JP2002046592A - 自動ブレーキ倍力装置 - Google Patents

自動ブレーキ倍力装置

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JP2002046592A
JP2002046592A JP2000237385A JP2000237385A JP2002046592A JP 2002046592 A JP2002046592 A JP 2002046592A JP 2000237385 A JP2000237385 A JP 2000237385A JP 2000237385 A JP2000237385 A JP 2000237385A JP 2002046592 A JP2002046592 A JP 2002046592A
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valve body
seat
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piston
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JP2000237385A
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Shogo Ogino
正吾 荻野
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Bosch Braking Systems Corp
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Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 タンデムブレーキ倍力装置1は、バルブ
ボディ6内にソレノイド17を備えている。このソレノ
イド17を作動させると、それに連動した筒状部材21
も前進されて、大気弁32が開放されるとともに真空弁
27が閉鎖される。これにより、ブレーキペダルを踏み
込むことなくタンデムブレーキ倍力装置1を作動させる
ことができる。このあと、ソレノイド17の作動を停止
すると、ピストン57及び筒状部材21は図示非作動位
置に復帰する。これに伴い、それまで離隔していた筒状
部材21のフランジ部21Fの端面とそれに対向する弁
プランジャ24側の端面が当接する。ここで、筒状部材
21は合成樹脂からなり、しかも上記フランジ部21F
の端面に多数の凹部を形成してあるので、上記フランジ
部21Fの端面と弁プランジャ24の端面とが当接した
際の当接音を抑制することができる。 【効果】 弁機構16で発生する騒音を小さくすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動ブレーキ倍力装
置に関し、より詳しくは、そのバルブボディ内にソレノ
イドを備えた自動ブレーキ倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動ブレーキとしての機能を備え
たブレーキ倍力装置は知られており、次のような構成を
備えている。すなわち、シェル内に摺動自在に設けたバ
ルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピスト
ンと、パワーピストンの前後に形成した定圧室および変
圧室と、上記バルブボディに設けられて流路の切り換え
制御を行う弁機構と、バルブボディ内に設けられて上記
弁機構を作動させるソレノイドとを備え、上記弁機構
は、バルブボディに形成した真空弁座と、バルブボディ
内に移動可能に設けた筒状部材と、この筒状部材におけ
るリヤ側に形成した大気弁座と、上記真空弁座および大
気弁座に着座する弁体と、上記バルブボディおよび筒状
部材に対して相対移動可能に設けられるとともに入力軸
が前進される際には筒状部材とともに前進される弁プラ
ンジャとを備え、上記ソレノイドが作動されると、上記
ピストンとそれに連動する筒状部材をバルブボディおよ
び弁プランジャに対してフロント側へ移動させて弁機構
を作動させるように構成した自動ブレーキ倍力装置は知
られている(例えば、特開2000−108883号公
報)。上述した従来の倍力装置では、ソレノイドを作動
することに伴って、ピストンおよび筒状部材をバルブボ
ディおよび弁プランジャに対して軸方向フロント側へ移
動させるようにしている。これによって、筒状部材に形
成した大気弁座が弁体から離隔するので、ブレーキペダ
ルを踏み込むことなく、ブレーキ倍力装置を自動ブレー
キとして作動させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示された従来の倍力装置においては、上記筒状部材及
び弁プランジャは金属製のものを用いており、非作動状
態においては、両部材の対向する端面が当接するように
構成されていたものである。そのため、ソレノイドが作
動された際には、両部材の対向する端面は離隔すること
になるが、その後、ソレノイドの作動が停止すると、そ
れら両部材の対向する端面が再度当接するようになって
いたものである。そして、その際に、両部材の端面が当
接することに伴って、コツンという当接音が発生して、
運転者のブレーキフィーリングが阻害されるという欠点
があった。さらに、従来では、大気弁座が弁体から離隔
するとともに真空弁座が弁体に着座することによって大
気弁座と弁体との間を介して倍力装置内に大気が導入さ
れるわけであるが、その際に大気の吸入音が発生して、
運転者のブレーキフィーリングが阻害されるという欠点
も指摘されていたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
請求項1に記載した第1の本発明は、シェル内に摺動自
在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けた
パワーピストンと、パワーピストンの前後に形成した定
圧室および変圧室と、上記バルブボディに設けられて流
路の切り換え制御を行う弁機構と、バルブボディ内に設
けられて上記弁機構を作動させるソレノイドとを備え、
上記弁機構は、バルブボディに形成した真空弁座と、バ
ルブボディ内に移動可能に設けた筒状部材と、この筒状
部材におけるリヤ側に形成した大気弁座と、上記真空弁
