JPH08231773A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH08231773A JPH08231773A JP7033912A JP3391295A JPH08231773A JP H08231773 A JPH08231773 A JP H08231773A JP 7033912 A JP7033912 A JP 7033912A JP 3391295 A JP3391295 A JP 3391295A JP H08231773 A JPH08231773 A JP H08231773A
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- JP
- Japan
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- rubber
- rubber composition
- pneumatic tire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 2層構造のサイドウォールにおいて、外層を
特定のEPDMを含むゴム組成物で構成することによ
り、安価で、耐久性、耐候性に優れ、しかもカーカス部
との剥離の問題も解決できる空気入りタイヤを提供す
る。 【構成】 カーカス1の側面を被覆保護するサイドウォ
ール2が、カーカス1に隣接する内層3と、その外側に
配設した外層4の2層構造である空気入りタイヤにおい
て、外層4を構成するゴム組成物が、ゴム成分として、
エチレン/プロピレン比率が70/30〜80/20の
エチレンプロピレンジエンゴムを含む。
特定のEPDMを含むゴム組成物で構成することによ
り、安価で、耐久性、耐候性に優れ、しかもカーカス部
との剥離の問題も解決できる空気入りタイヤを提供す
る。 【構成】 カーカス1の側面を被覆保護するサイドウォ
ール2が、カーカス1に隣接する内層3と、その外側に
配設した外層4の2層構造である空気入りタイヤにおい
て、外層4を構成するゴム組成物が、ゴム成分として、
エチレン/プロピレン比率が70/30〜80/20の
エチレンプロピレンジエンゴムを含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイドウォール部の外
観が改善され、耐候性も向上した空気入りタイヤに関
し、さらに詳述すると、カーカスの側面を被覆保護する
サイドウォールが、ゴム組成の異なる内外二層で構成さ
れた空気入りタイヤに関する。
観が改善され、耐候性も向上した空気入りタイヤに関
し、さらに詳述すると、カーカスの側面を被覆保護する
サイドウォールが、ゴム組成の異なる内外二層で構成さ
れた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気入りタイヤのサイドウォール
は、主鎖中の二重結合の含有率の高い天然ゴム、イソプ
レンゴム等の高不飽和度ゴムを含むゴム組成物で構成さ
れていた。これらの高不飽和度ゴム分子中の二重結合は
オゾンと反応して解重合する性質があるので、タイヤを
紫外線の強い所あるいは空気中のオゾンの濃度の高い雰
囲気中に放置しておくと、亀裂いわゆるオゾンクラック
が発生する。これを防ぐため、サイドウォールのゴム組
成物にはアミン系の老化防止剤、ワックス等の抗オゾン
クラック剤が配合されていた。
は、主鎖中の二重結合の含有率の高い天然ゴム、イソプ
レンゴム等の高不飽和度ゴムを含むゴム組成物で構成さ
れていた。これらの高不飽和度ゴム分子中の二重結合は
オゾンと反応して解重合する性質があるので、タイヤを
紫外線の強い所あるいは空気中のオゾンの濃度の高い雰
囲気中に放置しておくと、亀裂いわゆるオゾンクラック
が発生する。これを防ぐため、サイドウォールのゴム組
成物にはアミン系の老化防止剤、ワックス等の抗オゾン
クラック剤が配合されていた。
【0003】しかし、このような抗オゾンクラック剤を
添加したゴム組成物で構成したサイドウォールを有する
空気入りタイヤにおいては、保管中に抗オゾンクラック
剤がサイドウォールの表面にブルームして、あたかも埃
が付着したような外見を呈する。さらに、アミン系老化
防止剤は、空気や日光に曝されると茶色に変色する性質
があるので、ブルームによりサイドウォールの表面に移
行してサイドウォールを変色させ、商品価値を低下させ
