JP2017179101A - 粘着付与剤およびそれを含有するゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム製品の分野に用いられ、ゴムの加工工程において使用される粘着付与剤であって、従来公知の粘着付与剤と比較してもその性能が低下せず、一方で製造時にその流動性が十分確保可能な粘着付与剤及びその製造方法を提供すること。【解決手段】酸存在下、下記一般式(1)で表されるアルキルフェノールと以下一般式(2)で表されるアルデヒド類とを反応させて共縮合樹脂を得た後、該共縮合樹脂に、CNSLを添加することにより前記課題が解決可能であることを見出した。【化1】(上記一般式(1)中、R1は分岐を有しても良い炭素数1〜12のアルキル基を表す。また、上記一般式(2)中、R2は水素またはメチル基を表す。)【選択図】なし
Description
本発明は、アルキルフェノールから誘導される共縮合樹脂を含む粘着付与剤の改良に関する。
一般的に、天然・合成ゴム、ゴム系接着剤、ラテックスなどに配合し、配合物の表面の粘着性を増大させる薬品を粘着付与剤(タッキファイヤ)と呼んでいる。粘着付与剤は、例えば、タイヤ、ベルト、ホースなどをはじめとした多くのゴム製品の製造工程において実施される、未加硫ゴム組成物を貼り合わせて成形する工程において、未加硫ゴム組成物に対する粘着性(タック性)を付与するために、未加硫ゴム組成物に配合することにより使用されている。昨今、特に粘着性に乏しい合成ゴムの出現により、粘着付与剤の更なる性能向上が求められている。
このように粘着付与剤は、ゴム素材との相溶性が良く、ゴムに付与させた粘着性の経時変化の小さいことが要求される。通常、粘着付与剤として利用されるのは樹脂状物質で、クマロン・インデン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリテルペン樹脂、石油系炭化水素樹脂、さらにロジンエステル等が知られている。これら粘着付与剤の中でも、未加硫時に粘着性が出にくい合成ゴムについては、より粘着付与性の高いアルキルフェノールとアルデヒド類とを共縮合させた樹脂が用いられている(例えば特許文献1、2)。
しかしながら、前記共縮合樹脂を製造する際、アルキルフェノールとアルデヒド類とを共縮合させた樹脂は軟化点以上の温度としても流動性が低い為、反応後、反応容器から取り出すことが困難となったり、あるいは取り出せたとしても共縮合樹脂が反応容器等に付着し得量が低下する等といった問題がある為、特に工業的実施に際しては流動性を改善することが求められていた。一方、一般的に流動性を改善させる方法としては、未反応のアルキルフェノール類や反応で使用した溶媒等(以下、残存物と称することもある)の残存量を増加させるといった方法が考えられるが、特許文献2に記載の通り、これら残存物の存在はゴムに対する相溶性及び粘着性を低下させる原因となることから、粘着付与剤の性能向上の為にはできる限り残存物の低減が必要である。併せて、溶媒等の揮発性の高い物質(揮発性有機化合物)は、環境保護の観点から排出抑制が求められており、製品中の揮発性有機化合物をできるだけ低減させることも求められていることから、性能を低下させず、かつ、製造時の流動性を十分確保し得る、新たな粘着付与剤の製造方法が求められていた。
本発明は、ゴム製品の分野に用いられ、ゴムの加工工程において使用される粘着付与剤であって、従来公知の粘着付与剤と比較してもその性能が低下せず、一方で製造時にその流動性が十分確保可能な粘着付与剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸存在下、下記一般式(1)で表されるアルキルフェノールと以下一般式(2)で表されるアルデヒド類とを反応させて共縮合樹脂を得た後、該共縮合樹脂に、カシューナッツシェル液(Cashew Nut Shell Liquid,以下、CNSLと記載することもある)を添加することにより、粘着性を低下させず、かつ製造時にその流動性を十分に確保可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
〔1〕
酸存在下、下記一般式(1)
酸存在下、下記一般式(1)
で表されるアルデヒド類とを反応させて共縮合樹脂を得る工程、
前記共縮合樹脂とカシューナッツシェル液とを混合させる工程、
とをこの順で含む、アルキルフェノール共縮合樹脂を含む粘着付与剤の製造方法。
〔2〕
上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類から誘導される構造単位、および上記一般式(2)で表されるアルデヒド類から誘導される構造単位を含むアルキルフェノール共縮合樹脂、並びにカシューナッツシェル液を含む粘着付与剤。
上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類から誘導される構造単位、および上記一般式(2)で表されるアルデヒド類から誘導される構造単位を含むアルキルフェノール共縮合樹脂、並びにカシューナッツシェル液を含む粘着付与剤。
〔3〕
軟化点が70〜140℃である、〔2〕記載の粘着付与剤。
軟化点が70〜140℃である、〔2〕記載の粘着付与剤。
〔4〕
カシューナッツシェル液の含有量が5〜40重量%である、〔2〕または〔3〕に記載の粘着付与剤。
カシューナッツシェル液の含有量が5〜40重量%である、〔2〕または〔3〕に記載の粘着付与剤。
〔5〕
上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類がp−tert−ブチルフェノール又はp−tert−オクチルフェノールである〔2〕〜〔4〕に記載の粘着付与剤。
上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類がp−tert−ブチルフェノール又はp−tert−オクチルフェノールである〔2〕〜〔4〕に記載の粘着付与剤。
〔6〕
上記一般式(2)において置換基R2がメチル基である、〔2〕〜〔5〕に記載の粘着付与剤。
上記一般式(2)において置換基R2がメチル基である、〔2〕〜〔5〕に記載の粘着付与剤。
〔6〕
〔2〕〜〔6〕いずれかに記載の粘着付与剤を含むゴム組成物。
〔2〕〜〔6〕いずれかに記載の粘着付与剤を含むゴム組成物。