座および大気弁座に着座する弁体と、上記バルブボディ
および筒状部材に対して相対移動可能に設けられるとと
もに入力軸が前進される際には筒状部材とともに前進さ
れる弁プランジャとを備え、上記ソレノイドが作動され
ると、上記ピストンとそれに連動する筒状部材をバルブ
ボディおよび弁プランジャに対してフロント側へ移動さ
せて弁機構を作動させるように構成した自動ブレーキ倍
力装置において、上記筒状部材を合成樹脂から構成する
とともに該筒状部材における弁プランジャ側の端面と接
離する端面に複数の凹部を形成したものである。また、
請求項2に記載した第2の発明は、シェル内に摺動自在
に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパ
ワーピストンと、パワーピストンの前後に形成した定圧
室および変圧室と、上記バルブボディに設けられて流路
の切り換え制御を行う弁機構と、バルブボディ内に設け
られて上記弁機構を作動させるソレノイドとを備え、上
記弁機構は、バルブボディに形成した真空弁座と、バル
ブボディ内に移動可能に設けた筒状部材と、この筒状部
材におけるリヤ側に形成した大気弁座と、上記真空弁座
に接離する第1シート部および上記大気弁座に接離する
第2シート部を有する弁体と、上記バルブボディおよび
筒状部材に対して相対移動可能に設けられるとともに入
力軸が前進される際には筒状部材とともに前進される弁
プランジャとを備え、上記弁体における第1シート部と
第2シート部とを軸方向に離隔させて形成するととも
に、それら両シート部の間に上記筒状部材に設けた大気
弁座を配置して、上記ソレノイドが作動されると、上記
ピストンとそれに連動する筒状部材をバルブボディおよ
び弁プランジャに対してフロント側へ移動させて、大気
弁座を第2シート部から離隔させるとともに真空弁座に
第1シート部を着座させるように構成した自動ブレーキ
倍力装置において、上記第2シート部及びその半径方向
外方側の領域を環状弾性部材によって構成するととも
に、該環状弾性部材における第2シート部の半径方向外
方位置に、半径方向に伸びる多数のリブを形成したもの
である。
【0005】上記第1の本発明によれば、筒状部材は合
成樹脂からなり、かつ、上記端面に複数の凹部を形成し
ているので、ソレノイドを作動させてから作動を停止さ
せて、筒状部材の上記端面とそれに対向する弁プランジ
ャの端面とが当接した際の当接音を低減させることがで
きる。また、上記第2の発明によれば、第2シート部の
外方位置に上記半径方向の多数のリブが存在するので、
大気弁座と第2シート部との間を介して倍力装置の内部
に大気は上記多数のリブによって整流される。そのた
め、従来に比較して、大気の吸入音を小さくすることが
できる。したがって、上記各発明によれば、従来に比較
して弁機構で発生する騒音を低減させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下図示実施例について本発明を
説明すると、図1ないし図2において、タンデムブレー
キ倍力装置1のシェル2内は、その中央部に設けたセン
タープレート3によって、前方側のフロント室4と後方
側のリヤ室5とに区画形成している。そして概略筒状の
バルブボディ6を、シェル2のリヤ側(右方側)の内周
部とセンタープレート3の内周部とにそれぞれシール手
段7、8により気密を保持して摺動自在に貫通させてい
る。上記フロント室4およびリヤ室5内に位置するバル
ブボディ6の外周部には、それぞれフロントパワーピス
トン11とリヤパワーピストン12とを連結してあり、
また各パワーピストン11、12の背面にフロントダイ
アフラム13とリヤダイアフラム14とをそれぞれ張設
している。リヤパワーピストン12およびリヤダイアフ
ラム14の内周部は、環状のリテーナ15によってバル
ブボディ6の外周部に係止している。上記フロントダイ
アフラム13によってフロント室4内を定圧室Aと変圧
室Bとに区画してあり、またリヤダイアフラム14によ
ってリヤ室5内を定圧室Cと変圧室Dとに区画してい
る。図2、図3及び図4に示すように、本実施例のリテ
ーナ15は、その外周部を一旦フロント側に向けて傾斜
させてからリヤ側に向けてU字形に折り返している。そ
して、上記傾斜させた部分とその隣接内方側の部分によ
って、リヤダイアフラム14の内周部をリヤ側から包み
込んで、リヤパワーピストン12の内周部とともにバル
ブボディ6の外周部に係止するようにしている。また、
図3に示すように、リテーナ15の内周部の上方側及び
下方側の領域には、それぞれ5個の爪15aを形成して
あり、これら上下位置の各5個の爪15aを設けた領域
によってそれぞれ係合凹部15Aを形成している。ま
た、リテーナ15の内周部における上記係合凹部15A
に隣接する左右両側に一対の位置決め用のリブ15B、
15Bを形成している。係合凹部15Aを構成する爪1
5aはリヤ側へ向けて傾斜させてあり、かつ弾性変形で
きるようになっている。このように、本実施例において
は、リテーナ15の内周部に円周方向に180度ずれた
位置に一対の係合凹部15Aを設けている。また、図4
に示すように、上記リブ15Bは上記爪15aと同じ程
度リヤ側に向けて突出させている。そして、各リブ15
Bは上記各爪15aの先端部とほぼ同じ半径方向の位置
に位置させてあり(図3参照)、また、各リブ15Bの
内径は、後述するバルブボディ6側の係合凸部6Bの外
径よりも小さく設定している。また、リテーナ15に
は、各リブ15Bの隣接外方位置に大気通路となる円弧
状の貫通孔15Cを穿設している。
【0007】一方、図5及び図6に示すように、本実施
例のバルブボディ6は、外周部の上下位置に円周方向に
180度ずらして円弧状の係合凸部6Bを形成するとと
もに、これら係合凸部6Bの隣接フロント側の位置に係
合溝6Cを形成している。また、図6に示すように、バ
ルブボディ6の左右両側には大気通路となる軸方向孔6
Dを形成している。本実施例においては、上記リテーナ
15における係合凹部15Aを上記バルブボディ6の係
合凸部6Bに対してリヤ側から押し付けることにより、
係合凹部15Aを構成する各係合爪15aの先端部を上
記係合凸部6Bに係合させた後に、係合溝6Cに係合さ
せるようにしている。これに伴って、リテーナ15の外
周部によってリヤダイアフラム14の内周部を包み込ん
でリヤパワーピストン12の内周部とともにバルブボデ