ていた。一方、変色を改善させるために老化防止材の配
合量を減ずれば、亀裂の発生が早くなり、耐久性が低下
してしまう。
添加したゴム組成物で構成したサイドウォールを有する
空気入りタイヤにおいては、保管中に抗オゾンクラック
剤がサイドウォールの表面にブルームして、あたかも埃
が付着したような外見を呈する。さらに、アミン系老化
防止剤は、空気や日光に曝されると茶色に変色する性質
があるので、ブルームによりサイドウォールの表面に移
行してサイドウォールを変色させ、商品価値を低下させ
ていた。一方、変色を改善させるために老化防止材の配
合量を減ずれば、亀裂の発生が早くなり、耐久性が低下
してしまう。
【0004】そこで、近年、不飽和結合の含有量の少な
い低不飽和度ゴムを使用して、ゴム成分自体の耐オゾン
性を高め、ブルーム、変色の原因となる抗オゾン剤含有
量を減量したゴム組成物が検討されている。例えば、特
開平1−297307号公報に、サイドウォール部をカ
ーカスに隣接する内層とその外側に配設した外層の2層
構造である空気入りタイヤにおいて、内層のゴム成分と
してエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)10〜
30重量部と天然ゴム等の高不飽和ゴム90〜70重量
部とを配合したゴムを用い、外層のゴム成分としてEP
DM30〜60重量部と天然ゴム等の高不飽和ゴム70
〜40重量部とを配合したゴムを用いた空気入りタイヤ
が開示されている。
い低不飽和度ゴムを使用して、ゴム成分自体の耐オゾン
性を高め、ブルーム、変色の原因となる抗オゾン剤含有
量を減量したゴム組成物が検討されている。例えば、特
開平1−297307号公報に、サイドウォール部をカ
ーカスに隣接する内層とその外側に配設した外層の2層
構造である空気入りタイヤにおいて、内層のゴム成分と
してエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)10〜
30重量部と天然ゴム等の高不飽和ゴム90〜70重量
部とを配合したゴムを用い、外層のゴム成分としてEP
DM30〜60重量部と天然ゴム等の高不飽和ゴム70
〜40重量部とを配合したゴムを用いた空気入りタイヤ
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】EPDMは、天然ゴム
やブタジエンゴム等と比べて不飽和結合の割合が非常に
小さいため耐候性に優れるが、他のジエン系ゴムに比べ
て高価であるため、この含有率が高くなるとサイドウォ
ール、ひいては空気入りタイヤ自体の高価格化の原因と
なる。また、EPDMはその不飽和結合の割合が少ない
ことから、EPDMの含有割合が多くなることはタイヤ
の他の部分のゴムとの接着性低下の原因ともなる。
やブタジエンゴム等と比べて不飽和結合の割合が非常に
小さいため耐候性に優れるが、他のジエン系ゴムに比べ
て高価であるため、この含有率が高くなるとサイドウォ
ール、ひいては空気入りタイヤ自体の高価格化の原因と
なる。また、EPDMはその不飽和結合の割合が少ない
ことから、EPDMの含有割合が多くなることはタイヤ
の他の部分のゴムとの接着性低下の原因ともなる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、2層構造のサ
イドウォールにおいて、外層を特定のEPDMを含むゴ
ム組成物で構成することにより、安価で、耐久性、耐候
性に優れ、しかもカーカス部との剥離の問題も解決でき
る空気入りタイヤを提供することにある。
たものであり、その目的とするところは、2層構造のサ
イドウォールにおいて、外層を特定のEPDMを含むゴ
ム組成物で構成することにより、安価で、耐久性、耐候
性に優れ、しかもカーカス部との剥離の問題も解決でき
る空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エチレン
プロピレンジエン(EPDM)におけるエチレンとプロ
ピレンとの含有比率(以下、「エチレン/プロピレン」
の値で表示)は一般に50/50〜70/30のタイプ
が多いが、EPDM中のジエン成分の割合が同じであっ
てもエチレン比率を増加させると、予想以上に接着力が
向上することを見出し、本発明の完成に到った。
プロピレンジエン(EPDM)におけるエチレンとプロ
ピレンとの含有比率(以下、「エチレン/プロピレン」
