JPH11301210A - 保護膜被覆タイヤ - Google Patents

保護膜被覆タイヤ

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JPH11301210A
JPH11301210A JP10109118A JP10911898A JPH11301210A JP H11301210 A JPH11301210 A JP H11301210A JP 10109118 A JP10109118 A JP 10109118A JP 10911898 A JP10911898 A JP 10911898A JP H11301210 A JPH11301210 A JP H11301210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレッド部においては、タイヤ性能として要
求される耐摩耗性、操縦安定性を確保しつつ、外気に曝
されても外観を保持できる保護膜被覆タイヤを提供す
る。 【解決手段】 エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体15〜30重量%、ハロゲン化ブチルゴム15〜3
0重量%、及びジエン系ゴム70〜40重量%を含むゴ
ム100重量部;並びに窒素吸着比表面積が30〜50
2 /gのカーボンブラック30〜50重量部を含有
し、且つ老化防止剤及び/又はワックスを含有しないゴ
ム組成物を加硫してなる保護膜が、少なくともトレッド
部に形成されている。保護膜の厚みは、0.3〜1.3
mmが好ましく、保護膜は、タイヤと加硫一体化されて
いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の空気入り
タイヤに関するものであり、さらに詳述すると、長期間
外気に曝されても、変色やクラック等の外観変化がない
保護膜被覆タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用タイヤは、長期間外気に曝される
ため、タイヤを構成しているゴムの耐候性、耐オゾン性
が不十分では、ゴムが劣化してクラックを生じたりす
る。タイヤトレッド部は接地部分で、車の走行に伴って
少しづつではあるが摩耗していく。このため、トレッド
部ではクラックが成長することは少なく、問題となるよ
うなことはほとんどない。
【0003】しかし、サイドウォール部表面の摩耗は普
通走行ではほとんど起こらない上に、外気に曝され続け
るため、クラックが生じ易い。サイドウォール部のクラ
ックは、外観悪化をもたらすことはもちろん、更にその
クラックが成長すると、タイヤとしての性能が低下し、
タイヤ寿命の終了となる。
【0004】サイドウォール部の耐候性、耐オゾン性を
高めるために、通常、サイドウォール部には、老化防止
剤やワックスを配合したゴム組成物が用いられる。
【0005】しかし、ゴム組成物に配合された老化防止
剤やワックスは、時間の経過とともに、タイヤ表面に析
出してくる。老化防止剤やワックスの析出は、ゴムの白
色変色や茶色変色をもたらすため、外観性を重視するサ
イドウォール部では、問題となっている。
【0006】外観性を悪化させることなく、耐候性、耐
オゾン性を確保すべく、近年、保護膜に優れたEPD
M、EPM等の非ジエン系ゴムを主体とし、老化防止剤
やワックスを含有しないゴム組成物でサイドウォール部
を形成することが提案されている。また、特開昭59−
14502号には、サイドウォール部を2層構造とし、
内層部には従来通りのジエン系ゴムを主体として老化防
止剤やワックスを含有しないゴム組成物で構成するとと
もに、外層部を非ジエン系ゴムを主体とするとともに、
老化防止剤やワックスを含有するゴム組成物で構成する
ことが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような技術はい
ずれもサイドウォール部に関するものであり、トレッド
部の耐候性、耐オゾン性を改善するものではない。
【0008】しかし、近年、スペアタイヤを、カバー等
をかけない状態で車外に取付けられる場合もあるため、
トレッド部分についても外観性が要求されるようになっ
てきている。つまり、スペアタイヤとして屋外で長期間
保管される場合、タイヤを構成するゴム組成物に含まれ
ている老化防止剤やワックスが析出してタイヤ表面の変
色という外観の悪化をもたらし、更にひどい場合には、
タイヤ表面に析出した老化防止剤やワックスが降雨等に
より溶けて流れ出し、車体(特にバンパー)を変色させ
たり、金属製バンパーでは腐食することもある。
【0009】このため、トレッド部であっても、サイド