本発明によれば、従来公知の粘着付与剤と比較してもその性能が低下せず、一方で製造時にその流動性が十分確保可能な粘着付与剤及びその製造方法が提供可能となる。
<本発明の粘着付与剤>
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の粘着付与剤は、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類から誘導される構造単位、および上記一般式(2)で表されるアルデヒド類から誘導される構造単位を含む共縮合樹脂並びにカシューナッツシェル液を含むことを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の粘着付与剤は、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類から誘導される構造単位、および上記一般式(2)で表されるアルデヒド類から誘導される構造単位を含む共縮合樹脂並びにカシューナッツシェル液を含むことを特徴とする。
共縮合樹脂を構成する構成単位の内、上記一般式(1)で表される置換基R1としては、分岐を有しても良い炭素数1〜12のアルキル基であり、これらアルキル基の中でも原料の入手性の観点から、炭素数4〜9のアルキル基が好ましく、特にtert−ブチル基又はtert−オクチル基が好ましい。これらアルキルフェノール類由来の構成単位は1種あるいは2種以上含まれていても良い。
共縮合樹脂を構成する構成単位の内、上記一般式(2)で表される置換基R2としては水素又はメチル基(ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒド)であり、粘着付与剤としての性能がより向上することからメチル基が好ましい。これらアルデヒド類由来の構成単位はいずれか1種、あるいは両方含まれていても良い。
上述した構成単位の他、必要に応じ、本発明の粘着付与剤に含まれる共縮合樹脂中には他の構成単位を含むことができる。このような構成単位の例として、フェノールや置換位置の異なるアルキルフェノール由来の構成単位、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒド以外のアルデヒド由来の構成単位が挙げられる。
本発明の粘着付与剤に含まれるCNSLは、カシューナッツの殻から得られる天然植物液である。CNSLは褐色液体で、飽和または不飽和の炭化水素側鎖を有するフェノール誘導体で構成される混合物である。特にその成分として、アナカルド酸、カルダノール、カルドール(カードルとも呼ぶ)、メチルカルドール(メチルカードルとも呼ぶ)を主に含む。CNSLの調製法としては加熱法と溶剤抽出法があるが、通常、工業用CNSLは加熱処理される。この加熱処理によりアナカルド酸は脱炭酸され、カルダノールに変換されるため、カルダノールとカルドール、メチルカルドールが主成分となることから、一般的に入手可能な工業用カシューナッツシェル液の組成比率(重量%)はカルダノール(75〜85%)、カルドール(15〜20%)、メチルカルドール(1〜5%)である。なお、本発明においてCNSLとは、CNSLを分離精製することにより該液に含まれる各成分を適宜調整したものや、カシューナッツシェル液に別の成分を加えず、その一部を重合させたカシューナッツシェルポリマーも含む。
工業的に入手可能なCNSLとして例えば、東北化工株式会社製 カシュー液体製品(CNSL、LB−7000、LB−7250、CD−5L)、TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd社製CNSLなどが挙げられる。これらのCNSLは単独で使用してもよいし、必要に応じて2種類以上を混合して使用することも可能である。
本発明の粘着付与剤に含まれるCNSLの含有量は通常、粘着付与剤中に5〜40重量%含まれ、好ましくは10〜30重量%含まれる。含有量を40重量%以下とすることにより、粘着付与剤のブロッキングを回避することが可能となり、含有量を5重量%以上とすることによって、粘着付与剤の製造時の流動性を十分に向上させることが可能となり、併せて粘着付与剤の軟化点が低減可能となる。
また、本発明の粘着付与剤は必要に応じCNSL以外の、本発明の樹脂組成物に含まれる共縮合樹脂と相溶性のある物質を含んでいても良い。このような物質として例えば、クマロン樹脂等が例示される。
本発明の粘着付与剤の軟化点として例えば150℃以下であり、中でも70℃〜140℃であることが好ましく、70℃〜120℃であることが特に好ましい。軟化点を150℃以下とすることにより、未加硫ゴム組成物に配合する際の分散性が向上可能であり、一方で70℃以上とすることにより、保存中のブロッキングを回避可能となる。
本発明の粘着付与剤に含まれる、反応で使用した溶媒や未反応モノマー(アルキルフェノール、アルデヒド類)の残存量は5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。5重量%以下とすることで未反応モノマーや残存溶媒に由来する臭気が低減可能であり、併せて揮発性有機化合物が低減されるため環境上好ましい。
<本発明の粘着付与剤の製造方法>
続いて本発明の粘着付与剤の製造方法について説明する。本発明の粘着付与剤は、酸存在下、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノールと上記一般式(2)で表されるアルデヒド類を反応させ共縮合樹脂を得、得られた共縮合樹脂とカシューナッツシェル液とを混合させることによって得られる。まずはじめに、共縮合樹脂を得る工程について詳述する。
続いて本発明の粘着付与剤の製造方法について説明する。本発明の粘着付与剤は、酸存在下、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノールと上記一般式(2)で表されるアルデヒド類を反応させ共縮合樹脂を得、得られた共縮合樹脂とカシューナッツシェル液とを混合させることによって得られる。まずはじめに、共縮合樹脂を得る工程について詳述する。