の値で表示)は一般に50/50〜70/30のタイプ
が多いが、EPDM中のジエン成分の割合が同じであっ
てもエチレン比率を増加させると、予想以上に接着力が
向上することを見出し、本発明の完成に到った。
【0008】本発明の空気入りタイヤは、図1に示すよ
うに、カーカス1の側面を被覆保護するサイドウォール
2が、カーカス1に隣接する内層3と、その外側に配設
した外層4の2層構造である空気入りタイヤにおいて、
外層4を構成するゴム組成物が、ゴム成分として、エチ
レン/プロピレン比率が70/30〜80/20のエチ
レンプロピレンジエンゴムを含むことを特徴とする。
うに、カーカス1の側面を被覆保護するサイドウォール
2が、カーカス1に隣接する内層3と、その外側に配設
した外層4の2層構造である空気入りタイヤにおいて、
外層4を構成するゴム組成物が、ゴム成分として、エチ
レン/プロピレン比率が70/30〜80/20のエチ
レンプロピレンジエンゴムを含むことを特徴とする。
【0009】外層4を構成するゴム組成物(以下、「外
層用ゴム組成物」という)に含まれるEPDMのエチレ
ン/プロピレン比率を70/30〜80/20に限定し
た理由は、エチレン比率が70未満では接着力の向上が
期待できない。一方、エチレン比率が80を超えると、
ポリマーの結晶化が促進され、ゴム弾性を示しにくくな
り、低温特性、耐寒性能が低下するからである。ここ
で、ヨウ素価とは、100gポリマーと反応するヨウ素
のg数であり、EPDM中のジエン成分の量に比例し、
加硫速度の指標となる値である。
層用ゴム組成物」という)に含まれるEPDMのエチレ
ン/プロピレン比率を70/30〜80/20に限定し
た理由は、エチレン比率が70未満では接着力の向上が
期待できない。一方、エチレン比率が80を超えると、
ポリマーの結晶化が促進され、ゴム弾性を示しにくくな
り、低温特性、耐寒性能が低下するからである。ここ
で、ヨウ素価とは、100gポリマーと反応するヨウ素
のg数であり、EPDM中のジエン成分の量に比例し、
加硫速度の指標となる値である。
【0010】尚、外層用ゴム組成物に用いられるEPD
Mにおいて、エチレン、プロピレンを除いた第3成分と
してのジエンの種類は、加硫速度の速いエチリデンノル
ボルネンを用いることが望ましい。外層用ゴム組成物中
のゴム成分中のEPDMの割合は、25〜40重量%で
あることが好ましい。25重量%未満では耐オゾン性が
著しく低下し、40重量%を超えると内層との接着性及
び耐屈曲疲労性が低下するからである。
Mにおいて、エチレン、プロピレンを除いた第3成分と
してのジエンの種類は、加硫速度の速いエチリデンノル
ボルネンを用いることが望ましい。外層用ゴム組成物中
のゴム成分中のEPDMの割合は、25〜40重量%で
あることが好ましい。25重量%未満では耐オゾン性が
著しく低下し、40重量%を超えると内層との接着性及
び耐屈曲疲労性が低下するからである。
【0011】外層用ゴム組成物のゴム成分の残部として
は、高不飽和度の一般的なジエン系ゴム、EPDM以外
に耐候性に優れた低不飽和度ゴムを用いることもでき
る。高不飽和度ゴムとしては、具体的には、天然ゴム、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)等を用いることができる。低不飽和度ゴ
ムとしては、例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴ
ムを用いることができる。
は、高不飽和度の一般的なジエン系ゴム、EPDM以外
に耐候性に優れた低不飽和度ゴムを用いることもでき
る。高不飽和度ゴムとしては、具体的には、天然ゴム、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)等を用いることができる。低不飽和度ゴ
ムとしては、例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴ
ムを用いることができる。
【0012】外層用ゴム組成物には、上記ゴム成分の
他、加硫剤、カーボンブラック等の補強剤など一般的な
ゴム用添加剤が適宜配合され得る。サイドウォール2の
内層3を構成するゴム組成物(内層用ゴム組成物)の組
成は特に限定しない。ゴム成分を、1種又は2種以上の
天然ゴム等の高不飽和度ゴムで構成してもよいし、EP
