部材に用いる場合には不溶性硫黄が好ましい。硫黄成分の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり1〜10重量部の範囲が好ましい。タイヤのベルト用部材等では5〜10重量部の範囲が好ましい。
加硫促進剤の例としては、ゴム工業便覧<第四版>(平成6年1月20日社団法人 日本ゴム協会発行)の412〜413ページに記載されているチアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が挙げられる。
具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。中でも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、またはジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)とジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましい。
加硫促進剤の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり0.5〜3重量部の範囲が好ましい。中でも0.5〜1.2重量部の範囲が特に好ましい。
酸化亜鉛の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり3〜15重量部の範囲が好ましい。中でも5〜10重量部の範囲が特に好ましい。
ホルムアルデヒド発生剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ペンタキス(メトキシメチル)メチロールメラミン、テトラキス(メトキシメチル)ジメチロールメラミン等のゴム工業において通常使用されているものを挙げることができる。中でもヘキサキス(メトキシメチル)メラミン単独又はそれを主成分とする混合物が好ましい。これらのホルムアルデヒド発生剤は、それぞれ単独で、又は組み合わせて用いることができ、その配合量は前記ゴム成分100重量部に対し、0.5〜4重量部程度の範囲が好ましく、1〜3重量部程度の範囲がより好ましい。
有機コバルト化合物としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト等の酸コバルト塩や、脂肪酸コバルト・ホウ素錯体化合物(例えば、商品名「マノボンドC(登録商標)」:ローディア社製)等が挙げられる。有機コバルト化合物の使用量は、前記ゴム成分100重量部に対し、コバルト含量にして0.05〜0.4重量部の範囲が好ましい。
本発明のゴム組成物は従来よりゴム分野で用いられている各種の配合剤を配合し、混練することも可能である。かかる配合剤としては、例えば、老化防止剤、オイル、リターダー、しゃく解剤、ステアリン酸等が挙げられる。
上記の老化防止剤としては、例えば日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の436〜443頁に記載されるものが挙げられる。中でもN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、アニリンとアセトンの反応生成物(TMDQ)、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−)ジヒドロキノリン)(松原産業社製「アンチオキシダントFR」)、合成ワックス(パラフィンワックス等)、植物性ワックスが好ましく用いられる。
上記のオイルとしては、プロセスオイル、植物油脂等が挙げられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。
上記のリターダーとしては、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が例示され、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)が好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物を含むゴム組成物は、例えば以下の方法により得ることが出来る。
(A)充填剤とゴム成分を混練する工程
充填剤とゴム成分の混練はバンバリーミキサー等の密閉式混練装置を用いて行うことが出来る。かかる混練は、通常、発熱を伴い、混練終了時の温度が140℃〜180℃の範囲であることが好ましく、150℃〜170℃の範囲であることが、さらに好ましい。混練時間は5分〜10分程度である。
充填剤とゴム成分の混練はバンバリーミキサー等の密閉式混練装置を用いて行うことが出来る。かかる混練は、通常、発熱を伴い、混練終了時の温度が140℃〜180℃の範囲であることが好ましく、150℃〜170℃の範囲であることが、さらに好ましい。混練時間は5分〜10分程度である。
(B)Aの工程で得た混練物と硫黄成分と加硫促進剤を混練する工程
Aの工程で得た混練物と硫黄成分と加硫促進剤の混練は、例えばバンバリーミキサー等の密閉式混練装置やオープンロールを用いて行うことが出来る。混練終了時の混練物の温度が30℃〜100℃であることが好ましく、60℃〜90℃であることがより好ましい。混練時間は通常5〜10分程度である。
Aの工程で得た混練物と硫黄成分と加硫促進剤の混練は、例えばバンバリーミキサー等の密閉式混練装置やオープンロールを用いて行うことが出来る。混練終了時の混練物の温度が30℃〜100℃であることが好ましく、60℃〜90℃であることがより好ましい。混練時間は通常5〜10分程度である。
本発明の樹脂組成物は軟化点が低い為、(A)または(B)の工程で加えることが可能となるが、好ましくは(A)の工程で加える。
酸化亜鉛、老化防止剤、オイル、脂肪酸類、しゃく解剤を用いる場合、これらは(A)の工程で加えることが好ましい。
リターダーを用いる場合、(B)の工程で加えることが好ましい。