本発明の共縮合樹脂を製造する際に用いる、上記一般式(2)で表されるアルデヒド類としては具体的にホルムアルデヒド、アセトアルデヒドであり、これらアルデヒドは水溶液等の溶液状、あるいはこれらアルデヒドの発生源となる物質(パラホルムアルデヒド、パラアルデヒド)を用いても良い。アルデヒド類の使用量は、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール1モルに対し通常0.6〜1.5モルであり、好ましくは0.6〜1.2モルである。アルデヒド類の使用量を0.6モル以上とすることにより、得られる粘着付与剤のブロッキングを回避しやすくなり、一方、1.5モル以下とすることにより、粘着力をより向上させることが可能となる。
本発明の共縮合樹脂を製造する際に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸が例示され、これら酸の中でも塩酸、硫酸、シュウ酸が好ましい。酸の使用量は通常、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール1モルに対して通常0.01〜1.0モルであり、好ましくは0.2〜0.6モルである。
本発明の共縮合樹脂を製造する際、必要に応じ溶媒を使用することができる。使用可能な溶媒として例えば、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。溶媒を使用する場合の使用量は、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール1重量倍に対して通常0.4〜4.0重量倍であり、好ましくは0.4〜0.8重量倍である。
本発明の共縮合樹脂は例えば、反応容器に、上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール、上記一般式(2)で表されるアルデヒド類及び必要に応じ溶媒を添加した後、更に酸を添加し、内温20〜110℃、好ましくは20〜70℃で撹拌することによって製造される。
上記の方法にて製造された共縮合樹脂は、そのまま後処理を行わず後述する方法にてCNSLと混合させて本発明の粘着付与剤としても良いが、CNSLと混合させる前に、水洗、濃縮等の後処理を行うことにより、粘着性付与剤の性能をが向上させ、かつ、反応で使用した溶媒や未反応モノマー(アルキルフェノール、アルデヒド類)の残存量を低減させることができることから好ましい。
水洗工程は、前述の方法にて得られた共縮合樹脂を水と分離可能で、かつ共縮合樹脂を溶解可能な溶媒に溶解させた後、更に水を加え、一定時間撹拌後静置し、水層を分離することによって実施する。水洗工程を実施する際、反応で使用した酸を中和するために塩基を加えても良い。また、水洗工程は必要に応じ複数回実施しても良い。
濃縮工程は、常圧あるいは減圧下、反応時に用いた溶媒、あるいは前述の水洗工程で用いた溶媒及び未反応モノマー(アルキルフェノール、アルデヒド類)を留去することによって実施する。
上述の方法によって得られる共縮合樹脂の軟化点は、通常、150℃以下、好ましくは70〜150℃、特に80〜130℃とすることが好ましい。共縮合樹脂の軟化点を150℃以下とすることにより、CNSLと混合し樹脂組成物とする際に速やかに十分な量のCNSLとの混合が可能となることから、得られる粘着付与剤の流動性を十分に改善することができ、軟化点を80℃以上とすることにより、ブロッキングの発生をより低減することが可能となる。共縮合樹脂の軟化点は、共縮合樹脂を製造する際の温度、必要に応じ実施する濃縮工程の温度、濃縮により除去する溶媒及び未反応モノマー(アルキルフェノール、アルデヒド類)の残存量等を適宜制御することにより調整可能である。
上述の方法により得られた共縮合樹脂とCNSLとを混合することによって、本発明の粘着付与剤を得ることができる。なお、上述したアルキルフェノールとアルデヒド類との反応の際、溶媒としてCNSLを使用した場合、CNSLがアルキルフェノール、及びアセトアルデヒドとの反応に影響を及ぼすためか、得られる樹脂組成物の物性が変化し、ゴムに配合し、ゴム組成物とした際に、粘着性能が低下するなど粘着付与剤として不適となる。一方、CNSLを前記反応後に混合させた場合、主成分が原料であるアルキルフェノールと類似する構造(即ち、ゴムに対する相溶性及び粘着性を低下させる原因とされる残存物に類似する構造)を有しているにもかかわらず、ゴムに対する相溶性、粘着付与性が低下することなく、本発明の粘着付与剤の流動性を改善することが可能となる。
共縮合樹脂とCNSLとの混合は、共縮合樹脂とCNSLとを容器に入れた後、共縮合樹脂とCNSLとが十分に混ざりあう温度(例えば100℃〜150℃)まで加熱し、必要に応じ撹拌することにより、共縮合樹脂とCNSLとが十分に混ざりあった状態とすることによって実施される。前記混合操作を実施する際、容器を常圧あるいは減圧として、反応で使用したアルデヒド類、アルキルフェノール類、溶媒等を共縮合樹脂より留去しても良い。
以上のようにして得られた本発明の粘着付与剤は、ゴム組成物へ配合する事により、未加硫ゴムに粘着性を与え、ゴム製品製造時の加工性を改善する粘着付与剤として利用可能である。
<本発明の粘着付与剤を含むゴム組成物>
続いて、本発明の粘着付与剤を含むゴム組成物について詳述する。
続いて、本発明の粘着付与剤を含むゴム組成物について詳述する。
本発明のゴム組成物は上述した本発明の粘着付与剤、ゴム成分、充填剤及び加硫剤とを混練して得られる。これらとともに、加硫促進剤、酸化亜鉛等一般的に用いられる配合剤を混練しても良い。
本発明の粘着付与剤の使用量は通常、ゴム成分100重量部あたり0.5〜10重量部の範囲である。中でも1〜5重量部の範囲が好ましい。0.5重量部より少ない場合、ゴム組成物に粘着性が十分付与されない場合があり、10重量部より多い場合、前記作用に問題はないが添加量に見合う作用が発現せず経済的に好ましくない。
本発明で使用されるゴム成分としては、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴムおよびその他の変性天然ゴムのほか、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ハロゲン化ブチルゴム(HR)等の各種の合成ゴムが例示されるが、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム等の高不飽和性ゴムが好ましい。特に好ましくは合成ゴムである。また、ポリブタジエンゴムとスチレン・ブタジエン共重合ゴムの併用、天然ゴムとスチレン・ブタジエン共重合ゴムの併用等、数種のゴム成分を組み合わせることも有効である。