DMやハロゲン化ゴム等の低不飽和度ゴムをブレンドし
たゴムであってもよい。但し、内層において、低不飽和
度ゴムの割合が増えるに従ってコストが高くなることは
避けられない。尚、内層にEPDMを用いる場合には、
その種類は特に限定しない。また、内層のゴム組成物
は、上記ゴム成分の他、必要に応じて加硫剤、補強剤等
の一般に用いられるゴムの配合剤が適宜添加され得る。
他、加硫剤、カーボンブラック等の補強剤など一般的な
ゴム用添加剤が適宜配合され得る。サイドウォール2の
内層3を構成するゴム組成物(内層用ゴム組成物)の組
成は特に限定しない。ゴム成分を、1種又は2種以上の
天然ゴム等の高不飽和度ゴムで構成してもよいし、EP
DMやハロゲン化ゴム等の低不飽和度ゴムをブレンドし
たゴムであってもよい。但し、内層において、低不飽和
度ゴムの割合が増えるに従ってコストが高くなることは
避けられない。尚、内層にEPDMを用いる場合には、
その種類は特に限定しない。また、内層のゴム組成物
は、上記ゴム成分の他、必要に応じて加硫剤、補強剤等
の一般に用いられるゴムの配合剤が適宜添加され得る。
【0013】以上のような外層用ゴム組成物からなるゴ
ム層と内層用ゴム組成物からなるゴム層とを重ねたサイ
ドウォール用ゴムシートを用いて、従来公知の方法によ
りグリーンタイヤを作製し、加硫成形すると、本発明に
かかる空気入りタイヤが得られる。尚、サイドウォール
において、外層の厚みは0.4〜0.8mm程度が好ま
しく、内層の厚みは2〜4mm程度が好ましい。
ム層と内層用ゴム組成物からなるゴム層とを重ねたサイ
ドウォール用ゴムシートを用いて、従来公知の方法によ
りグリーンタイヤを作製し、加硫成形すると、本発明に
かかる空気入りタイヤが得られる。尚、サイドウォール
において、外層の厚みは0.4〜0.8mm程度が好ま
しく、内層の厚みは2〜4mm程度が好ましい。
【0014】以上のような構成を有する本発明の空気入
りタイヤは、サイドウォールに老化防止剤等の抗オゾン
クラック剤が大量に配合されていなくても、耐オゾン
性、耐候性に優れている。従って、長期間使用しても、
老化防止剤等のブルーム現象による変色等の外観変化を
防止できる。
りタイヤは、サイドウォールに老化防止剤等の抗オゾン
クラック剤が大量に配合されていなくても、耐オゾン
性、耐候性に優れている。従って、長期間使用しても、
老化防止剤等のブルーム現象による変色等の外観変化を
防止できる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の空気入りタイヤのサイドウ
ォールを構成する外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成
物を、実施例に基づいて説明する。 〔外層用ゴム組成物〕EPDMとしては、ジエン成分と
してエチリデンノルボルネンを用いた、表1に示す3種
類のEPDM〜を用いた。EPDM及びEPDM
が本発明に係るEPDMであり、EPDMは本発明
の範囲外のEPDMである。
ォールを構成する外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成
物を、実施例に基づいて説明する。 〔外層用ゴム組成物〕EPDMとしては、ジエン成分と
してエチリデンノルボルネンを用いた、表1に示す3種
類のEPDM〜を用いた。EPDM及びEPDM
が本発明に係るEPDMであり、EPDMは本発明
の範囲外のEPDMである。
【0016】
【表1】
【0017】表2に示すゴム成分及び各種添加剤を配合
して、外層用ゴム組成物No.1〜7を調製した。表2
中、カーボンブラックとしては東海カーボン株式会社製
のN550、プロセスオイルとしては出光興産株式会社
製のダイアナプロセスP32、ワックスとしては大内化
学株式会社製のサンノックワックス、老化防止剤として
は精工化学社製のオゾノン6C、加硫促進剤としては大
内化学株式会社製のノクセラ−NS及びノクセラ−DM
を用いた。 〔内層用ゴム組成物〕表2に示す配合組成を有する内層
用ゴム組成物No.1,2を調製した。No.1は、ゴ
ム成分が高不飽和度のジエン系ゴムのみからなるゴム組
成物であり、No.2はEPDMを配合したゴム組成物
である。
して、外層用ゴム組成物No.1〜7を調製した。表2
中、カーボンブラックとしては東海カーボン株式会社製
のN550、プロセスオイルとしては出光興産株式会社