こうして得られた本発明の樹脂組成物を含むゴム組成物は、特に補強材との加硫接着において有効である。かかる補強材としては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アラミド等の有機繊維類、真鍮メッキしたスチールコード、亜鉛メッキしたスチールコード等のスチールコード類が例示される。中でも真鍮メッキしたスチールコードとの加硫接着において特に有効である。
本発明の樹脂組成物を含むゴム組成物を補強材と共に成形し、加硫工程を経ることでゴムと補強材が強固に接着したゴム製品を得ることが出来る。加硫工程は120℃〜180℃で行うことが好ましい。加硫工程は常圧又は加圧下で行われる。
以下、実施例と比較例を示すことで本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、以下実施例及び比較例に記載される各成分の含有量、残留溶媒量、遊離モノマー量は、特に断りのない限り、得られたクマロン樹脂を含む樹脂組成物中全量に対する当該物質の重量%である。
共縮合物、樹脂組成物の分析および性能評価は以下のようにして行った。
〔1〕樹脂の平均分子量の測定
共縮合物、樹脂組成物の平均分子量に関しては、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算重量平均分子量として算出した。
使用機器 :HLC−8220GPC(東ソー製)
カラム : TSK ガードカラム SUPER HZ−L(東ソー製)
+TSK−GEL SUPER HZ1000(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ2500(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ4000(4.6mmφ×150mm)
カラム温度:40℃
注入量 :10μL
キャリアーおよび流速 :テトラヒドロフラン 0.35mL/min
サンプル調製:本願の共合物または樹脂組成物約0.02gをテトラヒドロフラン20mLに溶解
〔1〕樹脂の平均分子量の測定
共縮合物、樹脂組成物の平均分子量に関しては、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算重量平均分子量として算出した。
使用機器 :HLC−8220GPC(東ソー製)
カラム : TSK ガードカラム SUPER HZ−L(東ソー製)
+TSK−GEL SUPER HZ1000(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ2500(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ4000(4.6mmφ×150mm)
カラム温度:40℃
注入量 :10μL
キャリアーおよび流速 :テトラヒドロフラン 0.35mL/min
サンプル調製:本願の共合物または樹脂組成物約0.02gをテトラヒドロフラン20mLに溶解
〔2〕残留モノマー、残留溶媒の測定
残留モノマー及び残留溶媒については、以下の条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
使用機器 :島津製作所社製 ガスクロマトグラフ GC−14B
カラム :ガラスカラム外径5mm×内径3.2mm×長さ3.1m
充填剤 :充填剤 Silicone OV−17 10% Chromosorb WHP 80/100mesh, max.temp.340℃
カラム温度:80℃→280℃
気化室温度:250℃
検出器温度:280℃
検出器 :FID
キャリアー:N2(40ml/min)
燃焼ガス :水素(60kPa), 空気(60kPa)
注入量 :2μL
樹脂組成物1g、標品としてアニソール0.05gをアセトン10mLに溶解させ上記条件にて分析した。内部標準法(GC−IS法)により、樹脂組成物中の残留溶媒、残留モノマーの含有量(%)を測定した。
残留モノマー及び残留溶媒については、以下の条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
使用機器 :島津製作所社製 ガスクロマトグラフ GC−14B
カラム :ガラスカラム外径5mm×内径3.2mm×長さ3.1m
充填剤 :充填剤 Silicone OV−17 10% Chromosorb WHP 80/100mesh, max.temp.340℃
カラム温度:80℃→280℃
気化室温度:250℃
検出器温度:280℃
検出器 :FID
キャリアー:N2(40ml/min)
燃焼ガス :水素(60kPa), 空気(60kPa)
注入量 :2μL
樹脂組成物1g、標品としてアニソール0.05gをアセトン10mLに溶解させ上記条件にて分析した。内部標準法(GC−IS法)により、樹脂組成物中の残留溶媒、残留モノマーの含有量(%)を測定した。
〔3〕軟化点の測定
JIS−K2207に準拠した方法により測定した。
JIS−K2207に準拠した方法により測定した。
〔4〕共縮合物、樹脂組成物中の各構成単位の混合比
以下条件に基づく方法により1H−NMR分析を行った。
装置:日本電子社製「JMN−ECS」(400MHz)
溶媒:重水素置換ジメチルスルホキシド
各成分の化学シフト:テトラメチルシランを基準(0ppm)とし、以下の値に示されるピークをそれぞれの成分のピークとした。
p−tert−ブチルフェノール由来のp−tert−ブチル基のプロトン:1.0〜1.2ppm
ホルムアルデヒド由来のメチレン基のプロトン:3.4〜3.9ppm
o−フェニルフェノール由来のo−フェニル基のプロトン:7.1〜7.5ppm
なお、以下実施例中の構成比率については以下の基準に基づく比率である。
o−フェニルフェノール:p−tert−ブチルフェノール1とした時の割合(モル倍)
ホルムアルデヒド由来のメチレン基:(o−フェニルフェノールとp−tert−ブチルフェノールの合計量に対する割合(モル倍)
以下条件に基づく方法により1H−NMR分析を行った。
装置:日本電子社製「JMN−ECS」(400MHz)