ィ6の段部に係止している。このようにリテーナ15を
正しくバルブボディ6の係合溝6Cの位置に組み付けた
ときには、バルブボディ6側の軸方向孔Dの位置とリテ
ーナ15の貫通孔15Cの位置とが円周方向において一
致するようになっている。このように、本実施例では、
係合凸部6Bにリテーナ15の係合凹部15Aを係合さ
せることで、バルブボディ6に対するリテーナ15の円
周方向の位置決めをきわめて容易に行なって、リテーナ
15をバルブボディ6の外周部に嵌装できるようになっ
ている。なお、このようにして、リテーナ15をバルブ
ボディ6の外周部に取り付けるに際して、仮にリテーナ
15のリブ15Bの位置がバルブボディ6側の係合凸部
6Bと重合した状態となって、バルブボディ6に対して
リテーナ15の組み付け位置が円周方向においた場合に
は、組み付けることはできないようになっている。つま
り、リブ15Bの内径は、係合凸部6Bの外径よりも小
さく設定してあるので、バルブボディ6とリテーナ15
とが円周方向に位置ずれしている場合には、リヤ側から
リテーナ15を押し込んでもバルブボディ6の外周部に
組み付けることはできない。それによって、バルブボデ
ィ6とリテーナ15とが円周方向において位置ずれを起
こしていることを容易に判断できるようになっている。
次に、図1ないし図2に示すように、上記バルブボディ
6内には、定圧室A、Cと変圧室B、Dとの連通状態を
切り換える弁機構16を設けるとともに、この弁機構1
6のフロント側にソレノイド17を配置している。弁機
構16は、バルブボディ6の内周部に形成した環状の真
空弁座18と、バルブボディ6に対して軸方向に移動可
能に設けた段付の筒状部材21と、この筒状部材21に
形成した環状の大気弁座22と、筒状部材21内に摺動
自在に嵌合されるとともに入力軸23と連動した段付円
柱状の弁プランジャ24と、上記両弁座18,22にリ
ヤ側からスプリング25によって着座する弁体26とを
備えている。
【0008】上記真空弁座18とそれに接離する弁体2
6の第1シート部S1とによって真空弁27を構成して
あり、この真空弁27よりも外周側の空間は、バルブボ
ディ6に形成した第1定圧通路28を介して上記定圧室
Aに連通し、また定圧室A内は、第1定圧通路28から
連続する第2定圧通路31を介して定圧室Cに連通して
いる。上記定圧室A内は図示しない負圧導入管を介して
負圧源と連通しており、それにより定圧室A、C内に常
時負圧が導入されている。また上記大気弁座22とそれ
に接離する弁体26の第2シート部S2とによって大気
弁32を構成している。そして、第2シート部S2と第
1シート部S1との間の空間は、バルブボディ6に形成
した半径方向の第1変圧通路33を介して変圧室Dに連
通しており、この変圧室Dはバルブボディ6に形成した
軸方向の第2変圧通路34を介して変圧室Bに連通して
いる。さらに、大気弁32よりも内周側の空間は、バル
ブボディ6に形成した大気通路35およびそこに設けた
フィルタ36を介して大気に連通している。弁プランジ
ャ24のリヤ側の軸部に入力軸23の先端部を枢支連結
してあり、バルブボディ6に嵌着したリテーナ37と入
力軸23に設けた環状部材とにわたって、上記スプリン
グ25よりも大きな弾発力を有するスプリング38を弾
装している。バルブボディ6は定圧室A内に設けたリタ
ーンスプリング40によって常時リヤ側に向けて付勢さ
れており、図1に示したタンデムブレーキ倍力装置1の
非作動状態では、大気弁座22に弁体26の第2シート
部S2を着座させて大気弁32を閉鎖させるとともに、
弁体26の第1シート部S1を真空弁座18から離座さ
せて真空弁27を開放させている。なお、入力軸23の
末端部は図示しないブレーキペダルに連動させている。
この非作動状態では、上記各室A、B、C、Dが相互に
連通し、各室A、B、C、D内に負圧が導入されてい
る。
【0009】また、バルブボディ6には、第1変圧通路
33から連続してそのフロント側に半径方向孔6Aを形
成してあり、この半径方向孔6Aに従来公知のキー部材
41を挿通させるとともに、該キー部材41を弁プラン
ジャ24の係合部24aに係合させている。図1及び図
2に示したタンデムブレーキ倍力装置1の非作動時に、
上記キー部材41をシェル2のリヤ側の壁面2aに当接
させることで、キー部材41および弁プランジャ24を
バルブボディ6に対する前進位置に保持するようにして
いる。これにより、タンデムブレーキ倍力装置1の作動
開始時における入力軸23のロスストロークを減少させ
るようにしている。上記第1変圧通路33のフロント側
となるバルブボディ6の内周部に、ソレノイド17のハ
ウジング42を気密を保持して嵌着している。このハウ
ジング42は、フロント側に位置してフロント側が大径
となる段付筒状のホルダ43と、リヤ側に位置してフロ
ント側が大径となる段付筒状のヨーク44とによって構
成している。コイルを巻回した円筒状のスプール45を
ヨーク44の大径部内にフロント側から嵌合し、さらに
その状態のスプール45の内周部にホルダ43における
リヤ側の外周部を嵌合し、リヤ側を向けたホルダ43の
段部端面とフロント側を向けたヨーク44の段部端面と
によってスプール45を軸方向に挟持している。そし
て、この状態においてヨーク44をバルブボディ6の内
周部に気密を保持して嵌着している。図7および図8に
示すように、本実施例のヨーク44は、磁性体である鉄
をプレス加工によって段付円筒状に成型して製造してい
る。これにより、リヤ側に小径部44aを形成するとと
もにフロント側に大径部44bを形成している。このよ
うに、本実施例では、ヨーク44を軸対象の段付円筒形
状に構成している。小径部44aの外周部には環状溝4
4cを形成してあり、他方、大径部44bのフロント側
の端部にはフランジ部44dを形成している。さらに、
大径部44b及びフランジ部44dの円周方向の所定位
置には切欠き部44eを形成してあり、この切欠き部4
4eの位置に、リード線46の端部とスプール45側の
コイルとの接続部を位置させるようにしている(図
2)。このように構成したヨーク44を上述したように
バルブボディ6の内周部に嵌着している。本実施例のヨ
ーク44は、全体を同じ肉厚に設定してあり、しかもリ
ヤ側に位置する小径部44aは単純な円筒状であり、か
つ、従来のものよりも軸方向の寸法を短くしている。こ
のように構成することで、小径部44aの内周面によっ