天然ゴムの例としては、RSS#1、RSS#3、TSR20、SIR20等のグレードの天然ゴムを挙げることができる。エポキシ化天然ゴムとしては、エポキシ化度10〜60モル%のものが好ましく、クンプーラン ガスリー社製ENR25やENR50が例示できる。脱蛋白天然ゴムとしては、総窒素含有率が0.3重量%以下であるものが好ましい。変性天然ゴムとしては、天然ゴムにあらかじめ4−ビニルピリジン、N,N,−ジアルキルアミノエチルアクリレート(例えばN,N,−ジエチルアミノエチルアクリレート)、2−ヒドロキシアクリレート等を反応させた極性基を含有するものが好ましく用いられる。
SBRの例としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の210〜211頁に記載されている乳化重合SBRおよび溶液重合SBRを挙げることができる。とりわけ溶液重合SBRが好ましく用いられ、更には日本ゼオン社製「ニッポール(登録商標)NS116」等の4,4’−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンを用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、JSR社製「SL574」等のハロゲン化スズ化合物を用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、旭化成社製「E10」、「E15」等シラン変性溶液重合SBRの市販品や、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、前記記載の化合物(又は化合物の組み合わせ)を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合SBRが、特に好ましく用いられる。
BRの例としては、シス1,4結合が90%以上の高シスBRやシス結合が35%前後の低シスBR等の溶液重合BRが挙げられ、高ビニル含量の低シスBRが好ましく用いられる。更には日本ゼオン製「Nipol(登録商標)BR 1250H」等スズ変性BRや、4,4’−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ハロゲン化スズ化合物、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、前記記載の化合物(又は化合物の組み合わせ)を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合BRが、特に好ましく用いられる。これらBRは通常は天然ゴムとのブレンドで使用される。
本発明で使用される充填剤としては、ゴム分野で通常使用されているカーボンブラック、シリカ、タルク、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示され、これら充填剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上を混合して使用しても良い。これら充填剤としてはカーボンブラック及びシリカが好ましく用いられ、更にはカーボンブラックがより好ましく使用される。特に、充填剤に占めるカーボンブラックの割合は70重量%以上であることが好ましい。
カーボンブラックとして、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の494頁に記載されるものが挙げられ、HAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、FEF(Fast Extrusion Furnace)、MAF、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)等のカーボンブラックが好ましい。タイヤトレッド用ゴム組成物にはCTAB表面積40〜250m2/g、窒素吸着比表面積20〜200m2/g、粒子径10〜50nmのカーボンブラックが好ましく用いられ、CTAB表面積70〜180m2/gであるカーボンブラックが更に好ましく、その例としてはASTMの規格における、N110、N220、N234、N299、N326、N330、N330T、N339、N343、N351等が挙げられる。またカーボンブラックの表面にシリカを0.1〜50重量%付着させた表面処理カーボンブラックも好ましい。更には、カーボンブラックとシリカの併用等、複数の充填剤を組み合わせることも有効である。
シリカとしては、CTAB比表面積50〜180m2/gや、窒素吸着比表面積50〜300m2/gのシリカが例示され、東ソー・シリカ(株)社製「AQ」、「AQ−N」、デグッサ社製「ウルトラジル(登録商標)VN3」、「ウルトラジル(登録商標)360」、「ウルトラジル(登録商標)7000」、ローディア社製「ゼオシル(登録商標)115GR」、「ゼオシル(登録商標)1115MP」、「ゼオシル(登録商標)1205MP」、「ゼオシル(登録商標)Z85MP」、日本シリカ社製「ニップシール(登録商標)AQ」等の市販品が好ましく用いられる。また通常充填剤としてシリカを用いる場合にはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル(ジェネラルエレクトロニックシリコンズ社製「NXTシラン」)からなる群から選択される1種以上のシランカップリング剤等、シリカと結合可能なケイ素等の元素またはアルコシキシラン等の官能基を有する化合物を添加することが好ましい。
水酸化アルミニウムとしては、窒素吸着比表面積5〜250m2/g、DOP給油量50〜100ml/100gの水酸化アルミニウムが例示される。
かかる充填剤の使用量として例えば、ゴム成分100重量部あたり10〜120重量部の範囲が好ましい。特に好ましいのは30〜70重量部である。
本発明で使用される硫黄成分としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び高分散性硫黄等が挙げられる。通常は粉末硫黄が好ましい。硫黄成分の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり1〜10重量部の範囲が好ましい。
本発明で使用される加硫促進剤の例としては、ゴム工業便覧<第四版>(平成6年1月20日社団法人 日本ゴム協会発行)の412〜413ページに記載されているチアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が挙げられる。