溶媒:重水素置換ジメチルスルホキシド
各成分の化学シフト:テトラメチルシランを基準(0ppm)とし、以下の値に示されるピークをそれぞれの成分のピークとした。
p−tert−ブチルフェノール由来のp−tert−ブチル基のプロトン:1.0〜1.2ppm
ホルムアルデヒド由来のメチレン基のプロトン:3.4〜3.9ppm
o−フェニルフェノール由来のo−フェニル基のプロトン:7.1〜7.5ppm
なお、以下実施例中の構成比率については以下の基準に基づく比率である。
o−フェニルフェノール:p−tert−ブチルフェノール1とした時の割合(モル倍)
ホルムアルデヒド由来のメチレン基:(o−フェニルフェノールとp−tert−ブチルフェノールの合計量に対する割合(モル倍)
<参考例1>
「p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール及びレゾルシン由来の構成単位を含む共縮合物の合成」
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、トルエン77.0g、純度37%のホルマリン90.0g (1.11mol)、p−tert−ブチルフェノール15.0g(0.10mol)、o−フェニルフェノール85.0g(0.50mol)、トルエン77.0gを順に加えた。その後、内温45℃まで昇温し、24%水酸化ナトリウム水溶液20.0g (0.12mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温65℃まで昇温し、同温度にて2時間保温した。その後、内温80℃になるまで再度昇温し、さらに4時間保温した。
反応終了後、内温65℃以下になるまで冷却し、水60gおよびシュウ酸二水和物7.55g (0.06mol)を加えて中和し、トルエン23.0gを加えた後、静置し、水層を除去した。
レゾルシン62.7g (0.57mol)を加え、内温80℃まで昇温し、減圧下で4時間かけて共沸脱水を行った。この間内温は100℃まで上昇した。続いて、常圧で内温115℃まで昇温し、2時間共沸脱水を行った。その後、内温145〜150℃まで昇温し、2時間保温することで溶媒トルエンを留去した。その後、内温140〜150℃に保ったまま16kPaまで減圧し、2時間保温することで溶媒トルエンをさらに留去した。
上記の操作により、橙色の共縮合物168gを得た。
共縮合物の平均分子量:2068、軟化点:123℃、残留トルエン分:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール分:0.0%、遊離o−フェニルフェノール分:0.5%、遊離レゾルシン分:9.5%。
共縮合物の各構成単位の比率;o−フェニルフェノール:5.18、メチレン基:1.34
「p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール及びレゾルシン由来の構成単位を含む共縮合物の合成」
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、トルエン77.0g、純度37%のホルマリン90.0g (1.11mol)、p−tert−ブチルフェノール15.0g(0.10mol)、o−フェニルフェノール85.0g(0.50mol)、トルエン77.0gを順に加えた。その後、内温45℃まで昇温し、24%水酸化ナトリウム水溶液20.0g (0.12mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温65℃まで昇温し、同温度にて2時間保温した。その後、内温80℃になるまで再度昇温し、さらに4時間保温した。
反応終了後、内温65℃以下になるまで冷却し、水60gおよびシュウ酸二水和物7.55g (0.06mol)を加えて中和し、トルエン23.0gを加えた後、静置し、水層を除去した。
レゾルシン62.7g (0.57mol)を加え、内温80℃まで昇温し、減圧下で4時間かけて共沸脱水を行った。この間内温は100℃まで上昇した。続いて、常圧で内温115℃まで昇温し、2時間共沸脱水を行った。その後、内温145〜150℃まで昇温し、2時間保温することで溶媒トルエンを留去した。その後、内温140〜150℃に保ったまま16kPaまで減圧し、2時間保温することで溶媒トルエンをさらに留去した。
上記の操作により、橙色の共縮合物168gを得た。
共縮合物の平均分子量:2068、軟化点:123℃、残留トルエン分:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール分:0.0%、遊離o−フェニルフェノール分:0.5%、遊離レゾルシン分:9.5%。
共縮合物の各構成単位の比率;o−フェニルフェノール:5.18、メチレン基:1.34
<実施例1>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、2.5g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.3gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:2121、軟化点:112℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:8.2%、クマロン樹脂の含量:10%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、2.5g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.3gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:2121、軟化点:112℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:8.2%、クマロン樹脂の含量:10%。