て筒状部材21をガイドする機能を排除している。本実
施例では、このように小径部44aの板厚を大径部44
bの板厚と同じにすることで、ヨーク44をプレス加工
と僅かな切削加工によって製造することができる。これ
によって、ヨーク44の製造コストを従来よりも低減さ
せることができる。
【0010】これに対して、従来では、ヨーク44の小
径部44aは大径部44bよりも肉厚に形成してあり、
かつ小径部44aの軸方向寸法を長くして、その内周部
によって筒状部材21をガイド部するための軸方向溝を
形成していたものである。小径部44aをそのように構
成した従来のヨーク44は、プレス加工では製造するこ
とができず、切削加工によって製造していたものであ
る。したがって、従来ではヨーク44の製造に手間がか
かり、ヨーク44の製造コストが高くなっていたもので
ある。これに対して、本実施例のヨーク44は、プレス
加工と僅かな切削加工によって製造することができるの
で、ヨーク44の製造に要する時間を節約して、ヨーク
の製造コストを低減させることができる。しかも、ヨー
ク44の量産性を向上させることができる。上述したよ
うに、本実施例のヨーク44は、小径部44aの厚さを
従来のものよりも薄くしたことに伴って、ピストン57
の外周部とヨーク44の内周部との間に隙間が発生す
る。そこで、この隙間を埋めてピストン57の摺動をガ
イドするために、円筒状ガイド49を設けている(図2
参照)。円筒状ガイド49は、磁性体の金属からなり、
図9ないし図10に示すように、内周面49aの全域に
テフロン(登録商標)をコーティングしている。また、
円筒状ガイド49の軸方向寸法は、ヨーク44の小径部
44aの軸方向寸法の約半分程度の寸法に設定してい
る。このように構成した円筒状ガイド49を、上記ヨー
ク44の小径部44aにおけるフロント側の内周部に嵌
着している。ピストン57は、円筒状ガイド49の内周
部と、ホルダ43に嵌着した筒状のストッパ54とによ
って摺動をガイドされるようになっている(図2参
照)。なお、スプール45の内径は、円筒状ガイド49
の内径よりも少し大きな寸法に設定してあるので、スプ
ール45の内周部とピストン57の外周面との間には僅
かに間隙が維持されている。
【0011】図1ないし図2に示すように、上記スプー
ル45のコイルに接続したリード線46の中間部は、バ
ルブボディ6のフロント側の内周部およびフロント側の
端面に保持させてからフロントパワーピストン11のフ
ロント側の端面に保持させている。シェル2内に位置す
るリード線46の一端は、シェル2のフロント側の壁面
2bに取り付けたコネクタ47に接続している。次に、
ホルダ43の内部に反力伝達部材48を設けている。ま
た、この反力伝達部材48よりもフロント側となるホル
ダ43の大径部内に、円盤状のリアクションディスク5
1を収納している。本実施例の反力伝達部材48は、ホ
ルダ43の内周部に嵌着した筒状部材52と、この筒状
部材52に摺動自在に嵌合した2部材からなる軸部材5
3とを備えている。ホルダ43のリヤ側の内周部に概略
カップ状のストッパ54を嵌着している。リアクション
ディスク51のリヤ側の端面と、上記筒状部材52およ
び軸部材53のフロント側の端面とを対向させている。
また、リアクションディスク51のフロント側に出力軸
55を配置してあり、この出力軸55における大径の基
部55aを上記ホルダ43の大径部に摺動自在に嵌合し
て、リアクションディスク51にフロント側から当接さ
せている。これにより、リアクションディスク51は、
出力軸55における基部55aのリヤ側の端面と、ホル
ダ43の段部端面とによって挟持されている。図1及び
図2に示したタンデムブレーキ倍力装置1の非作動状態
では、リアクションディスク51のリヤ側の端面とそれ
に対向する反力伝達部材48における軸部材53の端面
とがわずかに離隔している。ホルダ43のフロント側の
外周部には、皿状のリテーナ56を嵌合してあり、この
リテーナ56によって出力軸55の基部55aがホルダ
43の外周部から脱落するのを防止している。このリテ
ーナ56とシェル2のフロント側の壁面2bとにわたっ
て上記リターンスプリング40を弾装してあり、これに
よって、バルブボディ6等を図示非作動位置に保持させ
ている。上記出力軸55のフロント側の先端部は、シェ
ル2のフロント側の壁面2bから外部に突出させてあ
り、かつその先端部を図示しないマスターシリンダのピ
ストンに連動させている。一方、上記反力伝達部材48
よりもリヤ側となるスプール45および円筒状ガイド4
9の内方に、磁性体からなる円筒状のピストン57を摺
動自在に嵌合している。本実施例では、ソレノイド17
はON−OFF制御のものを用いており、図示しない制
御装置によってこのソレノイド17の作動を制御するよ
うにしている。制御装置によってソレノイド17が励磁
されると、ピストン57は、スプール45、円筒状ガイ
ド49、ヨーク44、ホルダ43およびバルブボディ6
に対してフロント側へ移動されるようになっている。
【0012】本実施例では、ピストン57のリヤ側に上
記筒状部材21を配置して、これらピストン57と筒状
部材21とを連動させるとともに、それらの内方に弁プ
ランジャ24を摺動自在に嵌合させている。ピストン5
7におけるフロント側の軸部に、フロント側へ向けて伸
びる小径のガイド部57aを一体に形成してあり、この
ガイド部57aを上記ストッパ54に摺動自在に嵌合さ
せている。一方、ピストン57におけるリヤ側の軸部も
リヤ側にむけて筒状に突設させてあり、そこの外周部に
筒状のストッパ58のフロント側の箇所を嵌合したのち
に筒状部分をカシメている。これにより、ピストン57
とストッパ58とが一体に連結されている。ピストン5
7は磁性体から構成している。ストッパ58のリヤ側の
端部は、半径方向外方側へ伸長させたフランジ部として
あり、このフランジ部とそのフロント側となるピストン
57のリヤ側の端面との間には所定の間隙が維持されて
いる。そして、その間隙内に筒状部材21のフロント側
の端部となる半径方向部21Aを位置させている。
【0013】図2および図11から図15に示すよう
に、筒状部材21は、順次フロント側が縮径する段付筒
状に形成してあり、小径部21Bのフロント側の端部は
上記半径方向部21Aとしてあり、他方、大径部21C
のリヤ側の端部も半径方向内方に伸長させて半径方向部
21Dとしている。筒状部材21における小径部21B