具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、
N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。中でも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)、またはジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)とジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましい。
N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。中でも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)、またはジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)とジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましい。
加硫促進剤の使用量として例えば、ゴム成分100重量部あたり0.5〜3重量部の範囲が好ましい。中でも0.5〜1.2重量部の範囲が特に好ましい。
酸化亜鉛の使用量として例えば、ゴム成分100重量部あたり3〜15重量部の範囲が好ましい。中でも5〜10重量部の範囲が特に好ましい。
本発明のゴム組成物は従来よりゴム分野で用いられている各種の配合剤を配合し、混練することも可能である。かかる配合剤としては、例えば、老化防止剤、オイル、リターダー、しゃく解剤、ステアリン酸等が挙げられる。
上記の老化防止剤としては、例えば日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の436〜443頁に記載されるものが挙げられる。中でもN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、アニリンとアセトンの反応生成物(TMDQ)、合成ワックス(パラフィンワックス等)、植物性ワックスが好ましく用いられる。
上記のオイルとしては、プロセスオイル、植物油脂等が挙げられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。
上記のリターダーとしては、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が例示され、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)が好ましく用いられる。
<本発明の粘着付与剤を含むゴム組成物の製造方法>
本発明の粘着付与剤を含むゴム組成物は、例えば以下の方法により得ることが出来る。
本発明の粘着付与剤を含むゴム組成物は、例えば以下の方法により得ることが出来る。
(A)充填剤とゴム成分を混練する工程
充填剤とゴム成分の混練はバンバリーミキサー等の密閉式混練装置を用いて行うことが出来る。かかる混練は、通常、発熱を伴い、混練終了時の温度が140℃〜180℃の範囲であることが好ましく、150℃〜170℃の範囲であることが、さらに好ましい。混練時間は5分〜10分程度である。
充填剤とゴム成分の混練はバンバリーミキサー等の密閉式混練装置を用いて行うことが出来る。かかる混練は、通常、発熱を伴い、混練終了時の温度が140℃〜180℃の範囲であることが好ましく、150℃〜170℃の範囲であることが、さらに好ましい。混練時間は5分〜10分程度である。
(B)上記(A)の工程で得た混練物と硫黄成分と加硫促進剤を混練する工程
上記(A)の工程で得た混練物と硫黄成分と加硫促進剤の混練は、例えばバンバリーミキサー等の密閉式混練装置やオープンロールを用いて行うことが出来る。混練終了時の混練物の温度が30℃〜100℃であることが好ましく、60℃〜90℃であることがより好ましい。混練時間は通常5〜10分程度である。
上記(A)の工程で得た混練物と硫黄成分と加硫促進剤の混練は、例えばバンバリーミキサー等の密閉式混練装置やオープンロールを用いて行うことが出来る。混練終了時の混練物の温度が30℃〜100℃であることが好ましく、60℃〜90℃であることがより好ましい。混練時間は通常5〜10分程度である。
本発明の粘着付与剤は軟化点が低い為、(A)または(B)の工程で加えることが可能であるが、好ましくは(A)の工程で加える。
酸化亜鉛、老化防止剤、オイル、脂肪酸類、しゃく解剤を用いる場合、これらは(A)の工程で加えることが好ましい。
以下、実施例を示すことで本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、以下参考例、実施例及び比較例に記載される各成分の含有量、残留溶媒量、遊離モノマー量は、特に断りのない限り、得られた共縮合樹脂、又はカシューナッツシェル液を含む粘着付与剤に対する当該物質の重量%である。
共縮合樹脂、粘着付与剤の分析および性能評価は以下のようにして行った。
〔1〕樹脂の平均分子量の測定
共縮合樹脂、粘着付与剤の平均分子量に関しては、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算重量平均分子量として算出した。
使用機器 :HLC−8220GPC(東ソー製)
カラム : TSK ガードカラム SUPER HZ−L(東ソー製)
+TSK−GEL SUPER HZ1000(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ2500(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ4000(4.6mmφ×150mm)
カラム温度:40℃
注入量 :10μL
キャリアーおよび流速 :テトラヒドロフラン 0.35mL/min
サンプル調製:本発明の共縮合樹脂または樹脂組成物約0.02gをテトラヒドロフラン20mLに溶解。
〔1〕樹脂の平均分子量の測定
共縮合樹脂、粘着付与剤の平均分子量に関しては、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算重量平均分子量として算出した。
