JPH1148947A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置

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JPH1148947A
JPH1148947A JP9212251A JP21225197A JPH1148947A JP H1148947 A JPH1148947 A JP H1148947A JP 9212251 A JP9212251 A JP 9212251A JP 21225197 A JP21225197 A JP 21225197A JP H1148947 A JPH1148947 A JP H1148947A
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JP
Japan
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valve seat
power piston
input member
input
reaction force
Prior art date
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Application number
JP9212251A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Tsubouchi
内 薫 坪
Akihiko Miwa
輪 昭 彦 三
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE19817589A priority patent/DE19817589A1/de
Publication of JPH1148947A publication Critical patent/JPH1148947A/ja
Priority to US09/535,224 priority patent/US6212992B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの形状の自由度向上と、通常
ブレーキ時のブレーキフィーリングの向上を図った負圧
式倍力装置を提供すること。 【解決手段】 ハウジング14と、可動壁17、20
と、パワーピストン22と、入力部材27と、弁機構3
6と、弁座部材40と、出力部材55とを備えた負圧式
ブレーキブースタにおいて、弁座部材40をパワーピス
トン22に対して前進及び後退可能に配設すると共に、
入力部材27の移動とは独立して前進及び後退可能と
し、弁座部材40を後方へ移動させることにより弁機構
36を出力増加作用状態とするアクチュエータ48をパ
ワーピストン22に固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、車両用負
圧式倍力装置に関し、特に、緊急ブレーキ時のブレーキ
ペダル踏力の不足を補うことができるようにした車両用
負圧式倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の進路上に突然障害物が出現
したために運転者が慌ててブレーキペダルを踏み込んだ
時、つまり緊急ブレーキ時においては、運転者がブレー
キペダルに加える踏力は、車輪ロックに至る大きさのブ
レーキ液圧を発生させる踏力に比べて相当に小さく、車
両のブレーキ能力が十分発揮されていない場合が多いと
の解析結果に基づき、ブレーキペダルの踏込み速度やマ
スタシリンダ液圧の上昇速度等に基づいて通常ブレーキ
であるのか、或いは緊急ブレーキであるのかを判定し、
緊急ブレーキ時にはブレーキ液圧を車輪ロックに至る大
きさまで自動的に上昇させる装置を設置することが提案
され、実用されようとしている。
【0003】緊急ブレーキ時にブレーキ液圧を車輪ロッ
クに至る大きさまで自動的に上昇させる装置として様々
な構成の装置が提案されており、その1つとして、負圧
式倍力装置を、その入力−出力特性が外部からの制御信
号によって少なくとも2種類(通常ブレーキ用特性と緊
急ブレーキ用特性)に切り換えることができるように構
成し、緊急ブレーキ時には負圧式倍力装置の入力−出力
特性を通常ブレーキ用特性から緊急ブレーキ用特性に切
り換えることにより、運転者がブレーキペダルを強く踏
んだ時と同じ結果を得るものがある。
【0004】そのような負圧式倍力装置は、例えば特表
平7−503214号公報に記載されている。
【0005】この従来の負圧式倍力装置は、内部に少な
くとも一つの圧力室を形成するハウジングと、前記ハウ
ジング内に前記ハウジングに対して前進及び後退可能に
設置され、前記圧力室を、負圧源に連通される前室と前
記負圧源および大気に選択的に連通される後室とに分割
する可動壁と、前記可動壁に結合されたパワーピストン
と、前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに
対して前進及び後退可能に設置され、ブレーキ操作によ
って移動可能な入力部材と、前記入力部材に配設されお
り且つ後方に向いている大気流入制御用環状弁座と、前
記パワーピストンに配設されており且つ前記後方に向い
ている第1大気流出制御用環状弁座と、前記大気流入制
御用環状弁座及び前記第1大気流出制御用環状弁座に対
向する可動部と前記パワーピストンに気密的に固定され
る固定部とを有しており且つ前記可動部が付勢部材によ
って前方へ付勢されている弁部材とを備え、前記入力部
材の移動に応じて、前記後室を前記前室に連通すると共
に大気から遮断する出力減少作用状態と前記後室を前記
前室及び大気から遮断する出力保持作用状態及び前記後
室を前記前室から遮断して大気に連通する出力増加作用
状態に切り換える弁機構と、前記第1大気流出制御用環
状弁座の内径側に前記パワーピストンに対して前進及び
後退可能に配設されるとともに前記入力部材の移動に伴
って前進及び後退可能とされ、後方に向いている第2大
気流出制御用環状弁座を有している弁座部材と、前記入
力部材に固定され、前記弁座部材を前記後方へ移動させ
て前記可動部に当接させることにより前記弁機構を前記
出力増加作用状態とするアクチュエータと、前記可動壁
の移動に伴った前記パワーピストンの推進力を装置外に
出力する出力部材と、を備えたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来
の負圧式倍力装置は、弁座部材が入力部材の移動に伴っ
て移動することから、アクチュエータが作動されること
によって弁座部材が大気流入制御用環状弁座と可動部と
を離間させ弁機構を出力増加作用状態とする作動におい
て、大気流入制御用環状弁座と可動部との離間量にばら
つきが生じ、ひいては出力がばらつく虞れが有る。
【0007】また、アクチュエータが入力部材に固定さ
れていることから、アクチュエータの形状の自由度を損
なう虞を有している。
【0008】この出願の発明は、アクチュエータの作動
による出力を安定して発揮可能とすると共に、アクチュ
エータの形状の自由度向上を図った負圧式倍力装置を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、内部に少なくとも一つの圧力室を形成するハ
ウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジングに対し
て前進及び後退可能に設置され、前記圧力室を、負圧源
に連通される前室と前記負圧源および大気に選択的に連
通される後室とに分割する可動壁と、前記可動壁に結合
されたパワーピストンと、前記パワーピストンの内部に
前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に設置さ
れ、ブレーキ操作によって移動可能な入力部材と、前記
入力部材に配設されおり且つ後方に向いている大気流入
制御用環状弁座と、前記パワーピストンに配設されてお
り且つ後方に向いている第1大気流出制御用環状弁座
と、前記大気流入制御用環状弁座及び前記第1大気流出
制御用環状弁座に対向する可動部と前記パワーピストン
に気密的に固定される固定部とを有しており且つ前記可
動部が付勢部材によって前方へ付勢されている弁部材と
を備え、前記入力部材の移動に応じて、前記後室を前記
前室に連通すると共に大気から遮断する出力減少作用状
態と前記後室を前記前室及び大気から遮断する出力保持
作用状態及び前記後室を前記前室から遮断して大気に連
通する出力増加作用状態に切り換える弁機構と、前記パ
ワーピストンに対して前進及び後退可能に配設されると
ともに前記入力部材の移動とは独立して前進及び後退可
能とされ、後方に向いている第2大気流出制御用環状弁