を円筒状ガイド49内に挿入するとともに、小径部21
Bのフロント側の端部(半径方向部21A)を上記スト
ッパ58の外周部に摺動自在に嵌装している。これによ
って小径部21Bのフロント側の端部(半径方向部21
A)を、ピストン57のリヤ側の端面とストッパ58の
リヤ側のフランジ部との間に位置させている。また、こ
れと同時に筒状部材21における中径部21Eのフロン
ト側の外周部をヨーク44の小径部44a内に挿入して
いる。ピストン57のリヤ側の端面とそれに対向する筒
状部材21の段部端面とにわたってばね61を弾装して
あるので、ピストン57と筒状部材21とは相互に離隔
する方向(左右方向)に付勢されて、ピストン57側の
ストッパ58のフランジ部(リヤ側端部)に筒状部材2
1の半径方向部21Aが当接している。換言すると、半
径方向部21Aは、ストッパ58のフランジ部とピスト
ン57のリヤ側端面との間で軸方向に移動することがで
き、その移動距離だけ、ピストン57と筒状部材21が
軸方向に相対移動することができる。中径部21Eは、
円周方向の4箇所を大きく切欠いてあるので、中径部2
1Eは結果的に軸方向に伸びる4本の直線ガイド部21
E’となっている。そして、この直線ガイド部21E’
から連続するフロント側の段部端面に、四角錐状の突起
21Gを形成している。つまり、小径部21Bと中径部
21Eとの間の段部端面の外周部4箇所に突起21Gを
形成している。各突起21Gは、その頂部を挟んだ両側
の傾斜面が円周方向に沿うように形成している(図1
4)。後に詳述するが、これらの突起21Gを設けたこ
とにより、筒状部材21をバルブボディ6の内周部に挿
入する際に、バルブボディ6側に設けた突起6Eによっ
て突起21Gが案内されて、筒状部材21の円周方向に
おける位置決めを容易に行なうことができる。
【0014】図11及び図12に示すように、円筒部材
21は、小径部21B及び中径部21Eとを形成した左
方側の部材201と、大径部21Cを形成した右方側の
部材202とによって構成している。部材201と部材
202とは別個に製造した後、部材201における右方
端となるフランジ部21Fを他方の部材202の左方側
の内周部に嵌着してそれらを一体に連結している。本実
施例においては、左方側の部材201は合成樹脂によっ
て製造してあり、他方、右方側の部材202は金属によ
って製造している。そして、左方側の部材201におけ
る小径部21Bの内周面には、複数の軸方向溝21Hを
形成している。後述するように、弁プランジャ24の中
径部24cをこの小径部21Bの内周面に摺動自在に嵌
合しているが、上記軸方向溝21Hを設けたことによ
り、弁プランジャ24の中径部24cの摺動抵抗を低減
させることができるようになっている(図2参照)。ま
た、左方側の部材202のフランジ部21Fのリヤ側の
端面の内周部には、円周方向等間隔位置に複数の凹部2
1Jを形成している。後述するように、弁プランジャ2
4のフランジ部24eのフロント側の端面が、上記部材
201のフランジ部21Fに当接した際の打音を、該フ
ランジ部21Fに形成した凹部21J及び部材201を
合成樹脂で製造したことによって、低減させることがで
きるようになっている。次に、図2、図5及び図6に示
すように、バルブボディ6の内周部における真空弁座1
8のフロント側の位置に、4箇所の突起6Eを形成して
いる。これらの突起6Eは、リヤ側に向けて山形の傾斜
面を備えており、その傾斜面は円周方向に沿うように形
成している。図5に示すように、筒状部材21をバルブ
ボディ6内にリヤ側から挿入する際には、まず筒状部材
21の小径部21Bをバルブボディ6側の各突起6Eの
内方に貫通させてから、さらに筒状部材21を円周方向
にゆっくりと回転させながら筒状部材21をフロント側
に押していけばよい。その際、筒状部材21に設けた各
突起21Gの傾斜面がバルブボディ6側の突起6Eの傾
斜面にガイドされるので、4本の直線ガイド部21E’
が、隣り合う突起6Eの間となる溝部に係合するように
なっている。したがって、この時には、直線ガイド部2
1E’の隣接位置となる中径部21Eの切欠いた箇所
に、バルブボディ6の各突起6Eが位置することにな
る。
【0015】このように本実施例では、筒状部材21を
バルブボディ6の内周部2に挿入するに際して、バルブ
ボディ6側の4箇所の突起6Eと筒状部材21側の突起
21Gとが存在することにより、筒状部材21の直線ガ
イド部21E’(中径部21E)をバルブボディ6側の
突起6Eの間に誘導して、その位置に容易に係合させる
ことができるようになっている。これによって、本実施
例においては、筒状部材21をバルブボディ6内に挿入
する際の挿入性が向上し、組み立て性が向上する。ま
た、バルブボディ6に筒状部材21を挿入する際に、筒
状部材21がバルブボディ6に対して円周方向に位置ず
れしても、円滑に筒状部材21をバルブボディ6内に挿
入することができる。そのため、挿入時に円周方向にお
いて筒状部材21が位置ずれしていたとしても、筒状部
材21が破損することを良好に防止することができる。
さらに、図2、図17に示すように、本実施例における
弁体26は、フロント側に位置して剛体からなる第1部
材59と、リヤ側に位置して上記第1部材59に連結し
た第2部材60とから構成している。第1部材59にお
けるフロント側にリング状のゴムを取り付けてあり、そ
のゴムによって上記第1シート部S1を構成している。
他方、第2部材60は、段付円筒状のゴムとそのフロン
ト側に連結した剛体からなるプレート69と、さらにこ
のプレート69のフロント側の端面に貼り付けた環状の
ゴム70とから構成している。第2部材60側のゴム7
0およびプレート69を第1部材59のリヤ側の内周部
に嵌着することで、両部材59、60を連結している。
そして、このように両部材59、60を連結することに
伴って、ゴム70の外周部が第1部材59のリヤ側の内
周面に嵌合されて密着し、その部分の気密を保持するよ
うになっている。本実施例では、ゴム70として、その
外周部側がリップ状のものではなく、軸方向の肉厚が厚
い、いわゆるボリュームシールと称されるゴム70を採
用している。また、図16から図18に示すように、ゴ
ム70の外周部に近いフロント側の端面には、円周方向
等間隔位置に半径方向に伸びる多数のリブ70aを形成
している。このように、本実施例ではボリュームシール