<実施例2>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC30(軟化点:20〜30℃、2.5g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.2gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:2169、軟化点:113℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:8.3%、クマロン樹脂の含量:10%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC30(軟化点:20〜30℃、2.5g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.2gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:2169、軟化点:113℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:8.3%、クマロン樹脂の含量:10%。
<比較例1>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、ナフテン系プロセスオイル2.5gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したが、共縮合物との相溶性が悪くプロセスオイルの一部が分離した。上記の操作により、ナフテン系プロセスオイルを含む樹脂組成物24.3gを得た。
ナフテン系プロセスオイルを含む樹脂組成物の平均分子量:2148、軟化点:122℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.5%、遊離レゾルシン:8.5%、プロセスオイルの含量(分離部含む):10%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、ナフテン系プロセスオイル2.5gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したが、共縮合物との相溶性が悪くプロセスオイルの一部が分離した。上記の操作により、ナフテン系プロセスオイルを含む樹脂組成物24.3gを得た。
ナフテン系プロセスオイルを含む樹脂組成物の平均分子量:2148、軟化点:122℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.5%、遊離レゾルシン:8.5%、プロセスオイルの含量(分離部含む):10%。
<比較例2>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、パラフィン系プロセスオイル2.5gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したが、共縮合物との相溶性が悪くプロセスオイルの一部が分離した。上記の操作により、パラフィン系プロセスオイルを含む樹脂組成物24.1gを得た。
パラフィン系プロセスオイルを含む樹脂組成物の平均分子量:2128、軟化点:123℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.5%、遊離レゾルシン:8.7%、プロセスオイルの含量(分離部含む):10%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物22.5g、パラフィン系プロセスオイル2.5gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したが、共縮合物との相溶性が悪くプロセスオイルの一部が分離した。上記の操作により、パラフィン系プロセスオイルを含む樹脂組成物24.1gを得た。
パラフィン系プロセスオイルを含む樹脂組成物の平均分子量:2128、軟化点:123℃、残留トルエン:0.9%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.5%、遊離レゾルシン:8.7%、プロセスオイルの含量(分離部含む):10%。
<実施例3>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物20.0g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、5.0g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.4gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1886、軟化点:103℃、残留トルエン:0.7%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.3%、遊離レゾルシン:7.6%、クマロン樹脂の含量:20%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物20.0g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、5.0g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.4gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1886、軟化点:103℃、残留トルエン:0.7%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.3%、遊離レゾルシン:7.6%、クマロン樹脂の含量:20%。