座を有している弁座部材と、前記パワーピストンに固定
され、前記弁座部材を後方へ移動させて前記可動部に当
接させることにより前記弁機構を前記出力増加作用状態
とするアクチュエータと、前記可動壁の移動に伴った前
記パワーピストンの推進力を装置外に出力する出力部材
とを備えた負圧式倍力装置を構成した。
【0010】好ましくは、前記入力部材と前記弁座部材
との間に配設され、前記弁座部材を前方に付勢する第2
付勢部材と、前記アクチュエータの非作動時に前記第2
付勢手段により付勢された前記弁座部材と当接すること
により、前記弁座部材の前方への移動を規制する規制部
材とを備えた負圧式倍力装置が望ましい。
【0011】好ましくは、前記パワーピストンは、前記
弁座部材を前後方向に摺動可能に保持する保持部を備え
る負圧式倍力装置が望ましい。
【0012】好ましくは、前記弁座部材は、前記保持部
材との当接部分にシール部材を備えている負圧式倍力装
置が望ましい。
【0013】好ましくは、前記弁座部材は前記入力部材
の外周部と前記パワーピストンの内周部との間に配設さ
れ、前記入力部材は、前記弁座部材を貫通すると共に前
記パワーピストンの前記内周部に摺動可能に当接する当
接部を備える負圧式倍力装置が望ましい。
【0014】好ましくは、前記アクチュエータは、前記
パワーピストンに固定されたソレノイドコイル及びヨー
クと、前記ソレノイドコイルへの通電により発生する電
磁吸引力により前記後方へ移動されて前記弁座部材を前
記後方に移動させるプランジャとを備えている負圧式倍
力装置が望ましい。
【0015】好ましくは、前記入力部材と前記出力部材
との間に配設され、前記パワーピストンの推進力に応じ
た反力を前記入力部材に印加する反力部材を備え、前記
アクチュエータの作動時に、前記入力部材は前記反力を
印加されることにより後方へ移動され、前記アクチュエ
ータの作動時に、前記反力部材からの反力を受けて前記
入力部材が所定量後方へ移動された際に、前記反力部材
から前記入力部材への反力の伝達を遮断する遮断機構を
備えた負圧式倍力装置が望ましい。
【0016】好ましくは、前記入力部材と前記反力部材
との間に介在され、その前面で前記反力部材に当接可能
でその後面で前記入力部材に当接可能とされ、前記反力
部材からの反力を受けて後方に移動される当接部材を備
え、前記入力部材は前記当接部材を介して前記反力部材
から反力を印加され、前記遮断機構は、前記アクチュエ
ータの作動時に、前記反力部材からの反力を受けて前記
入力部材及び前記当接部材が所定量後方へ移動された際
に前記当接部材に係合し、前記当接部材の前記後方への
移動を規制する係合部を備えた負圧式倍力装置が望まし
い。
【0017】好ましくは、前記入力部材と前記出力部材
との間に配設され、前記パワーピストンの推進力に応じ
た反力を前記入力部材に印加する反力部材を備え、前記
アクチュエータの作動時に、前記入力部材は前記反力を
印加されることにより後方へ移動され、前記アクチュエ
ータの作動時に、前記反力部材からの反力を受けて前記
入力部材が所定量後方へ移動された際に、前記入力部材
の前記後方への移動を規制する規制部を備えた負圧式倍
力装置が望ましい。
【0018】請求項1の負圧式倍力装置は、弁座部材
は、パワーピストンに対して前進及び後退可能とされる
とともに、入力部材の移動とは独立して前進及び後退可
能とされている。アクチュエータがパワーピストンに固
定されることになる。
【0019】請求項2の負圧式倍力装置は、弁座部材
は、第2付勢部材により前方に付勢されており、アクチ
ュエータの非作動時において、規制部材に当接すること
により、その前方への移動を規制されている。
【0020】請求項3の負圧式倍力装置は、請求項1の
作用に加えて、弁座部材は、保持部に選り摺動可能に保
持される。
【0021】請求項4の負圧式倍力装置は、請求項3の
負圧式倍力装置において、シール部材により、弁座部材
と保持部との間、ひいては、前室と後室との気密性を保
持している。
【0022】請求項5の負圧式倍力装置は、請求項1〜
4の何れか一に記載の作用に加えて、入力部材は当接部
を介してパワーピストンの内周部に摺動可能に当接す
る。
【0023】請求項6の負圧式倍力装置は、請求項1〜
5の何れか一に記載の作用に加えて、ソレノイドコイル
に通電されることによってプランジャとヨークとの間に
吸引力が生じ、プランジャは後方へ移動される。プラン
ジャの後方への移動により弁座部材も又後方へ移動され
て弁部材の可動部に当接され、弁機構が出力増加作用状
態とされる。
【0024】請求項7の負圧式倍力装置は、請求項1〜
6のいずれか一に記載の作用に加えて、アクチュエータ
の作動時に、反力部材から反力を受けることにより入力
部材は後方へ移動される。この入力部材の後方への移動
量が所定量に達すると、遮断機構により反力部材からの
入力部材への反力の伝達が遮断される。
【0025】請求項8の負圧式倍力装置は、請求項7の
作用に加えて、アクチュエータの作動時に、反力部材か
ら反力を受けることにより入力部材及び当接部材は後方
へ移動される。この入力部材及び当接部材の後方への移
動量が所定量に達すると、係合部により当接部材の後方
への移動が規制され、反力部材からの入力部材への反力
の伝達が遮断される。
【0026】請求項9の負圧式倍力装置は、請求項1〜
6のいずれか一に記載の作用に加えて、反力部材から反
力を受けることにより入力部材は後方へ移動される。こ
の入力部材の後方への移動量が所定量に達すると、規制
部により入力部材の後方への移動が規制される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の2つの実施形態について説明する。
【0028】(実施の形態1)図1は、本発明の一実施
の形態であるタンデム型の車両用負圧式ブレーキブース
タの断面図であり、図2は図1の一部の拡大図である。
【0029】図1において、車両用負圧式ブレーキブー
スタ10は、前側シェル11と後側シェル12及び両シ
ェル間の隔壁部材13とから構成され内部に前側圧力室
及び後側圧力室を形成するハウジング14を備える。ハ
ウジング14内の前側圧力室には、金属製の前側プレー
ト15とゴム製の前側ダイアフラム16からなる前側可
動壁17が前進および後退可能に設置され、また後側圧
力室には金属製の後側プレート18とゴム製の後側ダイ
アフラム19からなる後側可動壁20が前進および後退
可能に設置されている。
【0030】前側プレート15は、その中心部に、隔壁
部材13の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通されて
いる円筒部21を一体に有している。前側ダイアフラム
16の内周縁のビード部は前側プレート15の円筒部2
1の前端部の外周面の気密的に固定されており、前側ダ
イアフラム16の外周縁のビード部は隔壁部材13の外
周縁部と一緒にシェル11,12の外周部により気密的
に挟持されている。後側ダイアフラム19の外周縁のビ
ード部は隔壁部材13の外周縁の内径側に設けられた折
り返し部とシェル12とにより気密的に挟持されてい
る。
【0031】後側シェル12の中心部を気密的に且つ摺
動可能に貫通されているパワーピストン22の前方寄り
部分の外周には、前側プレート15の円筒部21の後端
と後側プレート18の内周縁部が固定されると共に後側
ダイアフラム19の内周縁のビード部が気密的に固定さ
れている。これにより、ハウジング14内の前側圧力室
が第1前室23と第1後室24とに分割され、またハウ
ジング14内の後側圧力室が第2前室25と第2後室2
6とに分割される。
【0032】第1前室23は負圧源であるエンジンイン
テークマニホールド(図示省略)に連通され、常時、負
圧に保たれる。第2前室25は前側プレート15の円筒
部21に形成された孔とパワーピストン22の前端部の
外周に形成された溝とによって第1前室23に連通さ
れ、従って第2前室25も、常時、負圧に保たれる。
【0033】第1後室24は前側ダイヤフラム16の外
周縁のビード部の内周面に形成された溝と隔壁部材13
に形成された孔及び後側ダイアフラム19の外周縁のビ
ード部の外周面に形成された溝によって第2後室26に
連通されている。
【0034】図1及び図2に示されるように、パワーピ
ストン22は、その内部で前方側に位置して第1前室2
3に連通する第1空間22aと、その内部で後方側に位
置して大気に連通する第2空間22bと、第1空間22
aと第2空間22bとの間に介在される中間部221を
有している。中間部221は、中間部221の中心部で
第1空間22aと第2空間22bとを連通する第3空間
22cと、第3空間22cとは別に第1空間22aと第
2空間22bとを連通する通路60と、第3空間22c