と称される軸方向の厚さが厚いゴム70を採用し、かつ
多数のリブ70aを形成しているので、ゴム70及びプ
レート69を、第1部材59のリヤ側の内周部に嵌合し
て連結する際に、ゴム70の外周部がめくれにくくなっ
ている。したがって、ゴム70の外周部が第1部材59
の内周面に確実に密着して、それらの間の気密を確実に
保持することができる。ゴム70における半径方向内方
側に環状突起を形成してあり、その環状突起によって第
2シート部S2を構成している。このように、本実施例
では、第1シート部S1と第2シート部S2とを軸方向
に離隔させてあり、かつそれらの直径は同一寸法に設定
している。これら上記第1シート部S1と第2シート部
S2の間に上記筒状部材21の大径部21Cを位置させ
てあり、筒状部材21の半径方向部21Dの外周縁によ
って大気弁座22を構成している。大気弁座22と第2
シート部S2とによって大気弁32を構成してあり、こ
の大気弁32の隣接外方位置に、上記半径方向のリブ7
0aを設けている。そのため、大気弁座22が第2シー
ト部S2から離隔して大気弁32が開放された際に、大
気弁32を通過する大気は、上記半径方向のリブ70a
によって整流されるようになっている。それによって、
大気弁32を通過する大気による吸気音を低減させるよ
うになっている。
【0016】次に、図2に戻って弁プランジャ24につ
いて説明すると、本実施例では筒状部材21に大気弁座
22を形成しているので、従来一般のものとは異なり、
本実施例の弁プランジャ24には大気弁座22を形成し
ておらず、フロント側が順次縮径する段付の丸棒状に形
成している。弁プランジャ24は、フロント側の部分を
小径部24bとしてあり、そのリヤ側となる部分を中径
部24cとしてあり、さらにそのリヤ側の部分を大径部
24dとしている。また、大径部24dのリヤ側の端部
は、半径方向外方へ伸長させてフランジ部24eとして
いる。弁プランジャ24は、その小径部24bを上記ピ
ストン57にリヤ側から摺動自在に貫通させると同時
に、中径部24cよりもリヤ側の部分を筒状部材21の
中径部21E(直線ガイド部21E’)の内周部に摺動
自在に嵌合している。すなわち、中径部24cは筒状部
材21の小径部21Bの内周部に、また、大径部24d
はバルブボディ6の突起6Eの内周部に、さらにフラン
ジ部24eは筒状部材21の大径部21Cの内周部に、
それぞれ摺動自在に嵌合している。上述したように、筒
状部材21の小径部21Bの内周面には、軸方向溝21
Hを形成して、弁プランジャ24と小径部21Bとの間
に混入したゴミ等による弁プランジャ24のスティック
を防止できるように構成している。フランジ部24eの
外周部にはシール部材62を装着してあり、これによっ
て、フランジ部24eと筒状部材21の大径部21Cの
内周部との間の気密を保持している。中径部24cにお
けるリヤ側の領域に環状溝を形成し、そこを上記キー部
材41が係合する係合部24aとしている。また、筒状
部材21の中径部21Eは所要箇所を切欠いてあるの
で、その部分を介して上記キー部材41を挿通させて、
係合部24aに係合させている。この弁プランジャ24
のリヤ側の軸部に入力軸23を枢支連結している。
【0017】さらに、弁プランジャ24のリヤ側の軸部
とそれに対向する筒状部材21の半径方向部21Dとに
わたってばね63を弾装している。これにより、筒状部
材21は弁プランジャ24に対して常時リヤ側へ付勢さ
れて、上記フランジ部24eが筒状部材21側のフラン
ジ部21Fに当接する位置に維持されており、かつ、弁
プランジャ24におけるフロント側の端面(小径部24
bのフロント側の端面)は、反力伝達部材48の筒状部
材52のリヤ側の端面及び軸部材53の段部端面に当接
している。さらに、本実施例では、上記ホルダ43およ
びストッパ54のリヤ側の端面と対向するピストン57
のフロント側の端面にゴム製のリング64を接着してい
る。ソレノイド17が励磁されてピストン57がフロン
ト側へ向けて移動された際に、ピストン57に設けたリ
ング64がホルダ43及びストッパ54のリヤ側端面に
当接するように構成してあり、それによって、ピストン
57が移動された際にホルダ43及びストッパ54のリ
ヤ側端面と直接当接することを阻止して打音が生じない
ようにしている。
【0018】(作動説明)以上の構成において、図1、
図2および図19に示したように、ソレノイド17が励
磁されておらず、かつ、図示しないブレーキペダルが踏
み込まれていない非作動状態では、弁プランジャ24は
シェル2の壁面2aに当接したキー部材41に係合して
図示非作動位置に保持されている。また、弁プランジャ
24のフランジ部24eは筒状部材21のフランジ部2
1Fに当接し、弁プランジャ24のフロント側の端面
は、反力伝達部材48の軸部材53および筒状部材52
と当接している。また、筒状部材21に設けた大気弁座
22は弁体26の第2シート部S2に着座して大気弁3
2が閉鎖し、弁体26の第1シート部S1は真空弁座1
8から離隔して真空弁27が開放されている。さらに、
ピストン57はハウジング42に対してリヤ側の後退端
に位置しており、ピストン57のフロント側の端面(筒
状部57aの端面)及び段部端面は、ストッパ54及び
ホルダ43のリヤ側の端面から離隔している。反力伝達
部材48のフロント側の端面(軸部材53の端面)とリ
アクションディスク51のリヤ側の端面との間には僅か
に間隙が維持されている。上述したように、真空弁27
が開放され、大気弁32が閉鎖されているので、各室
A、B、C、Dは相互に連通し、それらには負圧が導入
されている。この非作動状態から図示しないブレーキペ
ダルが踏み込まれると、入力軸23、弁プランジャ24
および筒状部材21が一体となってフロント側にむけて
前進される。これにより、弁体26の第2シート部S2
が大気弁座22から離隔して大気弁32が開放されると
ともに、弁体26の第1シート部S1が真空弁座18に
着座して真空弁27が閉鎖される。したがって、両定圧
室A、Cと両変圧室B、Dとの連通が阻止され、両変圧
室B、D内に大気が導入される。両定圧室A、C内の負
圧と両変圧室B、Dとの間の大気圧との差圧によって、
両パワーピストン11、12およびバルブボディ6等が
フロント側にむけて前進される。ところで、本実施例で
は、大気弁32の隣接外方位置となるゴム70に半径方
向のリブ70aを形成しているので(図16)、大気弁