<実施例4>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物17.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、7.5g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.2gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1735、軟化点:100℃、残留トルエン:0.7%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:6.9%、クマロン樹脂の含量:30%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物17.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、7.5g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.2gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1735、軟化点:100℃、残留トルエン:0.7%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:6.9%、クマロン樹脂の含量:30%。
<実施例5>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物15.0g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、10.0g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.1gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1471、軟化点:98℃、残留トルエン:0.6%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:6.1%、クマロン樹脂の含量:40%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物15.0g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、10.0g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.1gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1471、軟化点:98℃、残留トルエン:0.6%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.4%、遊離レゾルシン:6.1%、クマロン樹脂の含量:40%。
<実施例6>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物12.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、7.5g)、ノバレスC90(軟化点:85〜95℃、5.0g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.3gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1419、軟化点:94℃、残留トルエン:0.5%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.2%、遊離レゾルシン:4.7%、クマロン樹脂の含量:50%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、参考例1で得た共縮合物12.5g、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、7.5g)、ノバレスC90(軟化点:85〜95℃、5.0g)を順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌することで、共縮合物とクマロン樹脂が均一になるように混合した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物24.3gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1419、軟化点:94℃、残留トルエン:0.5%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.2%、遊離レゾルシン:4.7%、クマロン樹脂の含量:50%。
<実施例7>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純度37%のホルマリン270g (3.33mol)、p−tert−ブチルフェノール45.0g(0.30mol)、o−フェニルフェノール255g(1.50mol)を順に加えた。その後、内温45℃まで昇温し、24%水酸化ナトリウム水溶液59.9g(0.36mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温65℃まで昇温し、同温度にて1.5時間保温した。その後、内温75℃になるまで再度昇温し、さらに3時間保温した。
反応終了後、内温65℃以下になるまで冷却し、メチルイソブチルケトン231gを加えて希釈した。次いで、30%硫酸52.9g(0.16mol)、シュウ酸二水和物2.27g(0.02mol)を加えて中和した後、静置し、水層を除去した。