ウォール部と同様に、老化防止剤やワックス(以下、こ
れらを区別せずにまとめていうときは「外観悪化成分」
という)を用いることなく、耐オゾン性を有する非ジエ
ン系ゴムを主体とするゴム組成物を使用することが考え
られる。
【0010】しかし、耐オゾン性に優れるEPDM等の
非ジエン系ゴムは、一般に加硫性が劣り、耐摩耗性に劣
っている。一方、トレッド部は操縦安定性、ブレーキ性
等の車両として重要な特性と密接に関わりがあり、非ジ
エン系ゴムを主体とするゴム組成物で構成できないとい
うのが現状である。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、トレッド部に
おいては、タイヤ性能として要求される耐摩耗性、操縦
安定性を確保しつつ、外気に曝されても外観を保持でき
る保護膜被覆タイヤを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の保護膜
被覆タイヤは、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体15〜30重量%、ハロゲン化ブチルゴム15〜3
0重量%、及びジエン系ゴム70〜40重量%を含むゴ
ム100重量部;及び窒素吸着比表面積が30〜50m
2 /gのカーボンブラック30〜50重量部を含有し、
且つ老化防止剤及び/又はワックスを含有しないゴム組
成物を加硫してなる保護膜が、少なくともトレッド部に
形成されていることを特徴とする。
【0013】前記保護膜の厚みは、0.3〜1.3mm
であることが好ましく、また、保護膜は、該保護膜が形
成されているタイヤと加硫一体化されていることが好ま
しい。
【0014】上記組成を有する保護膜は、耐オゾン性、
耐候性を有していて、外観性を満足する。一方、耐摩耗
性が不十分で走行により摩耗消失するため、タイヤ本来
が有する操縦安定性に影響を与えずに済む。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の保護膜被覆タイ
ヤの実施形態について説明するが、まず、本発明に係る
保護膜を構成するゴム組成物(保護膜用ゴム組成物)に
ついて説明する。
【0016】保護膜用ゴム組成物に用いられるゴムは、
非ジエン系ゴム30〜60重量%及びジエン系ゴム70
〜40重量%からなるゴムである。非ジエン系ゴムをか
かる範囲で含有することにより、耐オゾン性、耐候性を
付与することができるからである。
【0017】上記非ジエン系ゴムとしては、エチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)15〜3
0重量%とハロゲン化ブチルゴム15〜30重量%との
混合物が用いられる。
【0018】ここで、EPDMは、第3成分として1,
4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン等のジエン成分を共重合させ
てあることから硫黄加硫が可能であるとともに、主鎖に
不飽和結合を含まないので耐オゾン性、耐候性、耐熱性
に優れていることから用いられる。
【0019】ゴム全体に対するEPDMの重量含有割合
を15重量%未満としたのは、耐オゾン性の付与効果が
不十分となって耐クラック性が低下するからである。一
方、ゴム全体に対するEPDMの重量含有割合を30重
量%超とする場合、ジエン系ゴムとの相溶性の関係か
ら、ゴム全体に対するハロゲン化ブチルゴムの重量含有
割合も30重量%超配合させる必要があり、その結果、
ゴムにおける非ジエン系ゴムの含有比率が高くなりすぎ
て加硫性能が低下し、ひいては、タイヤとの付着一体化
が不十分となるからである。
【0020】ハロゲン化ブチルゴムをブレンドするの
は、ハロゲン化ブチルゴムは不飽和度が小さくて保護膜
に耐クラック性を付与するだけでなく、硫黄加硫が可能
で天然ゴム、SBR等の高不飽和度ゴムとの相溶性も良
好だからである。つまり、ハロゲン化ブチルゴムをブレ
ンドすることにより、耐オゾン性を付与しつつ、加硫性
の低いEPDMとジエン系ゴムとの共加硫性を改善でき
るからである。
【0021】ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブ
チルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−
IIR)などが挙げられ、これらのうち塩素化ブチルゴ
ムが好ましく用いられる。ゴム全体に対するハロゲン化
ブチルゴムの重量含有割合を15〜30重量%としたの
は、15重量%未満では相溶性向上の効果が得られず、
一方30重量%を超えるとゴム組成物の加硫性が低下