32を通過した大気がこれらのリブ70aによって整流
されて、大気の吸入音を従来よりも低減させることがで
きる。このようなリブ70aを形成していない弁体(特
開2000−108883号公報に開示された従来の弁
体)を用いた場合における大気の吸入音と、本実施例に
おける吸気音とを測定した結果を示したものが図23で
ある。なお、騒音測定条件は、図22に示すように、タ
ンデムブレーキ倍力装置1からそのリヤ側へ300mm
離隔させた下方側にマイクを配置して測定したものであ
る。この図23の騒音の測定結果から理解できるよう
に、本実施例によれば、従来のものと比較して、1.2
dBだけ騒音を低減させることができた。つまり、弁体
26に設けたリブ70aによって騒音を低減させること
ができたことは明らかである。なお、筒状部材21が上
述のように前進されることに伴って、ピストン57に対
して筒状部材21がフロント側にむけてわずかに相対移
動されるが、筒状部材21の半径方向部21Aは、ピス
トン57のリヤ側の端面とは当接せず、該端面とストッ
パ58のリヤ側端部(フランジ部)との間に位置してい
る。このように、弁プランジャ24が前進されても、そ
れによってピストン57が前進されないようになってい
る。このようにしてタンデムブレーキ倍力装置1が作動
されるが、出力軸55に作用する出力の反力によって、
リアクションディスク51の軸部がリヤ側に膨出され
て、そこが反力伝達部材48の軸部材53と当接する。
したがって、この時点から出力軸55に作用する出力の
反力が、弁プランジャ24と入力軸23を介して運転者
に伝達される。この作動状態から運転者がブレーキペダ
ルの踏み込みを解除すると、リターンスプリング40に
よってバルブボディ6などが図1に示した元の非作動状
態に復帰する。ブレーキペダルが踏み込まれた際におけ
る通常時のタンデムブレーキ倍力装置1の作動説明は以
上のとおりである。換言するとソレノイド17を励磁し
ない限り、筒状部材21は弁プランジャ24および入力
軸23と一体となって進退動するようになっている。
【0019】(自動ブレーキとしての作動説明)上記通
常の作動に対して、タンデムブレーキ倍力装置1を自動
ブレーキとして作動させる場合には、ブレーキペダルを
踏み込むことなく、図2及び図19に示した非作動状態
から制御装置によってソレノイド17を励磁させる。こ
れにより、図20に示すように、ピストン57がハウジ
ング42に対してフロント側へ移動され、それと同時に
筒状部材21がバルブボディ6および弁プランジャ24
に対してフロント側へ移動される。これによって、弁体
の26の第2シート部S2から大気弁座22が離隔して
大気弁32が開放されるとともに、弁体26の第1シー
ト部S1が真空弁座18に着座して真空弁27が閉鎖さ
れる。したがって、両変圧室B、D内に大気が導入さ
れ、両パワーピストン11、12およびバルブボディ6
等がフロント側にむけて前進される。このようにしてタ
ンデムブレーキ倍力装置1が自動ブレーキとして作動さ
れる。このように自動ブレーキとして作動された際にお
いても、大気弁32の外方に設けたリブ70aによっ
て、大気弁32を通過する大気を整流することができる
ので、大気の吸入音を低減させることができる。また、
この自動ブレーキとしての作動開始時には、ピストン5
7に連動して軸部材53が押し出されてリアクションデ
ィスク51に当接するが、軸部材53は弁プランジャ2
4のフロント側の端面から離隔しているので、出力軸5
5に作用するブレーキ反力は弁プランジャ24及び入力
軸23に伝達されていない。その後、出力軸55に作用
するブレーキ反力が上昇することに伴ってリアクション
ディスク51がリヤ側へ膨出して軸部材53がリヤ側へ
押し戻される。また上記自動ブレーキとしての作動状態
からソレノイド17の作動が停止されると(消勢される
と)、ばね63によって筒状部材21およびピストン5
7が弁プランジャ24に対してリヤ側へ押し戻されるの
で、大気弁32が閉鎖される一方、真空弁27が開放さ
れる。したがって、この時には、図21に示す状態を経
た後にリターンスプリング55によってバルブボディ6
などが図1及び図19に示した元の非作動状態に復帰す
る。このとき、それまで離隔していた弁プランジャ24
のフランジ部24eの端面と、筒状部材21(部材20
1)側のフランジ部21Fの端面とが当接するが、本実
施例では、部材201を合成樹脂で製造してあり、か
つ、フランジ部21Fに凹部21Jを形成しているの
で、両部材が当接する際に生じる当接音を低減させるこ
とができる。この当接音に関して、従来品と本実施例と
に関して上記図22と同様に騒音を測定した結果を示し
たものが図24である。フランジ部21Fに凹部を形成
せずに部材201をアルミニウムによって製造した従来
品は、当接音が72.4dBであった。また、フランジ
部に凹部を備えず単に合成樹脂で部材201を製造した
場合の比較品は、当接音が57.4dBであった。さら
に、凹部21Jを備え、かつ合成樹脂によって部材20
1を製造した本実施例においては、55.0dBとなっ
ており、明らかに、従来品と比較して本実施例の部材2
01の方が当接音を低減させることができることが明ら
かである。
【0020】上述したように、本実施例においては、ヨ
ーク44を軸対象の円筒形状に構成したことにより、ヨ
ーク44をプレス加工により製造することが可能とな
り、ヨーク44の製造コストを低減させることができ
る。また、本実施例においては、筒状部材21を構成す
る部材201に4箇所の突起21Gを形成するととも
に、バルブボディ6の内周部にガイド用の突起6Eを形
成しているので、筒状部材21をバルブボディ6に挿入
する際に、円周方向の挿入位置を間違えることなく容易
に挿入することができる。そして、本実施例において
は、筒状部材21の中径部21E(21E’)を隣り合
う突起6Eの間となるバルブボディ6の内周部に係合さ
せるようにしている。従来では、ヨーク44の小径部4
4aを軸方向に長くし、かつその内周部に軸方向溝を設
けてその溝に、筒状部部材21の直線ガイド部21E’
を係合させていたものである。これに対して、本実施例
においては、ヨーク44の小径部44aの軸方向寸法を
短縮化して、小径部44aに筒状部材21の直線ガイド
部21E’を摺動させないようにしている。このよう
に、本実施例では、ヨーク44の構成も簡素化すること