レゾルシン208g (1.89mol)を加え、内温90℃まで昇温し、減圧下で4時間かけて共沸脱水を行った。この間内温は120℃まで上昇した。続いて、常圧で内温140℃まで昇温し、2時間共沸脱水を行った。その後、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、138g)を添加し、内温145〜150℃まで昇温し、2時間保温することで溶媒メチルイソブチルケトンを留去した。その後、内温140〜150℃に保ったまま11kPaまで減圧し、4時間保温することで溶媒メチルイソブチルケトンをさらに留去した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物687gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:2798、軟化点:115℃、残留メチルイソブチルケトン:0.5%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.2%、遊離レゾルシン:4.5%、クマロン樹脂の含量:20%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純度37%のホルマリン270g (3.33mol)、p−tert−ブチルフェノール45.0g(0.30mol)、o−フェニルフェノール255g(1.50mol)を順に加えた。その後、内温45℃まで昇温し、24%水酸化ナトリウム水溶液59.9g(0.36mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温65℃まで昇温し、同温度にて1.5時間保温した。その後、内温75℃になるまで再度昇温し、さらに3時間保温した。
反応終了後、内温65℃以下になるまで冷却し、メチルイソブチルケトン231gを加えて希釈した。次いで、30%硫酸52.9g(0.16mol)、シュウ酸二水和物2.27g(0.02mol)を加えて中和した後、静置し、水層を除去した。
レゾルシン208g (1.89mol)を加え、内温90℃まで昇温し、減圧下で4時間かけて共沸脱水を行った。この間内温は120℃まで上昇した。続いて、常圧で内温140℃まで昇温し、2時間共沸脱水を行った。その後、クマロン樹脂としてRutgers社製ノバレスC10(常温で油状、138g)を添加し、内温145〜150℃まで昇温し、2時間保温することで溶媒メチルイソブチルケトンを留去した。その後、内温140〜150℃に保ったまま11kPaまで減圧し、4時間保温することで溶媒メチルイソブチルケトンをさらに留去した。上記の操作により、クマロン樹脂を含む樹脂組成物687gを得た。
クマロン樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:2798、軟化点:115℃、残留メチルイソブチルケトン:0.5%、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.2%、遊離レゾルシン:4.5%、クマロン樹脂の含量:20%。
実施例1〜7のクマロン樹脂を含有する樹脂組成物と、比較例1〜2のクマロン樹脂以外の軟化剤を含有する樹脂組成物の物性等について、以下表1に示す。なお、表中の配合比率の数値は、全て重量基準で記載した。
共縮合物とクマロン樹脂またはオイル(以下軟化剤と称する)の相溶性については、以下のように判定した。
○:共縮合物と軟化剤の相溶性が良好であり、常温で固体の均一な混合樹脂が得られた。
×:共縮合物と軟化剤の相溶性が悪く、軟化剤(の一部)がオイルとして分離し不均一になった。
○:共縮合物と軟化剤の相溶性が良好であり、常温で固体の均一な混合樹脂が得られた。
×:共縮合物と軟化剤の相溶性が悪く、軟化剤(の一部)がオイルとして分離し不均一になった。
2.上記実施例で得られた樹脂組成物を用いたゴム組成物の製造例及び物性評価
<上記実施例で得られた樹脂組成物を含む未加硫ゴム組成物の製造>
樹脂接着剤として、実施例6および実施例7で製造した樹脂組成物、及び該樹脂組成物の物性を比較するため、従来品として市販品の樹脂接着剤であるSUMIKANOL620(田岡化学工業社製)、及びブランクとして樹脂接着剤を使用せず未加硫ゴム組成物を製造した。各樹脂組成物の物性を下記表2に示す。(以下表2中の%は重量%を表す。)
樹脂接着剤として、実施例6および実施例7で製造した樹脂組成物、及び該樹脂組成物の物性を比較するため、従来品として市販品の樹脂接着剤であるSUMIKANOL620(田岡化学工業社製)、及びブランクとして樹脂接着剤を使用せず未加硫ゴム組成物を製造した。各樹脂組成物の物性を下記表2に示す。(以下表2中の%は重量%を表す。)
以下表3に示す配合に従い、まず、トーシン製加圧式ニーダーで不溶性硫黄、加硫促進剤およびメチレンドナーを除く成分および、樹脂接着剤の添加で(A)表記のものは表2で示す樹脂接着剤を添加混合し160℃に達した時点で排出した。次いで、得られた混合物に、60℃に保温した関西ロール製6インチオープンロールで不溶性硫黄、加硫促進剤およびメチレンドナーおよび、樹脂接着剤の添加で(B)表記のものは表2で示す樹脂接着剤を添加混合して、スチールコード被覆用ゴム組成物を調製した。表3中の各成分の詳細は以下の通りである。(以下表3中の数値は質量部を表す。)
・天然ゴム:SMR−CV60
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト300」(HAF−LSグレード)
・亜鉛華:正同化学工業(株)亜鉛華2種
・老化防止剤:松原社製「Antioxidant FR」
・コバルト塩:ステアリン酸コバルト(試薬)
・不溶性硫黄:フレキシス社製「クリステックスHS OT−20」
・加硫促進剤:N,N−ジシクロヘキシル−2−べンゾチアゾリルスルフェンアミド(試薬)
・メチレンドナー:バラケミカル社製「スミカノール507AP」
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト300」(HAF−LSグレード)
・亜鉛華:正同化学工業(株)亜鉛華2種
・老化防止剤:松原社製「Antioxidant FR」
・コバルト塩:ステアリン酸コバルト(試薬)
・不溶性硫黄:フレキシス社製「クリステックスHS OT−20」
・加硫促進剤:N,N−ジシクロヘキシル−2−べンゾチアゾリルスルフェンアミド(試薬)
・メチレンドナー:バラケミカル社製「スミカノール507AP」
<上記実施例、参考例及び比較例で得られた樹脂組成物を含む未加硫ゴム組成物のゴム物性試験>