し、加硫が非常に遅くなるからである。尚、ゴム全体に
対するハロゲン化ブチルゴムの重量含有割合は、15〜
30重量%の範囲で適宜選択することができるが、EP
DMの含有割合と同程度以上となるように含有させるこ
とが好ましい。
【0022】非ジエン系ゴムとともに保護膜用ゴム組成
物中のゴムを構成するジエン系ゴムとしては、通常タイ
ヤ業界で用いられるジエン系ゴムを用いることができ、
具体には、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(B
R)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SB
R)等が挙げられ、これらのうち、屈曲亀裂の成長が少
ない天然ゴム、ブタジエンゴムが好ましく用いられる。
ゴム全体に対するジエン系ゴムの重量含有割合は、非ジ
エン系ゴムの70〜40重量%で、非ジエン系ゴムの含
有割合に応じて決められる。
【0023】保護膜用ゴム組成物には、更に補強剤とし
て、カーボンブラックが配合されている。本発明に用い
られるカーボンブラックは、BET法による窒素吸着比
表面積が30〜50m2 /gのカーボンブラックで、具
体的には、GPF、FEF、HMF、SRF等で表され
るカーボンブラックが挙げられる。これらのうち、特に
硬度変化の点から、GPFが好ましく用いられる。
【0024】一般に、粒径が細かくなる程、換言すると
比表面積が大きくなるほど、耐摩耗性が大きくなる。本
発明の空気入りタイヤでは、保護膜が走行初期に摩耗し
て消失する必要があることから、比表面積が小さくて耐
摩耗性が比較的小さいカーボンブラック、具体的には、
窒素吸着比表面積(BET)が30〜50m2 /gのカ
ーボンブラックを用いることが好ましい。
【0025】カーボンブラックは、保護膜用ゴム組成物
に含まれるゴム100重量部に対して、30〜50重量
部配合される。30重量部未満では、カーボンブラック
による補強効果が得られず、50重量部を超えると摩耗
するまでの時間がかかりすぎるからである。
【0026】保護膜を構成するゴム組成物には、さらに
硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、必要に応じてゴム材料と
して通常配合される充填剤、具体的には、酸化亜鉛、ス
テアリン酸、工程改質剤(レジンなど)等が配合され得
る。但し、老化防止剤、ワックスは配合されない。これ
らは、ゴム表面に析出(ブリード)して、外観悪化の原
因となるからである。また、ひどい場合には、表面に析
出した外観悪化成分が雨等により溶けて流れだすと、車
体外に取り付けたスペアタイヤ等では、バンパーをはじ
めとして車体を汚す原因ともなるからである。
【0027】上記加硫剤としては、イオウ又はイオウを
供給できる化合物(例えば大内新興化学製のVULNO
C R)が用いられる。加硫剤のゴム組成物における配
合量は、ゴム総量100重量部に対してイオウを0.0
5〜5重量部を供給できる量で、全ゴム中のジエン系ゴ
ムの含有割合に応じて適宜選択される。イオウが0.0
5重量部未満では、加硫が不十分となって、保護膜の剛
性が不十分となり、また保護膜とタイヤとの結合強度が
低下し、保護膜被膜の特性を有効に発揮できないからで
ある。
【0028】加硫促進剤は、加硫速度を速めるために配
合される。その種類は特に限定せず、チアゾール系、カ
ルバメート系、チウラム系などを用いることができる。
【0029】本発明に係るゴム組成物は、上記化合物を
所定量配合し、均一に混練したものである。
【0030】本発明に係る保護膜は、上記ゴム組成物を
加硫してなるもので、具体的には、次のようにして、製
造される。
【0031】未加硫状態のグリーンタイヤのトレッド
部、好ましくはグリーンタイヤの全表面に、上記保護膜
用ゴム組成物のシートを積層し、グリーンタイヤととも
に加硫する。これにより、タイヤのトレッド部、全表面
にゴムシートを積層した場合にはタイヤの全表面に、タ
イヤと共加硫一体化された保護膜が形成される。
【0032】保護膜が形成されるタイヤ、具体的には上
記製造方法で用いられるグリーンタイヤは、従来と同様
の配合組成を有するゴム組成物で構成されるタイヤでよ
い。従って、トレッド部では、耐摩耗性、操縦安定性等
の要求とされるタイヤ性能に応じて適宜選択されるが、
一般に老化防止剤、ワックスにより耐オゾン性を確保し
たジエン系ゴムを主体とするゴム組成物が用いられる。
保存時には外観が問題となるが、車両に取り付けて走行
されるようになれば、外観性はそれ程要求されず、専ら
操縦安定性等のタイヤ性能を満足することが必要となる
からである。