製のダイアナプロセスP32、ワックスとしては大内化
学株式会社製のサンノックワックス、老化防止剤として
は精工化学社製のオゾノン6C、加硫促進剤としては大
内化学株式会社製のノクセラ−NS及びノクセラ−DM
を用いた。 〔内層用ゴム組成物〕表2に示す配合組成を有する内層
用ゴム組成物No.1,2を調製した。No.1は、ゴ
ム成分が高不飽和度のジエン系ゴムのみからなるゴム組
成物であり、No.2はEPDMを配合したゴム組成物
である。
【0018】尚、参考例として、従来の一層構造のサイ
ドウォールに用いられているゴム組成物を合わせて表2
に示す。上記配合組成に従って配合した外層用ゴム組成
物、内層用ゴム組成物、及び参考例のゴム組成物につい
て、下記評価方法により、接着性、耐オゾン性、外観、
耐屈曲性を評価した。評価結果を表2に示す。 〔評価方法〕 接着性;外層用ゴム組成物No.1〜No.7を用いて
作製した未加硫ゴムシートと、内層用ゴム組成物No.
1を用いて作製した未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、
これを170℃で10分間加硫して得られた加硫ゴムシ
ートを幅2cmにカットして、接着試験片を作製した。
作製したゴム試験片を10mm/minの引っ張り速度
で剥離し、剥離界面の状態を目視観察した結果により、
○(ゴム/ゴム界面では剥離せず、凝集破壊してい
た),△(一部界面剥離),×(界面剥離)の3段階で
評価した。
ドウォールに用いられているゴム組成物を合わせて表2
に示す。上記配合組成に従って配合した外層用ゴム組成
物、内層用ゴム組成物、及び参考例のゴム組成物につい
て、下記評価方法により、接着性、耐オゾン性、外観、
耐屈曲性を評価した。評価結果を表2に示す。 〔評価方法〕 接着性;外層用ゴム組成物No.1〜No.7を用いて
作製した未加硫ゴムシートと、内層用ゴム組成物No.
1を用いて作製した未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、
これを170℃で10分間加硫して得られた加硫ゴムシ
ートを幅2cmにカットして、接着試験片を作製した。
作製したゴム試験片を10mm/minの引っ張り速度
で剥離し、剥離界面の状態を目視観察した結果により、
○(ゴム/ゴム界面では剥離せず、凝集破壊してい
た),△(一部界面剥離),×(界面剥離)の3段階で
評価した。
【0019】耐オゾン性;外層用ゴム組成物No.1〜
No.7及び参考例のゴム組成物を用いて加硫ゴム試験
片を作製し、これを用いて、JIS K6301に規定
されているオゾン劣化試験を行った。試験条件は、温度
40℃、オゾン濃度50pphm、伸長率20%で72
時間放置した。放置後の試験片の亀裂状態を、JIS
K6301に従って評価した。
No.7及び参考例のゴム組成物を用いて加硫ゴム試験
片を作製し、これを用いて、JIS K6301に規定
されているオゾン劣化試験を行った。試験条件は、温度
40℃、オゾン濃度50pphm、伸長率20%で72
時間放置した。放置後の試験片の亀裂状態を、JIS
K6301に従って評価した。
【0020】「○」は肉眼で認められる亀裂が全くなか
ったことを示し、「A2」は肉眼で見える程度の亀裂が
少数存在することを示し、「B2」は肉眼では見える程
度の亀裂が多数存在することを示し、「B3」は深くて
比較的大きい亀裂が多数存在することを示している。 耐屈曲性;外層用ゴム組成物No.1〜No.7、内層
用ゴム組成物及び参考例のゴム組成物を用いて加硫ゴム
試験片を作製し、これを用いてJIS K6301に規
定されている屈曲試験を行った。そして、加硫ゴム試験
片を10万回繰り返し屈曲したときの亀裂の成長長さ
(mm)で評価した。
ったことを示し、「A2」は肉眼で見える程度の亀裂が
少数存在することを示し、「B2」は肉眼では見える程
度の亀裂が多数存在することを示し、「B3」は深くて
比較的大きい亀裂が多数存在することを示している。 耐屈曲性;外層用ゴム組成物No.1〜No.7、内層
用ゴム組成物及び参考例のゴム組成物を用いて加硫ゴム
試験片を作製し、これを用いてJIS K6301に規
定されている屈曲試験を行った。そして、加硫ゴム試験
片を10万回繰り返し屈曲したときの亀裂の成長長さ
(mm)で評価した。
【0021】外観;外層用ゴム組成物No.1〜No.