と第2後室26とを連通する連通路61とを有してい
る。
【0035】パワーピストン22の内部には、入力部材
27が第1空間22a、第2空間22b、第3空間22
cを貫通し、パワーピストン22に対して前進及び後退
できるように設置されている。この入力部材27は、前
端がパワーピストン22の略第3空間22cに位置し且
つ後端がパワーピストン22の外部に位置する後方部材
28と、この後方部材28の前端のボール継手により連
結されていてパワーピストン22の中間部221により
摺動自在に案内されている中央部材29と、この中央部
材29の前端に後端をねじ結合された前方部材30とで
構成されており、後方部材28の後端でブレーキペダル
31に連結される。
【0036】入力部材27と反力部材54との間には、
その前面で反力部材54の後面に当接可能で、その後面
中心部で入力部材27の前端部に当接可能な当接部材7
0が配設されている。
【0037】パワーピストン22に対する入力部材27
の前進限位置及び後退限位置を規定するためのキー部材
32が設置されている。このキー部材32はパワーピス
トン22の中間部221に形成された半径方向孔33に
挿通されており、パワーピストン22から脱落しないよ
うにパワーピストン22に係止されている。キー部材3
2の前後方向の肉圧寸法は半径方向孔33の前後方向の
寸法よりも小さくされており、キー部材32はパワーピ
ストン22に対して図2中に示した距離δ1だけ前後方
向へ移動できる。
【0038】キー部材32は、パワーピストン22の外
周側に突出した両端部の後面にて後側シェル12に当接
可能であり、ハウジング14に対するパワーピストン2
2の後退限位置は、図2に示すように、半径方向孔33
の前側壁がキー部材32の前面に当接し且つキー部材3
2の両端部の後面が後側シェル12に当接した位置であ
る。キー部材32の中央部は入力部材27の前方部材3
0の後端部の外周に形成された一対のフランジ部34,
35間に位置されており、パワーピストン22に対する
入力部材27の後退限位置は、フランジ部34の後面が
キー部材32の前面に当接し且つキー部材32の後面が
半径方向孔33の後壁に当接した位置である。また、パ
ワーピストン22に対する入力部材27の前進限位置
は、フランジ部35の前面がキー部材32の後面に当接
し且つキー部材32の前面が半径方向孔33の前壁に当
接した位置である。
【0039】パワーピストン22の内部には、パワーピ
ストン22に対する入力部材27の前後方向移動に応じ
て、第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気
から遮断する出力減少作用状態と第2後室26を第1前
室23及び大気から遮断する出力保持作用状態及び第2
後室26を第1前室23から遮断すると共に大気に連通
する出力増加作用状態に切り換える弁機構36が設置さ
れている。
【0040】この弁機構36は、入力部材27の中央部
材29に一体に形成されており且つ後方に向いている大
気流入制御用環状弁座37と、パワーピストン22の中
間部部分221の後方部で第3空間22cの後方開口回
りに一体に形成されており且つ後方に向いている第1大
気流出制御用環状弁座38と、これら大気流入制御用環
状弁座37、第1大気流出制御用環状弁座38と対向す
る可動部41とリテーナー42によりパワーピストン2
2に気密的に固定される固定部43とを有しており且つ
可動部41がスプリング44(第1付勢部材)によって
前方へ付勢されている筒状弁部材45を主たる構成部材
としている。
【0041】第1大気流出制御用環状弁座38の内径
側、即ち、中間部221の第3空間22c内に、後方に
向くと共に可動部41に対向する第2大気流出制御用環
状弁座39を備える弁座部材40がパワーピストン22
に対し前進及び後退可能に配設されている。
【0042】図3は図2の弁座部材40と入力部材27
との組付け以前の斜視図である。図1〜3に示すよう
に、入力部材27の中央部材29は、その外周に径方向
に突出する4つの当接部29aを備えている。弁座部材
40は、弁座部材40を前後方向で貫通する貫通穴40
aと、貫通穴40aの後方開口から前方に向かって延在
するとともに貫通穴40aと弁座部材40の外部とを連
通する4つのスリット40bとを有している。
【0043】弁座部材40の貫通穴40aに入力部材2
7が挿入されることにより、当接部29aとスリット4
0aとが夫々対向するとともに、当接部29aがスリッ
ト40aを介して弁座部材40の外部に突出することに
なる。弁座部材40を備えた入力部材27がパワーピス
トン22内に配設されると、当接部29aが中間部22
1の内周面の凸部221aに当接することになり、入力
部材27は当接部27aを介して中間部221の内周
部、即ち、パワーピストン22の内周部に前後方向に摺
動可能に支持されることになる。
【0044】一方、弁座部材40は、入力部材27の外
周部とパワーピストン22の中間部221の内周部との
間に位置し、第2大気流出制御用環状弁座39が形成さ
れている後端部において中間部221の内周面に前後方
向に摺動可能に当接することになる。即ち、パワーピス
トン22は、弁座部材40を前後方向に摺動可能に保持
する保持部として、中間部221を備えていることにな
る。
【0045】弁座部材40の中間部221に当接する後
端部の外周には、弁座部材40の後端部と中間部221
の内周面との間の気密を保つ環状シール部材46が取付
けられている。また、弁座部材40は、弁座部材40と
フランジ部34との間に設置されたスプリング47(第
2付勢部材)により前方へ付勢されている。
【0046】入力部材27の後方部材28に係止された
リテーナー58とリテーナー42との間に設置されたス
プリング59は、入力部材27を後方へ付勢し、ブレー
キペダル31が踏まれていない場合には大気流入制御用
環状弁座37を弁部材45の可動部41に当接させ且つ
可動部41を第1大気流出制御用環状弁座38からδ3
の距離分で離間させた状態に保持する。
【0047】中間部221に形成された通路60と第1
空間22aとは、弁機構36と第1前室23とを連絡
し、通路61と第3空間22cとは、弁機構36と第2
後室26とを連絡している。
【0048】パワーピストン22の前方部分の内部、即
ち、中間部221の前方側の第1空間22aには、弁座
部材40をスプリング47に抗して後退させるアクチュ
エータ48が設置されている。このアクチュエータ48
は、ソレノイドコイル49と磁性体よりなるヨーク5
0,磁性体よりなるヨーク兼反動部材収容用部材51及
び磁性体よりなるプランジャ52によって構成されてい
る。ソレノイドコイル49とヨーク50,ヨーク兼反動
部材収容用部材51はパワーピストン22に固定されて
いる。プランジャ52と弁座部材40とはそれぞれ別部
材で構成されるとともに互いに非接続とされ、プランジ
ャ52は、その内周後端部で弁座部材40の前端面と当
接する。即ち、弁座部材40とプランジャ52とは、互
いに単独でパワーピストン22に対して前後方向に摺動
可能に配設されているものである。ソレノイドコイル4
9は、リード線によりハウジング14の外部の電子制御
装置(図示省略)と電気的に接続される。ソレノイドコ
イル49が通電されない場合(アクチュエータ48の非
作動時)、スプリング47によって弁座部材40は、そ
の前端面がプランジャ52に当接し且つプランジャ52
の前端面がヨーク兼反動部材収容用部材51に対して固
定の関係にあり且つ入力部材27の前方部材30の前端
部を摺動可能に案内する案内部材53に当接した図2の
位置に保持され、弁座部材40の第2大気流出制御用環
状弁座39はパワーピストン22の第1大気流出制御用
環状弁座38よりもδ4分の距離だけ前側に位置する。
即ち、弁座部材40は、スプリング47により付勢さ
れ、プランジャ52を介して案内部材53に当接されて
おり、案内部材53は弁座部材40のバルブボデー22
に対する前進を規制している。従って、案内部材53
は、規制部材として機能している。
【0049】ソレノイドコイル49が通電された場合
(アクチュエータ48の作動時)、ヨーク50とプラン
ジャ52との間に電磁吸引力が発生し、この電磁吸引力
によりプランジャ52が弁座部材40をスプリング47
に抗して後退させる。弁座部材40の後退量はヨーク5
0とプランジャ52との間の距離δ2に対応し、弁座部
材40が後退された状態では弁座部材40の第2大気流
出制御用環状弁座39がパワーピストン22の第1大気
流出制御用環状弁座38よりも[δ2−δ3]の距離で
後側に位置する。
【0050】ヨーク兼反動部材収容用部材51の内部に
おいて、案内部材53の前側にはゴムよりなる円盤状の
反力部材54が設置され、この反力部材54の前側には