【0033】一方、サイドウォール部については、保存
時だけでなく、車両に装着後、走行中においても外観、
耐クラック性が重要な要因となる。従って、保護膜がサ
イドウォール部にも被覆されている場合には、サイドウ
ォール部は従来より一般に用いられているジエン系ゴム
を主体とし、老化防止剤、ワックス等を含有したゴム組
成物を用いればよい。サイドウォール部表面に形成され
る保護膜により、保護膜、耐クラック性、外観性を確保
できるからである。一方、サイドウォール部に保護膜が
被覆されていない場合、単独で外観性及び耐オゾン性を
満足すべく、近年提案されているような非ジエン系ゴム
を主体とし、外観悪化成分を含有しないゴム組成物を用
いることが好ましい。
【0034】尚、保護膜の形成方法は、上記方法に限定
されず、加硫済みのタイヤにさらに被覆することも可能
であるが、保護膜とタイヤとの一体化の点からグリーン
タイヤとともに加硫することが好ましい。
【0035】保護膜の厚みは、0.3〜1.3mmが好
ましい。0.3mm未満では、下地部分に含まれている
老化防止剤、ワックス等が保護膜表面にまでブルームし
てくるおそれがあるからである。また、サイドウォール
部といえども縁石等の擦れによって、保護膜が摩耗する
ため、あまり薄すぎると、保護膜が摩耗消失して、本来
のサイドウォール部が表れることになる。このため、サ
イドウォール部用ゴム組成物に外観悪化成分が配合され
ている場合には、走行中の保護膜、外観性を満足できな
くなるからである。一方、保護膜はそのゴム組成から、
加硫度が低く、剛性の点などで一般のトレッド用ゴム組
成物と比べて、操縦安定性等のタイヤ性能としては不十
分である。よって、トレッド部表面に構成された保護膜
は、走行中はむしろ不要となるので、走行初期にトレッ
ド部表面に形成されている保護膜が摩耗消失できるよう
に、1.3mm以下とすることが好ましい。
【0036】以上のような条件を満たす保護膜が存在す
る限り、保護膜が形成されているタイヤ部分を構成する
ゴム組成物に老化防止剤、ワックスという外観悪化成分
が含まれていても、保護膜表面にまでは析出してくるこ
となく、変色等をもたらすことはない。また、保護膜は
それ自体、耐オゾン性に優れ、長期間外気に曝されるよ
うな環境下におかれても、クラック等の発生を防止でき
る。
【0037】
【実施例】〔保護膜被覆タイヤの製造〕表1に示すよう
な組成を有するゴム組成物で構成されるグリーンタイヤ
を製造した。表1中の単位は、「重量部」である。
【0038】
【表1】
【0039】このグリーンタイヤの全表面に、表2の組
成を有するゴム組成物(表1中の単位は、「重量部」で
ある)で、表3に示す厚みを有する未加硫ゴムシートを
グリーンタイヤの全表面(トレッド部及びサイドウォー
ル部及びショルダー部)に積層した。かかる状態で加硫
して、保護膜被覆タイヤNo.1〜10を製造した。
尚、基準タイヤは、グリーンタイヤを加硫した、外観悪
化成分を含有したタイヤである。
【0040】
【表2】
【0041】表2中、EPDMとしては、住友化学社製
の「ESPRENE 502」を用い、塩素化ブチルゴ
ムとしては、エクソンブチル社製の「HT−1066」
を用い、ブチルゴムとしては、宇部興産製の「BR15
0B」を用い、天然ゴムとしては、グレード「RSS#
3」を用いた。また、老化防止剤としては6PPDを用
い、ワックスとしてはサンノックNを用いた。
【0042】〔評価〕上記で製造した保護膜被覆タイヤ
No.1〜10及び基準タイヤについて、以下に示す方
法で、耐クラック性、外観性、バンパー汚染性、操縦安
定性を調べた。評価結果を表3に示す。
【0043】耐クラック性 タイヤを実車に装着し、中近東で約1年のロードテスト
後、タイヤに生じたクラックの程度を目視にて観察し、
サイドウォール部のクラックの大きさ及び数から、○:
クラック発生せず、△:肉眼で認識できるクラックが発
生、×:肉眼ではっきりと確認できるクラックが多数発
生の3段階で評価した。
【0044】外観性 屋外曝露(屋外の日のあたる場所に6月放置した)後の
外観を目視で観察し、茶変色の度合から1(全面茶色に
変色)〜5(変色認められず)の5段階で評価した。
尚、茶色の変色は、一般に、老化防止剤が析出すること
によって起こるものである。
【0045】室内放置(日のあたらない倉庫内に6月放
置)後の外観を目視で観察し、白変色の度合から1(全
面白色に変色)〜5(変色認められず)の5段階で評価
した。尚、白色の変色は、一般に、ワックスが表面にブ
ルームすることによって起こるものである。
【0046】バンパー汚染性 屋外曝露したタイヤに水をたらし、1日放置した後、そ
の水をスポイドで抽出し、バンパーと同じ素材からなる