使用機器 :HLC−8220GPC(東ソー製)
カラム : TSK ガードカラム SUPER HZ−L(東ソー製)
+TSK−GEL SUPER HZ1000(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ2500(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ4000(4.6mmφ×150mm)
カラム温度:40℃
注入量 :10μL
キャリアーおよび流速 :テトラヒドロフラン 0.35mL/min
サンプル調製:本発明の共縮合樹脂または樹脂組成物約0.02gをテトラヒドロフラン20mLに溶解。
〔2〕残留モノマー、残留溶媒の測定
残留モノマー含有量及び残留溶媒含有量については、以下の条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
使用機器 :島津製作所社製 ガスクロマトグラフ GC−14B
カラム :ガラスカラム外径5mm×内径3.2mm×長さ3.1m
充填剤 :充填剤 Silicone OV−17 10% Chromosorb WHP 80/100mesh, max.temp.340℃
カラム温度:80℃→280℃
気化室温度:250℃
検出器温度:280℃
検出器 :FID
キャリアー:N2(40ml/min)
燃焼ガス :水素(60kPa), 空気(60kPa)
注入量 :2μL
本発明の共縮合樹脂又は粘着付与剤1g、標品としてアニソール0.05gをアセトン10mLに溶解させ上記条件にて分析した。内部標準法(GC−IS法)により、共縮合樹脂又は粘着付与剤中の残留溶媒、残留モノマーの含有量(%)を定量した。
残留モノマー含有量及び残留溶媒含有量については、以下の条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
使用機器 :島津製作所社製 ガスクロマトグラフ GC−14B
カラム :ガラスカラム外径5mm×内径3.2mm×長さ3.1m
充填剤 :充填剤 Silicone OV−17 10% Chromosorb WHP 80/100mesh, max.temp.340℃
カラム温度:80℃→280℃
気化室温度:250℃
検出器温度:280℃
検出器 :FID
キャリアー:N2(40ml/min)
燃焼ガス :水素(60kPa), 空気(60kPa)
注入量 :2μL
本発明の共縮合樹脂又は粘着付与剤1g、標品としてアニソール0.05gをアセトン10mLに溶解させ上記条件にて分析した。内部標準法(GC−IS法)により、共縮合樹脂又は粘着付与剤中の残留溶媒、残留モノマーの含有量(%)を定量した。
〔3〕軟化点の測定
JIS−K2207に準拠した方法により測定した。
JIS−K2207に準拠した方法により測定した。
<参考例1 CNSLを含まない、公知の粘着付与剤の製造例>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、パラアルデヒド56.5g (0.43mol)、p−tert−ブチルフェノール175.2g(1.17mol)、トルエン104.0gを順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、35%塩酸水溶液59.0g (0.57mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温60℃まで昇温し、同温度にて6時間保温した。
反応終了後、トルエン131g、水126gを加え内温60〜70℃で撹拌し、その後静置、水層を除去した。さらに同条件で2回水洗を行なった。
得られた有機溶媒層(396g)を、常圧のまま内温130〜140℃まで昇温し、2時間保温することでトルエンや未反応モノマー等を留去した。その後、内温130〜140℃に保ったまま35kPaまで減圧し、2時間保温することで、更にトルエンや未反応モノマー等を留去した。
その後、得られた共縮合物をフラスコから金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕することで、褐色の樹脂組成物213gを得た。なお、共縮合物をフラスコから取り出す際、フラスコ内に共縮合物が付着し、完全に取り出すことはできなかった。得られた共縮合物の物性値を以下に示す。
共縮合物の平均分子量:1642、共縮合物の軟化点:118℃、共縮合物中の残留トルエン分:3.3%、残留p−tert−ブチルフェノール分:1.5%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、パラアルデヒド56.5g (0.43mol)、p−tert−ブチルフェノール175.2g(1.17mol)、トルエン104.0gを順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、35%塩酸水溶液59.0g (0.57mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温60℃まで昇温し、同温度にて6時間保温した。
反応終了後、トルエン131g、水126gを加え内温60〜70℃で撹拌し、その後静置、水層を除去した。さらに同条件で2回水洗を行なった。
得られた有機溶媒層(396g)を、常圧のまま内温130〜140℃まで昇温し、2時間保温することでトルエンや未反応モノマー等を留去した。その後、内温130〜140℃に保ったまま35kPaまで減圧し、2時間保温することで、更にトルエンや未反応モノマー等を留去した。
その後、得られた共縮合物をフラスコから金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕することで、褐色の樹脂組成物213gを得た。なお、共縮合物をフラスコから取り出す際、フラスコ内に共縮合物が付着し、完全に取り出すことはできなかった。得られた共縮合物の物性値を以下に示す。
共縮合物の平均分子量:1642、共縮合物の軟化点:118℃、共縮合物中の残留トルエン分:3.3%、残留p−tert−ブチルフェノール分:1.5%。