7、内層用ゴム組成物及び参考例のゴム組成物を用い
て、厚さ4mmの加硫ゴム試験片を作製し、この試験片
を雨水がかからないように屋外暴露した。30日間暴露
後、外観を目視で観察して、○(変色せず)及び×(変
色)の2段階で評価した。
7、内層用ゴム組成物及び参考例のゴム組成物を用い
て、厚さ4mmの加硫ゴム試験片を作製し、この試験片
を雨水がかからないように屋外暴露した。30日間暴露
後、外観を目視で観察して、○(変色せず)及び×(変
色)の2段階で評価した。
【0022】
【表2】
【0023】〔評価結果〕表2からわかるように、ゴム
成分としてEPDMを配合したゴム組成物No.1〜7
はいずれも参考例に比べて耐オゾン性及び外観が優れて
いることがわかる。但し、耐オゾン性については、ゴム
成分中のEPDMの含有率が25重量%未満では低下す
る傾向が見られる(ゴム組成物No.4及びNo.5参
照)。
成分としてEPDMを配合したゴム組成物No.1〜7
はいずれも参考例に比べて耐オゾン性及び外観が優れて
いることがわかる。但し、耐オゾン性については、ゴム
成分中のEPDMの含有率が25重量%未満では低下す
る傾向が見られる(ゴム組成物No.4及びNo.5参
照)。
【0024】また、本発明にかかるEPDMを配合した
ゴム組成物No.2〜7は、本発明の範囲外のEPDM
を配合したゴム組成物No.1と比べて、内層用ゴム組
成物であるジエン系ゴムとの接着性に優れていることが
わかる。但し、本発明にかかるEPDMを配合した場合
であっても、ゴム成分中のEPDMの含有率が40重量
%となると接着力が低下していることがわかる(ゴム組
成物No.7参照)。さらに、耐屈曲性に関しても、本
発明にかかるEPDMであっても、ゴム成分中のEPD
Mの含有率が高くなる程低下する傾向にあるため、40
重量%以下とすることが好ましいことがわかる(ゴム組
成物No.7参照)。
ゴム組成物No.2〜7は、本発明の範囲外のEPDM
を配合したゴム組成物No.1と比べて、内層用ゴム組
成物であるジエン系ゴムとの接着性に優れていることが
わかる。但し、本発明にかかるEPDMを配合した場合
であっても、ゴム成分中のEPDMの含有率が40重量
%となると接着力が低下していることがわかる(ゴム組
成物No.7参照)。さらに、耐屈曲性に関しても、本
発明にかかるEPDMであっても、ゴム成分中のEPD
Mの含有率が高くなる程低下する傾向にあるため、40
重量%以下とすることが好ましいことがわかる(ゴム組
成物No.7参照)。
【0025】以上から、エチレン/プロピレン比率が7
0/30〜80/20のEPDMを、好ましくは25〜
40重量%含有するゴム成分を配合したゴム組成物は、
耐オゾン性、接着性、外観に優れていることがわかる。
次に、表2に示す外層用ゴム組成物No.3を用いて厚
み0.6mmの外層と、内層用ゴム組成物No.1又は
No.2を用いて厚み3.0mmの内層とを重ねてサイ
ドウォールを構成した本発明の実施例にかかる空気入り
タイヤ(185/70R14)を製造した(実施例タイ
ヤNo.1,2)。また、比較例として、表2に示す参
考例のゴム組成物を用いて単一層のサイドウォールを構
成した空気入りタイヤを製造した(比較例タイヤ)。
0/30〜80/20のEPDMを、好ましくは25〜
40重量%含有するゴム成分を配合したゴム組成物は、
耐オゾン性、接着性、外観に優れていることがわかる。
次に、表2に示す外層用ゴム組成物No.3を用いて厚
み0.6mmの外層と、内層用ゴム組成物No.1又は
No.2を用いて厚み3.0mmの内層とを重ねてサイ
ドウォールを構成した本発明の実施例にかかる空気入り
タイヤ(185/70R14)を製造した(実施例タイ
ヤNo.1,2)。また、比較例として、表2に示す参
考例のゴム組成物を用いて単一層のサイドウォールを構
成した空気入りタイヤを製造した(比較例タイヤ)。
【0026】実施例及び比較例のタイヤを、2000c
cの後輪駆動(FR車)方式の車両にたすき掛けで取付
け、2000km走行させた。走行後のタイヤを観察し
たところ、本実施例のタイヤのサイドウォール部におい
ては変色やクラックは認められなかった。一方、比較例
のタイヤのサイドウォール部にはクラックは認められな
っかたけれども、赤茶色に変色していた(表3参照)。
cの後輪駆動(FR車)方式の車両にたすき掛けで取付
け、2000km走行させた。走行後のタイヤを観察し
たところ、本実施例のタイヤのサイドウォール部におい
ては変色やクラックは認められなかった。一方、比較例
のタイヤのサイドウォール部にはクラックは認められな