ハウジング14の前壁の中心部を気密的に且つ摺動可能
に貫通している出力部材55の後端部56が摺動可能に
設置されている。反力部材54は、周知のように、パワ
ーピストン22の前進力及び入力部材27の前進力を出
力部材55に伝達すると共に出力部材55からの出力に
対応した大きさの反力を入力部材27に後退させるよう
に付与するものである。
【0051】案内部材53には、初期状態において当接
部材70の後面外周部と所定量δ4の距離で離間する対
向面531が配設されている。対向面531は、後述す
るアクチュエータ48が作動された際の入力部材27及
び当接部材70の後方への移動の際に当接部材70の後
面外周部に当接することにより、当接部材70のパワー
ピストン22に対する後方への移動を規制する。
【0052】第1前室23の中心部には、パワーピスト
ン22とこれに結合された可動壁17,20をハウジン
グ14に対して後退させるためのリターンスプリング5
7が設置されている。
【0053】出力部材55は、マスターシリンダ62の
ピストン(図示省略)と作用的に連結されている。
【0054】図2の初期状態において、当接部材70の
後面外周部分と案内部材53の当接部材70の後面外周
部分に対向する対向面531とは、所定量δ5の距離で
離間している。
【0055】図2に示す初期状態における各所定量δ
2、δ3、δ4、δ5の関係は、δ4+δ5<δ2−δ
3となるように設定されている。
【0056】図4は、本実施の形態の車両用負圧式ブレ
ーキブースタ10の入力−出力特性線図である。図1〜
4を用いて作動を説明する。図1及び図2に示す状態
は、ブレーキペダル31が踏まれておらず且つアクチュ
エータ48が作動されていない状態であり、弁機構36
が第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気か
ら遮断する出力減少作用状態、即ち大気流入制御用環状
弁座37が弁部材45の可動部41に当接し且つ可動部
41が第1の大気流出制御用環状弁座38から離間した
状態となり、第1後室24と第2後室26の圧力は第1
前室23の圧力と同じ圧力に低下しており、可動壁1
7,20とパワーピストン22には前進力が作用せず、
パワーピストン22とこれに結合された可動壁17,2
0は、リターンスプリング57によってハウジング14
に対する後退限位置、即ちパワーピストン22の半径方
向孔33の前側壁がキー部材32の前面に当接し且つキ
ー部材32の両端部の後面が後側シェル12に当接した
位置に保持される。
【0057】通常ブレーキ作用のために運転者がブレー
キペダル31を踏み込むと、入力部材27及び当接部材
70がパワーピストン22に対して前進し、弁部材45
の可動部41がパワーピストン22の第1大気流出制御
用環状弁座38に当接して第2後室26を第1前室23
から遮断する。つまり、弁機構36が出力減少作用状態
から出力保持作用状態に切り換わる。この時、当接部材
70の前端面と反力部材54の後面との間には隙間が残
存している。又、当接部材70の後面外周部分と対向面
531とは略δ4+δ5の距離で離間している。
【0058】次いで、出力保持作用状態から入力部材2
7及び当接部材70が距離α分前進されると、大気流入
制御用環状弁座37が弁部材45の可動部41から距離
α分離間して第2後室26を大気と連通し、弁機構36
が出力増加作用状態に切り換わる。従って、大気が第2
後室26に流入し、更に第2後室26から第1後室24
に流入し、両後室24,26の圧力が上がり、第1可動
壁17には第1前室23と第1後室24との差圧により
前進力が発生し、第2可動壁20には第2前室25と第
2後室26との差圧により前進力が発生し、パワーピス
トン22には第1前室23と第2後室26との間の差圧
により前進力が発生し、これらの前進力がパワーピスト
ン22からアクチュエータ48のヨーク兼反力部材収容
用部材51,案内部材53及び反力部材54を介して出
力部材55の伝達され、可動壁17,20、パワーピス
トン22及び出力部材55がハウジング14に対し一体
的に前進を開始し、マスターシリンダ62の作動が開始
される。
【0059】その際、パワーピストン22は入力部材2
7に対しても前進し、弁部材45の可動部41が大気流
入制御用環状弁座37に接近する。また、反力部材54
がその中心部の後面と当接部材70の前面との間の隙間
を減少するように案内部材53の内部に進入し、当接部
材70の前面に当接して反力部材54がパワーピストン
22の前進力及び入力部材27の前進力を出力部材55
に伝達すると共に出力部材55からの出力に対応した反
力を、当接部材70及び入力部材27に、同当接部材7
0及び入力部材27をパワーピストン22に対して後退
させるように付与するようになる。
【0060】パワーピストン22が入力部材27に対し
て前進することにより、やがて、弁部材45の可動部4
1が再び大気流入制御用環状弁座37に当接し、後室2
4,26への大気の流入が停止される(弁機構36が出
力保持作用状態に切り換わる)。このとき、入力部材2
7は、リアクションディスク22からの反力を受けるこ
とによってパワーピストン22に対して略δ4+δ5+
α未満、即ち距離αの後方への移動を行っており、従っ
て、当接部材70の後面外周部分が対向面531に当接
することはない。
【0061】この通常ブレーキ作用において、ブレーキ
ペダル31から入力部材27に加えられている入力は図
4中に示した値Fi1であり、出力部材27からマスタ
ーシリンダ62に付与される出力は図4に示した値Fo
1である。
【0062】ブレーキペダル31から入力部材27に加
えられる入力が図4の値Fi2未満の値に増加される
と、入力部材27がパワーピストン22に対して前進
し、大気流入制御用環状弁座37が再び弁部材45の可
動部41から離間し(弁機構36が出力増加作用状態に
切り換わる)、大気が後室24,26に流入して後室2
4,26の圧力が上昇し、可動壁17,20とパワーピ
ストン22の前進力が増加し、可動壁17,20、パワ
ーピストン22及び出力部材55がハウジング14に対
して更に前進する。また、パワーピストン22が入力部
材27に対し前進することにより弁部材45の可動部4
1が大気流入制御用環状弁座37に接近し、やがて弁部
材45の可動部41が大気流入制御用環状弁座37に再
び当接して後室24,26への大気流入が停止され(弁
機構36が出力保持作用状態に切り換わる)、可動壁1
7,20とパワーピストン22の前進力が増加が停止す
る。
【0063】ブレーキペダル31から入力部材27に加
えられる入力が図4の値Fi1よりも大きい値まで減少
されると、入力部材27がパワーピストン22に対して
後退され、弁部材45の可動部41がパワーピストン2
2に対して後退されて可動部41が第1の大気流出制御
用環状弁座38から離間し(弁機構36が出力減少作用
状態に切り換わる)、後室24,26が第1前室23に
連通されて後室24,26内の大気が負圧源により前室
23を介して排出され、後室24,26の圧力が低下し
て可動壁17,20とパワーピストン22の前進力が減
少し、可動壁17,20、パワーピストン22及び出力
部材55がハウジング14に対して後退する。その際、
パワーピストン22は入力部材27に対しても後退し、
第1大気流出制御用環状弁座38が弁部材45の可動部
41に接近し、やがて第1大気流出制御用環状弁座38
が弁部材45の可動部41に当接して後室24,26か
らの大気流出が停止され(弁機構36が出力保持作用状
態に切り換わる)、可動壁17,20とパワーピストン
22の前進力の減少が停止される。
【0064】図4に示した入力の値Fi2は、後室2
4,26の圧力が大気圧になる入力値を示す。入力が値
Fi1から値Fi2の範囲においては、出力部材55か
らマスターシリンダー62に加えられる出力の変化量は
入力部材27に加えられる入力の変化量より大きい。入
力に対する出力の比率は、反力部材54の後面と当接部
材70の前面との当接面積に対する反力部材54の後面
の面積の比率に一致する。
【0065】図4において、入力が値Fi2のときの出
力は値Fo3である。入力が値Fi2から更に増加され
た場合、出力が入力の増加分だけ増加する。尚、図4に
おいて、縦軸の単位長さあたりの力の変化量は横軸の単
位長さあたりの力の変化量より大きいものである。縦軸
の単位長さあたりの力の変化量と横軸の単位長さあたり
の力の変化量を一致させて描いたならば、入力が値Fi
2より大きい場合の入力−出力の相関を示す線が45度
の勾配となる。
【0066】ブレーキペダル31が踏み込まれて入力部
材27、可動壁17,20、パワーピストン22及び出
力部材55がハウジング14に対して前進している状態