<実施例1>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、パラアルデヒド56.5g(0.43mol)、p−tert−ブチルフェノール175.0g(1.17mol)、トルエン100.0gを順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、35%塩酸水溶液59.0g(0.57mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温60℃まで昇温し、同温度にて6時間保温した。
反応終了後、トルエン131g、水126gを加え内温60〜70℃で撹拌し、その後静置、水層を除去した。さらに同条件で2回水洗を行なった。
得られた有機溶媒層(426g)を、常圧のまま内温130〜140℃まで昇温し、2時間保温することでトルエンや未反応モノマー等を留去した。その後、内温130〜140℃に保ったまま44kPaまで減圧し、2時間保温することで、更にトルエンや未反応モノマー等を留去した。
濃縮後、常圧とした後にCNSL26.0gを加えた。その後、内温130〜140℃に保ったまま1時間撹拌し、共縮合樹脂とCNSLとが均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕することで、本発明の粘着付与剤173gを得た。なお、本発明の粘着付与剤をフラスコから取り出す際、フラスコ内に付着物はなく、完全に取り出すことができた。得られた本発明の粘着付与剤の物性値を以下に示す。
石油樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1586、共縮合物の軟化点:80℃、共縮合物中の残留トルエン分:4.0%、残留p−tert−ブチルフェノール分:1.0%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、パラアルデヒド56.5g(0.43mol)、p−tert−ブチルフェノール175.0g(1.17mol)、トルエン100.0gを順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、35%塩酸水溶液59.0g(0.57mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温60℃まで昇温し、同温度にて6時間保温した。
反応終了後、トルエン131g、水126gを加え内温60〜70℃で撹拌し、その後静置、水層を除去した。さらに同条件で2回水洗を行なった。
得られた有機溶媒層(426g)を、常圧のまま内温130〜140℃まで昇温し、2時間保温することでトルエンや未反応モノマー等を留去した。その後、内温130〜140℃に保ったまま44kPaまで減圧し、2時間保温することで、更にトルエンや未反応モノマー等を留去した。
濃縮後、常圧とした後にCNSL26.0gを加えた。その後、内温130〜140℃に保ったまま1時間撹拌し、共縮合樹脂とCNSLとが均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕することで、本発明の粘着付与剤173gを得た。なお、本発明の粘着付与剤をフラスコから取り出す際、フラスコ内に付着物はなく、完全に取り出すことができた。得られた本発明の粘着付与剤の物性値を以下に示す。
石油樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1586、共縮合物の軟化点:80℃、共縮合物中の残留トルエン分:4.0%、残留p−tert−ブチルフェノール分:1.0%。
<実施例2>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、パラアルデヒド32.3g (0.25mol)、p−tert−ブチルフェノール100.4g(0.67mol)、トルエン58.0gを順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、35%塩酸水溶液33.8g (0.35mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温60℃まで昇温し、同温度にて6時間保温した。
反応終了後、トルエン75g、水72gを加え内温60〜70℃で撹拌し、その後静置、水層を除去した。さらに同条件で2回水洗を行なった。
樹脂液層(243g)を、常圧のまま内温130〜140℃まで昇温し、2時間保温することでトルエンや未反応モノマー等を留去した。その後、内温130〜140℃に保ったまま44kPaまで減圧し、2時間保温することで更にトルエンや未反応モノマー等を留去した。
濃縮後、常圧とした後にCNSL20.1gを加えた。その後、内温130〜140℃に保ったまま1時間撹拌し、共縮合樹脂とCNSLとが均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕することで、本発明の粘着付与剤99gを得た。なお、本発明の粘着付与剤をフラスコから取り出す際、フラスコ内に付着物はなく、完全に取り出すことができた。得られた本発明の粘着付与剤の物性値を以下に示す。
石油樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1555、共縮合物の軟化点:76℃、共縮合物中の残留トルエン分:2.2%、残留p−tert−ブチルフェノール分:1.2%。
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、パラアルデヒド32.3g (0.25mol)、p−tert−ブチルフェノール100.4g(0.67mol)、トルエン58.0gを順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、35%塩酸水溶液33.8g (0.35mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温60℃まで昇温し、同温度にて6時間保温した。
反応終了後、トルエン75g、水72gを加え内温60〜70℃で撹拌し、その後静置、水層を除去した。さらに同条件で2回水洗を行なった。
樹脂液層(243g)を、常圧のまま内温130〜140℃まで昇温し、2時間保温することでトルエンや未反応モノマー等を留去した。その後、内温130〜140℃に保ったまま44kPaまで減圧し、2時間保温することで更にトルエンや未反応モノマー等を留去した。