っかたけれども、赤茶色に変色していた(表3参照)。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは、サイドウォ
ールが2層構造である空気入りタイヤにおいて、サイド
ウォールの外層にエチレン/プロピレン比率が所定範囲
内にある特有のEPDMを含有するゴム組成物で構成し
ているので、サイドウォールの外層は耐オゾン性に優
れ、耐屈曲性の低下も最小限に抑えながら、他のゴムと
の高接着性を発揮できる。換言すると、他のゴムとの接
着性を保持しつつ、耐オゾン性、耐候性を発揮すること
ができるので、内層を構成するゴムとして高価なEPD
Mを含まないゴムを用いても、サイドウォールとして必
要な耐オゾン性、耐候性を保証することができ、ひいて
は、空気入りタイヤにおけるサイドウォール部のコスト
の低減を図ることができる。
ールが2層構造である空気入りタイヤにおいて、サイド
ウォールの外層にエチレン/プロピレン比率が所定範囲
内にある特有のEPDMを含有するゴム組成物で構成し
ているので、サイドウォールの外層は耐オゾン性に優
れ、耐屈曲性の低下も最小限に抑えながら、他のゴムと
の高接着性を発揮できる。換言すると、他のゴムとの接
着性を保持しつつ、耐オゾン性、耐候性を発揮すること
ができるので、内層を構成するゴムとして高価なEPD
Mを含まないゴムを用いても、サイドウォールとして必
要な耐オゾン性、耐候性を保証することができ、ひいて
は、空気入りタイヤにおけるサイドウォール部のコスト
の低減を図ることができる。
【0029】また、内層ゴムのEPDMの含有率を低減
することは、内層ゴムを不飽和度の向上を意味し、内層
とカーカス部との接着性の向上を図ることもできる。
することは、内層ゴムを不飽和度の向上を意味し、内層
とカーカス部との接着性の向上を図ることもできる。
【図1】本発明の空気入りタイヤの構成を説明するため
の断面模式図である。
の断面模式図である。
1 カーカス 2 サイドウォール 3 内層 4 外層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】しかし、このような抗オゾンクラック剤を
添加したゴム組成物で構成したサイドウォールを有する
空気入りタイヤにおいては、保管中に抗オゾンクラック
剤がサイドウォールの表面にブルームして、あたかも埃
が付着したような外見を呈する。さらに、アミン系老化
防止剤は、空気や日光に曝されると茶色に変色する性質
があるので、ブルームによりサイドウォールの表面に移
行してサイドウォールを変色させ、商品価値を低下させ
ていた。一方、変色を改善させるために老化防止剤の配
合量を減ずれば、亀裂の発生が早くなり、耐久性が低下
してしまう。
添加したゴム組成物で構成したサイドウォールを有する
空気入りタイヤにおいては、保管中に抗オゾンクラック
剤がサイドウォールの表面にブルームして、あたかも埃
が付着したような外見を呈する。さらに、アミン系老化
防止剤は、空気や日光に曝されると茶色に変色する性質
があるので、ブルームによりサイドウォールの表面に移
行してサイドウォールを変色させ、商品価値を低下させ
ていた。一方、変色を改善させるために老化防止剤の配
合量を減ずれば、亀裂の発生が早くなり、耐久性が低下
してしまう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例及び比較例のタイヤを、2000c
cの後輪駆動(FR車)方式の車両にたすき掛けで取付
け、20000km走行させた。走行後のタイヤを観察
したところ、本実施例のタイヤのサイドウォール部にお
いては変色やクラックは認められなかった。一方、比較
例のタイヤのサイドウォール部にはクラックは認められ
なっかたけれども、赤茶色に変色していた(表3参
照)。
cの後輪駆動(FR車)方式の車両にたすき掛けで取付
け、20000km走行させた。走行後のタイヤを観察
したところ、本実施例のタイヤのサイドウォール部にお
いては変色やクラックは認められなかった。一方、比較
例のタイヤのサイドウォール部にはクラックは認められ
なっかたけれども、赤茶色に変色していた(表3参
照)。
Claims (3)
- 【請求項1】 カーカス(1)の側面を被覆保護するサ
イドウォール(2)が、カーカス(1)に隣接する内層
(3)と、その外側に配設した外層(4)の2層構造で
ある空気入りタイヤにおいて、 外層(4)を構成するゴム組成物が、ゴム成分として、
エチレン/プロピレン比率が70/30〜80/20の
エチレンプロピレンジエンゴムを含むことを特徴とする