上記の通り得られた未加硫ゴム組成物を用いて、ムーニー粘度試験(JIS K 6300−1:2001準拠、130℃で測定)およびレオメーター試験(JIS K 6300−2:2001準拠、160℃で測定)を実施した。また、未加硫試料を作製後室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、2mm厚の加硫ゴムシートを調製した。ついで、その加硫ゴムシートから作成したゴム試験片を用い、引張試験(JIS K 6251:2010準拠、25℃で測定)および硬度の測定(JIS K 6253:2006準拠、25℃で測定)を実施した。
上記の通り得られた未加硫ゴム組成物を用いて、ムーニー粘度試験(JIS K 6300−1:2001準拠、130℃で測定)およびレオメーター試験(JIS K 6300−2:2001準拠、160℃で測定)を実施した。また、未加硫試料を作製後室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、2mm厚の加硫ゴムシートを調製した。ついで、その加硫ゴムシートから作成したゴム試験片を用い、引張試験(JIS K 6251:2010準拠、25℃で測定)および硬度の測定(JIS K 6253:2006準拠、25℃で測定)を実施した。
上記ゴム物性試験結果につき、樹脂未添加のゴム組成物を比較例3(100)とし、それぞれ相対評価を実施した。結果を表4に示す。
上記表4に示す通り、実施例6、実施例7で得られた樹脂組成物を配合したゴム組成物は、未加硫ゴム物性試験および加硫ゴム物性試験の結果、公知の樹脂接着剤「SUMIKANOL620」と同等の性能を示し、樹脂組成物未添加のゴム組成物と比較し、各物性が向上することを確認した。
更に本発明の樹脂組成物は、充填剤とゴム組成分を混練する工程(上記A工程)で添加可能であることはもちろんのこと、A工程より低温で実施する、A工程で得られた混練物と硫黄成分、加硫促進剤とを混練する工程(上記B工程)実施時に添加しても公知の樹脂接着剤「SUMIKANOL620」と同等の性能を示すことが判明した(実施例9)。
<上記実施例、参考例及び比較例で得られた樹脂組成物を含む加硫ゴム組成物の初期接着性及び湿熱接着性の評価方法及び評価結果>
上記の通り得られた各未加硫ゴム組成物を用いて、ゴム−スチールコード複合体の試料を作製した。詳細には、真鍮メッキスチールコード(直径約0.8ミリ,3×0.20+6×0.35mm構造、銅/亜鉛=64/36(質量比)の真鍮めっき)を1本/10mmの間隔で5本を配列したものの両面を、上記各未加硫ゴム組成物からなる約2ミリ厚の未加硫ゴムシートを用いて被覆し、このコードを平行になるように積層した剥離接着試験用の未加硫試料を作製した。得られた未加硫試料を用いて、初期接着性と湿熱接着性を下記方法により評価した。
<初期接着性>
上記未加硫試料を作製後、室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、5本のスチールコードを1cm挟んだ1cm×1cm×6cmの直方体のゴム片を得た。本ゴム片を島津製作所(株)製オートグラフ「AGC−X」を用いて1本毎にスチールコードの引抜試験を行い、100ミリ/分で垂直方向に引き抜く際の応力をゴム引抜応力(kgf)として測定した。また、引抜後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。測定、評価はN=10(本)で実施し、平均値を求めた。結果を以下表5に示す。
上記未加硫試料を作製後、室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、5本のスチールコードを1cm挟んだ1cm×1cm×6cmの直方体のゴム片を得た。本ゴム片を島津製作所(株)製オートグラフ「AGC−X」を用いて1本毎にスチールコードの引抜試験を行い、100ミリ/分で垂直方向に引き抜く際の応力をゴム引抜応力(kgf)として測定した。また、引抜後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。測定、評価はN=10(本)で実施し、平均値を求めた。結果を以下表5に示す。
<湿熱接着性(湿熱老化後の接着性)>
上記未加硫試料を作製し、室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、加硫した試験片を80℃×95%RHの蒸気内で10日間、20日間放置した後、上記初期接着性と同様の引抜試験を行い、引抜後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。測定、評価はN=10(本)で実施し、平均値を求めた。結果を以下表5に示す。なお、以下表における引抜強度変化率とは、初期値の引張強度を100とした場合の変化率(湿熱老化後の引張強度/湿熱老化前の引張強度×100)である。
上記未加硫試料を作製し、室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、加硫した試験片を80℃×95%RHの蒸気内で10日間、20日間放置した後、上記初期接着性と同様の引抜試験を行い、引抜後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。測定、評価はN=10(本)で実施し、平均値を求めた。結果を以下表5に示す。なお、以下表における引抜強度変化率とは、初期値の引張強度を100とした場合の変化率(湿熱老化後の引張強度/湿熱老化前の引張強度×100)である。
上記表5に示す通り、実施例6、実施例7で得られた樹脂組成物を配合したゴム組成物は、樹脂接着剤未添加のゴム組成物と比較して、湿熱老化後のゴムースチールコード接着力が大きく改善し、また、公知の樹脂接着剤「SUMIKANOL620」と同等以上の性能を示すことが判明した。
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