では、キー部材32が後側シェル12から離間してい
る。通常ブレーキ作用を解除するために運転者がブレー
キペダル31の踏み込みを解除すると、入力部材27が
反力部材54から付与される反力とスプリング59によ
ってパワーピストン22に対して後退される。これによ
り、弁部材45の可動部41がパワーピストン22に対
して後退され、可動部41が第1の大気流出制御用環状
弁座38から離間され(弁機構36が出力減少作用状態
に切り換わる)、後室24,26内の大気が負圧源によ
り前室23を介して迅速に排出され、後室24,26の
迅速な圧力低下に応じて入力部材27、可動壁17,2
0、パワーピストン22及び出力部材55がハウジング
14に対して迅速に後退される。
【0067】入力部材27、可動壁17,20、パワー
ピストン22及び出力部材55のハウジング14に対す
る後退により、やがてキー部材32が後側シェル12に
当接し、入力部材27のハウジング14に対する後退が
停止される。これに対し、可動壁17,20、パワーピ
ストン22及び出力部材55のハウジング14に対する
後退は、パワーピストン22のハウジング14に対する
後退限位置、即ちパワーピストン22の半径方向孔33
の前側壁がキー部材32の前面に当接し且つキー部材3
2の両端部の後面が後側シェル12に当接した位置まで
継続される。これにより、パワーピストン22の第1の
大気流出制御用環状弁座38が弁部材45の可動部41
に接近し、大気流出制御用環状弁座38と可動部41と
の間に小さな隙間が存在する非作動状態になる。大気流
出制御用環状弁座38と可動部41との間の隙間が小さ
いことにより、次回の作動時に弁機構36が出力減少作
用状態から出力保持作用状態を経て出力増加作用状態に
切り換わるのに必要とされる入力部材27の前進量は小
さく、従ってブレーキペダル31の踏み込み時の遊びが
小さく応答性が良い。
【0068】尚、反力部材54は、パワーピストン22
と出力部材55との間で伝達する力が減少することによ
り、自己の弾性により図2に示す状態に復元する。
【0069】加えて、入力部材27の前進及び後退によ
って、弁座部材40がバルブボデー22に対して移動す
ることはない。
【0070】次に、緊急ブレーキ作用のために運転者が
ブレーキペダル31を入力Fi1で急速に踏み込むと、
入力部材27及び当接部材70がパワーピストン22に
対して前進し、弁部材45の可動部41がパワーピスト
ン22の第1大気流出制御用環状弁座38に当接して第
2後室26を第1前室23から遮断する。つまり、弁機
構36が出力減少作用状態から出力保持作用状態に切り
換わる。
【0071】この入力部材27及び当接部材70の前進
時には、当接部材70の前面と反力部材54の後面との
間には隙間が残存している。又、当接部材70の後面と
対向面531とは略δ4+δ5の距離で離間している。
【0072】次いで、出力保持作用状態からの更なる入
力部材27の距離α分の前進により、大気流入制御用環
状弁座37が弁部材45の可動部41から距離α分で離
間して第2後室26を大気と連通し、弁機構36が出力
増加作用状態に切り換わる。このブレーキペダルの操作
と併行して、電子制御装置がソレノイドコイル49に通
電することにより、アクチュエータ48が作動される。
【0073】ソレノイドコイル49に通電されると、プ
ランジャ52とヨーク50との間に電磁吸引力が発生
し、プランジャ52がパワーピストン22に対して後退
されて弁座部材40を距離δ2だけ後退させ、弁座部材
40の第2大気流出制御用環状弁座39が弁部材45の
可動部41に当接し且つ弁座部材40が可動部41をパ
ワーピストン22に対して後退させる。このような作動
により、弁部材45の可動部41がパワーピストン22
の第1大気流出制御用環状弁座38から離間されるが、
弁座部材40の第2大気流出制御用環状弁座39が可動
部41に当接していることにより後室24,26と前室
23との遮断状態が維持されたまま大気流入制御用環状
弁座37と弁部材45の可動部41との間の隙間がαか
ら[α+δ2−δ3]へと増大される。
【0074】従って、ブレーキペダルの操作及びアクチ
ュエータ48の作動により、大気が迅速に後室24,2
6に流入し、後室24,26の圧力が迅速に上昇して可
動壁17,20、パワーピストン22及び出力部材55
がハウジング14に対して迅速に前進する。
【0075】パワーピストン22のハウジング14に対
する前進により、パワーピストン22は入力部材27に
対しても前進することにより、弁部材45の可動部41
が大気流入制御用環状弁座37に接近する。又、パワー
ピストン22の前進により、反力部材54がその中心部
の後面と当接部材70との隙間を減少するように案内部
材53の内部に進入し、当接部材70の前面に当接して
反力部材54がパワーピストン22の前進力及び入力部
材27の前進力を出力部材55に伝達すると共に出力部
材55からの出力に対応した反力を、入力部材27及び
当接部材70に同入力部材27及び当接部材70をパワ
ーピストン22に対して後退させるように付与するよう
になる。この入力部材27及び当接部材70が反力部材
54から反力を受けてパワーピストン22に対して後方
に移動されようとする状態において、当接部材70の後
面外周部と対向面531との間には略δ4+δ5+α分
の隙間が存在している。
【0076】反力部材54から反力を付与されることに
よって入力部材27及び当接部材70はパワーピストン
22に対して後方にδ2−δ3+αの距離分移動されよ
うとする。この入力部材27及び当接部材70の後方へ
の移動に際して、当接部材70の後面外周部と対向面5
31との間の略δ4+δ5+α分の隙間は、初期状態に
おいてδ4+δ5<δ2−δ3として設定されているこ
とからわかるように0となる。即ち、当接部材70の後
面外周部と対向面531とが当接することになる。
【0077】当接部材70の後面外周部が対向面531
に当接して当接部材70の後方への移動が規制されるこ
とにより、反力部材54はもはや当接部材70ひいては
入力部材27を後方へ移動させることができなくなる。
従って、第2大気流出制御用環状弁座39が弁部材45
の可動部41に当接し、大気流入制御用環状弁座38が
可動部41から離間する弁機構36の出力増加作用状態
が維持されることになり、後室24、26が大気圧と等
しくなるまで後室24、26に大気が流入される。
【0078】つまり、パワーピストン22から反力部材
54を介して出力部材55に伝達されている前進力(出
力部材55からマスターシリンダに付与されている出
力)が通常ブレーキ作用時よりも大きいものであり、図
4中の値Fo2である。言い換えれば、入力Fi1での
ブレーキ操作によって生じるパワーピストン22の推進
力は、出力部材55を介して出力Fo1として発揮され
るが、アクチュエータ48が作動されることにより、パ
ワーピストン22に第2の推進力が生じ、出力部材55
には[Fo2−Fo1]の補助出力が付加されることに
なり、ブレーキブースタ10として、主出力Fo1と補
助出力[Fo2−Fo1]の和であるFo2を出力する
ことになる。
【0079】図4の出力値Fo2は後室24,26の圧
力が大気圧にまで上昇したときの値を示している。入力
が値Fi1より大きい範囲では、入力の変化分だけ出力
が変化する。
【0080】ソレノイドコイル49が通電されている状
態において、運転者がブレーキペダルの踏み込みを解除
すると、入力部材27のみがスプリング59によってパ
ワーピストン22に対してパワーピストン22に対して
後退される。これにより弁機構36が出力減少作用状態
に切り換わり、後室24,26の圧力が低下して出力が
減少する。これにより、入力部材27、可動壁17、2
0、パワーピストン22及び出力ロッド55がハウジン
グ14に対して後退され、最終的には図2に示す非作動
状態に戻る。
【0081】電子制御装置はソレノイドコイル49を非
通電とする条件が成立したとき、ソレノイドコイル49
を非通電とする。これにより、弁座部材40とプランジ
ャ52が付勢スプリング47により図2に示す位置に復
帰され、アクチュエータ48の作動が終了される。
【0082】本実施の形態においては、反力部材54か
ら反力を受けて入力部材27及び当接部材70が後方に
所定量δ4+δ5+αの距離分移動されると、当接部材
70の後面外周部と対向面531とが当接することによ
り、反力部材54の入力部材27への反力の伝達を遮断
することになるものであり、対向面531が係合部とし
て機能しているものである。
【0083】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式ブレーキブースタ10によれば、弁座部材40は、入