プレートに数滴落とした。そして、プレートの変化を目
視にて観察し、その性状から、汚染のレベルを○:茶色
に変色、△:薄茶色に変色、×:変色等の変化認められ
ず汚染なしの3段階で評価した。
【0047】操縦安定性 製造したタイヤを実車に装着し、テストコースにて約1
0km慣らし走行した後、操縦安定性テストを行なっ
た。操縦安定性テストは、走行時、ブレーキをかけた際
の走行の安定性や湿潤路面での走行の安定性等を総合的
に運転者が官能で、5(安定である)〜1(走行が安定
しない)の5段階で評価した。
【0048】
【表3】
【0049】表3からわかるように、保護膜がない基準
タイヤでは、操縦安定性が優れているが、サイドウォー
ル部は老化防止剤、ワックスを含有するゴム組成物で構
成されているため、屋外曝露、室内保管のいずれも変色
し、またバンパーの汚染もひどかった。また、サイドウ
ォール部で、多少のクラックが発生した。
【0050】タイヤNo.2は、保護膜を付与するEP
DMが少ないため、耐クラック性が不十分であった。ま
た、タイヤNo.3ではEPDMを必要量含有している
が、ハロゲン化ブチルゴムの含有率が高すぎるゴム組成
物Cを用いているため、ハロゲン化ブチルゴムによる加
硫遅れがEPDMの耐オゾン効果を十分発揮させること
ができなかった。さらに、EPDMとハロゲン化ブチル
ゴムを所定量含有する場合でも、窒素吸着比表面積が大
きいカーボンブラックを用いた場合(配合D)には、耐
摩耗性が優れるために、慣らし運転の間では保護膜が摩
耗消失してしまわずに、残ってしまう。このため、タイ
ヤ性能としては、保護膜の特性が表れ、操縦安定性が低
下している(タイヤNo.4)。また、タイヤNo.5
では、老化防止剤、ワックスが含まれているため、これ
らの析出により茶変色、白変色し、外観性が劣ってい
た。
【0051】一方、保護膜用ゴム組成物が、EPDM、
ハロゲン化ブチルゴムが所定量配合され、しかも走行初
期に摩耗消失できる程度の補強性を付与するカーボンブ
ラックを含有し、しかも老化防止剤等の外観悪化成分を
含有しない場合には、耐クラック性、外観性、バンパー
汚染性、操縦安定性の全てを満足できる(タイヤNo.
1)。
【0052】また、保護膜の厚みが薄すぎると、サイド
ウォール部を構成するゴム組成物に含有されている老化
防止剤等の外観悪化成分が期間の経過に伴って、徐々に
析出して外観性を満足できない(タイヤNo.6)。そ
の逆に、保護膜の厚みが厚すぎると、たとえカーボンブ
ラックの表面積が小さく、耐摩耗性が不十分な保護膜で
あっても、摩耗消失までに時間がかかり、摩耗消失まで
の操縦安定性を満足できない(タイヤNo.9)。従っ
て、保護膜の厚みは、0.3〜1.3mmが好ましいこ
とがわかる(タイヤNo.1、7、8)。
【0053】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは、操縦安定性
に影響を及ぼさないように、走行初期に摩耗消失できる
保護膜が、トレッド部に形成されているので、トレッド
部も外気に曝されるような環境で保管される場合であっ
ても、保管中にクラックが生じたり、変色したりするこ
となく、購入当初の良好な外観を保持することができ
る。
【0054】一方、実車に装着され、走行すると、トレ
ッド部の保護膜は摩耗消失するので、トレッド部を構成
しているゴム組成物が本来有するタイヤ性能を発揮でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 9/00 23:16 23:28)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
    合体15〜30重量%、ハロゲン化ブチルゴム15〜3
    0重量%、及びジエン系ゴム70〜40重量%を含むゴ
    ム100重量部;並びに窒素吸着比表面積が30〜50
    2 /gのカーボンブラック30〜50重量部を含有
    し、且つ老化防止剤及び/又はワックスを含有しないゴ
    ム組成物を加硫してなる保護膜が、少なくともトレッド
    部に形成されていることを特徴とする保護膜被覆タイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 前記保護膜の厚みは、0.3〜1.3m
    mである請求項1に記載の保護膜被覆タイヤ。
  3. 【請求項3】 前記保護膜は、該保護膜が形成されてい
    るタイヤと加硫一体化されている請求項1又は2に記載
    の保護膜被覆タイヤ。
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