ができるので、従来のものと比較して本実施例のタンデ
ムブレーキ倍力装置1は組み付け性能が良好である。な
お、上記実施例は、本発明をタンデムブレーキ倍力装置
1に適用した場合について説明したが、定圧室と変圧室
が一対のシングルタイプのタンデムブレーキ倍力装置あ
るいは定圧室と変圧室が3対のトリプルタイプのタンデ
ムブレーキ倍力装置にも本発明を適用することができ
る。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来に
比較して弁機構で発生する騒音を低減させることができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】図1の要部の拡大図
【図3】図1に示したリテーナ15の正面図
【図4】図3のIV―IVに沿う断面図
【図5】図1に示したバルブボディ6の要部の断面図
【図6】図5のVI−VI線に沿う要部の断面図
【図7】図1に示すヨーク44の断面図
【図8】図7示すヨーク44の左側面図
【図9】図1に示した円筒状ガイド49の断面図
【図10】図9に示した円筒状ガイド49の左側面図
【図11】図1に示した筒状部材21の構成部材の正面
【図12】図11に示した部材201の軸方向の断面図
【図13】部材201の斜視図
【図14】図12の要部の左側面図
【図15】図12の部材201の右側面図
【図16】図1に示した弁体26の構成部材70の左側
面図
【図17】図1に示した弁体26の構成部材70の断面
【図18】図16の要部を拡大した斜視図
【図19】図1に示した要部の非作動状態を示す断面図
【図20】図1に示した要部の自動ブレーキ作動時の状
態を示す断面図
【図21】図1に示した要部の自動ブレーキ作動時の状
態を示す断面図
【図22】図1に示したタンデムブレーキ倍力装置1の
騒音測定時におけるマイクの位置を示す図。
【図23】図1に示したタンデムブレーキ倍力装置1の
作動開始時における騒音の測定結果を示す図。
【図24】図1に示したタンデムブレーキ倍力装置1の
自動作動終了時における騒音の測定結果を示す図。
【符号の説明】
1 タンデムブレーキ倍力装置 6 バルブボデ
ィ 11 フロントパワーピストン 12 リヤパワ
ーピストン 16 弁機構 17 ソレノイ
ド 18 真空弁座 21 筒状部材 22 大気弁座 24 弁プラン
ジャ 26 弁体 70 ゴム 70a リブ A、C 定圧室 B、D 変圧室 S1 第1シート部 S2 第2シー
ト部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、パ
    ワーピストンの前後に形成した定圧室および変圧室と、
    上記バルブボディに設けられて流路の切り換え制御を行
    う弁機構と、バルブボディ内に設けられて上記弁機構を
    作動させるソレノイドとを備え、 上記弁機構は、バルブボディに形成した真空弁座と、バ
    ルブボディ内に移動可能に設けた筒状部材と、この筒状
    部材におけるリヤ側に形成した大気弁座と、上記真空弁
    座および大気弁座に着座する弁体と、上記バルブボディ
    および筒状部材に対して相対移動可能に設けられるとと
    もに入力軸が前進される際には筒状部材とともに前進さ
    れる弁プランジャとを備え、 上記ソレノイドが作動されると、上記ピストンとそれに
    連動する筒状部材をバルブボディおよび弁プランジャに
    対してフロント側へ移動させて弁機構を作動させるよう
    に構成した自動ブレーキ倍力装置において、 上記筒状部材を合成樹脂から構成するとともに該筒状部
    材における弁プランジャ側の端面と接離する端面に複数
    の凹部を形成したことを特徴とする自動ブレーキ倍力装
    置。
  2. 【請求項2】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、パ
    ワーピストンの前後に形成した定圧室および変圧室と、
    上記バルブボディに設けられて流路の切り換え制御を行
    う弁機構と、バルブボディ内に設けられて上記弁機構を
    作動させるソレノイドとを備え、 上記弁機構は、バルブボディに形成した真空弁座と、バ
    ルブボディ内に移動可能に設けた筒状部材と、この筒状
    部材におけるリヤ側に形成した大気弁座と、上記真空弁
    座に接離する第1シート部および上記大気弁座に接離す
    る第2シート部を有する弁体と、上記バルブボディおよ
    び筒状部材に対して相対移動可能に設けられるとともに
    入力軸が前進される際には筒状部材とともに前進される
    弁プランジャとを備え、 上記弁体における第1シート部と第2シート部とを軸方
    向に離隔させて形成するとともに、それら両シート部の
    間に上記筒状部材に設けた大気弁座を配置して、 上記ソレノイドが作動されると、上記ピストンとそれに
    連動する筒状部材をバルブボディおよび弁プランジャに
    対してフロント側へ移動させて、大気弁座を第2シート
    部から離隔させるとともに真空弁座に第1シート部を着
    座させるように構成した自動ブレーキ倍力装置におい
    て、 上記第2シート部及びその半径方向外方側の領域を環状
    弾性部材によって構成するとともに、該環状弾性部材に
    おける第2シート部の半径方向外方位置に、半径方向に
    伸びる多数のリブを形成したことを特徴とする自動ブレ
    ーキ倍力装置。
JP2000237385A 2000-08-04 2000-08-04 自動ブレーキ倍力装置 Withdrawn JP2002046592A (ja)

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US7014276B2 (en) * 2001-08-24 2006-03-21 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Vacuum booster
US7255408B2 (en) 2001-08-24 2007-08-14 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Vacuum booster

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