力部材27が前進される場合、スプリング47を介して
前方へ付勢されるが、案内部材53によりその前進移動
を規制されていることから前進することはない。また、
入力部材27の後退に際して入力部材27は弁座部材4
0を後方へ付勢せず、従って、弁座部材40が後退する
ことはない。即ち、弁座部材40は、入力部材27の移
動とは独立してバルブボデー22に対して前進及び後退
可能とされている。従って、アクチュエータ48の作動
時において、大気流入制御用大気弁座37と可動部41
とを常に安定した量でもって離間させることができ、ア
クチュエータの作動時におけるブースタ10の出力がば
らつく虞れも無い。
【0084】更に、弁座部材40と中間部221、ひい
てはパワーピストン22との当接部分及びシール部材4
6の摩耗を抑制することができる。
【0085】更に、アクチュエータ48がパワーピスト
ン22に固定されていることから、アクチュエータ48
の形状の自由度を向上させることができる。
【0086】更に、弁座部材40がパワーピストン22
の中間部221の内周面に前後方向に摺動可能に保持さ
れていることから、弁座部材40がパワーピストン22
に対してスムースに摺動可能とされている。
【0087】更に、入力部材27は、当接部29aを介
してパワーピストン22の中間部221に摺動可能に当
接していることから、入力部材27がパワーピストン2
2に対してスムースに摺動可能とされている。加えて、
弁座部材40は、スリット40において当接部29aが
貫通されていることから、パワーピストン22及び入力
部座27に対してよりスムースな摺動を可能としてい
る。
【0088】更に、アクチュエータ48が作動されると
後室24、26に大気が入りきるフルサーボ状態にでき
る。
【0089】更に、アクチュエータ48の作動時におい
ても、ブレーキペダル31の操作を解除することによ
り、ブレーキブースタ10の出力を出力値0まで速やか
に減少することができる。
【0090】更に、プランジャ52と弁座部材40とを
接続する必要がないことから、接続部材の廃止によるコ
ストの低減及び組付け作業の能率向上を図ることを可能
としている。
【0091】従って、アクチュエータ48の作動による
出力を安定して発揮可能とすると共に、アクチュエータ
48の形状の自由度向上を図った負圧式ブースタ10を
提供することを可能としている。
【0092】本実施の形態においては、入力部材27に
は当接部29aが4つ配設され、弁座部材40にはスリ
ット40aが4つ配設されているが、とくにこの構成に
限定するものではなく、例えば、入力部材に当接部が5
つ配設され、弁座部材にスリットが5つ配設されている
本発明の負圧式倍力装置においても、同様の作用効果が
得られることは言うまでもない。
【0093】(実施の形態2)図5は、本発明の一実施
の形態のタンデム型の車両用ブレーキブースタの弁機構
及びアクチュエータ近辺の断面図である。実施の形態1
と同様の部材には同符号が付してある。入力部材27以
外は実施の形態1と略同様であるので説明は省略する。
【0094】パワーピストン22の内部には、入力部材
27が第1空間22a、第2空間22b、第3空間22
cを貫通し、パワーピストン22に対して前進及び後退
できるように設置されている。この入力部材27は、前
端がパワーピストン22の略第3空間22cに位置し且
つ後端がパワーピストン22の外部に位置する後方部材
28と、この後方部材28の前端のボール継手により連
結されていてパワーピストン22の中間部221により
摺動自在に案内されている中央部材29と、この中央部
材29の前端に後端をねじ結合された前方部材30とで
構成されており、後方部材28の後端で不図示のブレー
キペダルに連結される。
【0095】前方部材30は、反力部材54に当接する
第1前方部材301と、その前端部に第1前方部材30
1が螺合されるとともに、その後方部分にフランジ3
4、35を備える第2前方部材302とから成る。
【0096】案内部材53には、初期状態において第1
前方部材301の後面と所定量δ5の距離で離間する対
向面531が配設されている。対向面531は、後述す
るアクチュエータ48が作動された際の入力部材27の
後方への移動の際に第1前方部材301の後面に当接す
ることにより、第1前方部材301ひいては入力部材2
7のパワーピストン22に対する後方への移動を規制す
る。
【0097】図5に示す初期状態における各所定量δ
2、δ3、δ4、δ5の関係は、δ4+δ5<δ2−δ
3となるように設定されている。
【0098】本実施の形態の車両用負圧式ブレーキブー
スタ10の入力−出力特性は実施の形態1と略同様であ
るので、図4、図7を用いて作動を説明する。通常ブレ
ーキ作用は、実施の形態1と略同様であるので説明は省
略する。緊急ブレーキ作用のために運転者がブレーキペ
ダルを入力Fi1で急速に踏み込むと、入力部材27が
パワーピストン22に対して前進し、弁部材45の可動
部41がパワーピストン22の第1大気流出制御用環状
弁座38に当接して第2後室26を第1前室23から遮
断する。つまり、弁機構36が出力減少作用状態から出
力保持作用状態に切り換わる。
【0099】この入力部材27の前進時には、入力部材
27の前端面、即ち、第1前方部材301の前面と反力
部材54の後面との間には隙間が残存している。又、第
1前方部材301の後面と対向面531とは略δ4+δ
5の距離で離間している。
【0100】次いで、出力保持作用状態からの更なる入
力部材27の距離α分の前進により、大気流入制御用環
状弁座37が弁部材45の可動部41から離間して第2
後室26を大気と連通し、弁機構36が出力増加作用状
態に切り換わる。このブレーキペダルの操作と併行し
て、電子制御装置がソレノイドコイル49に通電するこ
とにより、アクチュエータ48が作動される。
【0101】ソレノイドコイル49に通電されると、プ
ランジャ52とヨーク50との間に電磁吸引力が発生
し、プランジャ52がパワーピストン22に対して後退
されて弁座部材40を距離δ2だけ後退させ、弁座部材
40の第2大気流出制御用環状弁座39が弁部材45の
可動部41に当接し且つ弁座部材40が可動部41をパ
ワーピストン22に対して後退させる。このような作動
により、弁部材45の可動部41がパワーピストン22
の第1大気流出制御用環状弁座38から離間されるが、
弁座部材40の第2大気流出制御用環状弁座39が可動
部41に当接していることにより後室24,26と前室
23との遮断状態が維持されたまま大気流入制御用環状
弁座37と弁部材45の可動部41との間の隙間がαか
ら[α+δ2−δ3]へと増大される。
【0102】従って、ブレーキペダルの操作及びアクチ
ュエータ48の作動により、大気が迅速に後室24,2
6に流入し、後室24,26の圧力が迅速に上昇して可
動壁17,20、パワーピストン22及び出力部材55
がハウジング14に対して迅速に前進する。
【0103】パワーピストン22のハウジング14に対
する前進により、パワーピストン22は入力部材27に
対しても前進することにより、弁部材45の可動部41
が大気流入制御用環状弁座37に接近する。又、パワー
ピストン22の前進により、反力部材54がその中心部
の後面と入力部材27の前端面、即ち、第1前方部材3
01との隙間を減少するように案内部材53の内部に進
入し、第1前方部材301の前面に当接して反力部材5
4がパワーピストン22の前進力及び入力部材27の前
進力を出力部材55に伝達すると共に出力部材55から
の出力に対応した反力を、入力部材27に同入力部材2
7をパワーピストン22に対して後退させるように付与
するようになる。この入力部材27が反力部材54から
反力を受けてパワーピストン22に対して後方に移動さ
れようとする状態において、第1前方部材301の後面
と対向面531との間には、略δ4+δ5+α分の隙間
が存在している。
【0104】反力部材54から反力を付与されることに
よって入力部材27はパワーピストン22に対して後方
にδ2−δ3+αの距離分移動されようとする。この入
力部材27の後方への移動に際して、第1前方部材30
1の後面と対向面531との間の略δ4+δ5+α分の
隙間は、初期状態においてδ4+δ5<δ2−δ3とし
て設定されていることからわかるように0となる。即
ち、第1前方部材301の後面と対向面531とが当接
することになる。
【0105】第1前方部材301の後面が対向面531
に当接して第1前方部材301の後方への移動、ひいて
は入力部材27の方向への移動が規制されることによ
り、反力部材54はもはや第1前方部材301ひいては
入力部材27を後方へ移動させることができなくなる。
従って、第2大気流出制御用環状弁座39が弁部材45
の可動部41に当接し、大気流入制御用環状弁座38が