濃縮後、常圧とした後にCNSL20.1gを加えた。その後、内温130〜140℃に保ったまま1時間撹拌し、共縮合樹脂とCNSLとが均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕することで、本発明の粘着付与剤99gを得た。なお、本発明の粘着付与剤をフラスコから取り出す際、フラスコ内に付着物はなく、完全に取り出すことができた。得られた本発明の粘着付与剤の物性値を以下に示す。
石油樹脂を含む樹脂組成物の平均分子量:1555、共縮合物の軟化点:76℃、共縮合物中の残留トルエン分:2.2%、残留p−tert−ブチルフェノール分:1.2%。
<上記参考例及び実施例で得られた、本発明の粘着付与剤、又は共縮合樹脂を含む未加硫ゴム組成物の製造>
上記実施例1および2で製造した粘着付与剤、及び参考例1で製造した共縮合樹脂を用いて、また、ブランクとして粘着付与剤を使用せず、未加硫ゴム組成物を次の方法にて製造した。
上記実施例1および2で製造した粘着付与剤、及び参考例1で製造した共縮合樹脂を用いて、また、ブランクとして粘着付与剤を使用せず、未加硫ゴム組成物を次の方法にて製造した。
以下表1に示す配合に従い、トーシン製加圧式ニーダーで全成分を添加混合し、160℃に達した時点で排出した。特に断りのない限り、以下表1中の数値は質量部を表す。
上記表1における各成分の由来は下記の通りである。
・スチレン・ブタジエン共重合ゴム:JSR(株)製SBR1500
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト300」(HAF−LSグレード)
・亜鉛華:正同化学工業(株)社製亜鉛華2種
・オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)社製アロマックス3
・タルク:日本ミストロン(株)製ミストロンベーパー
・スチレン・ブタジエン共重合ゴム:JSR(株)製SBR1500
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト300」(HAF−LSグレード)
・亜鉛華:正同化学工業(株)社製亜鉛華2種
・オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)社製アロマックス3
・タルク:日本ミストロン(株)製ミストロンベーパー
<未加硫ゴム組成物の粘着性試験>
上記の通り得られた未加硫ゴム組成物を作製し、室温にて24時間放置した後、60℃に保温した関西ロール製6インチオープンロールでシート出しし、厚さ4mm×150mmの短冊型の試験片を作成した。この試験片を東洋精機製作所(株)製PICMAタックテスターにより、測定温度25℃、圧着時間200g×10秒間、引張速度30mm/minの条件下で粘着力(gf)を測定した。
上記した粘着力の測定は、混練後72、96、168、240時間においてそれぞれ5回繰り返し、得られた値の平均値を測定値とした。得られた各実施例、参考例の測定値を、粘着付与剤未添加(比較例)の測定値で割ることによって、各粘着付与剤の粘着力評価を行った。結果を表2に示す。
上記の通り得られた未加硫ゴム組成物を作製し、室温にて24時間放置した後、60℃に保温した関西ロール製6インチオープンロールでシート出しし、厚さ4mm×150mmの短冊型の試験片を作成した。この試験片を東洋精機製作所(株)製PICMAタックテスターにより、測定温度25℃、圧着時間200g×10秒間、引張速度30mm/minの条件下で粘着力(gf)を測定した。
上記した粘着力の測定は、混練後72、96、168、240時間においてそれぞれ5回繰り返し、得られた値の平均値を測定値とした。得られた各実施例、参考例の測定値を、粘着付与剤未添加(比較例)の測定値で割ることによって、各粘着付与剤の粘着力評価を行った。結果を表2に示す。
上記表2に示す通り、実施例1及び2で得られた粘着付与剤は公知の粘着付与剤(参考例1)と同程度の粘着付与効果を示すことが確認された。
Claims (7)
- 上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類から誘導される構造単位、および上記一般式(2)で表されるアルデヒド類から誘導される構造単位を含むアルキルフェノール共縮合樹脂、並びにカシューナッツシェル液を含む粘着付与剤。
- 軟化点が70〜140℃である、請求項2記載の粘着付与剤。
- カシューナッツシェル液の含有量が5〜40重量%である、請求項2又は3記載の粘着付与剤。
- 上記一般式(1)で表されるアルキルフェノール類がp−tert−ブチルフェノール又はp−tert−オクチルフェノールである請求項2〜4いずれか1項記載の粘着付与剤。
- 上記一般式(2)において置換基R2がメチル基である、請求項2〜5いずれか1項記載の粘着付与剤。
- 請求項2〜6いずれか一項記載の粘着付与剤を含むゴム組成物。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2019116655A1 (ja) * | 2017-12-13 | 2019-06-20 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物、タイヤ、コンベヤベルト、ゴムクローラ、防振装置、免震装置及びホース |
-
2016
- 2016-03-30 JP JP2016067742A patent/JP2017179101A/ja active Pending
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2019116655A1 (ja) * | 2017-12-13 | 2019-06-20 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物、タイヤ、コンベヤベルト、ゴムクローラ、防振装置、免震装置及びホース |
JPWO2019116655A1 (ja) * | 2017-12-13 | 2021-01-21 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物、タイヤ、コンベヤベルト、ゴムクローラ、防振装置、免震装置及びホース |
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