空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 外層(4)を構成するゴム組成物におけ
るゴム成分は、エチレンプロピレンジエンゴムとジエン
系ゴムとの混合物であって、ゴム成分におけるエチレン
プロピレンジエンゴムの含有率が25〜40重量%であ
ることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 上記エチレンプロピレンジエンゴムのヨ
ウ素価12であることを特徴とする請求項1又は2に記
載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7033912A JPH08231773A (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7033912A JPH08231773A (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08231773A true JPH08231773A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12399738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7033912A Pending JPH08231773A (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08231773A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6382286B1 (en) | 1999-10-20 | 2002-05-07 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tires |
KR20040046609A (ko) * | 2002-11-28 | 2004-06-05 | 한국타이어 주식회사 | 타이어 백색 사이드월의 커버스트립용 고무조성물 |
JP2007106166A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2014141618A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Bridgestone Corp | タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ |
WO2017061268A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
CN106687305A (zh) * | 2014-08-30 | 2017-05-17 | 米其林集团总公司 | 轮胎侧壁防护涂层 |
-
1995
- 1995-02-22 JP JP7033912A patent/JPH08231773A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6382286B1 (en) | 1999-10-20 | 2002-05-07 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tires |
KR20040046609A (ko) * | 2002-11-28 | 2004-06-05 | 한국타이어 주식회사 | 타이어 백색 사이드월의 커버스트립용 고무조성물 |
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JP2017533135A (ja) * | 2014-08-30 | 2017-11-09 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | タイヤサイドウォール保護コーティング |
WO2017061268A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP2017071236A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
US10821692B2 (en) | 2015-10-05 | 2020-11-03 | Bridgestone Corporation | Tire |
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