可動部41から離間する弁機構36の出力増加作用状態
が維持されることになり、後室24、26が大気圧と等
しくなるまで後室24、26に大気が流入される。
【0106】つまり、パワーピストン22から反力部材
54を介して出力部材55に伝達されている前進力(出
力部材55からマスターシリンダに付与されている出
力)が通常ブレーキ作用時よりも大きいものであり、図
4中の値Fo2である。言い換えれば、入力Fi1での
ブレーキ操作によって生じるパワーピストン22の推進
力は、出力部材55を介して出力Fo1として発揮され
るが、アクチュエータ48が作動されることにより、パ
ワーピストン22に第2の推進力が生じ、出力部材55
には[Fo2−Fo1]の補助出力が付加されることに
なり、ブレーキブースタ10として、主出力Fo1と補
助出力[Fo2−Fo1]の和であるFo2を出力する
ことになる。
【0107】図4の出力値Fo2は後室24,26の圧
力が大気圧にまで上昇したときの値を示している。入力
が値Fi1より大きい範囲では、入力の変化分だけ出力
が変化する。
【0108】電子制御装置はソレノイドコイル49を非
通電とする条件が成立したとき、ソレノイドコイル49
を非通電とする。これにより、弁座部材40とプランジ
ャ52が付勢スプリング47により図7に示す位置に復
帰され、アクチュエータ48の作動が終了される。
【0109】弁座部材40の初期位置への復帰により、
第1大気流出制御用環状弁座38及び大気流入制御用環
状弁座37に弁部材45の可動部41が当接し、弁機構
36は出力保持作用状態を採る。運転者のブレーキペダ
ルの操作が解除されることにより、入力部材27が反力
部材54の反力及びスプリング59からの付勢力によっ
て初期位置に向けて移動され、入力部材27の移動によ
り、弁機構36は出力現象作用状態を採って装置の出力
が減少される。
【0110】次いで、運転者からブレーキペダルに入力
が加えられていない状態で、アクチュエータ48が作動
される自動ブレーキ作用について説明する。図5に示す
非作動時において、電子制御装置がソレノイドコイル4
9に通電することにより、アクチュエータ48が作動さ
れる。
【0111】ソレノイドコイル49に通電されると、プ
ランジャ52とヨーク50との間に電磁吸引力が発生
し、プランジャ52がパワーピストン22に対して後退
されて弁座部材40を距離δ2だけ後退させ、弁座部材
40の第2大気流出制御用環状弁座39が弁部材45の
可動部41に当接し且つ弁座部材40が可動部41をパ
ワーピストン22に対して後退させる。このような作動
により、弁座部材40の第2大気流出制御用環状弁座3
9が可動部41に当接することにより後室24,26と
前室23とが遮断状態とされ、大気流入制御用環状弁座
37と弁部材45の可動部41とが[δ2−δ3−δ
4]の距離分で離間される。
【0112】従って、アクチュエータ48の作動のみに
より、大気が迅速に後室24,26に流入し、後室2
4,26の圧力が迅速に上昇して可動壁17,20、パ
ワーピストン22及び出力部材55がハウジング14に
対して迅速に前進する。
【0113】パワーピストン22のハウジング14に対
する前進により、パワーピストン22は入力部材27に
対しても前進することにより、弁部材45の可動部41
が大気流入制御用環状弁座37に接近する。又、パワー
ピストン22の前進により、反力部材54がその中心部
の後面と入力部材27の前端面、即ち、第1前方部材3
01との隙間を減少するように案内部材53の内部に進
入し、第1前方部材301の前面に当接して反力部材5
4がパワーピストン22の前進力及び入力部材27の前
進力を出力部材55に伝達すると共に出力部材55から
の出力に対応した反力を、入力部材27に同入力部材2
7をパワーピストン22に対して後退させるように付与
するするようになる。この入力部材27が反力部材54
から反力を受けてパワーピストン22に対して後方に移
動されようとする状態において、第1前方部材301の
後面と対向面531との間には、略δ5分の隙間が存在
している。
【0114】反力部材54から反力を付与されることに
よって入力部材27はパワーピストン22に対して後方
にδ2−δ3−δ4の距離分移動されようとする。この
入力部材27の後方への移動に際して、第1前方部材3
01の後面と対向面531との間の略δ5分の隙間は、
初期状態においてδ4+δ5<δ2−δ3として設定さ
れていることからわかるように0となる。即ち、第1前
方部材301の後面と対向面531とが当接することに
なる。
【0115】第1前方部材301の後面が対向面531
に当接すると、第1前方部材301の後方への移動、ひ
いては入力部材27の方向への移動が規制され、反力部
材54はもはや第1前方部材301ひいては入力部材2
7を後方へ移動させることができなくなる。従って、第
2大気流出制御用環状弁座39が弁部材45の可動部4
1に当接し、大気流入制御用環状弁座38が可動部41
から離間する弁機構36の出力増加作用状態が維持され
ることになり、後室24、26が大気圧と等しくなるま
で後室24、26に大気が流入される。
【0116】一方、第1前方部材301が対向面531
に当接した状態で後室24、26へ大気が流入される
と、パワーピストン22の前進により、入力部材27が
パワーピストン22と一体的に前進されることになる。
入力部材27がパワーピストン22と一体的に前進する
ことにより、大気流入制御用環状弁座37と可動部41
との離間は維持されることになる。
【0117】従って、反力部材54からの反力付与に伴
う入力部材27の後退と差圧によるパワーピストン22
の前進とに際しても、弁機構36は出力増加作用状態を
維持し続けることになる。
【0118】つまり、入力0において、パワーピストン
22から反力部材54を介して出力部材55に伝達され
ている前進力(出力部材55からマスターシリンダに付
与されている出力)は、図4中の値Fo2となる。言い
換えれば、入力0でのブレーキ操作によって生じるパワ
ーピストン22の推進力は0であるが、アクチュエータ
48が作動されることにより、パワーピストン22に第
2の推進力が生じ、出力部材55にはFo2の補助出力
が付加されることになり、ブレーキブースタ10とし
て、主出力0と補助出力Fo2の和であるFo2を出力
することになる。以上説明したように、本実施の形態の
負圧式ブレーキブースタ10によれば、アクチュエータ
48が作動されると後室24、26に大気が入りきるフ
ルサーボ状態にできる。
【0119】更に、ブレーキペダルに入力が無い状態に
おいてアクチュエータ48が作動されると、後室24、
26に大気が入りきるフルサーボ状態となる自動ブレー
キ作用を行うことを可能としている。
【0120】本実施の形態においては、反力部材54か
ら反力を受けて入力部材27が後方に所定量δ5+δ4
+αの距離分移動されると、前方部材301の後面と対
向面531とが当接することにより、入力部材27の後
方への移動が規制されることになるものであり、対向面
531が規制部として機能している。
【0121】その他の作用効果は、実施の形態1と同様
であるので説明は省略する。
【0122】以上、本発明を上記実施の形態に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、弁座部材は、入力部材の移動とは独立してパワ
ーピストンに対して前進及び後退可能とされている。従
って、アクチュエータの作動時において、大気流入制御
用大気弁座と可動部とを常に安定した量でもって離間さ
せることができ、アクチュエータの作動時における負圧
式倍力装置の出力がばらつく虞れも無い。
【0124】更に、アクチュエータがパワーピストンに
固定されていることから、アクチュエータの形状に制約
を受けることがない。
【0125】従って、アクチュエータの作動による出力
を安定して発揮可能とすると共に、アクチュエータの形
状の自由度向上を図った負圧式倍力装置を提供すること
を可能としている。
【0126】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、弁座部材の配設に際してよりよい形態
を示している。
【0127】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果に加えて、弁座部材のパワーピス
トンに対する摺動をスムースなものとできる。
【0128】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、前室と後室との気密性を向上すること
を可能としている。
【0129】請求項5の発明のによれば、請求項1〜4
の何れか一に記載の発明の効果に加えて、入力部材のパ
ワーピストンに対する摺動をスムースなものとできる。
【0130】請求項6の発明によれば、請求項1〜5の
いずれか一に記載の発明の効果に加えて、アクチュエー
タのよりよい形態を示している。
【0131】請求項7の発明によれば、請求項1〜6の
いずれか一に記載の発明の効果に加えて、アクチュエー
タが作動されることにより、後室が大気圧と略等しい状
態となる装置のフルサーボ状態をとることができる。
【0132】更に、アクチュエータの作動時におけるブ
レーキ操作の解除に伴う入力部材の後方移動により、弁
機構を出力減少作用状態とできる。
【0133】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
の効果に加えて、遮断機構のよりよい形態を示してい
る。
【0134】請求項9の発明によれば、請求項1〜6の
いずれか一に記載の発明の効果に加えて、アクチュエー
タが作動されることにより、後室が大気圧と略等しい状
態となる装置のフルサーボ状態をとることができる。
【0135】更に、入力部材に入力が無い状態において
アクチュエータが作動されると、後室に大気が入りきる
フルサーボ状態となる自動ブレーキ作用を行うことを可
能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の負圧式倍力装置10の断面図。
【図2】図1の一部拡大断面図。
【図3】図2の入力部材27及び弁座部材40の組付け
以前の斜視図。
【図4】実施の形態1の負圧式倍力装置10の性能線
図。
【図5】実施の形態2の負圧式倍力装置の一部拡大断面
図。
【符号の説明】
10 負圧式ブレーキブースタ 14 ハウジング 17、20 可動壁 23、25 前室 24、26 後室 22 パワーピストン 221 中間部 27 入力部材 29a 当接部 36 弁機構 37 大気流入制御用環状弁座 38 第1大気流出制御用環状弁座 39 第2大気流出制御用環状弁座 40 弁座部材 41 可動部 42 固定部 44 スプリング 45 弁部材 48 アクチュエータ 49 ソレノイドコイル 50 ヨーク 52 プランジャ 53 案内部材 531 対向面 54 反力部材 55 出力部材 70 当接部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に少なくとも一つの圧力室を形成す
    るハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退可能に設置され、前記圧力室を、負圧源に連通される
    前室と前記負圧源および大気に選択的に連通される後室
    とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されたパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に設置され、ブレーキ操作によって
    移動可能な入力部材と、 前記入力部材に配設されおり且つ後方に向いている大気
    流入制御用環状弁座と、前記パワーピストンに配設され
    ており且つ後方に向いている第1大気流出制御用環状弁
    座と、前記大気流入制御用環状弁座及び前記第1大気流
    出制御用環状弁座に対向する可動部と前記パワーピスト
    ンに気密的に固定される固定部とを有しており且つ前記
    可動部が第1付勢部材によって前方へ付勢されている弁
    部材とを備え、前記入力部材の移動に応じて、前記後室
    を前記前室に連通すると共に大気から遮断する出力減少
    作用状態と前記後室を前記前室及び大気から遮断する出
    力保持作用状態及び前記後室を前記前室から遮断して大
    気に連通する出力増加作用状態に切り換える弁機構と、 前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に配設さ
    れるとともに前記入力部材の移動とは独立して前進及び
    後退可能とされ、後方に向いている第2大気流出制御用
    環状弁座を有している弁座部材と、 前記パワーピストンに固定され、前記弁座部材を後方へ
    移動させて前記可動部に当接させることにより前記弁機
    構を前記出力増加作用状態とするアクチュエータと、 前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの推進力
    を装置外に出力する出力部材と、 を備えた負圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記入力部材と前記弁座部材との間に配
    設され、前記弁座部材を前方に付勢する第2付勢部材
    と、前記アクチュエータの非作動時に前記第2付勢部材
    により付勢された前記弁座部材と当接することにより、
    前記弁座部材の前方への移動を規制する規制部材とを備
    えた請求項1の負圧式倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記パワーピストンは、前記弁座部材を
    前後方向に摺動可能に保持する保持部を備える請求項1
    又は請求項2の負圧式倍力装置。
  4. 【請求項4】 前記弁座部材は、前記保持部との当接部
    分にシール部材を備えている請求項3の負圧式倍力装
    置。
  5. 【請求項5】 前記弁座部材は前記入力部材の外周部と
    前記パワーピストンの内周部との間に配設され、前記入
    力部材は、前記弁座部材を貫通すると共に前記パワーピ
    ストンの前記内周部に摺動可能に当接する当接部を備え
    る請求項1〜4の何れか一に記載の負圧式倍力装置。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータは、前記パワーピス
    トンに固定されたソレノイドコイル及びヨークと、前記
    ソレノイドコイルへの通電により発生する電磁吸引力に
    より前記後方へ移動されて前記弁座部材を前記後方に移
    動させるプランジャとを備えている請求項1〜5の何れ
    か一に記載の負圧式倍力装置。
  7. 【請求項7】 前記入力部材と前記出力部材との間に配
    設され、前記パワーピストンの推進力に応じた反力を前
    記入力部材に印加する反力部材を備え、前記アクチュエ
    ータの作動時に、前記入力部材は前記反力を印加される
    ことにより後方へ移動され、前記アクチュエータの作動
    時に、前記反力部材からの反力を受けて前記入力部材が
    所定量後方へ移動された際に、前記反力部材から前記入
    力部材への反力の伝達を遮断する遮断機構を備えた請求
    項1〜6の何れか一に記載の負圧式倍力装置。
  8. 【請求項8】 前記入力部材と前記反力部材との間に介
    在され、その前面で前記反力部材に当接可能でその後面
    で前記入力部材に当接可能とされ、前記反力部材からの
    反力を受けて後方に移動される当接部材を備え、前記入
    力部材は前記当接部材を介して前記反力部材から反力を
    印加され、前記遮断機構は、前記アクチュエータの作動
    時に、前記反力部材からの反力を受けて前記入力部材及
    び前記当接部材が所定量後方へ移動された際に前記当接
    部材に係合し、前記当接部材の前記後方への移動を規制
    する係合部を備えた請求項7の負圧式倍力装置。
  9. 【請求項9】 前記入力部材と前記出力部材との間に配
    設され、前記パワーピストンの推進力に応じた反力を前
    記入力部材に印加する反力部材を備え、前記アクチュエ
    ータの作動時に、前記入力部材は前記反力を印加される
    ことにより後方へ移動され、前記アクチュエータの作動
    時に、前記反力部材からの反力を受けて前記入力部材が
    所定量後方へ移動された際に、前記入力部材の前記後方
    への移動を規制する規制部を備えた請求項1〜6の何れ
    か一に記載の負圧式倍力装置。
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DE19817589A DE19817589A1 (de) 1997-04-18 1998-04-20 Unterdruckbremskraftverstärker für ein Fahrzeug
US09/535,224 US6212992B1 (en) 1997-04-18 2000-03-27 Vacuum type brake booster for vehicle

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